JPH10287739A - 帯電防止用ポリエーテルエステルおよびその製造方法 - Google Patents

帯電防止用ポリエーテルエステルおよびその製造方法

Info

Publication number
JPH10287739A
JPH10287739A JP9731397A JP9731397A JPH10287739A JP H10287739 A JPH10287739 A JP H10287739A JP 9731397 A JP9731397 A JP 9731397A JP 9731397 A JP9731397 A JP 9731397A JP H10287739 A JPH10287739 A JP H10287739A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyetherester
weight
dicarboxylic acid
ester
antistatic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9731397A
Other languages
English (en)
Inventor
Genichi Tsuruta
嚴一 鶴田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP9731397A priority Critical patent/JPH10287739A/ja
Publication of JPH10287739A publication Critical patent/JPH10287739A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 帯電防止性能の付与効果と持続性の向上およ
び熱、光安定化を目的としてポリエーテルエステルの組
成と粘度およびカルボキシル基含有量を特定する。 【解決手段】 分子内に数平均分子量が400〜200
00のポリオキシアルキレングリコールセグメントより
なるポリエーテル成分を20〜65重量%含み、m−ク
レゾール中30℃で測定した相対粘度が1.5〜4.0
であって、カルボキシル基含有量が0.1〜15*10
-6eq/gであるポリエーテルエステルとその製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なポリエーテル
エステルおよびその製造方法に関する。さらに詳しく
は、各種の熱可塑性樹脂、特にアクリル系樹脂に配合し
て帯電防止性樹脂組成物を製造するのに有用なポリエー
テルエステルおよびその製造方法に関する。本発明のポ
リエーテルエステルは、それ自体を高分子型帯電防止剤
として用いることができるほか、分子中に2個以上のエ
ポキシ基を有する化合物と付加反応を行い、さらに高分
子量のポリエーテルエステルを製造するための前駆体と
しても使用できる。本発明のポリエーテルエステルを配
合した帯電防止性樹脂組成物は良好な帯電防止性能を有
するほか、それを押出成形して帯電防止性シートを製造
したり、射出成形して帯電防止性成形品を製造する際
に、樹脂の熱劣化による着色物が生成しにくく、表面外
観の優れた成形品を製造することができる。
【0002】
【従来の技術】アクリル系樹脂は、透明性、表面光沢、
表面硬度、耐候性などに優れ、照明器具カバー、テール
レンズ等の車輌外装品、レンズ、導光板、ビデオディス
ク、プロジェクションテレビ用スクリーン等の光学用部
品、自動販売機の前面板、屋外看板、店装ディスプレイ
などの用途に広く使用されている。
【0003】またポリカーボネート樹脂は、その透明性
や衝撃強度を生かして、ヘッドランプレンズ・サンルー
フ用透明天窓等の車輌外装品、コンパクトディスク等の
光学部品、高速道路の透明遮音壁、アーケードやドーム
等の建材など各種の用途に使用されている。ところで先
に挙げた用途は、アクリル系樹脂やポリカーボネート樹
脂が、いずれも実質的に非晶質性で透明であるという特
徴を生かしたものであるが、これらの樹脂は一般的に帯
電しやすく、製品にほこりが付着して透明性や表面外観
が損なわれやすいほか、成形品やシートの後加工におい
てほこりの付着が障害となる、といった欠点も有してい
る。従って、ほこりの付着を防止するためには、これら
の樹脂に良好な帯電防止性能を付与することが求められ
てきた。
【0004】アクリル系樹脂などに帯電防止性能を付与
するためには、これまでにも様々な方法が提案されてき
た。則ち、 1.シリコン系化合物などを樹脂表面に塗布する方法。 2.界面活性剤を樹脂に添加、混合する方法。 3.親水性基および/またはイオン性基を有する単量体
を共重合し、樹脂を化学的に改質する方法。
【0005】1.については、成形品やシートに対する
塗付工程が必要であり、コスト的に不利なばかりか、得
られた製品の帯電防止効果の持続性に劣り、降雨などの
流水により効果が消失しやすいため、十分な解決とは言
い難い。2.に関するものとしては、例えば、スルホン
酸基を有する化合物またはこれとポリエーテルとをアク
リル樹脂に練り込む方法(特開昭47ー26438号公
報、特開平3ー43440号公報)、スルホン酸基を有
する化合物、ポリオキシアルキレングリコール、および
特定のリン化合物を練り込む方法(特公昭53ー307
24号公報)が提案されているが、ポリエーテル等を比
較的多量に添加するため、成形品表面に帯電防止剤がブ
リードアウトしやすく、表面外観を損なうほか、べとつ
きの原因となるなど問題がある。また、ポリアルキレン
グリコールと高級脂肪酸モノグリセライドを混練する方
法(特公昭53ー36865号公報)、さらに特定のリ
ン化合物を併用する方法(特公昭53ー15896号公
報、特開昭54ー74849号公報)が提案されている
が、アクリル樹脂のガラス転移温度が比較的高く、モノ
グリセライドの成形品表面への移行性が低いため、十分
な帯電防止性能を付与するためには、多量にモノグリセ
ライドを添加する必要があり、表面外観を損ないやすい
という欠点がある。その他、アルキルスルホン酸塩また
はアルキルベンゼンスルホン酸塩とトリアルキルフォス
ファイトを混練する方法(特開昭64ー24845号公
報)も提案されているが、アルキルスルホン酸塩等を比
較的多量に添加する必要があるため、樹脂の表面外観に
劣るという問題がある。またこれらの方法に共通する問
題として、添加した界面活性剤が流水などで成形品表面
から失われやすいため、帯電防止性能の持続性に劣るこ
とが挙げられる。
【0006】3.に関しては、例えばスルホコハク酸エ
ステル系の単量体とアクリレート系単量体との共重合体
と酸性リン酸エステルあるいはアルキレンオキサイド化
合物とからなる組成物(特開昭59ー182837号公
報、182838号公報)が提案されており、帯電防止
効果の持続性の観点からは有利であるが、特殊な単量体
を比較的多く共重合させる必要があり、コスト的に不利
なばかりか、組成物の耐候性や耐熱性が低下するという
問題がある。
【0007】帯電防止効果の持続性を向上するために、
高分子型帯電防止剤を添加する方法が提案されてきた。
則ち、 4.親水性およびイオン性基を含むビニル系共重合体を
混練する方法。 5.ポリエーテルアミド系重合体を混練する方法。 4.に関しては、例えば、ポリオキシエチレン鎖、およ
びスルホン酸塩あるいは第4級アンモニウム塩構造を有
するビニル系共重合体をアクリル系樹脂に混練する方法
(特開昭55ー36237号公報、特開昭63ー637
39号公報)が提案されているが、高価な特殊単量体を
使用するため、このビニル系共重合体を配合するのはコ
スト的に不利なばかりか、アクリル系樹脂の耐熱性を低
下させるという問題があった。
【0008】5.については、ポリアミドセグメントと
ポリエーテルセグメントとからなるポリエーテルアミド
重縮合体を帯電防止成分としてアクリル系樹脂に混練す
る方法(特開昭64ー90246号公報、特開平1ー3
08444号公報、特開平8−120147号公報)が
提案されている。これらの方法では帯電防止性能の持続
性には優れるが、ポリアミドセグメントを含む重縮合体
は、それ自体が高温下に空気と接触すると熱着色しやす
