JPH10288037A - 自動車エンジンの高冷却効率のワックス型サーモスタット - Google Patents

自動車エンジンの高冷却効率のワックス型サーモスタット

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JPH10288037A
JPH10288037A JP9127755A JP12775597A JPH10288037A JP H10288037 A JPH10288037 A JP H10288037A JP 9127755 A JP9127755 A JP 9127755A JP 12775597 A JP12775597 A JP 12775597A JP H10288037 A JPH10288037 A JP H10288037A
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wax
thermostat
rod
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temperature
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Giichi Kuze
義一 久世
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01PCOOLING OF MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; COOLING OF INTERNAL-COMBUSTION ENGINES
    • F01P7/00Controlling of coolant flow
    • F01P7/14Controlling of coolant flow the coolant being liquid
    • F01P7/16Controlling of coolant flow the coolant being liquid by thermostatic control
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01PCOOLING OF MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; COOLING OF INTERNAL-COMBUSTION ENGINES
    • F01P7/00Controlling of coolant flow
    • F01P7/02Controlling of coolant flow the coolant being cooling-air
    • F01P7/08Controlling of coolant flow the coolant being cooling-air by cutting in or out of pumps
    • GPHYSICS
    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05DSYSTEMS FOR CONTROLLING OR REGULATING NON-ELECTRIC VARIABLES
    • G05D23/00Control of temperature
    • G05D23/01Control of temperature without auxiliary power
    • G05D23/13Control of temperature without auxiliary power by varying the mixing ratio of two fluids having different temperatures
    • G05D23/1306Control of temperature without auxiliary power by varying the mixing ratio of two fluids having different temperatures for liquids
    • G05D23/132Control of temperature without auxiliary power by varying the mixing ratio of two fluids having different temperatures for liquids with temperature sensing element
    • G05D23/1333Control of temperature without auxiliary power by varying the mixing ratio of two fluids having different temperatures for liquids with temperature sensing element measuring the temperature of incoming fluid

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 自動車エンジンの冷却液の温度の上限を従来
の130℃を99℃に低下させる。 【解決手段】 ロッドに係合する弾性シール・スプール
の中心孔の側壁の肉厚をロッドの直径の25%から5%
の範囲に薄くし、更にサーモスタットのリターン・スプ
リングのバネ定数を低下させ、サーモスタットの作動温
度範囲をワックスが固体から液化する状態変化領域に集
中させ、適切時に冷却液が急増するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車エンジンの冷却液
の温度を制御するワックス型サーモスタットに関する。
【0002】
【従来の技術】サーモスタットの作動範囲は弁のリフト
・アップの大きなワックスが固体から液化する状態変化
領域の85℃から100℃間の15℃と、弁のリフト・
アップの微少なワックス液の体膨張領域の100℃から
130℃間の30℃に亘る合計45℃なので冷却効率は
低下し、自動車エンジン冷却液の温度上限は130℃に
なる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】サーモスタットの作動
温度範囲をワックスが固体から液化する弁のリフト・ア
ップの大きな状態変化領域の15℃間に集中し、更に、
弁のリフト・アップの拡大、増長手段を講じて自動車エ
ンジンの冷却液温の上限を100℃以内に抑制するにあ
る。
【0004】
【発明が解決するための手段】弁のリフト・アップの拡
大、増長手段は、第1にロッドに係合する弾性シール・
スプールの中心孔の側壁の肉厚をロッドの直径の25%
から5%の範囲内に超薄くするにあり、又、第2にサー
モスタットのリターン・スプリングのバネ定数を低下さ
せるにある。
【0005】
【実施例】自動車エンジンの冷却液の温度を制御するワ
ックス型サーモスタットに装着するサーモ・アクチュエ
ータ1(図3)はロッド2とロッド2に摺動自在に係合
するガイド・メンバ3とガイド・メシバ3の下端面に気
密に係合し、同じくロッド2に摺動自在に係合する弾性
シール・スプール4の底面とロッドの下端との間に形成
される空間に、所要量の潤滑油5を封じ込み、これ等4
者を一体にしてワックス6を充填する感熱シリンダ筒7
内に挿入し、気密に圧着して構成する。
【0006】冷却液がサーモスタットの規定する温度を
超えて上昇するに連れ、図2に示す様に感熱シリンダ筒
7内に密封充満するワックス6は溶融膨張し、その体積
を増す。従って、ロッド2に係合する弾性シール・スプ
ール4はリターン・スプリング8(図2)に抗してロッ
ド2を絞り上げ、主弁9のリフトを増す。逆に温度が下
がると、ワックス6は逐次、凝固収縮し、弾性シール・
スプール4はリターン・スプリング8により、ロッド2
に押されて主弁9のリフトを低下する(図3)。
【0007】ロッド2に係合する弾性シール・スプール
4の肉厚を超薄くすると、シリンダの内容積に余裕が出
来ると共に、これを絞り上げるに要するワックス圧は従
来のものより極めて低くなるから、シリンダの肉厚も薄
く出来、シリンダの内容積は更に余裕を増す。そこで、
ロッド2の径を太くしてシリンダ内の溶融ワックス圧の
上限をロッド2の径の2乗に逆比例して激減させ、更に
リターン・スプリング8のバネ定数を従来のものより低
減させることによって溶融ワックス6の液化を促進し、
適切時に弁のリフトを急増させるのである。
【0008】ワックス圧の代りに油圧を利用した簡易な
弾性シール・スプールの油圧力−弁リフトの卓上試験装
置を図1に示す。 21.油圧供給口 22.サーモ・アクチュエータ 内部の弾性シール・スプールを観察出来る様に感熱シリ
ンダを切断して装着する 23.外部から内部を観察する窓 24.透明なアクリルパイプ 25.弾性シール・スプール 26.ロッド 27.潤滑油 28.リターン・スプリング 29.ダイヤル・インジケータ(図示せず)
【0009】図1の試験装置で測定した油圧−弁リフト
の実測値を表1に示す。
【表1】
【表2】 表1に於いて (A)は従来のロッド2の径3.8mmで、その径の4
5%の肉厚1.7mmのもの (B)はロッド2の径4.5mmで、その径の25%の
肉厚1.25mmのもの (C)はロッド2の径4.5mmで、その径の5%の肉
厚0.225mmのものであって係合するリターン・ス
プリング8のバネ定数は0.55kg/mmである。
【0010】弾性シール・スプール4の肉厚が(C)の
ように超薄いとスプール内部の潤滑油5の圧力はワック
ス圧と等価になる。弾性シール・スプール4はその内外
から等価の圧力で支えられ浮遊状態になるので、ロッド
2間の摩擦抵抗が0となり、ロッド2のリフト・アップ
はロッド2の下端面に加えられる潤滑油5の圧力によっ
て、もたらされるのである。
【0011】(A)は肉厚1.7mmのため起動圧力は
80.6kg/cmで、バネ荷重15.1kgに抗
し、ロッド2を10mm絞り上げるのに140kg/c
の圧力を要し論外である。
【0012】ロッド2を起動する圧力は(B)、(C)
共に50kg/cmで、その時のリフトは同じく0.
