JPH10323676A - セレン含有溶液の処理方法 - Google Patents

セレン含有溶液の処理方法

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JPH10323676A
JPH10323676A JP13475097A JP13475097A JPH10323676A JP H10323676 A JPH10323676 A JP H10323676A JP 13475097 A JP13475097 A JP 13475097A JP 13475097 A JP13475097 A JP 13475097A JP H10323676 A JPH10323676 A JP H10323676A
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JP13475097A
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English (en)
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Jiyunya Watanabe
純哉 渡辺
Katsuhiko Yano
勝彦 矢野
Koji Kusabe
光司 草部
Tatsuya Sakurai
達也 桜井
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Kawasaki Kasei Chemicals Ltd
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Kawasaki Kasei Chemicals Ltd
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セレン含有廃水中に含まれる共存塩の中で、
2価のカチオン成分及び/または2価のアニオン成分を
低減させることにより、短時間で効果的にセレン濃度を
低減させる為の方法を提供する。 【解決手段】セレン及び他の金属無機酸塩を含有する溶
液から、まず2価のカチオン成分及び/または2価のア
ニオン成分を除去し、次いで、得られた溶液を鉄系金属
と接触させることよりなるセレン含有溶液の処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セレンを含有する
溶液を処理し、該溶液中のセレン濃度を効率的に低減或
いはセレンを回収する方法に関するものである。特に、
化学工業、冶金工業、電気・電子作業などの環境保全分
野に属する用水、排水のセレン含有廃水の処理に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】セレン及びセレン化合物は、ガラスの脱
色剤、複写機の感光体、整流器、半導体材料、電池材
料、アルミニウム等の金属の電解着色剤等、種々の製造
工業分野で使用されており、これらの製造工程から排出
される廃水は比較的高濃度のセレンを含有していること
が常々である。又、火力発電所から排出される廃水もセ
レンを含有することが見出されている。セレンは非常に
毒性の強い環境汚染物質であるため、その排出水中にお
ける量は厳しく規制され、特に近年その許容量はより厳
しく設定され、排水基準は0.1〜0.01mg/lと
されている。
【0003】それ故、これらの基準を達成するための省
資源、省エネルギー的でかつ効率的なセレン分離システ
ムの出現が望まれている。セレン化合物は、水中では主
に4価のセレンである亜セレン酸と6価のセレンである
セレン酸の形で存在している。一般にセレン化合物を含
む排水の処理では、多量の共存塩の存在下、微量のセレ
ン化合物を除去することが求められ、そのような状況で
のセレン除去は度々困難を伴う。
【0004】このようなセレン化合物の除去方法とし
て、まずアニオン交換樹脂のような吸着剤による除去が
