JPH10306187A - 粉末成形用塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

粉末成形用塩化ビニル系樹脂組成物

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JPH10306187A
JPH10306187A JP9131669A JP13166997A JPH10306187A JP H10306187 A JPH10306187 A JP H10306187A JP 9131669 A JP9131669 A JP 9131669A JP 13166997 A JP13166997 A JP 13166997A JP H10306187 A JPH10306187 A JP H10306187A
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chloride resin
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JP9131669A
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Toshio Masuda
敏夫 増田
Manabu Ogiwara
学 荻原
Hideaki Hayashi
英明 林
Junzo Ukai
順三 鵜飼
Hideo Nishimura
秀雄 西村
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Zeon Kasei Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Zeon Kasei Co Ltd
Toyota Motor Corp
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    • C08K5/10Esters; Ether-esters
    • C08K5/12Esters; Ether-esters of cyclic polycarboxylic acids
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩化ビニル系樹脂組成物のフォギングを防止
するとともに、耐寒性、耐熱老化性を一層改善するこ
と。 【解決手段】 (1)平均重合度pが600〜3000
で、内部細孔容積が0.20ml/g以上の塩化ビニル
系樹脂粉末100重量部、(2)主鎖の平均炭素数nが
6〜9のアルキル基を有するトリメリット酸エステル8
0〜150重量部、(3)平均重合度qが400〜13
00で一次粒子径分布の点からみて小さい方のモードが
0.1〜0.4μmの範囲にあり、大きい方のモードが
0.9〜1.4μmの範囲内にある2つのモードを有す
る微細塩化ビニル系樹脂5〜25重量部からなる組成物
であって、前記(2)のトリメリット酸エステルの重量
部数Lが前記pおよびnとの間に下記式〔I〕 【数1】 5<〔{(n−8)×5+L}/p〕×100<12 ……〔I〕 の関係を有することを特徴とする粉末成形用塩化ビニル
系樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉末成形加工にお
いて、成形性、非フォギング性を確保しつつ耐寒性能の
向上を図り、従来のクラッシュパッドと同様な成形条件
によって耐寒性を要求されるエアバッグドアの表皮材を
成形できる塩化ビニル系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車内装材には、クラッシュパッド、
グローブボックス、コンソールボックス、ドアトリム、
アームレスト、ヘッドレスト等には軟質塩化ビニル樹脂
製品が多用されている。その中で、クラッシュパッド、
グローブボックス、コンソールボックス、ドアトリム等
には発泡ウレタンで裏打ちされた粉末成形、特に粉末ス
ラッシュ成形用塩化ビニル系樹脂製品が多く使用されて
いる。更に、近年は、エアバッグドアとクラッシュパッ
