JPH10315252A - レンズブランク成形用型及びコンタクトレンズの製造方法 - Google Patents

レンズブランク成形用型及びコンタクトレンズの製造方法

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JPH10315252A
JPH10315252A JP9129855A JP12985597A JPH10315252A JP H10315252 A JPH10315252 A JP H10315252A JP 9129855 A JP9129855 A JP 9129855A JP 12985597 A JP12985597 A JP 12985597A JP H10315252 A JPH10315252 A JP H10315252A
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mold
lower mold
molding
lens
lens blank
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JP9129855A
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Atsuhiro Doke
敦宏 道家
Yasuhiro Yokoyama
康弘 横山
Kunio Maruyama
邦夫 丸山
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Menicon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 材料の無駄を減らし、材質的に均一で、多種
類の規格の、歪みのないコンタクトレンズを、安価に大
量生産し得る、一つのコンタクトレンズを与えるレンズ
ブランクを成形するための成形用型の提供。 【解決手段】 型閉された上型4と下型2との間に形成
される実質的に密閉構造の成形キャビティ46内に原料
モノマー液を充填して重合せしめ、ベースカーブ面及び
フロントカーブ面がそれぞれ切削加工されて、一つのコ
ンタクトレンズが製造されるレンズブランクを成形する
成形用型にして、前記上型4が、下方に凸なる湾曲面形
状で該成形キャビティの一部を形成する、該成形キャビ
ティの容積の膨張や収縮を吸収し得る変形可能な薄肉壁
部12を有し、且つ前記下型2が、切削時に旋盤にチャ
ック可能な基部32を有し、前記上型に対して脱着可能
にされ、該上型との間の成形キャビティにて形成される
レンズブランクを保持するための保持手段40を成形キ
ャビティ形成面に有していることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、レンズブランク成形用型及びコ
ンタクトレンズの製造方法に係り、特に、ベースカーブ
面及びフロントカーブ面がそれぞれ切削加工されて、一
つのコンタクトレンズが製造されるレンズブランクを成
形するための成形用型と、そのような成形用型にて得ら
れるレンズブランクを用いて、ベースカーブ面及びフロ
ントカーブ面をそれぞれ切削加工することにより、目的
とするコンタクトレンズを製造する方法に関するもので
ある。
【0002】
【背景技術】従来から、目的とするコンタクトレンズを
製造するために、一般に、試験管内にて原料モノマー液
を重合して得られる棒状のコンタクトレンズ材料を用
い、その外周部を軸方向に沿って所定厚さ切削、除去せ
しめた後、バイトにて所定長さ毎に切り分け、個々のワ
ークピース(レンズブランク)を得、その後、その得ら
れたワークピースに対して、その一方の面を切削加工し
て、コンタクトレンズのベースカーブ面(内面:コンタ
クトレンズが角膜に接する面)を形成する一方、その他
方の面を切削加工することにより、コンタクトレンズの
フロントカーブ面(外面:コンタクトレンズが角膜に接
触する側の面とは反対側の面)を形成せしめて、目的と
するコンタクトレンズを得る、所謂切削加工成形法が採
用されてきている。しかしながら、この切削加工成形法
にあっては、高価なコンタクトレンズ材料の大部分が切
削加工にて無駄に捨てられてしまうという問題があり、
そのために、材料コストが必然的に高くなることに加え
て、棒状のコンタクトレンズ材料の長手方向において、
重合時の原料モノマー液の組成変動に基づき、重合体組
成が変化し、それから切り出される部位によっては、ワ
ークピースの材質が異なるという問題も内在している。
【0003】また、かかる切削加工成形法の如く、コン
タクトレンズを与えるワークピース(レンズブランク)
を作製した後、それを切削加工するのではなく、特開昭
57−608号公報や特表昭64−500256号公
報、特開平4−290706号公報等に明らかにされて
いるように、原料モノマー液の重合と同時に、コンタク
トレンズのベースカーブ面及びフロントカーブ面を共に
与える成形キャビティを有する成形用型を用い、始めか
ら、型によるコンタクトレンズの重合、成形を行なうモ
ールディング成形法も知られているが、この手法におい
て、原料モノマー液として、複数のモノマー成分からな
る配合液が使用された場合にあっては、各成分と型の材
質との間の相互作用により、成形キャビティ内での重
合、成形にて得られるコンタクトレンズの材質が、表層
部と内部とで異なるようになり、均質なコンタクトレン
ズが得られないという問題を内在しているのであり、こ
れに加えて、形状の異なる多品種のコンタクトレンズを
フレキシブルに製造することが困難であるという問題
も、有している。
【0004】このため、特公昭59−8219号公報、
特公平3−76213号公報、特公平4−11085号
公報、特開平7−80860号公報、特開平8−253
78号公報等においては、コンタクトレンズのベースカ
ーブ面及びフロントカーブ面のうちの一方の面を型内で
の重合にて成形加工する一方、他方の面を切削加工し
て、目的とするコンタクトレンズを得る、ブランクモー
ルド法が提案されているが、このブランクモールド法に
あっても、コンタクトレンズの一方の面が、型内の成形
キャビティに収容された原料モノマー液の重合にて、該
成形キャビティ面に対応した形状において形成されるも
のであるところから、型材質との間の相互作用による組
成変動が表層部と内部との間で惹起されるという問題
は、依然として、解消されてはいないのである。
【0005】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、かかる事情を背
景にして為されたものであって、その解決課題とすると
ころは、コンタクトレンズを製造するにあたり、材料の
無駄を少しでも減らし、材質的に均一で、多種類の規格
の歪みのないコンタクトレンズを、安価に大量生産し得
る、一つのコンタクトレンズを与えるレンズブランクを
成形するための成形用型を提供することにあり、また、
そのような成形用型を用いて成形して得られたレンズブ
ランクから、目的とするコンタクトレンズを工業的に有
利に製造し得る方法を提供することにある。
【0006】
【解決手段】そして、本発明は、かかる課題を解決する
ために、型閉された上型と下型との間に形成される実質
