JPH10219301A - 高活性化水素吸蔵材及びその製造方法 - Google Patents

高活性化水素吸蔵材及びその製造方法

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JPH10219301A
JPH10219301A JP9034355A JP3435597A JPH10219301A JP H10219301 A JPH10219301 A JP H10219301A JP 9034355 A JP9034355 A JP 9034355A JP 3435597 A JP3435597 A JP 3435597A JP H10219301 A JPH10219301 A JP H10219301A
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hydrogen storage
storage material
metal fluoride
hydrogen
highly activated
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Application number
JP9034355A
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English (en)
Inventor
Hirohisa Uchida
裕久 内田
Fumiaki Aono
文昭 青野
Akira Kosuge
明良 小菅
Manabu Ito
学 伊藤
Toru Nakazawa
亨 中澤
Ryoji Hirayama
良司 平山
Hirohisa Kikuyama
裕久 菊山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokai University
Stella Chemifa Corp
Benkan Corp
Original Assignee
Tokai University
Benkan Corp
Hashimoto Chemical Corp
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
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  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 水素吸蔵材が本来持っている水素との反応特
性以上の高活性化した、しかも水素以外の不純物ガスに
対して被毒抑制効果を持つ高活性化水素吸蔵材及びその
製造方法を提供する。 【解決手段】 Al,Fe,Mg,Ca,Mn,Zn,
Zr,Liの少くとも1種を含有する水素吸蔵材の表面
又は表層部に、前記Al,Fe,Mg,Ca,Mn,Z
n,Zr,Liの少くとも1種が、金属フッ化物、酸化
物を含んだ前記金属フッ化物,前記金属のフッ化酸化物
として単体で、又は混在した状態で形成されている高活
性化水素吸蔵材。この高活性水素吸蔵材を製造するに
は、素材の水素吸蔵材の表面に、Al,Fe,Mg,C
a,Mn,Zn,Zr,Li,酸化物を含んだ前記金属
の中の少くとも1種を、表面改質技術を用いて被覆した
後、表面をフッ化処理して表面又は表層部に、金属フッ
化物,酸化物を含んだ前記金属のフッ化物,前記金属の
フッ化酸化物を夫々単体で、或いは混在して形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素吸蔵材及びそ
の製造方法に係り、特に水素反応において触媒作用を著
しく示すと共に、水素以外の不純物ガスに対し被毒抑制
作用を著しく示す高活性化水素吸蔵材及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】水素吸蔵材は、加熱又は冷却及び減圧又
は加圧することにより、水素を可逆的に吸蔵・放出でき
る性質を有しており、将来の二次エネルギーとしての水
素の貯蔵に重要な役割をなすものである。また、近年で
はニッケル−水素化物電池の負極材として既に用いら
れ、将来の電気自動車用高性能蓄電池としてもその期待
が高まっている。また、その他の用途としては、水素の
