JPH10286916A - 帯電防止性に優れたアクリル系樹脂積層シート - Google Patents

帯電防止性に優れたアクリル系樹脂積層シート

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JPH10286916A
JPH10286916A JP9911897A JP9911897A JPH10286916A JP H10286916 A JPH10286916 A JP H10286916A JP 9911897 A JP9911897 A JP 9911897A JP 9911897 A JP9911897 A JP 9911897A JP H10286916 A JPH10286916 A JP H10286916A
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JP
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acrylic resin
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polycondensate
ester
acid
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JP9911897A
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English (en)
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Satoru Hirota
悟 廣田
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な持続的帯電防止性能を有し、且つアク
リル樹脂シート本来の機械強度を維持するほか、熱劣化
による着色異物の混入が無く、表面外観、色調に優れた
帯電防止性積層シートを提供する。 【解決手段】 30℃におけるm−クレゾール中で測定
した相対粘度が1.2〜4.0であるポリエーテルエス
テル重縮合体で、該重縮合体がポリオキシアルキレング
リコール20〜75重量%、ジカルボン酸及び/または
そのエステル10〜70重量%、多価アルコールを重縮
合して得られ、上記ジカルボン酸及び/またはそのエス
テルがスルホン酸塩基で置換されたジカルボン酸成分を
特定量重縮合してなるポリエーテルエステル重縮合体
(A)とアクリル系樹脂(B)からなるアクリル系樹脂
組成物(イ)をアクリル系樹脂からなる基板部(ロ)の
片面または両面に積層せしめたアクリル系樹脂積層シー
ト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は帯電防止性アクリル
系樹脂積層シートに関する。さらに詳しくは、良好な持
続的帯電防止性能を有し、且つアクリル樹脂シート本来
の機械的強度を維持するほか、熱劣化による着色異物の
混入が無く、表面外観、色調に優れた帯電防止積層シー
トに関する。また、積層シート成形の際に、ポリシング
ロール汚れやダイリップ部への着色分解物の付着低減と
いう特徴を有する。
【0002】
【従来の技術】アクリル系樹脂は、透明性、表面光沢、
表面硬度、耐候性等に優れ、照明器具カバー、テールラ
ンプなどの車輌外装品、レンズ、導光板、ビデオディス
ク、プロジェクションテレビ用スクリーンなどの光学用
部品、自動販売機の前面板、屋外看板、店装ディスプレ
イ等の用途に広く使用されている。
【0003】ところで先に挙げた用途は、アクリル系樹
脂が実質的に非晶質性で透明であるという特徴を生かし
たものであるが、この樹脂は一般的に帯電しやすく、製
品に埃が付着して透明性や表面外観が損なわれやすいほ
か、成形品やシートの後加工において埃の付着が障害と
なる、といった欠点も有している。したがって、埃の付
着を防止するためには、これらの樹脂に良好な帯電防止
性を付与することが求められてきた。
【0004】したがって、アクリル樹脂などに帯電防止
性を付与するためには、これまでシリコン系化合物帯電
防止剤を樹脂表面に塗布する方法、界面活性剤を樹脂に
添加、混合する方法、親水性基やイオン性基を有する単
量体を共重合させ、樹脂を化学的に改質する方法などが
提案されている。しかしながら、帯電防止剤を塗布する
方法においては、成形品やシートに対する塗布工程が必
要であって、コスト的に不利である上、得られた製品は
帯電防止効果の持続性を欠き、降雨などの流水によって
効果が消失し易いという欠点がある。また、界面活性剤
を添加する方法としては、例えば、スルホン酸基を有す
る化合物又はこれとポリエーテルとをアクリル樹脂に練
り込む方法(特開昭47−26438号公報、特開平3
−43440号公報)、スルホン酸基を有する化合物、
ポリオキシアルキレングリコール、及び特定のリン化合
物を練り込む方法(特公昭53−30724号公報)が
提案されているが、十分な帯電防止効果を得るにはポリ
エーテルのような成分を比較的多量に添加しなければな
らないため、成形品表面に帯電防止剤がブリードアウト
し易く、表面外観を損なうほかべとつきを生じるという
欠点がある。また、ポリアルキレングリコールと高級脂
肪酸モノグリセリドを混練する方法(特公昭53−36
865号公報)、更に特定のリン化合物を併用する方法
(特公昭53−15896号公報、特開昭54−748
49号公報)なども提案されているが、アクリル樹脂の
ガラス転移温度が比較的高く、モノグリセリドの成形品
表面への移行性が低いため、十分な帯電防止性を付与す
るためには、多量にモノグリセリドを添加する必要があ
り、表面外観が損なわれるという欠点がある。その他、
アルキルスルホン酸塩やアルキルベンゼンスルホン酸塩
とトリアルキルホスファイトを混練する方法(特開昭6
4−24845号公報)も提案されているが、アルキル
スルホン酸塩やアルキルベンゼンスルホン酸塩を比較的
多量に添加する必要があるため、樹脂の表面外観が劣化
するのを免れない。また、これらの方法に共通する欠点
として、添加した界面活性剤が流水などで成形品表面か
ら失われ易いため、帯電防止性が持続しにくいことが挙
げられる。
【0005】さらに、親水性基やイオン性基を持つ単量
体を共重合させたものとしては、例えばスルホコハク酸