的に密閉された構造の成形キャビティ内に、原料モノマ
ー液を充填して、重合せしめることにより、ベースカー
ブ面及びフロントカーブ面がそれぞれ切削加工されて、
一つのコンタクトレンズが製造されるレンズブランクを
成形する成形用型にして、前記上型が、下方に凸なる湾
曲面形状を呈し、且つ該湾曲面形状にて前記成形キャビ
ティの一部を形成する、該成形キャビティの容積の膨張
や収縮を吸収し得る変形可能な薄肉壁部を有する一方、
前記下型が、前記切削加工のために旋盤にチャック可能
な基部を有し、且つ前記上型に対して脱着可能に構成さ
れていると共に、該上型との間の成形キャビティにて形
成されるレンズブランクを該下型側に保持させるための
保持手段を、該下型の成形キャビティ形成面に設けたこ
とを特徴とするレンズブランク成形用型を、その要旨と
するものである。
【0007】すなわち、このような本発明に従うレンズ
ブランク成形用型によれば、始めから、目的とするコン
タクトレンズに近い大きさのレンズブランクを作製する
ことが出来、そして、そのようなレンズブランクの両面
切削加工により、コンタクトレンズのベースカーブ面及
びフロントカーブ面をそれぞれ形成するようにすること
によって、多品種(多規格)のコンタクトレンズが容易
に製造され得ることとなることは勿論、無駄に捨ててし
まう高価なコンタクトレンズ材料部分を最小限に抑える
ことが可能となるのであり、しかも、コンタクトレンズ
のベースカーブ面及びフロントカーブ面が、それぞれ、
レンズブランクの両面を切削加工することにより形成さ
れるものであるところから、例え、複数のモノマー成分
からなる原料モノマー液を重合して、コンタクトレンズ
を得る場合において、配合各成分と型の材質との間の相
互作用、例えば親水性や疎水性の強さ等に基づくところ
の材質の不均一性、換言すれば型に面する表層部と中心
部とで材質が異なる現象が惹起されても、レンズブラン
クの表層部の切削加工にて解消されることとなり、以て
そのような現象に影響されることなく、均一な材質のコ
ンタクトレンズを得ることが出来るのである。
【0008】また、かかる成形用型を構成する下型が、
レンズブランクを保持する保持手段を有していることに
より、成形キャビティ内における原料モノマー液の重合
の終了の後に、型開されて、上型と下型とが離隔せしめ
られても、そのような重合によって生じたレンズブラン
クは、下型側に確実に保持され、そして引き続いて、該
下型に設けられた、旋盤にチャック可能な基部を介し
て、旋盤に取り付けられて、所定のベースカーブ面の切
削加工が施され得るようになっているところから、レン
ズブランクの製造(重合)から、その成形加工(切削)
に至る工程の簡略化が、有利に達成されることとなる。
【0009】さらに、成形用型を構成する上型にあって
も、その成形キャビティ形成面の一部が下方に凸なる湾
曲面形状にて形成されているところから、成形キャビテ
ィ内への原料モノマー液の充填に際して、気泡を周辺に
抜きながら、下型に対して上型を型閉して、実質的に密
閉構造とすることが出来るのであり、以て形成されるレ
ンズブランクの中央部に巻き込まれた気泡に基づくとこ
ろの欠陥の発生等の問題を、良好に回避することが出来
ることに加えて、そのような湾曲面形状を与える上型部
位が、変形可能な薄肉壁部とされていることにより、原
料モノマー液の重合により惹起される成形キャビティ容
積の膨張や収縮が、該薄肉壁部の変形にて、効果的に吸
収され得ることとなり、以て形成されるレンズブランク
に内在する残留応力の低減が図られ、また極端な場合に
惹起されるヒケに基づくところのレンズブランクの欠け
の発生も、防止され得るのである。
【0010】なお、本発明に従うレンズブランク成形用
型において、その有利な態様の一つによれば、前記下型
の基部は、中空の筒状構造を有するように構成されると
共に、該筒状構造の中空部内に、所定の補強手段が設け
られて、その強度が高められることとなる。このよう
に、旋盤にチャックされる下型の基部の強度を高めるこ
とにより、チャッキング時における下型の撓みを阻止し
て、レンズブランクが歪んだ状態で加工され、結果的に
得られるコンタクトレンズ自体が歪んでしまうという問
題を、有利に解消することが出来る。
【0011】また、本発明に従うレンズブランク成形用
型の好ましい態様の他の一つによれば、前記保持手段
は、前記下型の成形キャビティ形成面に設けられた凹部
または凸部にて構成され、かかる成形キャビティ内にお
いて形成されるレンズブランクにアンカー部を形成する
ものである。このようなアンカー部の形成によって、レ
ンズブランクは、より強固に下型に保持されることとな
り、レンズブランクの切削加工に際して、レンズブラン
クが下型から外れてしまうことを、良好に防止する。
【0012】さらに、本発明に従うレンズブランク成形
用型の一つの態様によれば、そのような成形用型を構成
する下型が、前記基部の設けられた下型本体と、該下型
本体に対して液密に着脱可能に取り付けられる、該下型
本体とは別体の上部スリーブとから構成され、且つ前記
保持手段が、該下型本体側に設けられていることが望ま
しく、これにより、上型と合わせてスリーピース構造と
為し、下型を分割構造とすることによって、成形キャビ
ティへの原料モノマー液の供給を容易とすると共に、下
型の成形キャビティ形成面積を分割して、表面積を減
じ、型開に際して、上型と上部スリーブを順次抜くよう
にすることによって、形成されたレンズブランクを下型
本体側に有利に保持せしめることが出来るようになって
いる。
【0013】特に、本発明にあっては、かかる上部スリ
ーブが、下方に向かって大径となる円筒状のテーパー状
内面を有する一方、下型本体が上方に向かって小径とな
るテーパー状外面を有し、該下型本体のテーパー状外面
に前記上部スリーブのテーパー状内面が液密に嵌合せし
められることにより、それら下型本体と上部スリーブと
の間に、液密の密閉構造において、所定の成形キャビテ
ィが画成されるようにされる。このようなテーパー嵌合
方式の採用によって、下型と上部スリーブとの間の液密
性、更には気密性が向上せしめられ得ることとなるので
あり、またレンズブランクの形成後において、下型から
上部スリーブ、ひいては上型を離脱せしめるに際して、
その離脱操作が容易である、という特徴を発揮する。
【0014】また、本発明に従うレンズブランク成形用
型の好ましい態様の一つによれば、前記下型と前記上型
との接触位置より上部に、余剰の原料モノマー液を溜め
る液溜部を有する構成が、更に有利に採用され、これに
よって、原料モノマー液の重合に際しての重合収縮によ
るヒケ等の問題が、より一層有利に抑制乃至は阻止され
得ることとなる。
【0015】さらに、本発明にあっては、有利には、前
記下型の上端部と前記上型とが、少なくとも0.2mm
以上の間隔を隔てて対向せしめられている構成が、採用
されるものであり、これによって、原料モノマー液の表
面張力により、原料モノマー液が先に上型に沿って上昇
してしまい、密閉しても、気泡がキャビティ内部に残っ
てしまう等という問題が、有利に解消され得ることとな
る。
【0016】加えて、本発明に従うレンズブランク成形
用型の他の好ましい態様によれば、前記下型と前記上型
