JPH10298780A - 絶縁材への被膜形成方法 - Google Patents

絶縁材への被膜形成方法

Info

Publication number
JPH10298780A
JPH10298780A JP10037737A JP3773798A JPH10298780A JP H10298780 A JPH10298780 A JP H10298780A JP 10037737 A JP10037737 A JP 10037737A JP 3773798 A JP3773798 A JP 3773798A JP H10298780 A JPH10298780 A JP H10298780A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
insulating material
hard carbon
base film
base
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10037737A
Other languages
English (en)
Inventor
Osamu Sugiyama
杉山  修
Yukio Miya
宮  行男
Ryuta Koike
▲龍▼太 小池
Takashi Toida
孝志 戸井田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Citizen Watch Co Ltd
Original Assignee
Citizen Watch Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Citizen Watch Co Ltd filed Critical Citizen Watch Co Ltd
Priority to JP10037737A priority Critical patent/JPH10298780A/ja
Publication of JPH10298780A publication Critical patent/JPH10298780A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 絶縁材上に形成した硬質カーボン膜の表面に
静電気が帯電しないように、その表面抵抗値を制御す
る。 【解決手段】 基材である絶縁材12の表面に導電性を
有する下地膜14を形成し、その下地膜14上に硬質カ
ーボン膜16を形成し、下地膜14の抵抗値を変えるこ
とにより硬質カーボン膜16の表面抵抗値を制御する。
その下地膜14をチタン,クロム,タングステン等の金
属膜で形成した場合は、その膜厚によって抵抗値を制御
する。シリコン,ゲルマニウム等の半導体膜で形成した
場合は、その膜厚又は不純物濃度によって抵抗値を変え
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、絶縁材の表面に
硬質カーボン膜を形成して耐摩耗性を高め、且つその表
面抵抗値を所望の値に制御するための、絶縁材への硬質
カーボン膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、金属,ガラス,セラミック,プラ
スチック等の基材の表面に保護膜として硬質カーボン膜
を形成して、その表面の耐摩耗性を大幅に高め、耐久性
を向上させることが行なわれている。その硬質カーボン
膜は、水素化アモルファス・カーボン膜であり、黒色状
の被膜でダイヤモンドによく似た性質をもつ。そのた
め、ダイヤモンド・ライク・カーボン(DLC)膜と呼
ばれたり、あるいはi−カーボン膜ともよばれている。
【0003】そして、この硬質カーボン膜は、機械的硬
度が高く、摩擦係数が低く、電気的絶縁性がよく、熱伝
導率が高く、耐腐食性が高いという優れた特性を持って
いる。そのため、装飾品,医療機器,磁気ヘッド,ある
いは工具になどに硬質カーボン膜を被覆することによ
り、それらの耐久性を大幅に高めることが提案され、実
用化されている。
【0004】また、LSI(Large Scale Integrated ci
rcuit)等の半導体デバイスの製造装置において、半導
体ウエハや半導体チップを搬送するための搬送アーム等
の半導体のウエハやチップを取り扱う治具や工具類に
は、半導体のウエハやチップを汚染しないように、金属
ではなくセラミック材等の絶縁材が使用され、その表面
の耐摩耗性を高めるために、その絶縁材による治具や工
具類の表面を硬質カーボン膜で被覆することが提案され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この硬
質カーボン膜は電気的に高い抵抗率をもつため、基材の
表面を硬質カーボン膜で被覆すると、その表面抵抗値が
非常に高くなる。そのため、他の部材との接触によって
静電気が発生しやすく、それによって雰囲気中のゴミや
チリをその表面に吸着し易いという問題がある。また、
半導体のウエハや半導体チップを搬送するための搬送ア
ーム等の表面に硬質カーボン膜を形成した場合には、静
電気によるゴミやチリの吸着の問題に加えて、次のよう
な問題も発生する。
【0006】例えば、半導体集積回路素子を多数集積し
た半導体ウエハや半導体チップを取り扱うような場合に
は、半導体集積回路の高集積化が進んでいるので、例え
ばMOSトランジスタのゲート絶縁膜は非常に薄膜にな
っているため、それを取り扱う治具や工具類の表面に帯
電した静電気に起因するゲート絶縁膜の静電破壊が大き
な問題である。
【0007】ここで、硬質カーボン膜の表面抵抗値の測
定例を図13のグラフに示す。この図13のグラフにお
ける横軸は硬質カーボン膜の膜厚を示し、縦軸は表面抵
抗値である端子間抵抗を示す。硬質カーボン膜の表面抵
抗値を測定するための試料として、板厚が1.1mmの
ホウ珪酸系ガラス上に、膜厚が0.1μm、0.4μ
m、0.8μm、1.2μm、1.5μmの硬質カーボ
ン膜を形成した5種類の試料を作成した。そのときの測
定結果を曲線36で示す。
【0008】その表面抵抗値の測定方法を図14によっ
て説明する。図14に示すように、基材12であるホウ
珪酸系ガラス上に硬質カーボン膜16を形成した試料の
表面に一対の測定端子22a,22bを所定の間隔(1
mm)をあけて接触させる。そして、この測定端子22
a,22bには直流電源18と電流計20とを直列接続
する。直流電源18から50Vの直流電圧を測定端子2
2a,22b間に印加し、測定端子22a,22bを通
して流れる電流値を電流計20によって測定し、計算に
よって硬質カーボン膜16の表面抵抗値を算出した。
【0009】硬質カーボン膜16の表面抵抗値は、図1
3の曲線36に示すように、1011Ωのオーダである。
なお、硬質カーボン膜16の膜厚が厚くなると表面抵抗
値が小さくなっているが、これは膜厚が厚くなるほど、
その膜中に流れる電流値が増加するためであると推測し
ている。
【0010】このように、絶縁物からなる治具や工具類
の表面に形成する硬質カーボン膜の表面抵抗値は、10
11Ωのオーダという非常に高い値であるため、静電気が
帯電してゴミやチリを吸着したり、半導体のウエハやチ
