JPH10241142A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH10241142A
JPH10241142A JP4666697A JP4666697A JPH10241142A JP H10241142 A JPH10241142 A JP H10241142A JP 4666697 A JP4666697 A JP 4666697A JP 4666697 A JP4666697 A JP 4666697A JP H10241142 A JPH10241142 A JP H10241142A
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JP
Japan
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magnetic
lubricant
magnetic recording
recording medium
perfluoropolyether
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JP4666697A
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Yukari Yamada
ゆかり 山田
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非磁性支持体上に形成される磁性層の耐久性
を向上することを可能とし、特に金属磁性薄膜よりなる
磁性層上にDLC膜よりなる保護膜が形成されている場
合において耐久性の向上を可能とする。 【解決手段】 非磁性支持体の一主面上に磁性層を形成
し、この磁性層側に少なくとも一方の末端に水酸基を有
するパーフルオロポリエーテルと分岐型脂肪酸とのエス
テルよりなる潤滑剤を塗布する。なお、磁性層を金属磁
性薄膜とし、この金属磁性薄膜上にCVD法によって形
成されたカーボン保護膜を形成し、この上に潤滑剤を塗
布することが好ましい。また、分岐型脂肪酸の炭素数が
10以上である、少なくとも一方の末端に水酸基を有す
るパーフルオロポリエーテルの分子量Mwが1500≦
Mw≦3000であることが好ましい。さらに、パーフ
ルオロポリエーテルが両方の末端に水酸基を有すること
が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非磁性支持体の一
主面側に磁性層が形成され、この磁性層側に潤滑剤が塗
布されてなる磁気記録媒体に関する。詳しくは、上記潤
滑剤の種類を規定することにより、耐久性が向上された
磁気記録媒体に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気記録媒体としては、酸化物磁
性粉末や合金磁性粉末等の強磁性粉末と塩化ビニル−酢
酸ビニル系共重合体、ポリエステル樹脂、ウレタン樹
脂、ポリウレタン樹脂等の結合剤、有機溶媒よりなる磁
性塗料を非磁性支持体上に塗布・乾燥することで磁性層
が形成される、いわゆる塗布型の磁気記録媒体が広く使
用されている。
【0003】これに対し、高密度記録化への要求の高ま
りとともに、Co−Ni合金、Co−Cr合金、Co−
O等の金属磁性材料を薄膜形成技術(メッキ、真空蒸着
法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等)に
よってポリエステルフィルムやポリアミドフィルム、ポ
リイミドフィルム等の非磁性支持体上に直接被着させる
ことで磁性層が形成される、いわゆる金属磁性薄膜型の
磁気記録媒体が実用化されてきている。
【0004】この金属磁性薄膜型の磁気記録媒体は、塗
布型の磁気記録媒体に比べて保磁力、角形比等の磁気特
性に優れ、短波長領域での電磁変換特性に優れるばかり
でなく、磁性層の厚みを極めて薄くすることが可能であ
るため、記録減磁や再生時の厚み損失が著しく小さいこ
と、磁性層中に非磁性材である結合剤等を混入する必要
がないことから、磁性材料の充填密度を高めることが可
能である等数々の利点を有している。
【0005】このような磁気記録媒体においては、電磁
