JPH10312912A - 限流器 - Google Patents
限流器Info
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- JPH10312912A JPH10312912A JP12044897A JP12044897A JPH10312912A JP H10312912 A JPH10312912 A JP H10312912A JP 12044897 A JP12044897 A JP 12044897A JP 12044897 A JP12044897 A JP 12044897A JP H10312912 A JPH10312912 A JP H10312912A
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Abstract
波高値を低下させるとともに、限流動作の可能な回数を
増加しうる限流器を提供する。 【解決手段】 互いに常温電気抵抗率が異なる複数のP
TCポリマー層からなる多層構造のPTCポリマー部
と、PTCポリマー部の外側表面に融着された少なくと
も一対の電極とからなるPTC素子を備えてなる限流器
であって、電極に圧力が加えられ、さらに、常温電気抵
抗率が最も高いPTCポリマー層の常温電気抵抗率をρ
L1とし、常温電気抵抗率が最も低いPTCポリマー層の
常温電気抵抗率をρL2とし、前記複数のPTCポリマー
層からなる多層構造のPTCポリマー部を有するPTC
素子を備えてなる限流器の電流波高値をIpとし、常温
電気単層構造のPTCポリマー部を有するPTC素子を
備えてなる限流器電流波高値をIp′とするとき、Ip
<Ip′の関係を満たす。
Description
電流を限流するために用いられる限流器に関する。さら
に詳しくは、互いに常温電気抵抗率が異なる複数のPT
C(positive temperature coefficient) ポリマー層か
らなるPTCポリマー部の表面に、一対の電極が融着さ
れてなるPTC素子を備えてなる限流器に関する。
る。該PTC素子は、面状発熱体、温度センサ、短絡電
流保護素子または過電流保護素子などとして用いられ
る。また、前記PTC素子は、PTCポリマー部と、該
PTCポリマー部に電流を流すためにPTCポリマー部
に接触する一対の電極とからなる。前記PTCポリマー
部の「PTC」とは、抵抗の温度係数が正であることを
意味する。すなわち、PTCポリマー部は、常温での電
気抵抗率(常温電気抵抗率)が低く、高温になると急激
に抵抗率が上昇する特性(正の抵抗温度特性)を示す。
この特性をPTC特性という。
ラフである。図9において、縦軸は電気抵抗率(Ω・c
m)、横軸は温度(℃)を示す。図中で符号Tcを用い
て示される温度は、電気抵抗率が急激に変化し始める温
度であり、転移温度という。
するポリマーに粒子状の導電性物質が混練された複合材
料からなる。前記ポリマーは、たとえば、ポリエチレ
ン、ポリプロピレンまたはナイロンなどであり、前記粒
子状の導電性物質は、カーボンブラックまたは金属粒子
である。かかるばあい、PTC特性は、発熱などの温度
上昇により、PTCポリマー部の温度がポリマーの溶融
温度を超えたときに、ポリマーが体積膨脹し、ポリマー
の非晶質部分(結晶粒界部分)に存在していた粒子状の
導電性物質が互いに離れることにより発現すると考えら
れている。
するために、前記PTC素子を電気回路に適用した例
が、特開平4−266001号公報に開示されている。
常の負荷電流がPTC素子に流れている状態(以下、
「負荷電流通電状態」という)においては、PTC素子
の電気抵抗はたとえば数mΩ程度である。また、負荷電
流が連続的に流れるとジュール熱により、PTCポリマ
ー部の温度が上昇するが、温度上昇が少ないのでPTC
素子の電気抵抗の上昇はわずかである。もし、事故が発
生し、電気回路に短絡電流または過電流が流れると、P
TCポリマー部の温度が急激に上昇し、特定の温度(転
移温度Tc)を超えると、PTCポリマー部は低抵抗状
態から高抵抗状態へと変化する。
レンに粒子状の導電性物質であるカーボンブラックが混
練され分散されてなるPTCポリマー部がある。当該P
TCポリマー部では、ポリエチレンの温度が135℃を
超えるあたりで、ポリエチレンが大きく膨脹する。した
がって、ポリエチレンの非晶質部分(結晶粒界部分)に
存在していたカーボンブラックの粒子間隔が急激に広が
り、PTCポリマー部の状態が低抵抗状態から高抵抗状
態へ急激に転移する。その結果、高抵抗状態になったP
TC素子の電気抵抗は、低抵抗状態のときの1000倍
以上になる。
素子に流れ込むと、PTCポリマー部の抵抗が急激に上
昇し、短絡電流および過電流を抑制することができる。
PTC素子によって抑制された電流の波高値は、限流波
高値とよばれる。PTC素子により抑制された電流は、
電気回路に設置された開閉器などで遮断される。電流が
遮断されるとPTC素子にはジュール熱が発生しなくな
ると同時に、PTC素子の内部の熱が外部に方散される
ので、PTCポリマー部の温度が低下する。PTC素子
の温度が転移温度Tc以下に低下すると、負荷電流の再
通電が可能となる。このように、短絡電流および過電流
が流れた際に、PTC素子の電気抵抗の大幅な増大によ
り、電気回路を保護することができる。
通電用の)PTC素子は、常温電気抵抗率が低いPTC
ポリマー部を選定して形成される。しかし、常温電気抵
抗率が低いPTCポリマー部を用いて限流器を形成する
と、常温電気抵抗率が高いPTCポリマー部を用いて限
流器を形成したばあいに較べて、短絡電流または過電流
が流れたときのPTCポリマー部の温度上昇が緩やか
で、電気抵抗の増大に要する時間が長くなるので、限流
波高値(限流動作中に電気回路に流れた電流の最大値)
が高くなるという問題がある。
マー部の常温電気抵抗率を高くしてPTC素子が形成さ
れたばあい、PTC素子自身の抵抗値が高くなり、連続
して通電できる負荷電流の値が小さくなるという問題が
ある。
電できる負荷電流の値の低下を抑制しつつ限流波高値を