4mmであるが、それ以後はバネ荷重15.1kgに抗
してロッドを10mm絞り上げるのに、(C)は超薄肉
0.225mmのため、90kg/cmで達し、
(B)は遅れて100kg/cmで達す。
【0013】従って、これ等を考えると、弾性シール・
スプール4の肉厚を(B)以上に厚くすると、起動圧力
は50kg/cmを超すので、肉厚の上限はロッド2
の径の25%とする。又、弾性シール・スプール4の肉
厚は(C)に示す5%で充分で、これ以上薄くすると、
その製造が困難になり、コスト高になるので、肉厚の上
限はロッド2の径の5%とする。
【0014】更に、表1の(C)のリターン・スプリン
グ8のバネ定数0.55kg/mmを0.27kg/m
mに変えて、図1の試験装置で測定した油圧−弁リフト
の実測値(D)を表2に示す。
【0015】(D)の起動圧力は30kg/cmで弁
リフト0.3mm、圧力60kg/cmで弁リフト1
3.5mmとなる。超薄肉の弾性シール・スプール4
に、更に低いバネ定数のリターン・スプリング8を係合
して、ワックス6の液化を促進し、その液化の量を急増
させて弁リフトを上げる相乗効果は群を抜くのである。
【0016】本発明のサーモ・アクチュエータ(D)を
組み付けた実施例に就き説明する。図2及び図3は自動
車エンジン冷却液の温度制御用ワックス型サーモスタッ
トの断面図で前者は主弁9の全開リフト時を、後者はそ
の閉弁時を示す。一般にワックス型サーモスタットは図
2に示す様に、弁座10を形成するハウジング11に固
定するフレーム12と、弁座10に係合する主弁9、及
びこれを圧入固定するサーモ・アクチュエータ1及び、
主弁9とフレーム12との間に介装するリターン・スプ
リング8とよりなる。
【0017】サーモ・アクチュエータ1の感熱シリンダ
筒7内に密封充満するワックス6の溶融膨張によるワッ
クス圧と等価の弾性シール・スプール4内の潤滑油5
は、リターン・スプリング8に抗してロッド2を上方へ
押し上げる。然し、ロッド2はハウジング11の頂点1
3に係合支持されているので、相対的に主弁9は下方へ
開く。液温が下降に転ずると感熱シリンダ筒7内の溶融
ワックス6は逐次凝固収縮するからリターン・スプリン
グ8により主弁9は閉じる(図3)。この様にしてハウ
ジング11の頂点13に係合支持されているロッド2に
対しサーモ・アクチュエータ1のガイド・メンバ3は上
下に摺動し、これに固定される主弁9はこれに対応して
開閉する。
【0018】図4は従来型の(A)のサーモ・アクチュ
エータで構成したワックス型サーモスタットAと、
(D)のサーモ・アクチュエータで構成した本発明のワ
ックス型サーモスタットDの夫々冷却液温−弁リフトの
ダイヤグラムである。
【0019】Aは87℃で開弁し、100℃で弁リフト
は8.6mmで液化膨張領域を終了し、以後液体膨張領
域に入り、弁リフトは急減するので、弁リフトが11m
mになる迄に冷却液の温度は130℃に上昇する。従っ
て従来のエンジンの冷却液の上限は130℃になる。
【0020】これに対し、本発明のDは86℃で開弁
し、99℃で弁リフトは11mmに達す。而も未だ固体
が液化する状態変化領域内にある。従って本発明のエン
ジンの冷却液の上限は99℃止まりになる。
【0021】図4に於いて、同じ温度範囲χでリフト
8.6mmを基準としてD曲線の占める斜線の面積dと
従来のA曲線の占める斜線の面積aを比較すれば本発明
のサーモスタットが従来のサーモスタットより適切時に
如何に冷却液が急増するか明らかである。
【0022】
【発明の効果】弾性シール・スプールの肉厚を超薄く
し、更にリターン・スプリングのバネ定数を低下させ、
ワックスの液化の増加を促進し、適切時に冷却液の流量
を急増させ、従来の自動車エンジン冷却液の温度上限1
30℃を99℃に下げる本発明はエンジンの寿命を増
し、燃費の節約、有害排気物の減少等をもたらし、高品
質、高性能化する将来のエンジンの一翼を担うものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ワックス圧の代りに油圧を利用した弾性シ
ール・スプールの油圧力−弁リフトの試験装置
【図2】 本発明の自動車エンジン用ワックス型サー
モスタットの断面図で主弁が全開した時を示す。
【図3】 本発明の自動車エンジン用ワックス型サー
モスタットの断面図で主弁が閉じた状態を示す。
【図4】 従来のワックス型サーモスタットAと本発
明のワックス型サーモスタットDの冷却液温−弁リフト
のダイヤグラムである。
【符号の説明】
1 サーモ・アクチュエータ 2 ロッド 3 ガイド・メンバ 4 弾性シール・スプール 5 潤滑油 6 ワックス 7 感熱シリンダ筒 8 リターン・スプリング 9 主弁 10 弁座 11 ハウジング 12 フレーム 13 頂点
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年6月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 自動車エンジンの高冷却効率のワッ
クス型サーモスタット
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車エンジンの冷却液
の温度を制御するワックス型サーモスタットに関する。
【0002】
【従来の技術】サーモスタットの作動範囲は弁のリフト
・アップの大きなワックスが固体から液化する状態変化
領域の85℃から100℃間の15℃と、弁のリフト・
アップの微少なワックス液の体膨張領域の100℃から
130℃間の30℃に亘る合計45℃なので冷却効率は
低下し、自動車エンジン冷却液の温度上限は130℃に
なる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】サーモスタットの作動
温度範囲をワックスが固体から液化する弁のリフト・ア
ップの大きな状態変化領域の15℃間に集中し、更に、
弁のリフト・アップの拡大、増長手段を講じて自動車エ
ンジンの冷却液温の上限を100℃以内に抑制するにあ
る。
【0004】
【発明が解決するための手段】弁のリフト・アップの拡
大、増長手段は、第1にロッドに係合する弾性シール・
スプールの中心孔の側壁の肉厚をロッドの直径の25%
から5%の範囲内に超薄くするにあり、又、第2にサー
モスタットのフランジ面に少なくとも1個の小孔をあ
け、サーモスタット・ハウジング内とラジエーターに連
通するサーモスタット・キャップ間を同圧にして、その
分、サーモスタットのリターン・スプリングのバネ定数
を低下させるにある。
【0005】
【実施例】自動車エンジンの冷却液の温度を制御するワ
ックス型サーモスタットに装着するサーモ・アクチュエ
ータ1(図2)はロッド2とロッド2に摺動自在に係合
するガイド・メンバ3とガイド・メンバ3の下端面に気
密に係合し、同じくロッド2に摺動自在に係合する弾性
シール・スプール4の底面とロッドの下端との間に形成
される空間に、所要量の潤滑油5を封じ込み、これ等4
者を一体にしてワックス6を充填する感熱シリンダ筒7
内に挿入し、気密に圧着して構成する。
【0006】冷却液がサーモスタットの規定する温度を
超えて上昇するに連れ、図3に示す様に感熱シリンダ筒
7内に密封充満するワックス6は溶融膨張し、その体積
を増す。従って、ロッド2に係合する弾性シール・スプ
ール4はリターン・スプリング8に抗してロッド2を絞
り上げ、主弁9のリフトを増す。逆に温度が下がると、
ワックス6は逐次、凝固収縮し、弾性シール・スプール
4はリターン・スプリング8により、ロッド2に押され
て主弁9のリフトを低下し閉弁に至る(図2)。
【0007】ロッド2に係合する弾性シール・スプール
4の肉厚を超薄くすると、シリンダの内容積に余裕が出
来ると共に、これを絞り上げるに要するワックス圧は従
来のものより極めて低くなるから、シリンダの肉厚も薄
く出来、シリシダの内容積は更に余裕を増す。そこで、
ロッド2の径を太くしてシリンダ内の溶融ワックス圧の
上限をロッド2の径の2乗に逆比例して激減させ、更に
サーモスタットのフランジ面に少なくとも1個の小孔1
4を開口し(図4)、主弁が閉じている時、主弁の内外
を同圧にし、その分、リターン・スプリング8のバネ定
数を従来のものより低減させて溶融ワックス6の液化を
促進し、適切時に弁のリフトを急増させるのである。
【0008】ワックス圧の代りに油圧を利用した簡易な
弾性シール・スプールの油圧力−弁リフトの卓上試験装
置を図1に示す。 21.油圧供給口 22.サーモ・アクチュエータ 内部の弾性シール・スプールを観察出来る様に感熱シリ
ンダを切断して装着する 23.外部から内部を観察する窓 24.透明なアクリルパイプ 25.弾性シール・スプール 26.ロッド 27.潤滑油 28.リターン・スプリング 29.ダイヤル・インジケータ(図示せず)
【0009】図1の試験装置で測定した油圧−弁リフト
の実測値を表1に示す。 表1に於いて (A)は従来のロッド2の径3.8mmで、その径の4
5%の肉厚1.7mmのもの (B)はロッド2の径4.5mmで、その径の25%の
肉厚1.25mmのもの (C)はロッド2の径4.5mmで、その径の5%の肉
厚0.225mmのものであって係合するリターン・ス
プリング8のバネ定数は0.55kg/mmである。
【0010】弾性シール・スプール4の肉厚が(C)の
ように超薄いとスプール内部の潤滑油5の圧力はワック
ス圧と等価になる。弾性シール・スプール4はその内外
から等価の圧力で支えられ浮遊状態になるので、ロッド
2間の摩擦抵抗が0となり、ロッド2のリフト・アップ
はロッド2の下端面に加えられる潤滑油5の圧力によっ
てもたらされる。
【0011】(A)は肉厚1.7mmのため起動圧力は
80kg/cmで、リフトが0.6mmであり、バネ
荷重15.1kgに抗し、ロッド2を10mm絞り上げ
るのに140kg/cmの圧力を要し論外である。
【0012】ロッド2を起動する圧力は(B)、(C)
共に50kg/cmで、その時のリフトは同じく0.
