JPH10275526A - 自己潤滑性絶縁電線 - Google Patents

自己潤滑性絶縁電線

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JPH10275526A
JPH10275526A JP9487797A JP9487797A JPH10275526A JP H10275526 A JPH10275526 A JP H10275526A JP 9487797 A JP9487797 A JP 9487797A JP 9487797 A JP9487797 A JP 9487797A JP H10275526 A JPH10275526 A JP H10275526A
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JP
Japan
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fluorine
weight
coating
parts
insulated wire
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JP9487797A
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English (en)
Inventor
Kazuhiro Matsumura
一広 松村
Akira Mizoguchi
晃 溝口
Hiroki Taguchi
裕樹 田口
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 潤滑性が顕著に優れた絶縁被膜を有し、しか
も冷媒や冷凍機油中での絶縁性能の低下がない自己潤滑
性に優れた被覆電線を提供すること。 【解決手段】 導体上に、直接または他の絶縁被膜を介
して、フッ素系界面活性剤及びポリオレフィンワックス
を配合したポリアミドイミド系絶縁塗料の塗布焼付層を
形成してなることを特徴とする自己潤滑性絶縁電線。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリアミドイミド
系絶縁塗料を塗布、焼付けた絶縁電線に関し、さらに詳
しくは、エアコンや冷蔵庫のコンプレッサーモーターな
どに好適に使用される捲線加工性に優れた自己潤滑性の
絶縁電線に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電気機器の小型化、軽量化、高性
能化の進展に伴い、モーターやトランスなどのコイル成
形品についても、小型・軽量で高性能のものが要求され
るようになっている。そのため、コイル成形品に用いら
れる絶縁電線は、より高速かつ高密度で捲線加工される
傾向にあり、捲線工程での絶縁被膜の損傷などの問題が
生じている。より具体的に、例えば、モーターを小型
化、軽量化、高性能化するには、モーターのコアにより
多くの絶縁電線を捲き付ける必要があるが、コアのスロ
ット内に絶縁電線を強引に詰め込むこととなり、捲線工
程で絶縁皮膜に損傷を生じる危険性が高くなっている。
また、高速自動捲線機を用いたコイル捲線の高速化に伴
い、被覆電線とプーリーやガイド等との間の摩擦、摩耗
による絶縁被膜の損傷が増大している。絶縁電線の絶縁
皮膜に損傷が生じると、レアー不良やアース不良が発生
し、モーターの電気特性に不具合を生じる。さらに、絶
縁電線の特定用途であるエアコンや冷蔵庫のコンプレッ
サーモーターは、密閉型圧縮機内で冷媒や冷凍機油と接
触するという特殊環境下で使用されるため、該コンプレ
ッサーモーターに使用される絶縁電線には、冷媒及び冷
媒を溶解した冷凍機油中でも、絶縁皮膜の軟化、溶出、
膨潤といった変質、あるいは発泡などによる絶縁性能の
低下のないことが要求されている。
【0003】一般に、絶縁電線は、導体上に各種合成エ
ナメル(絶縁塗料)を塗布し、焼き付けて、絶縁被膜を
形成することにより製造されている。絶縁塗料として
は、例えば、ホルマール系、ポリウレタン系、ナイロン
系、ポリエステル系、ポリエステルイミド系、ポリアミ
ドイミド系、ポリイミド系、あるいはこれらの混合系な
