JPH1025158A - サーミスタ用焼結体及びその製造方法 - Google Patents

サーミスタ用焼結体及びその製造方法

Info

Publication number
JPH1025158A
JPH1025158A JP8201178A JP20117896A JPH1025158A JP H1025158 A JPH1025158 A JP H1025158A JP 8201178 A JP8201178 A JP 8201178A JP 20117896 A JP20117896 A JP 20117896A JP H1025158 A JPH1025158 A JP H1025158A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sintered body
thermistor
crystal phase
atmosphere
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Ceased
Application number
JP8201178A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Otsuka
淳 大塚
Yoshio Hayashi
義勇 林
Satoshi Iio
聡 飯尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Spark Plug Co Ltd filed Critical NGK Spark Plug Co Ltd
Priority to JP8201178A priority Critical patent/JPH1025158A/ja
Publication of JPH1025158A publication Critical patent/JPH1025158A/ja
Ceased legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Thermistors And Varistors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温、特に600℃以上の温度領域において
安定性の高いサーミスタ用焼結体及びその製造方法を提
供する。 【解決手段】 高純度のY2 O3 粉末とCr2 O3 粉末
とを湿式混合し、乾燥した後、この混合粉末を、例えば
1300℃で5時間仮焼し、YCrO3 単相粉末を得
る。この仮焼粉末を湿式で粉砕し、乾燥した後、適宜形
状の成形体とする。この成形体を、窒素ガス、水素ガ
ス、不活性ガス及びこれらの混合ガス雰囲気中、且つ特
定の酸素分圧の下で、1500〜1700℃、例えば1
600℃前後で1時間程度焼成する。その後、得られた
焼結体を、900℃以上、例えば1000℃で、10時
間以上、特に200時間、熱処理する。焼成時の加熱炉
としては、カーボンヒータ炉よりもタングステンヒータ
炉等が好ましい。このようにして相対密度95%以上の
緻密なサーミスタ用焼結体を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、負の温度係数を持
ったサーミスタ(NTCサーミスタ)用焼結体及びその
製造方法に関する。本発明のサーミスタ用焼結体は、高
温における安定性が高く、特に600℃以上で使用され
るサーミスタ用焼結体として使用することができる。
【0002】
【従来の技術】高温において使用されるサーミスタ用材
料としては、従来より、(1) Al2 O3 及びCr2 O3
を主成分とするコランダム型結晶構造を主体とする材料
(特開昭50−118294号公報等)、(2) MgAl
2 O4 、MgCr2 O4 及びMgFe2 O4 等のスピネ
ル型結晶構造を有する化合物を主体とした材料(特開昭
49−63995号公報等)、
【0003】(3) 融点が高く、導電性を有するペロブス
カイト型結晶構造の化合物を主体とした材料であり、例
えばLa(Al1-X CrX )O3 系の組成をもつ材料
(特開昭51−108298号公報等)、絶縁基板上
にLaCrO3 を薄膜化して用いる材料(特開昭61−
161701号公報等)、及びLaCrO3 とMgA
l2 O4 とを混合した材料(特開昭51−95297号
公報、特開昭51−23691号公報等)、などが使用
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、現在用いられ
ているNTCサーミスタは、実用上、500℃或いは6
00℃以下の使用範囲のものがほとんどである。実際、
高温用サーミスタとして供されているものであっても、