4mmであるが、それ以後はバネ荷重15.1kgに抗
してロッドを10mm絞り上げるのに、(C)は超薄肉
0.225mmのため、90kg/cmで達し、
(B)は遅れて100kg/cmで達す。
【0013】従って、これ等を考えると、弾性シール・
スプール4の肉厚を(B)以上に厚くすると、起動圧力
は50kg/cmを超すので、肉厚の上限はロッド2
の径の25%とする。又、弾性シール・スプール4の肉
厚は(C)に示す5%で充分で、これ以上薄くすると、
その製造が困難になり、コスト高になるので、肉厚の下
限はロッド2の径の5%とする。
【0014】更に、表1の(C)のリターン・スプリン
グ8のバネ定数0.55kg/mmを0.27kg/m
mに変えて、図1の試験装置で測定した油圧−弁リフト
の実測値(D)を表2に示す。
【0015】(D)の起動圧力は30kg/cmで弁
リフト0.3mm、圧力60kg/cmで弁リフト1
3.5mmとなる。超薄肉の弾性シール・スプール4
に、更にバネ定数を従来、0.55kg/mmを0.2
7kg/mmと約半減にしたリターン・スプリング8を
係合して、ワックス6の液化を促進し、その液化の量を
急増させて弁リフトを上げる相乗効果は群を抜くのであ
る。
【0016】本発明のサーモ・アクチュエータ(D)を
組み付けた実施例に就き説明する。図2及び図3は自動
車エンジン冷却液の温度制御用ワックス型サーモスタッ
トの断面図で前者は主弁9の閉弁時を、後者はその全開
リフト時を示す。一般にワックス型サーモスタットは図
3に示す様に、弁座10を形成するハウジング11に固
定するフレーム12と、弁座10に係合する主弁9、及
びこれを圧入固定するサーモ・アクチュエータ1及び、
主弁9とフレーム12との間に介装するリターン・スプ
リング8とよりなる。
【0017】液温が規定温度を超えて上昇すると、サー
モ・アクチュエータ1の感熱シリンダ筒7内に密封充満
するワックス6の溶融膨張によるワックス圧と等価の弾
性シール・スプール4内の潤滑油5は、リターン・スプ
リング8に抗してロッド2を上方へ押し上げる。然し、
ロッド2はハウジング11の頂点13に係合支持されて
いるので、相対的に主弁9は下方へ開く(図3)。液温
が下降に転ずると感熱シリシダ筒7内の溶融ワックス6
は逐次凝固収縮するからリターン・スプリング8により
主弁9は全閉に至る(図2)。この様にしてハウジング
11の頂点13に係合支持されているロッド2に対しサ
ーモ・アクチュエータ1のガイド・メンバ3は上下に摺
動し、これに固定される主弁9はこれに対応して開閉す
る。
【0018】図5は従来型の(A)のサーモ・アクチュ
エータで構成したワックス型サーモスタットAと、
(D)のサーモ・アクチュエータで構成した本発明のワ
ックス型サーモスタットDの夫々冷却液温−弁リフトの
ダイヤグラムである。
【0019】Aは87℃で開弁し、100℃で弁リフト
は8.6mmで液化膨張領域を終了し、以後液体膨張領
域に入り、その後は弁リフトの上昇率一定となって急低
下する。従って、遅々として弁リフトが11mmになる
迄に冷却液の温度は130℃にも達する。従って従来の
エンジンの冷却液の上限は130℃になる。
【0020】これに対し、本発明のDは86℃で開弁
し、99℃で弁リフトは11mmに達す。而も未だ固体
が液化する状態変化領域内にある。従って本発明のエン
ジンの冷却液の上限は99℃止まりになる。
【0021】図5に於いて、同じ温度範囲χでリフト
8.6mmを基準としてD曲線の占める斜線の面積dと
従来のA曲線の占める斜線の面積aを比較すれば本発明
のサーモスタットが従来のサーモスタットより適切時に
冷却液が急増して如何に高冷却効率を発揮するか明らか
である。
【0022】本発明のDのサーモスタット4ヶの耐久試
験の結果を表3に、従来のもの4ヶを表4に示す。サー
モスタットの耐久性に最も必要な要素であるリフトの変
化値は本発明の方が従来のものより一桁以上も小さく優
れている。
【0023】
【発明の効果】弾性シール・スプールの肉厚を超薄く
し、更にサーモスタットのフランジ面に小孔を開口し、
その分、リターン・スプリングのバネ定数を低下させ、
ワックスの液化の増加を促進し、最適切時に冷却液の流
量を激増させ、従来の自動車エンジン冷却液の温度上限
130℃を99℃に下げる本発明はエンジンの寿命を増
し、燃費の節約、有排気物の減少等、省エネルギー、環
境保善をもたらす自動車エンジンの高冷却効率のワック
ス型サーモスタットである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ワックス圧の代りに油圧を利用した弾性シ
ール・スプールの油圧力−弁リフトの試験装置
【図2】 本発明の自動車エンジン用ワックス型サー
モスタットの断面図で主弁の全閉時を示す。
【図3】 本発明の自動車エンジン用ワックス型サー
モスタットの断面図で主弁の全開時を示す。
【図4】 本発明の自動車エンジン用ワックス型サー
モスタットの側面図示でフランジ面の小孔を明示する。
【図5】 従来のワックス型サーモスタットAと本発
明のワックス型サーモスタットDの冷却液温−弁リフト
のダイヤグラムであるある。
【符号の説明】 1 サーモ・アクチュエータ 2 ロッド 3 ガイド・メンバ 4 弾性シール・スプール 5 潤滑油 6 ワックス 7 感熱シリンダ筒 8 リターン・スプリング 9 主弁 10 弁座 11 ハウジング 12 フレーム 13 頂点 14 ハウジング11のフランジ部の小孔
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年9月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】図5は従来型の(A)のサーモ・アクチュ
エータで構成したワックス型サーモスタットAと、
(D)のサーモ・アクチュエータ(但しスプールの肉厚
を0.6mmとするもの)で構成した本発明のワックス
型サーモスタットDの夫々冷却液温−弁リフトのダイヤ
グラムである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】Aは87℃で開弁し、100℃で弁リフト
は8.6mmで液化膨張領域を終了し、以後液体膨張領
域に入り、その後は弁リフトの上昇率一定となって急低
下する。従って、開弁が遅々として弁リフトが11mm
になる迄に冷却液の温度は130℃にも達する。従って
従来のエンジンの冷却液の上限は130℃になる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】
【発明の効果】弾性シール・スプールの肉厚を超薄く
し、更にサーモスタットのフランジ面に小孔を開口し、
その分、リターン・スプリングのバネ定数を低下させ、
ワックスの液化の増加を促進し、最適切時に冷却液の液
量を激増させ、従来の自動車エンジン冷却液の温度上限
130℃を99℃に下げる本発明はエンジンの寿命を増
し、燃費の節約、有害排気物の減少等、省エネルギー、
環境保善をもたらす効果は大である。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年10月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 自動車エンジンの高冷却効率のワッ
クス型サーモスタット
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車エンジンの冷却液
の温度を制御するワックス型サーモスタットに関する。
【0002】
【従来の技術】サーモスタットの作動範囲は弁のリフト
・アップの大きなワックスが固体から液化する状態変化
領域の85℃から100℃間の15℃と、弁のリフト・
アップの微少なワックス液の体膨張領域の100℃から
130℃間の30℃に亘る合計45℃なので、これが従
来自動車エンジンの熱効率の著しく低い原因となってい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】サーモスタットの作動
温度範囲をワックスが固体から液化する弁のリフト・ア
ップの大きな状態変化領域の15℃間に集中し、更に、
その領域の弁のリフト・アップの拡大、増長手段を講じ
て自動車エンジンの冷却液温の上限を100℃以内に抑
制し、自動車エンジンの熱効率を向上させるのである。
【0004】
【発明が解決するための手段】弁のリフト・アップの拡
大、増長手段は、第1にロッドに係合する弾性シール・
スプールの中心孔の側壁の肉厚をロッドの直径の25%
から5%の範囲内に超薄くするにあり、又、第2にサー
モスタットのフランジ面に少なくとも1個の小孔をあ
け、サーモスタット・ハウジング内とラジエーターに連
通するサーモスタット・キャップ間を同圧にして、その
分、サーモスタットのリターン・スプリングのバネ定数
を低下させるにある。
【0005】
【実施例】図2は後述する従来のワックス型サーモスタ
ットの自動車エンジンの冷却システム、図3は同じく後
述する本発明の高冷却効率のワックス型サーモスタット
で構成する自動車エンジン冷却システムの一実施例であ
る。図3に於いて、ワックス型サーモスタット1に装着
するサーモ・アクチュエータ2(図6)はロッド3とロ
ッド3に摺動自在に係合するガイド・メンバ4とガイド