下げうるPTC素子が、特開平9−69412号公報に
開示されている。当該PTC素子は、互いに常温電気抵
抗率が異なる複数のPTCポリマー層からなる多層構造
のPTCポリマー部と、前記複数のPTCポリマー層の
うちの最上層のPTCポリマー層の外側表面上および前
記複数のPTCポリマー層のうちの最下層のPTCポリ
マー層の外側表面上に融着された少なくとも一対の電極
とからなる。前記PTCポリマー層は、単層構造のPT
Cポリマー部と同様に、ポリエチレンに粒子状の導電性
物質が混練され分散されてなる。
Cポリマー層からなる従来の限流器の一例を示す説明図
である。図10において、11はPTCポリマー部、1
2は、一対の電極である2つの電極、13はPTC素
子、30は、電極20に電気的に接続された導電板、3
1は導電板30を介して電極20に電流を供給するため
の電流導入端子、32は絶縁枠、33は、PTC素子1
0に圧力をかけるためのばね状の弾性体、34は、PT
C素子10を保護するための絶縁容器、35aはボル
ト、35bはナット、36は、絶縁容器34の内側の高
さを一定に保つためのスペーサーを示す。なお、絶縁枠
32は、短絡電流または過電流がPTC素子に流れ、限
流動作が起こったときに発生するアークによって生成さ
れた導電性のガスにより、電流導入端子31間で短絡が
生じるのを防止するために、PTCポリマー部11の周
辺部に設けられる。
部11は、互いに常温電気抵抗率が異なる2つのPTC
ポリマー層からなる。一方のPTCポリマー層の常温電
気抵抗率が、他方のPTCポリマー層の常温電気抵抗率
に較べて高くなっている。なお、本明細書において、常
温電気抵抗率の高いまたは低いは、相対的なものであ
る。PTCポリマー層を構成するポリマーの材質、PT
Cポリマー層により混練された粒子状の導電性物質の材
質および粒径、導電性物質をPTCポリマー層に混ぜる
割合、およびPTCポリマー層の製造条件などを変更す
ることにより、所定の常温電気抵抗率を有するPTCポ
リマー層をうることができる。
抗率が異なる複数のPTCポリマー層からなるPTCポ
リマー部を用いて形成することにより、短絡電流または
過電流がPTC素子に流れたとき、ジュール熱によるP
TCポリマー部の発熱が、常温電気抵抗率の高いPTC
ポリマー層に集中し、常温電気抵抗率の高いPTCポリ
マー層の温度上昇を大きくすることができる。したがっ
て、常温電気抵抗率の高いPTCポリマー層の電気抵抗
が急激に増大し、短絡電流および過電流を抑制すること
ができる。
抗率の高いPTCポリマー層の発熱を促進することによ
って、限流動作までの時間を短縮し、限流波高値を低減
することができる。
のように、互いに常温電気抵抗率が異なる2つのPTC
ポリマー層を用いて多層構造のPTCポリマー部が形成
されている。したがって、短絡電流および過電流が流れ
たときのPTC素子の発熱を常温電気抵抗率の高いPT
Cポリマー層に集中させることによって、限流動作まで
の時間を短縮し、限流波高値を低減することができる。
しかし、ある特定のPTCポリマー層の常温電気抵抗率
を単に高くするだけでは、発熱を常温電気抵抗率の高い
PTCポリマー層に効率よく集中させることは難しい。
温電気抵抗率を単に高くするだけでは、PTC素子自身
の電気抵抗が高くなり、当該PTC素子を含んでいる限
流器が接続された電気回路の連続通電性能が大きく損な
われる。そこで、連続通電性能が損なわれないように、
PTC素子と電極との接触界面の面積を大きくすること
により、PTC素子全体の電気抵抗を下げるばあいがあ
る。しかし、面積を大きくすると、短絡電流および過電
流が流れた際の限流波高値が大きくなってしまうという
問題がある。
の高いPTCポリマー層に集中すると、PTCポリマー
部の温度がポリマーが溶融する温度をはるかに超えてポ
リマーの分解温度に達し、電極と常温電気抵抗率の高い
PTCポリマー層とのあいだでアークが発生する。した
がって、常温電気抵抗率の高いPTCポリマー層が消耗
し、PTCポリマー部が多層構造であることによりえら
れる効果がなくなってしまう。とくに、常温電気抵抗率
の高いPTCポリマー層を有する多層構造のPTCポリ
マー部においては、連続通電電流を低下させないよう
に、PTC素子全体の抵抗を下げる必要がある。そこ
で、常温電気抵抗率の高いPTCポリマー層の厚さを薄
くし、PTC素子全体の抵抗を下げるばあいがある。し
かし、常温電気抵抗率の高いPTCポリマー層の厚さを
極端に薄くすると、一回の限流動作で常温電気抵抗率の
高いPTCポリマー層が蒸発してしまい、繰り返し限流
動作を行うことができないという問題がある。
れたものであり、多層構造を有するPTCポリマー部を
含んでなる限流器において、連続通電性能を大きく損な
うことなく、常温電気抵抗率の高いPTCポリマー層の
限流動作時の発熱を促進し、限流波高値を低下させると
ともに、限流動作の可能な回数を増加し、優れた限流性
能を有する限流器を提供することを目的とする。
に常温電気抵抗率が異なる複数のPTCポリマー層から
なる多層構造のPTCポリマー部と、前記複数のPTC
ポリマー層のうちの最上層のPTCポリマー層の外側表
面上および前記複数のPTCポリマー層のうちの最下層
のPTCポリマー層の外側表面上に融着された少なくと
も一対の電極とからなるPTC素子を備えてなる限流器
であって、前記電極がPTCポリマー部に押しつけられ
るように、該電極に圧力が加えられ、さらに、常温電気
抵抗率が最も高いPTCポリマー層の常温電気抵抗率を
ρL1とし、常温電気抵抗率が最も低いPTCポリマー層
の常温電気抵抗率をρL2とし、前記複数のPTCポリマ
ー層からなる多層構造のPTCポリマー部を有するPT
C素子を備えてなる限流器に短絡電流および過電流が流
れ込んだ際に、PTC素子によって抑制される電流の波
高値をIpとし、常温電気抵抗率がρL2であるPTCポ
リマー層のみからなる単層構造のPTCポリマー部を有
するPTC素子を備えてなる限流器に短絡電流および過
電流が流れ込んだ際に、PTC素子によって抑制される
電流の波高値をIp′とするとき、Ip<Ip′の関係
