JPH10198953A - 磁気記録媒体の製造方法及びその製造装置 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法及びその製造装置

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JPH10198953A
JPH10198953A JP35161796A JP35161796A JPH10198953A JP H10198953 A JPH10198953 A JP H10198953A JP 35161796 A JP35161796 A JP 35161796A JP 35161796 A JP35161796 A JP 35161796A JP H10198953 A JPH10198953 A JP H10198953A
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plasma
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属磁性薄膜からなる磁性層の表面保護膜で
ある硬質炭素膜上に、耐蝕性等に優れたフッ化処理膜を
設け、更に、この面上に、摺動耐久性等の厳しい状況の
中でも十分量かつ長時間存在できる潤滑剤層を設ける、
磁気記録媒体の製造方法、及びその実施の際に使用でき
る磁気記録媒体の製造装置を提供すること。 【解決手段】 金属磁性薄膜からなる磁性層上に硬質炭
素膜34を形成する工程と、硬質炭素膜34上にフッ化
処理膜35を形成する工程と、フッ化処理膜35をプラ
ズマ中で処理する工程と、この処理表面39上にフッ素
含有潤滑剤層36を設ける工程とを有する、磁気記録媒
体の製造方法。金属磁性薄膜からなる磁性層上に硬質炭
素膜34を形成する第1反応室2と、硬質炭素膜34上
にフッ化処理膜35を形成する第2反応室3と、フッ化
処理膜35をプラズマ中で処理するプラズマ処理室4と
を有する、磁気記録媒体の製造装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体(例
えば、磁気テープ、磁気ディスク等)の製造方法、及び
その製造に際し使用できる製造装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録媒体は、例えばオ−ディ
オ機器、ビデオ機器、コンピュ−タ機器等に用いられ、
その需要は著しく伸びてきている。
【0003】従来より、磁気記録媒体としては、非磁性
支持体上に酸化物磁性粉末又は合金磁性粉末等の粉末磁
性材料を、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ポリエ
ステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂等の有機
バインダー中に分散せしめた磁性塗料を塗布、乾燥する
ことにより作成された、いわゆる塗布型の磁気記録媒体
が広く使用されている。
【0004】これに対して、高密度磁気記録への要求の
高まりと共に、Co−Ni合金、Co−Cr合金、Co
−O等の金属磁性材料を、メッキや真空薄膜形成手段
(真空蒸着法やスパッタリング法、イオンプレーティン
グ法等のいわゆるPVD技術)によってポリエステルフ
ィルムやポリアミド、ポリイミドフィルム等の非磁性支
持体上に直接被着した、いわゆる金属磁性薄膜型の磁気
記録媒体が提案され、注目を集めている。
【0005】この金属磁性薄膜型の磁気記録媒体は、保
磁力や角型比に優れ、磁性層の厚みを極めて薄くできる
ため、記録減磁や再生時の厚み損失が著しく小さく、短
波長での電磁変換特性に優れるばかりでなく、磁性層中
に非磁性材料であるバインダーを混入する必要がないた
め、磁性材料の充填密度を高めることができる等、数々
の利点を有している。
【0006】即ち、金属磁性薄膜型の磁気記録媒体は、
磁気特性的な優位性の故に、高密度磁気記録の主流にな
ると考えられている。
【0007】更に、この種の磁気記録媒体の電磁変換特
性を向上させ、より大きな出力を得ることができるよう
にするために、磁気記録媒体の磁性層を形成する場合、
磁性層を斜めに蒸着する、いわゆる斜方蒸着が提案さ
れ、実用化されている。
【0008】ところで、特に金属磁性薄膜型の磁気記録
媒体では、一層の高密度化を図ることから、スペーシン
グ損失を少なくするために媒体は平滑化される傾向にあ
る。しかし、磁性層表面の平滑性が良好であると、磁気
ヘッドやガイドローラー等の摺動部材に対する実質的な
接触面積が大きくなり、従って、摩擦係数が大きくなっ
て、凝着現象(いわゆる張り付き)が起き易く、走行性
や耐久性に欠ける等、媒体に生ずる剪断応力は大きくな
り、問題点が多い。
【0009】例えば、8ミリビデオデッキに挿入された
テープは、10個以上のガイドピンを通って、ドラムに巻
き付けられる。その際、ピンチローラーとキャプスタン
によってテープテンションとテープ走行速度は一定に保
たれていて、テンションは約20g、走行速度は 0.5cm/s
である。
【0010】この走行系において、テープの磁性層はス
テンレス製の固定されたガイドピンと接触する構造にな
っている。そのために、テープ表面の摩擦が大きくなる
と、テープがスティックスリップを起こして、いわゆる