上記温度を上回る領域では導電特性が不安定となり、長
時間の使用には適さないものが多い。また、上記(1) 〜
(3) のサーミスタ用材料のうち、ペロブスカイト化合物
の中には耐熱性の高い材料もいくつかある。しかし、耐
熱性の高い材料は一般に難焼結性であり、緻密化するた
めには焼結助剤を必要とするが、この焼結助剤によって
焼結体の耐熱性が低下するとの問題を生ずる。更に、ラ
ンタン、ネオジム等の元素及びその酸化物などが材料中
に残存した場合、空気中の水分と反応して水酸化物が形
成され、素子の崩壊をもたらす恐れもある。
【0005】YCrO3 系材料は耐熱性が高く、且つ優
れた導電特性を有する材料であるが、その耐熱性の高さ
ゆえに、緻密化のためには大気中では焼結助剤の添加が
必須である。しかし、焼結助剤の添加によって、材料の
耐熱性が低下し、経時的な抵抗変化が大きくなる等、材
料特性が不安定となる。また、焼結体の緻密性が低い、
即ち、低密度であるということは、材料表面に開口した
気孔の割合が高く、雰囲気に晒される素子の面積が大き
いということである。そのような素子では、酸素分圧の
変化或いは素子へのガスの吸着等、サーミスタの比抵抗
が雰囲気に大いに影響を受けることになる。この雰囲気
の影響を低減するためには、素子の周りに耐熱性のケー
ス等を設けて、素子が雰囲気に直接晒されないようにす
る手法等が有効である。しかし、そうすると応答速度が
遅くなる等の新たな問題を生ずることになる。
【0006】一方、クロムを含む化合物は、一般に、還
元雰囲気中で焼成すると焼結性が向上することが知られ
ている。そして、YCrO3 系材料も還元雰囲気におい
て焼成することにより、緻密化を促進することができ
る。しかし、そのようにして得られた焼結体では、クロ
ム等のキャリアを形成する金属の価数が変化し易いため
か、初期の比抵抗が変動し易いとの問題がある。
【0007】本発明は上記の問題を解決するものであ
り、実質的にYCrO3 のペロブスカイト型結晶相のみ
を含む焼結体からなるサーミスタ用焼結体及びその製造
方法を提供することを目的とする。本発明のサーミスタ
用焼結体は、不純物が極めて少なく、その材料特性が安
定しており、且つ十分に緻密化されている。そのため、
本発明の焼結体を用いたサーミスタは、500〜600
℃以上、特にこの温度を大きく上回る1000℃程度の
高温においても、実用上、何ら問題なく使用することが
できる。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1発明のサーミスタ用
焼結体は、結晶相としてYCrO3 を主体とするペロブ
スカイト型結晶相のみを含むサーミスタ用焼結体であっ
て、該焼結体の相対密度は95%以上であり、且つ該焼
結体に含まれる上記ペロブスカイト型結晶相以外の不純
物は、該ペロブスカイト型結晶相100容量%に対して
0.5容量%以下であることを特徴とする。
【0009】上記「YCrO3 のペロブスカイト型結晶
相」を構成する化合物は、Y2 O3とCr2 O3 とを、
YとCrとの比が1:1になるように混合した後、成形
し、焼成して得られる。また、成形に先立ち、1200
〜1500℃で数時間仮焼することが好ましい。そし
て、本発明では、焼結助剤を使用しないもかかわらず、
その「相対密度」が「95%以上」の焼結体とすること
ができる。焼結体の相対密度が95%以上であれば、焼
結体の表面に開口する気孔が実質的に存在せず、サーミ
スタの導電特性への焼成雰囲気の影響が大きく低減され
る。
【0010】また、上記「サーミスタ用焼結体」は、そ
の焼成に特に焼結助剤を必要としない。そのため、ペロ
ブスカイト型結晶相以外の「不純物」は「0.5容量%
以下」と非常に少ない。そして、この不純物が少ないほ
ど、得られるサーミスタの耐熱性が高くなる。従って、
焼結助剤を使用しないばかりでなく、原料として可能な
限り高純度なY2 O3 及びCr2 O3 を使用することが
好ましい。不純物は0.1容量%以下とすることが更に
好ましく、より耐熱性の高いサーミスタを得ることがで
きる。
【0011】また、第2発明のサーミスタ用焼結体の製
造方法は、焼成後における結晶相としてYCrO3 のペ
ロブスカイト型結晶相のみを含み且つ該ペロブスカイト
型結晶相以外の不純物が、該ペロブスカイト型結晶相1
00容量%対して0.5容量%以下になるように原料粉
末を混合し、成形した後、窒素ガス、水素ガス、不活性
ガス及びこれらのうちの2種以上のガスの混合ガスより
選ばれ、且つその酸素分圧が10-20 〜10-4気圧であ
る雰囲気中にて、1500℃以上の温度で焼成し、次い
で、大気中、900℃以上の温度で10時間以上熱処理
することを特徴とする。
【0012】上記「原料粉末」としては、通常、Y又は