を満たすものである。
TCポリマー層の高温電気抵抗率をρH1とし、前記常温
電気抵抗率が最も低いPTCポリマー層の高温電気抵抗
率をρH2とするとき、ρH1>ρH2の関係を満たすもので
ある。
Cポリマー層の抵抗をR1とし、前記常温電気抵抗率が
最も低いPTCポリマー層の抵抗をR2とするとき、R
1>R2の関係を満たすものである。
(1)により表される。
の常温電気抵抗率、SはPTCポリマー層と融着電極と
の1つの界面の面積(以下、単に「電極面積」とい
う)、LはPTCポリマー層の厚さを示す。
Cポリマー層のPTC特性における転移温度をTC1と
し、前記常温電気抵抗率が最も低いPTCポリマー層の
PTC特性における転移温度をTC2とするとき、TC1<
TC2の関係を満たすものである。
Cポリマー層の常温電気抵抗率をρL1とし、前記常温電
気抵抗率が最も低いPTCポリマー層の常温電気抵抗率
をρL2とするとき、ρL1/ρL2>2の関係を満たすもの
である。
Cポリマー層の厚さが、少なくとも10μmである。
の界面に凹凸が設けられてなるものである。
形態について説明する。
明の限流器の実施の形態1について説明する。図1は、
本発明の限流器の一実施の形態を示す断面説明図であ
る。図1において、1aは第1のPTCポリマー層、1
bは第2のPTCポリマー層、2は、第1のPTCポリ
マー層1aおよび第2のPTCポリマー層1bに融着さ
れる電極(以下、「融着電極」という)、3は、第1の
PTCポリマー層1aと第2のPTCポリマー層1bと
からなるPTCポリマー部、および融着電極2を備えて
なるPTC素子を示す。さらに、図10と同一の部分は
同じ符号を用いて示す。
PTCポリマー層1bは、互いに常温電気抵抗率が異な
る2つのPTCポリマー層であり、2層構造のPTCポ
リマー部を構成している。融着電極2は、銅板に銀また
はニッケルなどによるメッキが施されたものである。融
着電極2は、PTCポリマー部に熱融着されることによ
りPTCポリマー部に融着される。熱融着法の具体例と
しては、PTCポリマー部に融着電極2を押しつけた状
態で、PTCポリマー部および融着電極2を加熱するこ
とにより、PTCポリマー部が軟化し融着電極2がPT
Cポリマー部に融着する。
PTCポリマー部(第1のPTCポリマー層1aおよび
第2のPTCポリマー層1b)との電気的な接続状態が
わるくなることを防ぐために孔が設けられる。当該孔
は、限流動作時に、融着電極2とPTCポリマー部との
あいだで発生するアークにより生成される導電性のガス
(PTCポリマー部を構成するポリマーの分解ガス)を
外部に逃がすために設けられる。孔により、融着電極2
とPTCポリマー部との電気的な接続状態がわるくなる
こと、および融着電極2がPTCポリマー部から剥がれ
ることを防止できる。孔は、融着電極2とPTCポリマ
ー部との界面に対して垂直な方向に設けられる。融着電
極2とPTCポリマー部との界面に対して平行な孔の断
面の形状は、円状であっても、角状であっても、非対称
な鍵穴状であってもよい。なお、孔内部の少なくとも一
部には、融着電極2をPTCポリマー部に融着する際に
PTCポリマー部の一部が突出せしめられる。図1に示
される融着電極2の各孔内部には、半分程度までPTC
ポリマー部の一部が突出せしめられている。さらに、孔
の代わりに融着電極2に多数の溝を設けてもよい。な
お、前記溝内部の少なくとも一部には、融着電極2とP
TCポリマー部とを融着する際に、軟化したPTCポリ
マー部が突出せしめられる。
された電流を融着電極20に供給する。導電板30およ
び電流導入端子31は、銅板に銀やニッケルなどのメッ
キが施されたものである。融着電極2、導電板30およ
び電流導入端子31は互いに電気的に接続されている。
なお、導電板30は電流導入端子31と一体化されてい
てもよい。また、導電板30は、融着電極2と一体化さ
れ、PTCポリマー部に融着されていてもよい。
抗率は、第2のPTCポリマー層1bの常温電気抵抗率
よりも比較的高い。互いに常温電気抵抗率の異なる第1
のPTCポリマー層1aおよび第2のPTCポリマー層
1bの常温電気抵抗率は、PTCポリマー層を構成する
ポリマーの材質、PTCポリマー層により混練された粒
子状の導電性物質の材質および粒径、導電性物質をPT
Cポリマー層に混ぜる割合、およびPTCポリマー層の
製造条件などを変更することにより異ならせることがで
きる。
TCポリマー層1aは、厚さが0.2mm程度であり、
常温電気抵抗率が0.6Ω・cmであり、常温電気抵抗
率が低い第2のPTCポリマー層1bは、厚さが0.9
mm程度であり、常温電気抵抗率が0.1Ω・cmであ
る。
TC素子に流れ、限流動作が起こったときに発生するア
ークによって生成された導電性のガスにより、2つの電
流導入端子31間で短絡が生じるのを防止するために、
PTCポリマー部の周辺部に設けられる。絶縁容器34
は、ボルト35aおよびナット35bを締め付けること
によりPTC素子を固定しうる。弾性体33は、たとえ
ば板ばねであり、電流導入端子31と絶縁容器34との
あいだに配置される。弾性体33は、PTCポリマー部
の表面に対して垂直な方向において、融着電極2および
PTCポリマー部からなるPTC素子3と、導電板30
と、電流導入端子31とに弾性的な圧力を及ぼす。その
結果、限流動作時に発生するアークによるPTCポリマ
ー部からの融着電極2の剥離を防止し、PTC素子3、
導電板30および電流導入端子31相互間の接触状態が
よくなる。
ポリマー部自身の発熱(ジュール熱の発生)に加えて、
PTCポリマー部と融着電極2との界面の接触抵抗によ
る発熱(ジュール熱の発生)が加わり、該ジュール熱に
よりPTCポリマー部の温度が上昇する。PTCポリマ
ー部の温度が転移温度を超えると、PTCポリマー部と
融着電極2との界面近傍に存在するポリマーが溶融し、
粒子状の導電性物質間の距離が増大し、PTCポリマー
部は低抵抗状態から高抵抗状態へと変化する。このと
き、PTCポリマー部のうち、融着電極2との界面の近
傍部分は、転移温度をはるかに超えて分解温度に達し、
