JPH1036755A - 塗料用組成物 - Google Patents

塗料用組成物

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JPH1036755A
JPH1036755A JP19772296A JP19772296A JPH1036755A JP H1036755 A JPH1036755 A JP H1036755A JP 19772296 A JP19772296 A JP 19772296A JP 19772296 A JP19772296 A JP 19772296A JP H1036755 A JPH1036755 A JP H1036755A
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裕 丸山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フッ素樹脂の本来有する耐候性に加えて撥水
性に優れた塗膜を形成できる上に、その表面物性を長期
にわたって維持できる塗料用組成物を提供する。 【解決手段】 ポリシロキサン基含有重合体部分とポリ
(メタ)アクリル酸エステルまたはポリエステルからなる
重合体部分とからなるブロック共重合体またはグラフト
共重合体(A)とフルオロオレフィン単位、カルボン酸ビ
ニルエステル単位および任意に他の単量体単位からなる
含フッ素共重合体(B)と有機溶剤からなる塗料用組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐候性、撥水性に優
れたフッ素樹脂塗料用組成物に関する。
【0002】
【従来技術】従来、汎用の塗料用樹脂として、アクリル
メラミン樹脂、アクリルウレタン樹脂、アルキド樹脂等
の樹脂組成物が使用されて来たが、これらは耐候性、撥
水性等の性能が充分とは言えない。これに対し、耐候
性、撥水性に優れた樹脂として、近年含フッ素共重合体
が注目されている。しかしながら、含フッ素共重合体を
単独で用いた塗料は、該含フッ素共重合体に溶剤可溶性
を付与するために、フルオロオレフィンとビニルエーテ
ル類やビニルエステル類などとを共重合させているた
め、撥水性が損なわれているというのが現状である。
【0003】このため、これらのフルオロオレフィン共
重合体を用いて得られるフッ素樹脂塗料から形成される
塗膜は、塗膜表面にかかった水滴が乾燥後に水跡として
残ってシミになったり、長期間の屋外使用により撥水性
が低下する、所謂、撥水維持性の不足が問題となってい
る。
【0004】これらの問題点を改良するために該含フッ
素共重合体にポリシロキサン系化合物を混合することが
提案されている。例えば、特開平3−182539号公
報、特開平5−65451号公報においてはフルオロオ
レフィン共重合体とポリジメチルシロキサン化合物との
混合物から成る塗料用樹脂組成物が開示されている。
【0005】しかしながら、ポリジメチルシロキサンを
塗料用ワニスに混合する際には種々の問題が生じる。例
えば、ポリシロキサン化合物は通常”ハジキ”と呼ばれ
る塗膜の重大な欠陥の原因物質とされており、塗料組成
物とポリシロキサン化合物との間に充分な相溶性がない
場合には、却て塗膜の欠陥を誘発することになる。ま
た、ポリシロキサン化合物と含フッ素共重合体との間に
充分な相溶性があっても、単純な混合体である場合に
は、撥水性を発現する物質であるポリシロキサン化合物
が経時的に塗膜表面から溶出し、撥水性が短時間で持続
しなくなるという問題を生じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、含フッ素系
共重合体にポリシロキサン化合物を添加した耐候性、撥
水性に優れた塗料であって、しかも、互いの成分が相溶
性に富むため長期間にわたり初期の表面物性を維持でき
る塗料用組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討した結果、ポリシロキサン化合
物として含フッ素共重合体と相溶性を有する部分を持つ
特定のポリシロキサン化合物を含フッ素共重合体に配合
することで、耐候性、撥水性に優れ、且つ長期間にわた
り初期の表面物性を維持できる塗膜を形成し得る塗料用
組成物が得られることを見いだし本発明を完成させた。
【0008】すなわち、本発明は、ポリシロキサン基含
有重合体部分とポリ(メタ)アクリル酸エステルまたはポ
リエステルからなる重合体部分とからなるブロック共重