ドを一体成形あるいは同一型を用いた一括成形を行い、
発泡ウレタンの裏打ち工程も従来の別発泡から一体発泡
の方向で生産のコストダウンを図る方向にある。
【0003】エアバッグドアは、衝突時のエアバッグの
急激な膨張により開く機構になっており、衝撃による破
損が生じ易い。特に、低温時の作動では表皮材が脆性破
壊して、その破片の飛散による二次的災害の発生が懸念
されており、そのため従来のクラッシュパッド材性能に
比べて大幅な耐寒性、耐熱老化性が求められている。
【0004】従来、塩化ビニル樹脂組成物の耐寒性、耐
熱老化性の向上を図るため可塑剤を多量に添加する必要
があったが、そうすると、メルト性、スラッシュ成形時
の粉切れ性が悪い(熱金型にコンパウンドを回転させな
がら所定のシート肉厚が得られるまで接触溶融させ、そ
の後コンパウンドが入っているボックスを金型より分離
させ、金型面の粉末コンパウンドの溶融を完成させる
が、金型の回転が終了した時点でボックス内に回収され
るべきコンパウンドが金型面に部分的に付着する現象
で、シート重量が設定以上になり、溶融の不完全箇所が
裏打ちウレタンの接着を阻害する等の不具合を発生する
性質をいう)という二律背反の問題点をかかえている。
【0005】これらの問題点に対処するため、先に本出
願人は特開昭60−90221号公報において、塩化ビ
ニル系樹脂100重量部と可塑剤30〜130重量部を
80〜150℃で混合した後、70℃以下に冷却し、つ
いで粒径0.1〜10μ、好ましくは1μ前後のダステ
ィング用塩化ビニル系樹脂1〜20重量部を配合するこ
とを特徴とする粉末焼結用塩化ビニル樹脂組成物の製法
を提案した。この公報においては可塑剤として、代表的
なジオクチルフタレートのようなフタル酸エステル類;
ジオクチルアジペートのようなアジピン酸エステル類と
並んでトリメリット酸の高級アルコールエステルの使用
が可能であるとしており、前記塩化ビニル系樹脂として
は、平均重合度500〜1500、粒度分布50〜30
0μのものが推奨されており、ダスティング用塩化ビニ
ル系樹脂としては重合度500〜3500のものが示さ
れている。
【0006】これに対して、特開平5−279485号
(特許登録番号第2550258号)公報は、前記技術
において前記塩化ビニル系樹脂の累積細孔容積を0.2
70cc/g以上とし、可塑剤をトリメリット酸エステ
ルとすることにより、初期加工性、流動性、非フォギン
グ性にすぐれた粉末焼結用塩化ビニル樹脂組成物が得ら
れることを報じている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、塩化
ビニル系樹脂組成物のフォギングを防止するとともに、
耐寒性、耐熱老化性を一層改善する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、粉末成形
に用いて耐寒性、耐熱老化性に優れ、成形時の粉切れ性
が良く、かつ得られたシートのフォギング性に問題の無
い積層体を得るための塩化ビニル系樹脂組成物を鋭意検
討した結果、下記の本発明を完成するに至ったものであ
る。
【0009】すなわち、本発明は、(1)平均重合度p
が600〜3000で、内部細孔容積が0.20ml/
g以上の塩化ビニル系樹脂粉末100重量部、(2)主
鎖の平均炭素数nが6〜9のアルキル基を有するトリメ
リット酸エステル80〜150重量部、(3)平均重合
度qが400〜1300で一次粒子径分布の点からみて
小さい方のモードが0.1〜0.4μmの範囲にあり、
大きい方のモードが0.9〜1.4μmの範囲内にある
2つのモードを有する微細塩化ビニル系樹脂5〜25重
量部からなる組成物であって、前記(2)のトリメリッ
ト酸エステルの重量部数Lが前記pおよびnとの間に下
記式〔I〕
【数2】 5<〔{(n−8)×5+L}/p〕×100<12 ……〔I〕 の関係を有することを特徴とする粉末成形用塩化ビニル
系樹脂組成物に関する。
【0010】前記(1)の塩化ビニル系樹脂や前記
(2)の塩化ビニル系樹脂としては、下記のような塩化
ビニルの単独重合体の他、塩化ビニルを50重量%以上
の主成分とする共重合体を含むものである。塩化ビニル
