JPH10287841A - 水性顔料分散体およびそれを用いた水性インクジェット記録液 - Google Patents

水性顔料分散体およびそれを用いた水性インクジェット記録液

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JPH10287841A
JPH10287841A JP9540397A JP9540397A JPH10287841A JP H10287841 A JPH10287841 A JP H10287841A JP 9540397 A JP9540397 A JP 9540397A JP 9540397 A JP9540397 A JP 9540397A JP H10287841 A JPH10287841 A JP H10287841A
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JP
Japan
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aqueous
pigment
recording liquid
pigment dispersion
surface area
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JP9540397A
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English (en)
Inventor
Hisatsugu Uraki
久嗣 浦木
Shinya Fujimatsu
慎也 藤松
Jun Satake
順 佐武
Yasuharu Iida
保春 飯田
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Artience Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】分散安定性に優れる水性顔料分散体、ならびに
初期、経時および吐出の安定性に優れる顔料分散タイプ
の水性インクジェット記録液の提供。 【解決手段】窒素ガスの比表面積(Sn)が60m2/g
以上200m2/g以下、炭酸ガスの比表面積(Sc)と
窒素ガスの比表面積(Sn)の比(Sc/Sn)が0.
1以上0.4以下である顔料と、HLBが11以上40
以下である界面活性剤とを水性媒体中に分散させてなる
ことを特徴とする水性顔料分散体、および該水性顔料分
散体を着色剤として含むことを特徴とする水性インクジ
ェット記録液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,分散安定性に優れ
る水性顔料分散体およびそれを着色剤として含む水性イ
ンクジェット記録液に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりインクジェット用記録液として
は,特開昭53−61412号公報,特開昭54−89
811号公報,特開昭55−65269号公報に開示さ
れているように,酸性染料,直接染料,塩基性染料等の
水溶性染料をグリコール系溶剤と水に溶解したものがよ
く用いられている。しかし,水溶性染料としては,記録
液の安定性を得るため水に対する溶解性の高いものが一
般的に用いられるので,インクジェット記録物は一般的
に耐水性が悪く,水をこぼしたりすると容易に記録部分
の染料のにじみを生じるという問題があった。
【0003】このような耐水性の不良を改良するため,
特開昭56−57862号公報に開示されているよう
に,染料の構造を変えたり,塩基性の強い記録液を調製
することが試みられている。また,特開昭50−490
04号公報,特開昭57−36692号公報,特開昭5
9−20696号公報,特開昭59−146889号公
報に開示されているように,記録紙と記録液との反応を
うまく利用して耐水性の向上を図ることも行われてい
る。これらの方法は,特定の記録紙については著しい効
果をあげているが,記録紙の制約を受けるという点で汎
用性に欠け,また特定の記録紙以外を用いた場合には,
記録物の充分な耐水性が得られないことが多い。
【0004】また,耐水性の良好な記録液としては,油
溶性染料を高沸点溶剤に分散ないし溶解したもの,油溶
性染料を揮発性の溶剤に溶解したものがあるが,溶剤の
臭気や溶剤の排出の問題があり,環境上好ましくない。
また,大量の記録を行う場合や装置の設置場所によって
は,溶剤回収等が必要になる等の問題がある。そこで,
記録物の耐水性をよくするために,水系媒体に顔料を分
散した顔料分散タイプの記録液の開発が行われている。
しかしながら,顔料分散タイプの記録液においては,着
色剤を染料から顔料へ切り替え,さらには顔料を微粒子
化することによって記録物の耐水性を向上させたもの
の,初期および経時あるいは吐出の安定性で問題が発生
している。
【0005】これは,染料溶解タイプの記録液の場合は