いこと、また、特にアクリル系樹脂とポリアミドセグメ
ントを含む重縮合体とが加熱下に架橋反応を起こして不
溶不融のゲル状物を生成しやすいことにより、例えば押
出機中に滞留した該組成物が着色したゲルとなって射出
成形品やシートに混入し、製品の外観を著しく損なうと
いう欠点があった。
【0009】このようなゲル化と着色異物の欠点を改良
するために、特定分子量のポリオキシアルキレングリコ
ールセグメントからなるポリーテル成分を特定の割合で
含み、かつ特定の還元比粘度をもつポリエーテルエステ
ル重縮合体とアクリル樹脂とからなる帯電防止性樹脂組
成物が提案されている(特開平8−134309号公
報)。同様なポリエーテルエステルと任意の熱可塑性樹
脂とからなる制電性樹脂組成物も提案されている(特開
平6−57153号公報)。しかしながら、これらのポ
リエーテルエステル系重縮合体をアクリル樹脂等に混合
して帯電防止性樹脂組成物を製造する場合に分散状態を
適度に制御することが帯電防止性付与の効果上重要であ
ると考えられているが、該ポリエーテルエステル系重縮
合体自体の流動性の温度依存性が大きいため、良好な分
散状態を実現しうるコンパウンド条件幅が狭いものであ
り、さらに該重縮合体は溶融粘度が低く、アクリル樹脂
中に0.03μm以下の微小な分散体となりやすく、帯
電防止性能付与の効果の観点から、なお不十分なもので
あった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アクリル系
樹脂やポリカーボネート樹脂などの熱可塑性樹脂に混合
した際に適度な分散性を有し、帯電防止性能の付与効果
と持続性に優れ、かつ生産性の良い高分子型帯電防止
剤、特にその前駆体として新規なポリエーテルエステル
とその製造方法を提供しようとするものである。
【0011】さらにまた、本発明はアクリル系樹脂に配
合することによって良好な帯電防止性能を付与した樹脂
組成物を製造でき、その樹脂組成物を押出成形して帯電
防止性シートを製造あるいは射出成形して帯電防止性成
形品を製造する際に、樹脂組成物の熱劣化による着色物
が生成しにくく、表面外観の優れた成形品を製造するこ
とができるポリエーテルエステルとその製造方法を提供
しようとするものである。
【0012】高分子型帯電防止剤として用いうるポリエ
ーテルエステルは、一般にポリ(アルキレンオキシド)
グリコール、ジオール、ジカルボン酸またはジカルボン
酸エステルを共重縮合させて得られるが、これまではそ
の数平均分子量はせいぜい10万前後であった(特開平
6−57153号公報)。ポリエーテルエステル重縮合
体はポリエーテルエステルアミド重縮合体と比較する
と、ポリアミド部分に由来する分子間水素結合を欠くた
め、同程度の分子量であってもそれ自体の溶融粘度は格
段に低くなる。このため、アクリル樹脂等とコンパウン
ドする場合、加工温度におけるポリエーテルエステル重
縮合体とアクリル樹脂との粘度差は(一般的にはアクリ
ル樹脂の方が粘度が大きい)、ポリエーテルエステルア
ミド重縮合体とアクリル樹脂との粘度差よりも大きく、
ポリエーテルエステルアミド重縮合体に比べてコンパウ
ンド時および成形時のシェアにより0.03mμ以下の
分散体に微細化されやすい傾向があった。帯電防止性能
の観点からは、高分子型帯電防止剤がマトリックス樹脂
中にあまりに微分散しすぎることは好ましくないと考え
られており、従ってポリエーテルエステルを高分子型帯
電防止剤として使用しようとする場合は、ポリエーテル
エステルアミド重縮合体と同等以上まで溶融粘度を高め
る工夫が必要である。
【0013】しかしながら、前述したようにこれまでポ
リエーテルエステル重縮合体の溶融粘度を高くすること
はかなり困難であったことが、高分子型帯電防止剤とし
てのポリエーテルエステルの利用を制約してきたと考え
られる。例えば、ジカルボン酸および/またはそのエス
テルから選ばれる少なくとも1種、ジオール、およびポ
リオキシアルキレングリコールとを重縮合させてポリエ
ーテルエステルを製造する場合、に反応時間を長くすれ
ば反応率を高めることはできるが、一方、生成ポリエー
テルエステルの熱分解も伴うため、分子量および溶融粘
度の変化は、頭打ちか、むしろ低下する傾向が見られ
る。
【0014】さらにポリエチレンテレフタレート中にカ
ルボキシル末端基の多寡が、紡糸前の乾燥時の変色や日
光照射下での変色と関係していることが知られており、
(御船・石田、工業化学雑誌、第65巻、第3号、10
9ページ、1962年)、ポリエーテルエステルの場合
もカルボキシル基含有量を低減することが熱、光劣化の
抑制に影響すると考えられる。
【0015】さらに、ポリエーテルエステル重縮合体は
ポリエーテルエステルアミド重縮合体と比較すると、分
子中のポリアミド成分を欠き、ポリエステル成分の割合
を大きくしないとアクリル樹脂との相溶性が高いため、
やはりコンパウンド時および成形時にアクリル樹脂中に
0.03μm以下の分散体に微細化されやすい傾向があ
る。一方、ポリエーテルエステル分子中のポリエステル
成分の割合を大きくするということは、ポリエーテル成
分の割合が小さくなることになり、帯電防止性能付与の
効果が低下する傾向があるほか、該重縮合体の屈折率が
高くなり、アクリル樹脂と屈折率差が大きくなるため、
樹脂組成物にした場合に曇りが発生し、外観、色調に劣
るものしか得られなかった。
【0016】このようにポリエーテルエステル重縮合体
をポリエーテルエステルアミド重縮合体に変えて高分子
型帯電防止剤として用いようとすると、従来のようにポ
リマー組成や分子量を調整するだけでは良好な帯電防止
性能をアクリル樹脂に付与することは困難であり、また
十分な溶融粘度を有するポリエーテルエステルの製造方
法も確立しているとは言い難かった。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、次のような
重要な発見に到達し、本発明を完成するに至った。即
ち、 1)ポリエーテル成分を特定の割合で含有したポリエー
テルエステルは、アクリル系樹脂等に混合して帯電防止
押出板や帯電防止成形材料を製造する場合、コンパウン
ド時および成形時にほとんど熱着色せず、架橋、ゲル化
も生じにくいため製品中に焼け異物が混入せず、極めて
外観が良好な製品が得られる。このことは熱着色、ゲル
化しやすいポリエーテルエステルアミドに比べて有利な
点である。 2)ところがポリエーテルエステルは強固な分子間水素
結合を有するポリエーテルエステルアミドに比べて溶融
粘度が低く、アクリル樹脂との相溶性が高いので、分子
量が同程度であればアクリル樹脂とのコンパウンド時に
微分散しやすく、帯電防止性能の付与効果と持続性に劣
ったものしか得られない。 3)そこで、ジカルボン酸および/またはそのエステル
から選ばれる少なくとも1種と多価アルコールとからエ
ステルオリゴマーを生成させ、その後にポリオキシアル
キレングリコールと重縮合させるという方法を取ってポ
リエーテル部分の熱履歴時間を短縮し、さらに分子中に
少なくとも2個のヒドロキシフェニル基を有する安定剤
を重縮合時に含有させておけば、生成ポリエーテルエス
テルの熱分解に由来するカルボキシル基含有量を低減で
き、熱および光劣化を抑制しうる。また、重縮合中の熱
分解による分子量低下も抑制し得るため、生成ポリエー
テルエステルの溶融粘度を向上しうる。 4)ポリエーテルエステルのアクリル樹脂との相溶性を
下げ、分散を微細化にしないようにするためには、分子
中のポリエステル成分の割合を大きくすることになる
が、同時にポリエーテルエステルの屈折率が高くなるこ
とを防ぐため、芳香族ポリエステル成分だけでなく、脂
肪族ポリエステル成分をも導入することが効果的で、ア
クリル樹脂との組成物にした場合に外観、色調が改良さ
れる。 5)以上の知見を総合して、帯電防止性能、外観、色調
のいずれにも優れた帯電防止性樹脂組成物を得ることが
できる。
【0018】即ち、本発明は、分子内に数平均分子量が
400〜20000のポリオキシアルキレングリコール
セグメントよりなるポリエーテル成分を20〜65重量
%含み、m−クレゾール中30℃で測定した相対粘度が
1.5〜4.0であって、カルボキシル基含有量が0.