エステル系の単量体とアクリレート系単量体との共重合
体と酸性リン酸エステルあるいはアルキレンオキシド化
合物とからなる組成物(特開昭59−182837号公
報、特開昭59−182838号公報)が提案されてお
り、帯電防止効果の持続性の観点からは有利であるが、
原料として特殊な単量体を比較的多量に用いる必要があ
り、コスト的に不利なばかりか、組成物の耐候性や耐熱
性を低下させるという欠点がある。
【0006】一方、帯電防止効果の持続性を向上させる
ためには、例えば親水性及びイオン性基を含むビニル系
共重合体やポリエーテルアミド系重合体のような高分子
型帯電防止剤を混練する方法などが提案されている。し
かしながら、ポリオキシエチレン鎖、及びスルホン酸塩
あるいは第四級アンモニウム塩構造を有するビニル系共
重合体をアクリル系樹脂に混練する方法では(特開昭5
5−36237号公報、特開昭63−63739号公
報)、高価な特殊単量体を使用して製造したビニル系共
重合体を用いなければならないためコスト的に不利なば
かりか、アクリル樹脂が持つ良好な耐熱性を低下させる
という欠点を伴う。また、ポリアミドセグメントとポリ
エーテルセグメントとからなるポリエーテルアミド重縮
合体を帯電防止成分としてアクリル系樹脂に混練する方
法(特開昭64−90246号公報、特開平1−308
444号公報)については、ポリアミドセグメントを含
む重縮合体自体が高温下に空気と接触すると熱着色し易
いこと、また、アクリル系樹脂とポリアミドセグメント
を含む重縮合体とは加熱下で架橋反応を起こして不溶不
融のゲル状物を生成しやすい為、押出機中に滞留した該
組成物が着色したゲルとなって成形品やシートに混入
し、製品の外観を著しく損なうという欠点があった。
【0007】このようなゲル化と着色の欠点を改良する
ために、特定分子量のポリオキシアルキレングリコール
セグメントからなるポリエーテル成分を特定の割合で含
み、かつ特定の還元比粘度を持つポリエーテルエステル
重縮合体とアクリル樹脂とからなる帯電防止性樹脂組成
物が提案されている(特願平6ー271988号公
報)。また、同様なポリエーテルエステルと任意の熱可
塑性樹脂からなる制電性樹脂組成物も提案されている
(特開平6−57153号公報)。
【0008】しかしながら、該ポリエーテルエステル重
縮合体とアクリル樹脂との組成物では永久的な制電性能
はあるものの効果を更に付与するためにイオン性の帯電
防止剤を併用した場合、水洗方法によっては帯電防止性
能が低下する可能性があるという欠点を有していた。ま
た、上記問題を解決するために、ポリエーテルエステル
重縮合体中にスルホン酸塩基で置換された芳香族ジカル
ボン酸成分を含有させる方法が提案されている(特開平
8−337702号公報)が、アクリル系帯電防止積層
シート用の帯電防止剤としては、ポリエステルセグメン
トとポリエーテルセグメントの比率が最適化されておら
ず、積層シートに持続的な帯電防止性能を付与するのに
好適な帯電防止剤は未だ得られていないのが現状であ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本願発明は、優れた持
続型帯電防止性能を有し、アクリル樹脂シートの機械的
特性を維持するほか、熱劣化による着色物混入がなく表
面外観、色調にも優れた帯電防止性アクリル系樹脂積層
シートを提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、上記の
課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定の分
子構造と相対粘度を有するポリエーテルエステル重縮合
体をアクリル樹脂に所定の割合で配合することにより優
れた帯電防止性能が発現されることを見いだし、この知
見を基に該ポリエーテルエステル重縮合体をアクリル系
樹脂とともに積層部に用いることにより本願発明を完成
するに至った。
【0011】即ち、本願発明は、30℃におけるm−ク
レゾール中で測定した相対粘度が1.2〜4.0である
ポリエーテルエステル重縮合体(A)2〜40重量%と
アクリル系樹脂(B)98〜60重量%とからなるアク
リル系樹脂組成物(イ)をアクリル系樹脂からなる基板
部(ロ)の片面または両面に積層せしめたアクリル系樹
脂積層シートであって、該アクリル系樹脂組成物(イ)
を構成するポリエーテルエステル重縮合体(A)が
(a)数平均分子量400〜20000のポリオキシア
ルキレングリコール20〜75重量%、(b)ジカルボ
ン酸及び/またはそのエステル10〜70重量%、
(c)多価アルコールを重縮合してなるものであり、上
記(b)のジカルボン酸及び/またはそのエステルのう
ち0.1〜80モル%が下記式(1)
【0012】
【化2】
【0013】で示されるスルホン酸塩基で置換されたジ
カルボン酸及び/またはそれらのエステルであることを
特徴とする帯電防止性に優れたアクリル系樹脂積層シー
トを提供する物である。本願発明は該アクリル系樹脂組
成物(イ)を基板部であるアクリル系樹脂(ロ)の表面
層に積層せしめることで帯電防止性に優れ、且つ基板部
の特性を失わない成形体を得るものである。樹脂成形体
の帯電防止効果はその表面層が帯電防止効果を有してい
れば、それ以上の内部まで帯電防止性能が必ずしも必要
とされず、本願発明の積層シートによる帯電防止性能の
付与方法は、優れた帯電防止性能を有し、且つ基板部の
アクリル系樹脂の特性を保持する成形体を与えることが
できる。また、本願発明の積層シートは、生産性の低下
もなく、帯電防止剤によるコストアップも最小限に抑え
ることができ経済的にも優れた方法であり、産業上の利
用範囲は大きいものである。以下、本発明をさらに詳し
く説明する。
【0014】本願発明の積層シートで積層部に用いるポ
リエーテルエステル重縮合体(A)を重合する際に使用
するジカルボン酸及び/またはそのエステル(b)とし
ては、芳香族ジカルボン酸及び/またはそのエステルで
あっても良いし、脂肪族ジカルボン酸及び/またはその
エステルであっても良い。また、ジカルボン酸成分とし
て芳香族及び脂肪族を併用しても良い。
【0015】芳香族ジカルボン酸成分としては、例え
ば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレ
ン−2,6−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4−ジカ