染料が媒体に溶解しているのに対し,顔料分散タイプの
記録液の場合は顔料が媒体中で粒子として存在してお
り,凝集あるいは沈降してしまうためであると考えられ
る。顔料の分散性を向上させるためには,顔料と分散剤
との親和性を良好にし,顔料が凝集および沈降しないよ
うにする方法がある。しかし,顔料と分散剤との親和性
を評価する指標がないため,各種の顔料に様々な種類の
分散剤を検討するしかなかった。また,顔料の分散性を
向上させるためには,処理の方法および程度と分散性と
の関係を評価する指標がなかった。そのため,分散性の
良好な記録液を得るには多くの時間を要した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は,分散
安定性に優れる水性顔料分散体、ならびに初期、経時お
よび吐出の安定性に優れる顔料分散タイプの水性インク
ジェット記録液を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、窒素ガスは
顔料表面に物理的かつ均一に吸着し、炭酸ガスは水分子
と同様な極性構造をとっているため顔料表面の親水性部
分に吸着すること、およびその比によって顔料の表面特
性を数値化でき、顔料の水性媒体中における分散安定性
を評価する指標となることを見出した。さらに具体的に
説明すると、本発明者は、窒素ガスの比表面積(Sn)
が60m2/g以上200m2/g以下、炭酸ガスの比表面
積(Sc)と窒素ガスの比表面積(Sn)の比(Sc/
Sn)が0.1以上0.4以下である顔料とHLBが1
1以上40以下である界面活性剤とを水性媒体中に分散
させてなる水性顔料分散体は分散安定性に優れ、該水性
分散体を着色剤として含む水性インクジェット記録液
は、分散および吐出安定性に優れることを見出し、本発
明に至った。
【0008】すなわち、本発明は、窒素ガスの比表面積
(Sn)が60m2/g以上200m2/g以下、炭酸ガス
の比表面積(Sc)と窒素ガスの比表面積(Sn)の比
(Sc/Sn)が0.1以上0.4以下である顔料と、
HLBが11以上40以下である界面活性剤とを水性媒
体中に分散させてなることを特徴とする水性顔料分散体
に関する。また、本発明は、顔料が、フタロシアニン系
顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、
キノフタロン系顔料およびカーボンブラックから選ばれ
る少なくとも1種の顔料であることを特徴とする上記水
性顔料分散体に関する。また、本発明は、顔料と界面活
性剤との重量比が、9:1〜5:5であることを特徴と
する上記水性顔料分散体に関する。また、本発明は、上
記水性顔料分散体を着色剤として含むことを特徴とする
水性インクジェット記録液に関する。さらに、本発明
は、水性樹脂を含むことを特徴とする上記水性インクジ
ェット記録液に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】窒素ガスおよび炭酸ガスの比表面
積は、測定された標準状態でのガスの容積に下記のBE
Tの等温吸着式を適用してガス分子の単分子層吸着量
(Vm)を算出し、算出された単分子層吸着量(Vm)
から下記の比表面積算出式により算出する。なお、窒素
ガスの分子占有断面積は0.162nm2 ,炭素ガスの
分子占有断面積は0.170nm2 として計算を行っ
た。
【0010】BETの等温吸着式 x/(V・(1−x))=1/(Vm・C)+((C−
1)/(Vm・C))x x :相対圧(=P/Po) P:ガスの分圧 Po:
飽和蒸気圧 V :相対圧xの時の吸着量 Vm:単分子層吸着量(標準状態) C :定数>0
【0011】比表面積算出式 S=s×Vm/Vo×KA S :比表面積[m2/g] s :分子占有断面積[m2] Vm:単分子層吸着量[cm3(標準状態)/g] Vo:22414[cm3(標準状態)] KA :アボガドロ数
【0012】単分子層吸着量(Vm)の算出法について
具体的に説明すると、横軸にx、縦軸にx/(V・(1
−x))をプロットすることにより、傾き(C−1)/
(Vm・C)、切片1/(Vm・C)の直線が得られ、
これからVmとCを求めることができる。特に、xが
0.05から0.35の間で一般に良好な直線性が得ら
れることからこの範囲を用いてVmが得られる。BET
法には、多点法および一点法があるが、多点法が好まし
い。
【0013】標準状態でのガスの容積を測定する前に、
試料(顔料)の前処理として、加熱真空を十分行い、水
分および他の汚染物質の除去を行う。通常100℃で1
2時間程度の減圧乾燥を行うことが好ましい。また、測
定時の測定温度調整のために、窒素ガスでは液体窒素、
炭酸ガスではドライアイス−エタノールを使用する。
【0014】顔料の窒素ガスの比表面積(Sn)は、6
0m2/g以上200m2/g以下でなければならない。窒
素ガスの比表面積(Sn)が200m2/gを越える顔料