考えられる。しかし、アニオン交換樹脂は、セレン酸、
亜セレン酸そのものの吸着性はあるが、他の共存イオン
との選択性がないため、多量の共存イオンが存在する系
では適さない。また、金属イオンの選択的除去には、一
般にキレート樹脂による除去が考えられる。キレート樹
脂は、その化学的特性からある特定の金属イオンと特異
的に相互作用し吸着、除去するため、高濃度の共存塩の
存在下での特定金属の除去によく用いられる。現在セレ
ンを吸着する樹脂として、エポラスK−6(ミヨシ油脂
社製)などのキレート樹脂が知られているが、これらは
セレンに対する選択性はあまり高くなく、セレン濃度が
希薄で高濃度の共存塩が存在する産業排水からのセレン
の除去には効果を発揮しない。また、アニオン交換樹脂
にビスムチオールIIやアゾチオフィリンジスルホン酸な
どを担持した樹脂が4価セレン(亜セレン酸)を選択的
に吸着することが報告されているが、これらの薬品は高
価なため排水処理への工業的利用には不適当である。こ
のように、キレート樹脂によるセレン除去も現状では困
難である。
【0005】このようなキレート樹脂によりセレンを除
去することの困難性は、セレンの化学構造に由来する。
通常、セレンはセレン原子に酸素が結合したアニオンの
形で、セレン酸、亜セレン酸あるいはその塩の形で水溶
液中に存在する。一般に微量の重金属イオンの除去には
種々のキレート樹脂が用いられており、キレート樹脂
は、鉄、銅などのカチオン性の重金属イオンを選択的に
除去するためには有用であるが、セレンのような酸素を
結合したアニオンとして存在する金属を除去するには適
していない。これは、セレン酸、亜セレン酸が酸素が結
合した構造を持つため、セレン原子が他の配位子と直接
相互作用しにくくなっているためである。
【0006】また、水溶液中のセレン化合物を化学的還
元、電気的還元等によって金属セレンまで還元し、固液
分離により除去する方法も考えられる。しかし、この方
法もセレン化合物に関しては困難を伴う。それは、セレ
ンがオキシアニオンとして存在するという構造的特性
が、セレン化合物の化学的反応性、すなわち還元反応性
を低下させるためである。一般に、酸素の結合していな
い金属イオンに比べ、酸素が結合した金属イオンの還元
は、還元反応に化合物の構造変化が伴うため、反応が進
みにくくなる。つまり、鉄イオン、銅イオン等の金属へ
の還元が進みやすいのに比べ、セレンのようなオキシア
ニオンの還元は進みにくい。このため、鉄、銅等の金属
イオンの還元に有効であった還元方法をセレンに適用す
ることは一般に困難である。
【0007】化学的還元、電気的還元によりセレン化合
物を除去する方法としては、特開平8-132074号及び同8-
224585号公報に記載の方法が挙げられるが、還元した金
属セレンを凝集沈澱等により回収する工程が必要なため
プロセス的に煩雑になる。また、使用した大量の還元剤
が回収されないという短所もある。しかし、イオン交換
法、キレート法によるセレン化合物の除去が極めて困難
であるだけに、セレン化合物のメタルへの還元による除
去方法が有効な方法の一つであることは確かである。
【0008】セレン化合物のメタルへの還元による除去
方法として、特開平7-2502号公報には廃水に鉄や鉄系金
属を添加し、その鉄や鉄系金属表面にセレンを析出させ
る方法が記載されている。しかし、このような鉄系金属
によるセレンの除去法に関しても、セレン以外の共存塩
の存在によりセレンの除去効率は悪くなり、また、鉄表
面の酸化による腐食を引きおこす原因ともなることが知
られていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記の
問題を解決しセレンを含有する排出水中のセレンを効率
よく除去、回収するための方法を鋭意検討した結果、セ
レン含有廃水中に含まれる共存塩の中で、2価のカチオ
ン成分及び/または2価のアニオン成分を低減させるこ
とにより、短時間で効果的にセレン濃度を低減しうるこ