1〜15*10-6eq/gであるポリエーテルエステ
ル、に関するものである。
【0019】以下、本発明をさらに詳しく説明する。本
発明のポリエーテルエステルは、一般的に炭素数8〜2
0の芳香族ジカルボン酸および/またはそのエステルと
炭素数4〜20の脂肪族ジカルボン酸および/またはそ
のエステルとから選ばれる少なくとも1種のジカルボン
酸および/またはそのエステル、炭素数2〜18の多価
アルコール、および数平均分子量が400〜20000
のポリオキシアルキレングリコールとを重縮合して得ら
れる。
【0020】本発明のポリエーテルエステルの製造に用
いられる炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸および/
またはそのエステルとしては、テレフタル酸、フタル
酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン
酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸などと、それ
らの芳香族ジカルボン酸のメチル、エチル、プロピル、
ブチルエステルなどが挙げられる。これらの芳香族ジカ
ルボン酸やそのエステルは単独で使用しても良いし、2
種類以上を組み合わせて使用することも可能である。得
られるポリエーテルエステルの融点、耐熱性の観点か
ら、テレフタル酸およびそのアルキルエステルが好まし
く用いられる。
【0021】本発明のポリエーテルエステルの製造に用
いられる炭素数4〜20の脂肪族ジカルボン酸および/
またはそのエステルとしては、コハク酸、アジピン酸、
セバシン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン
酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、リンゴ酸など
と、それらの脂肪族ジカルボン酸のメチル、エチル、プ
ロピル、およびブチルエステルなどが挙げられる。これ
らの脂肪族ジカルボン酸やそのエステルはそれぞれ単独
で使用しても良いし、2種類以上を組み合わせて使用す
ることも可能である。
【0022】また炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸
および/またはそのエステルと炭素数4〜20の脂肪族
ジカルボン酸および/またはそのエステルとは併用する
ことができる。とりわけ、アクリル樹脂組成物の様に外
観、色調の改良に対する要求が強い分野では、芳香族ジ
カルボン酸および/またはそのエステルのみをポリエス
テル形成原料として用いると、製造されるポリエーテル
エステルの屈折率が高くなり、アクリル樹脂との屈折率
差が大きくなって樹脂組成物とした場合に外観、色調が
悪くなることがある。これを回避するためには、芳香族
ジカルボン酸および/またはそのエステルと脂肪族ジカ
ルボン酸および/またはそのエステルとを併用し、ポリ
エーテルエステルの結晶性を低下させることが有効であ
る。ただし、一般には脂肪族ジカルボン酸および/また
はそのエステルを導入すると熱劣化しやすくなり、かつ
ポリエーテルエステルの融点も低下するので、導入量の
決定には注意を要する。本発明のポリエーテルエステル
を構成するジカルボン酸の割合は20〜65重量%であ
る。一般的には、ポリエーテルエステル中の(b)ジカ
ルボン酸成分は(b1)炭素数8〜20の芳香族ジカル
ボン酸成分を主体とし、(b)ジカルボン酸成分の1〜
50重量%、好ましくは2〜30重量%が(b2)脂肪
族ジカルボン酸成分となるようにするのが良い。芳香族
ジカルボン酸および/またはそのエステルと脂肪族ジカ
ルボン酸および/またはそのエステルとの併用例として
は、ポリエーテルエステルの30〜50重量%がテレフ
タル酸をジカルボン酸成分とするポリエステル、3〜2
0重量%がアジピン酸またはセバシン酸をジカルボン酸
成分とするポリエステルとなる様に組み合わせること
が、ポリエーテルエステルの屈折率、融点、結晶性を調
整し、ポリマーの取り扱いやアクリル樹脂組成物とした
ときのポリエーテルエステルの分散状態、外観、色調な
どの点から好ましい。
【0023】本発明のポリエーテルエステルの製造に用
いられる(c)炭素数2〜18の多価アルコールは、分
子中に2個以上のヒドロキシ基を含む化合物であって脂
肪族、脂環式、および芳香族多価アルコールのうち、い
ずれを用いてもよい。また、これらは単独で使用するこ
とも、あるいは2種類以上を併用することも可能であ
る。1分子中に2個のヒドロキシ基を含むジオールとし
ては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコ
ール、1,3−プロピレングリコール、1,3ーブタン
ジオール、1,4ーブタンジオール、2,2−ジメチル
−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1,6ーヘキサンジオール、1、8ーオクタンジオ
ールの様な脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジ
オール、ビス−1,4−ヒドロキシメチルシクロヘキサ
ンの様な脂環式ジオール、およびヒドロキノンレゾルシ
ン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、4,4’−ジ
ヒドロキシジフェニルエーテル、ビスフェノール−Aの
様な芳香族ジオールが挙げられる。1分子中に3個のヒ
ドロキシ基を有するトリオールとしてはトリメチロール
プロパン、グリセロールなどが挙げられ、1分子中に4
個のヒドロキシ基を有するテトラオールとしてはペンタ
エリスリトールが挙げられる。
【0024】これらの多価アルコールは、本発明のポリ
エーテルエステルを重縮合法で製造する際に、ジカルボ
ン酸および/またはジカルボン酸エステルとポリオキシ
アルキレングリコールとを連結して高分子量化する働き
を持つ。即ち、高分子量のポリエーテルエステルを得る
ためには、ポリオキシアルキレングリコールの末端ヒド
ロキシ基と多価アルコールの持つヒドロキシ基の合計モ
ル数が、ジカルボン酸および/またはジカルボン酸エス
テルの持つカルボキシル基のモル数と厳密に一致しなけ
ればならないが、この関係を満足させるために一般に多
価アルコールをあらかじめ反応系に過剰に仕込んでお
き、過剰な多価アルコールを反応系外へ留去させながら
反応を進める方法が好ましく用いられる。従って、ポリ
オキシアルキレングリコールとジカルボン酸および/ま
たはジカルボン酸エステルの仕込み組成を決めれば、こ
れらの反応系外への留出が無い通常の条件で製造を実施
する場合、得られたポリエーテルエステル中の(c)多
価アルコール成分の割合はほぼ自動的に決まると考えら
れる。
【0025】ポリエーテルエステルを構成する(c)多
価アルコール成分の割合は5〜30重量%である。ポリ
エーテルエステル中の多価アルコール成分としては(c
1)炭素数2〜18のジオール成分が主体で、その0.
005〜5重量%を(c2)炭素数2〜18のトリオー
ルおよび/またはテトラオール成分に置換したものであ
ることが好ましく、より好ましくは0.01〜2重量%
である。ポリエーテルエステル中の(c2)炭素数2〜
18のトリオールおよび/またはテトラオール成分の割
合が0.005重量%未満の場合は、重縮合時の溶融粘
度上昇がゆるやかなために重縮合時間が長く生産性に劣
るほか、ポリエーテルエステルが熱着色しやすく好まし
くない。さらに得られるポリエーテルエステルの溶融粘
度が十分でなく、アクリル系樹脂との組成物を製造する
際に樹脂中に微分散しやすく、帯電防止性能の発現の点
からも好ましくない。一方、(c2)炭素数2〜18の
トリオールおよび/またはテトラオール成分の割合が5
重量%を越える場合は、重縮合時の溶融粘度上昇が急激
で反応が不安定になりやすく、反応器内で固化トラブル
を起こす恐れがある。さらに得られるポリエーテルエス
テルの溶融粘度が高くなり過ぎ、アクリル系樹脂との組
成物を製造する際に樹脂中に分散しにくいため、これま
た帯電防止性能の発現の点からも好ましくない。
【0026】本発明のポリエーテルエステルの製造に用
いられるポリオキシアルキレングリコールとしては、例
えば、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロ
ピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコー
ル、ポリオキシヘキサメチレングリコール、エチレング
リコール/プロピレングリコールブロック共重合体など
が挙げられる。また、これらのポリオキシアルキレング
リコールをヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシジフ
ェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、