変換特性を更に向上させ、より大きな出力を得ることを
可能とするために、磁性層形成時に磁性層を斜めに蒸着
するいわゆる斜方蒸着が提案され、実用化されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
金属磁性薄膜型の磁気記録媒体では、さらなる高密度化
の流れからヘッドとの間のスペーシング損失をより小さ
くする必要が出てきており、このため磁性層表面は平滑
化される方向にある。しかし、磁性層表面が平滑化され
ると、ヘッドに対する接触面積が増大することから、ヘ
ッド−媒体間の摩擦力が増大し、媒体に生ずる剪断応力
が大きくなる。そこで、摺動耐久性を付与する目的で、
磁性層表面に保護膜を形成する技術の検討がされてい
る。
【0007】保護膜としては、カーボン膜、石英(Si
2 )膜、ジルコニア(ZrO2 )膜等が検討されてお
り、なかでもダイヤモンド構造を有する硬質カーボン膜
(以下、DLC膜と称する。)は、摺動耐久性に非常に
優れ、今後、保護膜の主流になるものと考えられる。
【0008】なお、このDLC膜は、スパッタリング法
あるいはCVD法によって形成されるが、スパッタリン
グ法は膜形成速度が比較的遅いことから、工業的にはC
VD法を用いる方が有利である。
【0009】CVD法は、電場や磁場を用いて発生させ
たプラズマのエネルギーを利用して原料となる気体に分
解、合成等の化学反応をおこさせ、この化学反応物を支
持体上に沈着させることで薄膜を形成する薄膜形成技術
である。このCVD法によって形成されるカーボン膜
は、ダイヤモンド構造を有する硬質カーボン膜、いわゆ
るダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜であり、硬
度が高く、優れた摺動耐久性が得られる。
【0010】なお、カーボンには、グラファイト構造を
有するもの、ダイヤモンド構造を有するもの等が知られ
ており、ラマン分光スペクトルを測定すると、それぞれ
に由来するピークが観測される。ここで言うダイヤモン
ドライクカーボン膜とは、少なくともその一部がダイヤ
モンド構造を有するもので、ラマン分光スペクトルにお
いて前記ダイヤモンド構造に由来するピークが観測され
るものである。通常は、グラファイト構造に由来するピ
ークとともに、前記ダイヤモンド構造に由来するピーク
が現れる。
【0011】しかしながら、このように金属磁性薄膜よ
りなる磁性層上にDLC膜よりなる保護膜のみを形成す
るようにしても十分な耐久性を確保することは困難であ
り、様々な手法が試みられているものの、未だ最適な手
法は確立されていない。
【0012】そこで本発明は、従来の実情に鑑みて提案
されたものであり、非磁性支持体上に形成される磁性層
の耐久性を向上することを可能とし、特に金属磁性薄膜
よりなる磁性層上にDLC膜よりなる保護膜が形成され
ている場合において耐久性の向上を可能とする磁気記録
媒体を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体の一主面上
に磁性層が形成され、この磁性層側に少なくとも一方の
末端に水酸基を有するパーフルオロポリエーテルと分岐
型脂肪酸とのエステルよりなる潤滑剤が塗布されている
ことを特徴とするものである。
【0014】なお、本発明の磁気記録媒体においては、
磁性層が金属磁性薄膜よりなり、この金属磁性薄膜上に
CVD法によって形成されたカーボン保護膜が形成さ
れ、この上に潤滑剤が塗布されていることが好ましい。
【0015】また、本発明の磁気記録媒体においては、
分岐型脂肪酸の炭素数が10以上であることが好まし
い。この分岐型脂肪酸の炭素数が10未満であると、潤
滑剤の塗布時に潤滑剤を溶媒に溶解して溶液とすること
が困難となってしまい、均一な塗布が難しくなることか
ら好ましくない。
【0016】さらに、本発明の磁気記録媒体において
は、少なくとも一方の末端に水酸基を有するパーフルオ
ロポリエーテルの分子量をMwとした場合に、1500
≦Mw≦3000とされていることが好ましい。この分
子量が1500未満或いは3000よりも大であると、
潤滑剤の効果が弱く、好ましくない。
【0017】さらにまた、本発明の磁気記録媒体におい
ては、パーフルオロポリエーテルが両方の末端に水酸基
