JPH0913011A - 多糖類系帯電防止剤 - Google Patents

多糖類系帯電防止剤

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JPH0913011A
JPH0913011A JP18473895A JP18473895A JPH0913011A JP H0913011 A JPH0913011 A JP H0913011A JP 18473895 A JP18473895 A JP 18473895A JP 18473895 A JP18473895 A JP 18473895A JP H0913011 A JPH0913011 A JP H0913011A
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polysaccharide
antistatic agent
glucose
antistatic
safety
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Yoichi Oiso
洋一 大磯
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Tayca Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 合成高分子系帯電防止剤に比べて生分解性や
安全性が高い多糖類を成分とする帯電防止剤を提供す
る。 【構成】 構成糖が、D−グルクロン酸、L−ラムノー
ス、D−ガラクトースおよびD−グルコースの4種から
成り、その構成モル比が、D−グルクロン酸:L−ラム
ノース:D−ガラクトース:D−グルコース=0.8〜
1.2:2.4〜3.6:0.8〜1.2:0.8〜
1.2である多糖類を有効成分とする帯電防止剤。 【効果】 使用される多糖類は、優れた帯電防止能を有
するのみならず、毒性や刺激性が低いという安全性を有
しているので、この帯電防止剤は、特に、衣類、毛髪用
製品などの安全性が重視される分野において好適に使用
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な多糖類系帯電防
止剤に関する。
【0002】
【従来の技術】帯電防止剤は、プラスチック製品や合成
繊維などの表面に塗布されたり、その材料に練り込まれ
たりして使用されている。しかしながら、低分子界面活
性剤を帯電防止剤として使用した場合、布拭きや洗濯な
どで容易に除去されてしまうので効果が持続しないとい
う欠点がある。
【0003】そこで、永久的に効果を持続する、ポリエ
チレングリコール、ポリオキシエチレンジアミン、ポリ
ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ポ
リジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリスチ
レンスルホン酸ソーダなどの合成系の高分子型の帯電防
止剤が注目されている。しかしながら、現在の環境汚染
問題等を考慮すると、この高分子型の帯電防止剤は、合
成高分子ゆえに生分解性や安全性に乏しいという問題を
有している。
【0004】一方、従来より、高分子化合物である、デ
キストラン、プルラン、カードラン、キサンタンガム、
ゲランガム、ヒアルロン酸などの種々の多糖類が、医
薬、食品、化粧品等の分野で利用されている。これら多
糖類は天然物であるため、安全性が高く、しかも、生分
解性を有するので、生物や地球環境に優しい物質とし
て、利用の範囲が拡大している。
【0005】天然多糖類には、大きく分けて、植物由
来、動物由来および微生物由来のものがある。これらの
内、微生物由来のもの、すなわち、所謂微生物産生多糖
類が、供給・生産性の面から種々の産業分野で多用され
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、合成
高分子系帯電防止剤に比べて生分解性や安全性が高い帯
電防止剤を提供することにある。本発明者らは、鋭意検
討した結果、クレブシエラ属オキシトカ種の一変異株菌
によって生産される多糖類が、優れた帯電防止能を有す
ることを見い出し、本発明を完成した。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、構成糖