・メンバ4の下端面に気密に係合し、同じくロッド3に
摺動自在に係合する弾性シール・スプール5の底内面と
ロッドの下端面との間に形成される空間に所要量の潤滑
油6を封じ込み、これ等4者を一体にしてワックス7を
充填する感熱シリンダ筒8内に挿入し、気密に圧着して
構成する。
【0006】冷却液がサーモスタットの規定する温度を
超えて上昇するに連れ、図7に示す様に感熱シリンダ筒
8内に密封充満するワックス7は溶融膨張し、その体積
を増す。従って、ロッド3に係合する弾性シール・スプ
ール5はリターン・スプリング9に抗してロッド3を絞
り上げ、主弁10のリフトを増す。逆に温度が下がる
と、ワックス7は逐次、凝固収縮し、弾性シール・スプ
ール5はリターン・スプリング9により、ロッド3に押
されて主弁10のリフトを低下し閉弁に至る(図6)。
【0007】ロッド3に係合する弾性シール・スプール
5の肉厚を超薄くすると、シリンダの内容積に余裕が出
来ると共に、これを絞り上げるに要するワックス圧は従
来のものより極めて低くなるから、シリンダの肉厚も薄
く出来、ジリンダの内容積は更に余裕を増す。そこで、
ロッド3の径を太くしてシリンダ内の溶融ワックス圧の
上限をロッド3の径の2乗に逆比例して激減させ、更に
サーモスタットのフランジ15面に少なくとも1個の小
孔16を開口し(図8)、主弁が閉じている時、主弁の
内外を同圧にし、その分、リターン・スプリング9のバ
ネ定数を従来のものより低減させて溶融ワックス7の液
化を促進し、適切時に弁のリフトを激増させて自動車エ
ンジンの熱効率を大巾に上げるのである。
【0008】ワックス圧の代りに油圧を利用した簡易な
弾性シール・スプールの油圧力−主弁リフトの卓上試験
装置を図1に示す。 31.油圧供給口 32.サーモ・アクチュエータ 内部の弾性シール・スプールを観察出来る様に感熱シリ
ンダを切断して装着する 33.外部から内部を観察する窓 34.透明なアクリルパイプ 35.弾性シール・スプール 36.ロッド 37.潤滑油 38.リターン・スプリング 39.ダイヤル・インジケータ(図示せず)
【0009】図1の試験装置で測定した油圧−主弁リフ
トの実測値を表1に示す。 表1に於いて (A)は従来のロッド3の径3.8mmで、その径の4
5%の肉厚1.7mmのもの (B)はロッド3の径4.5mmで、その径の25%の
肉厚1.25mmのもの (C)はロッド3の径4.5mmで、その径の5%の肉
厚0.225mmのものであって係合するリターン・ス
プリング9のバネ定数は0.55kg/mmである。
【0010】弾性シール・スプール5の肉厚が(C)の
ように超薄いとスプール内部の潤滑油6の圧力はワック
ス圧と等価になる。弾性シール・スプール5はその内外
から等価の圧力で支えられ浮遊状態になるので、ロッド
3間の摩擦抵抗が0となり、ロッド3のリフト・アップ
はロッド3の下端面に加えられる潤滑油6の圧力によっ
てもたらされる。
【0011】(A)は肉厚1.7mmのため起動圧力は
80kg/cmで、リフトが0.6mmであり、バネ
荷重15.1kgに抗し、ロッド3を10mm絞り上げ
るのに140kg/cmの圧力を要し論外である。
【0012】ロッド3を起動する圧力は(B)、(C)
共に50kg/cmで、ぞの時の主弁のリフトは同じ
く0.4mmであるが、それ以後はバネ荷重15.1k
gに抗してロッドを10mm絞り上げるのに、(C)は
超薄肉0.225mmのため、90kg/cmで達
し、(B)は遅れて100kg/cmで達す。
【0013】従って、これ等を考えると、弾性シール・
スプール5の肉厚を(B)以上に厚くすると、起動圧力
は50kg/cmを超すので、肉厚の上限はロッド3
の径の25%とする。又、弾性シール・スプール5の肉
厚は(C)に示す5%で充分で、これ以上薄くすると、
その製造が困難になり、コスト高になるので、肉厚の下
限はロッド3の径の5%とする。
【0014】更に、表1の(C)のリターン・スプリン
グ9のバネ定数0.55kg/mmを0.27kg/m
mに変えて、図1の試験装置で測定した油圧−主弁リフ
トの実測値(D)を表2に示す。
【0015】(D)の起動圧力30kg/cmで弁リ
フトは0.3mm、圧力60kg/cmで弁リフトは
13.5mmとなる。超薄肉の弾性シール・スプール5
に、更にバネ定数を従来、0.55kg/mmを0.2
7kg/mmと約半減にしたリターン・スプリング9を
係合して、ワックス7の液化を促進し、その液化の量を
急増させて弁リフトを上げる相乗効果は群を抜くのであ
る。
【0016】本発明のサーモ・アクチュエータ(D)を
組み付けた実施例に就き説明する。図6及び図7は自動
車エンジン冷却液の温度制御用ワックス型サーモスタッ
トの断面図で前者は主弁10の閉弁時を、後者はその全
開リフト時を示す。一般にワックス型サーモスタットは
図7に示す様に、弁座11を形成するハウジング12に
固定するフレーム13と、弁座11に係合する主弁1
0、及びこれを圧入固定するサーモ・アクヂュエータ2
及び、主弁10とフレーム13との間に介装するリター
ン・スプリング9とよりなる。
【0017】液温が規定温度を超えて上昇すると、サー
モ・アクチュエータ2の感熱シリンダ筒8内に密封充満
するワックス7の溶融膨張によるワックス圧と等価の弾
性シール・スプール5内の潤滑油6は、リターン・スプ
リング9に抗してロッド3を上方へ押し上げる。然し、
ロッド3はハウジング12の頂点14に係合支持されて
いるので、相対的に主弁10は下方へ開く(図7)。液
温が下降に転ずると感熱シリンダ筒8内の溶融ワックス
7は逐次凝固収縮するからリターン・スプリング9によ
り主弁10は全閉に至る(図6)。この様にしてハウジ
ング12の頂点14に係合支持されているロッド3に対
しサーモ・アクチュエータ2のガイド・メンバ4は上下
に摺動し、これに固定される主弁10及び主弁と一体構
成のバイパス弁17はこれに対応して開閉する。
【0018】従来の自動車エンジンの冷却システムのサ
ーモスタット1のフランジ面15にはエンジンの冷態時
の冷却水の温度上昇を早める目的で必ず公知のジグル弁
機構(図示せず)を装着する。エンジンの作動中は水圧
で閉弁し、エンジンが停止すると自重でジグル弁が開
き、冷却水の補給に備える。図2に示すように、エンジ
ンのウォータ・ジャケット20の流出口21とラジエー
タ23の流入口24間の第1水路22と、ラジエータの
流出口25とサーモスタット・キャップ19、サーモス
タット・ハウジング18、ウォータ・ポンブ27を経て
ウォータ・ジャケット20の流入口28に至る第2水路
26と、第1水路22及び第2水路26間を連通するバ
イパス水路29と、バイバス水路29の開口30を開閉
するバイパス弁17及び第2水路を開閉する主弁10を
有するバイパス型サーモスタット1は、サーモスタット
・キャップ19によってサーモスタット・ハウジング1
8内に気密に固定される。
【0019】尚、図に於いてA’はサーモスタット・ハ
ウジング18内、B’はサーモスタット・キャップ19
内に近接する部位の水温の測定点、Cは流量の測定点で
ある。
【0020】エンジンの冷態時、バイパス型サーモスタ
ット1の主弁10は密閉し、ジグル弁も水圧で閉弁して
いるので、ウォータ・ジャケット20の流出口21から
の高温の冷却水は、ラジエータ23内を還流出来ず、第
1水路22の分岐点Jからバイパス水路29→サーモス
タット・ハウジング18→ウォータ・ポンプ27→ウォ
ータ・ジャケット・20の流入口28へと矢印の様に短
絡還流する。従ってサーモスタット・ハウジング18内
の水温の上昇は早くなる。
【0021】然し、ラジエータ23とサーモスタット・
キャップ19間の冷却水は流れないで滞留しているから
水温の上昇率は低く、図4に示す自記記録で明らかなよ
うに、サーモスタット・ハウジング18内の測定点A’
における水温Aがバイパス型サーモスタット1の主弁1
0の開弁温度87℃になっても、第2水路26の図示測
定点B’の水温Bは45℃になるに過ぎず、その差は4
2℃である。サーモスタット1の主弁10が開弁する瞬
間、ラジエータ23の下部からの低温冷却水が流入する
ため、Bの水温は更に13℃下がり、結局、サーモスタ
ット・ハウジング18内の水温との差は55℃に拡大す
る。A、B間の斜線で示す面積はその間の熱エネルギー
損失となる。
【0022】サーモスタット1の熱応答は冷却水の熱応
答よりかなり遅れる。従って、主弁10は水温が規定の
開弁温度よりかなり高くなってから弁を開く。同様に、
水温が規定の閉弁温度よりかなり下がってから弁を閉じ
る。この主弁10の開閉初期に大きな熱オーバー・シュ
ートが発生し、又、主弁が閉じたとき主弁の上流側にサ
ージ圧のピークが発生する。この間の経緯は図4の自記
記録で明らかである。
【0023】この熱オーバー・シュートとサージ圧によ
って、シリンダ・ブロック、シリンダ・ヘッドに亀裂が
発生することがあり、サーモスタット1、ラジエータ2
3、ウォータ・ポンプ27の寿命を縮める。又、主弁1
0の開弁直後の水温のこの低下はシリンダ内の不完全燃
焼を誘発し、有害排気物の発生を多くし、更に燃料消費
量も増す。
【0024】図2の従来の自動車エンジンの冷却システ
ムのサーモスタット1のフランジ面15に装着するジグ
ル弁を取り去り、あとに残るフランジ面15の直径2.