どがある。したがって、絶縁被膜の損傷を防ぎ、冷媒や
冷凍機油中での絶縁性能の維持を図るには、各種絶縁塗
料の中でも、機械的強度に優れ、しかも耐冷媒性に優れ
た絶縁被膜を形成することができる絶縁塗料が選択して
使用されている。しかしながら、最近では、さらに小型
・軽量で高性能のモーターが要求されるようになってお
り、それに伴って、絶縁電線の捲線量が従来よりも増大
する傾向にあるため、機械的強度や耐冷媒性に優れた絶
縁塗料を使用しただけでは、充分に対応することができ
ず、絶縁被膜の損傷を生じることが多くなっている。
【0004】そこで、絶縁電線の絶縁皮膜の損傷を少し
でも減少させるために、絶縁皮膜の潤滑性を向上させる
ことが試みられている。すなわち、絶縁被膜の機械的損
傷を防ぎ、捲線作業性の向上、コイル不良率の低減を図
るには、絶縁電線に潤滑性を付与することが有効であ
る。具体的には、例えば、(1)絶縁電線の表面に、流
動パラフィンやパラフィンワックスを塗布する方法が知
られている。しかし、流動パラフィンを用いたのでは、
充分な潤滑性を得ることができない。パラフィンワック
スを用いると、ある程度潤滑性が向上するものの、パラ
フィンワックスが冷媒や冷凍機油によって抽出されて、
コンプレッサーのノズルに詰まったり、冷媒や冷凍機油
を劣化させるという問題がある。しかも、この方法で
は、絶縁塗料の塗布焼付け工程の後、さらに流動パラフ
ィンやパラフィンワックスの塗布焼付け工程を配置する
必要があり、作業性が低下し、製造コストも上昇する。
【0005】また、(2)絶縁塗料中に、例えば、カル
ナバワックス、みつろう、モンタンワックス、ポリエチ
レンワックスなどのワックス系潤滑剤を添加する方法が
知られている。この方法によれば、冷媒や冷凍機油中で
の絶縁性能の低下を防ぐことができるものの、潤滑性の
改善効果が小さい。(3)絶縁電線の表面に、潤滑性に
優れたナイロンを被覆する方法が知られている。しか
し、ナイロンの被覆により、軟化温度が低下し、しかも
被膜厚さが増大するため、スロット内での絶縁電線の占
積率を高めることができない。(4)各種絶縁塗料に、
フッ素系界面活性剤を添加してなる絶縁塗料を使用する
方法が提案されている(特開平7−13914号公
報)。しかしながら、この方法では、高度の潤滑性を得
ることが困難であり、近年厳しくなるばかりの捲線作業
に充分に対応することができない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、潤滑
性が顕著に優れた絶縁被膜を有し、しかも冷媒や冷凍機
油中での絶縁性能の低下がない自己潤滑性に優れた被覆
電線を提供することにある。本発明者らは、前記従来技
術の問題点を克服するために鋭意研究した結果、絶縁塗
料としてポリアミドイミド系絶縁塗料を選択し、かつ、
これにフッ素系界面活性剤とポリオレフィンワックスを
組み合わせて添加分散したものを絶縁塗料として使用
し、導体上に塗布焼付層を形成したところ、フッ素系界
面活性剤及びポリオレフィンワックスをそれぞれ単独で
使用した場合に比べて、顕著に改善された潤滑性の得ら
れることを見いだした。この塗布焼付層は、耐冷媒性に
優れているため、冷媒や冷凍機油中で、絶縁電線の絶縁
性能の低下がない。また、フッ素系界面活性剤とポリオ
レフィンワックスを併用することにより、ポリオレフィ
ンワックスの分散不良の問題が軽減される。本発明は、
これらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、導体上
に、直接または他の絶縁被膜を介して、フッ素系界面活
性剤及びポリオレフィンワックスを配合したポリアミド
イミド系絶縁塗料の塗布焼付層を形成してなることを特
徴とする自己潤滑性絶縁電線が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明では、ポリアミドイミド系
絶縁塗料を使用する。ポリアミドイミドは、通常、芳香
族トリカルボン酸無水物と芳香族ジアミンとから製造さ
れ、構造的には、イミド基とアミド基を交互に含む形を
している。ポリアミドイミド系絶縁塗料から形成された