テープ鳴きという現象が起き、再生画面のひきつれを起
こす。
【0011】また、テープとヘッドとの相対速度は非常
に大きく、特にポーズ状態では同じ場所での高速接触と
なるので、磁性層の摩耗の問題が生じ、再生出力の低下
につながる。磁性層を蒸着で形成した蒸着テープの場合
には、磁性層が非常に薄いので、この問題は更に助長さ
れる。
【0012】ハードディスク装置では、CSS(コンタ
クト・スタート・ストップ)といって、回転前には磁気
ヘッドはディスクに接触しており、高速で回転を始める
と、発生する空気流によって浮上するタイプである。従
って、起動停止又は起動時には媒体を擦って走行するの
で、そのときの摩擦増加が大きな問題となっている。
【0013】商品レベルの信頼性を保つには、CSS操
作を2万回行った後の摩擦係数が特に 0.5以下であるこ
とが望まれる。また、高速で回転しているので、ヘッド
と媒体によるヘッドクラッシュの問題も薄膜媒体では課
題の一つである。
【0014】このように摺動耐久性が厳しくなる状況の
中で、耐久性、耐蝕性を向上させる目的で、磁性層の表
面に保護膜を形成する技術の検討がなされている。
【0015】このような保護膜としては、カーボン膜、
石英(SiO2 )膜、ジルコニア(ZrO2 )膜等が検
討され、ハードディスクにおいては実用化され生産され
ているものもある。
【0016】特に、最近は、カーボン膜よりも硬度が大
きい硬質炭素膜としてダイヤモンドライクカーボン(D
LC:ダイヤモンド構造をとるカーボン)膜等の膜形成
の検討も行われており、今後は主流になるものと思われ
る保護膜である。
【0017】このDLC膜の形成方法としては、スパッ
タリング法やCVD法(Chmical Vapor Deposition:化
学的気相成長法)が用いられている。
【0018】スパッタリング法とは、電場や磁場を利用
してアルゴンガス等の不活性ガスの電離(プラズマ化)
を行い、更に、電離したイオンを加速することにより得
られる運動エネルギーによって、ターゲットの原子を叩
き出す。そして、その叩き出された原子が対向する基板
上に堆積し、目的とする膜を形成する物理的プロセスで
ある。
【0019】これに対し、CVD法(特にプラズマCV
D法)は、電場や磁場を用いて発生させたプラズマのエ
ネルギーを利用して、原料となる気体の分解、合成等の
化学反応をおこさせ、膜を形成する化学的プロセスであ
る。
【0020】一般に、スパッタリング法によるDLC膜
の形成は、CVD法に比べて膜形成速度が遅く膜質も劣
るため、CVD法(特にプラズマCVD法)による形成
が主流となっている。
【0021】また、更なる耐久性及び耐蝕性の追求か
ら、硬質炭素膜(硬質炭素保護膜)の表面をフッ化処理
することが提案されている(特開昭63−78328号
公報参照)。
【0022】これは、非磁性支持体上に金属磁性薄膜が
設けられている磁気記録媒体において、この表面上にダ
イヤモンド状硬質炭素膜を配し、このダイヤモンド状硬
質炭素膜の表面をフッ化処理し、その上にフッ素含有潤
滑剤層を設けるものである。
【0023】このように、硬質炭素膜表面をフッ化処理
することによりフッ素樹脂膜、例えばポリテトラフルオ
ロエチレン〔PTFE: -(CF2CF2)n - 〕の重合膜が得
られ、このポリテトラフルオロエチレン膜は、耐熱性や
耐蝕性等の耐環境性に非常に優れた膜となる。これは、
フッ素原子のサイズが小さく、あらゆる原子の中で電気
陰性度が最も大きい上に、分子内の炭素原子−フッ素原
子間の結合が強固であり、その表面自由エネルギーが小
さいといった、フッ素樹脂膜(特にポリテトラフルオロ
エチレン膜)特有の性質に由来するものと考えられる。
【0024】しかしながら、硬質炭素膜、即ち硬質炭素
保護膜の最表面をフッ化処理すること(フッ素樹脂膜の
形成)によって、耐蝕性が向上すると共に摩擦が低減す
るものの、フッ化処理面(フッ素樹脂膜の表面)の表面
自由エネルギーが比較的小さいので、摺動耐久性が厳し
い状況の中で、その面上に例えばパーフルオロポリエー
テル等のフッ素系の潤滑剤が十分量かつ長時間存在する
ことが困難となる。この結果、スチル耐久性やシャトル
耐久性等が経時的に劣化するなど、潤滑剤層の形成には
大きな問題を残している。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、
金属磁性薄膜からなる磁性層の表面保護膜である硬質炭
素膜上に、耐蝕性等に優れたフッ化処理膜を設け、更
に、この面上に、摺動耐久性等の厳しい状況の中でも十
分量かつ長時間存在できる潤滑剤層を設けることのでき
る磁気記録媒体の製造方法、及びその実施の際に好適に
使用できる磁気記録媒体の製造装置を提供することにあ
る。
【0026】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、金属磁
性薄膜からなる磁性層上に硬質炭素膜を形成する工程
と、前記硬質炭素膜上にフッ化処理膜を形成する工程
と、前記フッ化処理膜をプラズマ中で処理する工程と、
この処理表面上にフッ素原子含有潤滑剤層を設ける工程
とを有する、磁気記録媒体の製造方法(以下、本発明の
製造方法と称する。)に係るものである。
【0027】本発明の製造方法によれば、金属磁性薄膜
からなる磁性層(例えばコバルトの連続磁性薄膜)上に