は凝集し易く,該顔料を水性媒体中に分散させてなる水
性顔料分散体は、安定性が悪い。一方、Snが60m2
g未満の顔料は、水性インクジェット記録液の製造時に
おける濾過操作が困難であり,記録液の経時での沈降を
生じさせる。顔料のSnが60m2/g未満である場合に
は,顔料をソルトミリング処理(無機塩を破砕助剤と
し,顔料の一次粒子径を機械的に微細化する処理)する
ことが好ましい。
【0015】ソルトミルング処理は、顔料と水溶性の無
機塩の混合物に、潤滑剤として少量の水溶性の溶剤を加
え、ニーダー等で強く機械的に混練して微小化したの
ち、水溶性の無機塩および水溶性の溶剤を除去する処理
である。顔料と水溶性の無機塩と水溶性の溶剤とを機械
的に混練する際の、顔料に対する水溶性の無機塩の重量
比は2〜20倍、さらには3〜10倍が好ましい。ま
た、顔料に対する水溶性の溶剤の重量比は0.5〜3
倍、さらには0.7〜2倍が好ましい。水溶性の無機塩
および水溶性の溶剤の除去は、顔料と水溶性の無機塩と
水溶性の溶剤との混練物を水中に投入して攪拌し、スラ
リー状としたのち、濾過および水洗を繰り返して行う。
【0016】水溶性の無機塩としては、塩化ナトリウ
ム、塩化カリウムなどが用いられる。水溶性の溶剤とし
ては、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブト
キシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノー
ル、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレング
リコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、
ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレン
グリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコー
ル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液体
ポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノ
ール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレン
グリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液体
ポリプロピレングリコール等が用いられる。
【0017】また、顔料の炭酸ガスの比表面積(Sc)
と窒素ガスの比表面積(Sn)の比(Sc/Sn)は、
0.1以上0.4以下でなければならず、0.15以上
0.4以下であることが好ましい。Sc/Snが0.1
未満の顔料は疎水性が高いために,水性媒体中での安定
性が不良となる。一方、Sc/Snが0.4を越える顔
料は、親水性が高いため、該顔料を界面活性剤で分散し
て水性インクジェット記録液に用いた場合に、分散安定
性が不良となる。
【0018】顔料としては,トルイジンレッド,トルイ
ジンマルーン,ハンザエロー,ベンジジンエロー,ピラ
ゾロンレッドなどの不溶性アゾ顔料,リトールレッド,
ヘリオボルドー,ピグメントスカーレット,パーマネン
トレッド2Bなどの溶性アゾ顔料,アリザリン,インダ
ンスレン,チオインジゴマルーンなどの建染染料から誘
導される顔料,フタロシアニンブルー,フタロシアニン
グリーンなどのフタロシアニン系顔料,キナクリドンレ
ッド,キナクリドンマゼンタなどのキナクリドン系顔
料,ペリレンレッド,ペリレンスカーレットなどのペリ
レン系顔料,イソインドリノンエロー,イソインドリノ
ンオレンジなどのイソインドリノン系顔料,キノフタロ
ン系顔料,ジアンスラキノニルレッド,カーボンブラッ
ク等が用いられる。
【0019】なかでも、耐光性の観点から、フタロシア
ニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系
顔料、キノフタロン系顔料およびカーボンブラックが好
適に用いられる。顔料は,場合によっては異なる二種類
以上を併用してもよい。
【0020】また,顔料をカラーインデックス(C.I.)ナ
ンバーで示すと,C.I.ピグメントエロー12,13,1
4,17,20,24,74,83,86 93,10
9,110,117,125,137,138,14
7,148,153,154,166,168,C.I.ピ
グメントオレンジ13,16,36,43,51,5
5,59,61,C.I.ピグメントレッド9,48,4
9,52,53,57,97,122,123,14
9,168,177,180,192,215,21
6,217,220,223,224,226,22
7,228,238,240,C.I.ピグメントバイオレ
ット19,23,29,30,37,40,50,C.I.