とを見出し、この知見に基づいて本発明に到達した。
【0010】
【課題を解決するための手段】即ち本発明の要旨は、セ
レンを含有する溶液から2価のカチオン成分及び/また
は2価のアニオン成分を除去する第一工程、及び該第一
工程から得られる溶液を鉄系金属と接触させてセレンを
除去する第二工程を含むことを特徴とするセレン含有溶
液の処理方法;2価のカチオン成分が、マグネシウムイ
オン及び/またはカルシウムイオンである前記セレン含
有溶液の処理方法;2価のアニオン成分が、硫酸イオン
である前記セレン含有溶液の処理方法;2価のカチオン
成分の除去をカチオン交換樹脂またはキレート樹脂で行
う前記セレン含有溶液の処理方法;2価のアニオン成分
の除去をアニオン交換樹脂で行う前記セレン含有溶液の
処理方法;鉄系金属が、繊維状、多孔体、微細片板状、
粒状、或いは粉状であることを特徴とする前記セレン含
有溶液の処理方法;第一工程でセレンを含有する溶液か
ら2価のカチオン成分及び/または2価のアニオン成分
を除去し、第二工程で、第一工程から得られる溶液を鉄
系金属と接触させ、亜セレン酸化合物及び/またはセレ
ン酸化合物を金属セレンに還元して金属表面に析出させ
ることを特徴とする前記セレン含有溶液の処理方法;並
びに、第一工程でセレンを含有する溶液から2価のカチ
オン成分及び/または2価のアニオン成分を除去し、第
二工程で、第一工程から得られる溶液を鉄系金属と接触
させ、亜セレン酸化合物及び/またはセレン酸化合物を
金属セレンに還元して金属表面に析出させ、次いで、第
二工程で得られる金属セレンを表面上に析出させた鉄系
金属を焼却或いは酸処理に付し、金属セレンを分離、回
収することを特徴とする前記セレン含有溶液の処理方法
に存する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。本
発明で処理されるセレンを含有する溶液としては、一般
に亜セレン酸、セレン酸またはそれらの塩を含有する溶
液であり、主として各種の製造工場の排水或いは火力発
電所の排水を対象とする。そのような場合、セレンと共
に高濃度の他の塩類(アルカリ金属イオン、アルカリ土
類金属イオン、塩素イオン、硫酸イオン等)を含有し、
セレンの濃度が希薄である溶液も対象とすることができ
る。
【0012】セレンは排水の出所源によりその種類は異
なるが、亜セレン酸及びセレン酸の塩としては、例えば
ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウ
ム塩等が挙げられる。溶液中のセレン濃度もその排水の
種類により相違するが、例えば火力発電所からの排水中
には、通常、0.2〜5ppm(セレン換算)含有され
ている。
【0013】本発明方法では、第一工程において2価の
カチオン成分及び/または2価のアニオン成分を除去す
る。以下、2価のカチオン成分の除去について述べる。
2価のカチオン成分としては、特にマグネシウムイオ
ン、カルシウムイオンを除去するか、あるいはこれらの
イオンをナトリウム等の1価のカチオンに変換させ、そ
の後の第二工程で鉄系金属と接触させることにより、効
率よくセレンを除去できる。ここで、2価のカチオンが
存在すると、第二工程の鉄系金属との接触の際、セレン
の除去性が悪くなる。除去後の2価のカチオン濃度は低
い程良いが、プロセスの効率的な運用には、2価のカチ
オン濃度を約100ppm以下まで下げれば十分である。2価
のカチオン濃度を約100ppm以下に低下させる方法として
は、例えば、2価のカチオンが存在するセレン含有溶液
をカチオン交換樹脂またはキレート樹脂と接触させれば
よい。ここで用いられるカチオン交換樹脂およびキレー
ト樹脂は通常の水処理に使用されるカチオン交換樹脂及
びキレート樹脂のいずれも使用することができる。
【0014】セレンを含有する溶液とカチオン交換樹脂
あるいはキレート樹脂との接触は、一般に用いられてい
る方法でよく、常温、カラム法でSV1〜20といった
条件が採用できる。また、カチオン交換樹脂の負荷を少