硬質炭素膜(特にDLC:ダイヤモンドライクカーボン
膜)を形成する工程と、前記硬質炭素膜上にフッ化処理
膜(例えばポリテトラフルオロエチレン膜)を形成する
工程と、前記フッ化処理膜をプラズマ中(例えば、窒素
分子、酸素分子、アルゴン原子等のプラズマ)で処理す
る工程と、この処理表面上にフッ素原子含有潤滑剤層
(例えばパーフルオロポリエーテルの潤滑剤層)を設け
る工程とを有しているので、表面保護膜である前記硬質
炭素膜上に、耐蝕性等に優れた前記フッ化処理膜を設
け、更に、この表面上に、摺動耐久性等の厳しい状況の
中でも十分量かつ長時間存在できる前記フッ素原子含有
潤滑剤層を設けることができる。
【0028】特に、本発明の製造方法においては、フッ
化処理膜をプラズマ中で処理する工程を有しているが、
フッ化処理膜をプラズマ中で処理すること(以下、プラ
ズマ処理と称することがある。)によって、フッ化処理
膜(例えばポリテトラフルオロエチレン膜)の表面が、
例えば酸素分子、アルゴン原子、窒素分子等のプラズマ
によってボンバードされ、この表面がクリーンになると
共に適度の粗さが生じ、更に、この表面に>C=O、>
C−O−、−OH、−COOH等の官能基が現れる。本
発明の製造方法においては、これらの官能基を介してフ
ッ素原子含有潤滑剤がフッ化処理膜に吸着され、またフ
ッ化処理膜が適度の粗さを呈することになるため、フッ
素原子含有潤滑剤層が前記フッ化処理膜の表面に、強固
に付着(吸着)するものと考えられる。
【0029】即ち、本発明の製造方法は、フッ化処理さ
れた硬質炭素膜の表面に更にプラズマ処理を施すこと
で、硬質炭素膜の表面上を活性化し、潤滑剤の吸着を促
進するものである。
【0030】また、本発明は、前記金属磁性薄膜からな
る磁性層上に前記硬質炭素膜を形成する第1反応室と、
前記硬質炭素膜上に前記フッ化処理膜を形成する第2反
応室と、前記フッ化処理膜をプラズマ中で処理するプラ
ズマ処理室とを有する、磁気記録媒体の製造装置(以
下、本発明の製造装置と称する。)に係るものである。
【0031】本発明の製造装置によれば、金属磁性薄膜
からなる磁性層上に硬質炭素膜を形成する第1反応室
と、前記硬質炭素膜上にフッ化処理膜を形成する第2反
応室と、前記フッ化処理膜をプラズマ中で処理するプラ
ズマ処理室とを有しているので、前記硬質炭素膜上に、
前記第2反応室で耐蝕性等に優れたフッ化処理膜(例え
ばポリテトラフルオロエチレン膜)を設けることがで
き、更に、前記プラズマ処理室で、前記フッ化処理膜に
対してプラズマ処理を施しているので、この処理面に、
摺動耐久性等の厳しい状況の中でも十分量かつ長時間存
在できるフッ素原子含有潤滑剤層(例えばパーフルオロ
ポリエーテルの潤滑剤層)を形成することができる。
【0032】本発明の製造装置においては、フッ化処理
膜をプラズマ中で処理するプラズマ処理室を有してい
る。このプラズマ処理室では、酸素分子、窒素分子、ア
ルゴン原子等のプラズマを発生させ、このプラズマによ
るボンバードによって、前記フッ化処理膜面をクリーン
にさせると共に適度の粗さを生じさせることができ、更
に、この表面に>C=O、>C−O−、−OH、−CO
OH等の官能基を現させることもできる。これらの官能
基や適度の粗さは、前記フッ化処理膜に対して前記潤滑
剤層を強固に付着(化学吸着)させる効果を有する。
【0033】即ち、本発明の製造装置によれば、フッ化
処理された硬質炭素膜の表面に更にプラズマ処理を施し
て硬質炭素膜の表面上を活性化し、潤滑剤の吸着を促進
することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法及び本発明の製
造装置においては、窒素原子含有ガス、酸素原子含有ガ
ス及び不活性ガスからなる群より選ばれた少なくとも1
種のガスのプラズマ中で処理(プラズマ処理)を行うこ
とができる。
【0035】これらのガスとしては、例えば、窒素原子
含有ガスとして窒素ガス、アンモニアガス等、酸素原子
含有ガスとして酸素ガス、二酸化炭素ガス等、不活性ガ
スとしてアルゴンガス等が挙げられる。勿論、これらの
ガスは単独で用いてもよいし混合して用いてもよい。
【0036】このようなガスを用いてフッ化処理膜面を
プラズマ処理することにより、更なる吸着性の向上が期
待でき、これにより潤滑剤を十分に吸着せしめ、潤滑剤
の特性を十分に引き出すことができる。
【0037】また、本発明の製造方法及び本発明の製造
装置においては、直流放電処理、交流放電処理及び高周
波放電処理からなる群より選ばれた1種の処理方法によ
ってプラズマ中での処理(プラズマ処理)を行うことが
できる。
【0038】即ち、プラズマ処理室は直流(DC)放電
部、交流(AC)放電部、高周波(RF)放電部のいず
れであってもよく、プラズマ処理室はそれぞれの処理方
式に適した構成とすることができる。
【0039】また、本発明の製造方法及び製造装置にお
いて、上記の処理面(例えば、ポリフルオロエチレン膜
の表面)をプラズマ中で処理(プラズマ処理)、つまり
ボンバードすると、上述したように、前記処理面がクリ
ーンになると共にこの表面に>C=O、>C−O−、−
OH、−COOH等の官能基が現れる。これらの官能基
においては、経時的にその活性が失われる傾向がある。
従って、プラズマ中での処理後に、この処理面が活性化