ピグメントブルー15,15:1,15:4,15:
6,22,60,64,C.I.ピグメントグリーン7,3
6,C.I.ピグメントブラウン23,25,26,C.I.ピ
グメントブラック7等が例示できる。
【0021】HLBが11以上40以下、好ましくはH
LBが13以上39以下の界面活性剤としては、アニオ
ン性界面活性剤または非イオン性界面活性剤が好適に用
いられる。HLBが11未満の界面活性剤を用いた場合
には、顔料の水性媒体中での分散性が困難となり,分散
安定性が低下する。また,HLBが40を越える界面活
性剤は水に対する溶解性が高く,水性顔料分散体の安定
性が低下する。
【0022】アニオン性界面活性剤としては,脂肪酸
塩,アルキル硫酸エステル塩,アルキルアリールスルホ
ン酸塩,アルキルナフタレンスルホン酸塩,ジアルキル
スルホン酸塩,ジアルキルスルホコハク酸塩,アルキル
ジアリールエーテルジスルホン酸塩,アルキルリン酸
塩,ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩,ポリ
オキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩,ナフ
タレンスルホン酸フォルマリン縮合物,ポリオキシエチ
レンアルキルリン酸エステル塩,グリセロールボレイト
脂肪酸エステル,ポリオキシエチレングリセロール脂肪
酸エステル等を例示できる。
【0023】非イオン性界面活性剤としては,ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル,ポリオキシエチレンアル
キルアリールエーテル,ポリオキシエチレンオキシプロ
ピレンブロックコポリマー,ソルビタン脂肪酸エステ
ル,ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル,ポ
リオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル,グリセ
リン脂肪酸エステル,ポリオキシエチレン脂肪酸エステ
ル,ポリオキシエチレンアルキルアミン,フッ素系,シ
リコン系等の非イオン性活性剤が例示できる。界面活性
剤は,場合によっては異なる二種類以上を併用してもよ
い。
【0024】顔料の分散は、サンドミル、ホモジナイザ
ー、ボールミル、ペイントシェーカー、超音波分散機等
の分散機に、顔料と界面活性剤と水性媒体とを入れて数
時間分散することにより行う。顔料を分散する際には、
分散安定性を向上させるために、顔料誘導体を顔料に対
し0.5重量%〜10重量%の範囲で使用しても良い。
顔料を界面活性剤で分散する際の顔料と界面活性剤との
重量比は、9:1〜5:5であることが好ましい。界面
活性剤の割合が上記範囲よりも少ないと、得られる水性
顔料分散体の安定性が低くなり,上記範囲よりも多い
と、得られる水性分散体をインクジェット記録液の着色
剤として用いた場合に,泡立ちが多すぎて吐出安定性を
低下させることがある。
【0025】水性媒体としては,水および必要に応じて
水性溶剤が用いられ,水としては,金属イオン等を除去
したイオン交換水ないし蒸留水が用いられる。水性溶剤
としては,エチレングリコール,ジエチレングリコー
ル,プロピレングリコール,トリエチレングリコール,
ポリエチレングリコール,グリセリン,テトラエチレン
グリコール,ジプロピレングリコール,ケトンアルコー
ル,ジエチレングリコールモノブチルエーテル,エチレ
ングリコールモノブチルエーテル,エチレングリコール
モノエチルエーテル,1,2−ヘキサンジオール,N−
メチル−2−ピロリドン,置換ピロリドン,2,4,6
−ヘキサントリオール,テトラフルフリルアルコール,
4−メトキシ−4メチルペンタノン等を例示できる。
【0026】濃縮状態の水性顔料分散体は、分散安定性
