JPH10302321A - 光ディスクおよび光ディスク製造方法 - Google Patents

光ディスクおよび光ディスク製造方法

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JPH10302321A
JPH10302321A JP9113134A JP11313497A JPH10302321A JP H10302321 A JPH10302321 A JP H10302321A JP 9113134 A JP9113134 A JP 9113134A JP 11313497 A JP11313497 A JP 11313497A JP H10302321 A JPH10302321 A JP H10302321A
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pit
width
optical disk
signal
master
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JP9113134A
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English (en)
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Hisayuki Yamatsu
久行 山津
Toshiyuki Kashiwagi
俊行 柏木
Shingo Imanishi
慎悟 今西
Shin Masuhara
慎 増原
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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    • G11B7/24Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material
    • G11B7/2407Tracks or pits; Shape, structure or physical properties thereof
    • G11B7/24085Pits
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
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    • G11B7/24Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material
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    • GPHYSICS
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 波長350nm以上の光源を用いて原盤を露
光形成して、長さが0.40μmより短いピットを含
み、最長ピットの幅に対する最短ピットの幅の比が0.
8以上である高記録密度の光ディスクおよびその製造方
法を提供する。 【解決手段】 光ディスクの反射膜20側から見たピッ
ト幅Aは、反射膜側20を成膜するとディスク基板10
側から見たピット幅幅Bよりもその膜厚分だけ減少する
ことを利用して、ディスク基板10側から見たときに最
適とされるピット幅よりも全体的に幅広なピット列を、
波長350nm以上のレーザで原盤に露光形成してお
く。この原盤からディスク基板10に転写されたピット
列上に反射膜20を形成して、ピット間干渉や再生RF
信号のジッタが最小になるピット幅にする。信号は、デ
ィスク基板10側からではなく反射膜20側(すなわち
光透過層30側)から読み出されるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、信号を露光記録し
た原盤を用いて製造される光ディスクおよびその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】信号を高密度に記録する記録媒体である
光ディスクは、マスタリング原盤に信号に応じて形成さ
れた凹凸形状が、射出成型法などにより転写(スタンピ
ング)されて作成される。このように作成される光ディ
スクの記録密度を高めるためには、記録信号に応じた凹
凸形状を原盤上に露光形成する記録光の波長を短くする
ことが必要である。
【0003】例えば、コンパクトディスク(CD)の5
倍以上の記録密度を有するデジタルビデオディスク(D
VD)の原盤にピットを露光形成するためには、波長3
51nmのArレーザやKrレーザが用いられている。
また、この露光用レーザを原盤上に収束するための光学
系には、0.90程度の開口数(NA)を有する対物レ
ンズが用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のレーザと対物レ
ンズとを用いて構成される露光装置の光学系は、DVD
の原盤を露光形成するためには十分に機能するが、DV
Dよりも記録密度が高い光ディスクの原盤を露光形成す
るためには、さらに短波長のレーザと高開口数の対物レ
ンズが必要である。
【0005】しかし、351nmよりも短波長のレーザ
は、まだ一般に実用される段階に至っておらず、現在用
いられている対物レンズの開口数も空気中で得られる限
界値に近づいているために0.90以上の開口数を有す
る対物レンズを得ることが困難である。
【0006】さらに、波長が351nmよりも短いレー
ザを用いて光ディスク原盤を露光する場合には、現在使
用されているものよりも不安定なフォトレジストを用い
なければならない。このため、従来とは大幅に異なる厳
しい温湿度管理が要求される原盤作成プロセスを導入し
なければならず、安定性の確保が非常に難しくなること
が予想される。
【0007】一方、現在の原盤作成プロセスには、露光
形成されるピットの幅がピットの長さに依存し、長さが
短いピットほど幅が狭くなってしまうという問題があ
る。上述した、波長351nmの露光用レーザと、開口
数0.90の対物レンズを備える光学系を用いて露光形
成されるDVDの原盤では、最短ピット長が、原盤上に
集光される露光用のレーザスポット径に対してそれほど
短くないため、長さが0.4μmの最短ピットにおいて
もピット幅の減少は無視できる程度である。
【0008】ところが、DVDよりもさらに高記録密度
の光ディスク原盤を露光形成する場合には、長さが0.