8mmの小孔16をそのまま残し、主弁3が閉じている
時でも、この小孔により少量の冷却水がラジエータ内を
還流出来るようにする。
【0025】すると、図5の自記記録で明らかな様にサ
ーモスタットの開弁直前のA、B間の温度差は6℃とな
り、図4の55℃の9分の1になる。従って図4に見ら
れる様な熱オーバー・シュートやサージ圧現象が全く無
く、斜線で示す熱エネルギー損失は激減する。
【0026】自記記録図4、と図5に於いて、Aの水温
が60℃になった時を0とし、それを基準としてバイパ
ス弁が全閉し、冷却水の全量がラジエータに還流するま
での経過時間を比較する。ジグル弁付のもの(図4)は
39.5分、ジグル弁を外した孔丈のもの(図5)は3
8.8分で、図5の方が予想に反し逆に0.7分早くバ
イパス弁を全閉して、冷却水の全量がラジエータを還流
する。これは冷却水の温度上昇を早める目的で設けたジ
グル弁機構自体が、図4に示す巨大な熱エネルギー損失
を自ら招いて、逆効果をもたらしたものである。要する
に、従来のジグル弁機構は不要であり、ジグル弁を外し
たあとのフランジ面の小孔は熱エネルギー損失を激減さ
せるためにも絶対に必要であることが明らかになった。
【0027】本発明のサーモスタットのフランジ面に開
口する小孔16(図8)は主弁10表裏の水圧を同圧に
し、リターン・スプリングのバネ定数を低下させる本発
明の効果は、主弁の開弁初期に於けるこの大きな熱エネ
ルギー損失を激減させる効果も秘めているのである。
【0028】本発明のフランジ面の小孔16(図8)は
従来のジグル弁機構の弁を外したあとの孔を取り敢えず
代用する。
【0029】図9は従来型の(A)のサーモ・アクチュ
エータで構成したワックス型サーモスタットAと、
(D)のサーモ・アクチュエータ(但しスプールの肉厚
を0.4mmとするもの)で構成した本発明のワックス
型サーモスタットDの夫々冷却液温−主弁リフトのダイ
ヤグラムである。
【0030】Aは87℃で開弁し、100℃で主弁のリ
フトは8.6mmで液化膨張領域を終了し、以後液体膨
張領域に入り、その後は主弁リフトの上昇率一定とな
る。従って、以後開弁リフトの不足、不足の連続で主弁
リフトが11mmになるのに冷却液の温度は130℃に
も達する。
【0031】これに対し、本発明のDは86℃で開弁
し、99℃で主弁リフトは11mmに達す。而も未だ固
体が液化する状態変化領域内にある。当然バイパス弁1
7はそれ以前に全閉する。従って本発明のエンジンの冷
却液の上限は99℃止まりになる。
【0032】図9に於いて、同じ温度範囲χでリフト
8.6mmを基準としてD曲線の占める斜線の面積dと
従来のA曲線の占める斜線の面積aを比較するとdはa
の約13倍で、本発明のサーモスタットが従来のサーモ
スタットより適切時に冷却液が急増して如何に高冷却効
率を発揮し、エンジンの熱効率を上げるか明らかであ
る。
【0033】本発明のDのサーモスタット4ケの耐久試
験の結果を表3に、従来のもの4ヶを表4に示す。サー
モスタットの耐久性に最も重要な要素であるリフトの変
化値は本発明の方が従来のものより一桁以上も小さく更
に初期との変化は少なく優れている。
【0034】図10は本発明のワックス型サーモスタッ
トで構成する自動車エンジンの冷却システム図3の冷却
水の温度、流量、時間の自記記録を示す。
【0035】主弁10が開き始めるX点から、A.B線
がクロスするY点(バイパス弁17が全閉して冷却水の
全量がラジエータ23を還流する点)迄の経過時間は従
来の図4では17分、本発明の図10では7.6分であ
り、図10のものは早期に而も極めて滑らかにA.Bが
交差して切り変わり、図4に比較すれば熱エネルギー損
失は皆無に等しい。
【0036】又、図4では冷却水の温度は130℃迄上
昇するが、図10では冷却水の温度は99℃止まりでそ
れ以上上昇しない。
【0037】試しにZ部でクーリング・ファンを2〜3
秒ONすると冷却水温は実に敏感に3.5℃下がり、ク
ーリング・ファンをOFFすると2.5分で元の99℃
に戻る。このようにクーリング・ファンによって極めて
敏感に冷却水温が下がるので車の渋滞時、或いはエンジ
ンの過負荷時の対応はクーリングーファンのON、OF
F制御で十分可能である。
【0038】
【発明の効果】弾性シール・スプールの肉厚を超薄く
し、更にサーモスタットのフランジ面に小孔を開口し、
その分、リターン・スプリングのバネ定数を低下させ、
ワックスの液化の増加を促進し、最適切時に冷却液の流
量を激増させ、従来の自動車エンジン冷却液の温度上限
130℃を99℃に下げる本発明はエンジンの熱効率を
大巾に上げ、エンジンの寿命を増し、燃費の節約、有排
気物の減少等、省エネルギー、環境保善をもたらす効果
は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ワックス圧の代りに油圧を利用した弾性シ
ール・スプールの油圧力−弁リフトの試験装置。
【図2】 従来のジグル弁機構を装着したワックス型
サーモスタットの主弁の全閉時を示す自動車エンジンの
冷却システム。
【図3】 本発明の自動車エンジン用ワックス型サー
モスタットの主弁の全閉時を示す自動車エンジンの冷却
システム。
【図4】 従来のジグル弁付サーモスタットを含む自
動車エンジン冷却システム図2の流量、温度、時間の自
記記録を示す。
【図5】 ジグル弁を外し、バルブ孔を残したサーモ
スタットを含む図2の流量、温度、時間の自記記録を示
す。
【図6】 本発明の自動車エンジン用ワックス型サー
モスタットの断面図で主弁の全閉時を示す。
【図7】 本発明の自動車エンジン用ワックス型サー
モスタットの断面図示で主弁の全開時を示す。
【図8】 本発明の自動車エンジン用ワックス型サー
モスタットのフランジ面の小孔を示す断面図。
【図9】 従来のワックス型サーモスタットAと本発
明のワックス型サーモスタットDの冷却液温−弁リフト
のダイヤグラムである。
【図10】 本発明のサーモスタットで構成する自動
車エンジン冷却システム図3の流量、温度、時間の自記
記録を示す。
【符号の説明】 1 サーモスタット 18 サーモスタッ
ト。ハウジング 2 サーモ・アクチュエータ 19 サーモスタット
・キャップ 3 ロッド 20 ウォータ・ジャ
ケット 4 ガイド・メンバ 21 ウォータ・ジャ
ケットの流出口 5 弾性シール・スプール 22 第1水路 6 潤滑油 23 ラジエータ 7 ワックス 24 ラジエータの流
入口 8 感熱シリンダ筒 25 ラジエータの流
出口 9 リターン・スプリング 26 第2水路 10 主弁 27 ウォータ・ポ
ンプ 11 弁座 28 ウォータ・ジ
ャケットの流入口 12 ハウジング 29 バイパス水路 13 フレーム 30 バイバス水路
の開口 14 頂点 15 フランジ面 16 小孔 17 バイパス弁
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【図8】
【図1】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年12月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 自動車エンジンの高冷却効率のワッ
クス型サーモスタット
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車エンジンの冷却水
の温度を制御するワックス型サーモスタットに関する。
【0002】
【従来の技術】サーモスタットの作動範囲は弁のリフト
・アップの大きなワックスが固体から液化する状態変化
領域の15℃と、弁のリフト・アッブの微少なワックス
液の体膨張領域の30℃に亘る合計45℃なので、これ
が従来自動車エンジンの熱効率の著しく低い原因となっ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】サーモスタットの作動
温度範囲をワックスが固体から液化する弁のリフト・ア
ップの大きな状態変化領域の15℃間に集中し、更に、
その領域の弁のリフト・アッブの拡大、増長手段を講じ
て自動車エンジンの冷却水温の上限を例えば81℃に大
巾に下げ、自動車エンジンの熱効率を向上させるのであ
る。
【0004】
【発明が解決するための手段】弁のリフト・アップの拡
大、増長手段は、第1にロッドに係合する弾性シール・
スプールの中心孔の側壁の肉厚をロッドの直径の25%
から5%の範囲内に超薄くして、これを絞り上げるワッ
クス圧を下げるにあり、又、第2にサーモスタットのフ
ランジ面に少なくとも1個の小孔をあけ、主弁の表裏に
加わる水圧を同圧にしてリターン・スプリングのバネ定
数を例えば1/2にしてワックスの液化を促進するにあ
る。このようにして、第1、第2の相乗効果で規定温度
(81℃)の下で自己能力の50%内で冷却水の流量を
倍増させる(図2)。
【0005】本発明のサーモスタットを装着しで高速道
路を80km/h〜150km/hで走行するとラジエ
ータは向い風を受けて80km/hで77.5℃の水温
が150km/hで70.5℃に下がる。然し都内を4
0〜60km/hで渋滞を交えた走行に移行すると水温
は90℃を超す。そこで、例えばクーリングファンを水
温81℃でONし、75℃でOFFするように制御す
る。ラジエータの容量が大きいのでクーリング・ファン
ONの時は水温は極めて敏感に下がるので水温は81℃
を超すことはない。
【実施例】
【0006】図2は従来の最新型のワックス型サーモス
タットYと、それに、ただ単に主弁のリフト・アップ拡
大増長手段を加えた丈の本発明のワックス型サーモスタ
ットXとの夫々冷却水温対主弁リフトのダイヤグラムで
ある。Wはボトム弁15が閉弁するリフトである(図
3)。
【0007】Yは72℃で開弁し、87℃で主弁のリフ
トは9.6mmで液化膨張領域を終了し、以後液体膨張
領域に入り、リフトの上昇率は急減し、リフトが12m
mに達する迄に水温は123℃にもなる。これに対し、