共重合体の場合の共単量体としては、例えば、エチレ
ン、プロピレンなどのオレフィン類;塩化アリル、塩化
ビニリデン、フッ化ビニル、三フッ化塩化エチレンなど
のハロゲン化オレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル類;イソブチル
ビニルエーテル、セチルビニルエーテルなどのビニルエ
ーテル類;アリル−3−クロロ−2−オキシプロピルエ
ーテル、アリルグリシジルエーテルなどのアリルエーテ
ル類;アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリル
酸−2−ヒドロキシエチル、メチルメタクリレート、マ
レイン酸モノメチル、マレイン酸ジエチル、無水マレイ
ン酸などの不飽和カルボン酸、そのエステルまたはその
酸無水物類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルな
どの不飽和ニトリル類;アクリルアミド、N−メチロー
ルアクリルアミド、アクリルアミド−2−メチルプロパ
ンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロピルトリメ
チルアンモニウムクロライドなどのアクリルアミド類;
アリルアミン安息香酸塩、ジアリルジメチルアンモニウ
ムクロライドなどのアリルアミンおよびその誘導体類な
どを挙げることができる。これらの塩化ビニル系樹脂
は、懸濁重合法により得られたものであることが好まし
い。
【0011】前記(1)の塩化ビニル系樹脂は、平均重
合度600〜3000、好ましくは800〜2500、
とくに好ましくは1000〜2500である。高い耐寒
性を発現させるためには、可塑剤の添加量を増大させる
か、可塑剤分子中のアルキル鎖長が長い物を選ぶと良
い。しかし、これらの手法は可塑剤吸収性を悪化させる
傾向に有り、コンパウンドの粉体性の低下を招き、粉切
れ性に問題を生じる。そこで塩化ビニル系樹脂のポロシ
ティーを高め、可塑剤吸収性を良くする必要がある。塩
化ビニル系樹脂のポロシティーは内部細孔容積で示さ
れ、内部細孔容積は0.20ml/g以上、好ましくは
0.25ml/g以上が必要である。一般にポロシティ
ーは重合度と相関しており、重合度が高いほどポロシテ
ィーも高い傾向にある。
【0012】前記平均重合度は、JIS K6721に
規定する測定方法に従ったものであり、前記内部細孔容
積は、アミンコ社製の水銀圧入式ポロシメーターを使用
し、常圧から14,000psiGまでの加圧の間に塩
化ビニル系重合体粒子1g当り圧入された水銀の容量で
示した。
【0013】前記トリメリット酸エステルはフタレート
系可塑剤に比べて、非フォギング性は優れているが塩化
ビニル系樹脂への吸収性が劣る。そこで耐寒性能の向上
を図るためには、可塑剤の添加量の増量あるいはアルキ
ル鎖長が長く、ノルマル率の高い物が有効である。可塑
剤の添加量は80〜150部、好ましくは90〜140
部であり、80部より少いと耐寒性を確保できず、15
0部より多いと焼結シートが柔らかく脱型時にシートが
伸びてしまい、ウレタン発泡時に表皮に皺が発生した
り、取扱も困難となり好ましくない。前記(1)の塩化
ビニル系樹脂の平均重合度が大きい場合はトリメリット
酸エステルの量は多い方が好ましい。
【0014】前記トリメリット酸エステルの分子構造に
おいて、耐寒性に影響を及ぼす要因としては、アルキル
基の鎖長があるが、主鎖長の影響が大きく、側鎖の鎖長
の影響は小さい。アルキル基の主鎖長は平均で6以上9
以下であり、より好ましくは7〜8である。アルキル基
の主鎖長が6未満のトリメリット酸エステル系可塑剤で
は大幅に添加量を増やさなければならず、物性の低下を
もたらす。また、アルキル基の主鎖長が9より大の場合
は塩化ビニル系樹脂への吸収性が劣り、粉体性の悪化で
粉切れ性に問題が発生する。アルキル基の主鎖と側鎖を
含めた全鎖長も耐寒性に影響を与えるが、側鎖の影響は
すくなく、主鎖長の影響が大きい。
【0015】前記(2)のトリメリット酸エステルの重
量部数Lが前記pおよびnとの間に下記式〔I〕