が、D−グルクロン酸、L−ラムノース、D−ガラクト
ースおよびD−グルコースの4種から成り、その構成モ
ル比が、D−グルクロン酸:L−ラムノース:D−ガラ
クトース:D−グルコース=0.8〜1.2:2.4〜
3.6:0.8〜1.2:0.8〜1.2である多糖類
を有効成分とする帯電防止剤に存する。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
使用される多糖類は、上記の構成糖から明らかなように
酸性ヘテロ多糖類である。この多糖類は、通常、下記
(1)〜(4)の物性を有する。
【0009】(1)性状:白色繊維状(凍結乾燥物)。
【0010】(2)溶解性:水、希酸、希アルカリに対
して可溶であり、メタノール、エタノール、アセトンに
対して不溶である。
【0011】(3)赤外吸収スペクトル:3400cm-1
付近、1620cm-1付近、1100cm-1、1250cm-1
および2950cm-1付近のそれぞれに吸収が認められ
る。
【0012】(4)呈色反応:フェノール硫酸法、カル
バゾール硫酸法およびm−フェニルフェノール法の何れ
も陽性である。
【0013】本発明で使用される多糖類は、好ましく
は、下記(a)〜(c)の特性を有する。
【0014】(a)分子量:ゲルろ過クロマトグラフィ
ーを用いて測定した多糖類の分子量が約1×103〜1
0×106である。
【0015】(b)結合様式:D−グルクロン酸、L−
ラムノース、D−ガラクトースおよびD−グルコースの
結合様式が下記の通りである。
【0016】
【化1】
【0017】(c)結合配置:D−グルクロン酸の結合
配置がα、L−ラムノースの結合配置がα、D−ガラク
トースの結合配置がβ、そして、D−グルコースの結合
配置がαである。
【0018】本発明で使用される多糖類の分子量ならび
に構成糖の種類、構成比および結合様式は、加水分解後
のクロマトグラフィー分析、メチル化分析、スミス分解
法などの通常の方法により特定が可能である。具体的に
は、下記のような特定方法が例示される。
【0019】分子量の測定:例えば、旭化成社製「As
ahipak GFA−7MF」をカラムとし、0.1
M硝酸ナトリウム水溶液を移動相としたGPCモードの
高速液体クロマトグラフィーを使用し、分子量既知のプ
ルランを標準サンプルとして作成した分子量−保持時間
標準曲線を使用して、分子量を測定する。
【0020】構成糖およびその構成比:多糖類、およ
び、その多糖類中のウロン酸残基のカルボキシル基を還
元した多糖類に対し、2Mトリフルオロ酢酸(TFA)
を使用し、100℃で6時間酸加水分解を行い、次い
で、アルジトールアセテートに誘導する。得られた各誘
導体について、3%ECNSS−Mをコートした「Ga
schrom Q」(和光純薬社製)をカラムとするガ
スクロマトグラフィー分析を行う。多糖類と還元多糖類
について得られる分析結果から、多糖類の構成糖および
その構成比を決定する。
【0021】本発明で使用される多糖類は、例えば、多
糖類生産性クレブシエラ・オキシトカTNM3株(FE
RM BP−4669)又はその変異株を培養し、培養
物から多糖類を採取することによって得ることが出来
る。以下、この製造方法について説明する。
【0022】クレブシエラ・オキシトカTNM3株を使
用した製造方法で得られる多糖類は酸性ヘテロ多糖であ
り、下記式で表される構造の主要繰り返し単位を有す
る。
【0023】
【化2】
【0024】使用されるクレブシエラ・オキシトカTN
M3株の菌学的性質を表1〜3に示す。
【0025】
【表1】 菌学的性質 諸 性 質 形態 桿菌、コロニーはややムコイド状 グラム染色 − ブドウ糖OF F型 運動性 − カタラーゼ + オキシターゼ − グルコースからのガス産生 + KCN培地での生育 + クエン酸塩の利用 + メチルレッド − VP +
【0026】
【表2】炭水化物からの酸の生成 グルコース + アドニット + アラビノース + ズルシット + ラクトース + マルトース + マンニット + ラムノース + サリシン + ソルビット + スクロース + トレハロース + キシロース + グリセロール + イノシトール + ラフィノース +
【0027】