本発明のXの方は72℃で開弁し、85℃で主弁リフト
は12mmに達す。而も末だ固体が液化変化領域内にあ
る。
【0008】図2に於いて、X、Y曲線と、水温の上限
81℃のZ−Z’ラインとの間の斜線部分は主弁を通っ
て流れるXとYの水量の差で、Yの水量にほぼ等しい。
従ってXの水量はYの2倍となる。
【0009】この時、Xのリフトは6mmであり、Xの
有する能力12mmの50%を使用するに過ぎない。こ
の50%で150km/hで走行してもまだ50%の能
力を残す。然し、この大きな余裕があって必然的にこの
大きな効果が生まれるのであり、これを惜しんではなら
ない。然し、Yは従来型の例に洩れず、自己の能力の9
5%近くまで使用して余裕は少ないのである。要する
に、本発明は半分の資源を使って2倍の効率を上げ、尚
50%の余力を温存するのである。
【0010】図3及び図4は本発明の自動車エンジン冷
却水の温度制御用ワックス型サーモスタットの断面図で
前者は主弁の閉弁時を後者はその全開時を示す。
【0011】図3に於いて、ワックス型サーモスタット
1に装着するサーモ・アクチュエータ2はロッド3とロ
ッド3に摺動自在に係合するガイド・メンバ4とガイド
・メンバ4の下端面に気密に係合し、同じくロッド3に
摺動自在に係合する弾性シール・スプール5の底内面と
ロッドの下端面との間に形成される空間に所要量の潤滑
油6を封じ込み、これ等4者を一体にしてワックス7を
充填する感熱シリンダ筒8内に挿入し、気密に圧着して
構成する。
【0012】一般にワックス型サーモスタットは図4に
示す様に、弁座9を形成するハウジング10に固定する
フレーム11と、弁座9に係合する主弁12、及びこれ
を圧入固定するサーモ・アクチュエータ2及び、主弁1
2とフレーム11との間に介装するリターン・スプリン
グ13とよりなる。
【0013】水温が規定温度を超えて上昇すると、サー
モ・アクチュエータ2の感熱シリンダ筒8内に密封充満
するワックス7の溶融膨張によるワックス圧と等価の弾
性シール・スプール5内の潤滑油6は、リターン・スプ
リング13に抗してロッド3を上方へ押し上げる。然
し、ロッド3はハウジング10の頂点14に係合支持さ
れているので、相対的に主弁12は下方へ開く(図
4)。
【0014】水温が下降に転ずると感熱シリンダ筒8内
の溶融ワックス7は逐次凝固収縮するからリターン・ス
プリング13により主弁12は全閉に至る(図3)。こ
の様にしてハウジング10の頂点14に係合支持されて
いるロッド3に対しサーモ・アクチュエータ2のガイド
・メンバ4は上下に摺動し、これに固定される主弁12
及び主弁と一体構成のバイパス弁15はこれに対応して
開閉する。
【0015】以下に弾性シール・スプールの肉厚を超薄
くし且つ、フランジ面に小孔を設け、リターン・スプリ
ングのバネ定数を1/2にする相乗効果に就き説明す
る。
【0016】ワックス圧の代りに油圧を利用した簡易な
弾性シール・スブールの油圧力−主弁リフトの卓上試験
装置を図1に示す。 35.油圧供給口 36.サーモ・アクチュエータ 内部の弾性シール・スプールを観察出来る様に感熱シリ
ンダを切断して装着する 37.外部から内部を観察する窓 38.透明なアクリルパイプ 39.弾性シール・スプール 40.ロッド 41.潤滑油 42.リターン・スプリング 43.ダイヤル・インジケータ(図示せず)
【0017】図1の試験装置で測定した油圧−主弁リフ
トの実測値を表1に示す。 表1に於いて (A)は従来のロッド3の径3.8mmで、その径の4
5%の肉厚1.7mmのもの (B)はロッド3の径4.5mmで、その径の25%の
肉厚1.25mmのもの (C)はロッド3の径4.5mmで、その径の5%の肉
厚0.225mmのものであって係合するリターン・ス
プリング9のバネ定数は0.55kg/mmである。
【0018】弾性シール・スプール5の肉厚が(C)の
ように超薄いとスプール内部の潤滑油6の圧力はワック
ス圧と等価になる。弾性シール・スブール5はその内外
から等価の圧力で支えられ浮遊状態になるので、ロッド
3間の摩擦抵抗が0となり、ロッド3のリフト・アップ
はロッド3の下端面に加えられる潤滑油6の圧力によっ
てもたらされる。
【0019】(A)は肉厚1.7mmのため起動圧力は
80kg/cmで、リフトが0.6mmであり、バネ
荷重15.1kgに抗し、ロッド3を10mm絞り上げ
るのに140kg/cmの圧力を要し論外である。
【0020】ロッド3を起動する圧力は(B)、(C)
共に50kg/cmで、その時の主弁のリフトは同じ
く0.4mmであるが、それ以後はバネ荷重15.1k
gに抗してロッドを10mm絞り上げるのに、(C)は
超薄肉0.225mmのため、90kg/cmで達
し、(B)は遅れて100kg/cmで達す。
【0021】従って、これ等を考えると、弾性シール・
スプール5の肉厚を(B)以上に厚くすると、起動圧力
は50kg/cmを超すので、肉厚の上限はロッド3
の径の25%とする。又、弾性シール・スプール5の肉
厚は(C)に示す5%で充分で、これ以上薄くすると、
その製造が困難になり、コスト高になるので、肉厚の下
限はロッド3の径の5%とする。
【0022】更に、表1の(C)のリターン・スプリン
グ9のバネ定数0.55kg/mmを0.27kg/m
mに変えて、図1の試験装置で測定した油圧−主弁リフ
トの実測値(D)を表2に示す。
【0023】(D)の起動圧力30kg/cmで弁リ
フトは0.3mm、圧力60kg/cmで弁リフトは
13.5mmとなる。超薄肉の弾性シール・スプール5
に、更にバネ定数を従来、0.55kg/mmを0.2
7kg/mmと約半減にしたリターン・スプリング9を
係合して、ワックス7の液化を促進し、その液化の量を
急増させて弁リフトを上げる相乗効果は群を抜くのであ
る。
【0024】従来、自動車エンジンのサーモスタット1
のフランジ面16にはエンジンの冷却水の温度上昇を早
める目的で必ず公知のジグル弁機構17(図5)を装着
する。エンジンの作動中は水圧で閉弁し、エシジンが停
止するとジグル弁18が開き、冷却水の補給が出来る。
【0025】ところが、このジクル弁機構は実は有害無
益の存在であるのである。以下これに就き述べる。
【0026】図6はジグル弁付き従来の旧型のワックス
型サーモスタット構成の自動車エンジン冷却システムの
一例である。エンジンのウォータ・ジャケット20の流
出口21とラジエータ22の流入口23間の第1水路2
4と、ラジエータの流出口25とサーモスタット・キャ
ップ26、サーモスタット・ハウジング27、ウォータ
・ポンプ28を経てウォータ・ジャケット20の流入口
29に至る第2水路30と、第1水路24及び第2水路
30間を連通するバイパス水路31と、バイパス水路3
1の開口32を開閉するバイパス弁15及び第2水路を
開閉する主弁12を有するバイパス型サーモスタット1
は、サーモスタット・キャップ26によってサーモスタ
ット・ハウジング27内に気密に固定される。
【0027】尚、図に於いてA’はサーモスタット・ハ
ウジング27内、B’はサーモスタット・キャップ26
内に近接する部位の水温の測定点、Cは流量の測定点で
あり、33はクーリング・ファンである。
【0028】エンジンの冷態時、バイパス型サーモスタ
ット1の主弁12は密閉し、ジグル弁18(図示せず)
も水圧で閉弁しているので、ウォータ・ジャケット20
の流出口21からの高温の冷却水は、ラジエータ22内
を還流出来ず、第1水路24の分岐点Jからバイパス水
路31→サーモスタット・ハウジング27→ウォータ・
ポンプ28→ウォータ・ジャケット20の流入口29へ
と矢印の様に短絡還流する。従ってサーモスタット・ハ
ウジング29内の水温の上昇は早くなる。
【0029】然し、ラジエータ22とサーモスタット・
キャップ26間の冷却水は流れないで滞留しているから
水温の上昇率は低い。図6の自記記録の図7で明らかな
ように、サーモスタット・ハウジング27内の測定点
A’における水温Aがバイパス型サーモスタット1の主
弁12の開弁温度87℃になっても、第2水路30の図
示測定点B’の水温Bは45℃になるに過ぎず、その差
は42℃である。サーモスタット1の主弁12が開弁す
る瞬間、ラジエータ22の下部からの低温冷却水が流入
するため、Bの水温は更に13℃下がり、結局、サーモ
スタット・ハウジング27内の水温との差は55℃に拡
大する。A、B間の斜線で示す面積はその間の熱エネル
ギー損失となる。尚、経過時間はAの水温60℃の時を
0とする。
【0030】サーモスタット1の熱応答は冷却水の熱応
答よりかなり遅れる。従って、主弁12は水温が規定の
開弁温度よりかなり高くなってから弁を開く。同様に、
水温が規定の閉弁温度よりかなり下がってから弁を閉じ
る。この主弁12の開閉初期に大きな熱オーバー・シュ
ートが発生し、又、主弁が閉じたとき主弁の上流側にサ
ージ圧のピークが続発する。
【0031】この熱オーバー・シュートとサージ圧によ
って、シリンダ・ブロック、シリンダ・ヘッドに亀裂が
発生することがあり、サーモスタット1、ラジエータ2
2、ウォータ・ポンプ28等の寿命を縮める。
【0032】上記の開弁温度87℃は本発明の開弁温度
72℃(図2)より13℃も遅れる。図8に示す本発明
のフランジ面16の小孔19は従来のジグル弁18を外
したあとの弁孔19を利用するのである。
【0033】本発明のサーモスタットは自己の能力の5
0%は温存しているのですべての作動が静かにソフトに
迅速に実行されるので、エンジンの振動も少なく、エン
ジシの寿命も増す。
【0034】本発明のサーモスタット4ヶの耐久試験の
結果を表3に、従来のもの4ヶを表4に示す。サーモス
タットの耐久性に最も重要な要素であるリフトの変化値
は本発明の方が従来のものより一桁以上も小さく、初期
との変化に至っては殆どゼロに等しい。
【0035】以上述べた本発明のサーモスタットは、ロ
ッドの径、シリンダの内容積、シリンダの肉厚を従来の
サーモスタットと同一のものとした。それでいてもこの
様な類を見ない成果を得たのであるが、以下に述べる手