4μm以下である短いピットの幅は、所定のピット幅よ
りも非常に狭くなってしまい、ピット幅の減少をもはや
無視できなくなる。
【0009】光ディスク上に形成されるピットの幅が狭
過ぎると、最短ピットから再生されるRF信号の振幅
(変調度)が十分に得られず、また振幅の中心も2値化
のしきい値レベルから大きくずれてしまうために、ジッ
タが増加して信号が劣化してしまうため好ましくない。
つまり、ジッタ大きいほど、RF信号から得るデータ
(マーク)長がクロックによりカウントされる際に、そ
の誤り率が増加してしまう。
【0010】しかし、従来の光ディスクの原盤を形成す
るために用いられている露光装置を用いて、DVDの記
録密度を超える高記録密度の光ディスクの原盤を露光形
成することは困難である。
【0011】本発明は、このような問題を解決するため
に行われたものであり、従来の光ディスクよりも高記録
密度の光ディスク、および従来と大幅に異なるプロセス
を導入することなく、さらに高密度にピットが形成され
た原盤を露光形成して光ディスクを製造する光ディスク
製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに提案する本発明の光ディスクは、記録信号に応じた
ピット列が形成された基板と、上記基板のピット列が形
成された面に成膜された反射膜と、上記反射膜上に形成
された光透過層とを備え、上記ピット列として記録され
た信号が上記光透過層側から読み出されるようにされた
光ディスクにおいて、上記光透過層側から見たピット列
が、長さが0.40μmより短いピットを含み、最長ピ
ットの幅に対する最短ピットの幅の比が0.8以上であ
ることを特徴とするものである。
【0013】また、上記の課題を解決するために提案す
る本発明の光ディスク製造方法は、原盤に記録信号に応
じて露光形成したピット列を基板材料に転写して光ディ
スクを製造する光ディスク製造方法において、長さが露
光スポット径の85%以下のピットを含むピット列を記
録信号に応じて原盤に露光形成する露光工程と、上記原
盤に形成されたピット列をディスク基板に転写する転写
工程と、上記ディスク基板のピット列が転写された面に
反射膜を成膜する成膜工程とを有することを特徴とする
ものである。
【0014】上記の本発明によれば、従来の光ディスク
よりも記録密度を高めた光ディスク、および従来と大幅
に異なるプロセスを用いることなく、さらに高密度にピ
ットが形成された原盤を露光形成して光ディスクを製造
する光ディスク製造方法を提供できるようになる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の光ディスクおよ
び光ディスク製造方法の好ましい実施の形態について図
面を参照しながら説明する。ここでは、まず従来の光デ
ィスクの製造方法と光ディスクの構成について説明した
後に、本発明の光ディスクおよび光ディスク製造方法に
ついて説明する。
【0016】図1および図2は、従来の光ディスクの製
造方法の概略を示している。
【0017】まず、図1(a)に示すように、表面が十
分平坦に研磨されて洗浄された円形のガラス原盤40に
塗布形成されたフォトレジスト層41が、対物レンズ7
2で集光された記録光71により記録信号に応じて露光
され、ピット列の潜像43が形成される。このような露
光工程は、記録光71としてレーザが用いられるために
レーザカッティングとも呼ばれる。
【0018】このとき、記録信号に応じて断続的に照射
される記録光71の集光位置を、ガラス原盤40を回転
させながら一回転あたり等距離ずつ半径方向に送ること
により、フォトレジスト層41にピット列を一定の間隔
(トラックピッチ)でスパイラル状に形成することがで
きる。さらに、レーザ71の照射位置を半径方向に周期
的に偏向することにより、ピット列を蛇行(ウォブリン
グ)させることもできる。
【0019】ここで用いられるフォトレジスト層41
は、ノボラック系樹脂などの露光処理によってアルカリ
可溶性となる感光材料であり、スピンナによる回転塗布
法等により厚さ0.1μm程度に塗布形成される。
【0020】次に、図1(b)に示すように、露光され
たガラス原盤をアルカリ性現像液で現像処理して、信号
記録部45を有するマスタリング原盤(以下では単に原