ルボン酸、及びこれらの芳香族ジカルボン酸のメチル、
エチル、プロピル、ブチルエステル等が挙げられる。こ
れらの芳香族ジカルボン酸若しくは芳香族ジカルボン酸
エステルは、単独で使用しても良いし、2種以上組み合
わせて使用しても良い。これらの中で特にテレフタル酸
あるいはそのエステルが得られるポリエーテルエステル
重縮合体の融点が高く取り扱い上最も好ましい。
【0016】脂肪族ジカルボン酸成分としては、該ポリ
エーテルエステル重縮合体の屈折率を調整及び融点調整
するために使用し得るものである。その際、脂肪族ジカ
ルボン酸及びそのエステルの割合は、30重量%を越え
ない範囲とすることが好ましい。30重量%を越える
と、該ポリエーテルエステル重縮合体の融点が極めて低
くなり、その取り扱いが困難となるとともに樹脂組成物
とした時の帯電防止性能が低下するため好ましくない。
【0017】脂肪族ジカルボン酸成分としては、例え
ば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、
アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、及
びこれらの脂肪族ジカルボン酸のメチル、エチル、プロ
ピル、ブチルエステル等が挙げられる。これらの脂肪族
ジカルボン酸若しくは脂肪族ジカルボン酸エステルは、
単独で使用しても良いし、2種以上組み合わせて使用し
ても良い。
【0018】該ジカルボン酸及び/またはそのエステル
使用量は、10〜70重量%であり、好ましくは20〜
65重量%である。10重量%未満であると重合して得
られるポリエーテルエステルの融点が低くなり取り扱い
が困難になるばかりでなく、アクリル系樹脂組成物とし
て積層シートを成形した場合、ハードセグメントが少な
いためアクリル系樹脂と相溶してしまい好適なモルフォ
ロジーを形成せず、帯電防止性能が安定して発現されな
い。また、70重量%を越えるとソフトセグメントが少
なくなり、アクリル樹脂との屈折率及び相溶性が大きく
離れるため成形品としたときに白筋等の外観不良が発生
しやすくなると共に帯電防止効果が不十分となる。
【0019】本願発明の積層シートで積層部に用いるポ
リエーテルエステル重縮合体(A)のスルホン酸塩基
(−SO3 - + )で置換されたジカルボン酸及び/ま
たはそのエステルは、下記式(1)で示される。
【0020】
【化3】
【0021】上記式(1)において、R1 及びR2 はそ
れぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基また
は炭素数6〜12のアリール基を表し、好ましくは水素
原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチルエステ
ル基等の炭素数1〜4のアルキル基である。上記式
(1)において、M+ は金属イオン、テトラアルキルホ
スホニウムイオンまたはテトラアルキルアンモニウムイ
オンの中から選ばれるイオンを表す。例えば、ナトリウ
ムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン、カ
ルシウムイオン、マグネシウムイオン等のアルカリ土類
金属イオン、亜鉛イオン等の金属イオン、テトラメチル
ホスホニウムイオン、テトラブチルホスホニウムイオ
ン、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラブチルア
ンモニウムイオン等が挙げられる。これらのイオンの中
では金属イオンが好ましく、特にアルカリ金属が好まし
い。
【0022】上記式(1)におけるR3 は炭素数2以上
のアルキレン基及び/または、ベンゼン環、ナフタレン
環等の炭素数6〜12の3価の芳香族基であり、これら
芳香族基にアルキル基、フェニル基、ハロゲン、アルコ
キシ基等の置換基を有していてもかまわない。アルキレ
ン基を有するものとしては、例えば、ジアルキルスルホ
コハク酸エステル塩である。具体的には、ジオクチルス
ルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸カ
リウム、ジブチルスルホコハク酸ナトリウム、ジブチル
スルホコハク酸カリウム等が挙げられる。また、芳香族
基を有するものとしては、4−ナトリウムスルホ−イソ
フタル酸、5−ナトリウムスルホ−イソフタル酸、4−
カリウムスルホ−イソフタル酸、5−カリウムスルホ−
イソフタル酸、2−ナトリウムスルホ−テレフタル酸、
2−カリウムスルホ−テレフタル酸、4−スルホ−イソ
フタル酸亜鉛、5−スルホ−イソフタル酸亜鉛、2−ス
ルホ−イソフタル酸亜鉛、4−スルホ−イソフタル酸テ
トラアルキルホスホニウム塩、5−スルホ−イソフタル
酸テトラアルキルホスホニウム塩、4−スルホ−イソフ
タル酸テトラアルキルアンモニウム塩、5−スルホ−イ
ソフタル酸テトラアルキルアンモニウム塩、2−スルホ
−テレフタル酸テトラアルキルホスホニウム塩、2−ス
ルホ−テレフタル酸テトラアルキルアンモニウム塩、4
−ナトリウムスルホ−2、6−ナフタレンジカルボン
酸、4−ナトリウムスルホ−2、7−ナフタレンジカル
ボン酸、4−カリウムスルホ−2、6−ナフタレンジカ
ルボン酸、4−スルホ−2、6−ナフタレンジカルボン
酸亜鉛及び/またはそれらのエステル、例えばジメチル
エステル、ジエチルエステル、ジプロピルエステル、ジ
ブチルエステル等が挙げられる。これらジカルボン酸成
分の中で特に好適に用いられるのは、5−ナトリウムス
ルホ−イソフタル酸ジメチル、4−ナトリウムスルホ−
イソフタル酸ジメチルである。
【0023】該ポリエーテルエステル重縮合体を重合す
る際に使用するスルホン酸塩基(−SO3 - + )で置
換されたジカルボン酸及び/またはそのエステルは、使
用するジカルボン酸成分全量の0.1〜80モル%とす
る。0.1モル%未満では、帯電防止性能が十分に発現
されず、また80モル%を越えると重合速度が非常に遅
くなり、その結果として分子量も上がりにくく、且つポ
リマーの着色も著しく、取り扱い性が悪くなり工業的に
生産するには非常に難しい。また、アクリル系樹脂組成
物として積層シートを成形した際に、ポリシングロール
汚染の原因になるために好ましくない。かかる理由から
好ましくは、0.3〜60モル%、より好ましくは0.