【表3】 ゼラチン加水分解 − マロン酸塩 + グルコン酸塩 + 硝酸塩還元 + 硝酸塩からのガス産生 − ウレアーゼ + リジン デカルボキシラーゼ + アルギニン ジヒドロラーゼ − オルニチン カルボキシラーゼ − PAA − ONPG + 硫化水素 + エスクリン加水分解 + インドール + 菌体外特定多糖生産能 + (上記の特定の繰り返し単位を有する多糖類の生成能)
【0028】上記に示す菌学的性質と、バージーズ・マ
ニュアル・オブ・システマチック・バクテリオロジー第
1巻(BERGEY’S MANUAL OF Sys
tematic Bacteriology Volu
me 1、1984年) 464頁に記載のデータとの対
比から、タイプカルチャーのクレブシエラ・オキシトカ
(Klebsiella oxytoca)について菌
体外特定多糖生成能に関する記載は認められないもの
の、他の性質は一致していることが判明し、また、クレ
ブシエラ・オキシトカ種において、特定多糖類を産生す
る菌株は知られていないことから、この菌株は、クレブ
シエラ・オキシトカの、特定多糖類生産能を有すること
を特徴とする新菌株であると考えられ、クレブシエラ・
オキシトカ(Klebsiella oxytoca)
TNM3株と命名されたものである。
【0029】上記の菌株は、通商産業省工業技術院生命
工学工業技術研究所において、受託番号「FERM B
P−4669」として、平成6年5月18日から国際寄
託され保管されている。
【0030】クレブシエラ・オキシトカTNM3株(F
ERM BP−4669)の変異株は、紫外線、X線等
の放射線、または、エチルメタンスルホン酸(EM
S)、N−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニ
ジン(MNNG)等の化学的突然変異誘発物質の様な公
知の突然変異誘発手段により発生させることが出来る。
上記多糖類の生産性の有無は菌株の培養液を分析するこ
とにより容易に判別できる。
【0031】上記微生物を培養するための培地として
は、クレブシエラ(Klebsiella) 属に属する
微生物が生育でき、多糖類を生産する、炭素源、窒素
源、無機塩類及び微量栄養源を適量含有するものであれ
ば特に制限されない。そして、炭素源としては、グルコ
ース、ラクトース、マルトース、キシロース、マンニッ
ト、スクロース、ラムノース、アラビノース、トレハロ
ース、ラフィノースなどが使用される。窒素源として
は、硝酸塩、アンモニウム塩、尿素などの合成化合物、
ポリペプトン、コーンスティープリカー、酵母エキス、
肉エキス、脱脂大豆抽出物、ペプチド、アミノ酸などの
天然有機物が使用される。無機塩類としては、リン酸
塩、カリウム塩、硫酸塩、マグネシウム塩などが使用さ
れる。培地には、必要に応じ、鉄塩、カルシウム塩、マ
ンガン塩などを添加することが出来る。また、微量栄養
源としては、酵母エキス、各種ビタミン類などが使用さ
れる。
【0032】培地の状態は、固体でも液体でも構わな
い。液体培地を使用する場合には、静置培養でもよい
が、振盪培養、通気撹拌培養の方がより高収量に多糖類
を得ることが出来る。培養時のpHは、微生物が生育で
きて多糖類を生産し得るpHであれば特に制限されない
が、通常は4〜8のpHが適切である。培養温度につい
ても、特に制限されないが、通常は20〜35℃が適切
である。培養時間は、多糖類の生産量が最大に達する期
間が選ばれるが、通常は1〜7日が適切である。
【0033】上記の培養方法で得られた培養物から、本
発明で使用される多糖類を採取する方法としては、通常
の多糖類に適用される従来公知の方法を採用することが
出来る。例えば、先ず、遠心分離や濾過などにより、培
養物から菌体を除去した後、得られた培養液にメタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、アセトン等の有機
溶媒を加えて沈澱を生じさせる。次いで、沈澱物を水に
溶解させた後、水に対して透析を行ない、通風乾燥、熱
風乾燥、噴霧乾燥、ドラム乾燥、減圧乾燥、凍結乾燥な
どの方法により、透析内液を乾燥して多糖類を回収す
る。
【0034】上記の採取方法の他に、限外濾過により、
上記の培養液から多糖類以外の成分を除去し、得られた
濃縮液を上述の乾燥工程に供する方法を採用してもよ
い。更に、必要に応じ、通常の多糖類の精製法に従って
精製することにより、高純度精製品を得ることも出来
る。精製法としては、イオン交換、ゲル濾過、アフィニ