貯蔵,輸送媒体,触媒,エネルギー変換媒体,低濃度水
素ガスからの水素ガスの回収及び精製等の用途がある。
【0003】従来、水素吸蔵材は、水素を安定的に吸蔵
・放出するために、高温,高圧での水素活性化処理及び
高温下での真空排気による水素活性化処理を必要として
いた。また、水素吸蔵材の表面は、非常に活性である為
に、空気中に曝すと、直ぐに酸素や水分の影響を受けて
酸化してしまい、水素の分子から原子への解離反応が阻
害されてしまうとされている。また、水素ガス中に含ま
れる微量の不純物ガス、例えばCO,CO2 ,O2 ,H
2 O,NH3 等によって、やはり水素活性化特性の著し
い低下を招くとされている。
【0004】その為、特公平3−12121号公報で
は、水素吸蔵材の熱伝導性の向上と水素以外の不純物ガ
スからの保護を目的に、無電解めっきによる銅又はニッ
ケルのマイクロカプセル化法が提案され、また、特開平
5−213601号公報では、アルカリ金属を含有する
弗化金属化合物からなる過飽和水溶液を薬液とした水素
吸蔵金属材の表面処理により、水素吸蔵金属材の高活性
化及び安定化の処理法が提案されている。また、特開平
8−9504号公報では、初期の水素化特性の向上とそ
の長期維持を目的として、水素吸蔵合金用粉末、導電性
粉末及び亜酸化銅粉末を高エネルギー攪拌機に入れ、混
合攪拌することによって、水素吸蔵合金用粉末の表面に
導電性粉末及び亜酸化銅粉末が接合被覆され、そして全
体が酸化防止剤で被覆されていることを特徴とした水素
吸蔵合金用材料とその製造方法が提案されている。
【0005】しかし、何れの提案に於いても、水素吸蔵
合金の水素以外の不純物ガスに対する保護効果は確認さ
れているが、水素吸蔵材自体の反応性を向上させる手段
としての確かな根拠又は評価に基づいた提案までには至
っていなかった。また、不純物ガスに対する保護効果に
よって初期の水素化特性の劣化(反応速度の低下)が防
止され、その現象を恰も水素に対し高活性化したと表現
して提案されているものもあるが、本来水素吸蔵合金自
身が持つ水素との反応特性以上に高活性化させることを
目的とした提案はされていなかった。
【0006】また、反応性の向上、耐久性の向上、水素
解離圧−組成等温特性の改善及び初期の水素化特性の向
上を1つの目的として、基本形の水素吸蔵合金、例えば
希土類系,マグネシウム系,チタン系,ジルコニウム系
及びカルシウム系合金の一部を、他の元素、例えばA
l,Mn,Cr,Fe及びCu等、単元素又は複数元素
で置換した多元系合金も開発されているが、水素以外の
不純物に対しては特に著しい保護効果を持っている合金
は開発されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、水素
吸蔵材が本来持っている水素との反応特性以上の高活性
化した、しかも水素以外の不純物ガスに対して被毒抑制
効果を持つ高活性化水素吸蔵材及びその製造方法を提供
しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の高活性化水素吸蔵材の1つは、Al,Fe,
Mg,Ca,Mn,Zn,Zr,Liの少くとも1種を
含有する水素吸蔵材の表面又は表層部に、前記Al,F
e,Mg,Ca,Mn,Zn,Zr,Liの少くとも1
種が、金属フッ化物,酸化物を含んだ前記金属フッ化
物,前記金属のフッ化酸化物として単体で、又は混在し
た状態で形成されていることを特徴とするものである。
【0009】上記の本発明の高活性化水素吸蔵材に於け
るAl,Fe,Mg,Ca,Mn,Zn,Zr,Liの
少くとも1種を含有する水素吸蔵材は、0.5〜50μ
mの微粉末であることが好ましい。
【0010】本発明の高活性化水素吸蔵材の他の1つ
は、水素吸蔵材の表面に、Al,Fe,Mg,Ca,M
n,Zn,Zr,Liの金属フッ化物、酸化物を含んだ
前記金属フッ化物,前記金属のフッ化酸化物の少くとも
1つから成る層が被覆されていることを特徴とするもの
である。この高活性化水素吸蔵材における素材である水
素吸蔵材は、0.5〜50μmの微粉末であることが好
ましい。
【0011】上記の他の1つの高活性化水素吸蔵材は、
次のように製造される。その1つは、水素吸蔵材の表面
に、Al,Fe,Mg,Ca,Mn,Zn,Zr,L
i,酸化物を含んだ前記金属の中の少くとも1種を、表