ビスフェノール−A等のエチレンオキシド付加体やプロ
ピレンオキシド付加体などで代替することも可能であ
る。これらのうちでも、ポリオキシエチレングリコー
ル、ポリオキシプロピレングリコール、ビスフェノール
−Aのエチレンオキシド付加体やプロピレンオキシド付
加体を用いると、得られるポリエーテルエステルの帯電
防止性能が良好となり好ましい。これらの化合物は、単
独で使用しても、2種類以上を併用しても良い。またポ
リオキシエチレングリコールとポリオキシテトラメチレ
ングリコールを組み合わせて用いると、得られる重縮合
体の帯電防止性能が良好で、かつ機械的強度にも優れた
ものが得られるので、さらに好ましい。
【0027】本発明のポリエーテルエステル中の(a)
ポリオキシアルキレングリコール成分は、数平均分子量
は400〜20000であり、より好ましくは1000
〜12000、さらに好ましくは1500〜10000
である。(a)ポリオキシエチレングリコール成分を2
種類以上併用する場合は、その組成比を勘案して平均分
子量がこの範囲内になるように選ぶのが好ましい。
(a)ポリオキシエチレングリコール成分の数平均分子
量が400未満の場合、得られるポリエーテルエステル
の軟化温度が低くなり、常温でもべとつきやすくなって
取り扱いが困難になる。また吸水性が過大となり、加工
時に含水率の管理を徹底しないと重縮合体の加水分解が
起きやすく実用的ではない。また、この化合物の数平均
分子量が20000を越える場合は、得られるポリエー
テルエステルの帯電防止性能付与効果が低下し、さらに
加工時のポリエーテルエステルの熱分解性が大きくなる
ため、やはり好ましくない。
【0028】さらに、ポリエーテルエステルとアクリル
系樹脂とからなる帯電防止性アクリル樹脂組成物を押出
成形してシート、フィルム状の成形品を製造する際に、
ポリエーテルエステル中の(a)ポリオキシアルキレン
グリコール成分の数平均分子量が2000未満の場合
は、シーティング用ロールの表面に曇り状の付着物が見
られ、成形品外観を損なう恐れがあるので(a)ポリオ
キシアルキレングリコール成分の数平均分子量は200
0以上が特に好ましい。
【0029】本発明のポリエーテルエステルを構成する
(a)ポリオキシアルキレングリコールはジカルボン酸
および/またはジカルボン酸のアルキルエステル、およ
び多価アルコールと重縮合することにより、ポリマー中
にポリエーテルブロック成分として導入しうる。本発明
のポリエーテルエステルを構成する(a)ポリオキシア
ルキレングリコール成分の割合は20〜65重量%であ
り、30〜60重量%が好ましい。(a)ポリオキシア
ルキレングリコール成分の割合が20重量%未満の場合
は、得られるポリエーテルエステルの帯電防止性能の付
与効果が低下し、一方、この割合が65重量%を越える
場合も帯電防止性能の付与効果がやはり低下するので、
いずれも好ましくない。即ち、(a)ポリオキシアルキ
レングリコール成分の割合には、最適な範囲が存在す
る。このような現象が起きる作用機構については、なお
不明な点が多い。帯電防止性能を発現する主体は親水性
のポリエーテルブロック成分と考えられ、この割合が過
少の場合は帯電防止性能の付与効果が低下すると推定さ
れる。一方、この割合が過多の場合は、得られるポリエ
ーテルエステルのアクリル樹脂などとの相容性が良くな
り、樹脂中にかなり微細に分散してしまい、帯電防止性
能の付与に効果的とされる「海ー島構造」という形態的
特徴を発現しにくくなるため、性能が低下してしまうも
のと推定される。
【0030】本発明のポリエーテルエステルは、ヘキサ
フロロイソプロパノールを溶媒として40℃でゲルパー
ミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと略
す)を測定した際に、ポリメチルメタクリレート換算数
平均分子量が5万〜20万であることが好ましく、6万
〜18万がさらに好ましい。このGPC分析を実施する
際には、分子量分布の狭い標準ポリメチルメタクリレー
トを用いて分子量の検量線を作成しておき、クロマトグ
ラムから数平均分子量を算出する。該ポリエーテルエス
テルの数平均分子量が5万未満の場合、ポリマー自体が
やや脆く、さらにアクリル樹脂等とコンパウンドすると
微分散しやすく、帯電防止性の付与効果が低下するので
好ましくない。さらに該ポリマーの金属との密着性が増
し、押出機のバレルやスクリューに滞留しやすくなり、
熱着色の原因となりやすいので好ましくない。一方、該
ポリエーテルエステルの数平均分子量が20万を越える
場合は、アクリル樹脂等とコンパウンドする際に微分散
しにくくなるので、やはり好ましくない。
【0031】また、本発明のポリエーテルエステルはm
ークレゾール中、30℃で測定した相対粘度が1.5〜
4.0であり、好ましくは1.8〜3.5であり、さら
に好ましくは2.0〜3.2である。この相対粘度が
1.5未満では、ポリマー自体の流動性が大きく、アク
リル系樹脂等とコンパウンドした場合に、樹脂中にポリ
エーテルエステルが微分散して帯電防止性能の付与効果
が低下するので好ましくない。一方、相対粘度が4.0
を越える場合は、アクリル系樹脂等とコンパウンドした
場合に、樹脂中にポリエーテルエステルが分散しにくく
なり、やはり帯電防止性能の付与効果が低下するので好
ましくない。
【0032】また、本発明のポリエーテルエステルは、
250℃、シェアレート101 sec-1での見かけせん
断粘度が500〜10000ポイズであり、1000〜
10000ポイズが好ましく、2000〜10000ポ
イズがさらに好ましい。シェアレート101 sec-1
概ね押出成形時のシェアに相当する。見かけせん断粘度
が500ポイズ未満では、加工温度(概ね250〜27
0℃)におけるアクリル系樹脂(一般に見かけせん断粘
度は数千から数万ポイズである)との溶融粘度差が大き
く、アクリル系樹脂中にポリエーテルエステルが微分散
して帯電防止性能が低下するので好ましくない。一方、
見かけせん断粘度が10000ポイズを越える場合は、
コンパウンド時にアクリル系樹脂中にポリエーテルエス
テルが分散しにくく、やはり帯電防止性能が低下するの
で好ましくない。
【0033】また本発明のポリエーテルエステルは、荷
重1kgで測定したメルトフローレートが1g/10分
間以下となる温度、即ち実質的に固化が始まる温度が1
60〜230℃の範囲にあることが好ましく、170〜
220℃の範囲がさらに好ましい。このような特徴を有
することの意義を以下に述べる。本発明のようなポリエ
ーテルエステルを製造する方法としては、温度240〜
280℃の範囲での溶融重縮合法によるのが一般的であ
るが、反応終了後にポリマーを反応器から払い出し、さ
らにポリマー自体の包装やアクリル系樹脂等とのコンパ
ウンディングに便利なように細粒化する工程が実施され
ることが多い。従って、ポリマーが実質的に固化する温
度が230℃を越えて反応温度に接近すると、反応器か
ら払い出されたポリマーの表面は直ちに固くなり始め、
シート状に吐出されたポリマーを冷却ドラムへ巻き取っ
たり、あるいはストランド状に吐出されたポリマーをロ
ールで引き取ってカッターへ導入するなどの工程を安定
して実施することは困難となる。この結果、反応器から
安定してポリマーを払い出すことができず、生産性が著
しく損なわれることになる。一方、ポリマーが実質的に
固化する温度が160℃よりも低くなると、反応器から
払い出されたポリマーがべとつき、やはり後処理工程を
安定して実施することが困難となる。
【0034】本発明のポリエーテルエステルの荷重1k
gでのメルトフローレートが1g/10分間以下となる
温度、即ち実質的に固化が始まる温度を160〜230
℃の範囲にするための方法にはいくつか考えられる。重
縮合ポリマーの固化現象は、ポリマー中のポリエステル
連鎖の結晶性によって概ね規定されると考えられる。従
って、ポリエステル連鎖の結晶性を低下させるために、
ポリエステル連鎖の鎖長を短くする、言い換えればポリ
マー中に組み込むポリエーテルブロックの鎖長を短くし
て、ポリエステルとポリエーテルのいずれのブロックも
短くして連結することが効果的である。またポリエステ
ル連鎖中に結晶性の低い成分を導入することも有効であ
り、例えば脂肪族のジカルボン酸成分を導入することが
行われる。ただし、これらの方法は、いずれもポリマー
の常温でのべとつきの原因ともなり、取り扱いを極めて
困難にするという欠点があるので注意を要する。
【0035】また本発明のポリエーテルエステルをポリ
アルキレングリコール、多価アルコール、およびジカル
ボン酸および/またはジカルボン酸のアルキルエステル
とを重して製造する際に、分子中にスルホン酸塩やリン
酸塩を含有する化合物、例えば、スルホン酸塩を含むイ
ソフタル酸またはそのアルキルエステルを共重縮合さ
せ、ポリエーテルエステル中に導入することも可能であ
る。分子中にスルホン酸塩やリン酸塩を含有する化合物
単位を導入する場合は、ポリエーテルエステル中に0.