Crの酸化物であるY2 O3 とCr2 O3 とを用いる
が、他に焼成により該酸化物になり得る化合物を用いて
もよい。また、これら原料粉末としては、特にその純度
が99.8%を越える高純度のものを使用することが好
ましい。それによって焼結体中の不純物がより低減さ
れ、得られるサーミスタの耐熱性等が向上する。
【0013】焼成は上記のように不活性雰囲気又は還元
雰囲気において実施される。還元雰囲気は、不活性ガ
ス、特に窒素ガスに数%程度の水素ガスを混在させて構
成される。また、焼成は、その雰囲気中の「酸素分圧」
を「10-20 〜10-4気圧」として実施される。この焼
成を大気中など酸素分圧の高い酸化雰囲気で実施した場
合は、得られる焼結体の緻密性が低下する。
【0014】一方、例えばグラファイト製のヒータ或い
は断熱材を用いるなどして、雰囲気中の酸素分圧が10
-20 気圧を下回った場合は、Cr成分の揮散が激しくな
って焼結体の緻密性はやはり低下する。また、Cr成分
の揮散、減少によって焼結体の組成も変動する。このよ
うに、上記のグラファイト等、炭素系の素材からなるヒ
ータを用いた場合は、緻密性の低下及び組成の変動等の
問題を生ずる。そのため、第3発明のように、炭素系以
外の素材、例えばタングステン等の素材からなるヒータ
によって、加熱、焼成することが好ましい。
【0015】焼成の温度が1500℃未満では焼結体の
緻密化が不十分となる。この焼成温度を高くすれば焼結
性が向上し、緻密化も促進される。しかし、焼成温度が
1700℃を越えると、Cr成分の揮散量が多くなって
緻密性の低下及び組成の変動等を生ずることがある。従
って、焼成温度は1500〜1700℃、特に1550
〜1650℃程度とすることが好ましい。また、焼成時
間は30分〜数時間、特に1時間程度でよい。
【0016】上記「熱処理」は、大気以外の酸素分圧の
雰囲気であっても、Crの酸化等は促進され、焼結体の
品質の安定化等の熱処理効果は奏される。しかし、大気
より酸素分圧が低い雰囲気では熱処理効果が不十分とな
り、大気より酸素分圧が高い雰囲気では、CrO3 の形
で揮散するCrの量が増加する。また、大気以外の特別
な雰囲気を調製したのではコストアップとなる。
【0017】更に、熱処理温度が900℃を下回った場
合も、熱処理効果が不十分となる。この熱処理温度を所
要温度以上に高くした場合、熱処理効果の観点からは特
に問題はない。しかし、「10時間以上」の長時間の熱
処理であるため、処理温度があまりに高いと焼結体表面
からのCr成分の揮散を生ずる。また、温度の逆数と比
抵抗の対数との直線性が若干ではあるが低下するようで
もある。この熱処理温度は900〜1300℃、特に1
000〜1100℃、更には1000℃前後が好まし
い。また、熱処理時間は20時間以上、特に200時間
程度と相当な長時間とすることが好ましい。尚、熱処理
時間が10時間未満の場合は十分な熱処理効果が得られ
ず、抵抗の変化が大きくなる等、焼結体の品質が低下す
る。
【0018】焼結助剤を使用していない本発明のサーミ
スタ用焼結体では、その比抵抗及びサーミスタ定数は焼
成条件によってほぼ決定される。しかし、所望の導電特
性を得るために、Y若しくはCrの一部を他の元素に置
換するのも有効である。但し、その場合には純粋なYC
rO3 に比べて耐熱性或いは耐久性等に劣ることがあ
る。そのため、使用温度域及び使用状況などによって元
素を選択する必要がある。Y若しくはCrと置換し固溶
させる元素は、Y以外の希土類元素、アルカリ土類金属
及び遷移金属等、通常、この種の焼結体において置換、
固溶されるものの中から選択すればよい。しかし、還元
雰囲気において焼成する場合は、Cr以外の価数が変動
し易い金属種を含むと導電特性の制御が困難となるた
め、そのような金属種の添加は好ましくない。また、ア
ルカリ金属等、揮散性の高い金属種の使用も好ましくな
い。
【0019】本発明のサーミスタ用焼結体は、焼結助剤
等からもたらされる不純物が極めて少ないため耐熱性に
優れる。この耐熱性の高さはイオンの拡散係数が低いこ
とと相関性があるが、熱処理を行って比抵抗を安定化し
ておくことにより、酸素の拡散等による比抵抗変化を生
じ難くすることができる。また、還元雰囲気における焼
成では、YCrO3 系材料は液相焼結しているものと考
えられ、焼結時の温度と緻密化との相関を表す曲線よ
り、液相が生成し始める温度は1400℃前後であると
予想される。従って、還元雰囲気において使用するにし
ても、1000℃程度の温度領域であれば特に問題はな
い。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例によって具