5〜50モル%、更に好ましくは1〜40モル%であ
る。また、スルホン酸塩基(−SO3 - + )で置換さ
れたジカルボン酸及び/またはそのエステルを共重縮合
することにより、得られるポリエーテルエステルの結晶
性を制御できる等の効果もある。
【0024】該ポリエーテルエステル重縮合体を重合す
る際に使用するポリオキシアルキレングリコール(a)
としては、例えば、ポリオキシエチレングリコール、ポ
リオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチ
レングリコール、ポリオキシヘキサメチレングリコー
ル、あるいはポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレ
ングリコールブロック共重合体等が挙げられる。これら
のポリオキシアルキレングリコール成分は、単独で用い
ても良いし、2種以上を組み合わせて使用しても良い。
これらの中で特にポリオキシエチレングリコールが帯電
防止性能の面で優れ、最も好ましい。 ポリオキシアル
キレングリコール成分は、数平均分子量が400〜2
0,000の範囲であることが必要である。2種類以上
を組み合わせて使用する際は、各グリコールの構成比に
よって、この範囲内になる様に各グリコールの数平均分
子量を選定する。数平均分子量が400未満では、ポリ
エーテルエステル重縮合体の融点が低く、重縮合体の取
り扱いが困難になると同時に積層シートにしたときの帯
電防止性能も不十分となる。一方、数平均分子量が2
0,000を越えると、重縮合時、組成分布が生じやす
くなったり、重合速度が遅くなり重縮合体の分子量が上
がらない等の重合性の問題が生じやすくなり、また、積
層シートにしたときに帯電防止性能が十分に発現されな
いことがある。
【0025】また、ポリオキシエチレングリコールの
他、ヒドロキノン、4,4’―ジヒドロキシジフェニ
ル、4,4’―ジヒドロキシジフェニルエーテル、ビス
フェノール―A等のエチレンオキシド付加体などが挙げ
られる。これらのうちでも、ポリオキシエチレングリコ
ール、ビスフェノール―Aのエチレンオキシド付加体を
用いると、得られるポリエーテルエステル重縮合体の帯
電防止性能が良好であり、好ましい。これらの化合物
は、単独で使用しても、2種以上を併用しても良い。
【0026】ポリオキシアルキレングリコールの数平均
分子量が2,000〜8,000、好ましくは3,00
0〜6,000の範囲であると、積層シートの成形を行
う際の、ポリシングロール汚染、またはダイリップ部へ
の付着、熱酸化着色等が大幅に低減させることができ
る。該ポリエーテルエステル重縮合体(A)を重合する
際に使用する多価アルコール(c)としては、例えば、
エチレングリコール、1,2―プロピレングリコール、
1,3―プロピレングリコール、1,3―ブタンジオー
ル、1,4―ブタンジオール、2,2―ジメチル―1,
3―プロパンジオール、1,6―ヘキサンジオール、
1,8―オクタンジオールの様な脂肪族ジヒドロキシ化
合物、1,4―シクロヘキサンジオール、ビス―1,4
―ヒドロキシメチルシクロヘキサンの様な脂環式ジヒド
ロキシ化合物、およびヒドロキノンレゾルシン、4,
4’―ジヒドロキシジフェニル、4,4’―ジヒドロキ
シジフェニルエーテル、ビスフェノール−Aの様な芳香
族ジヒドロキシ化合物が挙げられる。ここで炭素数が2
2を越える高沸点の脂肪族ジヒドロキシ化合物の場合
は、重縮合反応時に過剰なジヒドロキシ化合物を反応系
外に留去するのが困難であり、好ましくない。これらの
うちでも、エチレングリコール、1,2―プロピレング
リコール、1,3―プロピレングリコール、1,3ーブ
タンジオール、1,4ーブタンジオールが好ましく用い
られ、反応性の点からはエチレングリコールおよび1,
4―ブタンジオールが特に好ましい。
【0027】該ポリエーテルエステル重縮合体を重合す
る際に使用する多価アルコールの割合は、ポリオキシア
ルキレングリコールとジカルボン酸及び/またはそのエ
ステルとの連結剤の役割を果たすものでり、目的の組成
のポリエーテルエステル重縮合体とするためには、ポリ
オキシアルキレングリコールの末端ヒドロキシル基と多
価アルコールの末端ヒドロキシル基との和とジカルボン
酸及びそのエステルのカルボン酸基とを同モル数にする
必要がある。この調整のために、多価アルコール成分が
導入される。従って、多価アルコールの重量%は、ポリ
オキシアルキレングリコール量、ジカルボン酸およびそ
のエステルの量から自動的に決定される。該ポリエーテ
ルエステル重縮合体の分量を短時間でアップさせ、溶融
粘度を容易にコントロールし、樹脂組成物及び製品とし
たときのモルフォロジーを制御するために、炭素数3〜
30の3価以上の多価アルコールを導入することが可能
である。その場合の添加量としては0.01〜5重量
%、好ましくは0.03〜3重量%、より好ましくは
0.05〜2重量%である。該多価アルコールが0.0
1未満であると分子量のアップが不十分であり、5重量
部を越えると重縮合体のゲル化により、異物に発生や成
形品としたときの外観が劣る傾向にあり好ましくない。
3価以上の多価アルコールの炭素数は3以上30以下、
好ましくは3以上25以下であることが必要である。炭
素数が3未満の化合物は安定に存在し得ず、炭素数が3
0を越えると反応性が低下するために有効にこう分子量
化が進まない。炭素数3〜30の3価以上の多価アルコ
ールの具体例としては、ペンタエリスリトール、トリメ
チロールプロパン、グリセリン、エリスリトール、グル
コース等の天然糖類、炭素数30以下の低分子量天然糖
類、ポリビニルアルコールのオリゴマー等が挙げられ
る。
【0028】該ポリエーテルエステル重縮合体(A)は
m―クレゾール中、30℃で測定した相対粘度が1.2
〜4.0、好ましくは1.5〜3.5である。この相対
粘度が1.2未満では、ポリマー自体の流動性は大きく
なるものの、積層シートとした時に機械強度を低下さ
せ、また積層部のマトリックス樹脂中にポリエーテルエ
ステル系ポリマーが微分散してしまい、帯電防止性能の
付与効果が低下するので好ましくない。一方、相対粘度
が4.0を越える場合は、ポリマー自体の流動性が低下
して反応器からの払い出しが困難となるほか、積層シー
トとする時に積層部のマトリックス樹脂中にポリエーテ
ルエステル系ポリマーが分散しにくく、やはり帯電防止
性能の付与効果が低下するので好ましくない。
【0029】該ポリエーテルエステル重縮合体(A)の
製造方法に関して、特に制限は無い。例えば、上記のポ
リアルキレングリコール化合物、ジカルボン酸若しくは
そのエステル及び多価アルコールからなる原料混合物を
反応器に仕込み、溶媒の存在下または不存在下で、反応