2〜20重量%含有されることが好ましく、0.5〜1
0重量%がさらに好ましく、0.5〜3重量%が特に好
ましい。該化合物単位が20重量%を越える場合は、得
られる重縮合ポリマーの吸湿性が過大となり、樹脂組成
物を製造する際の水分コントロールに留意しないと加水
分解を引き起こしやすく、好ましくない。
【0036】本発明のポリエーテルエステルは、カルボ
キシル基含有量が0.1〜15*10-6eq/gであ
り、0.1〜12*10-6eq/gであることが好まし
く、0.1〜10*10-6eq/gであることがさらに
好ましい。カルボキシル基含有量を0.1*10-6eq
/g未満にすることは困難であり、効果は不明である。
カルボキシル基含有量が15*10-6eq/gを越える
場合は、得られたポリエーテルエステルが熱および光劣
化しやすいため、好ましくない。
【0037】本発明のポリエーテルエステルの製造方法
に関しては、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸およ
び/またはそのエステルと炭素数4〜20の脂肪族ジカ
ルボン酸および/またはそのエステルとから選ばれる少
なくとも1種のジカルボン酸および/またはそのエステ
ルを、その2倍モル以上の炭素数2〜18の多価アルコ
ールと混合し、180〜240℃に加熱してエステルオ
リゴマーを生成した後に、数平均分子量が400〜20
000のポリオキシアルキレングリコールおよび分子中
に少なくとも2個のヒドロキシフェニル基を有する安定
剤とを追加し、220〜260℃に加熱して重縮合反応
させることが特徴である。
【0038】炭素数2〜18の多価アルコールは、本発
明のポリエーテルエステルを重縮合法で製造する際に、
ジカルボン酸および/またはジカルボン酸エステルとポ
リオキシアルキレングリコールとを連結して高分子量化
する働きを持つ。即ち、高分子量のポリエーテルエステ
ルを得るためには、多価アルコールをあらかじめ反応系
に過剰に仕込んでおき、過剰な多価アルコールを反応系
外へ留去させながら反応を進める方法が好ましい。この
場合、ジカルボン酸および/またはそのエステルと、そ
の2倍モル以上、好ましくは3倍モル以上の炭素数2〜
18の多価アルコールとを混合してエステル化反応また
はエステル交換反応によりエステルオリゴマーを生成す
ると、生成物中のジカルボン酸ジオール付加体中の「単
量体」、即ち、ジカルボン酸の両方がジオールとエステ
ルを形成した化合物の含有量が向上し、後段反応でポリ
オキシアルキレングリコールと重縮合させる際に、エス
テルオリゴマーのジオール由来末端の数が多いことにな
り反応効率が良くなるので、ポリエステル成分とポリエ
ーテル成分の分布にむらの少ない均一なブロックポリマ
ーを製造することができるので好ましい。一方、多価ア
ルコールをジカルボン酸および/またはそのエステルの
10倍モル以上使用しても、ポリマー物性等に特に効果
が見られず、コストが高くなり好ましくない。
【0039】ジカルボン酸および/またはそのエステル
とその2倍モル以上の炭素数2〜18の多価アルコール
とを混合、反応してエステルオリゴマーを合成する場
合、反応温度は180〜240℃であり、190〜23
0℃が好ましい。反応温度が180℃未満の場合、エス
テル化反応またはエステル交換反応によるエステルオリ
ゴマー生成速度が低く、生産性が劣るので好ましくな
い。一方、反応温度が240℃を越える場合は、反応生
成物の水または炭素数2〜18のアルコールと共に、2
倍モル以上仕込んでいる多価アルコールが反応系外へ留
出しやすく、ジカルボン酸および/またはそのエステル
と炭素数2〜18の多価アルコールとのモル比の仕込み
組成からのずれが大きくなり、好ましくない。また、高
温条件では原料および生成物の熱劣化により着色もしや
すくなるため、やはり好ましくない。
【0040】本発明のポリエーテルエステルの製造方法
においては、一般的には、例えば、ポリオキシアルキレ
ングリコール10〜60重量%、ジカルボン酸および/
またはジカルボン酸エステル20〜60重量%、および
多価アルコール5〜50重量%からなる原料混合物を反
応器に仕込み、溶媒の存在下または不存在下で、反応中
に生成する水もしくはアルコールを反応器外へ除去しな
がらエステル化反応またはエステル交換反応によりエス
テルオリゴマーを生成さる。水もしくはアルコールを反
応器外へ除去するには、一般的には窒素ガスを流すのが
良い。
【0041】本発明のポリエーテルエステルの製造方法
においては、ジカルボン酸および/またはそのエステル
と炭素数2〜18の多価アルコールとからエステルオリ
ゴマーを生成した後に、数平均分子量が400〜200
00のポリオキシアルキレングリコール追加し、さらに
重縮合させてポリエーテルエステルを製造する。これ
は、熱劣化しやすいポリオキシアルキレングリコールの
熱履歴をできるだけ短時間にするためと、生成物中のジ
カルボン酸ジオール付加体中の「単量体」、即ち、ジカ
ルボン酸の両方がジオールとエステルを形成した化合物
の含有量を向上させるためである。
【0042】さらに後段の重縮合時には、分子中に少な
くとも2個、さらに好ましくは3個以上のヒドロキシフ
ェニル基を有する安定剤を反応系内に追加することが好
ましい。通常の分子中に1個のヒドロキシフェニル基を
有する安定剤単独では、顕著な熱安定化効果は見られ
ず、ポリエーテルエステルのカルボキシル基含有量を低
減することが困難である。このような安定剤としては、
例えば、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
ベンゼン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒド
ロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、N,N’−
ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシケイ皮アミド、4,4’−ビス(2,6−ジ−
t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4
−エチル−6−t−ブチルフェノール)、ペンタエリス
リチルテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等が挙げられ
る。これらの安定剤は単独で使用しても、2種類以上を
併用しても良い。さらに、通常の分子中に1個のヒドロ
キシフェニル基を有する安定剤と併用することも差し支
えない。これらの安定剤は生成ポリエーテルエステル1
00重量部に対して0.01〜5重量部添加しておくこ
とが好ましい。これらの安定剤は原料にあらかじめ混合
して重縮合反応時に共存させる。あるいは反応途中に反
応器に追加することもできる。
【0043】本発明のポリエーテルエステルの製造方法
においては、後段の重縮合を220〜270℃、好まし
くは230〜260℃の温度で、好ましくは1トール以
下の真空度で反応系外へジオールを留去しながら実施す
るのが好ましい。反応温度が220℃未満の場合は、活
性化エネルギーの点から、また副生するジオールの系外
への留去しやすさというからも反応速度が低くなるた
め、好ましくない。反応温度が270℃を越える場合
は、反応速度は速くなる傾向があるものの、生成ポリマ
ーの熱分解も伴うため、分子量上昇が頭打ちとなりやす
く、さらにポリマー中のカルボキシル基含有量が増すた
め、やはり好ましくない。
【0044】本発明のポリエーテルエステルを製造する
際には、酢酸マンガン、酢酸カルシウム、酢酸コバル
ト、酢酸亜鉛、三酸化アンチモン、チタンテトラアルコ
キシド、有機ジルコニウム化合物等を触媒として用いる
と、反応時間を短縮でき、その結果、反応中の重縮合体
の着色、劣化が防止できるので好ましい。本発明のポリ
エーテルエステルは、それ自体で、または分子中に2個
以上のエポキシ基を含む化合物とを付加反応させて高分
子量化した後に、アクリル系樹脂に混合して帯電防止性
樹脂組成物を製造することが可能である。さらにこの樹
脂組成物を押出成形して帯電防止性シートを製造した
り、射出成形して帯電防止性の各種成形品を製造するこ
ともできる。
【0045】アクリル系樹脂としては、メチルメタクリ
レート単位単独、あるいはそれと30重量%以下の共重
合可能な他の単量体単位とからなるものが好ましい。メ
チルメタクリレート単位70〜99重量%、およびこれ
と共重合可能な他の単量体単位1〜30重量%からなる
ものが好ましく、共重合可能な他の単量体としては、ア
ルキル基の炭素数が2〜18のアルキルメタクリレー
ト、アルキル基の炭素数が1〜18のアルキルアクリレ
ートのほか、アクリル酸やメタクリル酸等のα,β−不
飽和酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和
基含有二価カルボン酸、スチレン、α−メチルスチレ
ン、核置換スチレン等の芳香族ビニル化合物、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル、無水マレイン酸、マレ