段を講ずれば尚一段の成果が得られるのである。
【0036】即ち、弾性シール・スプールの肉厚を超薄
くするとシリンダの内容積に余裕が出来ると共にワック
ス圧が下がる。そこでシリンダの肉厚を薄くすることが
出来、シリンダの内容積は更に余裕を増す。そこでロッ
ドの径を太くして、ロッドの径の2乗に逆比例してワッ
クス圧を下げるのである。この様にして規定水温の81
℃を更に下げることが出来るのである。
【0037】この様にその重量が僅か107gの本発明
のサーモスタットが大きな自動車を自由にコントロール
して、その諸性能を驚異的に向上させるのである。
【0038】
【発明の効果】本発明は弾性シール・スプールの肉厚を
超薄くし、更にジグル弁を排除してリターン・スプリン
グのバネ定数を半減させる相乗効果で、冷却水の流量の
倍増を自己能力の50%内で軽く達成して自動車エンジ
ン冷却水の温度上限123℃を81℃に下げ、エンジン
の熱効率を上げ、エンジンの寿命を増し、COを削減
し、地球温暖化防止に貢献する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ワックス圧の代りに油圧を利用した弾性シ
ール・スプールの油圧力−弁リフトの試験装置。
【図2】 従来の最新型ワックス型サーモスタットY
と本発明のワックス型サーモスタットXの冷却水温対弁
リフトのダイヤグラムである。
【図3】 本発明の自動車エンジン用ワックス型サー
モスタットの断面図で主弁の全閉時を示す。
【図4】 本発明の自動車エンジン用ワックス型サー
モスタットの断面図で主弁の全開時を示す。
【図5】 ジグル弁機構。
【図6】 ジグル弁機構付の従来のサーモスタットで
構成する自動車エンジンの冷却システム。
【図7】 図6の冷却水の流量、温度、経過時間の自
記記録を示す。
【図8】 本発明の自動車エンジン用ワックス型サー
モスタットのフランジ面の小孔を示す断面図。
【符号の説明】 1 サーモスタット 20 ウォータ・ジャ
ケット 2 サーモ・アクチュエータ 21 ウォータ・ジャ
ケットの流出口 3 ロッド 22 ラジエータ 4 ガイド・メンバ 23 ラジエータの流
入口 5 弾性シール・スプール 24 第1水路 6 潤滑油 25 ラジエータの流
出口 7 ワックス 26 サーモスタット
・キャップ 8 感熱シリンダ筒 27 サーモスタット
・ハウジング 9 弁座 28 ウォータ・ポン
プ 10 ハウジング 29 ウォータ・ジ
ャケットの流入口 11 フレーム 30 第2水路 12 主弁 31 バイパス水路 13 リターン・スプリング 32 バイパス水路
の開口 14 頂点 33 クーリング・
ファン 15 バイパス弁 16 フランジ面 17 ジグル弁機構 18 ジグル弁 19 小孔
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図7】 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年1月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正書】
【提出日】平成10年4月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 自動車エンジンの高冷却効率のワッ
クス型サーモスタット
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車エンジンの冷却水
の温度を制御するワックス型サーモスタットに関する。
【0002】
【従来の技術】サーモスタットの作動範囲は弁のリフト
・アップの大きなワックスが固体から液化する状態変化
領域の15℃と、弁のリフト・アップの微少なワックス
液の体膨張領域の30℃に亘る合計45℃なので、これ
が従来自動車エシジンの熱効率の著しく低い原因となっ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】サーモスタットの作動
温度範囲をワックスが固体から液化する弁のリフト・ア
ップの大きな状態変化領域の15℃間に集中し、更に、
その領域の弁のリフト・アップの拡大、増長手段を講じ
て自動車エンジンの冷却水温の上限を81℃に大巾に下
げ、自動車エンジンの熱効率を向上させるのである。
【0004】
【発明が解決するための手段】弁のリフト・アップの拡
大、増長手段は、第1にロッドに係合する弾性シール・
スプールの中心孔の側壁の肉厚をロッドの直径の25%
から5%の範囲内に超薄くして、これを絞り上げるワッ
クス圧を下げるにあり、又、第2にサーモスタットのフ
ランジ面に少なくとも1個の小孔をあけ、主弁の表裏に
加わる水圧を同圧にしてリターン・スプリングのバネ定
数を1/2にしてワックスの液化を促進するにある。こ
のようにして、第1、第2の相乗効果で冷却水温の上限
を81℃に下げ、自己能力の50%内で冷却水の流量を
倍増させた(図2)。
【0005】本発明のサーモスタットを装着して高速道
路を80km/h〜150km/hで走行するとラジエ
ータは向い風を受けて80km/hで77.5℃の水温
が150km/hで70.5℃に下がる。そこで、例え
ば自動車のクーリングファンを水温81℃でONするよ
うにセットする。本発明の主弁を通る冷却水の流量が従
来のものの倍であるからクーリング・ファンONの時は
水温は極めて敏感に下がるので水温は81℃を超すこと
はない。そこで、クーリング・ファンONの温度を先ず
先行して下げ乍ら、その結果から最適冷却水温の上限を
探り当てるのである。
【実施例】
【0006】図2は従来のワックス型サーモスタットY
と、それに、本発明のワックス型サーモスタットXとの
夫々冷却水温対主弁リフトのダイヤグラムである。Wは
ボトム弁15が閉弁するリフトである。
【0007】Xは72℃を起点として、僅か9℃の上昇
81℃で、リフト6mmになるが余裕は充分であること
は、前記高速道路のテストで明らかである。更に4℃の
上昇85℃でリフトは倍の12mmになる。即ち自己能
力の50%で従来の2倍の成果を、上げ、尚50%(リ
フト6mm)の余裕を温存しているのである。
【0008】これに対しYは水温86℃以後はリフト不
足の連続でリフトが12mmに達する迄に72℃起点と
して37℃も上昇して尚、余裕が無い。
【0009】X、Y曲線と、水温の上限81℃のZ−
Z’ラインとの間の斜線部分は主弁を通って流れるXと
Yの水量の差で、この時、Xのリフトは6mmでYのリ
フトは3mmになる。従ってXの水量はYの2倍であ
る。
【0010】図3及び図4は本発明の自動車エンジン冷
却水の温度制御用ワックス型サーモスタットの断面図で
前者は主弁の閉弁時を後者はその全開時を示す。
【0011】図3に於いて、ワックス型サーモスタット
1に装着するサーモ・アクチュエータ2はロッド3とロ
ッド3に摺動自在に係合するガイド・メンバ4とガイド
・メンバ4の下端面に気密に係合し、同じくロッド3に
摺動自在に係合する弾性シール・スプール5の底内面と
ロッドの下端面との間に形成される空間に所要量の潤滑
油6を封じ込み、これ等4者を一体にしてワックス7を
充填する感熱シリンダ筒8内に挿入し、気密に圧着して
構成する。
【0012】一般にワックス型サーモスタットは図4に
示す様に、弁座9を形成するハウジング10に固定する
フレーム11と、弁座9に係合する主弁12、及びこれ
を圧入固定するサーモ・アクチュエータ2及び、主弁1
2とフレーム11との間に介装するリターン・スプリン
グ13とよりなる。
【0013】水温が規定温度を超えて上昇すると、サー
モ・アクチュエータ2の感熱シリンダ筒8内に密封充満
するワックス7の溶融膨張によるワックス圧と等価の弾
性シール・スプール5内の潤滑油6は、リターン・スプ
リング13に抗してロッド3を上方へ押し上げる。然
し、ロッド3はハウジング10の頂点14に係合支持さ
れているので、相対的に主弁12は下方へ開く(図
4)。
【0014】水温が下降に転ずると感熱シリンダ筒8内
の溶融ワックス7は逐次凝固収縮するからリターン・ス
プリング13により主弁12は全閉に至る(図3)。こ
の様にしてハウジング10の頂点14に係合支持されて
いるロッド3に対しサーモ・アクチュエータ2のガイド
・メンバ4は上下に摺動し、これに固定される主弁12
及び主弁と一体構成のバイパス弁15はこれに対応して
開閉する。
【0015】以下に弾性シール・スプールの肉厚を超薄
くし且つ、フランジ面に小孔を設け、リターン・スプリ
ングのバネ定数を1/2にする相乗効果に就き説明す
る。
【0016】ワックス圧の代りに油圧を利用した簡易な
弾性シール・スプールの油圧力−主弁リフトの卓上試験
装置を図1に示す。 35.油圧供給口 36.サーモ・アクチュエータ 内部の弾性シール・スプールを観察出来る様に感熱シリ
ンダを切断して装着する 37.外部から内部を観察する窓 38.透明なアクリルパイプ 39.弾性シール・スプール 40.ロッド 41.潤滑油 42.リターン・スプリング 43・ダイヤル・インジゲータ(図示せず)
【0017】図1の試験装置で測定した油圧−主弁リフ
トの実測値を表1に示す。 表1に於いて (A)は従来のロッド3の径3.8mmで、その径の4
5%の肉厚1.7mmのもの (B)はロッド3の径4.5mmで、その径の25%の
肉厚1.25mmのもの (C)はロッド3の径4.5mmで、その径の5%の肉
厚0.225mmのものであって係合するリターン・ス
プリング9のバネ定数は0.55kg/mmである。
【0018】弾性シール・スプール5の肉厚が(C)の
ように超薄いとスプール内部の潤滑油6の圧力はワック
ス圧と等価になる。弾性シール・スプール5はその内外
から等価の圧力で支えられ浮遊状態になるので、ロッド
3間の摩擦抵抗が0となり、ロッド3のリフト・アップ
はロッド3の下端面に加えられる潤滑油6の圧力によっ
てもたらされる。
【0019】(A)は肉厚1.7mmのため起動圧力は
80kg/cmで、リフトが0.6mmであり、バネ