盤ともいう。)を得る。この信号記録部45には、フォ
トレジスト層41の露光されてアルカリ可溶性に変化し
た部分が溶解除去されて、記録信号に応じたピット列が
形成されている。なお、信号記録部45に露光形成され
るピットの形状については後述する。
【0021】次に、図1(c)に示すように、現像処理
されてフォトレジスト層41にピットが形成されたガラ
ス原盤40上にNiめっきが施され、フォトレジスト層
41の信号記録部45のピット列が転写されたNiスタ
ンパ50が作成される。
【0022】そして、図2(a)に示すように、このN
iスタンパ50のピット形状を、射出成型(インジェッ
クション)法やフォトポリマリゼーション(2P)法に
より、光ディスクの基板材料に転写してレプリカ基板1
0(ディスク基板)10が作成される。これにより、N
iスタンパ50の信号記録部55のピット形状が、ディ
スク基板10の面10aの信号記録部15に転写され
る。
【0023】この後、図2(b)に示すように、ディス
ク基板10のピット列が転写された面10aに、反射膜
が形成される。この反射膜としては、例えばAlターゲ
ットを用いるイオンビームスパッタ等の方法により成膜
されたAl膜が用いられる。なお、上記の反射膜の上
に、光磁気記録膜や相変化形記録膜などの信号記録膜が
さらに積層される場合もある。
【0024】最後に、図2(c)に示すように、ディス
ク基板10の面10aに成膜された反射膜20および信
号記録膜の上に、光透過層30が形成される。この光透
過層30は、例えば紫外線硬化樹脂(UVレジン)をス
ピンコートして形成される。
【0025】図3は、上述した製造方法により作成され
る光ディスクの断面の構造を模式的に示している。この
図において、ディスク基板10は、前述したNiスタン
パ50の凹凸形状が転写されてピットが形成されたレプ
リカ基板である。そして、このディスク基板10の上
に、反射膜20が形成されている。前述したように、こ
の反射膜20は、光反射率が高いAl膜とされることが
多い。なお、反射膜20の上に、信号が記録される信号
記録膜が設けられる場合もあり、上記の反射膜20と信
号記録膜とが多層に構成される場合もある。そして、反
射膜20および信号記録膜の上には、光透過層30がさ
らに設けられる。
【0026】例えば片面のみに信号が記録されるコンパ
クトディスク(CD)では、図3(a)のように、対物
レンズ82で集光された読み出し用レーザ81を厚さ
1.2mmのディスク基板10側から照射してピットの
有無が光学的に検出されて信号が読み出される。保護層
として形成される光透過層30の表面には、レーベル等
が印刷される。また、両面に信号が記録されるDVDで
は、それぞれが図3(a)のような2枚の光ディスクが
反射層を背中合わせに貼り合わされており、各面では同
様にディスク基板10側から信号が読み出される。な
お、DVDでは、1枚の基板10の厚さが0.6mmと
されている。
【0027】ところで、このように構成された光ディス
クでは、図3(b)のように、光透過層30側から同様
に信号を読み出すこともできる。もちろんこの場合に
は、光透過層30が必要とされる光学特性を満たす材料
で形成され、その表面にレーベル等が印刷されていない
ことが必要である。
【0028】しかし、本来はディスク基板10側から信
号が読み出されることを前提に光ディスクに記録された
信号を光透過層30側から読み出そうとすると、所定の
特性を満たす再生RF信号を得ることができない。これ
は、光ディスクに形成されたピットの形状が、ディスク
基板10側から見た場合と、光透過層30側から見た場
合とで異なるためである。すなわち、ディスク基板10
側から読み出されることを前提に作成された光ディスク
においては、ピット列が、ディスク基板10側から見た
ときに最適な形状であるように形成されているためであ
る。
【0029】図4は、ディスク基板10側から信号が読
み出されるように作成された光ディスクのピット列を、
ディスク基板10側および光透過層30側から見た様子
を示している。
【0030】図4(a)は、ディスク基板10側からピ
ット列の様子を示しており、振幅が十分でジッタが最小
の再生RF信号を得るために最適なピット幅のピット列
が形成されている。
【0031】しかし、この同じピット列を光透過層30