体的に説明する。Y2 O3 粉末(BET比表面積;1
0.8m2 /g、純度>99.9%)と、Cr2 O3 粉
末(BET比表面積;2.7m2 /g、純度99.8
%)とを湿式混合した。乾燥後、Y2 O3 とCr2 O3
との混合粉末を、1300℃で5時間仮焼することによ
り、YCrO3 単相粉末を得た。
【0021】この仮焼粉末を湿式で粉砕し、乾燥した
後、直径及び厚さともに約10mmのディスク状に成形
し、1.5t/cm2 の圧力でCIP(冷間静水圧プレ
ス)処理を施した。この成形体を表1に示す条件で焼成
及び熱処理して焼結体を得た。また、焼成には主にタン
グステンヒータ炉を用いた。尚、比較のため、焼成条件
又は熱処理条件が第2発明を外れた例、焼成炉としてカ
ーボンヒータ炉を用いた例、及び焼結助剤を用いた例
(試料No13)についても同様にして焼結体を製造し
た。また、焼結助剤の添加、混合は仮焼粉末の湿式粉砕
と同時に行った。
【0022】
【表1】
【0023】表1には、焼結体の密度を、YCrO3 の
理論密度(5.751g/cm3 とする。)に対する相
対密度として示す。この表1によれば、タングステンヒ
ータ炉を用いた場合は、カーボンヒータ炉の場合よりも
焼結性に優れ、1600℃の焼成温度で相対密度95%
以上の緻密な焼結体が得られていることが分かる。ま
た、カーボンヒータ炉を用いた場合は、1700℃と焼
成温度を高めれば相対密度は95%以上となっている。
しかし、焼成中のCrの揮散が激しいため、得られた焼
結体の表面付近にポーラスな部分が形成されていた。
【0024】得られた焼結体を、研磨加工によって直径
7mm、厚さ5mmのディスク状とした後、高純度アル
ミナ製のるつぼ中で表1に示す条件によって熱処理を施
した。表1中の*は第1発明の範囲外であることを表
し、**は第2発明の範囲外であることを表す。また、
カーボンヒータ炉を使用している試料No11及び12
は第3発明の範囲外である。尚、焼成時間はすべて1時
間、焼成雰囲気の圧力は常圧、及び熱処理は大気雰囲気
とした。試料No13に添加した焼結助剤はMg−Ca
−Al−Si−O系組成物である。この試料No13で
は、焼結助剤を使用しているため、焼成温度を1450
℃と低温にしたが、十分に相対密度の高い焼結体が得ら
れた。
【0025】次に、熱処理したディスク状の試片の両端
(二つの円形の端面)において白金電極を作製し、大気
中及び窒素中における抵抗値を測定した。測定は900
℃、750℃、650℃の順に行い、それぞれの温度で
試片を20分間保持した後の抵抗値を測定値とした。そ
れらの結果より算出された比抵抗及びサーミスタ定数
(B定数)を、表2及び表3に示す。B値は下記の (1)
式によって求めた。
【0026】また、上記の結果に基づき、窒素中の比抵
抗ρN2の大気中の比抵抗ρAIR からの変化率ΔR1 を下
記の (2)式を用いて算出した。更に、その変化率ΔR1
に相当する温度差ΔT1 を大気中の比抵抗の変化を基準
として求めた。その計算には下記の (3)式を用いた。求
められたΔR1 とΔT1 の値を表4に示す。尚、 (3)式
におけるBAIR の値としては、900℃と650℃の比
抵抗から求めたB値を便宜的に用いた。 B=ln(ρT1/ρT2)/(1/T1 −1/T2 ) (1) ΔR1 (%)=100(ρN2−ρAIR )/ρAIR (2) ΔT1 (℃)=BAIR ・T/(ln(ρN2/ρAIR )・T+BAIR )−T(3) T,T1 ,T2 :測定温度 ρT1,ρT2:温度T1 ,T2 における比抵抗 BAIR :大気中B定数(900〜650℃)
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【0030】表2〜4の結果によれば、大気中の測定に
おいてはすべての試料が安定した抵抗値を示した。しか
し、窒素中の測定においては、試料No2及び11の抵
抗値が20分間の保持時間の後も更に上昇し続けた。こ
れらの試料では窒素中の比抵抗は大気中に比較して数十
%以上も上昇しており、温度に換算すると数十℃以上の
誤差をもたらすことが分かる。試料No2及び11以外
の焼結体では、窒素中の測定でも安定した抵抗値を示し
ており、緻密性の低い試料No2及び11の焼結体で
は、測定雰囲気の影響が大きいことが分かる。尚、試料
No2及び11に比べてかなり緻密な試料No12にお
いても、窒素中の比抵抗は大気中のそれに比べて数%〜
十数%上昇しており、これは試片の表面付近に形成され
たポーラスな部分によるものと考えられる。
【0031】上記の3試料以外の各試料では、窒素中に
おける抵抗変化は温度換算で2℃以内に相当し、測定温
度が高いほど変化が少ない傾向にあった。また、750