荷重15.1kgに抗し、ロッド3を10mm絞り上げ
るのに140kg/cmの圧力を要し論外である。
【0020】ロッド3を起動する圧力は(B)、(C)
共に50kg/cmで、その時の主弁のリフトは同じ
く0.4mmであるが、それ以後はバネ荷重15.1k
gに抗してロッドを10mm絞り上げるのに、(C)は
超薄肉0.225mmのため、90kg/cmで達
し、(B)は遅れて100kg/cmで達す。
【0021】従って、これ等を考えると、弾性シール・
スプール5の肉厚を(B)以上に厚くすると、起動圧力
は50kg/cmを超すので、肉厚の上限はロッド3
の径の25%とする。又、弾性シール・スプール5の肉
厚は(C)に示す5%で充分で、これ以上薄くすると、
その製造が困難になり、コスト高になるので、肉厚の下
限はロッド3の径の5%とする。
【0022】更に、表1の(C)のリターン・スプリン
グ9のバネ定数0.55kg/mmを0.27kg/m
mに変えて、図1の試験装置で測定した油圧−主弁リフ
トの実測値(D)を表2に示す。
【0023】(D)の起動圧力30kg/cmで弁リ
フトは0.3mm、圧力60kg/cmで弁リフトは
13.5mmとなる。超薄肉の弾性シール・スプール5
に、更にバネ定数を従来、0.55kg/mmを0.2
7kg/mmと約半減にしたリターン・スプリング9を
係合して、ワックス7の液化を促進し、その液化の量を
急増させて弁リフトを上げる相乗効果は群を抜くのであ
る。
【0024】従来から現在に亘り、自動車エンジンのサ
ーモスタット1のフランジ面16にはエンジンの冷却水
の温度上昇を早める目的で必ず公知のジグル弁機構17
(図5)を装着する。エンジンの作動中は水圧で閉弁
し、エンジンが停止するとジグル弁18が解放されて開
き、矢印の方向に冷却水の補給が出来る。
【0025】ところが、このジクル弁機構は実は後述す
る様に諸悪の根源である。以下これに就き述べる。
【0026】図6はジグル弁機構付き従来の旧型のワッ
クス型サーモスタット構成の自動車エンジン冷却システ
ムの一例である。エンジンのウォータ・ジャケット20
の流出口21とラジエータ22の流入口23間の第1水
路24と、ラジエータの流出口25とサーモスタット・
キャップ26、サーモスタット・ハウジング27、ウォ
ータ・ポンプ28を経てウォータ・ジャケット20の流
入口29に至る第2水路30と、第1水路24及び第2
水路30間を連通するバイパス水路31と、バイパス水
路31の開口32を開閉するバイパス弁15及び第2水
路を開閉する主弁12を有するバイパス型サーモスタッ
ト1は、サーモスタット・キャップ26によってサーモ
スタット・ハウジング27内に気密に固定される。
【0027】尚、図に於いてA’はサーモスタット・ハ
ウジング27内、B’はサーモスタット・キャップ26
内に近接する部位の水温の測定点、Cは流量の測定点で
あり、33はクーリング・ファンである。
【0028】エンジンの冷態時、バイパス型サーモスタ
ット1の主弁12は密閉し、ジグル弁18(図示せず)
も水圧で閉弁しているので、ウォータ・ジャケット20
の流出口21からの高温の冷却水は、ラジエータ22内
を還流出来ず、第1水路24の分岐点Jからバイパス水
路31→サーモスタット・ハウジング27→ウォータ・
ポンプ28→ウォータ・ジャケット20の流入口29へ
と矢印の様に短絡還流する。従ってサーモスタット・ハ
ウクジング29内の水温の上昇は早くなる。
【0029】然し、ラジエータ22とサーモスタット・
キャップ26間の冷却水は流れないで滞留しているから
水温の上昇率は低い。図6の自記記録の図7で明らかな
ように、サーモスタット・ハウジング27内の測定点
A’における水温Aがバイパス型サーモスタット1の主
弁12の開弁温度87℃になっても、第2水路30の図
示測定点B’の水温Bは45℃になるに過ぎず、その差
は42℃である。サーモスタット1の主弁12が開弁す
る瞬間、ラジエータ22の下部からの低温冷却水が流入
するため、Bの水温は更に13℃下がり、結局、サーモ
スタット・ハウジング27内の水温との差は55℃に拡
大する。A、B間の斜線で示す面積はその間の熱エネル
ギー損失となる。尚、経過時間はAの水温60℃の時を
0とする。
【0030】サーモスタット1の熱応答は冷却水の熱応
答よりかなり遅れる。従って、主弁12は水温が規定の
開弁温度よりかなり高くなってから弁を開く。同様に、
水温が規定の閉弁温度よりかなり下がってから弁を閉じ
る。この主弁12の開閉初期に大きな熱オーバー・シュ
ートが発生し、又、主弁が閉じたとき主弁の上流側にサ
ージ圧のピークが続発する。
【0031】この熱オーバー・シュートとサージ圧によ
って、シリンダ・ブロック、シリンダ・ヘッドに亀裂が
発生することがあり、サーモスタット1、ラジエータ2
2、ウォータ・ポンプ28等の寿命を縮める。
【0032】そこで、本発明では、従来のジグル弁機構
を排除してサーモスタットのフランジ面16に少なくと
も1個の小孔19を開口する(図8。)この孔があって
も、コンピュータ制御によるスロットル・ボディ内に噴
射するコールド・スタート・インジェクターのためにエ
ンジンは暖気時間ゼロで即起動するのである。
【0033】本発明のサーモスタットは自己の能力の5
0%は温存しているのですべての作動が静かにソフトに
迅速に実行されるので、エンジンの振動も少なく、エン
ジンの寿命も増す。
【0034】本発明のサーモスタット4ヶの耐久試験の
結果を表3に、従来のもの4ヶを表4に示す。サーモス
タットの耐久性に最も重要な要素であるリフトの変化値
は本発明の方が従来のものより一桁以上も小さく、初期
との変化に至っては殆どゼロに等しい。
【0035】以上述べた本発明のサーモスタットは、ロ
ッドの径、シリンダの内容積、シリンダの肉厚を従来の
サーモスタットと同一のものとした。それでいてもこの
様な類を見ない成果を得たのであるが、以下に述べる手
段を講ずれば冷却水温の上限81℃を更に下げることが
出来る。
【0036】即ち、例えば図2で溶融温度がラインXよ
り3℃早い別のワックスを使用して冷却水温の上限81
℃を78℃に下げることが出来るのである。そして最後
に、クーリング・ファンONの温度を先行して下げ乍
ら、その結果から最適冷却水温の上限を探り当てるので
ある。
【0037】この様にその重量が僅か107gの本発明
のサーモスタットが大きな自動車を自由にコントロール
して、その諸性能を驚異的に向上させるのである。
【0038】
【発明の効果】本発明は弾性シール・スプールの肉厚を
超薄くし、更にリターン・スプリングのバネ定数を半減
させる相乗効果で、冷却水の流量の倍増をワックスの状
態変化領域内のリフト6mmで軽く達成し、従来の自動
車エンジンの冷却水の温度の上限123℃を81℃以下
に大きく下げ、燃費を節約し、エンジンの寿命を増し、
NOx,COを削減し、地球温暖化防止に貢献する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ワックス圧の代りに油圧を利用した弾性シ
ール・スプールの油圧力−弁リフトの試験装置。
【図2】 従来の最新型ワックス型サーモスタットY
と本発明のワックス型サーモスタットXの冷却水温対弁
リフトのダイヤグラムである。
【図3】 本発明の自動車エンジン用ワックス型サー
モスタットの断面図で主弁の全閉時を示す。
【図4】 本発明の自動車エンジン用ワックス型サー
モスタットの断面図で主弁の全開時を示す。
【図5】 ジグル弁機構。
【図6】 ジグル弁機構付の従来のサーモスタットで
構成する自動車エンジンの冷却システム。
【図7】 図6の冷却水の流量、温度、経過時間の自
記記録を示す。
【図8】 本発明の自動車エンジン用ワックス型サー
モスタットのフランジ面の小孔を示す断面図。
【符号の説明】 1 サーモスタット 20 ウォータ・ジャ
ケット 2 サーモ・アクチュエータ 21 ウォータ・ジャ
ケットの流出口 3 ロッド 22 ラジエータ 4 ガイド・メンバ 23 ラジエータの流
入口 5 弾性シール・スプール 24 第1水路 6 潤滑油 25 ラジエータの流
出口 7 ワックス 26 サーモスタット
・キャップ 8 感熱シリンダ筒 27 サーモスタット
・ハウジング 9 弁座 28 ウォータ・ポン
プ 10 ハウジング 29 ウォータ・ジ
ャケットの流入口 11 フレーム 30 第2水路 12 主弁 31 バイパス水路 13 リターン・スプリング 32 バイパス水路
の開口 14 頂点 33 クーリング・
ファン 15 バイパス弁 16 フランジ面 17 ジグル弁機構 18 ジグル弁 19 小孔
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図3】
【図2】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロッドとロッドに摺動自在なガイド・メ
    ンバとガイド・メンバの端面に気密に係合する弾性シー
    ル・スプールとロッドの下端と弾性シール・スプールの
    底面との空間に封じ込まれた潤滑油の4者を一体にして
    ワックスを充填する感熱シリンダ筒内に挿入し、気密に
    圧着して構成するワックス型サーモスタットのサーモ・
    アタチュエータに於いて、 ロッドに係合する弾性シール・スプールの中心孔の側壁
    の肉厚をロッドの直径の25%から5%の範囲に超薄く
    し、更にサーモスタットのリターン・スプリングのバネ
    定数を低下させ、サーモスタットの作動温度範囲をワッ
    クスが固体から液化する弁のリフト・アップの大きな状
    態変化領域に集中してワックスの液化を促進し、適切時
    に冷却液の流量を急増させるように構成することを特徴
    とする自動車エンジンの高冷却効率のワックス型サーモ
    スタット。
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