合体またはグラフト共重合体(A)とフルオロオレフィン
単位、カルボン酸ビニルエステル単位および任意に他の
単量体単位からなる含フッ素共重合体(B)と有機溶剤か
らなる塗料用組成物である。
【0009】以下、本発明について更に詳しく説明す
る。本発明の塗料用組成物の主たる成分の一つである含
フッ素共重合体(B)は、フルオロオレフィン、カルボン
酸ビニルエステルを必須成分とする単量体混合物を重合
させて得ることができる。
【0010】含フッ素共重合体(B)の製造に使用され
るフルオロオレフィンは、例えばテトラフルオロエチレ
ン、クロロトリフルオロエチレン、1,1−ジフルオロ
エチレン、ヘキサフルオロプロピレン、ヘキサフルオロ
イソブテン等であり、これらを単独または混合物として
用いることができる。
【0011】含フッ素共重合体(B)の製造に使用され
るカルボン酸ビニルエステル類は、例えば酢酸ビニル、
プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、カ
プロン酸ビニル、イソカプロン酸ビニル、ピバリン酸ビ
ニル、カプリル酸ビニル、カプロイル酸ビニル、ステア
リン酸ビニル、ベオバ9およびベオバ10(シェル化学
(株)製)、シクロヘキサン酸ビニル、安息香酸ビニル、p
-トルイル酸ビニル、p-tert-ブチル安息香酸ビニル等が
挙げられ、これらを単独または混合物として用いること
ができる。
【0012】また、本発明にかかる含フッ素共重合体
(B)の製造に使用するその他の単量体としては、各種
のものがあるが、特にヒドロキシアルキルアリルエーテ
ル類およびアリルアルコールが好ましいものとして挙げ
られる。
【0013】含フッ素共重合体(B)の製造に使用され
るヒドロキシアルキルアリルエーテル類としては、2-ア
リロキシ-1-エタノール、3-アリロキシ-1-プロパノー
ル、4-アリロキシ-1-ブタノール、5-アリロキシ-1-ペン
タノール、6-アリロキシ-1-ヘキサノール、7-アリロキ
シ-1-ヘプタノール、8-アリロキシ-1-オクタノール、1,
2-ジヒドロキシプロピルアリルエーテル、4-ヒドロキシ
シクロヘキシルアリルエーテル、1,4-シクロヘキサンジ
メタノールアリルエーテル、2,2-ジメチル-3-ヒドロキ
シプロピルアリルエーテル等が挙げられ、これらを単独
または混合物として用いることができる。
【0014】また本発明にかかる含フッ素共重合体
(B)においては、前記した単量体以外にも広範囲の重
合性化合物から選択して使用することができ、例えば以
下の様な化合物を挙げることができる。
【0015】(イ)アルキルビニルエーテル類またはアリ
ールビニルエーテル類、(ロ)カルボン酸イソプロペニル
エステル類、(ハ)(メタ)アクリル酸エステル類、(ニ)
アルキルアリルエーテル類またはアリールアリルエーテ
ル類、(ホ)α−オレフィン類、(ヘ)不飽和カルボン酸類
およびそのエステル類、(ト)ヒドロキシアルキルビニ
ルエーテル類、(チ)ヒドロキシカルボン酸ビニルエス
テル類、(リ)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート
類、(ヌ)加水分解可能な基を持つ有機珪素基含有ビニ
ル化合物類、(ル)その他の重合性化合物。
【0016】(イ)のアルキルビニルエーテル類またはア
リールビニルエーテル類は、例えばエチルビニルエーテ
ル、プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエー
テル、ブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエー
テル、ペンチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテ
ル、イソヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエー
テル、4-メチル-1- ペンチルビニルエーテル等の鎖状ア
ルキルビニルエーテル類。シクロペンチルビニルエーテ
ル、シクロヘキシルビニルエーテル等のシクロアルキル
ビニルエーテル類、フェニルビニルエーテル、トルイル
ビニルエーテル等のアリールビニルエーテル類を挙げる
ことができる。
【0017】(ロ)のカルボン酸イソプロペニルエステル
類は、例えば酢酸イソプロペニル、プロピオン酸イソプ
ロペニル等が挙げられる。(ハ)の(メタ)アクリル酸エ