中に生成する水もしくはアルコールを反応器外へ除去し
ながら重縮合させ、高分子量化させる方法等が用いられ
る。水もしくはアルコールを反応器外へ除去するには、
窒素ガスを流すか、あるいは反応器内を高度に減圧にし
て実施することが好ましい。重縮合時の温度は150〜
300℃、好ましくは180〜270℃で実施し得る。
【0030】該ポリエーテルエステル重縮合体(A)を
製造する際には、酢酸マンガン、酢酸カルシウム、酢酸
コバルト、酢酸亜鉛、三酸化アンチモン、チタンテトラ
アルコキシド、有機ジルコニウム化合物等を触媒として
用いると、反応時間を短縮でき、その結果、反応中の重
縮合体の着色、劣化が防止できるので好ましい。該ポリ
エーテルエステル重縮合体を製造する際には、反応中の
重縮合体の熱劣化を防止し、かつ高分子量化を実現する
ため、適当な熱安定剤を添加しておくことが好ましい。
熱安定剤としては、例えば、1,3,5−トリメチル−
2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシベンジル)ベンゼン、1,1,3−トリス(2
−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)
ブタン、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシケイ皮アミド、4,4’−
ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’
−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート]等のヒンダードフェノール系安定剤、N,N’−
ビス(β−ナフチル)−p−フェニレンジアミン、N,
N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、ポリ
(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリ
ン)等のアミン系安定剤、ジラウリルチオジプロピオネ
ート等のイオウ系安定剤、あるいはトリス(2,4−ジ
−t−ブチルフェニル)フォスファイト等のリン化合物
などを使用しても良い。これらは原料にあらかじめ混合
して重縮合反応時に共存させたり、あるいは途中で反応
器に追加するなど、任意の方法で添加し得る。
【0031】本願発明の積層シートで積層部に用いる帯
電防止性樹脂組成物(イ)を製造する場合、該ポリエー
テルエステル重縮合体(A)と混合することが可能なア
クリル系樹脂(B)としては、メタクリル酸メチル単独
重合体若しくはメタクリル酸メチルと他の単量体との共
重合体が使用される。共重合体中のメタクリル酸メチル
構造単位は80重量%以上有するものが好ましい。メタ
クリル酸メチルと共重合可能な単量体としては、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シク
ロヘキシル等のメタクリル酸アルキルエステル類、アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等
のアクリル酸アルキルエステル類、スチレン、ビニルト
ルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物
類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン
化ビニル化合物類、N−フェニルマレイミド、N−シク
ロヘキシルマレイミド等のマレイミド類、無水マレイン
酸、無水イタコン酸等の不飽和カルボン酸無水物類、メ
タクリル酸、アクリル酸、マレイン酸等の不飽和酸類等
が挙げられる。メタクリル酸あるいはアクリル酸の共重
合体は、それを熱処理して脱水反応等により6員環酸無
水物化した共重合も含まれる。これらメタクリル酸メチ
ルと共重合可能な単量体は1種または2種以上を組み合
わせて使用できる。
【0032】本願発明で積層シートの基板部に用いるこ
とのできるアクリル系樹脂(ロ)としても、上述のアク
リル系樹脂を使用することができる。このようなアクリ
ル系樹脂(B)及び(ロ)の製造方法としては特に制限
は無く、懸濁重合、乳化重合、塊状重合、あるいは溶液
重合等の公知の方法のいずれを用いてもよい。重合開始
剤としては、通常のパーオキサイド系やアゾ系のラジカ
ル重合開始剤を用いることができ、これと還元剤とを組
み合わせてレドックス系開始剤として実施しても良い。
アルキルリチウムなどを用いたアニオン重合法、有機金
属錯体を用いた配位重合法、グループトランスファー重
合法などを用いて得られたアクリル系樹脂を使用しても
さしつかえない。重合温度は、懸濁重合または乳化重合
では30〜100℃、塊状または溶液重合では80〜1
70℃で実施するのが一般的である。該アクリル系樹脂
の還元粘度を制御するために、アルキルメルカプタン等
を連鎖移動剤として用いて実施してもよい。その他、多
層構造アクリルゴムなどで耐衝撃性を付与したアクリル
系樹脂組成物も使用することもできる。
【0033】本願発明の積層シートで、積層部に用いる
帯電防止性樹脂組成物(イ)を製造する場合は、該ポリ
エーテルエステル重縮合体(A)を30〜2重量%、好
ましくは25〜5重量%とアクリル系樹脂(B)70〜
98重量%、好ましくは75〜95重量%とを混合して
使用するのが好ましい。該ポリエーテルエステル重縮合
体が2重量%未満の場合は、得られる積層シートの帯電
防止性能が十分でなく、一方、該ポリエーテルエステル
重縮合体が30重量%を越える場合は、得られる積層シ
ートの機械強度が低下してやはり好ましくない。帯電防
止性樹脂組成物(イ)を製造するための混合方法には特
に制限が無い。ドラムブレンダーやヘンシェルミキサー
で混合する方法や、これらの方法で混合したあと押出機
を用いて200〜280℃の温度で造粒する方法等があ
る。押出混合する場合は、重縮合体の熱分解および加水
分解を抑制するために、押出温度、該重縮合体の水分、
押出機内の窒素パージ等に留意して実施することが好ま
しい。
【0034】ポリエーテルエステル重縮合体(A)とア
クリル系樹脂(B)とを混合して本願発明のアクリル系
樹脂組成物(イ)を製造する場合に、帯電防止性能を更
に向上させる為に有機スルホン酸塩と有機リン酸塩から
選ばれた少なくとも1種の化合物を併用しても良い。こ
れらの化合物の例としては、ドデシルベンゼンスルホン
酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸の
ような芳香族スルホン酸、ラウリルスルホン酸、ステア
リルスルホン酸等のアルキルスルホン酸、亜リン酸ジフ