ッブを取り扱う場合にはその静電気によって静電破壊が
発生する恐れがある。そのため、硬質カーボン膜のもつ
メリットを充分に発揮できず、硬質カーボン膜表面に静
電気が帯電しない半導体ウエハや半導体チップを取り扱
う治具や工具類が求められている。
【0011】そこで、例えば特開平2−30761号公
報などに見られるように、金属や絶縁材の基材の表面に
形成する硬質カーボン膜中に、ハロゲン元素又は水素と
ハロゲン元素を含有させ、ハロゲン元素の濃度を堆積さ
れる膜の厚さ方向に分布を持たせるようにして、硬質カ
ーボン膜の導電率を制御することが提案されている。す
なわち、プラズマCVD法によって硬質カーボン膜を形
成する際に、ハロゲン元素の原料として、NF3,S
4,WF6等のフッ化物、CCl4等の塩化物、CH3
r等の臭化物又はヨウ化物をプラズマ中に添加して、
F,Cl,Br,I等のハロゲン元素を添加する。
【0012】このように硬質カーボン膜中にハロゲン元
素を含有させると、硬質カーボン膜の導電率を高め、そ
の表面抵抗値を下げることはできるが、硬度などの特性
が低下し、耐摩耗性を高める効果が損なわれるという問
題がある。また、硬質カーボン膜の成膜中にW,Niな
どの金属をスパッタなどで同時に成膜し、金属粒子が混
入した硬質カーボン膜を成膜して表面抵抗値を低下させ
ることも提案されている。
【0013】しかし、この方法によってもやはり、硬質
カーボン膜に金属粒子を混入させることによって硬度な
どの特性が低下し、耐摩耗性を高める効果が損なわれれ
ることになる。しかも、成膜行程のプロセス制御が難し
く、表面抵抗値の制御性も悪い。
【0014】この発明は、このような問題を解決して、
絶縁材の表面に硬質カーボン膜を形成する絶縁材への皮
膜形成方法において、硬質カーボン膜の硬度を低下させ
ることなく、その表面に静電気が帯電しないように表面
抵抗値を制御することができるようにすることを目的と
する。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明による絶縁材への被膜形成方法は、ガラス
又はセラミック材等の絶縁材の表面に導電性を有する下
地膜を形成し、その下地膜上に硬質カーボン膜を形成
し、その下地膜の抵抗値を変えることにより硬質カーボ
ン膜の表面抵抗値を制御することを特徴とする。
【0016】上記下地膜としては、金属膜又は半導体膜
を形成するとよい。そして、金属膜の場合は、その膜厚
あるいは材料を変えることによって下地膜の抵抗値を変
えることができる。半導体膜の場合は、その膜厚又は材
料あるいは不純物濃度を変えることによって下地膜の抵
抗値を変えることができる。
【0017】また、上記下地膜として、絶縁材の表面に
金属膜による第1の下地膜を形成し、その上に半導体膜
による第2の下地膜を形成するようにしてもよい。この
場合には、金属膜による第1の下地膜の膜厚と、半導体
膜による第2の下地膜の膜厚又は不純物濃度のうち、少
なくとも一方を変えることによって下地膜の抵抗値を変
えることができる。
【0018】上記下地膜としての金属膜を、チタン,ク
ロムまたはタングステンあるいはそれらの炭化物又は窒
化物のいずれかで形成するとよい。また、半導体膜を、
シリコン又はゲルマニウムあるいはシリコン又はゲルマ
ニウムの化合物のいずれかで形成するとよい。
【0019】また、上記絶縁材と硬質カーボン膜との間
に形成する下地膜として、絶縁材の表面に金属膜による
第1の下地膜を形成し、その上に前記金属膜よりも導電
度の高い金属膜による第2の下地膜を形成し、さらにそ
の上に半導体膜による第3の下地膜を形成するようにす
るとさらによい。この場合には、上記下地膜の抵抗値
を、主として上記第2の下地膜の膜厚によって変えるこ
とができる。
【0020】そして、第1の下地膜をチタン,クロムま
たはタングステンのいずれかで形成し、第2の下地膜を
金,銅,インジウム,またはアルミニウムのいずれかで
形成し、第3の下地膜をシリコン又はゲルマニウムで形
成するとよい。
【0021】この発明により、半導体のウエハ又はチッ
プを取り扱う搬送アーム等の治具又は工具の表面に硬質
カーボン膜を形成すれば、セラミック等の絶縁材からな
る治具又は工具の表面の耐摩耗性を大幅に高め、表面が
削れて粉塵が発生するのを防ぎ、且つ表面抵抗値を下げ
て静電気の帯電を防ぎ、取り扱う半導体ウエハや半導体
チップ等へのゴミの吸着や静電破壊を防止することがで
きる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、この発明による絶縁材への
被膜形成方法の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、この発明の第1の実施形態によって形成した被
膜構成を示す模式的断面図である。
【0023】図1に示す被膜構成は、各種の部品あるい
は治具や工具等の基材である絶縁材12上に、下地膜1
4を介して硬質カーボン膜16を設けている。この絶縁
材12は、ガラスやセラミック材あるいは樹脂(プラス
チック)などである。その絶縁材12の表面に、下地膜
14として金属膜または半導体膜を形成する。その下地
膜14の形成方法としては、スパッタリング法や真空蒸
着法などの物理気相成長法、または化学気相成長法を適
用して被膜形成する。
【0024】そして、その下地膜14上に硬質カーボン
膜16を形成する。その硬質カーボン膜16は、メタン
(CH4 )を原料ガスとするプラズマ化学気相成長法に
よって形成する。下地膜14として金属膜を適用すると
きは、チタン(Ti),クロム(Cr)またはタングス
テン(W)などが使用可能である。さらに、これらの金
属の炭化物や窒化物などの化合物も下地膜14として適
用できる。
【0025】下地膜14として半導体膜を適用するとき
は、シリコン(Si)またはゲルマニウム(Ge)が使
用可能である。さらに、シリコンやゲルマニウムの化合
物も下地膜14として適用できる。
【0026】そして、この下地膜14の抵抗値を変える
ことによって、硬質カーボン膜16の表面抵抗値を制御
することができる。下地膜14の抵抗値は、それが金属
膜の場合には、使用する金属の種類又はその炭化物や窒
化物などの化合物の組成、あるいはその膜厚を変えるこ
とによって変えることができる。
【0027】下地膜14が半導体膜の場合には、使用す
る半導体の種類や半導体膜の膜厚、あるいは半導体膜中
に導入する不純物濃度を変えることによって抵抗値を変
えることができる。半導体膜中に導入する不純物として
は、リン(P)やボロン(B)や砒素(As)などがあ
る。
【0028】これらの不純物は、半導体膜の被膜形成時
に同時に半導体膜中に取り込まれるようにする。たとえ
ば化学気相成長法を適用して、シリコン膜中にリンを導
入するのであれば、シリコンの原料ガスであるモノシラ
ン(SiH4 )とホスフィン(PH3 )とを成長室に導
入する。このようにして、絶縁材12を被覆した硬質カ
ーボン膜16の表面抵抗値を、静電気が帯電しないよう
な所要の値にすることが可能である。
【0029】この第1の実施形態の具体的な実施例を図
2のグラフを参照して説明する。図2に示すグラフは、