ステル類は、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、
(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸
イソブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、
(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル
酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−オ
クチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)ア
クリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メ
タ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ベンジル
等が挙げられる。また類似の化合物としてアリルアクリ
レート、アリルメタクリレートなどの不飽和アルキル基
を有する(メタ)アクリル酸エステルも使用できる。
【0018】(ニ)のアルキルアリルエーテル類またはア
リールアリルエーテル類は、例えばエチルアリルエーテ
ル、ブチルアリルエーテル、シクロヘキシルアリルエー
テル等が挙げられる。
【0019】(ホ)のα−オレフィン類は、例えばエチレ
ン、プロピレン、イソブチレン、1-ブテン、1-ペンテ
ン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、
1-デセン、3-メチル-1- ブテン、スチレン、3-ブテン-1
- オール等が挙げられる。
【0020】(ヘ)の不飽和カルボン酸およびそのエステ
ル類は、例えばビニル酢酸、クロトン酸、ウンデシレン
酸、ビニル酢酸エチル、ビニル酢酸プロピル、ビニル酢
酸ブチル、ビニル酢酸-tert-ブチル、クロトン酸エチ
ル、クロトン酸プロピル、クロトン酸ブチル、クロトン
酸-tert-ブチル、クロトン酸-2- ヒドロキシエチル、ク
ロトン酸-3- ヒドロキシプロピル、クロトン酸-4- ヒド
ロキシブチル、クロトン酸-5- ヒドロキシペンチル等を
挙げることができる。
【0021】(ト)のヒドロキシアルキルビニルエーテ
ル類は、例えばヒドロキシメチルビニルエーテル、ヒド
ロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピル
ビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテ
ル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6−ヒド
ロキシヘキシルビニルエーテル、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノールビニルエーテル等が例示できる。
【0022】(チ)のヒドロキシカルボン酸ビニルエス
テル類は、例えばヒドロキシプロピオン酸ビニルエステ
ル、ヒドロキシ酪酸ビニルエステル、ヒドロキシペンタ
ン酸ビニルエステル、カプロラクトン変性ヒドロキシプ
ロピオン酸ビニルエステル等が例示できる。
【0023】(リ)のヒドロキシアルキル(メタ)アクリ
レート類は、例えばヒドロキシメチル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メ
タ)アクリレート、ポリカプロラクトン(メタ)アクリレ
ート等が例示できる。
【0024】(ヌ)の加水分解可能な基を持つ有機珪素
基含有重合性化合物類としては、例えばメタクリロキシ
メチルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピ
ルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラ
ン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルトリス
(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキ
シシラン、ビニルトリメチルシラン、ビニルメチルジク
ロロシラン、ビニルトリクロロシランなどが挙げられ
る。さらにアルコキシシリル基を有する(メタ)アクリ
ル酸エステル系化合物も使用できる。