を有し、エステルが下記化2に示すような構造を有する
ことが好ましい。
【0018】
【化2】
【0019】本発明の磁気記録媒体においては、非磁性
支持体の一主面上に磁性層が形成され、この磁性層側に
少なくとも一方の末端に水酸基を有するパーフルオロポ
リエーテルと分岐型脂肪酸とのエステルよりなる潤滑剤
が塗布されていることから、磁性層の耐久性が向上す
る。
【0020】なお、本発明の磁気記録媒体において、磁
性層を金属磁性薄膜とし、この金属磁性薄膜上にCVD
法によって形成されたカーボン保護膜を形成し、この上
に潤滑剤を塗布するようにすれば、上記カーボン保護
膜、いわゆるDLC膜よりなる保護膜の摺動耐久性が向
上され、磁性層の耐久性が向上する。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】本例の磁気記録媒体は、図1に示すよう
に、非磁性支持体21上に金属磁性薄膜22が形成さ
れ、この金属磁性薄膜22上にカーボン保護膜23が形
成されて構成されている。
【0023】上記非磁性支持体21としては、例えば、
ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル類、ポリ
エチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セル
ローストリアセテート,セルロースダイアセテート,セ
ルロースブチレート等のセルロース誘導体、ポリ塩化ビ
ニル,ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリカー
ボネート、ポリイミド、ポリアミド等の高分子材料の
他、アルミニウム合金,チタン合金等の軽金属、アルミ
ナガラス等のセラミック等が挙げられる。非磁性支持体
にアルミニウム合金板やガラス板等の剛性を有する基板
を使用した場合には、基板表面にアルマイト処理等の酸
化被膜やNi−P被膜等を形成してその表面を硬くする
ようにしてもよい。
【0024】上記金属磁性薄膜22は、強磁性金属材料
をメッキや真空薄膜形成手段によって非磁性支持体上に
被着することで形成される。
【0025】強磁性金属材料としては、金属磁性薄膜型
の磁気記録媒体で通常用いられているものがいずれも使
用可能であり、具体的にはFe,Co,Ni等の強磁性
金属、Fe−Co、Co−Ni、Fe−Co−Ni、F
e−Cu、Co−Cu、Co−Au、Co−Pt、Mn
−Bi、Mn−Al、Fe−Cr、Co−Cr、Ni−
Cr、Fe−Co−Cr、Co−Ni−Cr、Fe−C
o−Ni−Cr等の強磁性合金が挙げられる。金属磁性
薄膜としては、これら強磁性金属材料の単層膜であって
もよいし多層膜であってもよい。さらには、非磁性支持
体と金属磁性薄膜の間、多層膜の場合には各層間に、付
着力の向上、並びに抗磁力の制御等の目的で、下地層ま
たは中間層を設けるようにしても良い。また、金属磁性
膜表面近傍が耐食性改善等のために酸化物となされてい
ても良い。
【0026】強磁性金属材料を被着形成するための真空
薄膜形成手段としては、真空下で強磁性金属材料を加熱
蒸発させ、非磁性支持体上に沈着させる真空蒸着法や、
強磁性金属材料の蒸発を放電中で行うイオンプレーティ
ング法、アルゴンを主成分とする雰囲気中でグロー放電
を起こし生じたアルゴンイオンでターゲット表面の原子
を叩き出すスパッタ法等、いわゆるPVD技術が挙げら
れる。
【0027】上記カーボン保護膜23は、媒体に摺動耐
久性を付与するために設けられるもので、CVD法によ
って形成される。
【0028】すなわち、本例の磁気記録媒体において
は、金属磁性薄膜22上に、CVD法によって形成され
たカーボン保護膜23が設けられることで、摺動耐久性
が付与される。
【0029】上記CVD法としては、薄膜形成材料の蒸
発を放電中で行うイオンプレーディング法、アルゴンを
主成分とする雰囲気中でグロー放電を起こし、生じたア
ルゴンイオンでターゲットの表面の原子をたたき出すス
パッタ法等のいわゆるPVD技術やプラズマCVD、E
CRプラズマCVD、アークジェットCVD等の技術が
例示される。
【0030】そして本例の磁気記録媒体においては特
に、DLC膜よりなるカーボン保護膜23表面に少なく