【数3】 5<〔{(n−8)×5+L}/p〕×100<12 ……〔I〕 の関係を有するものであることが必要である。
【0016】ダスティング剤は、コンパウンドの粉体流
動性を向上させるために添加されるが、この選択の如何
によってはフォギング性への影響がある。可塑剤の添加
量が増大すると可塑剤に含まれる未反応アルコール等の
低沸点物によりフォギング性を増大するという悪影響が
発生するので、ダスティング剤の選択は重要である。
【0017】一般に、微細塩化ビニル系樹脂を一次粒子
径分布の点からみると、つぎのようなものがある。 (a)粒径分布が2モード分布をもつもの(粒径分布が
2つのピークをもつもの)このものは、播種乳化重合法
によって得られたものに多く見られる。 (b)粒径分布が正規分布に近い分布をもつもの 微細懸濁重合法によって得られたものに多く見られる。
0.1〜2.5μmの範囲、とくに一般的には0.9〜
1.2μmの範囲のものが多い。 (c)粒径分布が1モード分布をもつもの 乳化重合法によって得られるものに多く見られる。一般
に0.1〜0.5μmの範囲に1つのモードをもつ場合
が多い。
【0018】本発明者らは、これら(a)〜(c)の各
タイプの微細塩化ビニル系樹脂をダスティング剤として
用いることにより、そのフォギング性について調査し
た。その結果、(b)のタイプのものはフォギングをお
こす傾向が強く、(c)のタイプのものはダスティング
剤としての効果がないことが分かった。その理由は、
(b)のタイプのものは重合時に用いる副資材に起因す
るものと予想され、(c)のタイプのものは粒径が前記
(a)および(b)の塩化ビニル系樹脂の粒径に較べて
小さいため、表面積が相対的に非常に大きくなり、それ
に起因して可塑剤の吸収速度が大きすぎ、前記(1)の
塩化ビニル系樹脂に吸着した可塑剤まで吸収する傾向が
あるためと考えられる。これに対して(a)のタイプの
もののうち、小さい方のモードが0.1〜0.4μmの
範囲内にあり、大きい方のモードが0.9〜1.4μm
の範囲内にあって、小さい方のモードに属する粒子が微
細塩化ビニル系樹脂全体の1〜30重量%存在すること
が好ましく、より好ましくは5〜20重量%を占めるも
のを選択した場合には、前記(1)の塩化ビニル系樹脂
と前記(3)の微細塩化ビニル系粒子とに対する可塑剤
吸収性のバランスに優れ、かつダスティング剤としての
機能にも優れ、そのうえ、フォギングもおこさないこと
が判明した。
【0019】前記(3)の微細塩化ビニル系樹脂の添加
量は5部〜25部、好ましくは8部〜17部である。5
部未満では粉体性が低下し、25部より大きくなるとダ
スティング剤が余剰となり、コンパウンド系が不均一と
なり好ましくない。
【0020】前記一次粒子径分布の測定方法は下記のと
おりである。すなわち、微細塩化ビニル系樹脂の粉末を
水に分散し、超音波振とう器により、0.5重量%の分
散液を調製したのち、これを(株)堀場製作所製のレー
ザー回折/散乱式粘度分布測定器「LA−910」にか
けて粒径分布を測定する。
【0021】前記(1)の塩化ビニル系樹脂と前記
(3)の微細塩化ビニル系樹脂の組合わせ方はとくに制
限はなく、前記(1)の塩化ビニル系樹脂として、塩化
ビニル系ホモポリマーを用いたときは、前記(3)の微
細塩化ビニル系樹脂としては塩化ビニル系ホモポリマー
または塩化ビニルと他の前記共重合性モノマーとの共重
合体を用いることができ、前記(1)の塩化ビニル系樹
脂として、塩化ビニル共重合体を用いたときも前記
(3)の微細塩化ビニル系樹脂としては塩化ビニル系ホ
モポリマーまたは塩化ビニルと他の前記共重合性モノマ
ーとの共重合体を用いることができる。
【0022】本発明の組成物には、通常の塩化ビニル系
樹脂組成物に配合できる種々の添加剤を配合することが
できる。
【0023】熱や光に対する安定剤としては、一般のP
VC用のものやとくに粉体成形用安定剤を用いることが
できる。前者の例としては、ゼオライト、水酸化カルシ
ウム、酸化カルシウム、けい酸カルシウム、各種金属石
鹸、有機すず系安定剤、鉛系安定剤、アンチモン系安定
剤などの金属系安定剤のほか、有機ホスファイト系安定