ティー等の各種のカラムクロマトグラフィー、四級アン
モニウム塩による沈澱や塩析、有機溶媒による沈澱など
が採用される。
【0035】また、本発明で使用される多糖類は、カー
ボハイドレイト・リサーチ(Carbohydrate
Research)第157巻、第13〜25頁(1
986年)に記載されているクレブシエラK19株を上
記と同様にして培養し、培養物から採取することによっ
て得ることが出来る。
【0036】上記の製造方法で得られる多糖類の重合度
は、製造時の培地組成、採取法などの条件を調節するこ
とによって変化させることが出来る。また、TFA、ギ
酸、塩酸などを使用し且つ条件を調節することにより採
取品や精製品を加水分解することが出来る。また、加圧
下での加温や超音波処理によっても、得られる多糖類の
重合度を変化させることも出来る。従って、多糖類の分
子量は、約1×103〜10×106 の範囲で自由に調
節することが可能である。なお、これらの重合度調整方
法は、上記の製造方法で得られる多糖類に限らず、本発
明で使用される多糖類に適用可能である。
【0037】本発明で使用される多糖類として、好まし
いものは、植物由来や動物由来のものより供給および生
産性の面で有利なことから微生物産生多糖類であり、特
に好ましいものは、上記のクレブシエラ・オキシトカT
NM3を使用した製造方法で得られる多糖類である。
【0038】本発明で使用される多糖類は、優れた帯電
防止能を有しているので、本発明の帯電防止剤は、合成
繊維やプラスチック製品などの帯電防止剤として使用で
きる他、帯電防止性塗料、導電性塗料といった塗料分野
への応用も可能である。さらに、本発明で使用される多
糖類は、毒性や刺激性が低いという安全性を有している
ので、本発明の帯電防止剤は、特に、衣類、毛髪用製品
などの安全性が重視される分野において好適に使用でき
る。
【0039】本発明の帯電防止剤は、通常、被処理材料
に塗布して、あるいは、被処理材料に練り込んで使用さ
れる。塗布は、適宜、従来使用されている希釈剤に溶解
ないし混合し、繊維、編織物などの被処理材料に噴霧し
たり、被処理材料を帯電防止剤の溶液ないし混合液に含
浸したりなどの公知の方法により行うことが出来る。ま
た、練込みも公知の方法によって行うことが出来る。
【0040】本発明の帯電防止剤の使用量は、被処理材
料や処理方法などに合わせ適宜選択されるが、通常、塗
布の場合、被処理材料の表面積当り0.2〜20g/m
2、練込みの場合、被処理材料に対し、0.3〜30重
量%である。
【0041】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。
【0042】参考例1(多糖類の製造) 500ml容の坂口フラスコ4本のそれぞれに、表4に
示す組成の培地を100ml入れ、121℃で20分間
湿熱滅菌後、表5に示す組成の培地を用いて試験管で2
日間液体振盪培養していたクレブシエラ・オキシトカ
(Klebsiella oxytoca)TNM3株
(FERM BP−4669)を一白金耳分植菌し、振
盪数毎分110ストローク、28℃で1日間レシプロ振
盪培養を行った。
【0043】
【表4】 培地組成(重量%) グルコース 2.0 % ポリペプトン 0.1 % リン酸一水素カリウム 0.15 % 硫酸マグネシウム・7水和物 0.05 % ビタミンB1 0.0005 % ビオチン 0.000006% パントテン酸カルシウム 0.001 % ニコチンアミド 0.0005 % pH 6.5
【0044】
【表5】 培地組成(重量%) グルコース 4 % ポリペプトン 0.2 % リン酸一水素カリウム 0.15 % 硫酸マグネシウム・7水和物 0.01 % ビタミンB1 0.0005 % ビオチン 0.000006% パントテン酸カルシウム 0.001 % ニコチンアミド 0.0005 %
【0045】表5に示す組成の培地8リットルを入れて
前記と同様の滅菌を行った15リットル容のジャーファ
ーメンターに前記で得られた培養液400mlを接種
し、温度28℃、通気量5リットル/分の条件下で、5
M水酸化ナトリウム水溶液を用いて系中のpHを7に保
ちながら、95時間通気攪拌培養を行った。なお、回転
数は、培養24時間目までは200rpm、それ以降3
3時間目までは400rpm、それ以降95時間目まで
は700rpmとした。
【0046】得られた培養物のpHを10%硫酸で4.