とも一方の末端に水酸基を有するパーフルオロポリエー
テルと分岐型脂肪酸とのエステルよりなる図示しない潤
滑剤が塗布されている。このため、本例の磁気記録媒体
においては、上記のDLC膜よりなるカーボン保護膜2
3の摺動耐久性が向上し、磁性層の耐久性が向上する。
【0031】なお、上記潤滑剤中の分岐型脂肪酸の炭素
数は10以上であることが好ましい。この分岐型脂肪酸
の炭素数が10未満であると、潤滑剤の塗布時に潤滑剤
を溶媒に溶解して溶液とすることが困難となってしま
い、均一な塗布が難しくなることから好ましくない。
【0032】さらに、上記潤滑剤の少なくとも一方の末
端に水酸基を有するパーフルオロポリエーテルの分子量
をMwとした場合に、1500≦Mw≦3000とされ
ていることが好ましい。この分子量が1500未満或い
は3000よりも大であると、潤滑剤の効果が弱く、好
ましくない。
【0033】さらにまた、本例の磁気記録媒体において
は、パーフルオロポリエーテルが両方の末端に水酸基を
有し、エステルが下記化3に示すような構造を有するこ
とが好ましい。
【0034】
【化3】
【0035】このようにパーフルオロポリエーテルが両
端の末端に水酸基を有する場合においては、パーフルオ
ロポリエーテルが片方の末端に水酸基を有する場合より
も潤滑剤の溶媒に対する溶解性が良好となり、また磁性
層の耐久性を向上する効果も高い。
【0036】なお、片方の末端に水酸基を有するパーフ
ルオロポリエーテルとしては、F(CF2 CF2 CF2
O)n CF2 CF2 −OHやCF3 (OCF(CF3
CF2m (OCF2l −OH(ただし、n,m,l
は整数を表す。)等の構造を有するものが挙げられる。
【0037】以上が磁気記録媒体の基本的な構成である
が、この磁気記録媒体には、磁気記録媒体で通常採用さ
れているような付加的な構成をもたせるようにしても差
し支えない。例えば必要に応じて非磁性支持体21の金
属磁性薄膜22が形成された側とは反対側の面にバック
コート層を形成しても良い。また、非磁性支持体21と
金属磁性薄膜22の間に下塗層を形成しても構わない。
この場合、バックコート層の材料や下塗層材料として
は、この種の磁気記録媒体で用いられているものがいず
れも使用可能である。
【0038】また、磁気記録媒体の形態は、テープ状、
ディスク状等、いかなる形態であってもよいが、特にケ
ースに内蔵されるディスク状媒体と異なり、外に露出す
る機会の多いテープ状媒体とした場合には耐久性が厳し
く要求され、このような形態をとることの効果が顕著に
発揮される。
【0039】
【実施例】以下、本発明の効果を確認するべく、以下に
示すような実験を行った。
【0040】〈実験例1〉試料の作製 まず、10μm厚のポリエチレンテレフタレート(PE
T)製非磁性支持体上に、蒸着法によって、Coを蒸着
源とし、成膜雰囲気中に酸素ガスを導入しながら金属磁
性薄膜を形成した。なお、上記磁性薄膜は蒸着時に酸素
を導入することにより、保磁力が110kA/m、残留
磁束密度が0.45Tとなるようにした。蒸着条件を以
下に示す。
【0041】蒸着条件 支持体:10μm厚PETフィルム 金属磁性薄膜:膜厚200nmのCo単層膜 入射角:45〜90° 導入ガス:酸素ガス ガス導入量:3.3×10-63 /sec 蒸着時真空度:7×10-2Pa 次に、この金属磁性薄膜上に、CVD法によって厚さ1
0nmのカーボン保護膜(DLC膜)を形成した。な
お、カーボン保護膜の形成に用いたCVD装置を図2に
示す。
【0042】このCVD装置は、頭部に設けられた真空
排気系10によって内部が高真空状態となされた真空室
11内に、図中の反時計回り方向に定速回転する送りロ
ール3と、図中の反時計回り方向に定速回転する巻取り
ロール4とが設けられ、これら送りロール3から巻取り
ロール4に、金属磁性薄膜が形成された非磁性支持体1
が順次走行するようになされている。
【0043】これら送りロール3から巻取りロール4側
に上記非磁性支持体1が走行する中途部には、上記各ロ
ール3,4の径よりも大径となされた支持ロール(対向
電極)9が設けられている。この支持ロール9は、上記
非磁性支持体1を図中下方に引き出すように設けられ、
図中の時計回り方向に定速回転する構成とされる。尚、