側から見ると、反射膜20および信号記録膜が成膜され
たことにより、ピット幅が最適な幅よりも狭くなってい
るため、再生RF信号のジッタが増加してしまう。この
ため、光透過層30側から信号が読み出されるように作
成される光ディスクでは、図4(b)に示すように、そ
のピット幅を、ディスク基板10側から信号が読み出さ
れるように作成された光ディスクのピット幅よりも広め
に形成しておかなければならないことになる。
【0032】このとき、原盤上に露光形成されるピット
長の違いによる幅の差は、露光時のレーザ強度が大きい
ほど少なくなるという特徴がある。すなわち、通常より
も大きなレーザ強度で幅広にピットを露光形成してお
き、そのピット幅を一様に狭めることができれば、光デ
ィスクの光透過層30側から信号を読み出すことによ
り、ピット間の干渉や再生RF信号のジッタを従来より
も少なくできることを示している。
【0033】本発明は、このことに基づいて、従来より
も高記録密度の光ディスクおよびその製造方法を提供し
ようとするものである。以下では、この目的のために提
案する本発明の光ディスクおよびその製造方法について
説明する。
【0034】前述した各工程からなる従来の光ディスク
の製造方法は、本発明の光ディスク製造方法においても
基本となるものであるため、以下では従来とは異なる点
について主に説明する。
【0035】図5は、図1および図2に示した光ディス
クの製造方法により得られる光ディスクのピットの断面
を示している。ここで、図5(a)はNiスタンパのピ
ット形状が転写されたレプリカ基板(ディスク基板)1
0のピットの断面を示しており、図5(b)はディスク
基板10のピット列の上に、さらに反射膜20が形成さ
れた後のピットの形状を示している。なお、以下の説明
では、反射膜20の上に信号記録膜が形成されない場合
を例とするが、信号記録膜が形成される場合には、上記
の反射膜20が反射膜と信号記録膜とに相当することに
なる。
【0036】これらの図から分かるように、光ディスク
のディスク基板10側から見たピット幅Bは反射膜20
の成膜前後で変化しないが、反射膜20側から見たピッ
ト幅Aは反射膜側20を成膜するとその膜厚分だけピッ
ト幅Bよりも減少する。
【0037】本発明の光ディスクはこのことを積極的に
利用するものであり、ディスク基板10側から見たとき
に最適とされるピット幅よりも全体的に幅広なピット列
を原盤上に露光形成しておき、ディスク基板10に転写
されたピット列上に反射膜20を形成することにより、
上記のピット幅を反射膜20側から見たときに最適であ
るようにするものである。このため、ディスク基板10
側からではなく、反射膜20側(すなわち光透過層30
側)から信号を読み出すようにした点も従来の光ディス
クと異なっている。
【0038】図5(c)は、このように形成された光デ
ィスクのピットの断面を示している。ここで、光ディス
クの光透過層30側から見たピット幅Aは、光透過層3
0側から信号を読み出すときに、ピット間の干渉や再生
RF信号のジッタを最小にする最適な値にされている。
【0039】次に、光ディスクの光透過層30側から信
号を読み出す場合にピット間の干渉や再生RF信号のジ
ッタを最小にする、最適なピット形状について説明す
る。
【0040】図6は、光ディスクのディスク基板10に
形成されたピット列の上に、さらに反射膜20が形成さ
れた後のピットの断面形状を示している。この反射膜2
0は、前述したようにイオンビームスパッタ等の方法に
より成膜される。
【0041】このとき、図6(a)に示すように、ピッ
トの底面の幅をL、ピットの壁面がディスク面となす平
均斜度をθ、ディスク基板10のピット列を形成してい
ない面と平行な面に成膜される反射膜20の厚さをaと
する。このLは例えば0.3μm以下であり、θは40
〜80゜程度である。なお、これらの値は、原盤を露光
する際に用いられる光学系およびフォトレジストの特性
によって決定される。
【0042】ここで、反射膜20を成膜することにより
ディスク基板10に形成されたピット幅が縮小する様子
をさらに説明する。
【0043】反射膜20が、光ディスクの面に対して垂
直な方向にのみ成長する完全な指向性を有する成膜方法
により成膜された場合には、ディスク基板10のピット