とは、それらの型閉により、線接触または面接触にて実
質的に密閉された構造の成形キャビティを形成するよう
に、構成されている。
【0017】また、本発明に従うレンズブランク成形用
型においては、有利には、前記下型のキャビティ形成面
に設けられる保持手段の外周部が、側方に向かって下傾
する傾斜面とされ、該下型を旋盤に把持せしめて、該下
型に保持されている前記レンズブランクに対して、コン
タクトレンズの周縁部及びフロントカーブ面の一部を与
えるよう切削加工する際に、切削加工するバイトが該下
型の保持手段に接触しないように構成されていることが
望ましく、これによって、下型の保持手段までも切削す
ることにより、加工中にレンズブランクが下型から外れ
てしまう等という問題の発生を回避することが可能とな
るのである。
【0018】そして、本発明は、上述の如きレンズブラ
ンク成形用型を用いて得られるレンズブランクから、目
的とするコンタクトレンズを製造する方法をも、その要
旨とするものであって、そして、その特徴とするところ
は、一つのコンタクトレンズを与え得る大きさのレンズ
ブランクを用い、その切削加工にてベースカーブ面及び
フロントカーブ面をそれぞれ形成することにより、目的
とするコンタクトレンズを製造する方法にして、(a)
請求項1乃至請求項9の何れかに記載の、上型と下型と
からなる成形用型を準備する工程と、(b)かかる成形
用型の上型と下型との間に形成される成形キャビティ内
に、コンタクトレンズを構成する重合体を与える原料モ
ノマー液を充填して、重合せしめることにより、前記レ
ンズブランクを形成する工程と、(c)該成形用型の型
開により、上型を下型から離脱せしめ、前記レンズブラ
ンクを該下型に保持させた状態において取り出す工程
と、(d)該下型を旋盤にチャックせしめて、該下型に
保持されている前記レンズブランクに対して切削加工を
施し、コンタクトレンズの少なくともベースカーブ面を
形成してなる半加工ブランクを製造する工程と、(e)
該半加工ブランクのベースカーブ面に外面加工用治具を
接着せしめて、該半加工ブランクを該外面加工用治具に
保持させ得るようにする一方、該半加工ブランクを前記
下型より分離せしめる工程と、(f)該外面加工用治具
を旋盤にチャックせしめて、該外面加工用治具に保持さ
れている半加工ブランクに対して切削加工を施し、コン
タクトレンズのフロントカーブ面を形成することによ
り、目的とするコンタクトレンズと為す工程と、(g)
該外面加工用治具から該切削加工にて形成されたコンタ
クトレンズを分離せしめる工程とを、含むことにある。
【0019】このような本発明に従うコンタクトレンズ
の製造方法によれば、前記したレンズブランク成形用型
の成形キャビティ内において、原料モノマー液を重合せ
しめて得られるレンズブランクを、それが下型に保持さ
れた形態において、そのまま用い、かかる下型を利用し
て、旋盤にチャックせしめて、ベースカーブ面を切削加
工することが出来、次いで、その得られた半加工ブラン
クを外面加工用治具に接着保持せしめた状態下におい
て、旋盤にてフロントカーブ面を切削加工せしめること
により、目的とするコンタクトレンズを得ることが出来
るところから、レンズブランクの製造(重合)から成形
加工(切削)まで、一貫したコンタクトレンズの製造工
程が確立され、また、その工程も、有利に簡素化され得
て、より一層生産工程の自動化が促進され得、以て大量
に且つ安価に多品種のコンタクトレンズを製造すること
が可能となるのである。
【0020】なお、このような本発明に従うコンタクト
レンズの製造方法において、有利には、前記成形用型の
下型が、下型本体とそれとは別体の上部スリーブとから
構成され、該上部スリーブが前記下型本体に液密に嵌合
せしめられることによって形成される成形キャビティ空
間に、前記原料モノマー液が収容され、そして該上部ス
リーブに対して前記上型が取り付けられて、かかる原料
モノマーの成形キャビティへの充填が完了せしめられる
手法が、採用されることとなる。それら下型本体と上部
スリーブとから、予め成形キャビティ空間を形成してお
けば、そこに原料モノマー液を収容せしめることは、極
めて容易となるのであり、そして、上型を、単に、上部
スリーブに対して、覆蓋するような形態において取り付
けるようにすれば、目的とする成形キャビティが形成さ
れると同時に、そこに原料モノマー液が充填された状態
を実現することが出来るのである。
【0021】また、かかる本発明に従うコンタクトレン
ズの製造方法の好ましい態様の一つによれば、前記レン
ズブランクを前記下型に保持させた状態で取り出す工程
において、先ず前記上型を前記下型より離脱した後、次
いで前記下型本体より前記上部スリーブを離脱する操作
が採用されることとなる。このような、上型及び上部ス
リーブの順次の離脱にて、レンズブランクを下型本体に
有効に保持させた状態とすることが出来るのである。
【0022】さらに、この本発明に従うコンタクトレン
ズの製造方法の一つの実施形態によれば、前記下型に保
持される前記半加工ブランクのベースカーブ面に前記外
面加工用治具を接着せしめた後、該外面加工用治具を旋
盤にチャックさせ、その後該半加工ブランクから前記下
型を切り離すことが行なわれることとなる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面に示される本発明に従
うレンズブランク成形用型の幾つかの構造に基づいて、
本発明について、更に具体的に明らかにすることとす
る。
【0024】先ず、図1は、本発明に従うレンズブラン
ク成形用型の一つを示す、型閉状態での断面説明図であ
って、そこでは、下型2が、下型本体8とそれとは別体
の上部スリーブ6とから構成され、上型4と併せて、ス
リーピース構造の成形用型とされている。
【0025】なお、それら上型4及び下型2(下型本体
8、上部スリーブ6)は、何れも、公知の材質からなる
ものであるが、一般に樹脂型とされ、例えばポリエチレ
ン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリスチレ
ン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、エ
チレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアセタール、
ポリアミド、ポリエステル、ポリスルホン等の合成樹
脂、好ましくはポリプロピレンを用いて、射出成形操作
等にて成形して得られる樹脂型として、用いられること
となる。特に、下型本体8は、レンズブランクを保持し
た状態において旋盤にチャックされ、切削加工に供され
るものであるところから、バイトの如き加工工具に接触
する等のことも考えて、樹脂型とすることが望ましいの
である。
【0026】そして、かかる成形用型を構成する上型4
は、厚肉の円筒部10と、その下部に一体的に形成され
て、下部開口を閉塞し、底壁部を構成する、下方に凸な
る湾曲面形状を呈する変形可能な薄肉の球状底壁部12
と、円筒部10の上部外周部に設けられた鍔状を呈する
厚肉の外フランジ部14とから構成されていると共に、
該円筒部10の下部外周面が段付形状とされ、且つその
低段部たる小径部に全周に亘って嵌合凸条16が設けら