上記送りロール3,巻取りロール4及び支持ロール9
は、それぞれ非磁性支持体1の幅と略同じ長さからなる
円筒状をなすものである。
【0044】したがって、上記非磁性支持体1は、送り
ロール3から順次送り出され、さらに上記支持ロール9
の周面を通過し、巻取りロール4に巻き取られていくよ
うになされている。なお、上記送りロール3と上記支持
ロール9との間及び該支持ロール9と上記巻取りロール
4との間にはそれぞれ回転支持体2が配設され、上記送
りロール3から支持ロール9及び該支持ロール9から巻
取りロール4に亘って走行する非磁性支持体1に所定の
テンションをかけ、該非磁性支持体1が円滑に走行する
ようになされている。
【0045】また、上記真空室11内には、上記支持ロ
ール9の下方に耐熱性ガラス,耐熱性プラスチック等よ
りなる反応管5が設けられている。この反応管5は、一
方の端部8が真空室11の底部を貫通しており、この端
部8から原料ガスが当該反応管内に導入されるようにな
っている。また、この反応管5内の中途部には金メッシ
ュ等よりなる加速電極6が取り付けられている。この加
速電極には、外部の直流電源7より+500V〜+20
00Vの電位が印加されるようになっており、この加速
電極6と支持ロール9との間にグロー放電が生じる。反
応管5内に導入された原料ガスは、この生じたグロー放
電によって分解し、非磁性支持体1上に被着されること
になる。
【0046】本実施例で採用したCVD条件を以下に示
す。
【0047】CVD条件 原料ガス:トルエン プラズマ発光部体積:2000cm3 反応圧力:10Pa 導入ガス流量:17CCM 導入電力:直流2.0kV DLC膜厚:10nm 続いて、上記のように非磁性支持体の一主面側に順次形
成される金属磁性薄膜、カーボン保護膜上に、両端に水
酸基を有して分子量が2000のパーフルオロポリエー
テルと分岐型脂肪酸(isoステアリン酸)のエステル
よりなる潤滑剤を塗布した。上記パーフルオロポリエー
テルは、下記化4に示すような構造を有し、分岐型脂肪
酸は下記化5に示すような構造を有するものである。
【0048】
【化4】
【0049】
【化5】
【0050】潤滑剤を塗布する際には、潤滑剤をトルエ
ンを溶媒として溶液とし、潤滑剤の濃度が0.1重量%
である溶液を塗布して磁気記録媒体を得た。この溶液は
ダイレクトグラビア方式により塗布することとした。そ
して、この磁気記録媒体を8mm幅に裁断したものを実
施サンプル1とした。
【0051】さらに、上記実施サンプル1と同様にして
カーボン保護膜の形成まで行い、潤滑剤を塗布する際の
溶液の潤滑剤の濃度を0.2重量%、0.5重量%、
0.8重量%、1.0重量%とした溶液をそれぞれ塗布
して4種類の磁気記録媒体を製造し、これを8mm幅に
裁断して、それぞれ実施サンプル2,実施サンプル3,
実施サンプル4,実施サンプル5とした。
【0052】さらにまた、分岐型脂肪酸(isoステア
リン酸)として下記化6に示すような構造を有するもの
を使用して両端に水酸基を有して分子量が2000のパ
ーフルオロポリエーテルとのエステルよりなる潤滑剤を
使用し、実施サンプル1と同様にして製造した磁気記録
媒体を実施サンプル6、実施サンプル2と同様にして製
造した磁気記録媒体を実施サンプル7、実施サンプル3
と同様にして製造した磁気記録媒体を実施サンプル8、
実施サンプル4と同様にして製造した磁気記録媒体を実
施サンプル9、実施サンプル5と同様にして製造した磁
気記録媒体を実施サンプル10とした。
【0053】
【化6】
【0054】そして比較のために、以下に示すような磁
気記録媒体も製造した。すなわち、分岐型脂肪酸の代わ
りに直鎖型脂肪酸であるステアリン酸(C1735COO
H)を使用して両端に水酸基を有して分子量が2000
のパーフルオロポリエーテルとのエステルよりなる潤滑
剤を使用し、実施サンプル1と同様にして製造した磁気
記録媒体を比較サンプル1、実施サンプル2と同様にし
て製造した磁気記録媒体を比較サンプル2、実施サンプ
ル3と同様にして製造した磁気記録媒体を比較サンプル
3、実施サンプル4と同様にして製造した磁気記録媒体
を比較サンプル4、実施サンプル5と同様にして製造し
た磁気記録媒体を比較サンプル5とした。