なくするため、ある一定レベルの2価カチオン濃度に維
持するには、カチオン濃度を0ppm近くまで除去できる過
剰のカチオン樹脂を充填したカラムへ通液した出口液と
原液との混合液を第二工程に供すればよい。
【0015】なお、2価のカチオン濃度を低減させる方
法は、凝集沈殿等の操作で行ってもよく、カチオン樹脂
及びキレート樹脂との接触に限定されるものではない。
次に2価のアニオン成分の除去について述べる。2価の
アニオン成分としては、特に硫酸イオンを除去するか、
あるいはこれらのイオンを塩化物イオン等の1価のアニ
オンに変換させ、その後の第二工程で鉄系金属と接触さ
せることにより、効率よくセレンを除去できる。ここ
で、2価のアニオンが存在すると、鉄系金属との接触の
際、セレンの除去性が悪くなる。除去後の2価のアニオ
ン濃度は低い程良いが、プロセスの効率的な運用には、
2価のアニオン濃度を約500ppm以下まで下げれば十分で
ある。2価のアニオン濃度を約500ppm以下に低下させる
方法としては、例えば、2価のアニオンが存在するセレ
ン含有溶液をアニオン交換樹脂と接触させればよい。こ
こで用いられるアニオン交換樹脂は通常の水処理に使用
されるアニオン交換樹脂のいずれも使用することができ
る。
【0016】セレンを含有する溶液とアニオン交換樹脂
との接触は、一般に用いられている方法でよく、常温、
カラム法でSV1〜20といった条件が採用できる。ま
た、アニオン交換樹脂の負荷を少なくするため、ある一
定レベルの2価アニオン濃度に維持するには、アニオン
濃度を0ppm近くまで除去できる過剰のアニオン交換樹脂
を充填したカラムへ通液した出口液と原液との混合液を
第二工程に供すればよい。
【0017】ここで共存塩をアニオン交換樹脂ですべて
除去する条件を設定するとセレン酸イオンも除去できる
が、そのようなプロセスを考えた場合、必要なアニオン
交換樹脂量が非常に多くなり、現実的でない。従って、
第一工程では、続く第二工程の鉄系金属によるセレン酸
イオンの除去性を損なわない程度まで、2価アニオン成
分を除去し、第二工程で鉄系金属によってセレン酸イオ
ンを除去する方法が効率的、かつ経済的である。
【0018】なお、2価のアニオン濃度を低減させる方
法は、凝集沈殿等の操作で行ってもよく、アニオン交換
樹脂との接触に限定されるものではない。本発明におい
ては、上記の2価のカチオン成分の除去及び2価のアニ
オン成分の除去は、それぞれ、単独で行っても効果的で
あるが、両者ともに行った場合、最も効果的である。両
者ともに行う方法としては、上記で挙げた2価カチオン
成分の除去方法及び2価アニオン成分の除去方法を組み
合わせた方法でよい。
【0019】本発明方法では、第二工程において亜セレ
ン酸化合物及び/またはセレン酸から金属セレンを析出
させるために鉄系金属を使用するが、ここで鉄系金属と
は、純粋な金属鉄及び鉄合金等の他の金属を含有する鉄
も包含するものである。鉄系金属としては、具体的に
は、電解鉄、低炭素鋼、中炭素鋼、高炭素鋼、極軟鋼、
軟鋼、合金鋼、銑鉄、鋳鉄、リムド鋼、キャップド鋼、
セミキルド鋼、キルド鋼、クラッド鋼、粗鋼、鋼塊等が
挙げられる。
【0020】本発明ではこれらの鉄系金属を所望の形状
に成形加工した成型品として使用することができるが、
それらは熱間圧延品、冷間圧延品、圧縮品、押出加工
品、引抜加工品、塑性加工品、鍛造品、鋳鋼品等のいず
れでも良い。本発明で使用される鉄系金属の形状は特に
制限されないが、本発明の処理方法では、処理されるセ
レン含有溶液との接触還元反応により溶液中のセレンを
鉄系金属の表面に析出させるので、出来るだけ接触表面
積が多い形状が望ましく、また、処理塔に充填して使用
する場合には容易に均質な充填層を形成することのでき
る形状が好ましい。具体的には、スチール・ウール等の
細い繊維状の線材、板状細片、多孔体、粉状体、粒状
体、微粒チップ等を挙げることが出来、特にスチール・
ウールが好ましいが、これらに限定されない。