状態のうちにフッ素原子含有潤滑剤層を設けることが望
ましい。
【0040】また、本発明の製造方法及び製造装置にお
いては、プラズマ中での処理によってフッ化処理膜(例
えばポリテトラフルオロエチレン膜)の表面自由エネル
ギーを20mJ/m2 以上とすることが望ましい。但
し、上記の表面自由エネルギーは、プラズマ処理直後の
表面エネルギーであり、協和界面科学社製の接触角CA
−DTを用いて水とヨウ化メチレンの接触角から求め
た。できるだけ吸着水を除去して膜そのものの表面エネ
ルギーを測るため、窒素パージを行いながら測定を行っ
た。測定時の温度は常温である。
【0041】一般に、フッ化処理膜(例えばポリテトラ
フルオロエチレン膜)の表面自由エネルギーは小さく、
耐水性や耐油性に優れ、耐蝕膜として有効であるが、表
面自由エネルギーが20mJ/m2 未満と小さすぎる
と、例えばパーフルオロポリエーテル等のフッ素原子含
有潤滑剤層が付着しにくくなり、前記潤滑剤層を摺動耐
久性の厳しい環境下で十分に長時間作用させることが困
難になる傾向がある。この表面自由エネルギーは30m
J/m2 以上であることが更に好ましく、上限は40m
J/m2 であることが好ましい。
【0042】本発明の製造方法及び製造装置において、
硬質炭素膜をダイヤモンドライクカーボン、フッ化処理
膜をフッ素樹脂膜、また、潤滑剤層をパーフルオロポリ
エーテルとすることができる。
【0043】前記硬質炭素膜は、ダイヤモンドライクカ
ーボン、i−カーボン(iはイオン(ion) のiである)
などと呼ばれるものであり、炭素原子間でのsp3 結合
を主体として、ダイヤモンド構造やグラファイト構造が
混在しているアモルファスな炭素膜である。
【0044】一般に、硬質炭素膜は非常に硬く、絶縁
性、高屈折率で、非常に滑らかな形態(モルフォロジ
ー)を持つ膜であり、作成条件によっては、ダイヤモン
ドの微結晶が含まれることがある。また、通常、水素原
子が含まれると柔らかくなり、水素が含まれた比較的柔
らかい膜は「a−C:H」と呼ばれている。本発明にお
いては、厚みは5〜30 nm程度であることが好まし
い。
【0045】また、前記フッ素樹脂膜は、フッ素を含む
オレフィンの重合で得られる樹脂膜であって、代表的な
ものとしてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が
挙げられる。本発明においては、エチレンを原料ガスと
したフッ化処理(例えばプラズマCVD法)によって得
られる非常に薄い膜(約3〜4nm厚)であることが好
ましい。
【0046】更に、潤滑剤層はフッ素含有の潤滑剤層で
あることが好ましく、特に前記パーフルオロポリエーテ
ルが好ましい。パーフルオロポリエーテル(PFPE)
は、一般式: (但し、nは重合度を示し、任意の自然数である。)で
表されるフッ素樹脂であり、例えば、テフロンPFA
(DuPont社製)、テフロンPFA−J(三井デュポン社
製)等が挙げられる。本発明において、前記潤滑剤層
(パーフルオロポリエーテル層)の厚みは1〜5nmで
あることが好ましい。
【0047】また、本発明の製造方法及び本発明の製造
装置において、硬質炭素膜をプラズマCVD法によって
形成することが好ましい。
【0048】一般に、硬質炭素膜(DLC膜)の形成方
法としては、スパッタリング法、CVD法(Chmical Va
por Deposition:化学的気相成長法)が用いられてい
る。
【0049】特にCVD法は、成膜速度が比較的速い
上、優れた質の膜を形成することが十分に可能である。
【0050】本発明の製造方法においては、金属磁性薄
膜からなる磁性層を設けた非磁性支持体を搬送しなが
ら、硬質炭素膜の形成と、フッ化処理膜の形成と、プラ
ズマ中での処理とを順次行うことができる。
【0051】このように一連の工程で、硬質炭素膜の形
成と、フッ化処理膜の形成と、プラズマ中での処理とを
行うことができ、生産性、経済性等に優れた方法であ
る。
【0052】また、本発明の製造装置においては、第1
反応室と第2反応室とプラズマ処理室とが共通の真空槽
内に配置されていることが好ましい。但し、各々の室が
同一の真空槽内に配置されることに限定されるものでは
ない。
【0053】更に、本発明の製造装置においては、第1
反応室での硬質炭素膜の形成と、第2反応室でのフッ化
処理膜の形成と、プラズマ処理室での処理とを順次行う
ように構成することができる。
【0054】このような構成の製造装置であると、製造
装置内のスペースを有効に活用でき、生産性、経済性に
優れた製造装置となる。
【0055】次に、本発明の製造装置の一例の構成につ
いて、図1を参照しながら説明する。
【0056】図1に示した製造装置は、非磁性支持体上
に金属磁性薄膜の設けられた磁気記録媒体上に、硬質炭
素膜、フッ化処理膜を順次設け、更に前記フッ化処理面
をプラズマ処理することができる、磁気記録媒体の製造
装置である。
【0057】この製造装置においては、金属磁性薄膜を
設けた原反フィルム21を磁気記録媒体用として処理す
るが、このフィルムは、ポリエチレンテレフタレート
(PET)からなる非磁性支持体フィルム上に酸素ガス
を導入しながらコバルト(Co)を蒸着して部分酸化強
磁性金属薄膜を形成したものである。このフィルム21