【0055】特性の評価 次に、上記のようにして製造された実施サンプル1〜1
0と比較サンプル1〜5の耐久性を評価するために、こ
れらサンプルの金属磁性薄膜表面の摩擦係数とスチル耐
久性を測定した。
【0056】すなわち、摩擦係数は温度40℃、湿度8
0%の環境下においてステンレススチールよりなるガイ
ドロール上を金属磁性薄膜を摺動面として100回摺動
させた後に測定した。一方、スチル耐久性は、トラック
幅が20μmのセンダストよりなる磁気ヘッドが搭載さ
れた8mmビデオテープレコーダー(ソニー社製 機種
名:CVD−1000)を使用し、温度−5℃の環境下
で最短記録波長を0.5μmとして記録を行った後に、
スチル再生を行い、再生出力が3dB低下するまでの時
間を測定するものとした。
【0057】実施サンプル1〜5の結果を表1に示し、
実施サンプル6〜10の結果を表2に示し、比較サンプ
ル1〜5の結果を表3に示す。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】表1,2及び表3の結果を見てわかるよう
に、カーボン保護膜上に両端に水酸基を有して分子量が
2000のパーフルオロポリエーテルと分岐型脂肪酸
(isoステアリン酸)のエステルよりなる潤滑剤を塗
布した実施サンプル1〜10と、カーボン保護膜上に両
端に水酸基を有して分子量が2000のパーフルオロポ
リエーテルと直鎖型脂肪酸(ステアリン酸)のエステル
よりなる潤滑剤を塗布した比較サンプル1〜5を潤滑剤
を塗布する際の溶液の濃度が同等であるもの同士を比較
すると、実施サンプル1〜10の方が摩擦係数が低く、
スチル耐久性も向上されている。すなわち、本発明の磁
気記録媒体のように少なくとも一方の末端に水酸基を有
するパーフルオロポリエーテルと分岐型脂肪酸のエステ
ルよりなる潤滑剤を金属磁性薄膜上のカーボン保護膜上
に塗布すれば、磁性層の耐久性が大きく向上することが
確認された。
【0062】また、表1及び表2の結果を見てわかるよ
うに、分岐型脂肪酸の種類を変更しても、同様の結果が
得られ、本発明の磁気記録媒体においては、分岐型の脂
肪酸の種類に左右されることなく、耐久性が大きく向上
することが確認された。
【0063】さらに、表1,2及び表3の結果を見てわ
かるように、両端に水酸基を有して分子量が2000の
パーフルオロポリエーテルと直鎖型脂肪酸(ステアリン
酸)のエステルよりなる潤滑剤を使用した場合において
は、塗布時の溶液の潤滑剤濃度を1重量%ととして初め
て−5℃におけるスチル耐久性が90分以上となるのに
対し、両端に水酸基を有して分子量が2000のパーフ
ルオロポリエーテルと分岐型脂肪酸(isoステアリン
酸)のエステルよりなる潤滑剤を使用した場合において
は、塗布時の溶液の潤滑剤濃度を0.5重量%とすれば
−5℃におけるスチル耐久性が90分以上となってい
る。すなわち、本発明の磁気記録媒体のように、少なく
とも一方の末端に水酸基を有するパーフルオロポリエー
テルと分岐型脂肪酸のエステルよりなる潤滑剤を金属磁
性薄膜上のカーボン保護膜上に塗布すれば、塗布時の溶
液の潤滑剤濃度が比較的低濃度でもスチル耐久性を大幅
に向上し、磁性層の耐久性を向上することが可能であ
り、製造コストの点からも好ましい。
【0064】〈実験例2〉試料の作製 上述の実験例1で述べた各サンプルと同様にしてカーボ
ン保護膜の形成まで行い、カーボン保護膜上に、両端に
水酸基を有して分子量が2000のパーフルオロポリエ
ーテルと分岐型脂肪酸(isoステアリン酸)のエステ
ルよりなる潤滑剤を塗布した。上記パーフルオロポリエ
ーテルは、実験例1で使用したものと同様のものを使用
し、分岐型脂肪酸は下記化7に示すような構造を有し、
脂肪酸の炭素数が4のものを使用した。
【0065】
【化7】
【0066】潤滑剤を塗布する際には、潤滑剤をフッ素
系の有機溶媒を溶媒として溶液とし、潤滑剤の濃度が
0.8重量%である溶液を塗布して磁気記録媒体を得
た。この溶液はダイレクトグラビア方式により塗布する
こととした。そして、この磁気記録媒体を8mm幅に裁
断したものを実施サンプル11とした。
【0067】さらに、上記実施サンプル11と同様にし
てカーボン保護膜の形成まで行い、潤滑剤の分岐型脂肪