面改質技術を用いて被覆した後、表面をフッ化処理して
表面又は表層部に、金属フッ化物,酸化物を含んだ前記
金属のフッ化物,前記金属のフッ化酸化物を夫々単体
で、或いは混在して形成することを特徴とするものであ
る。
【0012】製造方法の他の1つは、水素吸蔵材の表面
に、Al,Fe,Mg,Ca,Mn,Zn,Zr,Li
の少くとも1種の金属フッ化物,酸化物を含んだ前記金
属のフッ化物、前記金属のフッ化酸化物の少くとも1種
を、表面改質技術を用いて被覆することを特徴とするも
のである。
【0013】上記各製造方法に於ける表面改質技術は、
メッキ法,メカニカルグラインデング法,溶射法,化学
蒸着法,物理蒸着法,高エネルギー型攪拌法,熱反応析
出・拡散法,高速気流中衝撃法,高速液中衝撃分散法の
いずれかである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の高活性化水素吸蔵材及び
その製造方法の実施形態について説明する。請求項1の
高活性化水素吸蔵材は、水素吸蔵材に予めメカニカルア
ロイング法又は溶融法によってAl,Fe,Mg,C
a,Mn,Zn,Zr,Liの少くとも1種を添加或い
は水素吸蔵材の一部と置換し、得られた水素吸蔵材の表
面をフッ化処理することによって表面又は表層部に、前
記Al,Fe,Mg,Ca,Mn,Zn,Zr,Liの
少くとも1種から成る金属フッ化物,酸化物を含んだ前
記金属のフッ化物,前記金属のフッ化酸化物として単体
で、又は混在した状態で形成されたものの触媒機能によ
り、水素反応における触媒作用が著しく向上し、高活性
化が達成されると共に、水素以外の不純物ガスに対する
被毒抑制機能が発揮される。
【0015】素材である元々の水素吸蔵材が、前記元素
と同じ元素にて構成されている場合は、あえて前記元素
を添加或いは置換しなくても十分に触媒機能を発揮する
が、水素との高活性化の視点から更に触媒機能の向上を
図る場合は、前記金属が金属フッ化物になった状態で表
面酸性度が高い順に、触媒活性に優れる傾向を示す為、
水素吸蔵材の構成元素によって添加或いは置換する元素
を選択するのが望ましい。表面酸性度は、FeF2 >A
lF3 >MgF2 >CaF3 >LiF2 の順に高い値を
示す。
【0016】尚、水素吸蔵材に前記元素を添加或いは置
換することによって水素吸蔵材の特性が変化する為、用
途に応じて適当な元素を適度に添加或いは置換し、所望
の特性を示す水素吸蔵材を作製するとよい。また、前記
元素以外の水素吸蔵材自身が金属フッ化物となっても水
素以外の不純物ガスに対する被毒抑制機能があり、表面
被毒に対しては非常に有効である。しかし、フッ化物層
があまり厚くなると、見かけ上の水素吸蔵量が減少する
ため、通常、フッ化物層の厚みは水素吸蔵材の粒径が5
0μm以上であれば500Å〜3000Å程度で十分で
あるが、特に被毒抑制効果を期待する0.5〜50μm
程度の粒径の場合は、100Å〜1000Å程度の厚み
が好ましい。表面又は表層部に形成されたフッ化物層は
安定した化合物層であるので、被毒抑制効果を長期間維
持できる。
【0017】請求項3の高活性化水素吸蔵材は、水素吸
蔵材の表面に、Al,Fe,Mg,Ca,Mn,Zn,
Zr,Liの金属フッ化物,酸化物を含んだ前記金属の
フッ化物,前記金属のフッ化酸化物の少くとも1つから
成る層が被覆されているものであり、この被覆層の触媒
機能により、水素反応における触媒作用が著しく向上
し、高活性化が達成されると共に、水素以外の不純物ガ
スに対する被毒抑制機能が備わる。
【0018】上記請求項3の高活性化水素吸蔵材は、被
覆される金属フッ化物が前記元素100%の金属フッ化
物でなくとも酸化物を含んだ前記金属のフッ化物や前記
金属のフッ化酸化物でも或いはこれらの混在状態の被覆
層でも十分高活性化し、被毒抑制機能が備わる。水素吸
蔵材と被覆層の素材である前記元素とは拡散結合した状
態が望ましい。また、請求項3の高活性化水素吸蔵材
は、表面にのみ前記被覆層が存在している為、水素吸蔵
材自体の水素化特性に及ぼす影響が無い。従って、用途
に応じた水素吸蔵材を選択すれば、その表面に単に前記
被覆層が被覆されて高活性化された状態で使用が可能で
ある。被覆層の厚みは100Å〜1000Åあれば十分
である。
【0019】請求項3の高活性化水素吸蔵材を製造する