【0025】また、(ル)これらの他にオキシラン基含
有ビニル単量体、例えばアリルグリシジルエーテル、ビ
ニルグリシジルエーテル、3,4-エポキシシクロヘキシル
メチルビニルエーテル、3,4-エポキシシクロヘキシル
(メタ)アクリレート等やアミノ基含有ビニル単量体、例
えばアクリルアミド等を共重合成分として用いることに
より、本発明の塗料用組成物を所望の物性に調整するこ
とも好ましい。
【0026】以上例示した共重合可能な単量体は、単独
でも、または2種類以上を組合わせて使用してもよい。
本発明にかかる含フッ素共重合体(B)は、フルオロオ
レフィン、カルボン酸ビニルエステルおよび任意にその
他の単量体からなる単量体混合物を共重合させて得られ
た重合体であって、単量体混合物がフルオロオレフィン
(a)20〜70モル%、カルボン酸ビニルエステル
(b)5〜75モル%および任意にその他の単量体
(d)0〜70モル%からなるからなる共重合体である
ことが好ましく、単量体混合物がフルオロオレフィン
(a)20〜70モル%、カルボン酸ビニルエステル
(b)5〜75モル%、ヒドロキシアルキルアリルエー
テル(c)2〜70モル%、および任意にその他の単量
体(d)0〜70モル%からなる共重合体であることが
より好ましい。
【0027】フルオロオレフィンが20モル%未満で
は、塗膜の耐候性が劣り、また70モル%を超えると共
重合が困難になるので好ましくない。カルボン酸ビニル
エステルが5モル%未満では溶剤への溶解性が低いので
塗装操作性に劣る塗料となり、75モル%を超えると塗
膜の耐候性が劣るので好ましくない。また、ヒドロキシ
アルキルアリルエーテルの共重合は任意ではあるが、2
モル%未満では塗膜の硬化が十分行われないことがあ
り、70モル%を超えると塗膜の耐候性に劣るので好ま
しくない。その他の任意成分は、塗料および塗膜の性質
を大きく変えることのない範囲で適宜調整すればよい。
【0028】含フッ素共重合体(B)の分子量(ポリス
チレン換算数平均分子量)は、1,000〜300,0
00であり、2,000〜50,000が好ましい。分
子量1,000未満では、塗膜の機械的強度および耐候
性が劣り、300,000を超えると平滑な塗膜を形成
するのが困難になるので好ましくない。
【0029】含フッ素共重合体(B)を製造するにあた
って、フルオロオレフィン、カルボン酸ビニルエステル
を必須成分とする単量体混合物を重合せしめる方法とし
ては、通常のラジカル重合開始剤の存在下、有機溶媒中
で該単量体混合物を共重合させて得ることができる。
【0030】重合反応における重合温度は−30〜10
0℃、好ましくは0〜90℃が適当である。ラジカル重
合開始剤として代表的なものを例示すると以下のような
ものが挙げられる。例えば、アセチルパーオキサイド、
ベンゾイルパーオキサイドのようなアシルパーオキサイ
ド類、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキ
サノンパーオキサイドのようなケトンパーオキサイド
類、過酸化水素、tert- ブチルハイドロパーオキサイ
ド、クメンハイドロパーオキサイドのようなハイドロパ
ーオキサイド類、ジ-tert-ブチルパーオキサイドのよう
なジアルキルパーオキサイド類、tert- ブチルパーオキ
シアセテート、tert- ブチルパーオキシピバレートのよ
うなアルキルパーオキシエステル類、アゾビスイソブチ
ロニトリル、アゾビスイソバレロニトリルのようなアゾ
系化合物、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムのよう
な過硫酸塩類等がある。また、必要に応じて、有機アミ
ン類、ピロ亜硫酸ソーダのような還元剤を併用すること
もできる。
【0031】重合反応に用いる有機溶剤としては例え
ば、トルエン、キシレン、ソルベッソ(エクソン化学
(株)製)、ミネラルスピリットなどの非水系溶剤、メタノ
ール、エタノール、ブタノールなどのアルコール系溶
剤、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒド
ロフランなどのエーテル系溶剤、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン
などのケトン系溶剤、エチルアセテート、ブチルアセテ
ートなどのエステル系溶剤、エチルセロソルブ、ブチル
セロソルブ、セロソルブアセテートのようなアルキレン
グリコール系溶剤、N-メチル-2- ピロリドン、ジメチル
ホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホ
オキシムのような非プロトン系溶剤を使用することがで
きる。
【0032】本発明のもう一つの主要成分であるポリシ
ロキサン基含有重合体部分とポリ(メタ)アクリル酸エス
テルまたはポリエステルからなる重合体部分とからなる
ブロック共重合体またはグラフト共重合体(A)は、特公
昭60−30715号公報、高分子論文集,52(8),
465−471(1995)などに記載された、ポリシロ
キサン基含有グラフト共重合体またはブロック共重合体
が例示できる。
【0033】より具体的には、例えば下記の一般式
(1)
【0034】
【化1】
【0035】(式中、R1は水素原子またはメチル基、
2、R3、R4、R5、R6はそれぞれ同一かまたは異な
る、メチル基、エチル基またはフェニル基、nは0〜3
の整数であり、mは1以上の整数であって、3〜1,0
00が好ましく、10〜500がより好ましい。)で示
されるアクリル変成シリコーンと(メタ)アクリル酸のエ
ステルとの共重合反応によって製造される反応生成物
や、一般式(2)
【0036】
【化2】
【0037】(式中、Xは-COOHまたは-OH、
2、R3、R4、R5はそれぞれ同一かまたは異なる、メ
チル基、エチル基またはフェニル基、nは0〜3の整数
であり、mは1以上の整数であって、3〜1,000が
好ましく、10〜500がより好ましい。)で示される
両末端に官能基を有する変成シリコーンと二官能性炭化
水素化合物との重縮合反応生成物を例示することができ
る。
【0038】一般式(1)で表されるアクリル変性シリ
コーンの共重合反応に用いられる共重合成分の(メタ)ア
クリル酸のエステルとしては(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プ
ロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)ア
クリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−tert−
ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)
アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸
−n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、
(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸ヒドロ
キシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルな
どが挙げられ、共単量体としてアクリル酸、メタクリル
酸、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルピリジン等
が挙げられる。これらは2種類以上を併用することもで
きる。
【0039】共重合方法としては、特に限定されない
が、例えば、一般式(1)で表される変性シリコーンと
(メタ)アクリル酸エステルを溶媒中で加熱して反応さ
せることで得られる。
【0040】一方、一般式(2)で表される変性シリコ
ーンの重縮合反応に使われる二官能性炭化水素化合物と
しては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、アジピン
酸、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリ
コール、シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
【0041】縮重合反応方法としては、特に限定されな
いが、例えば、一般式(2)で表される変性シリコーン
と二官能性炭化水素化合物をTi(OBu)4などの触
媒と(C10123Pなどの安定剤の存在下150〜3
00℃程度の温度に加熱することで行われる。
【0042】本発明にかかるブロック共重合体またはグ
ラフト共重合体(A)は、ポリシロキサン基含有重合体部
分/ポリ(メタ)アクリル酸エステルまたはポリエステル
からなる重合体部分が、重量比で5/95〜90/10
であり、10/90〜85/15であることが好まし
い。重量比についてポリシロキサン基含有重合体部分が