ェニル、リン酸ジフェニル等の有機リン酸のアルカリ金
属塩やアルカリ土類金属塩等が挙げられる。樹脂組成物
の帯電防止効果の点から、ナトリウム塩やカリウム塩が
好ましい。有機スルホン酸塩や有機リン酸塩の配合量は
帯電防止樹脂組成物100重量部に対して0.05〜5
重量部が好ましい。5重量部を越えると得られる樹脂の
機械強度が低下し、また樹脂組成物が着色しやすくなる
ので好ましくない。
【0035】ポリエーテルエステル重縮合体(A)とア
クリル系樹脂(B)とを混合してアクリル系樹脂組成物
(イ)を製造する場合に、帯電防止性能を損なわない範
囲で例えば、各種の染料、顔料、有機系光拡散剤として
メチルメタクリレート/スチレン共重合体ビーズなど、
無機系光拡散剤として硫酸バリウム、酸化チタン、炭酸
カルシウム、タルクなど、熱安定剤、酸化防止剤として
ヒンダードフェノール系、リン酸塩系など、紫外線吸収
剤としてベンゾトリアゾール系、2ーヒドロキシベンゾ
フェノン系、サリチル酸フェニルエステル系など、可塑
剤としてフタル酸エステル系、脂肪酸エステル系、トリ
メリット酸エステル系、リン酸エステル系、ポリエステ
ル系など、離型剤として高級脂肪酸、高級脂肪酸エステ
ル、高級脂肪酸のモノ、ジ、またはトリグリセリドな
ど、滑剤として高級脂肪酸エステル、ポリオレフィンな
ど、難燃剤としてリン系、リン/塩素系、リン/臭素系
など、補強剤としてガラス繊維、炭素繊維などを混合し
ても良い。
【0036】本願発明のアクリル系樹脂組成物(イ)の
熱安定化の為には、ポリエーテルエステル重縮合体
(A)とアクリル系樹脂(B)の合計100重量部に対
して、分子中にヒドロキシフェニル基を少なくとも2個
以上有する安定剤(C)を0.005〜5重量部添加す
ることが好ましい。このような安定剤の具体的な例とし
ては、トリエチレングリコールービス〔3ー(3ーtー
ブチルー5ーメチルー4ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート〕、1,3,5ートリメチルー2,4,6ートリ
ス(3,5ージーtーブチルー4ーヒドロキシベンジ
ル)ベンゼン、1,1,3ートリス(2ーメチルー4ー
ヒドロキシー5ーtーブチルーフェニル)ブタン、1,
6ーヘキサジオールービス〔3ー(3,5ージーtーブ
チルー4ーヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ペ
ンタエリスリチルーテトラキス〔3ー(3,5ージーt
ーブチルー4ーヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕、2,2ーチオージエチレンビス〔3ー(3,5ー
ジーtーブチルー4ーヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート〕、N,N’ヘキサメチレンビス(3,5ージーt
ーブチルー4ーヒドロキシーヒドロシンナマイド)、ビ
ス(3,5ージーtーブチルー4ーヒドロキシベンジル
スルフォン酸エチル)カルシウム、トリスー(3,5ー
ジーt−ブチルー4ーヒドロキシベンジル)ーイソシア
ヌレイト、2,2’ーメチレンービスー(4ーメチルー
6ーtーブチルーフェノール)4,4’ーブチリデンー
ビスー(3ーメチルー6ーtーブチルーフェノール)、
4,4’ーチオービスー(3ーメチルー6ーtーブチル
ーフェノール)、1,3,5ートリス(4ーtーブチル
ー3ーヒドロキシー2,6ージメチルベンジル)イソシ
アヌレイト、テトラキスー〔メチレンー3ー(3’,
5’ージーtーブチルー4’ーヒドロキシーフェニル)
プロピオネイト〕ーメタン、3,9ービス[2ー〔3ー
(3ーtーブチルー4ーヒドロキシー5ーメチルフェニ
ル)プロピオニロキシ〕ー1,1ージメチルエチル]ー
2,4,8,10ーテトラオキサスピロ〔5,5〕ウン
デカン等が挙げられる。これらの中で、好ましくは、ト
リエチレングリコールービス〔3ー(3ーtーブチルー
5ーメチルー4ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕、1,3,5ートリメチルー2,4,6ートリス
(3,5ージーtーブチルー4ーヒドロキシベンジル)
ベンゼン、1,1,3ートリス(2ーメチルー4ーヒド
ロキシー5ーtーブチルーフェニル)ブタン、1,6ー
ヘキサジオールービス〔3ー(3,5ージーtーブチル
ー4ーヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、より好
ましくはトリエチレングリコールービス〔3ー(3ーt
ーブチルー5ーメチルー4ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート〕、1,3,5ートリメチルー2,4,6ート
リス(3,5ージーtーブチルー4ーヒドロキシベンジ
ル)ベンゼン、1,1,3ートリス(2ーメチルー4ー
ヒドロキシー5ーtーブチルーフェニル)ブタンであ
り、例えば、これらの中から選ばれる少なくとも1種ま
たは2種以上を使用することができる。
【0037】更に本願発明のアクリル系樹脂組成物
(イ)の光(紫外線)熱安定化の為には、ポリエーテル
エステル重縮合体(A)とアクリル系樹脂(B)の合計
100重量部に対して、分子中に少なくとも1個のトリ
アジン環を有する安定剤(D)0.005〜5重量部添
加することが好ましい。このような安定剤の具体的な例
としては、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−ト
リアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−
フェノール、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメ
チルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4
−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、N,
N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン・
2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6
−ペンタメチル−4ピペリジル)アミノ]−6−クロロ
−1,3,5−トリアジン縮合物等が挙げられる。
【0038】本願発明の帯電防止性アクリル系樹脂積層
シートの基板部(ロ)を構成するアクリル系樹脂には、
各種の染料、顔料、有機系光拡散剤としてメチルメタク
リレート/スチレン共重合体ビーズや架橋シリコーン系