れている。一方、下型2における上部スリーブ6は、上
部の大径部18と下部の小径部20とからなる段付円筒
形状を呈し、それら大径部18と小径部20の連接部位
の外周面に、厚肉の外フランジ部22が形成されている
と共に、小径部20の内面が、下方に向かって大径とな
るテーパー状内面24とされ、更に、大径部18の内面
には、上型4の嵌合凸条16が嵌合せしめられ得る周溝
26が設けられている。そして、上型4の円筒部10の
下部の低段部たる小径部が、上部スリーブ6の大径部1
8の内側に嵌入せしめられて、嵌合凸条16が周溝26
内に嵌合させられることにより、それら上型4と上部ス
リーブ6とは、連結される一方、その嵌合状態を解除す
ることにより、取り外しが可能な構造とされているので
ある。
【0027】また、下型2は、下型本体8と上部スリー
ブ6とが液密に連結される一方、その嵌合状態を解除す
ることにより、取り外しが可能な下型2の構造とされて
おり、更に、下型本体8は、上部のキャビティ形成部3
0とそれから一体的に下方に延びる段付形状の中空円筒
状の基部32とから構成されており、キャビティ形成部
30を含む基部32の上部外周面が、上方に向かって小
径となるテーパー状外面34とされて、上記した下型2
の上部スリーブ6のテーパー状内面24が液密に嵌合せ
しめられ得るようになっている。そして、そのようなテ
ーパー状外面34に続く基部32の外周面が、中間の大
径部とされてストッパ部36が構成され、このストッパ
部36に対して上部スリーブ6の下端が当接することに
より、上部スリーブ6の嵌合深さ、ひいては成形キャビ
ティの厚さが一定となるように構成されている。また、
かかるストッパ部36よりも下方の基部32部分は、更
に外径の大きな大径部とされ、その大径部と嵌合された
上部スリーブ6の下端との間に隙間が形成されるように
なっており、この隙間において、型開時のチャックが行
なわれるようになっている。なお、ここでは、下型本体
8と上部スリーブ6との嵌合がテーパー形状において行
なわれているが、また、ストレート形状の嵌合形態を採
用することも可能である。
【0028】さらに、下型本体8の上部を構成するキャ
ビティ形成部30は、その上面において凹陥した湾曲面
形状を呈する球状凹面からなるキャビティ形成面38を
有しており、このキャビティ形成面38の外周部に、環
状の凸部40を与えるアンダーカット形状の凹所42が
形成されていると共に、該凸部40の上部先端が、側方
に向かって下傾する傾斜面(例えば、下型本体8の中心
回転軸に対して、およそ60°の角度:θを為して傾斜
している:添付図面参照)を有するようにカットされ
て、後述する周辺加工時において、加工工具に干渉しな
いようになっている。なお、この環状凸部40は、形成
されるレンズブランクを下型本体8側に保持するための
保持手段として機能するものである。
【0029】なお、かかる下型本体8の基部32の中空
構造は、射出成形等によって成形するに際して、その寸
法精度を高める等の目的の為に採用されるものであり、
そしてそのような中空部内には、図2からも明らかな如
く、3枚の補強壁44が放射状に交叉するように一体的
に組み合わされて、基部32の周方向における対向する
内面部位との間を一体的に連結して、基部32の円筒形
状に対する補強構造を構成しているのである。
【0030】従って、かくの如き上型4と下型2とを用
いて、それらを型閉し、成形用型を構成するに際して
は、図1に示される如く、下型本体8のテーパー状外面
34に下型2の上部スリーブ6のテーパー状内面24を
嵌合せしめ、更に上部スリーブ6の上部の大径部18に
対して、上型4をその円筒部10の下部の小径の外周面
において嵌合せしめることにより、容易に完成させるこ
とが出来るのであり、そしてそれによって、外周部が下
型2の上部スリーブ6のテーパー状内面24にて規定さ
れた、所定厚さの成形キャビティ46が、上型4の薄肉
の球状底壁部12と下型本体8のキャビティ形成部30
との間に、実質的に密閉された構造において、形成され
ることとなるのである。なお、このような成形キャビテ
ィ46の大きさは、上型4と下型2との組合せ形態によ
って任意に決定され得るものではあるが、ここでは、最
終的に得ようとする一つのコンタクトレンズのサイズ
(直径)や厚み以上の大きさのレンズブランクを与え得
る成形キャビティとされることとなる。
【0031】そして、このようにして形成される成形キ
ャビティ46内には、目的とするコンタクトレンズを構
成する重合体を与える、従来から公知の原料モノマー液
が充填されて、重合せしめられることとなるのである
が、その重合に際しての加熱等による原料モノマー液、
更には重合体の生成に基づくところの成形キャビティ4
6の容積の膨張や収縮が、かかる成形キャビティ46が
実質的な密閉構造であるが故に、惹起されることとなる
が、そのような膨張や収縮は、成形キャビティ46の一
部を形成する上型4の球状底壁部12が薄肉とされて、
変形可能とされているところから、その変形によって、
効果的に吸収せしめられ、以て成形キャビティ46内に
生成する重合体、換言すればレンズブランクに大きな残
留応力が生じるのを回避し、またヒケ等によるレンズブ
ランクの欠けの発生を防止せしめ得るのである。従っ
て、上型4の球状底壁部12は、そのような機能を有効
に発揮せしめる上において、可及的に薄肉であることが
望ましく、一般に2mm以下、好ましくは1mm以下の
厚さにおいて形成されることとなる。
【0032】なお、かかる成形キャビティ46の容積の
膨張や収縮に基づいて惹起される問題は、そのような成
形キャビティ46を大気中に開放することによって解消
することが可能であり、このために、従来から成形キャ
ビティを開放構造と為すことも考えられているが、その
ような成形キャビティ46内に充填される原料モノマー
液は、大気に触れると、そこに存在する酸素によって、
その重合が阻害されるという問題を新たに惹起すること
となるのであり、加えて、モノマーの蒸発等による組成
変動も惹起されるようになるところから、成形キャビテ
ィ46は、実質的に密閉された構造とする必要があるの
である。
【0033】ところで、本発明に従うレンズブランク成
形用型は、上述した例示の構造のみに限定して解釈され
るものでは決してなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り
において、各種の変形を加えることが可能であり、その
幾つかの例が、図3〜図6に示されている。
【0034】例えば、図3においては、上型4と下型2
を構成する上部スリーブ6との脱着可能な嵌合構造の他
の例が示されている。そこにおいて、上部スリーブ6の
上部の大径部18には、矩形の窓部48の適数が周方向
に所定間隔を隔てて設けられている一方、そのような窓
部48に係止される爪部50が、上型4の円筒部10の
外周面の前記窓部48に対応する位置に設けられてい
る。従って、かかる上型4の円筒部10の下部を上部ス
リーブ6の上部の大径部18内に嵌入せしめて、円筒部
10の外周面に設けた爪部50を、それぞれ、対応する
大径部18の窓部48内に入り込ませて、係止せしめれ
ば、それら上型4と上部スリーブ6とが連結せしめられ
得るのである。