を良好とするために,pHを6〜10,特に7〜9の弱
アルカリ性に調整することが好ましい。pHを所望のp
Hに調整するためには,アミン,無機塩,アンモニア等
のpH調整剤,リン酸等の緩衝液を用いることができ
る。特に,揮発性の塩基性成分が好ましい。
【0027】本発明の水性顔料分散体は、分散安定性に
優れるため、水性インクジェット記録液の着色剤として
好適に用いられる。水性インクジェット記録液は、本発
明の水性顔料分散体に、水、必要に応じて水性溶剤、水
性樹脂、添加剤等を加えてインキ化することにより製造
できる。インクジェット記録液中の顔料の量は特に限定
されないが,一般的には記録液の全重量に対して1〜1
5重量%,さらには1〜10重量%の範囲が好ましい。
水は、記録液の40〜90重量%の範囲になるよう添加
する。水性溶剤は,記録液のノズル部分での乾燥,記録
液の固化を防止し,安定な記録液の噴射およびノズルの
経時での乾燥を防止するために,単独ないし混合して記
録液の1〜50重量%の範囲で用いることができる。
【0028】また,記録液の紙での乾燥を速める目的に
おいては,メタノール,エタノール,イソプロピルアル
コール等のアルコール類も用いることができる。記録液
の被印刷体が紙のような浸透性のある材料のときには,
紙への記録液の浸透を早め,見掛けの乾燥性を早くする
ため浸透剤を加えることができる。浸透剤としては,水
性溶剤として例示したジエチレングリコールモノブチル
エーテル等のグリコールエーテル,アルキレングリコー
ル,ポリエチレングリコールモノラウリルエーテル,ラ
ウリル硫酸ナトリウム,ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム,オレイン酸ナトリウム,ジオクチルスルホコ
ハク酸ナトリウム等を用いることができる。これらは,
記録液の5重量%以下の使用量で十分な効果があり,こ
れよりも多いと印字の滲み,紙抜け(プリントスルー)
を起こし好ましくなくなる。
【0029】本発明の水性インクジェット用記録液に
は,顔料を基材に定着させるために,水性樹脂を含有さ
せることが好ましい。水性樹脂は、水性インクジェット
用記録液中に、顔料に吸着していない非吸着樹脂として
含まれている。定着用の水性樹脂としては,水に溶解ま
たは分散する樹脂が,単独ないし混合して用いられる。
水性樹脂としては,アクリル系,スチレン−アクリル
系,ポリエステル系,ポリアミド系,ポリウレタン系等
の樹脂が挙げられる。水性樹脂は,記録液中に0.1〜
5重量%,さらには0.2〜2重量%の範囲で含まれる
ことが好ましい。0.1重量%よりも少ないと顔料を十
分に定着できず,5重量%よりも多いと記録液の吐出安
定性を低下させることがある。
【0030】なお,水性樹脂として水溶解性の樹脂を用
いた場合は,記録液の粘度を高くする傾向があるが,水
分散性の樹脂を用いた場合は,記録液の粘度を低く抑え
ることができ,また,記録物の耐水性をさらに向上する
ことができる。水性インクジェット記録液には,アンモ
ニア,アミン,無機アルカリ等の水性樹脂の中和剤を適
宜調整して加えることができるが,この場合においても
pH6〜10内の所望のpHに調整しておくのが好まし
い。
【0031】本発明の記録液には,黴の発生を防止する
ために,防黴剤を記録液の0.05〜1.0重量%の範
囲で添加することができる。防黴剤としては,ジヒドロ
酢酸ナトリウム,安息香酸ナトリウム,ソジウムピリジ
ンチオン−1−オキサイド,ジンクピリジンチオン−1
−オキサイド,1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オ
ン,1−ベンズイソチアゾリン−3−オンのアミン塩等
が用いられる。
【0032】また,ノズル部での金属の析出や記録液中
で不溶解性物の析出等を防止するために,キレート剤を