絶縁被膜は、一般に、耐アルカリ性、耐酸性、耐冷媒
性、耐油性、耐湿熱性等に優れており、エアコンや冷蔵
庫のコンプレッサーモーターなどの捲線として好適であ
る。ポリアミドイミド系絶縁塗料としては、特に限定さ
れず、従来より絶縁電線の分野で使用されているものを
使用することができる。ポリアミドイミド系絶縁塗料
は、前記の如き優れた特性を有する絶縁被膜を形成する
ことができるものの、潤滑性が充分ではない。そこで、
本発明では、潤滑成分として、フッ素系界面活性剤とポ
リオレフィンワックスとを組み合わせて添加分散する。
【0009】フッ素系界面活性剤とは、通常の界面活性
剤の疎水基の炭素原子に結合した水素原子の代わりに、
その一部または全部をフッ素原子で置換したものをい
う。フッ素系界面活性剤は、耐熱性及び耐酸化性に優れ
ているため、ポリアミドイミド系絶縁塗料の焼付時に揮
散や分解をすることがない。フッ素系界面活性剤として
は、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、
リン酸エステル塩などのアニオン性フッ素系界面活性剤
(例、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオ
ロアルキルスルホン酸塩など)、アンモニウム塩、ピ
リジニウム塩などのカチオン性フッ素系界面活性剤
(例、パーフルオロアルキルアンモニウム塩、パーフル
オロアルキルピリジニウム塩など)、両性フッ素系界
面活性剤、及びエチレンオキシド付加物、脂肪酸ポリ
エチレングリコールエステル、脂肪酸多価アルコールエ
ステルなどのノニオン性フッ素系界面活性剤(例、パー
フルオロアルキルエチレンオキシド付加物)などがあ
る。
【0010】これらのフッ素系界面活性剤は、それぞれ
単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用すること
ができる。これらの中でも、ポリオレフィンワックスと
の組わせにおいて、潤滑性付与効果が特に優れているこ
とから、ノニオン性のエチレンオキシド付加物が好まし
い。炭化水素系界面活性剤やシリコーン系界面活性剤
は、ポリオレフィンワックスと組み合わせても、潤滑性
付与効果が小さい。フッ素系界面活性剤を単独で使用し
た場合にも、潤滑性付与効果が小さい。フッ素系界面活
性剤は、ポリアミドイミド系絶縁塗料に、ポリアミドイ
ミド系樹脂100重量部に対して、通常0.01〜10
重量部、好ましくは0.05〜8重量部、より好ましく
は0.1〜5重量部の割合となるように添加する。フッ
素系界面活性剤の配合割合が小さすぎると潤滑性付与効
果が小さく、逆に、大きすぎると絶縁被膜の透明性が低
下したり、絶縁塗料の保存安定性に問題が生じるおそれ
があり、コストも高くなる。フッ素系界面活性剤は、ポ
リオレフィンワックスと併用すると、優れた潤滑性付与
効果を示すため、多くの場合、0.1〜1重量部程度の
小割合でも、充分な効果を得ることができる。
【0011】ポリオレフィンワックスは、低分子量ポリ
オレフィンであり、例えば、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリブチレン、エチレン−プロピレン共重合体、
メチレン−ブテン共重合体、エチレン−ペンテン共重合
体、エチレン−3−メチル−1−ブテン共重合体、エチ
レン−ブテン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合
体などを挙げることができる。これらの中でも、フッ素
系界面活性剤と併用した場合に潤滑性付与効果が特に優
れている点で、ポリエチレンやエチレン系共重合体など
のポリエチレンワックスが好ましい。ポリオレフィンワ
ックスの重量平均分子量は、好ましくは500〜100
00、より好ましくは1000〜6000程度である。
市販品としては、三井ハイワックス4052E(三井石
油化学社製)、ヘキストワックスPE520(ヘキスト
ジャパン社製)などが挙げられる。
【0012】ポリオレフィンワックスは、ポリアミドイ
ミド系絶縁塗料に、ポリアミドイミド系樹脂100重量
部に対して、通常0.1〜20重量部、好ましくは0.