には次の2つの方法があり、その1つである請求項5の
製造方法は、水素吸蔵材の表面に、Al,Fe,Mg,
Ca,Mn,Zn,Zr,Li,酸化物を含んだ前記金
属の中の少くとも1種を、表面改質技術によって、例え
ばメッキ法,メカニカルグラインデイング法,溶射法,
化学蒸着法,物理蒸着法,高エネルギー型攪拌法,熱反
応析出・拡散法のいずれかによって被覆し、その後、フ
ッ素を含んだ薬液又はガスで表面をフッ化処理して、水
素吸蔵材の表面又は表層部に、金属フッ化物,酸化物を
含んだ前記金属のフッ化物,前記金属のフッ化酸化物を
夫々単体で、或いは混在して形成するものである。
【0020】他の1つである請求項6の製造方法は、水
素吸蔵材の表面に、Al,Fe,Mg,Ca,Mn,Z
n,Zr,Liの少くとも1種の金属フッ化物,酸化物
を含んだ前記金属のフッ化物,前記金属のフッ化酸化物
の少くとも1種を、表面改質技術によって、例えば高エ
ネルギー型攪拌法,高速気流中衝撃法,高速液中衝撃分
散法のいずれかによって被覆するものである。
【0021】次に本発明の具体的な実施例について説明
する。 <実施例1>請求項1の発明の水素吸蔵材の一実施例を
以下に述べる。試料は、水素吸蔵材であるLaNi5
びNiの一部をAlで置換したLaNi4.7 Al0.3
用い、それぞれアーク溶解法によって作製したインゴッ
トから5×5×1mmのペレットを削りだし、その表面
が鏡面状態になるまで研磨した。その後313Kの乾燥
空気中で24時間酸化処理を実施し、得られた試料を未
処理試料とした。また、フッ化処理試料は、前記未処理
試料を常温で純度100%の無水フッ化水素液に3時間
浸し、その後、温度393Kの窒素雰囲気中で十分に乾
燥させて得た。
【0022】<評価1>実施例1にて作製した各試料
の、水素に対する反応性を評価するためにWagener 法
(容量法)を用い、水素吸蔵材と水素ガスとの反応確率
r〔(単位面積当りの吸着及び吸収に要する反応速度)
/(単位時間,単位面積当りの試料表面への衝突頻度)
を示し、定量的評価として用いられる。〕と気体吸収量
を定量的に求め、比較検討した。評価装置はパイレック
スガラス製で、排気系,ガス導入系,反応系の大きく分
けて3つの系により構成され、つなぎ部が無く、リーク
が最小限となるように製作されている。測定は、試料を
パイレックスガラス製の反応管内に入れ、393Kで5
×10-6Paの真空度まで排気した。その後298Kに
降温し、流量調節弁で少量づつパルス状に水素を反応管
内に導入し、その時の水素導入量と試料と反応した水素
の量を定量的に測定し、反応確率rを算出した。また、
水素ガスは純度7N以上の高純度水素ガスを用いた。
【0023】図1にLaNi5 とLaNi4.7 Al0.3
の未処理及びフッ化処理試料の反応確率の測定結果を示
した。未処理試料のLaNi5 とLaNi4.7 Al0.3
の反応確率を比較すると、LaNi5 の反応初期におけ
る反応確率rは6×10-2を示し、また気体吸収量が1
×1018 moles/cm2 時で2×10-3を示した。それ
に対しLaNi4.7 Al0.3 の反応初期における反応確
率rは2×10-2、また気体吸収量が1×1018 moles
/cm2 時で1.0×10-3を示し、未処理試料ではA
lを含まないLaNi5 の方が高い反応確率を示すこと
が確認された。しかし、フッ化処理試料では、LaNi
5 の反応初期における反応確率rは4×10-2、また気
体吸収量が1×1018moles /cm2 時で1×10-3
示し、それに対しLaNi4.7 Al0.3 の反応初期にお
ける反応確率rは1×10-1、また気体吸収量が1×1
18 moles/cm2 時で4×10-3を示した。以上によ
り、LaNi5 は、フッ化処理による反応確率の向上は
図れず、逆にわずかに低下する傾向を示すが、Niの一
部をAlで置換したLaNi4.7 Al0.3 は、未処理状
態ではLaNi5 より低い反応確率を示しているもの
の、フッ化処理することによって飛躍的に反応性が向上
し、何れの試料よりも高い反応確率を示すことが確認さ
れた。これは、フッ化物となったAlが水素との反応性
を向上させるのに大きな役割をはたしていることを裏付
けるものである。
【0024】また、LaNi4.7 Al0.3 の未処理及び