記録液の0.005〜0.5重量%の範囲で用いること
ができる。キレート剤は記録液中の金属イオンを封鎖す
るものであり,具体的には,エチレンジアミンテトラア
セティックアシド,エチレンジアミンテトラアセティッ
クアシドのナトリウム塩,エチレンジアミンテトラアセ
ティックアシドのジアンモニウム塩,エチレンジアミン
テトラアセティックアシドのテトラアンモニウム塩等が
挙げられる。
【0033】また,記録液の循環,移動,あるいは記録
液の製造時の泡の発生を防止するため,消泡剤を添加す
ることもできる。その他の添加剤として,尿素,ジメチ
ル尿素等を加えることもできる。本発明の記録液は,孔
径3μm以下,好ましくは1.0μm以下,さらに好ま
しくは0.45μm以下のフィルターで濾過することが
好ましい。フィルター濾過に先立って,遠心分離によっ
て大きな粒径のものを除くこともでき,これによりフィ
ルター濾過における目詰まりを少なくし,フィルターの
使用期間を長くすることができる。
【0034】また,記録液は,記録装置の方式にもよる
が,粘度0.8〜15cps(25℃),表面張力25
〜50dyne/cmの液体として調整することが好ま
しく,記録液の平均粒径は,記録液の保存安定性の点か
ら,20〜200nmが好ましい。
【0035】
【実施例】以下,実施例に基づいて本発明を説明する。
例中,部および%とあるは,重量部および重量%を示
す。実施例および比較例で用いた顔料のSnとSc/S
nは表1に示すとおりであった。具体的な処理方法およ
びSnとSc/Snの測定方法を下記に示す。
【0036】[微細化処理]ステンレス製1ガロンニー
ダー(井上製作所社製)に顔料250部、塩化ナトリウ
ム2500部およびジエチレングリコール200部を仕
込み,3時間混練した。つぎに,この混合物を2.5リ
ットルの温水に投入し,約80℃に加熱しながらハイス
ピードミキサーで約1時間撹拌してスラリー状とした
後,濾過,水洗を5回くりかえして塩化ナトリウムおよ
び溶剤を除き、顔料の乾燥品を得た。
【0037】[SnおよびSc/Sn の測定方法]米国マイク
ロメリティックス社製の高速比表面積測定装置「アサッ
プ2000形」と「アサップ用データー処理ソフト」に
より測定した。窒素の吸着は液体窒素を用いて約77k
のもとで測定した。二酸化炭素の吸着はドライアイス−
アルコールを用いて約196kのもとで測定した。解析
は、BETの式に適用して、非理想ガス補正定数として
は0.000066を、窒素ガスの密度変換定数として
は0.0015468を、炭素ガスの密度変換定数とし
ては0.00181589を、吸着質のケルビン定数と
しては9.5300オングストロームを用いて行い、比
表面積を算出した。
【0038】
【表1】
【0039】(実施例1〜13および比較例1〜14)顔料
20部に、表2に示す分散剤5部(固形分)および精製
水を加え、全量で100部としてペイントコンディショ
ナーにて分散し、インクジェット用濃縮記録液を作製し
た。濃縮記録液は90mmφの1μmのメンブランフィ
ルターにて濾過,続いて90mmφの0.45μmのメ
ンブランフィルターにて濾過した。濃縮液が1μmのメ
ンブランフィルターにて濾過できない場合は、水性イン
クジェット記録液を製造を行わなかった。
【0040】得られた濃縮記録液15.0部を,下記の
処方の原料と混合した後,1μmのメンブランフィルタ
ーにて濾過,続いて0.45μmのメンブランフィルタ
ーにて濾過し,水性インクジェット記録液を製造した。 アクリル樹脂エマルジョン 3.0部 (日本ポリマー社製「W−215」、固形分30%) ジメチルアミノエタノール 0.1部 グリセリン 10.0部 アニオン性界面活性剤 0.5部 (花王社製「ペレックスOTP」、固形分70%) 防黴剤(ゼネカ社製「プロクセル GXL」) 0.3部 エチレンジアミンテトラアセティックアシドのナトリウム塩 0.03部 精製水 71.1部