は、回転支持体(ガイドローラー)20に支えられ所定
のテンションが加えられながら、巻き出しロール18、
対向電極5、第1反応室2、第2反応室3、プラズマ処
理室4、巻き取りロール19の順に搬送される。
【0058】第1反応室2は硬質炭素膜の成膜用、フッ
化処理室(第2反応室)3は硬質炭素膜のフッ化処理
用、プラズマ処理室4はフッ化処理膜のプラズマ処理用
としてそれぞれ設けられ、各々の室は共通の真空槽1の
内部に配されており、図示しない真空排気装置により、
真空槽1の内部は真空状態になされている。
【0059】第1反応室2の内部には電極7が組み込ま
れており、電極7には直流電源8により+500〜20
00Vの電位が印加される。この電極7としては、ガス
(プラズマ化された原料ガス)を通しやすく、かつ反応
室内で電界を均一に生じさせることができ、柔軟性に富
む、例えば金網のような金属メッシュ電極であることが
好ましい。この電極7の材料は銅が代表的であるが、導
電性の点から金なども挙げられる。また、第2反応室と
同様に、反応室の壁はガラス、樹脂及びセラミックス等
の線膨張係数の小さい絶縁物からなることが望ましい。
6は原料ガス導入口であり、例えばトルエン等の炭化水
素を主成分とした原料ガス15がここから導入される。
【0060】また、第1反応室と同様に、第2反応室
(フッ化処理室)3の内部には電極9が組み込まれてお
り、電極9には直流電源11により適当な電位が印加さ
れる。電極9の形状、材質等は上記の電極7と同様であ
る。また10は原料ガス導入口であり、例えばエチレン
等の原料ガス16がここから導入される。
【0061】更に、プラズマ処理室4には、電極14と
対向電極13とが設けられており、交流電源22から電
極14へ所定の電圧が印加されるようになされている。
但し、上述したように、この電極14及び対向電極13
には直流電圧を印加することもできるし、処理室の外周
に励起コイルを巻回して高周波電力を供給することもで
きる。22はプラズマ処理用ガス17の導入口であり、
窒素、酸素、アルゴン等のガスがここから導入される。
但し、これらのプラズマ処理用ガス17は、導入後に閉
じ込められたままで、プラズマ処理を行ってもよい。
【0062】また、第1反応室2、第2反応室3及びプ
ラズマ処理室4と、その外周囲との間には、真空槽1に
設けた図示しない真空排気装置により大きな圧力差が設
けられており、反応に供されなかったガス(例えば、原
料ガスそのもの、分解ガス、キャリヤーガス等)は、第
1反応室2、第2反応室3と対向電極5との間のギャッ
プ24及び25、更に、プラズマ処理室4の媒体搬送口
26から、逆流せずに排気される。
【0063】こうしてプラズマ処理されたフィルムは、
巻き取り後に再び繰り出し、プラズマ処理による活性化
状態を保持したままプラズマ処理面にフッ素含有潤滑剤
をロール塗布など(図示せず)によって付着させる。
【0064】本発明の製造方法及び本発明の製造装置
は、非磁性支持体上に磁気記録層(磁性層)が設けら
れ、更にその上に硬質炭素保護膜が設けられる磁気記録
媒体(テープ、ディスク等)全てが対象となるが、特
に、耐環境特性が厳しく要求されるテープ媒体について
効果が大きい。
【0065】次に、本発明の製造方法及び本発明の製造
装置によって作製された磁気記録媒体の一構造例を図2
に示す。
【0066】非磁性支持体32上に金属磁性薄膜33が
設けられている磁気記録媒体31において、この表面上
に硬質炭素膜34が配され、この硬質炭素膜34の表面
にフッ化処理膜35を設け、フッ化処理膜35上の面3
9にプラズマ処理を施し、その上にフッ素含有潤滑剤層
36を設けたものである。但し、本発明の製造方法及び
本発明の製造装置によって作製される磁気記録媒体は、
この構造の磁気記録媒体に限定されるものではない。
【0067】上記非磁性支持体上には、強磁性金属材料
を直接被着することにより、金属磁性薄膜が磁性層とし
て形成されているが、この金属磁性材料としては、通常
の蒸着テープ等に使用されるものであれば如何なるもの
であってもよい。
【0068】例示すれば、Fe、Co、Ni等の強磁性
金属やFe−Co、Co−Ni、Fe−Co−Ni、F
e−Cu、Co−Cu、Co−Au、Co−Pt、Mn
−Bi、Mn−Al、Fe−Cr、Co−Cr、Ni−
Cr、Fe−Co−Cr、Co−Ni−Cr、Fe−C
o−Ni−Cr、等の強磁性合金が例示される。これら
は、単層膜であっても、多層膜であっても良い。金属磁
性薄膜の厚みは通常、0.02〜1μmである。
【0069】更には、非磁性支持体と金属磁性薄膜間、
あるいは多層膜の場合には、各層間の付着力向上及び保
磁力の制御のため、下地層又は中間層を設けてもよい。
【0070】金属磁性薄膜の形成手段としては、真空下
で強磁性材料を加熱蒸発させ、非磁性支持体上に沈着さ
せる真空蒸着法や、強磁性材料の蒸発を放電中で行うイ
オンプレーティング法、アルゴンを主成分とする雰囲気
中でグロー放電を起こし、生じたアルゴンイオンでター
ゲット表面の原子を叩き出すスパッタリング法等、いわ
ゆるPVD技術を使用してもよい。
【0071】勿論、本発明の磁気記録媒体(特に磁気テ
ープ)の構成はこれに限定されるものではなく、本発明
の要旨を逸脱しない範囲での変形、例えば、図2の一点
鎖線の如くにバックコ−ト層37を形成したり、非磁性