イミド、N−置換マレイミド等が挙げられ、これらは単
独で使用してもよく、また2種類以上を併用してもよ
い。またメチルメタクリレートとメタクリル酸あるいは
アクリル酸との共重合体には、それを熱処理して脱アル
コール反応あるいは脱水反応を行い六員環酸無水物単位
を生成した重合体、およびアンモニアやアミンとイミド
化反応させ、六員環イミド単位を生成した重合体も含ま
れる。これらのなかでも、共重合体の耐光性、耐熱分解
性や流動性の観点から、メチルアクリレート、エチルア
クリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルア
クリレート、s−ブチルアクリレート、2−エチルヘキ
シルアクリレート等が好ましく用いられ、メチルアクリ
レート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート
が特に好ましい。
【0046】アクリル系樹脂としてはは、クロロホルム
中25℃における還元粘度が30〜90ml/gであ
り、35〜85ml/gのものが好ましく、50〜75
ml/gのものがさらに好ましい。還元粘度が30ml
/g未満の場合は、得られる帯電防止性樹脂組成物の機
械強度が低下し、一方、還元粘度が90ml/gを越え
る場合は、得られる帯電防止性樹脂組成物の流動性が低
下して押出成形や射出成形が困難となるので、いずれも
好ましくない。
【0047】このようなアクリル系樹脂の製造方法とし
ては特に制限は無く、懸濁重合、乳化重合、塊状重合、
あるいは溶液重合等の公知の方法のいずれを用いてもよ
い。重合開始剤としては、通常のパーオキサイド系やア
ゾ系のラジカル重合開始剤を用いることができ、これと
還元剤とを組み合わせてレドックス系開始剤として実施
しても良い。アルキルリチウムなどを用いたアニオン重
合法、有機金属錯体を用いた配位重合法、グループトラ
ンスファー重合法などを用いて得られたアクリル系樹脂
を使用してもさしつかえない。重合温度は、懸濁重合ま
たは乳化重合では30〜120℃、塊状または溶液重合
では80〜170℃で実施するのが一般的である。該ア
クリル系樹脂の還元粘度を制御するために、アルキルメ
ルカプタン等を連鎖移動剤として用いて実施してもよ
い。その他、多層構造アクリルゴムなどを配合した耐衝
撃性アクリル系樹脂組成物をも使用できる。
【0048】なお、本発明のポリエーテルエステルを混
合して帯電防止性樹脂組成物を製造することが可能な熱
可塑性樹脂としては、上記のアクリル系樹脂以外にもポ
リカーボネート樹脂、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチ
レン、非晶性コポリエステルなどの樹脂を使用すること
もできる。本発明のポリエーテルエステルとアクリル系
樹脂とを混合して帯電防止性アクリル系樹脂組成物を製
造する場合には、該ポリエーテルエステルを3〜40重
量%、好ましくは5〜20重量%とアクリル系樹脂60
〜97重量%、好ましくは80〜95重量%とを混合し
て使用するのが好ましい。該ポリエーテルエステルが3
重量%未満の場合は、得られるアクリル系樹脂組成物の
帯電防止性能が十分でなく、一方、該ポリエーテルエス
テルが40重量%を越える場合は、得られるアクリル系
樹脂組成物の機械強度が低下してやはり好ましくない。
帯電防止性樹脂組成物を製造するための混合方法には特
に制限は無い。ドラムブレンダーやヘンシェルミキサー
で混合する方法や、これらの方法で混合したあと押出機
を用いて200〜280℃の温度で造粒する方法等があ
る。押出混合する場合は、ポリエーテルエステルの熱分
解および加水分解を抑制するために、押出温度、該重縮
合体の水分、押出機内の窒素パージ等に留意して実施す
ることが好ましい。
【0049】本発明のポリエーテルエステルとアクリル
系樹脂とを混合して帯電防止性アクリル系樹脂組成物を
製造する場合に、帯電防止性能をさらに向上させるた
め、有機スルホン酸塩と有機リン酸塩から選ばれた少な
くとも1種の化合物を併用しても良い。これらの化合物
の例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸、p−トル
エンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸の様な芳香族ス
ルホン酸、ラウリルスルホン酸、ステアリルスルホン酸
等のアルキルスルホン酸、亜リン酸ジフェニル、リン酸
ジフェニル等の有機リン酸等のアルカリ金属塩やアルカ
リ土類金属塩等が挙げられる。樹脂組成物の帯電防止効
果の点から、ナトリウム塩やカリウム塩が好ましい。有
機スルホン酸塩や有機リン酸塩の配合量は帯電防止性樹
脂組成物100重量部に対して0.05〜5重量部が好
ましい。5重量部を越える場合は得られる樹脂組成物の
機械強度が低下し、また樹脂組成物が着色しやすくなる
ので、好ましくない。
【0050】本発明のポリエーテルエステルとアクリル
系樹脂とを混合して帯電防止性アクリル系樹脂組成物を
製造する場合に、帯電防止性能を損なわない範囲で、例
えば、各種の染料、顔料、メチルメタクリレート/スチ
レン共重合体ビーズなどの有機系光拡散剤、硫酸バリウ
ム、酸化チタン、炭酸カルシウム、タルクなどの無機系
光拡散剤、ヒンダードフェノール系、リン酸塩系などの
熱安定剤、酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系、2ーヒ
ドロキシベンゾフェノン系、サリチル酸フェニルエステ
ル系などの紫外線吸収剤、フタル酸エステル系、脂肪酸
エステル系、トリメリット酸エステル系、リン酸エステ
ル系、ポリエステル系などの可塑剤、高級脂肪酸、高級
脂肪酸エステル、高級脂肪酸のモノ、ジ、またはトリグ
リセリドなどの離型剤、高級脂肪酸エステル、ポリオレ
フィン系などの滑剤、リン系、リン/塩素系、リン/臭
素系などの難燃剤、ガラス繊維、炭素繊維などの補強剤
等を混合して使用しても良い。
【0051】特に帯電防止性アクリル系樹脂組成物の熱
安定化のためには、ポリエーテルエステルとアクリル系
樹脂の合計100重量部に対して、分子中にヒドロキシ
フェニル基を少なくとも2個有する安定剤0.005〜
5重量部を含有することが好ましい。このような安定剤
の例は前述した。さらに帯電防止性アクリル系樹脂組成
物の光(紫外線)および熱安定化のためには、ポリエー
テルエステルとアクリル系樹脂の合計100重量部に対
して、分子中に少なくとも1個のトリアジン環を有する
安定剤0.005〜5重量部を含有することが好まし
い。このような安定剤の例としては、2−(4,6−ジ
フェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−
[(ヘキシル)オキシ]−フェノールなどが挙げられ
る。
【0052】本発明のポリエーテルエステルとアクリル
系樹脂とを混合して得られた帯電防止性アクリル系樹脂
組成物は、押出成形により帯電防止性シートやフィルム
を製造したり、射出成形することにより各種成形品を製
造することができる。これらの成形加工は樹脂の焼けや
劣化を防ぐため、樹脂温度180〜270℃の範囲で実
施することが好ましい。
【0053】
【発明の実施の形態】以下に実施例と比較例を用いて本
発明の実施の形態をさらに具体的に説明するが、本発明
はこれによって何ら制限されるものではない。なお、用
いた評価および試験方法を以下に示す。 1.相対粘度 ポリマー0.25gを精秤し、m−クレゾール50ml
に溶解してオストワルド粘度計No.3を用いて、30
℃で流下時間を測定した。溶解に使用したm−クレゾー
ルについても同様に流下時間を測定した。相対粘度は、
ポリマーのm−クレゾール溶液の流下時間とm−クレゾ
ールの流下時間の比として算出した。 2.ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
C) 試料5mgをヘキサフロロイソプロパノール5mlに溶
解し、昭和電工製カラムHFIP8120を付けたGP
C測定装置(東ソー製HLC8120型)を用い、ヘキ
サフロロイソプロパノールを溶媒とし、カラム温度40
℃にて測定を実施した。あらかじめ標準ポリメチルメタ
クリレートを用いて同様の測定を行い、溶出時間と分子
量との検量線を作成しておき、クロマトグラムから試料
の数平均分子量を算出した。 3.ポリマー組成1 H−NMR分析を行い、各成分に対応するシグナルの
強度比からポリマー組成を求めた。 4.見かけせん断粘度 東洋精機製メルトインデクサーを用いて、荷重を変えな
がら250℃でのメルトフローレート(MFR)を測定
し、このデータからシェアレートと見かけせん断粘度と
をプロットしたグラフを作成した。グラフから、シェア
レート101 sec-1での見かけせん断粘度を読み取っ
た。 5.カルボキシル基含有量 試料0.3gを試験管に秤量し、ベンジルアルコール5
gを加えて窒素流通下190℃で5分間加熱して溶解し
た。この溶液を40gのクロロホルム中に注ぎ、試験管
内部を15gの熱ベンジルアルコールと10gのクロロ