【0041】得られた水性インクジェット記録液につい
て,濾過性、初期の平均粒径,粘度,経時安定性および
印字安定性を評価した。結果を表2に示す。なお,評価
は下記のようにして行った。 [濾過性]300mlの水性インクジェット記録液を、
孔径1μm、90mmφのメンブランフィルターを用い
て濾過し、続いて孔径0.45μm、90mmφのメン
ブランフィルターにて濾過した。 ○:1μmおよび0.45μmの濾過ができた。 △:1μmのみ濾過ができた ×:濾過できなかった。 [粘度]B型粘度計を用いて25℃にて測定した。 [平均粒径]レーザー回折方式の粒度分布計(島津製作
所社製「SALD−1100」)で測定した。
【0042】[経時安定性]記録液30ccをねじ口瓶
に入れ,60℃で1ヶ月放置したのち,記録液の平均粒
径および25℃における粘度を測定し,放置前と比較し
た。 ○:平均粒径の変化が少なく,粘度変化が少ない。 △:平均粒径の変化が大きいか,あるいは,粘度変化が
大きい。 ×:平均粒径の変化が大きく,かつ,粘度変化が大き
い。
【0043】[印字安定性]記録液をインクジェットプ
リンター(HP社製「Desktop560」)のカー
トリッジに入れて,普通紙(ゼロックス社製「K」)に
室温で印字を行い,印字の乱れ,欠け,不吐出の有無を
目視で評価した。また、印字1時間放置後に同様に評価
した。 ○:連続印字中に記録液の不吐出,印字の乱れ,欠けが
認められない。 △:連続印字中にベタ印字部分で数カ所の記録液の不吐
出が僅かに認められる。 ×:連続印字中にベタ印字部分で数カ所の記録液の不吐
出が認められる。 −:印字試験しなかった。
【0044】
【表2】
【0045】 A:花王社製アニオン性界面活性剤「ネオペレックスN
o.6」、HLB37 B:花王社製ノニオン性界面活性剤「エマルゲン 91
0」、HLB10.8 C:花王社製ノニオン性界面活性剤「エマルゲン 91
3」、HLB15.5
【0046】
【発明の効果】本発明により,初期および経時安定性な
らびに吐出安定性の良好な顔料分散タイプの水性インク
ジェット記録液を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯田 保春 東京都中央区京橋二丁目3番13号東洋イン キ製造株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒素ガスの比表面積(Sn)が60m2/g
    以上200m2/g以下、炭酸ガスの比表面積(Sc)と
    窒素ガスの比表面積(Sn)の比(Sc/Sn)が0.
    1以上0.4以下である顔料と、HLBが11以上40
    以下である界面活性剤とを水性媒体中に分散させてなる
    ことを特徴とする水性顔料分散体。
  2. 【請求項2】顔料が、フタロシアニン系顔料、キナクリ
    ドン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系
    顔料およびカーボンブラックから選ばれる少なくとも1
    種の顔料であることを特徴とする請求項1記載の水性顔
    料分散体。
  3. 【請求項3】顔料と界面活性剤との重量比が、9:1〜
    5:5であることを特徴とする請求項1または2記載の
    水性顔料分散体。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3いずれか1項に記載の水
    性顔料分散体を着色剤として含むことを特徴とする水性
    インクジェット記録液。
  5. 【請求項5】水性樹脂を含むことを特徴とする請求項4
    記載の水性インクジェット記録液。
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