フッ化処理試料の表層部の構成元素をオージェ電子分光
法(AES)を用いて分析した結果を、横軸にエッチン
グタイム(試料表面からの深さ方向)、縦軸に構成元素
の組成比をとり、図2の(a),(b)に示した。その
結果、未処理試料の表面近傍は、図2の(a)のように
O,Al,Laがベース合金に対し多く存在し、Niは
減少している。それに対し、フッ化処理試料の表面は図
2の(b)に示すように最外表面にはLaが殆どなく、
Fが多く存在し、それ以降ではNiが多く存在している
状態でLaが傾斜的に増加するNi,La,Al,F,
Oの混在した複合相が形成されている。また、Alに注
目すると、未処理試料よりフッ化処理試料の方が表面近
傍に多く存在していることが確認され、LaNi5 のA
ESの分析結果は特に図示していないが、Al元素の検
出が無い以外は同じ傾向を示している。既に反応確率の
測定結果より、Al置換型合金のフッ化処理による、水
素に対し高活性化するという事は明らかではあるが、更
にAESと反応確率の結果より検証すると、LaNi5
のフッ化処理試料の最表面でも確認できるNi,F,O
は水素に対する反応性の向上には関与しておらず、表面
に存在するとAlとFの混在相いわゆるフッ化アルミニ
ウムが反応性の向上に特に寄与しているものと判断でき
る。
【0025】また、フッ化処理することによって反応確
率の向上が確認された他の例についての測定結果を、L
aNi4.7 Fe0.3 については図3に、MmNi4.7
0.3 については図4に、Ca0.3 Mm0.7 Ni5 ,に
ついては図5に、Mg0.3 La0.7 Ni5 については図
6に、LaNi4.7 Mn0.3 については図7に、MmN
4.7 Zn0.3 については図8に、MmNi4.7 Zr
0.3 については図9に示した。尚、Mmはミッシュメタ
ルを示し、希土類の混合物である。
【0026】<実施例2>請求項2の発明の水素吸蔵材
の実施例を以下に述べる。Al置換したフッ化処理試料
の被毒抑制効果を調べるために、LaNi5 及びLaN
4.7 Al0.3 のフッ化処理した微粉末を試料として用
い、被毒試験を行った。試料は、アーク溶解法によって
作製したインゴットをアルゴンガス雰囲気中で1,00
0℃、10時間熱処理し、その後、機械的に−500μ
mまで粉砕した後、水素化・脱水素化による微粉化処理
を10回繰り返し、得られた粉末試料を篩によって分級
し、メジアン値で36μm以下の微粉末試料を得た。そ
の微粉末試料を前記評価1で示したフッ化処理条件と同
じ条件でフッ化処理し、フッ化処理試料とした。
【0027】<評価2>実施例2で得られた試料の不純
物ガスに対する被毒抑制効果を確認するために、従来よ
り報告されている被毒種の中で最も被毒に影響を与える
とされている一酸化炭素について被毒試験を行った。
【0028】被毒試験は、一酸化炭素を1,040pp
m含んだ水素ガスを用い、反応温度333K、導入圧力
1MPa一定で吸蔵速度が2ml/min.g−alloy
に低下するまで吸蔵させ、その後圧力0.2MPaを最
大に放出速度が2ml/min.g−alloy に低下する
まで放出させ、以上を1サイクルとして被毒試験サイク
ルを繰り返し、前記フッ化処理合金の耐被毒性を評価し
た。但し、被毒試験前に活性化処理として、7N以上の
高純度水素ガスを用い、温度333Kで導入圧力2.5
MPaの水素化と、同温度で真空排気0.1Torrの脱水
素化を、3回繰り返して活性化を実施した。その結果
を、横軸にサイクル数、縦軸に有効水素移動量として図
10に示した。この図10で判るようにAlに置換され
ていないLaNi5 のフッ化処理試料は、有効水素移動
量が10サイクル目でほぼ0を示しているのに対し、L
aNi4.7 Al0.3 のフッ化処理試料は100サイクル
目でも初期の有効水素移動量の80%以上を維持してお
り、明らかにAl置換型のLaNi4.7 Al0.3 のフッ
化処理試料の方が一酸化炭素に対し被毒抑制効果を持つ
ことが確認された。また、特に図示しなかったが、La
Ni5 及びLaNi4.7 Al0.3 の未処理試料で同被毒
試験を行った結果、LaNi5 では3サイクル目で有効
水素移動量0、LaNi4.7 Al0.3 では5サイクル目
で有効酸素移動量0となり、LaNi5 においてもフッ