5未満では塗膜撥水性能が十分に発現せず、90を超え
ると含フッ素系共重合体(B)との混和性に劣るので好
ましくない。また、分子量(ポリスチレン換算数平均分
子量)は500〜200,000であり、1,000〜
50,000が好ましい。500未満では撥水性能が不
十分となり、200,000を超えると含フッ素系共重
合体(B)あとの混和性に劣り好ましくない。
【0043】本発明の塗料用組成物は、以上のようにし
て得られたポリシロキサン基含有重合体部分とポリ(メ
タ)アクリル酸エステルまたはポリエステルからなる重
合体部分とからなるブロック共重合体またはグラフト共
重合体(A)と、フルオロオレフィン単位、カルボン酸ビ
ニルエステル単位および任意に他の単量体単位からなる
含フッ素共重合体(B)を有機溶剤に混合することで得る
ことができる。
【0044】本発明の塗料用組成物における、ポリシロ
キサン基含有重合体部分とポリ(メタ)アクリル酸エステ
ルまたはポリエステルからなる重合体部分とからなるブ
ロック共重合体またはグラフト共重合体(A)とフルオロ
オレフィン単位、カルボン酸ビニルエステル単位および
任意に他の単量体単位からなる含フッ素共重合体(B)と
の混合比率は、(B)の100重量部に対して、(A)
が0. 01〜30重量部であり、好ましくは0.05〜
5重量部である。0.01重量部未満では、発明の目的
である塗膜の撥水性が十分に発現せず、30重量部を超
えると塗膜の平滑性が失われ好ましくない。
【0045】また、有機溶剤の量は通常の塗料もしくは
コーティング用組成物として望ましい粘度、及び固形分
濃度となるように適正量を加えればよい。有機溶剤とし
ては、前記の重合用溶剤と同様のものを使用することが
可能である。例えば、トルエン、キシレン、ソルベッソ
(エクソン化学(株)製)、ミネラルスピリットなどの非水
系溶剤、メタノール、エタノール、ブタノールなどのア
ルコール系溶剤、ジメチルエーテル、ジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノンなどのケトン系溶剤、エチルアセテー
ト、ブチルアセテートなどのエステル系溶剤、エチルセ
ロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテートの
ようなアルキレングリコール系溶剤、N-メチル-2- ピロ
リドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、ジメチルスルホオキシムのような非プロトン系溶剤
を使用することができ、これらを併用することもでき
る。
【0046】以上のようにして得られる塗料用組成物
は、硬化剤を用いずに、または硬化剤と混合して塗料と
することができる。このとき、硬化剤としては、ヘキサ
メチレンジイソシアナート、トリレンジイソシアナー
ト、ジフェニルメタンジイソシアナートのようなイソシ
アナート類やアルキル化メラミン、メチロールメラミ
ン、イミノメラミンのようなメラミン樹脂、尿素樹脂と
いったアミノ化合物が有効である。
【0047】塗膜の硬化反応は通常、室温〜300℃の
範囲の任意の温度で行うことができるが、触媒を加える
ことで促進させることも可能である。以下、本発明を実
施例に基づいて更に詳しく説明するが、本発明はこれら
実施例に 限定されるものではない。実施例において
は、「部」は「重量部」をいうものとする。
【0048】
【実施例】
〔参考例−1〕 (ポリシロキサン基含有グラフト共重合体(A)の製
造)α,ω−ジヒドロキシジメチルポリシロキサン(
【0049】
【化3】
【0050】:nの平均値30)220gとピリジン
9.5gをジエチルエーテル400mlに溶解した溶液
に、γ−メタクリルオキシプロピルジメチルクロロシラ
ン22gの10%ジエチルエーテル溶液を室温で20分
間かけて徐々に滴下した。滴下終了後そのまま1時間撹
拌を続け、生成したピリジン塩酸塩を濾別した。ろ液を
水洗しエーテル層を乾燥させた後減圧下エーテルを除去
し、アクリル変性シリコーン205gを得た。
【0051】次に、得られたアクリル変性シリコーン4
部、メチルメタクリレート20部、アゾビスイソブチロ
ニトリル0.46 部、キシレン50部を環流冷却器、撹
拌機つきのフラスコに入れ、窒素雰囲気中80℃で3時
間反応させた。次いで、100℃に昇温し、アクリル変
性シリコーン8部、メチルメタクリレート40部、アゾ
ビスイソブチロニトリル0.9 部、キシレン100部の