℃以上での変化率はほとんど誤差範囲内のレベルにある
といえる。尚、熱処理温度の高い試料No8では、アル
ミナ製のるつぼが少し紫色に着色し、熱処理中にCrの
揮散を生じている様子がみられたが、その特性にはまっ
たく問題がなかった。また、試料No8以外では熱処理
中のるつぼの着色はなかった。
【0032】上記の評価に続いて、比抵抗変化率等の劣
っていた試料No2、11及び12を除いた各試料につ
いて耐久試験を行った。耐久試験は試片を1100℃で
300時間、大気中に晒した後、その大気中の抵抗値を
測定することによって実施した。抵抗値の測定方法は前
記と同様である。その結果を表5及び表6に示す。表6
のΔR2 とΔT2 は下記の (4)式及び (5)式により求め
た。 ΔR2 (%)=100(ρDUR −ρAIR )/ρAIR (4) ΔT2 (℃)=BAIR ・T/(ln(ρDUR /ρAIR )・T+BAIR )−T(5) ρDUR :耐久試験後の比抵抗(大気中)
【0033】
【表5】
【0034】
【表6】
【0035】表5及び表6の結果によれば、試料No3
及び4は熱処理が不十分であったため、耐久試験後の抵
抗値が数十%低下していた。これは10℃以上の温度変
化に相当するものであり問題である。また、焼結助剤を
添加した試料No13も抵抗変化が大きく、不純物の存
在が材料特性を不安定にしていることが分かる。これら
試料No3、4及び13以外の試片の比抵抗変化率は温
度変化に換算して10℃以内であり、特に高温であるほ
ど温度変化が少ない傾向にあった。殊に試料No1、
5、6、9及び10では、耐久試験の温度が熱処理温度
より高いのにもかかわらず、試料No7及び8と同様に
比抵抗変化率が小さい。尚、表6における比抵抗の変化
率は一見大きな値であるようにみえるが、これらの試料
は、そのB定数が大きいため、温度変化に換算した場合
は小さな変化となる。
【0036】
【発明の効果】第1発明によれば、YCrO3 を主体と
する焼結体は、相対密度が95%以上と高く、外部へ開
口した気孔を有さないため、サーミスタとして使用する
場合に、その雰囲気に対する安定性が高い。また、焼結
助剤を用いていないため不純物が極めて少なく、成分が
拡散、移動し難く、その結果、耐熱性、耐久性に優れ
る。更に、第2発明によれば、特定の雰囲気中において
焼成した後、大気中、特定の温度及び時間、熱処理する
ことによって、第1発明のサーミスタ用焼結体を容易に
得ることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶相としてYCrO3 を主体とするペ
    ロブスカイト型結晶相のみを含むサーミスタ用焼結体で
    あって、該焼結体の相対密度は95%以上であり、且つ
    該焼結体に含まれる上記ペロブスカイト型結晶相以外の
    不純物は、該ペロブスカイト型結晶相100容量%に対
    して0.5容量%以下であることを特徴とするサーミス
    タ用焼結体。
  2. 【請求項2】 焼成後における結晶相としてYCrO3
    を主体とするペロブスカイト型結晶相のみを含み、且つ
    該ペロブスカイト型結晶相以外の不純物が、該ペロブス
    カイト型結晶相100容量%対して0.5容量%以下と
    なるように原料粉末を混合し、成形した後、窒素ガス、
    水素ガス、不活性ガス及びこれらのうちの2種以上のガ
    スの混合ガスより選ばれ、且つその酸素分圧が10-20
    〜10-4気圧である雰囲気中にて、1500℃以上の温
    度で焼成し、次いで、大気中、900℃以上の温度で1
    0時間以上熱処理することを特徴とするサーミスタ用焼
    結体の製造方法。
  3. 【請求項3】 炭素系以外の素材からなるヒータを使用
    して焼成する請求項2記載のサーミスタ用焼結体の製造
    方法。
JP8201178A 1996-07-10 1996-07-10 サーミスタ用焼結体及びその製造方法 Ceased JPH1025158A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8201178A JPH1025158A (ja) 1996-07-10 1996-07-10 サーミスタ用焼結体及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8201178A JPH1025158A (ja) 1996-07-10 1996-07-10 サーミスタ用焼結体及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1025158A true JPH1025158A (ja) 1998-01-27