化処理することによって多少の被毒抑制効果があること
が確認された。
【0029】<実施例3>請求項3の発明の水素吸蔵材
の実施例と、請求項5の発明の水素吸蔵材の製造方法の
実施例とを併せて以下に述べる。アーク溶融法によって
作製されたLaNi5 のインゴットから5×5×1mm
のペレットを削りだし、その表面が鏡面になるまで研磨
した。得られたペレットへのFeの成膜にはイオンビー
ムスパッタリング法を用い、プラズマフィラメント型イ
オン源で発生させたArイオンビームをFeターゲット
に照射させてスパッタを発生させ成膜を行った。成膜条
件は、イオンビームの加速電圧10kV、イオン電流7
mA、成膜質の到達真空度1.3×10-6[Pa]以
下、成膜中のAr分圧6.7×10-3〜1.4×10-2
[Pa],成膜速度0.2[nm/s]で、500se
cスパッタリングを行い、ビームに対して45°の角度
を持たせたターゲット上でのスパッタリングにより上方
に設置したLaNi5 ペレットにFeの薄膜を約1,0
00Å成膜し、Fe/LaNi5 ペレット試料を得た。
こうしてFeを成膜しただけの試料を未処理試料とし、
その後、実施例1と同様にフッ化処理したものをフッ化
処理試料とした。
【0030】<評価3>実施例1の評価1と同条件で、
未処理試料及びフッ化処理試料の反応確率を測定した。
その結果、図11に示すごとくフッ化処理試料は、未処
理試料に対し高い反応確率を示すことが確認された。
【0031】<実施例4>請求項3の発明の水素吸蔵材
の他の実施例と、請求項5の発明の水素吸蔵材の製造方
法の他の実施例とを併せて以下に述べる。アーク溶融法
によって作製されたMmNi5 のインゴットから5×5
×1mmのペレットを削りだし、その表面が鏡面になる
まで研磨した。得られたペレットへのMnの成膜にはイ
オンビームスパッタリング法を用い、プラズマフィラメ
ント型イオン源で発生させたArイオンビームをMnタ
ーゲットに照射させてスパッタを発生させ成膜を行っ
た。成膜条件は、イオンビームの加速電圧10kV、イ
オン電流8mA、成膜質の到達真空度2.0×10
-6[Pa]以下,成膜中のAr分圧7.0×10-3
1.6×10-2[Pa],成膜速度0.15[nm/
s]で、600secスパッタリングを行い、ビームに
対して45°の角度を持たせたターゲット上でのスパッ
タリングにより上方に設置したMmNi5 ペレットにM
nの薄膜を約1,000Å成膜し、その後、353Kの
乾燥空気中で24時間酸化処理を実施し、O2 /Mn/
MmNi5 ペレット試料を得た。こうしてMnを成膜し
ただけの試料を未処理試料とし、その後、実施例1と同
様にフッ化処理したものをフッ化処理試料とした。
【0032】<評価4>実施例1の評価1と同条件で、
未処理試料及びフッ化処理試料の反応確率を測定した。
その結果、図12に示すごとくフッ化処理試料は、未処
理試料に対し高い反応確率を示すことが確認された。
【0033】<実施例5>請求項4の発明の水素吸蔵材
の実施例と請求項6の水素吸蔵材の製造方法の実施例と
を併せて以下に述べる。実施例2と同様に水素化・脱水
素化によって得られたLaNi5 の微粉末試料を、篩に
よって粒径25〜50μmに調製した。また、フッ化ア
ルミニウム粉末は、(株)高純度化学研究所製の純度2
N、粒径1μmのアルミナ粉末を、常温で100%無水
フッ化水素液に1時間浸した後、393Kの窒素ガス雰
囲気で1時間乾燥して作製した。また、得られたフッ化
アルミニウム粉末によるLaNi5 粉末試料の表面改質
は、(株)奈良機械製作所製ハイブリタイザーNHS−
O型を用いた高速気流中衝撃法で行った。処理は同機の
混合機に、容積率でフッ化アルミニウム粉末1に対しLa
Ni5 粉末50で20g充填し、回転数1,500rp
m、処理時間10分間混合処理してミックスチャーを作
製した。その後、ミックスチャー10gをハイブリタイ
ザーにて回転数15,000rpm、処理時間15分で
改質処理を行い、フッ化アルミニウムがLaNi5 の表
面に被覆されたカプセル粒子を作成し、これを被覆試料
とした。また比較試料として、フッ化処理前のアルミナ
粉末を用い、同条件で表面改質した粉末試料を作成し、
これを未処理試料とした。
【0034】<評価5>実施例5で得られた試料を、評