混合液1時間かけて滴下した。そのまま3時間撹拌し反
応を続けた後、反応液を室温にまで冷却して大量のヘキ
サン中に投入した。粉状固体沈殿物をヘキサンで数回洗
浄を繰り返し、減圧乾燥して63.6 gの固体樹脂を得
た(この樹脂をa−1とする)。
【0052】得られた樹脂は重量法で求めたSi量が
5.1重量%、ゲルパーミュエイションクロマトグラフ
ィーによって求めた平均分子量が、ポリスチレン換算で
13,000であった。
【0053】〔参考例−2〕 (ポリシロキサン基含有グラフト共重合体(A)の製
造)参考例−1と同様にして得られたアクリル変性シリ
コーン4部、メチルメタクリレート20部、メタクリル
酸1部、アゾビスイソブチロニトリル0.5 部、t-ドデ
シルメルカプタン0.002部、キシレン50部を環流
冷却器、撹拌機つきのフラスコ入れ、窒素雰囲気中70
℃で3時間反応させた。次いで、100℃に昇温し、ア
クリル変性シリコーン8部、メチルメタクリレート40
部、メタクリル酸2部、アゾビスイソブチロニトリル1
部、t-ドデシルメルカプタン0.005部、キシレン1
00部の混合液1時間かけ滴下した。そのまま3時間撹
拌反応を続けた後、反応液を室温にまで冷却して大量の
ヘキサン中に投入した。粉状固体沈殿物をヘキサンで数
回洗浄を繰り返し、減圧乾燥して67.6 gの固体樹脂
を得た(この樹脂をa−2とする)。
【0054】得られた樹脂は重量法で求めたSi量が
5.0重量%、ゲルパーミュエイションク ロマトグラ
フィーによって求めた平均分子量がポリスチレン換算で
8,000、酸価が24.5mgKOH/gであった。
【0055】〔参考例−3〕 (含フッ素共重合体(B)の製造)電磁撹拌機付きのス
テンレス製オートクレーブにピバリン酸ビニル(Vpv)17
3.4部、4-アリロキシ-1- ブタノール(HBAE)104 部、クロ
トン酸(CA)3.5部、キシレン290部、炭酸ナトリウム 2.2
部、t-ブチルパーオキシピバレート(t-BPV) 5.5部を仕込
み、窒素ガスでオートクレーブ内を3回置換した。次に
液体窒素でオートクレーブを冷却して内部を脱気し、ク
ロロトリフルオロエチレン(CTFE)265.3部を導入した。
その後油浴で徐々に昇温し、55℃で20時間重合を行
った。次いで、未反応のCTFEを除去しオートクレー
ブを開放した後、無機塩を濾過して固形分濃度60重量
%の無色透明な樹脂溶液を得た。
【0056】〔参考例−4〕 (アクリル系共重合体の製造)冷却器と撹拌器、温度計
付きのフラスコに、アクリル酸エチル:18部、メタク
リル酸イソブチル:15部、メタクリル酸-2- エチルヘ
キシル:15部、メタクリル酸ヒドロキシエチル:17
部、スチレン:35部からなる単量体混合物に重合開始
剤としてアゾビスイソブチロニトリル:2部およびキシ
レンと酢酸ブチルの1:1(容量比) 混合溶剤:60部
を加え、80℃にて8時間重合し、不揮発分63%、平
均分子量26,000のアクリル系共重合体の溶液を得
た。
【0057】〔実施例−1〕参考例−1と同様にして得
られたポリシロキサン基含有グラフト共重合体(a−
1)0.5部に、参考例−3で得られた含フッ素共重合
体(B)100部(溶液中の固形分として。)、サイメ
ル303(三井サイアナミド(株)製メラミン樹脂) 25
部を混合し、硬化触媒としてドデシベンゼンスルホン酸
1部を添加した後、ソルベッソ100(エクソン化学
(株)製)を加えて濃度を調整し塗料とした.この塗料を
スプレー法によりアルミニウム板上に塗装し、140℃
で30分間かけて焼き付け硬化させ約30μmの塗膜と
した(硬化膜a'−1)。
【0058】硬化膜a'-1について、水接触角(θH
2O)、水滴転落角(α)を測定した(いずれも、エルマ
(株)製の測定装置(水接触角測定装置、水転落角測定装
置)を用いて測定した。以下、同様。)ところ、θH2O
=110°、α=5°であった。また、促進耐候性試験
(須賀試験器(株)製デューパネル耐候性試験器2,00
0時間処理後の、60°光沢保持率。以下、同様。)の
結果、光沢保持率は77%であった。
【0059】〔実施例−2〕参考例−2で得られたポリ
シロキサン基含有グラフト共重合体(a−2)0.5部
に、参考例−3で得られた含フッ素共重合体(B)10
0部(溶液中の固形分として。)、サイメル303の2
5部を混合し、硬化触媒としてドデシベンゼンスルホン
酸1部を添加した後、ソルベッソ100を加えて濃度を
調整し塗料とした.この塗料をスプレー法によりアルミ