支持体上に下塗り層を形成したり潤滑剤等の層(但し、
図2の潤滑剤層36と異なる。)を形成することは何ら
差し支えない。また、非磁性支持体や、バックコ−ト層
に含まれる非磁性顔料、樹脂結合剤、或いは潤滑剤に含
まれる材料等は従来公知のものがいずれも使用できる。
【0072】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例について詳細
に説明する。
【0073】本実施例は、金属磁性薄膜からなる磁性層
を非磁性支持体上に有する磁気記録媒体(特に磁気テー
プ)に関するものであり、その作製条件を以下に示す。
【0074】蒸着テープ(原反)の作製条件; 非磁性支持体:厚さ10μmのポリエチレンテレフタレ
ート(PET) 磁性層:厚さ200nm、組成:Co80%−Ni20%合
金の単層膜 入射角:45°〜90° 導入ガス:酸素ガス 蒸着時真空度:2×10-2Pa
【0075】次に、図1に示した製造装置を用いて、硬
質炭素膜(DLC膜)の成膜、フッ化処理膜(ポリテト
ラフルオロエチレン(PTFE)膜)の成膜、プラズマ
処理を行った。各成膜条件は次の通りである。
【0076】DLC膜の成膜条件; 原料ガス:トルエン 反応圧力:10Pa 導入電力:DC2.0kV 膜厚:8nm
【0077】PTFE膜の成膜条件 原料ガス:テトラフルオロエチレン(C2 4 ) 反応圧力:20Pa 導入電力:DC1.0kV 膜厚:3〜4nm
【0078】但し、比較例1は、DLC膜の成膜後、P
TFE膜を成膜せずに直接に潤滑剤を塗布したサンプル
テープである。また、比較例2は、DLC膜上にPTF
E膜の成膜後、プラズマ処理を施さないで直接に潤滑剤
を塗布したサンプルテープである。
【0079】次に、実施例1〜8について、下記の表1
に示す条件でDLC膜上のPTFE膜のプラズマ処理を
行った。また、上記の表1中、表面自由エネルギーは潤
滑剤層を形成する前の値であり、その測定法は上述し
た。
【0080】次いで、非磁性支持体における磁性層が形
成された面とは反対側の面に、カーボンとウレタン樹脂
とからなるバックコ−ト層を0.6μm厚に塗布すると
共に、上記プラズマ処理面に活性化状態の保持中にパー
フルオロポリエーテル(PFPE)からなる潤滑剤を2
μm厚に塗布し、しかる後、この原反を8mm幅に裁断
し、磁気テープを作製した。
【0081】次に、上記実施例1〜8及び比較例1〜2
のサンプルテープについて、動摩擦係数、スチル耐久
性、シャトル耐久性、飽和磁化変化量についての評価を
行った。
【0082】動摩擦係数:温度40℃、湿度80%の環
境下での100パス後の動摩擦係数を測定した。
【0083】スチル耐久性:温度−5℃において再生出
力値が初期値から3dB下がるまでの時間(分)を示し
た。この測定にはソニー社製の8mmビデオデッキ「E
VO9500」を使用した。
【0084】シャトル耐久性:温度40℃、湿度20%
の環境下にて、100パス後の再生出力値の初期値に対
する劣化量(dB)を測定した。この測定にはソニー社
製の8mmビデオデッキ「EVO9500」を使用し
た。
【0085】耐蝕性試験:温度30℃、相対湿度70%
に維持された恒温槽中に、更に0.5ppm濃度のSO
2 ガスを導入して、サビを発生させやすくする等、通常
の状態よりも極めて厳しい環境に設定し、この環境に実
施例1〜8及び比較例1〜2のサンプルテープを3日間
保存するという耐環境試験(耐蝕性試験)を行った。こ
こでは、保存前と保存後の飽和磁化の変化量を測定して
おり、次の式(1)による評価を行った。
【0086】 ΔMs=〔Ms’(保存後)−Ms(保存前)〕/Ms(保存前)…式(1) (但し、ΔMsは飽和磁化の変化量(%)を示す。)
【0087】実施例1〜7及び比較例1〜2のサンプル
テープについて、各プラズマ処理条件、表面自由エネル
ギー、及び評価項目についての測定結果を下記の表1に
示す。
【0088】 表1A ──────────────────────────────────── 実 プラズマ処理条件 テー 表面自 動摩 スチル シャ 飽和 施 導 導入量 電圧 電流 プ送 由エネ 擦 耐久性 トル 磁化 例 入 (sccm) (V) (A) り速 ルギー 係数 (分) 耐久 の変 ガ 度* (mJ/m2) 性 化量 ス (dB) ΔMs (%) ──────────────────────────────────── 1 N2 100 300 1 10 38 0.16 >120 −0.7 −4 2 NH3 100 300 1 10 34 0.18 >120 −1.5 −2 3 O2 100 300 1 10 35 0.15 >120 −1.2 −3 4 Ar 100 300 1 10 37 0.19 >120 −0.8 −5 5 N2 100 300 1 30 25 0.18 60 −2.1 −3 6 N2 100 300 1 15 30 0.16 >120 −1.3 −4 7 N2 100 300 1 5 45 0.17 >120 −0.7 −7 8 N2 100 300 1 2.5 50 0.21 >120 −1.5 −18 ──────────────────────────────────── *相対値:実施例1を10とする。