【0035】また、図4は、下型本体8のキャビティ形
成部30のキャビティ形成面に設けられる保持手段の異
なる例を示している。即ち、先の具体例において、保持
手段は、アンダーカット形状を呈する環状の凸部40に
て構成されていたが、ここでは、キャビティ形成部30
の上面の外周部が、傾斜面52として形成されていると
共に、かかる傾斜面52と球状凹面38とが、鏡面加工
されて、これによって、成形キャビティ46内において
生成するレンズブランクが、下型本体8側に有利に保持
され得るようになっている。
【0036】なお、レンズブランクが下型本体8側に保
持される度合いは、キャビティ成形部30の上面の面性
状にも関係し、一般に微細な凹凸面とするよりも、鏡面
加工された面性状の方が、保持力が強いことが、見出さ
れている。また、キャビティ形成面を、部分的にシボ加
工のような微細な凹凸面として形成し、鏡面加工部分と
組合わせ、面性状を変化させることにより、保持力を調
整することも、適宜に採用可能である。
【0037】さらに、図5及び図6は、前例とは異なる
保持手段及び補強手段を有する下型本体8の構造を明ら
かにするものであって、そこにおいては、保持手段とし
て、下型本体8のキャビティ形成部30における上面外
周部に形成された傾斜面52と、更にその外側に形成さ
れたL字形状乃至はカギ型状の切欠き54とが設けら
れ、且つそれらの表面が、鏡面加工されている。また、
下型本体8の中空部内には、基部32の下部の大径部位
の内面に位置するように、所定厚さのリブ56の複数
(ここでは6つ)が、所定間隔を隔てて、周方向に一体
的に設けられており、このリブ56にて、旋盤にチャッ
クせしめられる基部32の強度を高めているのである。
【0038】そして、本発明にあっては、また、上述の
如きレンズブランク成形用型を用いて、所定のレンズブ
ランクを製作し、更にその得られたレンズブランクをそ
のまま下型と共に成形加工に供して、目的とするコンタ
クトレンズを製造することをも、その要旨とするもので
あり、そのようなコンタクトレンズの製造方法の一例
が、図7〜図16に示されている。
【0039】すなわち、かかる図7以下に示される製造
例においては、図1及び図2に示されるスリーピース型
の成形用型を用いたものであって、先ず、図7に示され
る如く、下型本体8のテーパー状外面34に対して、上
部スリーブ6のテーパー状内面24が嵌合せしめられ、
かかる上部スリーブ6の下端がストッパ部36に当接す
るまで嵌入せしめられることによって、該上部スリーブ
6のキャビティ形成部30よりも突出する高さによって
規定される成形キャビティ46の厚さが定められるので
ある。なお、このような上部スリーブ6と下型本体8と
のテーパー嵌合方式を採用することにより、それらの組
立、更には離脱が容易となることに加えて、それらの間
の気密性乃至は液密性の保持が容易である利点がある。
【0040】次いで、このような組付けによって、下型
本体8のキャビティ形成部30上に形成され、外周部が
上部スリーブ6のテーパー状内面24にて規定される成
形キャビティ空間には、図8に示される如く、目的とす
るコンタクトレンズを構成する重合体を与える、従来と
同様な原料モノマー液60が、注入、収容せしめられ
る。なお、この原料モノマー液は、一般に、従来から用
いられているラジカル重合可能な化合物の1種若しくは
2種以上が配合されてなるものであるが、また、マクロ
マーやプレポリマーから構成されるものであっても、何
等差支えない。そして、そのような化合物は、ビニル
基、アリル基、アクリル基、またはメタクリル基を分子
中に1個以上含むものであって、通常、ハードコンタク
トレンズやソフトコンタクトレンズの原料として使用さ
れている物質である。具体的には、アルキル(メタ)ア
クリレート、シロキサニル(メタ)アクリレート、フル
オロアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキ
ル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メ
タ)アクリレート、多価アルコール(メタ)アクリレー
ト等の(メタ)アクリル酸エステル類、スチレンの誘導
体、N−ビニルラクタム等が挙げられ、また必要に応じ
て、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート等の多官能モ
ノマーが、架橋剤として配合せしめられ、更に、必要な
重合開始剤、例えば熱重合開始剤、光重合開始剤等や、
増感剤等の添加剤が配合されて、原料モノマー液とされ
る。
【0041】そして、かかる原料モノマー液60の注入
が終了すると、先述せるように、上部スリーブ6の上部
の大径部18に対して、上型4の下部の小径部分が嵌め
込まれ、周溝26への凸条16の嵌合によって、上型4
と下型2との型閉が完了し、以て内部に所定厚さの成形
キャビティ46が形成されると共に、そこに、原料モノ
マー液60が充填され、その後、その状態下において、
通常の加熱による重合や、紫外線等の電磁波照射による
光重合等の重合手法に従って、原料モノマー液60が重
合せしめられることにより、図9に示される如く、成形
キャビティ46内において、所定のレンズブランク62
が形成されることとなる。
【0042】なお、上述せるような型閉操作において、
上型4には、下方に凸なる湾曲面形状を呈する球状底壁
部12が設けられているところから、原料モノマー液6
0中に気泡が存在しても、それは、球状底壁部12の湾
曲面に沿って、周辺部に押しやられるようになるのであ
って、以て気泡の巻き込みの問題も、有利に回避され得
るのである。
【0043】次いで、成形キャビティ46内での原料モ
ノマー液60の重合にて、所定のレンズブランク62が
形成されると、成形用型(上型4及び下型2)が型開さ
れる。この型開操作は、図10に示される如く、下型本
体8に対して上型4及び上部スリーブ6を相対的に上下
方向に順次離隔せしめることにより、行なわれ得るもの
であるが、また、上型4と上部スリーブ6とが連結され
た状態にて、下型本体8から離隔されてもよく、更に
は、上型4の脱離を、それを径方向に押し潰すことによ
って、行なうことも可能である。このような上型4と上
部スリーブ6の脱離によって、レンズブランク62は、
下型本体8のキャビティ形成部30に形成された保持手
段としての環状凸部40の存在によって、下型本体8側
に確実に保持され得るのである。
【0044】さらに、このようにして得られた、下型本
体8に保持されているレンズブランク62には、必要に
応じて、加熱処理、所謂焼入れ処理が施され、レンズブ
ランク62中に残存する未反応モノマーの重合を進行せ
しめ、以てレンズブランク62を与える原料モノマー液
(60)の重合の完結を図ると共に、そのようなレンズ
ブランク62に内在する残留歪み(応力)の更なる緩和
や曇りの除去が図られることとなる。
【0045】そして、このようにして得られたレンズブ
ランク62を保持する下型本体8は、図11に示される
如く、その基部32において、切削加工のための旋盤の
チャック装置64にチャックせしめられることとなる
が、その際、基部32の中空部内には、補強壁44が放