ニウム板上に塗装し、140℃で30分間かけて焼き付
け硬化させ約30μmの塗膜とした(硬化膜a'−2)。
【0060】硬化膜a'-2について、水接触角(θH
2O)、水滴転落角(α)を測定したところ、θH2O=1
00°、α=5°であった。また、促進耐候性試験の結
果、光沢保持率は80%であった。
【0061】〔比較例−1〕参考例−1で得られたポリ
シロキサン基含有グラフト共重合体を加えずに、参考例
−3で得られた含フッ素共重合体(B)100部(溶液
中の固形分として。)、サイメル303の25部を混合
し、硬化触媒としてドデシベンゼンスルホン酸1部を添
加した後、ソルベッソ100を加えて濃度を調整し塗料
とした.この塗料をスプレー法によりアルミニウム板上
に塗装し、140℃で30分間かけて焼き付け硬化させ
約30μmの塗膜とした(硬化膜b'−1)。
【0062】硬化膜b'-1について、水接触角(θH
2O)、水滴転落角(α)を測定したところ、θH2O=9
0°、α=10°であった。また、促進耐候性試験の結
果、光沢保持率は81%であった。
【0063】〔比較例−2〕参考例−1で得られたポリ
シロキサン基含有グラフト共重合体(a−1)0.5部
に、参考例−4で得られたアクリル系共重合体100部
(溶液中の固形分として。)、サイメル303の25部
を混合し、硬化触媒としてドデシベンゼンスルホン酸1
部を添加した後、ソルベッソ100を加えて濃度を調整
し塗料とした.この塗料をスプレー法によりアルミニウ
ム板上に塗装し、140℃で30分間かけて焼き付け硬
化させ約30μmの塗膜とした(硬化膜b'−2).硬化
膜b'-2について、水接触角(θH2O)、水滴転落角
(α)を測定したところ、θH2O=100°、α=14
°であった。また、促進耐候性試験の結果、光沢保持率
は50%であった。
【0064】
【発明の効果】本発明の塗料用組成物は、フッ素樹脂の
本来有する耐候性に加えて撥水性に優れた塗膜を形成で
きる上に、その表面物性を長期にわたって維持できると
いう効果を奏する。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリシロキサン基含有重合体部分とポリ
    (メタ)アクリル酸エステルまたはポリエステルからなる
    重合体部分とからなるブロック共重合体またはグラフト
    共重合体(A)とフルオロオレフィン単位、カルボン酸ビ
    ニルエステル単位および任意に他の単量体単位からなる
    含フッ素共重合体(B)と有機溶剤からなる塗料用組成
    物。
  2. 【請求項2】 含フッ素共重合体(B)の100重量部に
    対し、ブロック共重合体またはグラフト共重合体(A)が
    0.01〜30重量部である請求項1記載の塗料用組成
    物。
  3. 【請求項3】 含フッ素共重合体(B)が、フルオロオ
    レフィン、カルボン酸ビニルエステルおよび任意にその
    他の単量体からなる単量体混合物を共重合させて得られ
    た重合体であって、単量体混合物がフルオロオレフィン
    (a)20〜70モル%、カルボン酸ビニルエステル
    (b)5〜75モル%、ヒドロキシアルキルアリルエー
    テル(c)2〜70モル%およびその他の単量体(d)
    0〜70モル%からなることを特徴とする請求項1記載
    の塗料用組成物。
  4. 【請求項4】 ブロック共重合体またはグラフト共重合
    体(A)が、ポリシロキサン基含有重合体部分/ポリ(メ
    タ)アクリル酸エステルまたはポリエステルからなる重
    合体部分について、重量比で5/95〜90/10であ
    り、分子量(ポリスチレン換算数平均分子量)が500
    〜200,000であることを特徴とする請求項1記載
    の塗料用組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002294159A (ja) * 2001-03-30 2002-10-09 Kansai Paint Co Ltd 防汚性塗膜形成性塗料組成物
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WO2019244498A1 (ja) * 2018-06-19 2019-12-26 大和製罐株式会社 滑落剤及びそれによる塗膜で被覆された物品

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