アークが発生する。発生したアークにより生成される導
電性ガスは、PTCポリマー部と融着電極2とのあいだ
に残留することなく融着電極2に設けられた貫通孔から
放出される。また、融着電極2を弾性体33によりPT
Cポリマー部に押しつける(圧力を加える)ことで、ア
ークにより融着電極が素子から剥離するのを防ぐことが
できる。
るとともに、融着電極2をPTCポリマー部に押しつけ
うるように形成することにより、導電性ガスによりPT
Cポリマー部と融着電極2との接触状態がわるくなるこ
とがなく、限流動作前後でのPTC素子の抵抗の変化を
小さくすることができる。
るPTCポリマー部の一例として、互いに常温電気抵抗
率が異なる第1のPTCポリマー層および第2のPTC
ポリマー層からなるPTCポリマー部が示されている。
図2は、図1の限流器に含まれる第1のPTCポリマー
層および第2のPTCポリマー層のPTC特性曲線を示
すグラフである。図2において、縦軸は電気抵抗率(Ω
・cm)、横軸は温度(℃)を示す。第1のPTCポリ
マー層のPTC特性曲線は実線を用いて示され、第2の
PTCポリマー層のPTC特性曲線は一点鎖線を用いて
示される。なお、常温電気抵抗率が高い第1のPTCポ
リマー層の常温電気抵抗率をρL1とし、常温電気抵抗率
が低い第2のPTCポリマー層の常温電気抵抗率をρL2
とする。さらに、第1のPTCポリマー層の高温電気抵
抗率をρH1とし、第2のPTCポリマー層の高温電気抵
抗率をρH2とする。また、第1のPTCポリマー層およ
び第2のPTCポリマー層の性質によっては、図2に示
されるρH1とρH2との大小関係が逆転することもある。
2のPTCポリマー層1bとの接触抵抗が大きければ、
第1のPTCポリマー層1aと第2のPTCポリマー層
b1との界面で発熱が起こり、第1のPTCポリマー層
1aのみに発熱を発生させることが阻害される。したが
って、第1のPTCポリマー層1aと第2のPTCポリ
マー層1bとの接触抵抗を小さくするために、一般的
に、第1のPTCポリマー層1aと第2のPTCポリマ
ー層1bとは熱融着されている。
込むと、PTCポリマー部の電気抵抗が増大し、短絡電
流および過電流を限流することができる。もし、PTC
ポリマー部が1つのPTCポリマー層のみからなるなら
ば、PTC素子全体で発熱し限流動作を行う。これに対
し、PTCポリマー部が互いに常温電気抵抗率が異なる
2つのPTCポリマー層からなるばあい、限流動作は第
1のPTCポリマー層(常温電気抵抗率が最も高いPT
Cポリマー層)で発現する。すなわち、第1のPTCポ
リマー層の方が、第2のPTCポリマー層よりも発熱し
やすいので、第2のPTCポリマー層に較べ急激に温度
が上昇する。したがって、第1のPTCポリマー層の方
が先に転移温度に達し、電気抵抗が増大する。
ことにより連続通電性能を損なうことがないようにする
ためには、PTC素子の電気抵抗を、単層構造のPTC
ポリマー部を有するPTC素子の電気抵抗とほぼ同程度
の大きさにする必要がある。
C素子の一般的な電気的特性を示すグラフである。図3
(a)は、限流器に含まれるPTC素子の電気抵抗(P
TC素子抵抗)と限流波高値との一般的な関係を示すグ
ラフである。図3(a)において、縦軸は限流波高値I
p(A)、横軸はPTC素子抵抗R(mΩ)を示す。図
3(a)のグラフは、短絡試験用の回路を用いて試験を
行うことによりえられる。図3(b)は、限流器に含ま
れるPTC素子の電極面積と限流波高値との一般的な関
係を示すグラフである。図3(b)において、縦軸は限
流波高値Ip(A)、横軸は電極面積S(cm2)を示
す。図3(b)のグラフは、2層構造のPTCポリマー
部を有するPTC素子中の各PTCポリマー層の厚さお
よび常温電気抵抗率を一定の値とし、図3(a)のグラ
フから読み取られた値と式(1)とをもちいてえられ
る。図4(a)は、限流器に含まれるPTC素子の常温
電気抵抗率と電極面積との一般的な関係を示すグラフで
ある。図4(a)において、縦軸は電極面積S(c
m2)、横軸は常温電気抵抗率ρL(Ω・cm)を示
す。図4(a)のグラフは、PTC素子抵抗を任意の値
としたばあいに、計算により求められた限流波高値に対
する常温電気抵抗率と、図3(b)のグラフから読み取
られた限流波高値に対する電極面積とをもちいてえられ
る。図4(b)は、限流器に含まれるPTC素子の推定
限流波高値と常温電気抵抗率との一般的な関係を示すグ
ラフである。図4(b)において、縦軸は推定限流波高
値Ip(A)、横軸は常温電気抵抗率ρL(Ω・cm)
を示す。図4(b)のグラフは、PTC素子抵抗を任意
の値とし、2層構造のPTCポリマー部を有するPTC
素子中の各PTCポリマー層の厚さを一定の厚さとした
ばあいに、図3(b)および図4(a)のグラフから読
み取られた値および式(1)を用いてえられる。なお、
図4(b)のグラフの縦軸の値は、図3(a)のグラフ
の縦軸の限流波高値のように実際の短絡試験などでえら
れた値ではなく、計算などによりえられた値である。図
4(b)においては、図3(a)の縦軸の限流波高値と
区別するために、限流波高値を推定限流波高値として示
す。
は、PTC素子の常温電気抵抗率ρLにより決まる。P
TCポリマー部が2層構造であるばあい、PTC素子の
限流波高値Ipは、第1のPTCポリマー層の常温電気
抵抗率に依存する。また、PTCポリマー部を構成する
第1のPTCポリマー層および第2のPTCポリマー層
の常温電気抵抗率が同じであるならば、すなわち、ρL1
=ρL2であるならば、2層構造のPTCポリマー部を有
するPTC素子の限流波高値は、単層構造のPTCポリ
マー部を有するPTC素子の限流波高値と等しくなる。
ここで、互いに常温電気抵抗率が異なる第1のPTCポ
リマー層および第2のPTCポリマー層からなる2層構
造のPTCポリマー部の限流波高値をIpとし、常温電
気抵抗率がρL2である単層構造のPTCポリマー部の限
流波高値をIp′とする。前記IpとIp′との関係が
式(2)を満たすように、PTCポリマー部を形成する
ことにより、連続通電性能を損なうことなく、限流波高