価2と同じ条件で被毒試験をし、その耐被毒性を比較し
た。その結果、図13に示すようにフッ化アルミナを被
覆した被覆試料の方が明らかに耐被毒性に優れているこ
とが確認された。また、特に図示しなかったが、実施例
5にて得られたアルミナを被覆しただけの未処理試料に
前記フッ化処理条件でフッ化処理した試料も同様に耐被
毒性が確認された。
【0035】
【発明の効果】以上の説明で判るように本発明の高活性
化水素吸蔵材は、水素吸蔵材の表面又は表層部に、A
l,Fe,Mg,Ca,Mn,Zn,Zr,Liの少く
とも1種の金属フッ化物,酸化物を含んだ前記金属のフ
ッ化物,前記金属のフッ化酸化物が単体或いは混在した
状態のものが存在しているので、水素吸蔵材が本来持っ
ている水素との反応特性以上の著しく高い反応特性を示
し、高活性化が達成されると共に、水素以外の不純物ガ
スに対する被毒抑制機能が発揮する。従って、水素の貯
蔵,輸送媒体,触媒,エネルギー変換媒体,低濃度水素
ガスからの水素ガスの回収及び精製等に極めて有効であ
るばかりではなく、表面が酸化されてしまうような環境
下での使用、自動車用の燃料タンクへの水素ガスチャー
ジ時に予想される大気ガス,不純物ガスの侵入等が懸念
される所での使用に好適であり、また真空排気中の水素
ゲッター材としての使用に於いて、真空排気時に残留し
た不純物ガスの影響を受けにくく、しかも、真空条件下
における低濃度水素雰囲気での水素との反応特性が高い
ので、極めて効果的である。
【0036】また、本発明の高活性化水素吸蔵材の製造
方法によれば、水素に対し高活性で、水素以外の不純物
ガスに対し被毒抑制効果を有する上記の優れた高活性化
水素吸蔵材を、容易に且つ確実に効率よく製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】LaNi5 とLaNi4.7 Al0.3 の未処理及
びフッ化処理試料の反応確率の測定結果を示すグラフで
ある。
【図2】LaNi4.7 Al0.3 の未処理及びフッ化処理
試料の表層部の構成元素をオージェ電子分光法を用いて
分析した結果を示すグラフで、(a)は未処理試料、
(b)はフッ化処理試料のものである。
【図3】LaNi5 とLaNi4.7 Fe0.3 の未処理及
びフッ化処理試料の反応確率の測定結果を示すグラフで
ある。
【図4】MmNi5 とMmNi4.7 Li0.3 の未処理及
びフッ化処理試料の反応確率の測定結果を示すグラフで
ある。
【図5】MmNi5 とCa0.3 Mm0.7 Ni5.の未処理
及びフッ化処理試料の反応確率の測定結果を示すグラフ
である。
【図6】LaNi5 とMg0.3 La0.7 Ni5 の未処理
及びフッ化処理試料の反応確率の測定結果を示すグラフ
である。
【図7】LaNi5 とLaNi4.7 Mn0.3 の未処理及
びフッ化処理試料の反応確率の測定結果を示すグラフで
ある。
【図8】MmNi5 とMmNi4.7 Zn0.3 の未処理及
びフッ化処理試料の反応確率の測定結果を示すグラフで
ある。
【図9】MmNi5 とMmNi4.7 Zr0.3 の未処理及
びフッ化処理試料の反応確率の測定結果を示すグラフで
ある。
【図10】LaNiのフッ化処理試料とLaNi4.7
0.3 のフッ化処理試料の被毒試験サイクル数と有効水
素移動量との関係を示すグラフである。
【図11】LaNi5 ペレットとFe/LaNi5 ペレ
ットの未処理及びフッ化処理試料の反応確率の測定結果
を示すグラフである。
【図12】MmNi5 の未処理及びフッ化処理試料の反
応確率の測定結果と、酸化処理したMn/MmNi5
びフッ化処理したMn/MmNi5 の反応確率の測定結
果を示すグラフである。
【図13】フッ化処理前のアルミナ粉末がLaNi5
表面に被覆された未処理試料とフッ化アルミニウムがL
aNi5 の表面に被覆されたフッ化処理試料の被毒試験