ホルムで洗い、それぞれの洗液を加えて滴定用試料液と
した。水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液
(0.1N)でフェノールフタレインを指示薬として滴
定し、水酸化ナトリウム所要量からカルボキシ末端含有
量を算出した。 6.表面固有抵抗Rs 東亜電波工業製の絶縁抵抗計ウルトラメグオームメータ
ーSM−8200シリーズSME8311型を用いて、
23℃、相対湿度50%の環境で成形品に500Vを4
5秒間印加し、15秒後の表面固有抵抗を測定した。
【0054】また、下記の略号を用いた。 EG :エチレングリコール PEG(1500):ポリオキシエチレングリコール。 なお、( )内の数字は数平均分子量を示す。 SIPM :5−スルホイソフタル酸ジメチル・ナトリウム塩 SIP :5−スルホイソフタル酸・ナトリウム塩 DBS :ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム なお部数は特に断らない限り、重量部を示す。
【0055】
【実施例1】 ポリエーテルエステル(A−1) 攪拌機、窒素導入管、留去管を備えた耐圧反応器にテレ
フタル酸ジメチル71重量部、エチレングリコール68
重量部および酢酸マンガン2水和物0.02重量部を仕
込み、180〜220℃で3時間加熱して、生成するメ
タノールを留去しながらエステル交換反応を実施した。
次に、反応器へ数平均分子量1500のポリオキシエチ
レングリコール30重量部、三酸化アンチモン0.06
重量部、トリメチルホスフェート0.02重量部、「イ
ルガノックス1330」(チバガイギ−製)0.5重量
部、および「トパノールCA」0.02重量部を追加
し、270℃に昇温した。反応器内を徐々に減圧し、過
剰のエチレングリコールを留去しつつ内圧を1トール以
下に保ち4時間重縮合反応を実施した。その後反応器内
に窒素で圧力をかけながら底部のバルブを開け、ポリマ
ーをノズルからストランド状に排出し、水浴槽で冷却後
にペレタイザーでカットしてペレットを得た。ポリマー
の排出状態は安定し、カッティング性も良好であった。
【0056】得られたポリエーテルエステル(A−1)
の相対粘度は1.8であり、GPC分析の結果、ポリメ
チルメタクリレート換算の数平均分子量は7.4万であ
った。1 H−NMR分析の結果、その組成は、ポリエー
テル成分30重量%、ジカルボン酸(テレフタル酸)成
分55重量%、多価アルコール(エチレングリコール)
成分15重量%であった。また、250℃、シェアレー
ト101 sec-1での見かけせん断粘度は800ポイズ
であった。さらにカルボキシル基を定量したところ、8
*10-6eq/gであった。結果を表1および3に示
す。
【0057】
【実施例2】 ポリエーテルエステル(A−2) 攪拌機、窒素導入管、留去管を備えた耐圧反応器にテレ
フタル酸ジメチル46重量部、セバシン酸ジメチル15
重量部、エチレングリコール56重量部、および酢酸マ
ンガン2水和物0.008重量部を仕込み、190〜2
20℃で3時間加熱して、生成するメタノールを留去し
ながらエステル交換反応を実施した。次に、反応器へ数
平均分子量5000のポリオキシエチレングリコール4
0重量部、三酸化アンチモン0.06重量部、トリメチ
ルホスフェート0.02重量部、「イルガノックス13
30」(チバガイギ−製)0.5重量部、および「トパ
ノールCA」0.02重量部を追加し、内温を250℃
に昇温した。反応器内を徐々に減圧し、過剰のエチレン
グリコールを留去しつつ内圧を1トール以下に保ち3時
間重縮合反応を実施した。その後は実施例1と同様に行
い、ポリエーテルエステル(A−2)を得た。
【0058】得られたポリエーテルエステル(A−2)
の相対粘度は1.9であり、GPC分析の結果、ポリメ
チルメタクリレート換算の数平均分子量は7.8万であ
った。1 H−NMR分析を実施し、その組成は、ポリエ
ーテル成分40重量%、ジカルボン酸(テレフタル酸、
セバシン酸)成分47重量%、多価アルコール(主にエ
チレングリコール)成分13重量%の結果であった。ま
た、250℃、シェアレート101 sec-1での見かけ
せん断粘度は900ポイズであった。さらにカルボキシ
ル基を定量したところ、5*10-6eq/gであった。
結果を表1および3に示す。
【0059】
【実施例3〜9】 ポリエーテルエステル(A−3)〜(A−9) 仕込み組成を表1のように変えた以外は実施例2と同様
にして行った。得られたポリエーテルエステルの製造結
果を表3にまとめて示した。
【0060】
【比較例1、2】 ポリエーテルエステル(A−10)、(A−11) 仕込み組成を表2のように変えた以外は実施例2と同様
にして行った。得られたポリエーテルエステルの製造結
果を表3に示した。
【0061】
【比較例3】 ポリエーテルエステル(A−12) 仕込み組成を表2のように変え、また重縮合反応を26
0℃、2時間で終了した以外は実施例2と同様にして行
った。得られたポリエーテルエステルの製造結果を表3
に示した。
【0062】
【比較例4】 ポリエーテルエステル(A−13) 仕込み組成を表2のように変えた以外は実施例2と同様
にして行った。得られたポリエーテルエステルの製造結
果を表3に示した。
【0063】
【比較例5】 ポリエーテルエステル(A−14) 安定剤として「イルガノックス1330」(チバガイギ
−製)を用いず、「トパノールCA」のみを0.5重量
部用いた以外は比較例2と同様にして行った。得られた
ポリエーテルエステルの製造結果を表3に示した。
【0064】
【参考例1】実施例4で得られたポリエーテルエステル
(A−4)15重量部、MMA単位/MA単位=94/
6重量比でクロロホルム中25℃で測定した還元粘度が
70ml/gのアクリル樹脂(B−1)85重量部、イ
ルガノックス1330(C−1)0.4重量部、チヌビ
ン1577(D−1)0.3重量部、ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム0.5重量部とをドラムブレンダ
ーで混合し、30mm二軸押出機を用いて樹脂温度約2
60℃で混練、造粒した。
【0065】得られたペレットを幅約30cmのTダイ
を付けた50mm単軸押出機から樹脂温度約260℃で
押出し、表面温度約100℃のポリシングロールの間隔
を調整して、厚さ約2mmのシート状に成形した。成形
中にポリシングロール表面の曇りやTダイのリップへの
目やに状付着物は認められなかった。このシートから試
験片を切り出し、23℃、相対湿度50%の恒温室内に
置いて24時間後に表面固有抵抗値Rsを測定したとこ
ろ、5×1011Ωであった。また試験片を水道水を流し
ながら布で軽く60回ぬぐい、水滴を拭き取ってから恒
温室内に置いて15時間後に表面固有抵抗値Rsを測定
したところ、9×10 11Ωであり、大きな性能低下は見
られなかった。さらに400W高圧水銀灯で75℃の雰
囲気下、約50cmの距離から30日間照射した後に上
記の恒温室内に置き、24時間後の表面固有抵抗値Rs
を測定したところ、8×1011Ωであった。
【0066】
【参考例2】比較例5で得られたポリエーテルエステル
(A−11)を用いた以外は、参考例1と同様にしてシ
ートを得た。ロールの表面に曇り状の付着物が見られ
た。このシートから試験片を切り出し、23℃、相対湿
度50%の恒温室内に置いて24時間後に表面固有抵抗
Rsを測定したところ、7×1014Ωであり、帯電防止
性能は不十分であった。また試験片を水道水を流しなが
ら布で軽く60回ぬぐい、水滴を拭き取ってから恒温室
内に置いて15時間後に表面固有抵抗値Rsを測定した
ところ、4×1015Ωに性能低下した。さらに400W
高圧水銀灯で75℃の雰囲気下、約50cmの距離から
30日間照射した後に上記の恒温室内に置き24時間後
の表面固有抵抗値Rsを測定したところ、7×1015Ω
であった。
【0067】
【参考例3】 1.ポリエーテルエステルアミド(X−1)の製造 数平均分子量1500のポリオキシエチレングリコール
とε−カプロラクタムを主原料として、さらにテレフタ
ル酸を連結剤として用いて、公知の方法で共重縮合し
た。得られたポリエーテルエステルアミド系ポリマーの
相対粘度は2.1で1 H−NMR分析により、組成はポ
リオキシエチレングリコール成分60重量%、テレフタ
ル酸成分8重量%、およびカプロラクタム成分32重量
であった。1kg荷重でのメルトフローレートが1g/
10分間以下になる温度は180℃であった。また、2
50℃、シェアレート101 sec-1での見かけせん断
粘度は2900ポイズであった。 2.帯電防止性樹脂組成物の製造と評価 1.で製造したポリエーテルエステルアミド(X−1)
15重量部を用い、安定剤として、イルガノックス24
5(C−2)0.1重量部とチヌビン234(D−2)
0.3重量部とを用いた以外は参考例1と同様にして行
ったところ、約30分間の連続運転でポリシングロール
表面の曇りやTダイリップの目やに状付着物が見られ、
シートの表面に着色した目やにが付着し、参考例1に比