値を小さくすることができる。 Ip<Ip′ (2)
リマー層の構成条件について述べる。一般に、限流波高
値Ipは、融着電極の面積(電極面積)Sと、常温電気
抵抗率ρLに依存し、実験式(3)で近似的に求められ
る。
件および限流器(とくに融着電極)の形成法などにより
決まる値であり、係数α、β、γは、PTCポリマー層
を形成する際に使用される材料によって異なる。たとえ
ば、ポリエチレンにカーボンブラックを混練してPTC
ポリマー層を形成したばあいは、係数α、β、γの範囲
は式(4−a)、式(4−b)および式(4−c)で示
される。 −2.0<α<2.0 (4−a) −1.5<β<1.5 (4−b) −0.5<γ<0.5 (4−c) 式(3)にもとづき、式(2)はつぎの式(5)で表さ
れる。
R、単層構造のPTCポリマー部の常温電気抵抗率をρ
L、PTCポリマー部の厚さをt、PTCポリマー部と
融着電極との接触する面の面積をSとすると、R、
ρL、tおよびSのあいだには、式(6)の関係が成り
立つ。 R=ρL・t/S (6) PTCポリマー部が2層構造のばあい、PTCポリマー
部の厚さをt、第1のPTCポリマー層の厚さをt1、
第2のPTCポリマー層の厚さをt2とすると、PTC
ポリマー部の厚さは式(7)で表される。 t=t1+t2 (7) したがって、PTCポリマー部が2層構造のばあい、P
TC素子の電気抵抗Rは式(8)で表される。 R=(ρL1・t1+ρL2・t2)/S (8) また、PTCポリマー部が単層構造のばあい、PTC素
子の電気抵抗Rは式(9)で表される。 R=ρL2・t/S (9) したがって、式(5)は式(10)で表される。
クを混練してPTCポリマー層を形成したPTC素子に
おいて、PTC素子の電気抵抗Rが2.8mΩのとき、
電源が周波数60Hzの単相交流、電源電圧が300V
rms、推定短絡電流Isが50kArms、投入位相
が60°の短絡試験回路で試験を行うと、α=0.9、
β=−0.7、γ=0.08となる。なお、前記投入位
相とは、電気回路を短絡したときの電源の電圧位相をい
う。
抵抗率が異なる2つのPTCポリマー層からなるPTC
ポリマー部を有する限流器について述べたが、PTCポ
リマー層の数は2つに限られず、さらに多くの層を設け
たばあいにおいても、同様の原理にもとづき理解され、
同様の効果がえられる。
実施の形態2について説明する。本実施の形態における
限流器の構造は、実施の形態1に示される限流器の構造
と同様である。ここで、PTC素子に短絡電流が流れた
ときの、常温電気抵抗率が最も高いPTCポリマー層
(第1のPTCポリマー層)と常温電気抵抗率が最も低
いPTCポリマー層(第2のPTCポリマー層)との平
均温度の比較を行う。前記第1のPTCポリマー層の高
温電気抵抗率をρH1とし、第2のPTCポリマー層の高
温電気抵抗率をρH2とする。さらに、短絡電流が流れた
ときの、第1のPTCポリマー層の平均温度上昇値をT
1とし、第2のPTCポリマー層の平均温度上昇値をT
2とする。平均温度上昇値とは、PTCポリマー層の温
度が層全体に一様に上昇したと仮定したばあいの温度上
昇値をいう。
PTCポリマー層および第2のPTCポリマー層の高温
電気抵抗率比に対する平均温度上昇値比の変化を示すグ
ラフである。図5において、縦軸は平均温度上昇値比、
横軸は高温電気抵抗率比を示す。なお、前記高温電気抵
抗率比とは、第1のPTCポリマー層の高温電気抵抗率
ρH1の、第2のPTCポリマー層の高温電気抵抗率ρH2
に対する比であり、ρH1/ρH2で示される。さらに、前
記平均温度上昇値比とは、第1のPTCポリマー層の平
均温度上昇値T1の、第2のPTCポリマー層の平均温
度上昇値T2に対する比であり、T1/T2で示され
る。
高温電気抵抗率の値が第2のPTCポリマー層の高温電
気抵抗率の値より小さい、すなわち高温電気抵抗率比ρ
H1/ρH2<1のとき、平均温度上昇値比T1/T2も1
より小さく、第2のPTCポリマー層にも発熱が生じて
いることが分かる。当該第2のPTCポリマー層の発熱
により、本発明の目的である第1のPTCポリマー層の
みの発熱促進が妨げられる。その結果、PTCポリマー
部の温度上昇の効率が下がり、限流動作開始までの時間
が長くなり、限流波高値Ipが高くなる。すなわち、限
流波高値Ipをより低くするためには、第1のPTCポ
リマー層の高温電気抵抗率ρH1が第2のPTCポリマー
層の高温電気抵抗率ρH2よりも高いことが必要である。
第1のPTCポリマー層の高温電気抵抗率ρH1が第2の
PTCポリマー層の高温電気抵抗率ρH2よりも高く設定
されることで、第1のPTCポリマー層での発熱を促進
し続けることができる。したがって、短絡電流または過
電流がPTC素子に流れてから限流動作を開始するまで
に要する時間が短縮され、限流波高値を低減することが
できる。
抵抗率が異なる2つのPTCポリマー層からなるPTC
ポリマー部を有する限流器について述べたが、PTCポ
リマー層の数は2つに限られず、さらに多くの層を設け
たばあいにおいても、同様の原理にもとづき理解され、
同様の効果がえられる。
実施の形態3について説明する。本実施の形態における
限流器の構造は、実施の形態1に示される限流器の構造
と同様である。
たとき、ジュール熱の発生は、常温電気抵抗率の高いP
TCポリマー層である第1のPTCポリマー層に集中す
ることは先に述べた。しかし、第1のPTCポリマー層
および第2のPTCポリマー層の電気抵抗は、各PTC
ポリマー層の常温電気抵抗率だけに依存して決まるので
はなく、PTC素子の厚さまたはPTC素子の表面積な
どPTC素子の構造によっても決定される。したがっ
て、PTC素子の構造の設定を誤ると、第1のPTCポ
リマー層での発熱促進の効果が小さくなるばあいがあ
る。
きの、第1のPTCポリマー層と第2のPTCポリマー
層との平均温度の比較を行う。前記第1のPTCポリマ
ー層の平均温度上昇値をT1とし、第2のPTCポリマ
ー層の平均温度上昇値をT2とする。さらに、第1のP
TCポリマー層の層全体の抵抗をR1とし、第2のPT