図1に示した絶縁材12としてガラスを使用し、その表
面に下地膜14として導電型がN型のシリコン膜(半導
体膜)を形成し、その上面に硬質カーボン膜16を形成
したときの、硬質カーボン膜16の表面抵抗値を示す。
【0030】硬質カーボン膜の膜厚は、0.4μm,
1.1μm,1.9μmの3種類の試料を作成し、その
各端子間抵抗値を測定して図2にプロットした。すなわ
ち、図2の横軸は硬質カーボン膜の膜厚を示し、縦軸は
表面抵抗値である端子間抵抗を示す。下地膜であるシリ
コン膜の比抵抗は、曲線26が1〜5Ω・cm-1(この
とき不純物濃度は9×1014〜5×1015 atoms/cm3
であり、曲線24が10〜20Ω・cm-1(このとき不
純物濃度は2.5×1014〜5×1014atpoms/cm3)で
ある。
【0031】すなわち、比抵抗の異なるシリコン膜上に
硬質カーボン膜を形成し、そのときの硬質カーボン膜の
表面抵抗値を測定した。この表面抵抗値の測定は、先に
図14を用いて説明した測定方法と同じである。ただし
この図2の測定結果は、図14における直流電源18に
よって10Vの直流電圧を印加して測定したものであ
る。
【0032】この図2に示す曲線24と曲線26から明
らかなように、硬質カーボン膜の下地膜であるシリコン
膜の比抵抗によって、硬質カーボン膜の表面抵抗値を制
御できる。すなわち、シリコン膜の比抵抗が、1〜5Ω
・cm-1である曲線26の場合と、10〜20Ω・cm
-1である曲線24の場合とを比較すると、硬質カーボン
膜16の膜厚が1.1μmのとき、9×106Ωと4×
106Ωとなっている。したがって、下地膜の抵抗値に
よって、硬質カーボン膜の表面抵抗値を制御できる。そ
して、この場合の硬質カーボン膜の表面抵抗値は106
Ωのオーダであり、図13に示した従来の硬質カーボン
膜の表面抵抗値(1011Ωのオーダ)に比べて、大幅に
低下している。
【0033】つぎに、この発明の第2の実施形態を説明
する。図3はその被膜構成を示す模式的断面図である。
図3に示す被膜構成は、各種の部品あるいは治具や工具
等の基材である絶縁材12上に、第1の下地膜14aと
第2の下地膜14bを介して硬質カーボン膜16を設け
ている。この絶縁材12は、ガラスやセラミック材ある
いは樹脂(プラスチック)などである。
【0034】第1の下地膜14aとしては、前述したチ
タン(Ti),クロム(Cr)またはタングステン
(W)、あるいはこれらの金属の炭化物や窒化物などの
化合物などによる金属膜を絶縁材12の表面に形成す
る。第2の下地膜14bとしては、シリコン(Si)又
はゲルマニウム(Ge)等の半導体膜を、第1の下地膜
14a上に形成する。これらの下地膜14a,14bの
形成方法としては、前述の実施形態の場合と同様に、ス
パッタリング法や真空蒸着法などの物理気相成長法、ま
たは化学気相成長法を適用する。
【0035】この図3に示す被膜構成の場合には、第1
の下地膜14aの抵抗値と第2の下地膜14bの抵抗値
の一方または両方を変えることによって、硬質カーボン
膜16の表面抵抗値を制御することができる。第1の下
地膜14aの抵抗値は、金属膜を形成する金属の種類又
はその炭化物や窒化物などの化合物の組成、あるいはそ
の膜厚を変えることによって変えることができる。
【0036】第2の下地膜14bの抵抗値は、半導体膜
を形成する半導体の種類や半導体膜の膜厚、あるいは半
導体膜中に導入する不純物濃度を変えることによって抵
抗値を変えることができる。このようにすれば、絶縁材
12を被覆した硬質カーボン膜16の表面抵抗値を、一
層容易に静電気が帯電しないような所要の値にすること
が可能である。
【0037】この第2の実施形態の具体的な実施例を図
4のグラフを参照して説明する。図4に示すグラフは、
図3に示した膜構造で、基材の絶縁材12がガラスであ
り、その表面に第1の下地膜14aとしてチタン膜を、
その上に第2の下地膜14bとしてシリコン膜をそれぞ
れ形成し、その第2の下地膜14bの上面に硬質カーボ
ン膜16を形成したときの、硬質カーボン膜16の表面
抵抗値である端子間抵抗を示す。
【0038】ここで硬質カーボン膜の膜厚は、0.5μ
m,0.9μm,1.2μmの3種類の試料を作成し、
その各端子間抵抗値を測定して図4にプロットした。そ
して、第1の下地膜14aであるチタン膜の膜厚だけを
変化させ、第2の下地膜14bであるシリコン膜の膜厚
は一定(0.1μm)とした。曲線28はチタン膜が
0.4μmの場合であり、硬質カーボン膜の膜厚が、
0.5μm,0.9μm,1.2μmの時の端子間抵抗
が、それぞれ2.7×105Ω,3.2×105Ω,9×
105Ωである。
【0039】曲線30はチタン膜が0.1μmの場合で
あり、硬質カーボン膜の膜厚が、0.5μm,0.9μ
m,1.2μmの時の端子間抵抗が、それぞれ4.7×
105Ω,5.2×105Ω,1.7×106Ωである。
なおこのとき、第2の下地膜14bであるシリコン膜に
は不純物としてリンが導入されている。すなわち、第2
の下地膜14bであるシリコン膜は、リンを含む導電型
がN型のシリコン材をターゲットとする直流スパッタリ
ング法により形成している。N型のシリコン材のターゲ
ットの比抵抗は100Ω・cm-1前後であるから、第2
の下地膜14bもこのシリコン材の比抵抗とほぼ同じ値
になっている。
【0040】この場合の硬質カーボンの表面抵抗(端子
間抵抗)の測定方法も、先に図14を用いて説明した測
定方法と同じである。ただしこの図4に示す測定結果
は、図14における直流電源18によって10Vの直流
電圧を印加して測定したものである。
【0041】この図4に示す曲線28と曲線30から明
らかなように、下地膜を構成する第1の下地膜の膜厚、
すなわち被膜抵抗値を変えることによって硬質カーボン
膜の表面抵抗値を制御できる。すなわち、第1の下地膜
であるチタン膜の膜厚が、0.4μmである曲線28の
場合と、0.1μmである曲線30の場合とを比較する
と、硬質カーボン膜の膜厚が0.9μmのとき、3.2
×105Ωと5.2×105Ωとなっている。これらの値
は、図2に示した第1の実施形態の場合の硬質カーボン
膜の表面抵抗値より、さらに低い値になっている。
【0042】なお、この実施例では第1の下地膜14a
であるチタン膜(金属膜)の膜厚、すなわち抵抗値のみ
を変化させたが、第2の下地膜14bであるシリコン膜
(半導体膜)の抵抗値を変えても同様な結果が得られる
ことを、発明者らは確認している。その場合には、シリ
コン膜の膜厚あるいは不純物濃度を変化させることによ
って、シリコン膜の抵抗値を変化させることができる。
【0043】さらに、第1の下地膜14aである金属膜
の抵抗値と第2の下地膜14bである半導体膜の抵抗値
の双方を変化させてもよい。絶縁材12としては、ガラ
スのほかにセラミック材やプラスチック等を使用しても
よい。
【0044】つぎに、この発明の第3の実施形態を説明
する。図5はその被膜構成を示す模式的断面図である。
図5に示す被膜構成は、各種の部品、治具や工具等の基
材である絶縁材12上に、第1の下地膜14aと第2の
下地膜14cと第3の下地膜14dを介して硬質カーボ