5〜10重量部、より好ましくは1〜7重量部の割合と
なるように添加する。ポリオレフィンワックスの配合割
合が小さすぎると潤滑性付与効果が小さく、逆に、大き
すぎると絶縁被膜の透明性が低下したり、分散安定性が
低下したりする。ポリオレフィンワックスは、フッ素系
界面活性剤と併用すると優れた潤滑性付与効果を示すた
め、多くの場合、1〜5重量部程度の小割合でも充分な
効果を得ることができる。
【0013】本発明で使用する絶縁塗料は、ポリアミド
イミド系絶縁塗料に、フッ素系界面活性剤及びポリオレ
フィンワックスを添加分散することにより調製すること
ができる。フッ素系界面活性剤及びポリオレフィンワッ
クスは、有機溶剤に溶解させてから、ポリアミドイミド
系塗料に添加してもよい。このようにして得られた絶縁
塗料は、常法に従って、導体上に塗布し、焼付ければ、
絶縁被膜を形成することができる。導体上に、直接、本
発明の絶縁塗料を塗布焼付けしたものだけではなく、他
の絶縁塗料からなる絶縁被膜などの他の絶縁物を介し
て、その上に塗布焼付けしてもよい。絶縁被膜の厚み
は、通常5〜100μm、好ましくは10〜80μm、
より好ましくは15〜50μm程度である。導体として
は、銅線などの汎用のものを使用することができ、ま
た、丸線、平角線など所望の形状のものを使用すること
ができ、サイズも特に限定されない。
【0014】本発明によれば、潤滑性が顕著に優れ、耐
熱性、耐冷媒性、耐油性などが良好な絶縁被膜を有する
自己潤滑性絶縁電線を得ることができる。本発明の自己
潤滑性絶縁電線は、潤滑性、捲線加工性、電気絶縁性な
どに優れているため、近年のモーターなどのコイル成形
品の小型化、軽量化、高性能化に充分に対応することが
できる。また、本発明の自己潤滑性絶縁電線は、耐冷媒
性、耐油性などに優れているため、エアコンや冷蔵庫の
コンプレッサーモーターなどに好適に使用することがで
きる。
【0015】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明
の好ましい実施の形態について、より具体的に説明す
る。物性の測定法は、次のとおりである。 <最大動摩擦係数の測定>水平な台に2本の絶縁電線を
張り、その上に絶縁電線を底に2本張った荷重をのせ、
台の絶縁電線と荷重の絶縁電線が垂直方向に接触するよ
うにする。荷重を移動速度10cm/分で動かした時の
力を測定し、式: 最大動摩擦係数=Fmax/W [式中、Fmaxは、荷重を水平方向に引っ張るときに要
する最大力(kgw)であり、Wは、荷重の質量(k
g)である。]から、最大動摩擦係数を計算し、潤滑性
の評価基準とした。最大動摩擦係数が小さい程、潤滑性
に優れていることを示す。
【0016】[実施例1] (1)分散液(A)の調製 キシレン24重量部に、ポリエチレンワックス(三井石
油化学社製、商品名三井ハイワックス4052E)12
重量部を加えて、加熱溶解した。この溶液を室温のキシ
レン84重量部に急激撹拌しながら一気に投入し、ポリ
エチレンワックスを分散させた分散液(A)を調製し
た。 (2)分散液(B)の調製 上記の分散液(A)に、フッ素系界面活性剤(ダイキン
社製、商品名DS401、ノニオン性、パーフルオロア
ルキルエチレンオキシド付加物)1.2重量部を添加
し、撹拌して分散液(B)を調製した。 (3)自己潤滑性ポリアミドイミド塗料の調製 上記の分散液(B)30.3重量部(ポリエチレンワッ
クス3重量部、フッ素系界面活性剤0.3重量部)を、
樹脂成分100重量部を含有するポリアミドイミド系絶
縁塗料(日立化成社製、商品名HI−460)に添加
し、充分に撹拌して自己潤滑性ポリアミドイミド系絶縁
塗料を得た。 (4)絶縁電線の作製 上記の自己潤滑性ポリアミド系絶縁塗料を、直径1.0
mmの銅線表面に常法に従って塗布し、設定温度500
℃にて焼付けて、膜厚35μmの絶縁被膜を有する絶縁
電線を作製した。このようにして得られた絶縁電線につ
いて、最大動摩擦係数の測定結果を表1に示した。
【0017】[比較例1]ポリアミドイミド系絶縁塗料
(HI−460)を、直径1.0mmの銅線表面に常法
に従って塗布し、設定温度500℃にて焼付けて、膜厚
35μmの絶縁皮膜を有する絶縁電線を作製した。結果