の壁面に成膜される反射膜の厚さbは、最小値であるa
×cosθ になる。一方、反射膜20が、どの方向にも等
しく成長する全く指向性がない成膜方法により成膜され
た場合には、反射膜20の厚さbは、最大値であるaに
なる。すなわち、ピットの壁面に成膜される反射膜20
の厚さbは、次の(1)式で表される範囲にある。
【0044】 acosθ < b < a (1) また、この反射膜20には、光ディスクから信号を読み
出して再生するために必要な最低限の反射率を有すると
いう条件を満足しなければならない。この必要最低限の
反射率が得られるための膜厚をdとする。この膜厚d
は、例えばAl膜の場合には20nm程度である。さら
に、ピットからの信号を得るためには、ピットが縮小し
て底面がなくならないように反射膜20を成膜しなけれ
ばならないという条件も満足する必要がある。
【0045】図6(b)は、全く指向性がない成膜方法
で反射膜20を成膜することにより、ディスク基板10
に形成されたピットが一様に縮小する様子を示してい
る。この場合には、反射膜20が、ピットの壁面に対し
て垂直な方向にも、ディスク基板10のピット列を形成
していない面と平行な面上と同じ厚さaだけ成長するた
め、光透過層30側から見たピットの底面が消失する膜
厚は、以下の(2)式で表される。
【0046】 L×sinθ/{2×(1−cosθ)} (2) すなわち、反射膜20の膜厚aが(3)式で示される範
囲内にある場合には、全く指向性がない成膜により縮小
されたピットの底面の幅Mは、(4)式で表される。
【0047】 d < a < L×sinθ/{2×(1−cosθ)} (3) M = 1−2×a×tan(θ/2) (4) 従って、反射膜20側から見たピット幅Mは、反射膜2
0の膜厚aに比例して縮小することになる。
【0048】以上の説明は、成膜に指向性が全くない場
合を例としている。一方、成膜に完全な指向性がある場
合には、前述したように反射膜20の成長によるピット
幅の縮小は起こらないことになる。しかし、実際の成膜
では、飛来粒子の回り込み等による指向性の崩れがある
ために、反射膜20の成長によってピット幅が必ず縮小
する。
【0049】次に、本発明の光ディスク製造方法におい
て、長いピットの幅と短いピットの幅との差が小さく、
読み取り時のピット間の干渉が少ないピット列を原盤上
に露光形成するための露光工程について説明する。
【0050】前述したように、原盤上に露光形成される
ピットの幅は、ピットが長くなるとともに広くなり、あ
るピット長さで飽和する。このため、原盤を露光する記
録光のスポット径の85%程度よりも短いピットを原盤
上に露光形成する際に、そのピット幅が所定のピット幅
よりも著しく減少してしまうという問題がある。
【0051】これは、短いピットを形成するための露光
量が、長いピットを形成するための露光量に比べて少な
く、フォトレジストを感光させるために必要な露光量し
きい値付近にあることによる。つまり、このしきい値付
近では、露光形成されるピットの幅が急峻に変化するた
め、ピットが短いほどピット幅が露光強度の増減に敏感
に変化してしまう。
【0052】図7は、原盤を露光するために用いられる
レーザビームの光強度分布を示している。ここで、縦軸
は光強度(任意単位)であり、横軸はビーム半径を示し
ている。
【0053】露光用レーザのピーク強度がI1 >I2
3 >I4 であるとき、フォトレジストを感光させるた
めに必要な最低限の光強度である露光量しきい値Ith
得られる0次光のビーム径も上記の順に大きくなり、D
1 >D2 >D3 となる。このとき、ピーク強度が上記の
しきい値Ith以下であるI4 では、フォトレジストが露
光されない。
【0054】この特性を利用すると、露光用レーザの光
強度が大きいほど原盤上で露光形成されるピット幅は広
くなる。また、しきい値Ithよりわずかに大きいピーク
強度で露光すると、露光スポット径よりも短いピットを
露光形成することができる。
【0055】長いピットの幅と短いピットの幅との差を
小さくするためには、露光強度が大きいことが望ましい
が、最長のピットの幅がトラックピッチを越えないよう
にしなければならない。このような条件を満足するため
に、図7に示すような露光用レーザの光強度分布とフォ
トレジストの特性を考慮して最適な露光強度を選択す