ン膜16を設けている。この絶縁材12は、ガラスやセ
ラミック材あるいは樹脂(プラスチック)などである。
【0045】第1の下地膜14aとしては、前述したチ
タン(Ti),クロム(Cr)またはタングステン
(W)、あるいはこれらの金属の炭化物や窒化物などの
化合物などによる金属膜を、膜厚0.1〜0.2μmで
絶縁材12の表面に形成する。第2の下地膜14cとし
ては、第1の下地膜14aよりも導電度の高い金属であ
る金(Au),銅(Cu),インジウム(In),アル
ミニウム(Al)等の膜を、膜厚0.5〜1.0μmで
第1の下地膜14a上に形成する。
【0046】第3の下地膜14dとしては、シリコン
(Si)又はゲルマニウム(Ge)等の半導体膜を、膜
厚0.1〜0.2μmで第2の下地膜14c上に形成す
る。これらの下地膜14a,14c,14dの形成方法
としては、前述の実施形態の場合と同様に、スパッタリ
ング法や真空蒸着法などの物理気相成長法、または化学
気相成長法を適用する。
【0047】この実施形態では、下地膜の中間に第2の
下地膜14cとして導電度が高い(比抵抗が小さい)金
属膜を挟むのが特徴であり、この第2の下地膜に電流を
多く流すことにより下地膜全体としての抵抗値を下げ、
硬質カーボン膜16の表面抵抗値を容易に低下させるこ
とができる。なお、チタン膜やクロム膜等による第1の
下地膜14aは、基材である絶縁材12との密着性を高
めるために必要であり、シリコン膜やゲルマニウム膜に
よる第3の下地膜14dは、硬質カーボン膜16との密
着性を高めるために必要である。
【0048】この第3の実施形態の具体的な実施例を図
6のグラフを参照して説明する。図6に示すグラフは、
図5に示す膜構造で基材の絶縁材12がガラスであり、
その表面に第1の下地膜14aとしてチタン(Ti)膜
を、第2の下地膜14cとして銅(Cu)膜を、第3の
下地膜14dとしてシリコン(Si)膜をそれぞれ形成
し、その第3の下地膜14dの上面に硬質カーボン膜1
6を形成したときの、硬質カーボン膜16の表面抵抗値
である端子間抵抗を示す。ここで硬質カーボン膜の膜厚
は、0.5μm,0.9μm,1.2μmの3種類の試
料を作成し、その各端子間抵抗値を測定して図6にプロ
ットした。
【0049】そして、第2の下地膜14cであるCu膜
の膜厚だけを変化させ、第1の下地膜14aであるTi
膜および第3の下地膜14dであるSi膜の各膜厚は、
いずれも一定(0.1μm)とした。曲線32はCu膜
が0.6μmの場合であり、硬質カーボン膜の膜厚が、
0.5μm,0.9μm,、1.2μmの時の端子間抵
抗が、それぞれ8.0×104Ω,9.0×104Ω,
2.2×105Ωである。
【0050】曲線34はCu膜が0.3μmの場合であ
り、硬質カーボン膜の膜厚が、0.5μm,0.9μ
m,、1.2μmの時の端子間抵抗が、それぞれ2.0
×105Ω,2.4×105Ω,6.8×105Ωであ
る。この図6のグラフの曲線32と曲線34から明らか
なように、下地膜を構成する第2の下地膜14cの膜
厚、すなわち被膜抵抗値を変えることによって硬質カー
ボン膜の表面抵抗値を容易に制御できる。
【0051】すなわち、第2の下地膜であるCu膜の膜
厚が、0.6μmである曲線32の場合と、0.3μm
である曲線34の場合とを比較すると、硬質カーボン膜
の膜厚が0.9μmのとき、9.0×104 Ωと2.4
×105 Ωとなっている。これらの値は、図4に示した
2層の下地膜による場合の測定結果より、硬質カーボン
膜の表面抵抗(端子間抵抗)値がさらに小さくなってい
る。
【0052】なお、主として第2の下地膜14cの膜厚
を変えることによって下地膜の抵抗値を変え、硬質カー
ボン膜16の表面抵抗値を制御することができるが、第
1の下地膜14aの抵抗値あるいは第3の下地膜14d
の抵抗値も変えるようにしてもよい。
【0053】このように、絶縁材12上に形成した硬質
カーボン膜16の表面抵抗値は、硬質カーボン膜16の
膜厚が2μm以下と薄いため、その下層に形成する下地
膜の影響を受ける。すなわち、硬質カーボン膜16の表
面、すなわち図14に示した測定端子22a,22b間
を流れる電流は、硬質カーボン膜16中を流れる電流と
硬質カーボン膜を突き抜けて下地膜中を流れる電流との
合成となる。
【0054】したがって、下地膜の抵抗を硬質カーボン
膜の抵抗より下げれば、下地膜中を流れる電流が増える
ので、その結果として硬質カーボン膜の表面抵抗値を下
げることができる。すなわち、硬質カーボン膜の下層に
形成する下地膜の抵抗値を変えることによって、硬質カ
ーボン膜の表面抵抗値を制御することが可能である。表
面に帯電が少ない硬質カーボン膜の表面抵抗値は、実験
の結果、105 Ω前後の値であった。そこで、この程度
の表面抵抗値になるように下地膜の抵抗値を制御すれば
よい。
【0055】次に、この発明による絶縁材への被膜形成
方法を実施するための装置について説明する。まず、図
1によって説明した第1の実施形態の被膜形成方法を実
施するための装置について、図7および図8によって説
明する。
【0056】図7は、絶縁材の表面に単層の下地膜を形
成するためのスパッタ装置の模式的断面図であ。このス
パッタ装置の真空槽40内にグランドカバー41を固設
し、そのグランドカバー41に図示しない絶縁部材を介
してターゲット材料として下地膜を形成するための導電
型がN型のシリコン材42を保持させ、そのシリコン材
42と対向するように基材である絶縁材12を配置す
る。
【0057】そして、図示しない排気手段によって、排
気口40aから真空槽40内を3×10-5torr程度の真
空度になるまで排気する。その後、ガス導入口40bか
らスパッタガスとしてアルゴンガスを真空槽40内に導
入して、真空度を1×10-3torr程度になるように調整
する。
【0058】このとき、真空槽40およびグランドカバ
ー41は接地しており、スイッチS1を閉じて直流電源
43からマイナス600Vの直流電圧をシリコン材42
に印加する。それによって、真空槽40内にプラズマが
発生し、そのプラズマ中のアルゴンイオンによってシリ
コン材42の表面をスパッタする。そのスパッタによっ
て叩き出されたシリコン(Si)分子が絶縁材12の表
面に付着する。このスパツタリング処理を約30分間行
なうと、絶縁材12の表面に図1に示した下地膜14と
して、シリコン膜を0.5μm程度の膜厚で形成するこ
とができる。
【0059】その膜厚は、処理時間によって任意に調整
することができ。それによって下地膜としてのシリコン
膜の抵抗値を変えることができる。また、ターゲット材
料として使用するシリコン材42中の不純物(リン,ボ
ロン,砒素など)の濃度を変えることによっても、形成
されるシリコン膜の抵抗値を変えることができる。
【0060】下地膜として、他の半導体膜であるゲルマ
ニウム膜、あるいは金属膜であるチタン膜,クロム膜,
タングステン膜、あるいはそれらの炭化物又は窒化物に
よる膜を形成する場合も、上述のスパッタ装置によっ
て、グランドカバー41に保持させるターゲツド材料を
それらの各材料に変えるだけで同様に形成することがで
きる。
【0061】図8は、上述のようにして下地膜を形成し