Cポリマー層の層全体の抵抗をR2とする。
PTCポリマー層および第2のPTCポリマー層の抵抗
比に対する平均温度上昇値比の変化を示すグラフであ
る。図6において、縦軸は平均温度上昇値比、横軸は抵
抗比を示す。なお、前記抵抗比とは、第1のPTCポリ
マー層の層全体の抵抗R1の、第2のPTCポリマー層
の層全体の抵抗R2に対する比であり、R1/R2で示
される。
層全体の抵抗が第2のPTCポリマー層の層全体の抵抗
より低い、すなわち抵抗比R1/R2<1のとき、平均
温度上昇値比T1/T2も1より小さく、第2のPTC
ポリマー層にも発熱が生じていることが分かる。当該第
2のPTCポリマー層の発熱により、本発明の目的であ
る第1のPTCポリマー層のみの発熱促進が妨げられ
る。その結果、PTCポリマー部の温度上昇の効率が下
がり、限流動作開始までの時間が長くなり、限流波高値
Ipが高くなる。すなわち、限流波高値Ipをより低く
するためには、第1のPTCポリマー層の層全体の抵抗
R1が第2のPTCポリマー層の全体の抵抗R2よりも
高いことが必要である。第1のPTCポリマー層の層全
体の抵抗R1が第2のPTCポリマー層の層全体の抵抗
R2よりも高く設定されることで、第1のPTCポリマ
ー層での発熱を促進し続けることができる。したがっ
て、短絡電流または過電流がPTC素子に流れてから限
流動作を開始するまでに要する時間が短縮され、限流波
高値を低減することができる。
抵抗率が異なる2つのPTCポリマー層からなるPTC
ポリマー部を有する限流器について述べたが、PTCポ
リマー層の数は2つに限られず、さらに多くの層を設け
たばあいにおいても、同様の原理にもとづき理解され、
同様の効果がえられる。
実施の形態4について説明する。本実施の形態における
限流器の構造は、実施の形態1に示される限流器の構造
と同様である。
たとき、ジュール熱の発生は、常温電気抵抗率の高いP
TCポリマー層である第1のPTCポリマー層に集中す
ることは先に述べた。しかし、限流動作が発現する温度
(第1のPTCポリマー層の転移温度)の設定を誤る
と、第1のPTCポリマー層での発熱促進の効果が小さ
くなるばあいがある。ここで、PTC素子に短絡電流が
流れたときの、第1のPTCポリマー層と第2のPTC
ポリマー層との転移温度の比較を行う。前記第1のPT
Cポリマー層の転移温度をTC1とし、第2のPTCポリ
マー層の転移温度をTC2とする。
ためのPTC特性曲線を示すグラフである。図7におい
て、縦軸は電気抵抗率(Ω・cm)、横軸は温度(℃)
を示す。第1のPTCポリマー層のPTC特性曲線は実
線を用いて示され、第2のPTCポリマー層のPTC特
性曲線は一点鎖線を用いて示される。図7(a)は、第
1のPTCポリマー層の転移温度TC1が第2のPTCポ
リマー層の転移温度TC2よりも低いばあいの各PTC特
性曲線を示すグラフである。一方、図7(b)は、第1
のPTCポリマー層の転移温度TC1が第2のPTCポリ
マー層の転移温度TC2よりも高いばあいの各PTC特性
曲線を示すグラフである。
ー層の転移温度TC1が第2のPTCポリマー層の転移温
度TC2よりも高いと、短絡電流または過電流が流れPT
C素子全体の温度が上昇したばあい、第2のPTCポリ
マー層の発熱が促進されるばあいがある。かかるばあ
い、本発明の目的である第1のPTCポリマー層での発
熱促進が妨げられる。その結果、PTCポリマー部の温
度上昇の効率が下がり、限流動作開始までの時間が長く
なり、限流波高値Ipが高くなる。すなわち、限流波高
値Ipをより低くするためには、図7(a)に示される
ように、第1のPTCポリマー層の転移温度TC1が第2
のPTCポリマー層の転移温度TC2よりも低い(TC1<
TC2)ことが必要である。第1のPTCポリマー層の転
移温度TC1が第2のPTCポリマー層の転移温度TC2よ
りも低く設定されることで、第1のPTCポリマー層で
の発熱を促進し続けることができる。したがって、短絡
電流または過電流がPTC素子に流れてから限流動作を
開始するまでに要する時間が短縮され、限流波高値を低
減することができる。
抵抗率が異なる2つのPTCポリマー層からなるPTC
ポリマー部を有する限流器について述べたが、PTCポ
リマー層の数は2つに限られず、さらに多くの層を設け
たばあいにおいても、同様の原理にもとづき理解され、
同様の効果がえられる。
実施の形態5について説明する。本実施の形態における
限流器の構造は、実施の形態1に示される限流器の構造
と同様である。
度上昇値をT1とし、第2のPTCポリマー層の平均温
度上昇値をT2とする。図8は、本発明の限流器に含ま
れる第1のPTCポリマー層および第2のPTCポリマ
ー層の常温電気抵抗率比に対する平均温度上昇値比の変
化を示すグラフである。図8において、縦軸は平均温度
上昇値比、横軸は常温電気抵抗率比を示す。なお、前記
常温電気抵抗率比とは、第1のPTCポリマー層の常温
電気抵抗率ρL1の、第2のPTCポリマー層の常温電気
抵抗率ρL2に対する比であり、ρL1/ρL2で示される。
リマー層の常温電気抵抗率ρL1が第2のPTCポリマー
層の常温電気抵抗率ρL2の2倍程度になるとき、第1の
PTCポリマー層および第2のPTCポリマー層間の常
温電気抵抗率比が急激に増大する。すなわち、常温電気
抵抗率比を2よりも大きく(ρL1/ρL2>2)すること
で、第1のPTCポリマー層での発熱を促進し続けるこ
とができる。したがって、短絡電流または過電流がPT
C素子に流れてから限流動作を開始するまでに要する時
間が短縮され、限流波高値を低減することができる。
抵抗率が異なる2つのPTCポリマー層からなるPTC
ポリマー部を有する限流器について述べたが、PTCポ
リマー層の数は2つに限られず、さらに多くの層を設け
たばあいにおいても、同様の原理にもとづき理解され、
同様の効果がえられる。
実施の形態6について説明する。本実施の形態における
限流器の構造は、実施の形態1に示される限流器の構造
と同様である。
たとき、ジュール熱の発生は、常温電気抵抗率の高いP
TCポリマー層である第1のPTCポリマー層に集中す