サイクル数と有効水素移動量との関係を示すグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内田 裕久 神奈川県平塚市北金目1117番地 学校法人 東海大学湘南校舎内 (72)発明者 青野 文昭 東京都大田区山王2丁目5番13号 株式会 社ベンカン内 (72)発明者 小菅 明良 東京都大田区山王2丁目5番13号 株式会 社ベンカン内 (72)発明者 伊藤 学 東京都大田区山王2丁目5番13号 株式会 社ベンカン内 (72)発明者 中澤 亨 東京都大田区山王2丁目5番13号 株式会 社ベンカン内 (72)発明者 平山 良司 大阪府堺市海山町7丁目227番地 橋本化 成株式会社三宝工場内 (72)発明者 菊山 裕久 大阪府堺市海山町7丁目227番地 橋本化 成株式会社三宝工場内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Al,Fe,Mg,Ca,Mn,Zn,
    Zr,Liの少くとも1種を含有する水素吸蔵材の表面
    又は表層部に、前記Al,Fe,Mg,Ca,Mn,Z
    n,Zr,Liの少くとも1種が、金属フッ化物,酸化
    物を含んだ前記金属フッ化物、前記金属のフッ化酸化物
    として単体で、又は混在した状態で形成されていること
    を特徴とする高活性化水素吸蔵材。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の高活性化水素吸蔵材に於
    いて、Al,Fe,Mg,Ca,Mn,Zn,Zr,L
    iの少くとも1種を含有する水素吸蔵材が、0.5〜5
    0μmの微粉末であることを特徴とする高活性化水素吸
    蔵材。
  3. 【請求項3】 水素吸蔵材の表面に、Al,Fe,M
    g,Ca,Mn,Zn,Zr,Liの金属フッ化物,酸
    化物を含んだ前記金属フッ化物,前記金属のフッ化酸化
    物の少くとも1つから成る層が被覆されていることを特
    徴とする高活性化水素吸蔵材。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の高活性化水素吸蔵材に於
    いて、水素吸蔵材が、0.5〜50μmの微粉末である
    ことを特徴とする高活性化水素吸蔵材。
  5. 【請求項5】 水素吸蔵材の表面に、Al,Fe,M
    g,Ca,Mn,Zn,Zr,Li,酸化物を含んだ前
    記金属の中の少くとも1種を、表面改質技術を用いて被
    覆した後、表面をフッ化処理して表面又は表層部に、金
    属フッ化物,酸化物を含んだ前記金属のフッ化物,前記
    金属のフッ化酸化物を夫々単体で、或いは混在して形成
    することを特徴とする高活性化水素吸蔵材の製造方法。
  6. 【請求項6】 水素吸蔵材の表面に、Al,Fe,M
    g,Ca,Mn,Zn,Zr,Liの少くとも1種の金
    属フッ化物,酸化物を含んだ前記金属のフッ化物、前記
    金属のフッ化酸化物の少くとも1種を、表面改質技術を
    用いて被覆することを特徴とする高活性化水素吸蔵材の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 表面改質技術が、メッキ法,メカニカル
    グラインデング法,溶射法,化学蒸着法,物理蒸着法,
    高エネルギー型攪拌法,熱反応析出・拡散法,高速気流
    中衝撃法,高速液中衝撃分散法のいずれかである請求項
    5又は6記載の高活性化水素吸蔵材の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1099665A1 (en) * 1999-11-09 2001-05-16 Benkan Corporation Highly activated hydrogen containing material and method for producing the material
JP2001313052A (ja) * 2000-04-28 2001-11-09 Japan Metals & Chem Co Ltd 水素吸蔵合金の初期活性化方法
JP2007165277A (ja) * 2005-11-16 2007-06-28 Matsushita Electric Ind Co Ltd アルカリ蓄電池、電極用複合材料およびその製造法
CN106784737A (zh) * 2017-02-10 2017-05-31 淄博君行电源技术有限公司 电容型镍氢动力电池用球形贮氢合金及其制备方法

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