【0089】 表1B ──────────────────────────────────── 比 プラズマ処理条件 表面自由 動摩擦 スチル シャ 飽和磁化 較 導入 導入量 電圧 電流 エネ 係数 耐久性 トル の変化量 例 ガス (sccm) (V) (A) ルギー (分) 耐久性 ΔMs (mJ/m2) (dB) (%) ──────────────────────────────────── 1 − − − − 55 0.25 60 −1.8 −38 2 − − − − 20 0.18 5 −5.0 −5 ────────────────────────────────────
【0090】<結果>本実施例1〜8のように、パーフ
ルオロポリエーテルからなる潤滑剤層の成膜前に、窒
素、アンモニア、酸素、アルゴン等のガスを用いて、ポ
リテトラフルオロエチレンからなるフッ化処理膜面をプ
ラズマ処理したサンプルテープは、スチル耐久性及びシ
ャトル耐久性が向上している。これは、プラズマ処理す
ることで、前記表面に潤滑剤が吸着(付着)し易くなっ
ているため、潤滑剤の特性が十分にかつ長時間にわたっ
て引き出されているものと思われる。しかも、保存特性
も大幅に良くなり、耐久性と共に耐蝕性も同時に向上さ
せることができる。
【0091】また、比較例1は、フッ化処理膜を設け
ず、DLC膜の表面に直接に潤滑剤を塗布せしめたサン
プルテープであり、飽和磁化の変化量が非常に大きく、
即ち経時劣化が激しいので、耐環境性(耐蝕性)に劣る
サンプルテープであると言える。
【0092】また、比較例2は、プラズマ処理を施さ
ず、DLC膜上にフッ化処理膜と潤滑剤とが順次設けら
れたサンプルテープである。フッ化処理膜が設けられて
いるので耐蝕性には優れるものの、プラズマ処理が施さ
れていないので、表面自由エネルギーが小さすぎ、潤滑
剤が脱離し易く、耐久性に劣るサンプルテープであると
言える。
【0093】また、実施例1〜4のサンプルテープのよ
うに、プラズマ処理に使用するガスは上述の窒素原子含
有ガス、酸素原子含有ガス及び不活性ガス等のガスをい
ずれも使用できることがわかる。
【0094】更に、実施例1〜8、比較例2より、フッ
化処理膜面の表面自由エネルギーは20mJ/m2 以上
であると潤滑剤が吸着(付着)し易く、前記潤滑剤の特
性が十分に引き出され、また、この表面自由エネルギー
は30〜40mJ/m2 の範囲内が更に好ましいことが
わかる。
【0095】このように、フッ化処理された硬質炭素膜
表面を、更にプラズマ処理することにより、硬質炭素膜
表面を活性化し、潤滑剤の吸着を促すことになり、前記
潤滑剤を十分量かつ長時間吸着せしめ、前記潤滑剤の特
性を十分に引き出すことができ、耐蝕性と耐久性とを同
時に向上させることができる。従って、磁気記録媒体自
体の信頼性が向上し、長期保存の必要性のあるデータス
トリーマーやビデオライブラリー等の特別な用途にも耐
えうる磁気記録媒体の提供が可能になる。
【0096】以上、本発明を実施例について説明した
が、本実施例は本発明の技術的思想に基づいて更に変形
が可能である。
【0097】例えば、フッ化処理膜として、エチレンを
原料ガスとしCVD法によって形成されたポリテトラフ
ルオロエチレン膜を示したが、例えばポリテトラフルオ
ロエチレン(PTFE)を塗布法によって形成してもよ
い。フッ化処理膜の材質は、他のフッ素樹脂であってよ
い。
【0098】また、プラズマ処理室は、直流電源、交流
電源、高周波電源を用いたいずれの放電方法であっても
よく、プラズマの励起方法としては、熱電子放電型、2
極放電型、磁場収束型(マグネトロン放電型)、無電極
放電型、ECR放電型等の様々な方法が使用可能であ
る。
【0099】また、フッ素含有潤滑剤としては、パーフ
ルオロポリエーテル以外の他のフッ素含有潤滑剤を用い
てもよい。
【0100】また、プラズマ処理室は真空槽の外部に設
けられていてもよい。更に、上述の例ではプラズマ処理
後に巻き取りロールに巻き取り、このロールから巻き出
しながらフッ素含有潤滑剤を塗布したが、そのように巻
き取らずに、フッ化処理膜面のプラズマ処理直後にフッ
素含有潤滑剤を塗布してもよい。これは上述の真空槽内
に別途配された塗布部にて行うことができる。
【0101】更に、図2に示した本実施例による磁気記
録媒体において、磁性層33と硬質炭素膜34との間に
フッ化処理膜が設けられた構造の磁気記録媒体であって
もよい。即ち、金属磁性薄膜からなる磁性層上に、順
に、第1のフッ化処理膜、硬質炭素膜、第2のフッ化処
理膜を設け、更に前記第2のフッ化処理膜面にプラズマ
処理を施して最表面に潤滑剤層を設けてもよい。このよ
うな構成の磁気記録媒体を作製するに際し、図1に示し
た製造装置において、第1反応室2の前位に第2反応室
3と同様の構成の反応室を設け、この反応室で前記第1
のフッ化処理膜を形成することもできる。
【0102】
【発明の作用効果】本発明の製造方法及びその装置によ
れば、金属磁性薄膜からなる磁性層上に硬質炭素膜を形
成する工程と、前記硬質炭素膜上にフッ化処理膜を形成
する工程と、前記フッ化処理膜をプラズマ中(例えば、
窒素分子、酸素分子、アルゴン原子等のプラズマ)で処
理する工程と、この処理表面上にフッ素原子含有潤滑剤
層(例えばパーフルオロポリエーテルの潤滑剤層)を設
ける工程とを有しているので、金属磁性薄膜からなる磁