た絶縁材に、硬質カーボン膜を形成するためのプラズマ
CVD装置の模式的断面図である。この装置は、排気口
50aとガス導入口50bとを有する真空槽50内の上
部にアノード51とフィラメント52を備えている。そ
して、この真空槽50内にアノード51と対向するよう
に、下地膜を形成した絶縁材120を配置する。
【0062】そして、真空槽50内を真空度が3×10
-5torr程度になるまで排気口50aから排気する。その
後、ガス導入口50bから炭素を含むガスとしてベンゼ
ン(C66)を真空槽50内に導入して、真空槽50内
の圧力が1×10-3torr程度になるように調整する。
【0063】そして、真空槽50は接地し、絶縁材12
0の下地膜(前述の例ではシリコン膜)に、直流電源5
3からマイナス3kVの直流電圧を印加すると共に、真
空槽50内のアノード51にアノード電源54からプラ
ス50Vの直流電圧を印加し、フィラメント52にはフ
ィラメント電源55から30Aの電流が流れるように、
10Vの交流電圧を印加する。
【0064】それによって、真空槽50内の絶縁材12
0の周囲領域にプラズマが発生し、プラズマCVDプロ
セスにより、絶縁材120の下地膜上に、水素化アモル
ファスカーボンによる硬質カーボン膜を形成する。その
膜厚は、処理時間にょって任意に調整することができ
る。
【0065】このように、下地膜を形成した絶縁材12
0の表面に硬質カーボン膜を形成するプラズマCVD法
としては、アノード及びフィラメントを備えていない真
空槽を使用して、その真空槽内に配置した絶縁材120
の下地膜に高周波電力を印加してプラズマを発生させる
方法や、絶縁材120の下地膜に直流電圧を印加するだ
けでプラズマを発生させる方法もある。
【0066】次に、図3によって説明した第2の実施形
態の被膜形成方法を実施するための装置について、図9
によって説明する。図9は、絶縁材の表面に2層下地膜
を形成するためのスパッタ装置の模式的断面図である。
【0067】このスパッタ装置の真空槽40内には、間
隔を置いて2個のグランドカバー41a,41bを配設
している。その第1のグランドカバー41aに、図示し
ない絶縁部材を介してターゲット材料として第1の下地
膜を形成するためのチタン材44を保持させ、第2のグ
ランドカバー41bには絶縁部材を介してターゲット材
料として第2の下地膜を形成するための導電型がN型の
シリコン材42を保持させる。
【0068】そして、基材である絶縁材12を、まず図
9に実線で示すようにチタン材44と対向する位置に配
置する。そして、接地した真空槽40内を前述の場合と
同様に真空排気した後、スパッタガスとしてアルゴンガ
スを導入し、スイッチS1を閉じて、直流電源43aか
らマイナス600V程度の直流電圧をチタン材44に印
加する。
【0069】それによって、真空槽40内のチタン材4
4の周囲領域にプラズマが発生し、そのプラズマ中のア
ルゴンイオンによってチタン材44の表面をスパッタす
る。そのスパッタによって叩き出されたチタン(Ti)
分子が絶縁材12の表面に付着して、図2に示した第1
の下地膜14aとしてチタン膜を形成することができ
る。その膜厚は、このスパツタリング処理時間によって
任意に制御することができる。
【0070】その後、スイッチS1を開いて、第1の下
地膜を形成した絶縁材12を図示しない搬送手段によっ
て、図9に仮想線で示すようにターゲット材料としての
シリコン材42と対向する位置へ移動させた後、スイッ
チS2を閉じて、直流電源43bからマイナス600V
程度の直流電圧をシリコン材42に印加する。
【0071】それによって、シリコン材44による前述
の場合と同様なスパッタリング処理が行なわれ、絶縁材
12の図2に示した第1の下地膜14a上に第2の下地
膜14bとしてシリコン膜を形成することができる。そ
の膜厚は処理時間によって任意に制御でき、ターゲット
材料として使用するシリコン材42の不純物濃度を変え
れば、形成されるシリコン膜の不純物濃度による抵抗値
を制御することもできる。
【0072】第1の下地膜として他の金属膜を、第2の
下地膜としとて他の半導体膜を形成する場合も、その各
ターゲトット材料を変更するだけで、同様に形成するこ
とができる。図9に示した例では、直流電源43aと4
3bを別に設けているので、チタン材41とシリコン材
42への印加電圧を最適にすることができるが、共通の
直流電源を用いてもよい。その場合、直流電源の出力電
圧を調整できるようにするとよい。
【0073】このようにして、図2に示した絶縁材12
の表面に第1,第2の下地膜14a,14bを形成した
後、その第2の下地膜14b上に硬質カーボン膜16を
形成する方法は、図8によって説明した前述の実施形態
の場合と同様な装置を使用するプラズマCVDプロセス
であるので、その説明を省略する。
【0074】次に、図5によって説明した第3の実施形
態の被膜形成方法を実施するための装置について、図1
0によって説明する。図10は、絶縁材の表面に3層の
下地膜を形成するためのスパッタ装置の模式的断面図で
あ。このスパッタ装置の真空槽40内には、間隔を置い
て3個のグランドカバー41a,41b,41cを配設
している。
【0075】その第1のグランドカバー41aに、図示
しない絶縁部材を介してターゲット材料として第1の下
地膜を形成するためのチタン材44を保持させ、第2の
グランドカバー41bには絶縁部材を介してターゲット
材料として第2の下地膜を形成するための銅材45を保
持させ、第3のグランドカバー41cには絶縁部材を介
してターゲット材料として第3の下地膜を形成するため
の導電型がN型のシリコン材42を保持させる。
【0076】そして、基材である絶縁材12を、まず図
10に実線で示すようにチタン材44と対向する位置に
配置する。そして、接地した真空槽40内を前述の場合
と同様に真空排気した後、スパッタガスとしてアルゴン
ガスを導入し、スイッチS1を閉じて、直流電源43a
からマイナス600V程度の直流電圧をチタン材44に
印加する。
【0077】それによって、前述の場合と同様にチタン
材44によるスパッタリング処理が行なわれ、図5に示
した第1の下地膜14aとしてチタン膜を形成すること
ができる。その膜厚は、このスパツタリング処理時間に
よって任意に制御することができる。
【0078】その後、スイッチS1を開いて、第1の下
地膜を形成した絶縁材12を図示しない搬送手段によっ
て、図10に仮想線で示すようにターゲット材料として
の銅材45と対向する位置へ移動させた後、スイッチS
2を閉じて、直流電源43bからマイナス600V程度
の直流電圧を銅材45に印加する。それによって、銅材
45によるスパッタリング処理が行なわれ、図5に示し
た第1の下地膜14a上に第2の下地膜14cとして銅
膜を形成することができる。その膜厚は、このスパツタ
リング処理時間によって任意に制御することができる。
【0079】その後スイッチS2を開いて、第1,第2
の下地膜を形成した絶縁材12を図示しない搬送手段に
よってさらに、図10に仮想線(右側)で示すようにタ
ーゲット材料としてのシリコン材42と対向する位置へ
移動させた後、スイッチS3を閉じて、直流電源43c