ることは先に述べた。当該PTC素子において、連続し
て通電できる電流を大きくするため、および、第1のP
TCポリマー層での発熱を促進するために、第1のPT
Cポリマー層の厚さが極力薄く設定される。
と、第1のPTCポリマー層と融着電極との間でアーク
が発生し、第1のPTCポリマー層に含まれるポリマー
が分解し、分解ガス(アークドガス)が発生し、第1の
PTCポリマー層が消耗してしまう。したがって、第1
のPTCポリマー層の厚さをあまり薄く設定することが
できない。第1のPTCポリマー層の厚さがあまりにも
薄いと、短絡電流または過電流がPTC素子に流れた際
に、第1のPTCポリマー層が蒸発し、消耗しつくされ
てしまう。そのため、第1のPTCポリマー層での発熱
を促進することにより限流波高値Ipを低くした状態
で、繰り返し限流動作を行うことはできない。
電流がPTC素子に流れ込むような短絡事故が発生した
際には、PTC素子が動作し、少なくとも2回の短絡事
故に耐えることが必要である。少なくとも2回の短絡事
故に耐えるためには、第1のPTCポリマー層の厚さを
10μm以上に設定する必要がある。かかる設定によ
り、第1のPTCポリマー層での発熱を促進して、短絡
電流または過電流がPTC素子に流れてから限流動作を
開始するまでに要する時間を短縮させつつ、繰り返し限
流動作が可能な限流器を提供することができる。
抵抗率が異なる2つのPTCポリマー層からなるPTC
ポリマー部を有する限流器について述べたが、PTCポ
リマー層の数は2つに限られず、さらに多くの層を設け
たばあいにおいても、同様の原理にもとづき理解され、
同様の効果がえられる。
実施の形態7について説明する。
たとき、ジュール熱の発生は、常温電気抵抗率の高いP
TCポリマー層である第1のPTCポリマー層に集中す
ることは先に述べた。しかし、第1のPTCポリマー層
と第2のPTCポリマー層との接触界面に大きな接触抵
抗が存在すると、該接触界面で発熱が生じてしまい、第
1のPTCポリマー層での発熱促進という効果が小さく
なるばあいがある。
Cポリマー層と第2のPTCポリマー層との互いの接触
界面に凹凸を設け、第1のPTCポリマー層と第2のP
TCポリマー層との接触面積を増やすことで、第1のP
TCポリマー層と第2のPTCポリマー層との接触抵抗
を無視できる程度に下げることができる。したがって、
第1のPTCポリマー層での発熱を促進し続けることが
できる。その結果、短絡電流または過電流がPTC素子
に流れてから限流動作を開始するまでに要する時間が短
縮され、限流波高値を低減することができる。
抵抗率が異なる2つのPTCポリマー層からなるPTC
ポリマー部を有する限流器について述べたが、PTCポ
リマー層の数は2つに限られず、さらに多くの層を設け
たばあいにおいても、同様の原理にもとづき理解され、
同様の効果がえられる。
気抵抗率が異なる複数のPTCポリマー層からなる多層
構造のPTCポリマー部と、前記複数のPTCポリマー
層のうちの最上層のPTCポリマー層の外側表面上およ
び前記複数のPTCポリマー層のうちの最下層のPTC
ポリマー層の外側表面上に融着された少なくとも一対の
電極とからなるPTC素子を備えてなる限流器であっ
て、前記電極がPTCポリマー部に押しつけられるよう
に、該電極に圧力が加えられ、さらに、常温電気抵抗率
が最も高いPTCポリマー層の常温電気抵抗率をρL1と
し、常温電気抵抗率が最も低いPTCポリマー層の常温
電気抵抗率をρL2とし、前記複数のPTCポリマー層か
らなる多層構造のPTCポリマー部を有するPTC素子
を備えてなる限流器に短絡電流および過電流が流れ込ん
だ際に、PTC素子によって抑制される電流の波高値を
Ipとし、常温電気抵抗率がρL2であるPTCポリマー
層のみからなる単層構造のPTCポリマー部を有するP
TC素子を備えてなる限流器に短絡電流および過電流が
流れ込んだ際に、PTC素子によって抑制される電流の
波高値をIp′とするとき、Ip<Ip′の関係を満た
すものであるので、連続通電性能を損なうことなく限流
波高値を低減でき、高限流化が可能となる。
TCポリマー層の高温電気抵抗率をρH1とし、前記常温
電気抵抗率が最も低いPTCポリマー層の高温電気抵抗
率をρH2とするとき、ρH1>ρH2の関係を満たすもので
あるばあい、第1のPTCポリマー層での発熱を促進し
続けることができ、短絡電流または過電流がPTC素子
に流れてから限流動作を開始するまでに要する時間が短
縮され、限流波高値を低減することができる。
Cポリマー層の抵抗をR1とし、前記常温電気抵抗率が
最も低いPTCポリマー層の抵抗をR2とするとき、R
1>R2の関係を満たすものであるばあい、第1のPT
Cポリマー層での発熱を促進し続けることができ、短絡
電流または過電流がPTC素子に流れてから限流動作を
開始するまでに要する時間が短縮され、限流波高値を低
減することができる。
Cポリマー層のPTC特性における転移温度をTC1と
し、前記常温電気抵抗率が最も低いPTCポリマー層の
PTC特性における転移温度をTC2とするとき、TC1<
TC2の関係を満たすものであるばあい、第1のPTCポ
リマー層での発熱を促進し続けることができ、短絡電流
または過電流がPTC素子に流れてから限流動作を開始
するまでに要する時間が短縮され、限流波高値を低減す
ることができる。
Cポリマー層の常温電気抵抗率をρL1とし、前記常温電
気抵抗率が最も低いPTCポリマー層の常温電気抵抗率
をρL2とするとき、ρL1/ρL2>2の関係を満たすもの
であるばあい、第1のPTCポリマー層での発熱を促進
し続けることができ、短絡電流または過電流がPTC素
子に流れてから限流動作を開始するまでに要する時間が
短縮され、限流波高値を低減することができる。
Cポリマー層の厚さが、少なくとも10μmであるばあ
い、第1のPTCポリマー層での発熱を促進することに
より限流波高値Ipを低くした状態で、繰り返し限流動
作を行うことができる。
の界面に凹凸が設けられてなるものであるばあい、第1
のPTCポリマー層と第2のPTCポリマー層との接触