射状に一体的に形成されて、その強度を高めているとこ
ろから、チャック装置64によるチャック力が径方向に
加わっても、下型本体8の基部32の変形が阻止され、
以てレンズブランク62の切削加工に悪影響をもたらす
ようなことは、全くないのである。
【0046】次いで、かかる下型本体8の基部32のチ
ャッキングが完了すると、図12に示される如く、下型
本体8がその軸芯回りに回転せしめられる一方、下型本
体8に保持されたレンズブランク62に対しては、その
上型4の球状底壁部12にて形成された側の部分に対し
て、切削バイト66を用いた切削加工が施されて、コン
タクトレンズの少なくともベースカーブ面(内面)6
8、一般には、かかるベースカーブ面68及びエッジ部
を含む内外面周辺部を形成してなる、半加工ブランク7
0が製造されるのであるが、この際、レンズブランク6
2のベースカーブ面68形成部位は、上型4の球状底壁
部12にて、ベースカーブ面68に対応する如き凹状曲
面形状とされているところから、その切削加工によって
除去される材料も少なく、また切削加工も容易となるの
である。なお、このような切削加工の工程として、研磨
加工を含んでいても何等差支えない。
【0047】その後、このように切削加工して得られた
半加工ブランク70のベースカーブ面68に対して、図
13に示される如く、外面加工用治具72が、特公平7
−80118号公報や特開平3−81385号公報、特
開平7−90241号公報等で公知の一時接着剤乃至は
仮接着剤にて、一時的に接着せしめられる。なお、かか
る外面加工用治具72は、ここでは、透明な樹脂製とさ
れ、内部の中空部を通じて照射される紫外線等によっ
て、一時接着剤乃至は仮接着剤を硬化せしめて、その接
着の目的を達成するようになっている一方、後述せるよ
うに、旋盤によるチャックのために、その中空部内に、
図5に示される下型本体8と同様な補強リブ74の適数
が一体的に設けられているのであり、また半加工ブラン
ク70のベースカーブ面68が接着せしめられる外面
は、そのようなベースカーブ面68に対応した外方に凸
なる湾曲面形状を呈する球面状の先端部76とされてい
る。
【0048】そして、この外面加工用治具72が、半加
工ブランク70に接着せしめられて一体に結合されてな
る一体化物は、図14に示されるように、その外面加工
用治具72部分において、旋盤のチャック装置64にチ
ャックされ、そして軸芯回りに回転せしめられる一方、
切削バイト66による切断操作にて、下型本体8が半加
工ブランク70から切り離されるのである。
【0049】さらに、引き続いて、半加工ブランク70
の下型本体8形成側の部位が、図15に示される如く、
切削バイト66にて切削加工せしめられることによっ
て、目的とするコンタクトレンズのフロントカーブ面
(外面)78が形成され、以て目的とするコンタクトレ
ンズ80が完成するのである。
【0050】このようなフロントカーブ面78の切削加
工においても、半加工ブランク70の切削加工される部
分は、下型本体8のキャビティ形成部30における凹状
球面38にて、同様な湾曲面において成形されていると
ころから、切削バイト66にて除去せしめられる材料
を、必要最小限と為すことが出来、以て高価なコンタク
トレンズ材料を無駄に捨ててしまう部分を最小限に抑え
ることが出来るのである。
【0051】なお、前記した外面加工用治具72の接着
された一体化物からの下型本体8の分離工程において
は、切削バイト66による切離し加工が採用されている
が、勿論、これに変えて、下型本体8を、単に、径方向
に押し潰して、強制的に半加工ブランク70から分離せ
しめたり、或いは下型本体8を径方向に圧迫した後、下
型本体8を半加工ブランク70から引き離すようにし
て、分離せしめることも可能である。また、そのような
下型本体8の分離操作を、外面加工用治具72のチャッ
ク装置64によるチャッキングに先立って行なうこと
も、可能である。
【0052】そして、最後に、図16に示される如く、
外面加工用治具72からコンタクトレンズ80が脱離さ
れることにより、目的とするコンタクトレンズ80が得
られることとなるが、そのようなコンタクトレンズ80
の外面加工用治具72からの脱離操作は、従来と同様に
して、適当な溶媒中に浸漬する等により、接着剤の接着
力を低減せしめることにより、容易に実現されるもので
ある。
【0053】以上、本発明に従うコンタクトレンズの製
造方法について、図1に示される、下型2が下型本体8
と上部スリーブ6との別体構造とされた、スリーピース
型の成形用型を用いた例を挙げて、詳述してきたが、そ
のような本発明方法は、上型と下型からなるツーピース
型の成形用型に対しても、同様に適用され得るものであ
ることは、言うまでもないところである。
【0054】また、本発明に従うところのレンズブラン
ク成形用型やコンタクトレンズの製造方法が、何れも、
以上に例示の他にも、それぞれの発明の趣旨を逸脱しな
い限りにおいて、当業者の知識に基づき、種々なる変
更、修正、改良を加えた形態において実施され得るもの
であり、本発明が、それら実施形態のものを全て包含す
るものであることが、理解されるべきである。
【0055】例えば、上記した具体例においては、上型
4に対して、下型2の上部スリーブ6が、嵌合形態にて
組み付けられる構造とされているが、これに代えて、図
17や図18に示される如く、下型2(具体的には上部
スリーブ6)と上型4とが、それらの型閉によって、線
接触乃至は面接触にて実質的に密閉された構造の成形キ
ャビティを形成するように構成したり、また、下型2
(ここでは上部スリーブ6)と上型4との型閉時の接触
位置より上部に位置するように、余剰の原料モノマー液
を溜める液溜部82を設けたりすることが出来る。
【0056】すなわち、図17に示される具体例にあっ
ては、上型4と下型2との型閉により、上型4の球状底
壁部12の外面に対して、下型2を構成する上部スリー
ブ6のテーパー状内面24の上端角部が当接して、それ
らの接触部84が、線接触にて構成され、実質的に密閉
された構造において、上型4と下型2との間に、成形キ
ャビティ(46)が形成され、そこに、原料モノマー液
60が充満せしめられているのであり、また、図18に
示される具体例にあっては、そのような上型4と上部ス
リーブ6との接触部84が、面接触となるように構成さ
れ、例えば、それら上型4と上部スリーブ6との接触面
が、それぞれ、対応するテーパー面乃至は球面にて構成
されており、これによって、原料モノマー液60が充満
せしめられる、実質的に密閉された構造の成形キャビテ
ィ(46)が、形成されているのである。
【0057】しかも、それら図17及び図18に示され
る具体例においては、上型4と下型2(上部スリーブ
6)との接触位置(84)より上部に、余剰の原料モノ
マー液60を溜める液溜部82が設けられているのであ
る。けだし、下型2と上型4とにより、実質的に成形キ
ャビティ(46)が密閉構造となっているところから、
仮に上型4の一部を変形可能な薄肉壁部(12)とし
て、成形キャビティ(46)の容積の膨張や収縮を吸収
しようとしても、充分に吸収しきれない場合もあり、時
として、原料モノマー液60の重合にて生じるレンズブ
ランク(62)にヒケが生じてしまうことがあり、仮