を表1に示す。
【0018】[比較例2]実施例1で調製したポリエチ
レンワックスを含有する分散液(A)30重量部(ポリ
エチレンワックス3重量部)を、樹脂成分100重量部
を含有するポリアミドイミド系絶縁塗料(HI−46
0)に添加し、充分に撹拌してポリアミドイミド系絶縁
塗料を得た。このポリアミドイミド系絶縁塗料を、直径
1.0mmの銅線表面に常法に従って塗布し、設定温度
500℃にて焼付けて、膜厚35μmの絶縁皮膜を有す
る絶縁電線を作製した。結果を表1に示す。
【0019】[比較例3]フッ素系界面活性剤(DS4
01)0.3重量部を、樹脂成分100重量部を含有す
るポリアミドイミド系絶縁塗料(HI−460)に添加
し、充分に撹拌してポリアミドイミド系絶縁塗料を得
た。このポリアミドイミド系絶縁塗料を、直径1.0m
mの銅線表面に常法に従って塗布し、設定温度500℃
にて焼付けて、膜厚35μmの絶縁皮膜を有する絶縁電
線を作製した。結果を表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】表1の結果から明らかなように、潤滑成分
として、ポリエチレンワックスとフッ素系界面活性剤を
併用すると(実施例1)、潤滑成分を配合しなかった場
合(比較例1)はもとより、ポリオレフィンワックス単
独使用(比較例2)及びフッ素系界面活性剤単独使用の
場合(比較例3)に比べて、顕著に潤滑性が改善されて
いることが分かる。
【0022】[比較例4]実施例1で調製したポリエチ
レンワックスを含有する分散液(A)に、炭化水素系界
面活性剤(日本油脂社製、商品名ノニオンK−204、
ノニオン性、ポリオキシエチレンラウリルエーテル)
1.2重量部を添加し、撹拌して分散液(C)を調製し
た。この分散液(C)を30.3重量部(ポリエチレン
ワックス3重量部、炭化水素系界面活性剤0.3重量
部)を、樹脂成分100重量部を含有するポリアミドイ
ミド系絶縁塗料(HI−460)に添加し、充分に撹拌
してポリアミドイミド系絶縁塗料を得た。このポリアミ
ドイミド系絶縁塗料を、直径1.0mmの銅線表面に常
法に従って塗布し、設定温度500℃にて焼付けて、膜
厚35μmの絶縁皮膜を有する絶縁電線を作製した。結
果を表2に示す。
【0023】[比較例5]比較例4において、炭化水素
系界面活性剤に代えて、シリコーン系界面活性剤(東芝
シリコーン社製、商品名TSF451−5、ノニオン
性、ポリジメチルシロキサン)を使用して分散液(D)
を調製した。この分散液(D)を用いたこと以外は、比
較例4と同様にして絶縁電線を作製した。結果を表2に
示す。
【0024】
【表2】
【0025】表2には、比較のため実施例1の結果につ
いても示した。表2の結果から明らかなように、界面活
性剤として炭化水素系界面活性剤やシリコーン系界面活
性剤を用いて、ポリエチレンワックスと併用しても(比
較例4〜5)、最大動摩擦係数は、それほど改善されな
いことが分かる。
【0026】[実施例2]実施例1で調製したポリエチ
レンワックスを含有する分散液(A)に、フッ素系界面
活性剤(DS401)0.04重量部を添加し、撹拌し
て分散液(E)を得た。この分散液(E)30.01重
量部(ポリエチレンワックス3重量部、フッ素系界面活
性剤0.01重量部)を、樹脂成分100重量部を含有
するポリアミドイミド系絶縁塗料(HI−460)に添
加し、充分に撹拌して自己潤滑性ポリアミドイミド系絶
縁塗料を得た。この自己潤滑性ポリアミドイミド系絶縁
塗料を、直径1.0mmの銅線表面に常法に従って塗布
し、設定温度500℃にて焼付けて、膜厚35μmの絶
縁皮膜を有する絶縁電線を作製した。結果を表3に示
す。
【0027】[実施例3]実施例1で調製したポリエチ
レンワックスを含有する分散液(A)に、フッ素系界面
活性剤(DS401)4重量部を添加し、撹拌して分散
液(F)を得た。この分散液(F)31重量部(ポリエ
チレンワックス3重量部、フッ素系界面活性剤1重量
部)を、樹脂成分100重量部を含有するポリアミドイ
ミド系絶縁塗料(HI−460)に添加し、充分に撹拌
して自己潤滑性ポリアミドイミド系絶縁塗料を得た。こ
の自己潤滑性ポリアミドイミド系絶縁塗料を、直径1.