からマイナス600V程度の直流電圧をシリコン材42
に印加する。
【0080】それによって、前述の場合と同様なシリコ
ン材42によるスパッタリング処理が行なわれ、絶縁材
12の図5に示した第2の下地膜14c上に第3の下地
膜14dとして、シリコン膜を形成することができる。
その膜厚は処理時間によって任意に制御でき、ターゲッ
ト材として使用するシリコン材42の不純物濃度を変え
れば、形成されるシリコン膜の不純物濃度による抵抗値
を制御することもできる。
【0081】この例では、直流電源43a,43b,4
3cを別に設けているので、チタン材44と銅材45と
シリコン材42への印加電圧を最適にすることができる
が、共通の直流電源を用いてもよい。その場合、直流電
源の出力電圧を調整できるようにするとよい。
【0082】このようにして、図5に示した絶縁材12
の表面に第1,第2,第3の下地膜14a,14c,1
4dを形成した後、その第3の下地膜14d上に硬質カ
ーボン膜16を形成する方法は、図8によって説明した
前述の実施形態の場合と同様な装置を使用するプラズマ
CVDプロセスであるので、その説明を省略する。
【0083】次に、この発明の適用例について図11お
よび図12によって説明する。図11は、この発明を適
用した半導体ウエハの搬送アームに、半導体ウエハを載
置した状態を示す平面図、図12はその側面図である。
この搬送アーム60は、先端部に切欠き60cを形成し
てその両側に2本の腕部60a,60bを設け、上面に
半導体ウエハ70を嵌入させる凹部60dを形成してい
る。
【0084】この搬送アーム60を図示しない搬送装置
に装着して移動させ、凹部60dに半導体ウエハ70を
嵌入させて、加工工程間を搬送する。この搬送アーム6
0の基材は絶縁材であるセラミック材であり、その表面
に前述した各実施形態のいずれかによる下地膜を形成
し、さらにその表面に硬質カーボン膜を形成している。
【0085】したがって、金属材の搬送アームのように
半導体ウエハを汚染する恐れはなく、その表面が硬質カ
ーボン膜で被覆されているため耐摩耗性が極めて高く、
半導体ウエハとの摺接によってその表面が削れて微粉を
発生するようなこともない。しかも、導電性を有する下
地膜によって硬質カーボン膜の表面抵抗値が105Ωの
オーダに低下しているので、静電気が帯電して雰囲気中
の塵を吸着したり、半導体ウエハに作り込まれた集積回
路を破壊したりする恐れも全くなくない。
【0086】この発明は、絶縁材を基材とする各種部品
や治具あるいは工具であって、表面の耐摩耗性が極めて
高く、しかも表面抵抗があまり高くないことが要求され
るものに全て適用することができるが、上述のような半
導体ウエハや半導体チップを取り扱う治具や工具などに
適用すると、極めて有効である。
【0087】半導体ウエハや半導体チップを取り扱う治
具や工具の例としては、上記搬送ハームのほかに、半導
体ウエハに各種の処理をする際に、多数の半導体ウエハ
を間隔をあけて保持するウエハカセット、半導体ウエハ
を載置するウエハステージ、半導体チップ等を吸着して
搬送するための真空吸着器、挟んで取り出すためのピン
セットなどがある。
【0088】なお、ウエハステージは、半導体ウエハに
感光性樹脂を回転塗布法(スピンコーティング)によっ
て塗布するときや、その感光性樹脂をフォトマスクを用
いて露光処理するとき、あるいは不純物イオンを注入す
るときや、ドライエッチングするときなどに、半導体ウ
エハを載置するために使用される。また、半導体のウエ
ハやチップを取り扱う装置や機材における、半導体ウエ
ハやチップと摺接するガイド部などにもこの発明を適用
するとよい。基材となる絶縁材は、セラミック材に限ら
ず、ガラスやプラスチックなどでもよい。
【0089】
【発明の効果】以上説明してきたように、この発明によ
る絶縁材への被膜形成方法によれば、絶縁材の表面に硬
質カーボン膜を形成することによってその表面硬度を高
め、耐摩耗性を飛躍的に高めることができると共に、導
電性を有する下地膜を形成することにより、硬質カーボ
ン膜の表面抵抗値を制御し、その表面抵抗値を下げるこ
とができるので、静電気の帯電を防止して、雰囲気中の
塵を吸着したり、接触する部材にダメージを与えたりす
る恐れをなくすことができる。特に、半導体のウエハや
チップを取り扱う治具や工具にこの発明を適用すれば、
静電気の帯電によって取り扱い中の半導体ウエハや半導
体チップに作り込まれている集積回路を破壊するような
ことを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態によって形成した被
膜構成を示す模式的断面図である。
【図2】同じく第1の実施形態によって形成した被膜構
成による硬質カーボン膜厚の表面抵抗値の測定例を示す
線図である。
【図3】この発明の第2の実施形態によって形成した被
膜構成を示す模式的断面図である。
【図4】同じく第2の実施形態によって形成した被膜構
成による硬質カーボン膜厚の表面抵抗値の測定例を示す
線図である。
【図5】この発明の第3の実施形態によって形成した被
膜構成を示す模式的断面図である。
【図6】同じく第3の実施形態によって形成した被膜構
成による硬質カーボン膜厚の表面抵抗値の測定例を示す
線図である。
【図7】この発明により絶縁材の表面に単層の下地膜を
形成するためのスパッタ装置の模式的断面図である。
【図8】この発明により下地膜を形成した絶縁材に硬質
カーボン膜を形成するためのプラズマCVD装置の模式
的断面図である。
【図9】この発明により絶縁材の表面に2層の下地膜を
形成するためのスパッタ装置の模式的断面図である。
【図10】この発明により絶縁材の表面に3層の下地膜
を形成するためのスパッタ装置の模式的断面図である。
【図11】この発明を適用した半導体ウエハの搬送アー
ムに半導体ウエハを載置した状態を示す平面図である。
【図12】同じくその側面図である。
【図13】従来の絶縁材の表面に形成した硬質カーボン
膜の表面抵抗値の測定例を示す線図である。
【図14】同じくその硬質カーボン膜の表面抵抗値の測
定方法を説明するための図である。
【符号の説明】
12:基材 14:下地膜 14a:第1の下地膜 14b,14c:第2の下地膜 14d:第3の下地膜 16:硬質カーボン膜 40,50:真空槽 42:シリコン材 43,53:直流電源 43a,43b,43c:直流電源 41,41a,41b,41c:グランドカバー 44:チタン材 45:銅材 51:アノード 52:フィラメント 54:アノード電源 55:フィラメント電源 120:表面に下地膜を形成した絶縁体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 21/68 H01L 21/68 N (72)発明者 戸井田 孝志 埼玉県所沢市大字下富字武野840番地 シ チズン時計株式会社所沢事業所内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁材の表面に導電性を有する下地膜を
    形成し、その下地膜上に硬質カーボン膜を形成し、 前記下地膜の抵抗値を変えることにより前記硬質カーボ