に、そのようなヒケが生じなくても、レンズブランク
(62)上面に波を打ったようなシワが生じてしまう場
合があるからである。このような重合収縮によるヒケ等
を防止するためにも、余剰の原料モノマー液(60)を
溜めておく液溜部82を設けることが望ましく、この液
溜部82より原料モノマー液60が補給されるようにす
ることによって、重合収縮によるヒケ等を有効に抑制乃
至は防止することが出来ることとなるのである。
【0058】また、図17や図18からも明らかなよう
に、下型2を構成する上部スリーブ6の上端部、即ち、
大径部18の内周面と、それに対向する上型4の円筒部
10の外周面とが、所定の間隔:dを隔てて対向せしめ
られる構成も、有利に採用され得るものであって、その
場合において、かかる間隔:dは、少なくとも0.2m
m以上とされることとなる。けだし、下型2(上部スリ
ーブ5)の頂部(18)と上型4(円筒部10)との間
隔:dが、少なくとも0.2mm以上開いていないと、
原料モノマー液60を充填し、下型2に対して上型4を
型閉する際に、原料モノマー液60の表面張力により、
原料モノマー液60が先に上型4の外面に沿って上昇し
てしまい、密閉しても気泡が成形キャビティ内部に残っ
てしまう場合があるからである。このような問題を回避
するためには、原料モノマー液60を下型2にて形成さ
れる成形キャビティ(46)空間内に充分に充填し、そ
の余剰の原料モノマー液60を溢れさせながら、型閉す
る必要があり、そのために余剰の原料モノマー液60が
無駄になってしまうのである。成形キャビティ(46)
内に気泡を抱き込まず、余剰の原料モノマー液60を無
駄にしないためには、上述の如き間隔:dが少なくとも
0.2mm以上、好ましくは0.3mm以上、より好ま
しくは0.4mm以上開いていることが望ましいのであ
る。
【0059】さらに、図19の(a)及び(b)に示さ
れる如く、下型2(ここでは下型本体8)のキャビティ
形成面38に設けられる保持手段の外周部は、側方に向
かって下傾する傾斜面52として形成され、これによっ
て、下型2(下型本体8)を旋盤に把持せしめて、該下
型本体8に保持されているレンズブランク(62)に対
してコンタクトレンズの周縁部及びフロントカーブ面の
一部を与えるよう切削加工する際に、この切削加工する
バイト66が、下型本体8に設けた保持手段に接触しな
いように構成されている。これは、下型本体8の保持手
段までも削ってしまうと、切削加工中に、レンズブラン
ク(62)が下型本体8から外れてしまうようになると
ころから、そのような問題を回避する必要があるからで
ある。なお、かかる傾斜面52の角度としては、バイト
66の回り込み角度にも関係し、適宜に選定されること
となるが、一般に、下型本体8の中心回転軸に対する傾
斜角度:θが約60°或いはそれ以下となるように、設
定されることとなる。
【0060】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に従うレンズブランク成形用型を用いれば、コンタクト
レンズの製造に際して、材料の無駄を可及的に低減せし
め得、また材質的に均一で、多種類の規格の、歪みのな
いコンタクトレンズを与え得るレンズブランクが有利に
成形され得ることとなるのであり、また、本発明に従う
コンタクトレンズの製造方法によれば、コンタクトレン
ズのブランク(材料)の製造(重合)から、その成形加
工まで、簡素化された一貫した製造工程にて、生産性よ
く、多品種(多規格)のコンタクトレンズを大量に且つ
安価に製造することが出来るのであり、そこに、本発明
の大きな工業的意義が存するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従うレンズブランク成形用型の一例に
おける型閉状態を示す縦断面説明図である。
【図2】図1に示されるレンズブランク成形用型を構成
する下型の底面図であり、図1における下型は、A−A
断面において示されている。
【図3】本発明に従うレンズブランク成形用型の他の例
における型閉状態を示す縦断面部分説明図である。
【図4】本発明に係るレンズブランク成形用型の更に他
の例における型閉状態を示す縦断面部分説明図である。
【図5】本発明に係るレンズブランク成形用型の更に別
の例における型閉状態を示す縦断面部分説明図である。
【図6】図5に示されるレンズブランク成形用型におけ
る下型本体の底面図であって、図5における下型は、B
−B断面において示されている。
【図7】図1に示されるレンズブランク成形用型を用い
た、本発明に従うコンタクトレンズの製造方法の一工程
を示す断面説明図であって、下型本体と上部スリーブと
の取付け状態を示すものである。
【図8】図7に示される下型本体と上部スリーブの組付
け体に対して、原料モノマー液を注入せしめた状態を示
す説明図である。
【図9】原料モノマー液を注入した後、上部スリーブに
対して上型を取り付けて、成形用型の型閉を完了せし
め、更にその後、原料モノマー液を重合させて、レンズ
ブランクを生成せしめた状態を示す断面説明図である。
【図10】図9に示される状態の成形用金型から、上型
及び上部スリーブを分離して型開した状態を示す断面説
明図である。
【図11】図10において得られたレンズブランクを保
持する下型本体を、旋盤のチャック装置にチャックせし
めた状態を示す断面説明図である。
【図12】レンズブランクに対して、ベースカーブ面の
加工及びエッジ部を含む内外周辺部を切削加工する状態
を示す断面説明図である。
【図13】図12において切削加工して得られた半加工
ブランクに対して、外面加工用治具を接着せしめてなる
状態を示す断面説明図である。
【図14】外面加工用治具が半加工ブランクに接着され
てなる一体化物から、下型本体を切り離す工程を示す断
面説明図である。
【図15】外面加工用治具に接着された半加工ブランク
に対して、フロントカーブ面を切削加工する状態を示す
断面説明図である。
【図16】外面加工用治具から完成されたコンタクトレ
ンズを脱離せしめた状態を示す断面説明図である。
【図17】本発明に従うレンズブランク成形用型の異な
る例における型閉状態を示す縦断面説明図である。
【図18】本発明に従うレンズブランク成形用型の更に
異なる例における型閉状態を示す縦断面説明図である。
【図19】下型本体に対する切削バイトの回り込み形態
を示す断面説明図であって、(a)は、図17に示され
る下型本体に対するバイトの操作状態を示す説明図であ
り、(b)は、図1に示される下型本体に対するバイト
の回り込み角度を示す説明図である。
【符号の説明】 2 下型 4 上型 6 上部スリーブ 8 下型本体 10 円筒部 12 球状底
壁部 14、22 外フランジ部 16 嵌合凸
条 18 大径部 20 小径部 24 テーパー状内面 26 周溝 30 キャビティ形成部 32 基部 34 テーパー状外面 36 ストッ
パ部 38 キャビティ形成面(凹状球面)40 凸部 42 凹所 44 補強壁 46 成形キャビティ 48 窓部 50 爪部 52 傾斜面 54 切欠き 56 リブ 60 原料モノマー液 62 レンズ
ブランク 64 チャック装置 66 切削バ
イト 68 ベースカーブ面 70 半加工