【0021】他の形状としては、棒鋼、丸鋼、角鋼、6
角鋼、異形棒鋼、バーインコイル、形鋼、山形鋼、H形
鋼、I形鋼、T形鋼、扁平形鋼、鋼矢板、抗枠鋼、軽量
形鋼、平鋼、異形平鋼、厚鋼板、薄鋼板、しま鋼板、丸
鋼管、角鋼管、鋼片、板状、平状、棒状、帯状、管状、
線状、粒状、砂状、粉体状、ブロック状、チップ状、リ
ベット状、粗形鋼片、スラブ、ブルーム、シートバー、
ビレット、鋳鋼鋳込み、鋳鋼鋳放し、鋳鋼打放し、およ
び切削クズ状、加工クズ状等の廃材等が挙げられる。
【0022】第二工程では、第一工程で処理された溶液
を上記のような鉄系金属と接触させる。第一工程で処理
された溶液と鉄系金属との接触方法は、溶液と鉄系金属
の接触が十分行われれば如何なる方法でもよく、例えば
被処理溶液中に鉄系金属を浸漬し、攪拌或いは振動を与
える方法、あるいは鉄系金属の充填層に被処理溶液を通
水接触させる方法等が挙げられる。
【0023】本発明方法で、セレンを鉄等の金属の表面
に析出させる際の接触処理温度は特に限定されず、通
常、室温〜90℃程度で行われるが、30℃以上で行う
のがより好ましい。本発明方法で処理されるセレン含有
溶液のpH値は、通常2〜10の範囲に調整するのが良
く、特にpH3〜7の範囲が好ましい。pH値が2より
低いと鉄の溶出が必要以上に著しくなることに加えて、
pH調整のために加えられる酸も多量となり実用的では
ない。一方、pH値が10を越えると反応性が低下し本
発明の効果が達成されず好ましくない。
【0024】また、本発明方法においては、鉄によるセ
レンの接触還元反応によるセレンの除去は、被処理液中
に溶存する酸素により促進されるので、鉄系金属と被処
理溶液との接触処理は、空気等の含酸素雰囲気下で行う
のが好ましい。本発明方法によって、鉄等の金属表面に
析出したセレンは、それを焼却することにより金属セレ
ンとして回収することができる。この焼却方法は特に限
定されるものではなく、ロータリーキルンのような回転
焼却炉、るつぼ型の焼却炉等の焼却残渣からセレンが回
収しやすいものであれば、どのような形式のものでも採
用することができる。また、希酸を、セレンの析出した
金属表面と接触させ、剥離してくるセレンを固体として
回収する方法も採用することができる。この場合、カラ
ム操作で0.01〜6Nの塩酸を通液し、鉄の溶解とと
もに剥離してくる固体のセレンをカラム内から分離すれ
ばよい。その他、セレンの析出した金属を超音波処理す
る事により、剥離してくるセレンを分離する方法、セレ
ンの析出した金属に熱水を通液することにより分離して
くるセレンを分離する方法等が挙げられる。セレンの金
属表面への吸着力は強くないため、何らかの物理的な作
用によりセレンを剥離する方法も制限なく用いられる。
【0025】本発明方法は、カラム法により第一工程と
第二工程を直接連結して実施するのが最も経済的に好ま
しい。なお、本発明においては、鉄系金属への負荷量を
下げるという意味では、第一工程、第二工程に分けて実
施するのが好ましいが、例えば、第一工程で用いるカチ
オン交換樹脂、キレート樹脂、及びアニオン交換樹脂
と、第二工程で用いる鉄系金属とを混合し共存させた系
に、セレンを含有する溶液を接触させて一段でセレンを
除去する方法も採用することができる。
【0026】また、第一工程と第二工程との間で、必要
な場合にはセレンを含有する被処理溶液のpHを調整す
ることもできる。更に、本発明の処理方法は、従来のセ
レン回収のための中和沈澱法、水酸化鉄沈澱法、フェラ
イト沈澱法、イオン交換膜処理法、活性炭吸着法等の方
法と必要に応じ併用して実施することができる。
【0027】
【実施例】以下、実施例および比較例を示し、本発明を
具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限
り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、以