粒子など、無機系光拡散剤として硫酸バリウム、酸化チ
タン、炭酸カルシウム、タルクなど、熱安定剤、酸化防
止剤としてヒンダードフェノール系、リン酸塩系など、
紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系、2ーヒドロ
キシベンゾフェノン系、サリチル酸フェニルエステル系
など、可塑剤としてフタル酸エステル系、脂肪酸エステ
ル系、トリメリット酸エステル系、リン酸エステル系、
ポリエステル系など、離型剤として高級脂肪酸、高級脂
肪酸エステル、高級脂肪酸のモノ、ジ、またはトリグリ
セリドなど、滑剤として高級脂肪酸エステル、ポリオレ
フィンなど、難燃剤としてリン系、リン/塩素系、リン
/臭素系など、補強剤としてガラス繊維、炭素繊維など
を混合しても良い。
【0039】本願発明の帯電防止性アクリル系樹脂積層
シートを製造する方法には、特に限定はなく、通常の共
押出法(コエクストルージョン法)やラミネート法等を
用い得る。本願発明のアクリル系樹脂組成物(イ)は、
押出成形により帯電防止性シートに加工する場合、樹脂
の焼けや劣化を防ぐため樹脂温度を180〜280℃の
範囲で実施することが好ましい。
【0040】本願発明の積層シートを製造する方法の1
つである共押出法は、積層時に両層の流動性を合わせ均
一にすることができるので両層の密着性が良く成形歪み
も少ないという点で優れている。共押し出し法は通常、
押し出し機を2台以上使用し、基板部樹脂には40mm
φ、60mmφ、90mmφ等の押し出し機を用い、ま
た積層部樹脂にはそれらよりも小さい20mmφ、30
mmφ、45mmφ等の押し出し機を用い、押し出し用
のダイで押し出すのが一般的である。積層部及び基板部
の厚み調整は、各押し出し機の押し出し量を調整し、ま
た押し出しようダイの出口に設置したポリシングロール
の間隔を調整して行うのが一般的である。また基板部樹
脂と積層部樹脂との流動性を合わせて共押し出しするた
めに各押し出し機の温度を調整することで対応し得る。
積層部に用いるアクリル系樹脂組成物(イ)は、一般に
ポリエーテルエステル重縮合体(A)とアクリル系樹脂
(B)とを予めブレンダー等を使って均一に混合し、そ
の後押し出し機で混練、ペレット化したものが好まし
い。
【0041】他の方法としてラミネート法があるが、ラ
ミネート法で製造する場合は、予めアクリル系樹脂組成
物(イ)を所望の厚みのフィルム状に成形しておき、こ
れと基板部を押し出し機出口のポリシングロールで重ね
合わせて一定厚みの積層シートとするのが一般的な方法
である。この場合、重ね合わせた時の空気残留防止とロ
ール温度制御等による密着性の向上がポイントである。
【0042】本願発明の帯電防止性アクリル系樹脂積層
シートの厚みは、一般的には0.5〜100mmのもの
が用いられる。本願発明の帯電防止性アクリル樹脂積層
シートの積層部の厚みは、3〜500μmであり、好ま
しくは5〜200μm、更に好ましくは10〜120μ
mである。積層部の厚みが3μm未満の場合は、積層部
の帯電防止性能が不十分となり易く好ましくない。一
方、積層部の厚さが500μmを越える場合は、積層シ
ートの機械的強度が低下するのでやはり好ましくない。
一般的に積層部の厚みは、シートの全厚みの30%以下で
あることが機械的強度の保持の観点から好ましい。基板
部の両面に積層部を設ける場合にも積層部の合計厚みが
シートの全厚みの30%以下であることが好ましい。こ
の帯電防止性アクリル系樹脂積層シートの積層部の厚み
は、積層シートの断面を微分干渉顕微鏡や電子顕微鏡で
観察することによって計測することができる。積層シー
ト製造時に積層部厚みの測定を容易にするために、アク
リル系樹脂組成物(イ)に微量の染料等を含有させてお
くこともできる。
【0043】本願発明の帯電防止性アクリル系樹脂積層
シートは、アクリル樹脂シートの成形に通常用いられる
圧空成形、真空成形、フリー加熱成形等の一般的な成形
方法で加工することができる。また、表面をマット状に
したり、シボ模様を付すことも一般的である。
【0044】
【発明の実施の形態】以下に実施例と比較例を用いて本
願発明の実施の形態をさらに具体的に説明するが、本願
発明はこれによって何ら制限されるものではない。な
お、用いた評価および試験方法を以下に示す。 1.相対粘度 ポリマー0.25gを精秤し、m−クレゾール50ml
に溶解してオストワルド粘度計No.3を用いて、30
℃で流下時間を測定した。溶解に使用したm−クレゾー
ルについても同様に流下時間を測定した。相対粘度は、
ポリマーのm−クレゾール溶液の流下時間とm−クレゾ
ールの流下時間の比として算出した。 2.共重縮合体組成1 H−NMR分析を行い、各成分に対応するシグナルの
強度から組成を求めた。 3.表面抵抗値(Rs) 東亜電波工業製の絶縁抵抗計ウルトラメグオームメータ
ーSM−8200シリーズSME8311型を用いて、
23℃、相対湿度50%で500Vを45秒間成形品に
印加し、15秒後の表面抵抗値を測定した。 4.成形品の外観 成形品の外観を目視で観察した。 5.引っ張り破断強度 積層シートからダンベル状試験片を切り出し、JIS−
K7113に準拠して測定した。
【0045】また、下記の略号を用いた。 PEG(1500) :ポリオキシエチレングリコール PEG(3000) :ポリオキシエチレングリコール PEG(5000) :ポリオキシエチレングリコール なお( )内の数字は分子量を示す。
【0046】 DMT :テレフタル酸ジメチル DMA :アジピン酸ジメチル SIPM :5−ナトリウムスルホ−イソフタル酸ジメチル EG :エチレングリコール Penta :ペンタエリスリトール DBS :ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム なお部数は特に断らない限り重量部を示す。
【0047】
【製造例1】 ポリエーテルエステル系重縮合体(A−1)の製造。 攪拌機、窒素導入管、留去管を備えた反応器にテレフタ
ル酸ジメチル33.2重量部、5−ナトリウムスルホ−
イソフタル酸ジメチル17.8重量部、エチレングリコ
ール30重量部、および酢酸マンガン4水和物0.02
重量部を仕込み、180〜230℃で3時間加熱して、
生成するメタノールを留去しながらエステル交換反応を
実施した。次に、反応器へ数平均分子量5000のポリ
オキシエチレングリコール50重量部、三酸化アンチモ
ン0.03重量部、トリメチルホスフェート0.015
重量部、「イルガノックス1330」(チバガイギー
製)0.5重量部及び「トパノールCA」0.02重量
部を追加し、260℃に昇温した。反応器内を徐々に減