ブランク 72 外面加工用治具 74 補強リ
ブ 76 先端部 78 フロン
トカーブ面 80 コンタクトレンズ 82 液溜部 84 接触部

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 型閉された上型と下型との間に形成され
    る実質的に密閉された構造の成形キャビティ内に、原料
    モノマー液を充填して、重合せしめることにより、ベー
    スカーブ面及びフロントカーブ面がそれぞれ切削加工さ
    れて、一つのコンタクトレンズが製造されるレンズブラ
    ンクを成形する成形用型にして、 前記上型が、下方に凸なる湾曲面形状を呈し、且つ該湾
    曲面形状にて前記成形キャビティの一部を形成する、該
    成形キャビティの容積の膨張や収縮を吸収し得る変形可
    能な薄肉壁部を有する一方、前記下型が、前記切削加工
    のために旋盤にチャック可能な基部を有し、且つ前記上
    型に対して脱着可能に構成されていると共に、該上型と
    の間の成形キャビティにて形成されるレンズブランクを
    該下型側に保持させるための保持手段を、該下型の成形
    キャビティ形成面に設けたことを特徴とするレンズブラ
    ンク成形用型。
  2. 【請求項2】 前記下型の基部が中空の筒状構造を有す
    ると共に、該筒状構造の中空部内に、補強手段が設けら
    れている請求項1記載のレンズブランク成形用型。
  3. 【請求項3】 前記保持手段が、前記下型の成形キャビ
    ティ形成面に設けられた凹部または凸部にて構成され、
    該成形キャビティにおいて形成されるレンズブランクに
    アンカー部を形成するものである請求項1または請求項
    2記載のレンズブランク成形用型。
  4. 【請求項4】 前記下型が、前記基部の設けられた下型
    本体と、該下型本体に対して液密に脱着可能に取り付け
    られる、該下型本体とは別体の上部スリーブとから構成
    され、且つ前記保持手段が、該下型本体側に設けられて
    いる請求項1乃至請求項3の何れかに記載のレンズブラ
    ンク成形用型。
  5. 【請求項5】 前記上部スリーブが、下方に向かって大
    径となる円筒状のテーパー状内面を有する一方、前記下
    型本体が上方に向かって小径となるテーパー状外面を有
    し、該下型本体のテーパー状外面に前記上部スリーブの
    テーパー状内面が液密に嵌合せしめられることにより、
    前記成形キャビティが形成される請求項4記載のレンズ
    ブランク成形用型。
  6. 【請求項6】 前記下型と前記上型との接触位置より上
    部に、余剰の原料モノマー液を溜める液溜部を設けたこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の
    レンズブランク成形用型。
  7. 【請求項7】 前記下型の上端部と前記上型とが、少な
    くとも0.2mm以上の間隔を隔てて対向せしめられて
    いることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに
    記載のレンズブランク成形用型。
  8. 【請求項8】 前記下型と前記上型とが、それらの型閉
    により、線接触または面接触にて実質的に密閉された構
    造の成形キャビティを形成する請求項1乃至請求項7の
    何れかに記載のレンズブランク成形用型。
  9. 【請求項9】 前記下型のキャビティ形成面に設けられ
    る保持手段の外周部が、側方に向かって下傾する傾斜面
    とされ、該下型を旋盤に把持せしめて、該下型に保持さ
    れている前記レンズブランクに対して、コンタクトレン
    ズの周縁部及びフロントカーブ面の一部を与えるよう切
    削加工する際に、切削加工するバイトが該下型の保持手
    段に接触しないように構成されている請求項1乃至請求
    項8の何れかに記載のレンズブランク成形用型。
  10. 【請求項10】 一つのコンタクトレンズを与え得る大
    きさのレンズブランクを用い、その切削加工にてベース
    カーブ面及びフロントカーブ面をそれぞれ形成すること
    により、目的とするコンタクトレンズを製造する方法に
    して、 請求項1乃至請求項9の何れかに記載の、上型と下型と
    からなる成形用型を準備する工程と、 かかる成形用型の上型と下型との間に形成される成形キ
    ャビティ内に、コンタクトレンズを構成する重合体を与
    える原料モノマー液を充填して、重合せしめることによ
    り、前記レンズブランクを形成する工程と、 該成形用型の型開により、上型を下型から離脱せしめ、
    前記レンズブランクを該下型に保持させた状態において
    取り出す工程と、 該下型を旋盤にチャックせしめて、該下型に保持されて
    いる前記レンズブランクに対して切削加工を施し、コン
    タクトレンズの少なくともベースカーブ面を形成してな
    る半加工ブランクを製造する工程と、 該半加工ブランクのベースカーブ面に外面加工用治具を
    接着せしめて、該半加工ブランクを該外面加工用治具に
    保持させ得るようにする一方、該半加工ブランクを前記
    下型より分離せしめる工程と、 該外面加工用治具を旋盤にチャックせしめて、該外面加
    工用治具に保持されている半加工ブランクに対して切削
    加工を施し、コンタクトレンズのフロントカーブ面を形
    成することにより、目的とするコンタクトレンズと為す
    工程と、 該外面加工用治具から該切削加工にて形成されたコンタ
    クトレンズを分離せしめる工程とを、含むことを特徴と
    するコンタクトレンズの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記成形用型の下型が、下型本体とそ
    れとは別体の上部スリーブとから構成され、該上部スリ
    ーブが前記下型本体に液密に嵌合せしめられることによ
    って形成される成形キャビティ空間に、前記原料モノマ
    ー液が収容され、そして該上部スリーブに対して前記上
    型が取り付けられて、該原料モノマーの充填が完了する
    請求項10記載の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記レンズブランクを前記下型に保持
    させた状態で取り出す工程において、先ず前記上型を前
    記下型より離脱した後、次いで前記下型本体より前記上
    部スリーブを離脱する請求項11記載の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記下型に保持される前記半加工ブラ
    ンクのベースカーブ面に、前記外面加工用治具を接着せ
    しめた後、該外面加工用治具を旋盤にチャックさせ、そ
    の後該半加工ブランクから前記下型を分離することを特
    徴とする請求項10乃至請求項12の何れかに記載の製
    造方法。
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