Family

ID=16436655

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8201178A Ceased JPH1025158A (ja) 1996-07-10 1996-07-10 サーミスタ用焼結体及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1025158A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008195570A (ja) * 2007-02-13 2008-08-28 Covalent Materials Corp 透光性酸化イットリウムアルミニウムガーネット焼結体およびその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008195570A (ja) * 2007-02-13 2008-08-28 Covalent Materials Corp 透光性酸化イットリウムアルミニウムガーネット焼結体およびその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3254594B2 (ja) サーミスタ用磁器組成物およびサーミスタ素子
JP4527347B2 (ja) サーミスタ用焼結体
JP3254595B2 (ja) サーミスタ用磁器組成物
Su et al. Preparation of porous BaTiO3 PTC thermistors by adding graphite porosifiers
KR100427900B1 (ko) 희토류금속원소함유의고온서미스터
WO2024004870A1 (ja) 温度センサ素子および温度センサ
KR101545763B1 (ko) 반도체 자기 조성물의 제조 방법 및 반도체 자기 조성물을 이용한 히터
JP3331447B2 (ja) サーミスタ用磁器組成物の製造方法
JP7389306B1 (ja) 温度センサ素子および温度センサ
CA2721186A1 (en) Thermistor material for use in hydrogen atmosphere
US6204748B1 (en) Yttrium chromite chromia thermistors
KR101925215B1 (ko) 다결정체 지르코니아 화합물 및 이의 제조 방법
JP2020161759A (ja) サーミスタ材料
JPH08321404A (ja) BaTiO3基サーミスター及びその製造方法
JP2020057719A (ja) サーミスタ材料及びその製造方法
JPH03268303A (ja) サーミスタ材料およびサーミスタ素子
JP2645733B2 (ja) 抵抗体
JP2019106497A (ja) ワイドレンジサーミスタ材料及びその製造方法
JP4153112B2 (ja) 導電性焼結体及びその製造方法
JP3145568B2 (ja) セラミック発熱素子
JPH0572721B2 (ja)
JPH0380502A (ja) サーミスタ材料およびサーミスタ素子
JPH0255921B2 (ja)
JPH0572722B2 (ja)
JPH07211515A (ja) サーミスタ素子の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040827

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040907

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041029

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20041214

A045 Written measure of dismissal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A045

Effective date: 20050426