酸を下記化8に示すような構造を有し、脂肪酸の炭素数
が6のものとする、潤滑剤の分岐型脂肪酸を下記化9に
示すような構造を有し、脂肪酸の炭素数が8のものとし
て実施サンプル11と同様にカーボン保護膜上に潤滑剤
を塗布して磁気記録媒体とし、8mm幅に裁断したもの
を実施サンプル12及び実施サンプル13とした。
【0068】
【化8】
【0069】
【化9】
【0070】さらに、上記実施サンプル11と同様にし
てカーボン保護膜の形成まで行い、潤滑剤の分岐型脂肪
酸を下記化10に示すような構造を有し、脂肪酸の炭素
数が10のものとする、潤滑剤の分岐型脂肪酸を下記化
11に示すような構造を有し、脂肪酸の炭素数が12の
ものとする、潤滑剤の分岐型脂肪酸を下記化12に示す
ような構造を有し、脂肪酸の炭素数が16のものとす
る、或いは潤滑剤の分岐型脂肪酸を炭素数が18の実施
サンプル1で使用したものとし、且つこれらを溶解する
溶媒をトルエンとして潤滑剤の溶液を製造し、実施サン
プル11と同様にカーボン保護膜上に潤滑剤を塗布して
4種類の磁気記録媒体を製造し、8mm幅に裁断したも
のをそれぞれ実施サンプル14〜17とした。
【0071】
【化10】
【0072】
【化11】
【0073】
【化12】
【0074】特性の評価 次に、上記のようにして得られた実施サンプル11〜1
7に使用した各潤滑剤の溶液における潤滑剤の溶媒に対
する溶解度を評価するとともに、実験例1と同様にして
摩擦係数とスチル耐久性を評価した。結果を表4に示
す。
【0075】
【表4】
【0076】表4の結果を見てわかるように、実施サン
プル11〜17においては、ある程度の摩擦係数及びス
チル耐久性が確保されている。しかしながら、実施サン
プル11〜13においては、潤滑剤塗布時の溶媒をフッ
素系の有機溶媒としており、これらに使用した潤滑剤は
実施サンプル14〜17において潤滑剤塗布時に使用さ
れる溶媒であるトルエンには溶解し難く、使用可能な溶
媒が限定されてしまう。これは、実施サンプル11〜1
3に使用される潤滑剤の分岐型脂肪酸の炭素数が小さい
ためであり、実施サンプル14〜17に使用される潤滑
剤のように分岐型脂肪酸の炭素数が10以上であると、
比較的多種の溶媒への溶解が可能である。上記のような
フッ素系の有機溶媒は、環境問題及び製造コストの面か
ら好ましくないとされており、溶媒としてトルエン等を
使用することが好ましいとされている。従って、潤滑剤
としては比較的多種の溶媒への溶解が可能であることが
好ましく、潤滑剤の分岐型脂肪酸の炭素数は10以上で
あることが好ましい。
【0077】〈実験例3〉試料の作製 上述の実験例1で述べた各サンプルと同様にしてカーボ
ン保護膜の形成まで行い、カーボン保護膜上に、両端に
水酸基を有して分子量が1000のパーフルオロポリエ
ーテルと分岐型脂肪酸(isoステアリン酸)のエステ
ルよりなる潤滑剤を塗布した。上記パーフルオロポリエ
ーテルは、実験例1で使用したものと同様の構成を有
し、分子量が異なるものを使用し、分岐型脂肪酸は実験
例1で実施サンプル1〜5に使用した下記化13に示す
ような構造を有し、脂肪酸の炭素数が18のものを使用
した。
【0078】
【化13】
【0079】潤滑剤を塗布する際には、潤滑剤をトルエ
ンを溶媒として溶液とし、潤滑剤の濃度が0.8重量%
である溶液を塗布して磁気記録媒体を得た。この溶液は
ダイレクトグラビア方式により塗布することとした。そ
して、この磁気記録媒体を8mm幅に裁断したものを実
施サンプル18とした。
【0080】さらに、上記実施サンプル18と同様にし
てカーボン保護膜の形成まで行い、潤滑剤のパーフルオ
ロポリエーテルを両端に水酸基を有して分子量が400
0のパーフルオロポリエーテルとして実施サンプル18
と同様にカーボン保護膜上に潤滑剤を塗布して磁気記録
媒体とし、8mm幅に裁断したものを実施サンプル19
とした。
【0081】同様に、上記実施サンプル18と同様にし
てカーボン保護膜の形成まで行い、潤滑剤のパーフルオ
ロポリエーテルを両端に水酸基を有して分子量が150
0のパーフルオロポリエーテルとする、潤滑剤のパーフ
ルオロポリエーテルを両端に水酸基を有して分子量が2
000のパーフルオロポリエーテルとする、或いは潤滑