下の実施例及び比較例でセレン濃度はいずれもICP発光
分析にて定量した。 [実施例1]100ml 三角フラスコに10ppm セレン酸ナト
リウム溶液(セレン換算)、1000ppm 硫酸マグネシウム
溶液(硫酸イオン1000ppm、マグネシウムイオン 250pp
m)を含む溶液 50ml を加え、さらにNa形に調整したカ
チオン交換樹脂 ダイヤイオンSK1B(三菱化学社製) 1
0ml を加え、25゜Cで2時間振盪させ、マグネシウムイオ
ンをナトリウムイオンに変換し、マグネシウムイオンを
10ppm以下に低減させた。この溶液から、カチオン交換
樹脂を濾過後、日本スチールウール製スチールウール
(内径0.4mm)0.35g を添加し、25゜Cで2時間振盪させ
た。スチールウールを濾過後、溶液中のセレン濃度を定
量したところ、セレン濃度は、8.5ppm であった。 [比較例1]100ml 三角フラスコに10ppm セレン酸ナト
リウム溶液(セレン換算)、1000ppm 硫酸マグネシウム
溶液(硫酸イオン1000ppm、マグネシウムイオン 250pp
m)を含む溶液 50mlに日本スチールウール製スチールウ
ール(内径0.4mm)0.35g を添加し、25゜Cで2時間振盪さ
せた。スチールウールを濾過後、溶液中のセレン濃度を
定量したところ、セレン濃度は、9.2ppm であった。 [実施例2]10ppm セレン酸ナトリウム溶液(セレン換
算)、1000ppm 硫酸マグネシウム溶液(硫酸イオン1000
ppm、マグネシウムイオン 250ppm)を含む溶液50mlの処
理を行うに当たり、このうち、30mlを100ml三角フラス
コに加え、さらにCl形に調整したアニオン交換樹脂 ダ
イヤイオンSA10A(三菱化学社製) 2ml を加え、25゜Cで
2時間振盪させ、硫酸イオンを塩化物イオンに変換し、
硫酸イオンを10ppm以下に低減させるとともに、セレン
酸イオンを0.1ppm以下に除去した。この溶液から、アニ
オン交換樹脂を濾過後、残りの20mlのセレン溶液を加え
た。この時点で、セレン濃度は4ppm、硫酸イオン濃度は
400ppm となっている。この液50mlに日本スチールウー
ル製スチールウール(内径0.4mm)0.35g を添加し、25゜
Cで2時間振盪させた。スチールウールを濾過後、溶液中
のセレン濃度を定量したところ、セレン濃度は、2.9ppm
であった。 [実施例3]100ml 三角フラスコに10ppm セレン酸ナト
リウム溶液(セレン換算)、1000ppm 硫酸マグネシウム
溶液(硫酸イオン1000ppm、マグネシウムイオン 250pp
m)を含む溶液 50ml を加え、さらにNa形に調整したカ
チオン交換樹脂 ダイヤイオンSK1B(三菱化学社製) 5
ml、25゜Cで2時間振盪させ、マグネシウムイオンをナト
リウムイオンに変換し、マグネシウムイオンを10ppm以
下に低減させた。この溶液から、カチオン交換樹脂を濾
過した。この濾液のうち、30mlを100ml三角フラスコに
加え、さらにCl形に調整したアニオン交換樹脂 ダイヤ
イオンSA10A (三菱化学社製)2ml を加え、25゜Cで2時
間振盪させ、硫酸イオンを塩化物イオンに変換し、硫酸
イオンを10ppm以下に低減させるとともに、セレン酸イ
オンを0.1ppm以下に除去した。この溶液から、アニオン
交換樹脂を濾過後、カチオン交換樹脂で処理した残りの
20mlのセレン溶液を加えた。この時点で、セレン濃度は
4ppm、硫酸イオン濃度は400ppm、マグネシウムイオン濃
度は10ppm以下となっている。この液50mlに日本スチー
ルウール製スチールウール(内径0.4mm)0.35g を添加
し、25゜Cで2時間振盪させた。スチールウールを濾過
後、溶液中のセレン濃度を定量したところ、セレン濃度
は、1.9ppm であった。 [比較例2]100ml 三角フラスコに4ppm セレン酸ナト
リウム溶液(セレン換算)、1000ppm硫酸マグネシウム
溶液(硫酸イオン1000ppm、マグネシウムイオン 250pp