0mmの銅線表面に常法に従って塗布し、設定温度50
0℃にて焼付けて、膜厚35μmの絶縁皮膜を有する絶
縁電線を作製した。結果を表3に示す。
【0028】
【表3】
【0029】表3には、実施例1の結果も併せて示し
た。表3の結果から明らかなように、フッ素系界面活性
剤の配合割合が0.01重量部と小さくても(実施例
2)、ポリエチレンワックスと併用することにより、良
好な潤滑性の得られることが分かる。また、フッ素系界
面活性剤の配合割合が0.3重量部程度で優れた潤滑性
付与効果の得られることが分かる。
【0030】[実施例4]実施例1において、フッ素系
界面活性剤(パーフルオロアルキルエチレンオキシド付
加物)をパーフルオロアルキルオリゴマー(ダイキン社
製、商品名DS451、ノニオン性)に代えたこと以外
は、実施例1と同様にして自己潤滑性ポリアミドイミド
系絶縁塗料を調製し、同様に絶縁電線を作製した。結果
を表4に示す。
【0031】[実施例5]実施例1において、フッ素系
界面活性剤(パーフルオロアルキルエチレンオキシド付
加物)をパーフルオロアルキルカルボン酸塩(ダイキン
社製、商品名DS101、アニオン性)に代えたこと以
外は、実施例1と同様にして自己潤滑性ポリアミドイミ
ド系絶縁塗料を調製し、同様に絶縁電線を作製した。結
果を表4に示す。
【0032】[実施例6]実施例1において、フッ素系
界面活性剤(パーフルオロアルキルエチレンオキシド付
加物)をパーフルオロアルキルアンモニウム塩(ダイキ
ン社製、商品名DS201、カチオン性)に代えたこと
以外は、実施例1と同様にして自己潤滑性ポリアミドイ
ミド系絶縁塗料を調製し、同様に絶縁電線を作製した。
結果を表4に示す。
【0033】
【表4】
【0034】表4には、実施例1の結果も併せて示し
た。表4の結果から明らかなように、フッ素系界面活性
剤の種類(イオン性、構造)を変えても、ポリエチレン
ワックスとの併用により、優れた潤滑性を示すことが分
かる。そして、フッ素系界面活性剤の中でも、ノニオン
性のパーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物(実
施例1)が最も優れた潤滑付与効果を示すことが分か
る。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、フッ素系界面活性剤と
ポリオレフィンワックスを添加分散したポリアミドイミ
ド系絶縁塗料を使用することにより、潤滑性が顕著に優
れた絶縁電線が提供される。しかも、本発明の絶縁電線
は、冷媒や冷凍機油中での絶縁性能の低下や冷媒等の劣
化を引き起こすことがない。したがって、本発明の絶縁
電線をモーターの捲線に使用する場合、コアへの捲線量
を従来より増大させても捲線工程で絶縁皮膜に損傷を生
じるおそれが少なく、より小型・軽量で高性能のモータ
ーの要求に応えることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01B 3/30 H01B 3/30 F

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体上に、直接または他の絶縁被膜を介
    して、フッ素系界面活性剤及びポリオレフィンワックス
    を配合したポリアミドイミド系絶縁塗料の塗布焼付層を
    形成してなることを特徴とする自己潤滑性絶縁電線。
  2. 【請求項2】 ポリアミドイミド系塗料が、ポリアミド
    イミド系樹脂100重量部に対して、フッ素系界面活性
    剤0.01〜10重量部、及びポリオレフィンワックス
    0.1〜20重量部を含有するものである請求項1記載
    の自己潤滑性絶縁電線。
  3. 【請求項3】 フッ素系界面活性剤が、ノニオン性のエ
    チレンオキシド付加物である請求項1または2記載の自
    己潤滑性絶縁電線。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008173001A (ja) * 2007-01-15 2008-07-24 Samsung Kwangju Electronics Co Ltd 密閉型圧縮機
JP2015080281A (ja) * 2013-10-15 2015-04-23 トヨタ自動車株式会社 集合導線及びモータ

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