剤、エポキシ系安定剤、ポリオール系安定剤、含窒素化
合物安定剤、含硫黄化合物安定剤、フェノール系抗酸化
剤などを挙げることができ、後者の例としては、特開昭
62−270645号公報、特開平3−66738号公
報、特開平5−156106号公報、特開平6−279
640号において提案されているハイドロタルサイト類
化合物、過塩素酸バリウム、過塩素酸マグネシウムのよ
うな過塩素酸化合物、過塩素酸導入型ハイドロタルサイ
ト類化合物や特開平1−268745号公報、特開平6
−279640号において提案されているβ−ジケトン
類の併用を挙げることができる。また、これらの流動性
と安定性を向上させる目的で特開平5−156106号
公報と同様にゼオライトを併用することもできる。
【0024】ハイドロタルサイトは一般式
【化1】Mg1-XX(OH)2(CO3X/2・mH2O (0<x≦0.5の実数、mは0または実数、RはA
l、CrまたはFeである。)で示される含水炭酸塩鉱
物で六方晶系、リョウ面体三方格子で、この群に属する
鉱物は互いに同形である。ジャ紋岩や他のマグネシウム
を多く含む岩石中に低温の熱水作用の産物として産する
が、本発明においては、このような天然物であってもよ
く、また合成品であってもよい。合成方法としては、特
公昭46−2280号公報、特公昭50−30039号
公報、特公昭51−29129号公報、特開昭61−1
74270号公報などに記載の公知の方法を例示するこ
とができる。また、本発明においては、その結晶構造、
結晶粒子径あるいは結晶水の有無およびその量などに制
限されることなく使用することが可能である。また、ハ
イドロタルサイトは、前記ハイドロタルサイトと過塩素
酸とを水中で任意の比率で反応させ、ハイドロタルサイ
ト中のCO3の一部または全部をClO4に置換した過塩
素酸一部導入型または過塩素酸導入型のものを用いても
よい。添加量は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して
通常0.01〜5.0重量部である。
【0025】また、本発明においては、塩化ビニル系樹
脂組成物の通常の配合成分である充填剤、帯電防止剤、
着色剤、難燃剤、発泡剤、離型剤などは必要に応じて適
宜使用することができる。
【0026】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れに限定されるものではない。
【0027】実施例に用いた組成は下記のとおりであ
る。 重量部 塩化ビニル樹脂(塩化ビニル単独重合体)(表1参照) 100 トリメリット酸エステル(表2参照) 変量 微細塩化ビニル樹脂(塩化ビニル単独重合体)(表3、4参照) 変量 ハイドロタルサイト 1 過塩素酸ナトリウム 0.5 紫外線吸収剤 0.2 ステアリン酸亜鉛 0.2 顔料 2
【0028】前記組成物のブレンドは、前記トリメリッ
ト酸エステルとダスティング剤である微細塩化ビニル樹
脂を除く各成分をヘンシェルミキサーに入れて混合し、
温度が80℃に上昇した時点で、前記トリメリット酸エ
ステルを添加し、ドライアップ後、50℃まで冷却した
段階で前記微細塩化ビニル樹脂を添加、混合して粉体成
形用塩化ビニル系樹脂組成物を調製した。これらの組
成、その評価結果は表5〜9に示した。また、本発明の
「粉切れ性」、「メルト性」、「劣化後の伸び」、「フ
ォギング性」、「エアバック展開試験」は、つぎの方法
により測定した。なお、以下の表中のアンダーラインは
本発明の要件を満たしていないことを示している。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【表4】
【0032】(粉切れ性)100×110×50mmの
箱型金型(ニッケル製肉厚3mm)を230℃に加熱し
た後、粉末成形用塩化ビニル系樹脂組成物300gを入
れたステンレス製パウダーボックスを伏せて取り付け、
360度の往復回転を行い、60秒間放置後に水中に浸
しパウダーボックスをはずして生成したシートを取り出
し、シートの裏面(金型に接しない面)の状態を観察し