る。
【0056】図8は、露光強度を一定半径毎に変化させ
て信号を記録した同一の原盤を用いて作成した、ディス
ク基板側から信号を読み出すようにした光ディスクA
と、光透過層側から信号を読み出すようにした光ディス
クBとについて、同一の再生装置(読み出し用レーザ波
長640nm,対物レンズ開口数0.80)で再生RF
信号の特性を評価した結果を示している。なお、縦軸
は、再生RF信号のジッタを再生クロックに対する割合
としてパーセンテージで示している。また、横軸は、再
生RF信号のアシンメトリを示している。
【0057】ここで、アシンメトリとは、最長ピットの
振幅中心と最短ピットの振幅中心の相対値を最長ピット
の振幅で規格化したものである。すなわち、正のアシン
メトリは最短ピットの振幅中心が最長ピットの振幅中心
よりもグランド側にあることを示し、負のアシンメトリ
はその逆であることを示す。一般に、アシンメトリが正
の値で大きいほどピット幅が広くなる傾向を示す。な
お、図中の矢印は、上記の光ディスクA,Bにおいて、
それぞれ対応する同一の記録エリアのデータであること
を示している。
【0058】上記の評価結果は、いずれも波長が351
nmの記録光(ArレーザまたはKrレーザ)と、開口
数が0.90の対物レンズを備えた露光装置を用いて、
トラックピッチPが0.55μm、最短ピット長が0.
29μmのランダムなEFM(Eight to Fourteen Modu
lation;8−14変調)信号を露光記録した場合のもの
であり、直径12cmの基板に8.65ギガバイト相当
の信号が記録されている。
【0059】なお、ここではランダムな信号を用いてい
るために問題にならないが、通常はディスク基板側から
信号を読み出すようにした光ディスクAでは従来と同様
に信号が露光記録され、光透過層側から信号を読み出す
ようにした光ディスクBでは記録される信号の「0」と
「1」、を反転させた後に従来と同様の方法で信号が露
光記録されるようにする。すなわち、光ディスクBで
は、ディスク基板に転写される凹部と凸部とが反転され
て形成されるようにする必要がある。また、光ディスク
Bから信号を読み出す際には、そのディスク回転方向が
光ディスクAと逆にされているが、原盤に信号を露光記
録する際の回転方向を逆にしてもよい。
【0060】また、ここで使用された上記の露光装置
は、光ディスクの原盤を露光するために現在一般に用い
られている露光装置のうち、最も微細なピットを露光形
成できるものである。このとき、(5)式で与えられる
原盤上に集光される記録光のスポット径は、 1.22 × λ/(開口数) = 0.48μm (5) であり、最短ピット長はこのスポット径の約60%であ
る。
【0061】この評価結果から、光ディスクA,Bのい
ずれについても、再生RF信号のジッタを最小にするア
シンメトリは5〜10%であることが分かる。アシンメ
トリがこれより小さいときに、ジッタが大きくなり特性
が低下している原因は、短いピットの幅が狭すぎるため
である。
【0062】ディスク基板側から信号を読み出すように
作成された光ディスクAでは、短いピットの幅を広げる
と(アシンメトリが大きくなると)、全体のピット幅が
広くなり過ぎてクロストークや符号間干渉が増えるた
め、同様にジッタが悪化している。
【0063】しかし、光透過層側(反射膜側)から信号
を読み出すように作成された光ディスクBでは、ピット
幅が全体に狭くなっているため、ディスク基板側からピ
ットを読み取るとアシンメトリが15%を超えてしまう
程に幅広のピットでも、アシンメトリが5%程度にな
り、ジッタが最低になる。これは、短いピットの幅が狭
過ぎず、かつ全体のピット幅が広過ぎないためである。
【0064】以上の評価結果から、ディスク基板側から
信号を読み出すように作成された光ディスクAではジッ
タの最低値が7.5%程度であるのに対し、本発明の特
徴である光透過層側からピット検出して信号を読み出す
ように作成されたディスクBではジッタの最低値を6%
台にまで改善することができることが分かる。
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、従来使用されている波
長351nmのレーザと開口数0.90の対物レンズを
備える露光装置を用いて原盤を露光形成して製造する光