剤のパーフルオロポリエーテルを両端に水酸基を有して
分子量が3000のパーフルオロポリエーテルとして実
施サンプル18と同様にカーボン保護膜上に潤滑剤を塗
布して3種類の磁気記録媒体を製造し、8mm幅に裁断
したものをそれぞれ実施サンプル20〜22とした。
【0082】特性の評価 次に、上記のようにして得られた実施サンプル18〜2
2に使用した各潤滑剤の溶液における潤滑剤の溶媒に対
するトルエンに対する溶解度を評価するとともに、実験
例1と同様にして摩擦係数とスチル耐久性を評価した。
結果を表5に示す。
【0083】
【表5】
【0084】表5の結果を見てわかるように、実施サン
プル18〜22においては、何れもトルエンへの溶解性
は良好であり、ある程度の摩擦係数及びスチル耐久性が
確保されている。しかしながら、パーフルオロポリエー
テルの分子量Mwが1500≦Mw≦3000となされ
ている実施サンプル20〜22に比べて、パーフルオロ
ポリエーテルの分子量が上記範囲外とされている実施サ
ンプル18,19は摩擦係数及びスチル耐久性の両者が
劣っており、潤滑剤の効果が十分に発揮されていないも
のと思われる。従って、潤滑剤のパーフルオロポリエー
テルの分子量Mwは1500≦Mw≦3000の範囲と
されることが好ましい。
【0085】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の磁気記録媒体においては、非磁性支持体の一主面上
に磁性層が形成され、この磁性層側に少なくとも一方の
末端に水酸基を有するパーフルオロポリエーテルと分岐
型脂肪酸とのエステルよりなる潤滑剤が塗布されている
ことから、磁性層の耐久性が向上する。
【0086】なお、本発明の磁気記録媒体において、磁
性層を金属磁性薄膜とし、この金属磁性薄膜上にCVD
法によって形成されたカーボン保護膜を形成し、この上
に潤滑剤を塗布するようにすれば、上記カーボン保護
膜、いわゆるDLC膜よりなる保護膜の摺動耐久性が向
上され、磁性層の耐久性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した磁気記録媒体の一構成例を示
す断面図である。
【図2】カーボン保護膜を形成するためのCVD装置を
示す模式図である。
【符号の説明】
21 非磁性支持体、22 金属磁性薄膜、23 カー
ボン保護膜

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体の一主面上に磁性層が形成
    され、この磁性層側に潤滑剤が塗布されてなる磁気記録
    媒体において、 上記潤滑剤が、少なくとも一方の末端に水酸基を有する
    パーフルオロポリエーテルと分岐型脂肪酸とのエステル
    であることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 磁性層が金属磁性薄膜よりなり、この金
    属磁性薄膜上にCVD法によって形成されたカーボン保
    護膜が形成され、この上に潤滑剤が塗布されていること
    を特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 分岐型脂肪酸の炭素数が10以上である
    ことを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 少なくとも一方の末端に水酸基を有する
    パーフルオロポリエーテルの分子量をMwとすると、1
    500≦Mw≦3000とされていることを特徴とする
    請求項1記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 パーフルオロポリエーテルが両方の末端
    に水酸基を有し、エステルが下記化1に示すような構造
    を有することを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒
    体。 【化1】
JP4666697A 1997-02-28 1997-02-28 磁気記録媒体 Withdrawn JPH10241142A (ja)

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