べて外観の劣るものしか得られなかった。
【0068】
【参考例4】参考例1で用いたアクリル樹脂(B−1)
89.5重量部、分子量5000のポリエチレングリコ
ール10重量部、およびドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム0.5重量部とをドラムブレンダーで混合し、
30mm二軸押出機を用いて樹脂温度約260℃で混
練、造粒した。
【0069】以下は、参考例1と同様に実施したが、得
られたシートの表面抵抗値Rsは3×1010Ω、水拭き
後の表面抵抗値Rsは8×1015Ωであり、帯電防止性
能の持続性に関して著しく劣るものであった。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】
【表3】
【0073】
【発明の効果】本発明のポリエーテルエステルはアクリ
ル系樹脂などの熱可塑性樹脂に混合して持続型の帯電防
止性樹脂組成物を製造するための高分子型帯電防止剤と
して好適である。また本発明のポリエーテルエステル
は、アクリル系樹脂等に混合して帯電防止性押出板や成
形材料を製造する場合、コンパウンド時や押出成形時に
熱着色しにくく、かつ架橋やゲル化も発生しないために
極めて外観が良好で帯電防止性能の持続性に優れた製品
が得られる。さらに押出板製造用ポリシングロールや射
出成形用金型の曇りが発生しにくく、表面外観の良好な
製品を安定して得られる。従って、本発明のポリエーテ
ルエステルは照明器具カバー、半導体部品の輸送容器、
クリーンルーム内で使用する器具、プロジェクションテ
レビの前面板、光学レンズ等の帯電やほこり付着を嫌う
用途に使用される帯電防止性樹脂組成物を製造するのに
好適である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子内に数平均分子量が400〜200
    00のポリオキシアルキレングリコールセグメントより
    なるポリエーテル成分を20〜65重量%含み、m−ク
    レゾール中30℃で測定した相対粘度が1.5〜4.0
    であって、カルボキシル基含有量が0.1〜15*10
    -6 eq/gであるポリエーテルエステル。
  2. 【請求項2】 250℃、シェアレート101 sec-1
    での見かけせん断粘度が500〜10000ポイズであ
    る特許請求範囲第1項記載のポリエーテルエステル。
  3. 【請求項3】 (a)数平均分子量が400〜2000
    0のポリオキシアルキレングリコール成分20〜65重
    量%、(b)ジカルボン酸成分20〜65重量%、およ
    び(c)多価アルコール成分5〜30重量%からなる特
    許請求範囲第1、2項記載のポリエーテルエステル。
  4. 【請求項4】 特許請求第1〜3項記載のポリエーテル
    エステルからなる帯電防止剤。
  5. 【請求項5】 (b1)炭素数8〜20の芳香族ジカル
    ボン酸および/またはそのエステルと(b2)炭素数4
    〜20の脂肪族ジカルボン酸および/またはそのエステ
    ルとから選ばれる少なくとも1種の(b)ジカルボン酸
    および/またはそのエステルを、その2〜10倍モルの
    (c)炭素数2〜18の多価アルコールと混合し、18
    0〜240℃に加熱してエステルオリゴマーを生成した
    後に、数平均分子量が400〜20000の(a)ポリ
    オキシアルキレングリコールおよび分子中に少なくとも
    2個のヒドロキシフェニル基を有する安定剤とを追加
    し、220〜270℃に加熱して重縮合反応させること
    を特徴とするポリエーテルエステルの製造方法。
JP9731397A 1997-04-15 1997-04-15 帯電防止用ポリエーテルエステルおよびその製造方法 Pending JPH10287739A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9731397A JPH10287739A (ja) 1997-04-15 1997-04-15 帯電防止用ポリエーテルエステルおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9731397A JPH10287739A (ja) 1997-04-15 1997-04-15 帯電防止用ポリエーテルエステルおよびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10287739A true JPH10287739A (ja) 1998-10-27

Family

ID=14189008

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9731397A Pending JPH10287739A (ja) 1997-04-15 1997-04-15 帯電防止用ポリエーテルエステルおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10287739A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001233950A (ja) * 2000-02-24 2001-08-28 Mitsubishi Engineering Plastics Corp 共重合ポリエステルエーテル及びそれからなるフィルム
WO2003050160A1 (en) * 2001-12-06 2003-06-19 Eastman Chemical Company Antistatic polyester-polyethylene glycol compositions
CN116515120A (zh) * 2023-06-07 2023-08-01 中石油(上海)新材料研究院有限公司 一种含三嗪环的聚酰胺弹性体及其制备方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001233950A (ja) * 2000-02-24 2001-08-28 Mitsubishi Engineering Plastics Corp 共重合ポリエステルエーテル及びそれからなるフィルム
WO2003050160A1 (en) * 2001-12-06 2003-06-19 Eastman Chemical Company Antistatic polyester-polyethylene glycol compositions
CN116515120A (zh) * 2023-06-07 2023-08-01 中石油(上海)新材料研究院有限公司 一种含三嗪环的聚酰胺弹性体及其制备方法
CN116515120B (zh) * 2023-06-07 2024-01-26 中石油(上海)新材料研究院有限公司 一种含三嗪环的聚酰胺弹性体及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH10287738A (ja) 帯電防止用ポリエーテルエステル
JPH073104A (ja) フッ化ビスフェノールaを含むポリカーボネート及びポリメチルメタクリレートを含む組成物
KR100943648B1 (ko) 이형압출성형가공용 폴리에스테르 수지 조성물 및 그 성형품
JP3048573B2 (ja) 紫外線吸収性ポリマ―およびそれを用いた耐候性樹脂組成物
JPH10287739A (ja) 帯電防止用ポリエーテルエステルおよびその製造方法
JPH10287791A (ja) 帯電防止性アクリル系樹脂組成物およびその成形品
JPH11140173A (ja) ポリエーテルエステル
JPH10286917A (ja) 帯電防止性アクリル系樹脂積層板
JPH1129685A (ja) 帯電防止性アクリル系樹脂組成物
JPH10287740A (ja) ポリエーテルエステル重縮合体
JPH10298263A (ja) ウレタン結合を含むポリエーテルエステル
JPH10298273A (ja) 高分子量ポリエーテルエステル
JPH10298272A (ja) カルボキシル化ポリエーテルエステル
JPH10251389A (ja) ポリエーテルエステル重縮合体
CN117881718A (zh) 聚酯/聚酯弹性体组合物
CN117529513A (zh) 制造包含聚酯/聚酯弹性体组合物的制品的方法
JPH1129630A (ja) ポリエーテルエステル重縮合体
JP3626589B2 (ja) ポリエステル系ブロックポリマー
JPH10139871A (ja) 重縮合ポリマー
JPH10139872A (ja) 帯電防止用ポリマー
JPH10251472A (ja) 帯電防止性アクリル系樹脂組成物
JPS60104155A (ja) 樹脂組成物
JPH1060212A (ja) 光安定化された帯電防止性アクリル系樹脂組成物
JPS60170660A (ja) ポリエステルブロツク共重合体組成物
JPH1060237A (ja) 熱安定化されたポリエーテルエステル組成物