ディスク製造方法において、露光形成されるピット長に
依存するピット幅のばらつきを少なくして、長さが露光
用光スポット径の85%以下のピットでも所定の幅に対
して十分な幅を有するようにすることができる。このた
め、再生RF信号のジッタを低減して高記録密度の光デ
ィスクおよびその製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光ディスクの製造方法の概略を示す図である。
【図2】光ディスクの製造方法の概略を示す図1に続く
図である。
【図3】光ディスクの断面の構造を模式的に示す図であ
る。
【図4】光ディスクの基板10側および光透過層30側
から見たピットの形状の違いを説明するための図であ
る。
【図5】光ディスク基板のピット列の上に、さらに反射
膜が形成された後のピットの断面形状を詳しく示す図で
ある。
【図6】光ディスク基板のピット列の上に、さらに反射
膜が形成された後のピットの断面形状を詳しく示す図で
ある。
【図7】原盤露光用の光源として用いられるレーザの光
強度分布を示す図である。
【図8】基板側からピットを読み取るように作成された
従来光ディスクと、光透過層側からピットを読み取るよ
うに作成された本発明に係る光ディスクの評価結果を示
す図である。
【符号の説明】
10 ディスク基板、 20 反射膜、 30 光透過
層、 81 読み出し用レーザ、 82 対物レンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 増原 慎 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録信号に応じたピット列が形成された
    基板と、上記基板のピット列が形成された面に成膜され
    た反射膜と、上記反射膜上に形成された光透過層とを備
    え、上記ピット列として記録された信号が上記光透過層
    側から読み出されるようにされた光ディスクにおいて、 上記光透過層側から見たピット列が、長さが0.40μ
    mより短いピットを含み、最長ピットの幅に対する最短
    ピットの幅の比が0.8以上であることを特徴とする光
    ディスク。
  2. 【請求項2】 上記反射膜と上記光透過層の間に信号記
    録膜をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の光
    ディスク。
  3. 【請求項3】 上記反射膜および/または信号記録膜が
    2層以上形成されることを特徴とする請求項2記載の光
    ディスク。
  4. 【請求項4】 原盤に記録信号に応じて露光形成したピ
    ット列を基板材料に転写して光ディスクを製造する光デ
    ィスク製造方法において、 長さが露光スポット径の85%以下のピットを含むピッ
    ト列を記録信号に応じて原盤に露光形成する露光工程
    と、 上記原盤に形成されたピット列をディスク基板に転写す
    る転写工程と、 上記ディスク基板のピット列が転写された面に反射膜を
    成膜する成膜工程とを有することを特徴とする光ディス
    ク製造方法。
  5. 【請求項5】 上記露光工程では、波長が350nm以
    上の光を用いて、長さが0.40μm以下のピットを含
    むピット列を露光形成することを特徴とする請求項4記
    載の光ディスク製造方法。
  6. 【請求項6】 上記原盤に露光形成されるピット列の最
    長ピットの幅は、トラックピッチよりも狭いことを特徴
    とする請求項5記載の光ディスク製造方法。
  7. 【請求項7】 上記ディスク基板に転写されたピット列
    の最長ピットの幅に対する最短ピットの幅の比が0.8
    以上であることを特徴とする請求項5記載の光ディスク
    製造方法。
  8. 【請求項8】 上記反射膜は、上記基板に転写されるピ
    ットの底面の幅をL,そのピットの壁面がディスク面と
    なす平均斜度をθとしたときに L×sinθ/{2×(1−cosθ)} で与えられる膜厚以下であることを特徴とする請求項5
    記載の光ディスク製造方法。
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