抵抗が低減し、第1のPTCポリマー層での発熱を促進
し続けることができ、短絡電流または過電流がPTC素
子に流れてから限流動作を開始するまでに要する時間が
短縮され、限流波高値を低減することができる。
明図である。
ー層および第2のPTCポリマー層のPTC特性曲線を
示すグラフである。
的特性を示すグラフである。
的特性を示すグラフである。
マー層および第2のPTCポリマー層の高温電気抵抗率
比に対する平均温度上昇値比の変化を示すグラフであ
る。
マー層および第2のPTCポリマー層の抵抗比に対する
平均温度上昇値比の変化を示すグラフである。
C特性曲線を示すグラフである。
マー層および第2のPTCポリマー層の常温電気抵抗率
比に対する平均温度上昇値比の変化を示すグラフであ
る。
る。
層からなる従来の限流器の一例を示す説明図である。
リマー層、2 融着電極、3 PTC素子、30 導電
板、31 電流導入端子、32 素子枠、33 弾性
体、34 絶縁容器、35a ボルト、35b ナッ
ト、36 スペーサー。
Claims (7)
- 【請求項1】 互いに常温電気抵抗率が異なる複数のP
TCポリマー層からなる多層構造のPTCポリマー部
と、前記複数のPTCポリマー層のうちの最上層のPT
Cポリマー層の外側表面上および前記複数のPTCポリ
マー層のうちの最下層のPTCポリマー層の外側表面上
に融着された少なくとも一対の電極とからなるPTC素
子を備えてなる限流器であって、前記電極がPTCポリ
マー部に押しつけられるように、該電極に圧力が加えら
れ、さらに、常温電気抵抗率が最も高いPTCポリマー
層の常温電気抵抗率をρL1とし、常温電気抵抗率が最も
低いPTCポリマー層の常温電気抵抗率をρL2とし、前
記複数のPTCポリマー層からなる多層構造のPTCポ
リマー部を有するPTC素子を備えてなる限流器に短絡
電流および過電流が流れ込んだ際に、PTC素子によっ
て抑制される電流の波高値をIpとし、常温電気抵抗率
がρL2であるPTCポリマー層のみからなる単層構造の
PTCポリマー部を有するPTC素子を備えてなる限流
器に短絡電流および過電流が流れ込んだ際に、PTC素
子によって抑制される電流の波高値をIp′とすると
き、Ip<Ip′の関係を満たす限流器。 - 【請求項2】 前記常温電気抵抗率が最も高いPTCポ
リマー層の高温電気抵抗率をρH1とし、前記常温電気抵
抗率が最も低いPTCポリマー層の高温電気抵抗率をρ
H2とするとき、ρH1>ρH2の関係を満たす請求項1記載
の限流器。 - 【請求項3】 前記常温電気抵抗率が最も高いPTCポ
リマー層の抵抗をR1とし、前記常温電気抵抗率が最も
低いPTCポリマー層の抵抗をR2とするとき、R1>
R2の関係を満たす請求項1または2記載の限流器。 - 【請求項4】 前記常温電気抵抗率が最も高いPTCポ
リマー層のPTC特性における転移温度をTC1とし、前
記常温電気抵抗率が最も低いPTCポリマー層のPTC
特性における転移温度をTC2とするとき、TC1<TC2の
関係を満たす請求項1または2記載の限流器。 - 【請求項5】 前記常温電気抵抗率が最も高いPTCポ
リマー層の常温電気抵抗率をρL1とし、前記常温電気抵
抗率が最も低いPTCポリマー層の常温電気抵抗率をρ
L2とするとき、ρL1/ρL2>2の関係を満たす請求項1
または2記載の限流器。 - 【請求項6】 前記常温電気抵抗率が最も高いPTCポ
リマー層の厚さが、少なくとも10μmである請求項1
または2記載の限流器。 - 【請求項7】 前記複数のPTCポリマー層の互いの界
面に凹凸が設けられてなる請求項1または2記載の限流
器。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP12044897A JP3828238B2 (ja) | 1997-05-12 | 1997-05-12 | 限流器 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12044897A JP3828238B2 (ja) | 1997-05-12 | 1997-05-12 | 限流器 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10312912A true JPH10312912A (ja) | 1998-11-24 |
| JP3828238B2 JP3828238B2 (ja) | 2006-10-04 |
Family
ID=14786458
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP12044897A Expired - Fee Related JP3828238B2 (ja) | 1997-05-12 | 1997-05-12 | 限流器 |
Country Status (1)
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|---|---|
| JP (1) | JP3828238B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100726040B1 (ko) | 2005-01-12 | 2007-06-08 | 엘에스전선 주식회사 | 가압수단을 구비한 ptc 한류기 |
-
1997
- 1997-05-12 JP JP12044897A patent/JP3828238B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100726040B1 (ko) | 2005-01-12 | 2007-06-08 | 엘에스전선 주식회사 | 가압수단을 구비한 ptc 한류기 |
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| JP3828238B2 (ja) | 2006-10-04 |
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