    ン膜の表面抵抗値を制御することを特徴とする絶縁材へ
    の被膜形成方法。
  2. 【請求項2】 前記下地膜として金属膜を形成すること
    を特徴とする請求項1記載の絶縁材への被膜形成方法。
  3. 【請求項3】 前記下地膜として半導体膜を形成するこ
    とを特徴とする請求項1記載の絶縁材への被膜形成方
    法。
  4. 【請求項4】 前記下地膜として、前記絶縁材の表面に
    金属膜による第1の下地膜を形成し、その上に半導体膜
    による第2の下地膜を形成することを特徴とする請求項
    1記載の絶縁材への被膜形成方法。
  5. 【請求項5】 前記下地膜の抵抗値を前記金属膜の膜厚
    によって変えることを特徴とする請求項2記載の絶縁材
    への被膜形成方法。
  6. 【請求項6】 前記下地膜の抵抗値を前記半導体膜の膜
    厚によって変えることを特徴とする請求項3記載の絶縁
    材への被膜形成方法。
  7. 【請求項7】 前記下地膜の抵抗値を前記半導体膜の不
    純物濃度によって変えることを特徴とする請求項3記載
    の絶縁材への被膜形成方法。
  8. 【請求項8】 前記金属膜による第1の下地膜の膜厚
    と、前記半導体膜による第2の下地膜の膜厚のうち、少
    なくとも一方を変えることによって前記下地膜の抵抗値
    を変えることを特徴とする請求項4記載の絶縁材への被
    膜形成方法。
  9. 【請求項9】 前記金属膜による第1の下地膜の膜厚
    と、前記半導体膜による第2の下地膜の不純物濃度のう
    ち、少なくとも一方を変えることによって前記下地膜の
    抵抗値を変えることを特徴とする請求項4記載の絶縁材
    への被膜形成方法。
  10. 【請求項10】 前記下地膜としての金属膜を、チタ
    ン,クロムまたはタングステンあるいはそれらの炭化物
    又は窒化物のいずれかで形成することを特徴とする請求
    項2又は5記載の絶縁材への被膜形成方法。
  11. 【請求項11】 前記下地膜としての半導体膜を、シリ
    コン又はゲルマニウムあるいはシリコン又はゲルマニウ
    ムの化合物のいずれかで形成することを特徴とする請求
    項3又は6記載の絶縁材への被膜形成方法。
  12. 【請求項12】 前記金属膜による第1の下地膜をチタ
    ン,クロムまたはタングステンのいずれかで形成し、前
    記半導体膜による第2の下地膜をシリコン又はゲルマニ
    ウムで形成することを特徴とする請求項4,8,9のい
    ずれか一項に記載の絶縁材への被膜形成方法。
  13. 【請求項13】 前記下地膜として、前記絶縁材の表面
    に金属膜による第1の下地膜を形成し、その上に前記金
    属膜よりも導電度の高い金属膜による第2の下地膜を形
    成し、さらにその上に半導体膜による第3の下地膜を形
    成することを特徴とする請求項1記載の絶縁材への被膜
    形成方法。
  14. 【請求項14】 前記下地膜の抵抗値を、主として前記
    第2の下地膜の膜厚によって変えることを特徴とする請
    求項13記載の絶縁材への被膜形成方法。
  15. 【請求項15】 前記第1の下地膜をチタン,クロムま
    たはタングステンのいずれかで形成し、前記第2の下地
    膜を金,銅,インジウム,またはアルミニウムのいずれ
    かで形成し、前記第3の下地膜をシリコン又はゲルマニ
    ウムで形成することを特徴とする請求項13又は14記
    載の絶縁材への被膜形成方法。
  16. 【請求項16】 前記絶縁材が、ガラス又はセラミック
    材で形成されている請求項1乃至15のいずれか一項に
    記載の絶縁材への被膜形成方法。
  17. 【請求項17】 前記絶縁材が、半導体のウエハ又はチ
    ップを取り扱う治具又は工具である請求項1乃至16の
    いずれか一項に記載の絶縁材への被膜形成方法。
JP10037737A 1997-02-20 1998-02-19 絶縁材への被膜形成方法 Pending JPH10298780A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10037737A JPH10298780A (ja) 1997-02-20 1998-02-19 絶縁材への被膜形成方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3612897 1997-02-20
JP9-36128 1997-02-20
JP10037737A JPH10298780A (ja) 1997-02-20 1998-02-19 絶縁材への被膜形成方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10298780A true JPH10298780A (ja) 1998-11-10

Family

ID=26375168

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10037737A Pending JPH10298780A (ja) 1997-02-20 1998-02-19 絶縁材への被膜形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10298780A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007149962A (ja) * 2005-11-28 2007-06-14 Seiko Npc Corp ウェハ搬送用ピックアップ
JP2010239088A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Tokyo Electron Ltd 基板支持装置及び基板支持方法
US8528889B2 (en) 2009-03-31 2013-09-10 Tokyo Electron Limited Device and method for supporting a substrate
JP2015159244A (ja) * 2014-02-25 2015-09-03 京セラ株式会社 搬送部材、これを備える基板搬送装置および基板処理装置

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03109340U (ja) * 1990-02-22 1991-11-11
JPH04129604A (ja) * 1990-09-18 1992-04-30 Mitsubishi Materials Corp 気相合成ダイヤモンド被覆層の付着性にすぐれた表面被覆切削工具
JPH05125542A (ja) * 1991-11-05 1993-05-21 Kobe Steel Ltd ダイヤモンド薄膜工具の製造方法
JPH05247652A (ja) * 1992-01-10 1993-09-24 Idemitsu Petrochem Co Ltd ダイヤモンド類被覆部材の製造方法