5に調整し、121℃で60分間湿熱滅菌後、遠心分離
により菌体を除去した。得られた培養上清分について、
多糖類以外の成分(残留培地成分など)が除去される
迄、クロスフロー方式の限外濾過を繰り返した。限外濾
過には、東ソー社製、限外濾過システム「UF−LMS
II」(分画分子量:3×106 )を使用した。限外濾過
膜を透過しなかった濃縮液を凍結乾燥し、培地1リット
ル当たり約21gの単一な多糖類を得た。なお、多糖類
の単一性の確認は、GPCモードの高速液体クロマトグ
ラフィーを使用して行った。
【0047】旭化成社製「Asahipak GFA−
7MF」をカラムとし、0.1M硝酸ナトリウム水溶液
を移動相とした高速液体クロマトグラフィーを使用し、
上記の多糖類の分子量を測定した結果、多糖類のクロマ
トグラムのピークトップの保持時間は、分子量既知のプ
ルランを標準サンプルとして作成した分子量−保持時間
標準曲線において、分子量約1.5×106 に相当する
値を示した。
【0048】また、上記の多糖類、および、そのグルク
ロン酸残基のカルボキシル基を還元した多糖類につい
て、各構成糖まで加水分解を行い、アルジトールアセテ
ートに誘導した後、ガスクロマトグラフィー分析を行っ
た。予め作成した検量線と各構成糖のピーク面積とから
各構成糖のモル比を求めたところ、D−グルクロン酸:
L−ラムノース:D−ガラクトース:D−グルコース=
1:3:1:1であった。
【0049】試験例1(安全性試験) 参考例1で得られた多糖類を使用して、毒性および皮膚
に対する刺激性について安全性を評価したところ下記の
表6に示す結果が得られた。なお、皮膚刺激性試験には
50%(w/v)懸濁液を使用した。また、皮膚刺激性
評価基準を表7に示す。
【0050】
【表6】 ──────────────────────────────────── 急性経口毒性(ラット、LD50): >5000mg/kg(実際上無害) 皮膚1次刺激性(Draize法): 1次刺激指数 0.2(弱い刺激物) ────────────────────────────────────
【0051】
【表7】 ────────────────────────皮膚刺激性評価 1次刺激指数(PII) 無刺激物 0 弱い刺激物 0<PII≦2 中程度の刺激物 2<PII≦5 強い刺激物 5< ────────────────────────
【0052】上記の結果より、本発明で使用される多糖
類は、急性経口毒性が実際上無害のレベルであり、ま
た、皮膚刺激性もほぼ無刺激物に近いレベルであって、
安全性の高い物質であることがわかる。
【0053】なお、比較のため、食器洗い用洗剤の原料
としても使用されている帯電防止剤であるラウリル硫酸
ナトリウム(和光純薬社製)の4%(w/v)水溶液に
ついて皮膚一次刺激試験を同様に実施したところ、1次
刺激指数は4.0(中程度の刺激物)であった。
【0054】実施例1(多糖類系帯電防止剤の帯電防止
能評価) 参考例1で得られた多糖類の1%(w/v)水溶液をガ
ラス製シャーレ(直径90mm×高さ10mm)上に流
し込み、50℃で乾燥させてシャーレ上に膜厚30μm
程度のフィルムを形成させ、温度25℃、相対湿度40
%の条件下で24時間放置した時の表面抵抗を、デジタ
ルエレクトロメーター(DEGITALELECTRO
METER、アドバンテスト(ADVANTEST)社
製)を用いて、同じ温度および湿度条件下で測定し、表
面抵抗率を求めた。また、比較のため、低粘性で扱いや
すく、フィルム化剤として有用な市販微生物生産多糖類
であるプルラン(林原社製)についても同様に処理して
測定を行った。結果を表8に示す。なお、表面抵抗率の
測定は帯電防止性の簡便な評価法として常用されている
ものであり、表面抵抗率が低いほど帯電防止性が優れて
いると評価される。
【0055】
【表8】 ───────────────────────────── 物質 表面抵抗率(Ω) 参考例1で得られた多糖類 2.36×108 プルラン 1.55×1010 ブランク(水のみ) 1.60×1012 ─────────────────────────────