性層の表面保護膜である硬質炭素膜上に、耐蝕性等に優
れた前記フッ化処理膜(例えばポリテトラフルオロエチ
レン膜)を設け、更に、この表面上に、摺動耐久性等の
厳しい状況の中でも十分量かつ長時間存在できる前記フ
ッ素原子含有潤滑剤層を設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体の製造装置の一例の要部
構成図である。
【図2】同、製造装置を用いて製造された磁気記録媒体
の概略断面図である。
【符号の説明】
1…真空槽、2…第1反応室、3…第2反応室、4…プ
ラズマ処理室、5…対向電極、6、10、23…ガス導
入口、7、9、13、14…電極、8、11…直流電
源、15、16、17…原料ガス、18…巻き出しロー
ル、19…巻き取りロール、20…回転支持体(ガイド
ローラー)、21、31…磁気記録媒体用の原反フィル
ム又は磁気記録媒体、22…交流電源、26…搬送口、
32…非磁性支持体、33…磁性層、34…硬質炭素
膜、35フッ化処理膜、36…潤滑剤層、37…バック
コ−ト層

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属磁性薄膜からなる磁性層上に硬質炭
    素膜を形成する工程と、前記硬質炭素膜上にフッ化処理
    膜を形成する工程と、前記フッ化処理膜をプラズマ中で
    処理する工程と、この処理表面上にフッ素原子含有潤滑
    剤層を設ける工程とを有する、磁気記録媒体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 窒素原子含有ガス、酸素原子含有ガス及
    び不活性ガスからなる群より選ばれた少なくとも1種の
    ガスのプラズマ中で前記処理を行う、請求項1に記載し
    た製造方法。
  3. 【請求項3】 直流放電処理、交流放電処理及び高周波
    放電処理からなる群より選ばれた1種の処理方法によっ
    て前記プラズマ中での処理を行う、請求項1に記載した
    製造方法。
  4. 【請求項4】 前記プラズマ中での処理後に、この処理
    面が活性化状態のうちに前記フッ素原子含有潤滑剤層を
    設ける、請求項1に記載した製造方法。
  5. 【請求項5】 前記プラズマ中での処理によって、前記
    フッ化処理膜の表面自由エネルギーを20mJ/m2
    上とする、請求項1に記載した製造方法。
  6. 【請求項6】 前記硬質炭素膜がダイヤモンドライクカ
    ーボン、前記フッ化処理膜がフッ素樹脂膜、前記潤滑剤
    層がパーフルオロポリエーテルからなる、請求項1に記
    載した製造方法。
  7. 【請求項7】 前記硬質炭素膜をプラズマCVD法によ
    って形成する、請求項1に記載した製造方法。
  8. 【請求項8】 前記金属磁性薄膜からなる磁性層を設け
    た非磁性支持体を搬送しながら、前記硬質炭素膜の形成
    と、前記フッ化処理膜の形成と、前記プラズマ中での処
    理とを順次行う、請求項1に記載した製造方法。
  9. 【請求項9】 金属磁性薄膜からなる磁性層上に硬質炭
    素膜を形成する第1反応室と、前記硬質炭素膜上にフッ
    化処理膜を形成する第2反応室と、前記フッ化処理膜を
    プラズマ中で処理するプラズマ処理室とを有する、磁気
    記録媒体の製造装置。
  10. 【請求項10】 前記プラズマ処理室内に、窒素原子含
    有ガス、酸素原子含有ガス及び不活性ガスからなる群よ
    り選ばれた少なくとも1種のガスを含む雰囲気が導入さ
    れる、請求項9に記載した製造装置。
  11. 【請求項11】 前記第1反応室と前記第2反応室と前
    記プラズマ処理室とが共通の真空槽内に配置されてい
    る、請求項9に記載した製造装置。
  12. 【請求項12】 前記プラズマ処理室が、直流放電部、
    交流放電部及び高周波放電部からなる群より選ばれた1
    種の放電部からなる、請求項9に記載した製造装置。
  13. 【請求項13】 前記プラズマ中での処理後に、この処
    理面が活性化状態のうちにフッ素原子含有潤滑剤層が設
    けられるように構成される、請求項9に記載した製造装
    置。
  14. 【請求項14】 前記プラズマ中での処理によって、前
    記フッ化処理膜の表面自由エネルギーが20mJ/m2
    以上となされる、請求項9に記載した製造装置。
  15. 【請求項15】 前記硬質炭素膜がダイヤモンドライク
    カーボン、前記フッ化処理膜がフッ素樹脂膜であり、こ
    のフッ素樹脂膜上に形成されるフッ素原子含有潤滑剤層
    がパーフルオロポリエーテルである、請求項9に記載し
    た製造装置。
  16. 【請求項16】 前記硬質炭素膜を形成するための前記
    第1反応室がプラズマCVD装置として設けられてい
    る、請求項9に記載した製造装置。
  17. 【請求項17】 前記第1反応室での前記硬質炭素膜の
    形成と、前記第2反応室での前記フッ化処理膜の形成
    と、前記プラズマ処理室での前記処理とを順次行うよう
    に構成した、請求項9に記載した製造装置。
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