JPH05262538A (ja) * 1992-03-18 1993-10-12 Asahi Glass Co Ltd ダイヤモンド膜付きガラス
JPH06127621A (ja) * 1992-03-29 1994-05-10 Tokyo Electron Tohoku Ltd 基板移載装置
JPH06346241A (ja) * 1993-06-14 1994-12-20 Sumitomo Electric Ind Ltd ダイヤモンド被覆材料およびその製造方法
JPH0817895A (ja) * 1994-06-30 1996-01-19 Kokusai Electric Co Ltd ウェーハ搬送プレート
JPH0860365A (ja) * 1994-08-23 1996-03-05 Citizen Watch Co Ltd 超硬基材上の硬質カ−ボン膜
JPH08151296A (ja) * 1994-11-25 1996-06-11 Kobe Steel Ltd 単結晶ダイヤモンド膜の形成方法

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03109340U (ja) * 1990-02-22 1991-11-11
JPH04129604A (ja) * 1990-09-18 1992-04-30 Mitsubishi Materials Corp 気相合成ダイヤモンド被覆層の付着性にすぐれた表面被覆切削工具
JPH05125542A (ja) * 1991-11-05 1993-05-21 Kobe Steel Ltd ダイヤモンド薄膜工具の製造方法
JPH05247652A (ja) * 1992-01-10 1993-09-24 Idemitsu Petrochem Co Ltd ダイヤモンド類被覆部材の製造方法
JPH05262538A (ja) * 1992-03-18 1993-10-12 Asahi Glass Co Ltd ダイヤモンド膜付きガラス
JPH06127621A (ja) * 1992-03-29 1994-05-10 Tokyo Electron Tohoku Ltd 基板移載装置
JPH06346241A (ja) * 1993-06-14 1994-12-20 Sumitomo Electric Ind Ltd ダイヤモンド被覆材料およびその製造方法
JPH0817895A (ja) * 1994-06-30 1996-01-19 Kokusai Electric Co Ltd ウェーハ搬送プレート
JPH0860365A (ja) * 1994-08-23 1996-03-05 Citizen Watch Co Ltd 超硬基材上の硬質カ−ボン膜
JPH08151296A (ja) * 1994-11-25 1996-06-11 Kobe Steel Ltd 単結晶ダイヤモンド膜の形成方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007149962A (ja) * 2005-11-28 2007-06-14 Seiko Npc Corp ウェハ搬送用ピックアップ
JP2010239088A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Tokyo Electron Ltd 基板支持装置及び基板支持方法
US8528889B2 (en) 2009-03-31 2013-09-10 Tokyo Electron Limited Device and method for supporting a substrate
KR101534357B1 (ko) * 2009-03-31 2015-07-06 도쿄엘렉트론가부시키가이샤 기판 지지 장치 및 기판 지지 방법
JP2015159244A (ja) * 2014-02-25 2015-09-03 京セラ株式会社 搬送部材、これを備える基板搬送装置および基板処理装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6080445A (en) Method of forming films over insulating material
EP0762491B1 (en) Electrostatic chuck member and a method of producing the same
US20070138601A1 (en) Etch resistant wafer processing apparatus and method for producing the same
JPH0697676B2 (ja) ウエハサセプタ装置
JPH113878A (ja) セラミック基体の表面状態を調節する方法及び装置
JPH0765174B2 (ja) 半導体ウェーハ上へのタングステン層のcvd蒸着方法
US20030047283A1 (en) Apparatus for supporting a substrate and method of fabricating same
JP2694668B2 (ja) 基板保持装置
JP2002517084A (ja) 抵抗の温度係数が低い抵抗体およびその製造方法
WO2000044032A9 (en) Wear-resistant electromechanical contacts
WO2012073869A1 (ja) 導電性硬質炭素膜及びその成膜方法
JPH10298780A (ja) 絶縁材への被膜形成方法
JPH05129210A (ja) ホツトプレート
JPH09293692A (ja) 半導体素子のCu薄膜形成方法
JPS58209111A (ja) プラズマ発生装置
JPH11251093A (ja) プラズマ発生用電極
JPH0799739B2 (ja) 金属薄膜の形成方法
JP3152847B2 (ja) 静電チャック
JP3618032B2 (ja) 静電チャック
CN201089791Y (zh) 溅镀机台的晶片承载装置
JP3370318B2 (ja) ダイヤモンド状炭素膜を設けた部材
JP3623938B2 (ja) 静電チャックの製造方法
JPH0610135A (ja) 炭素膜の製造方法
JPH0492423A (ja) 半導体集積回路装置の製造方法
JP3602067B2 (ja) 静電チャック

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050127

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060727

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060808

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061006

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061107

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070306