【0056】実施例2(多糖類系帯電防止剤の帯電防止
能評価) 水99gに、参考例1で得られた多糖類0.1gを溶解
して水溶液を調製した。また、プルラン(林原社製、P
F20(商品名))およびハード型ドデシルベンゼンス
ルホン酸Na塩(テイカ社製)についても同様にして水
溶液を調製した。さらに、ソフト型ドデシルベンゼンス
ルホン酸Li塩(テイカ社製)について、水の代わりに
メタノールを用いて溶液を調製した。
【0057】これらの溶液を、上質紙に、乾燥後の塗布
量が2.0g/m2となるように含浸塗布後、70℃で
乾燥して導電性シートとした。得られた4種類の導電性
シートについて20℃、相対湿度60%の条件下で表面
抵抗率を測定した。結果を表9に示す。
【0058】
【表9】 ────────────────────────────────── 物質 表面抵抗率(Ω) 参考例1で得られた多糖類 0.20×1013 プルラン 0.88×1013 ソフト型ドデシルベンゼンスルホン酸Li塩 0.24×1013 ハード型ドデシルベンゼンスルホン酸Na塩 0.58×1013 ──────────────────────────────────
【0059】実施例3 精製水88gに、参考例1で得られた多糖類1.0gお
よびグリセリン5.0gを添加し、加温溶解して70℃
の水溶液とした。次に、セチルアルコール2.0g、シ
リコーン油3.0gおよびポリオキシエチレン(10モ
ル)オレイルアルコールエーテル1.0gを混合し、加
熱融解して70℃に保ちつつ、前記の水溶液によく撹拌
しながら添加し、さらに、撹拌を続けながら室温まで冷
却してヘアリンスを調製した。
【0060】この様にして得られたヘアリンスを使用し
て、洗髪後の毛髪をリンス処理し、ドライヤーで乾燥さ
せた。相対湿度30%、温度20℃に設定した室内でブ
ラッシングしても、ブラシへのまとわりつきなどの静電
気障害は発生しなかった。
【0061】実施例4 参考例1で得られた多糖類の1%(w/v)水溶液50
mlにエタノール50mlを徐々に混合して得た溶液を
噴霧器に入れ、スカートの裏地(ポリエステル製)に
2.5g/m2の割合で噴霧した。
【0062】このように処理したスカートを履いて、相
対湿度40%、温度15℃の屋内を歩き回ったが、静電
気によるスカートのまとわりつきは起こらなかった。
【0063】
【発明の効果】以上に説明した本発明によれば、合成高
分子系帯電防止剤に比べて生分解性や安全性が高い多糖
類を成分とする帯電防止剤を提供することが出来る。本
発明で使用される多糖類は、優れた帯電防止能を有する
のみならず、毒性や刺激性が低いという安全性を有して
いるので、本発明の帯電防止剤は、特に、衣類、毛髪用
製品などの安全性が重視される分野において好適に使用
できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構成糖が、D−グルクロン酸、L−ラム
    ノース、D−ガラクトースおよびD−グルコースの4種
    から成り、その構成モル比が、D−グルクロン酸:L−
    ラムノース:D−ガラクトース:D−グルコース=0.
    8〜1.2:2.4〜3.6:0.8〜1.2:0.8
    〜1.2である多糖類を有効成分とする帯電防止剤。
JP18473895A 1995-03-27 1995-06-28 多糖類系帯電防止剤 Withdrawn JPH0913011A (ja)

Priority Applications (4)

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JP18473895A JPH0913011A (ja) 1995-06-28 1995-06-28 多糖類系帯電防止剤
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JP2008095060A (ja) * 2006-02-08 2008-04-24 Showa Denko Kk 帯電防止剤、帯電防止膜及び帯電防止膜被覆物品
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