た。シートの厚みによりつぎの基準で評価した。 ○:シート厚みは見掛け上平準化している ×:シートに凹凸があって厚みが不均一
【0033】(メルト性)前記粉切れ性のテストにおけ
るシートの裏面を観察し、つぎの基準で評価した。 ○:光沢あり ×:光沢なし
【0034】(劣化後の伸び)300×200×3mm
の金型(ニッケル製)を250℃に加熱し、粉末塩化ビ
ニル系樹脂組成物を乗せて10秒間経過後、反転して融
着していない余剰のパウダーを除いた後、30秒間放置
して焼結し、その後金型ごと水に浸して冷却し、シート
を剥がす。得られた塩化ビニル樹脂シートから145m
m×200mmのシートを切出して147mm×217
mm×10mmの金型の中に敷き、変性MDI系イソシ
アネート16.9gとポリエーテルポリオール(トリエ
チレンジアミン1.0重量%、水1.6重量%含有)3
1.4gを混合してシートの上に注ぎ、金型を密閉し
た。10分後に表皮1mm厚に9mm厚の発泡ポリウレ
タンが裏打ちされた試料を金型から取り出す。110℃
ギヤーオープン中で2000時間保って劣化させた後、
表皮シートを剥がし、JIS K7127 4号ダンベ
ルで前記表皮シートを打ち抜き−10℃で伸びを測定す
る。このときの引張速度は200mm/秒で行った。こ
の値が20%以上であれば耐寒性良好と判断される。劣
化すると10%以下の値となる。
【0035】(フォギング性)前記粉切れ性のテストで
得られた50×100×1mmの粉末塩化ビニル系樹脂
組成物製シートのサンプルを硝子瓶に入れ、透明な硝子
板で蓋をした後、100℃のオイルバス中で20時間放
置した後、硝子板のヘーズ(曇り度)を測定した。試験
機は、スガ試験機(株)製の自動直読ヘーズコンピュー
ター 型式HGM−2DPを用いた。この値が小さいほ
どフォギングが発生しないことを示している。
【0036】(エアバッグの展開試験)エアバッグリッ
ドの金型を250℃に加熱して粉体成形用塩化ビニル系
樹脂組成物を入れ、10秒後に反転して余剰の粉体を除
き、30秒置いて焼結させてから金型ごと水冷して、シ
ートを剥す。前記劣化試験後の伸びの項と同じ要領で発
泡ポリウレタンをシートに裏打ちし、110℃のギヤー
オーブン中に置いて2000時間経過させた後、−10
℃の雰囲気でエアバッグドアに取付けて背面のエアバッ
グを衝撃により膨らませてドアを瞬間的に開放させてか
ら、ドア表面のシートを観察し、下記の基準で判定す
る。 ○:シートに伸びが見られる程度で亀裂が生じない ×:シートに亀裂が見られる
【0037】
【表5】
【0038】
【表6】
【0039】
【表7】
【0040】
【表8】 *:シートの凹凸が大きく、均一な厚みのシートが得られなかった。
【0041】
【表9】
【0042】
【表10】 *:シートの凹凸が大きく、均一な厚みのシートが得られなかった。
【0043】表5〜10を総合すると、つぎのようなこ
とが言える。すなわち、本発明の要件を備える実施例1
〜9の粉体成形用塩化ビニル系樹脂組成物は粉切れ性、
メルト性が良く、成形して得られるシートはフォギング
を殆ど起こさない。また、劣化試験後の伸びも良好で、
エアバッグ展開試験でも亀裂を生じず、従って耐寒性が
良かった。実施例2および3では、前記(1)成分の平
均重合度が実施例1の前記(1)の成分より大きいの
で、前記(2)のトリメリット酸エステルを多く用いる
ことにより、劣化試験後の伸び、エアバッグ展開試験の
良い成形品が得られた。実施例4は、実施例1との対比
でトリメリット酸エステルのアルキル基の主鎖炭素数を
8から6に下げた配合であり、前記(2)の成分の使用
部数が同じなので劣化試験後の伸びで見る耐寒性がやや
低下したが合格範囲と判断される。実施例5は、実施例
4との対比で前記(2)のトリメリット酸エステルの部
数を10重量部増した配合であり、その分劣化試験後の
伸びが向上した。また、劣化試験後の伸びで耐寒性を見
ると、実施例5のものは実施例1との対比で、トリメリ
ット酸エステルのアルキル基の主鎖炭素数2の減少が、
その使用量10重量部増にほぼ匹敵していることが判
る。実施例6は、実施例1との対比でトリメリット酸エ
ステルのアルキル基の主鎖炭素数を8から平均値で7.