圧し、過剰のエチレングリコールを留去しつつ内圧1ト
ール以下に保ち3.5時間重縮合反応を実施した。その
後反応機内に窒素で圧力を掛けながら反応器底部のバル
ブを開け、ポリマーをノズルからストランド状に排出
し、水浴槽で冷却後ペレタイザーでカットしペレットを
得た。その際、ポリマーの排出状態は安定しておりカッ
ティング性も良好であった。得られたポリエーテルエス
テル系重縮合体(A−1)の相対粘度は1.9であっ
た。またNMR分析から、その組成は、ポリオキシエチ
レングリコール成分50重量%、テレフタル酸及び5−
ナトリウムスルホ−イソフタル酸成分40.3重量%、
およびエチレングリコール成分9.7重量%であった。
【0048】
【製造例2〜13】仕込み組成を表1に示すように変更
した他は、製造例1と同様にして行った。結果を表1、
2にまとめて示した。
【0049】
【製造例14】ポリエーテルエステルアミド系重縮合体
(A−14)の製造。 数平均分子量1500のポリオキシエチレングリコール
とε−カプロラクタムを主原料として、さらにテレフタ
ル酸を連結剤として用い公知の方法で共重縮合した。得
られたポリエーテルエステルアミド系重縮合体の相対粘
度は2.0であり、共重縮合組成はポリオキシエチレン
グリコール成分60重量%、テレフタル酸成分8重量%
及びカプロラクタム成分32重量%であった。
【0050】
【実施例1】製造例1で製造したポリエーテルエステル
重縮合体(A−1)15重量部、旭化成工業製アクリル
樹脂「デルペットLP−1(B−1)」85重量部、イ
ルガノックス1330(D−1)0.4重量部、チヌビ
ン1577(E−1)0.3重量部及びDBS(C−
1)0.5重量部とをドラムブレンダーで混合し、30
mm二軸押出機を用いて樹脂温度約260℃で混練、造
粒し積層部用樹脂組成物とした。
【0051】得られた積層部用樹脂組成物を30mm
φ、L/D=24の押し出し機を用い、また、基板部用
には上記のアクリル樹脂(B−1)を90mmφ、L/
D=32の押し出し機を用いて共押し出しを行った。ダ
イは2種2層のフィードブロック式を用い、積層シート
が2ミリの厚さになるようにリップ開度及びポリシング
ロールのクリアランスで調整し、押し出し機とダイの温
度は250〜260℃で行った。積層部の厚みのコント
ロールは30mmφ、L/D=24の押し出し機の吐出
量を変えることによって調整した。このようにして幅約
30cmの積層シートを製造したところ、シートの全厚
みは2mm、積層部の厚みは32μmであった。成形中
にポリシングロール表面の曇りやTダイのリップへの目
やに状付着物は8時間の運転では認められなかった。
【0052】このシートから試験片を切り出し、23
℃、相対湿度50%の恒温室内に置いて24時間後に表
面抵抗値を測定したところ、6×1010Ωであった。ま
た試験片を水道水の流水中で1分間に30回、5分間連
続的に布で擦り、水滴を拭き取ってから恒温室内に置い
て24時間後に表面抵抗値を測定したところ、8×10
10Ωであり、性能低下は見られなかった。
【0053】
【実施例2〜9、比較例1〜4】重縮合体の種類を変え
た他は実施例1と同様に実施し、ポリシングロール表面
の曇りやTダイリップの目やに状付着物の有無、シート
の表面抵抗値を評価した。結果を表3、表4にまとめて
示した。
【0054】
【比較例5】帯電防止剤としてポリエーテルエステルア
ミド系重縮合体(A−14)を用い、安定剤としてイル
ガノックス245(D−2)とチヌビン234(E−
2)を用いた以外は実施例1と同様に実施し、ポリシン
グロール表面の曇りやTダイリップの目やに状付着物の
有無、シートの表面抵抗値を評価した。結果を表3、表
4にまとめて示した。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
【表3】
【0058】
【表4】
【0059】
【発明の効果】本願発明の帯電防止性アクリル系樹脂積
層シートは、優れた帯電防止性能の持続性を有し、アク
リル樹脂シート本来の機械的強度を維持するほか、熱劣
化による着色異物の混入が無く、表面外観に優れるシー
トである。従って、本願発明の帯電防止性アクリル系樹
脂積層シートはOA機器の銘板、照明器具カバー、メー
ターカバー、半導体部品の輸送容器、クリーンルーム内
で使用する器具、プロジェクションテレビの前面板やス
クリーン、光学レンズ、各種表示板、看板等の帯電や埃
付着を嫌う用途に好適に用いられる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 30℃におけるm−クレゾール中で測定
    した相対粘度が1.2〜4.0であるポリエーテルエス
    テル重縮合体(A)2〜40重量%とアクリル系樹脂
    (B)98〜60重量%とからなるアクリル系樹脂組成
    物(イ)をアクリル系樹脂からなる基板部(ロ)の片面
    または両面に積層せしめたアクリル系樹脂積層シートで
    あって、該アクリル系樹脂組成物(イ)を構成するポリ
    エーテルエステル重縮合体(A)が(a)数平均分子量
    400〜20000のポリオキシアルキレングリコール
    20〜75重量%、(b)ジカルボン酸及び/またはそ
    のエステル10〜70重量%、(c)多価アルコールを
    重縮合してなるものであり、上記(b)のジカルボン酸
    及び/またはそのエステルのうち0.1〜80モル%が
    下記式(1) 【化1】 で示されるスルホン酸塩基で置換されたジカルボン酸及
    び/またはそれらのエステルであることを特徴とする帯
    電防止性に優れたアクリル系樹脂積層シート。
  2. 【請求項2】 アクリル系樹脂(B)とポリエーテルエ
    ステル重縮合体(A)との合計量100重量部に対し
    て、5重量部を越えない量の有機スルホン酸塩及び/ま
    たは有機リン酸塩の中から選ばれた少なくとも1種の化
    合物を含有してなるアクリル系樹脂組成物からなる積層
    部を積層せしめた特許請求範囲第1項記載の帯電防止性
    に優れたアクリル系樹脂積層シート。
JP9911897A 1997-04-16 1997-04-16 帯電防止性に優れたアクリル系樹脂積層シート Pending JPH10286916A (ja)

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JP9911897A JPH10286916A (ja) 1997-04-16 1997-04-16 帯電防止性に優れたアクリル系樹脂積層シート

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