m)を含む溶液 50mlに日本スチールウール製スチールウ
ール(内径0.4mm)0.35g を添加し、25゜Cで2時間振盪さ
せた。スチールウールを濾過後、溶液中のセレン濃度を
定量したところ、セレン濃度は、3.8ppm であった。
【0028】
【発明の効果】本発明方法によれば、セレン含有廃水中
に含まれる共存塩の中で、2価のカチオン成分及び/ま
たは2価のアニオン成分を低減させることにより、短時
間で効果的にセレン濃度を低減させることが可能であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 草部 光司 神奈川県川崎市川崎区千鳥町1番2号 川 崎化成工業株式会社内 (72)発明者 桜井 達也 神奈川県川崎市川崎区千鳥町1番2号 川 崎化成工業株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セレンを含有する溶液から2価のカチオ
    ン成分及び/または2価のアニオン成分を除去する第一
    工程、及び該第一工程から得られる溶液を鉄系金属と接
    触させてセレンを除去する第二工程を含むことを特徴と
    するセレン含有溶液の処理方法。
  2. 【請求項2】 2価のカチオン成分が、マグネシウムイ
    オン及び/またはカルシウムイオンである請求項1記載
    のセレン含有溶液の処理方法。
  3. 【請求項3】 2価のアニオン成分が、硫酸イオンであ
    る請求項1または2に記載のセレン含有溶液の処理方
    法。
  4. 【請求項4】 2価のカチオン成分の除去をカチオン交
    換樹脂またはキレート樹脂で行う請求項1から3のいず
    れかに記載のセレン含有溶液の処理方法。
  5. 【請求項5】 2価のアニオン成分の除去をアニオン交
    換樹脂で行う請求項1から4のいずれかに記載のセレン
    含有溶液の処理方法。
  6. 【請求項6】 鉄系金属が、繊維状、多孔体、微細片板
    状、粒状、或いは粉状であることを特徴とする請求項1
    から5のいずれかに記載のセレン含有溶液の処理方法。
  7. 【請求項7】 第一工程でセレンを含有する溶液から2
    価のカチオン成分及び/または2価のアニオン成分を除
    去し、第二工程で、第一工程から得られる溶液を鉄系金
    属と接触させ、亜セレン酸化合物及び/またはセレン酸
    化合物を金属セレンに還元して金属表面に析出させるこ
    とを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のセレ
    ン含有溶液の処理方法。
  8. 【請求項8】 第一工程でセレンを含有する溶液から2
    価のカチオン成分及び/または2価のアニオン成分を除
    去し、第二工程で、第一工程から得られる溶液を鉄系金
    属と接触させ、亜セレン酸化合物及び/またはセレン酸
    化合物を金属セレンに還元して金属表面に析出させ、次
    いで、第二工程で得られる金属セレンを表面上に析出さ
    せた鉄系金属を焼却或いは酸処理に付し、金属セレンを
    分離、回収することを特徴とする請求項1から7のいず
    れかに記載のセレン含有溶液の処理方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011189300A (ja) * 2010-03-16 2011-09-29 Taiheiyo Cement Corp セレンの除去方法
JP2012224481A (ja) * 2011-04-15 2012-11-15 Sumitomo Metal Mining Co Ltd セレンの分離方法
KR102331568B1 (ko) * 2021-08-18 2021-12-01 김현준 산화 스테인레스 제조방법

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