7に心もち下げた配合である。この場合は、可塑剤成分
の使用部数が同じでも、劣化試験後の伸びが若干低下
し、実施例4の結果と併せて考えると、耐寒性へのトリ
メリット酸エステルのアルキル基の炭素数の影響が表わ
れていると認められる。実施例7は、実施例5と対比し
て、前記(1)の成分である塩化ビニル樹脂の平均重合
度を上げる一方、トリメリット酸エステルのアルキル基
の主鎖炭素数を6から平均値で6.8に心もち上げた場
合である。劣化試験後の伸びが向上していることから、
耐寒性には前記(1)の成分の平均重合度の上昇よりト
リメリット酸エステルのアルキル基の影響の方が強いこ
とが伺える。実施例8は、実施例7との対比で、前記
(3)の微細塩化ビニル樹脂成分の相違を無視すれば、
トリメリット酸エステルのアルキル基の主鎖炭素数を
6.8から9に上げ、一方トリメリット酸エステルの使
用量を110重量部から100重量部に低下した配合で
あるが、劣化試験後の伸びから見る耐寒性が、これら2
要因の調整により殆ど同等になることが判る。実施例9
は、実施例8と対比してトリメリット酸エステル量を5
重量部減じたもので、劣化試験後の伸びが合格範囲では
あるが若干低下した。
【0044】内部細孔容積が本発明の規定より小さい前
記(1)の成分である塩化ビニル樹脂を用いた比較例1
および2は、共に不満足な結果を示した。特に、内部細
孔容積が著しく小さいFを用いた比較例2では、粉切れ
性が悪いので一定厚みのシート成形ができず、その他の
試験に進み得なかった。数式の値が規定範囲より小さい
比較例3は、メルト性が悪く耐寒性を見る2つの試験で
不満足な結果を与えた。前記(3)の成分である微細塩
化ビニル樹脂が2モードの粉径分布でありながら、平均
重合度が規定より大のa3を用いた比較例4はメルト性
が悪い結果を示した。前記(3)の成分として正規様分
布に近い分布のb1およびb2を用いた比較例5と6は、
フォギングがひどく、また1モード分布のCを用いた比
較例7は粉切れ性が悪く、一様なシート成形ができず、
試験が行えなかった。
【0045】
【効果】本発明により、フォギング性を抑制するととも
に、粉切れ性、メルト性、耐寒性、耐熱老化性およびエ
アバッグ展開性が改善された粉末成形用塩化ビニル系樹
脂組成物を提供することができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 英明 神奈川県川崎市川崎区夜光一丁目2番1号 ゼオン化成株式会社川崎研究所内 (72)発明者 鵜飼 順三 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 西村 秀雄 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)平均重合度pが600〜3000
    で、内部細孔容積が0.20ml/g以上の塩化ビニル
    系樹脂粉末100重量部、(2)主鎖の平均炭素数nが
    6〜9のアルキル基を有するトリメリット酸エステル8
    0〜150重量部、(3)平均重合度qが400〜13
    00で一次粒子径分布の点からみて小さい方のモードが
    0.1〜0.4μmの範囲にあり、大きい方のモードが
    0.9〜1.4μmの範囲内にある2つのモードを有す
    る微細塩化ビニル系樹脂5〜25重量部からなる組成物
    であって、前記(2)のトリメリット酸エステルの重量
    部数Lが前記pおよびnとの間に下記式〔I〕 【数1】 5<〔{(n−8)×5+L}/p〕×100<12 ……〔I〕 の関係を有することを特徴とする粉末成形用塩化ビニル
    系樹脂組成物。
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