JPH1036849A - 液晶組成物及びその製造方法、並びに液晶素子 - Google Patents

液晶組成物及びその製造方法、並びに液晶素子

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JPH1036849A
JPH1036849A JP9093670A JP9367097A JPH1036849A JP H1036849 A JPH1036849 A JP H1036849A JP 9093670 A JP9093670 A JP 9093670A JP 9367097 A JP9367097 A JP 9367097A JP H1036849 A JPH1036849 A JP H1036849A
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章夫 安田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶材料としての諸特性(液晶配向性、スイ
ッチング性等)を有効に生かしつつ、低粘度化による高
速応答性を示す液晶組成物及びこれを用いた液晶素子、
並びにその製造方法を提供すること。 【解決手段】 液晶分子の自由体積を増大させるために
液晶分子との包接化合物を形成するためのシクロデキス
トリン又はその誘導体が添加され、液晶分子の包接化合
物が含有されている液晶組成物と、これを用いる液晶素
子。シクロデキストリン又はその誘導体と液晶分子とを
溶解させ、この溶液から液晶分子との包接化合物を得、
この包接化合物を液晶組成物に添加する、液晶組成物の
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶組成物(例え
ば液晶表示素子に好適な組成物)及びその製造方法、並
びに液晶素子(例えば液晶表示素子)に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】各種の液晶表示素子に使用される液晶材
料として、近年、カイラルスメクチックC相(SmC*
相)のスイッチング効果を利用した強誘電性液晶(FL
C:ferroelectric liquid crystal) が注目されてい
る。
【0003】こうしたFLCディスプレイは、(1) 高速
応答性(従来のネマチック液晶表示に比較して1000倍も
高速応答)、(2)視野角依存性が少ないこと、(3) 画像
にメモリ性がある等、すぐれたものである。
【0004】また、ネマチック相(N相)のスイッチン
グ効果を利用したネマチック液晶も注目されている。ネ
マチック液晶を使用したディスプレイには薄膜トランジ
スタ(TFT)アクティブ素子を利用したツイステッド
ネマチックモード・インプレーンモードを代表として、
単純マトリクスを使用するスーパーツイステッドネマチ
ックモードや、2色性色素を添加したゲストホストモー
ド、複屈折を利用した電気制御複屈折型(ECB)モー
ド、動的散乱(DSM)モード、相転移モード、高分子
分散型など多数の方式が実用化されている。
【0005】種々の強誘電性を示す液晶分子がこれまで
合成されてきたが、その材料の設計指針として、FLC
ではその応答速度τが、 τ=η/Ps・E (但し、τは応答時間、ηは材料の粘性、Psは自発分
極、Eは電界)と規定されるので、応答時間を短くする
(応答速度を上げる)には、自発分極Psを大きくする
ことと、粘性を小さくすることが考えられた。そのこと
が、τを小さくすることにつながると考えられるからで
ある。
【0006】また、ネマチック液晶では応答速度(立ち
上がり時間τonと立ち下がり時間τoff)が、 τon=γ・d2 /ε0 εa (V2 −Vc2 ) τoff =γ・d2 /π2 K (但し、τは応答時間、γは粘度、dはセルギャップ、
Kは弾性定数、Vcはしきい値電圧である。)と規定さ
れるので、応答時間を短くする(応答速度を上げる)に
は、誘電率を上げること、粘性を小さくすることが考え
られた。そのことが、τを小さくすることにつながると
考えられるからである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、応答速
度に関しては、実際、上記の式に従う系が多いものの、
Psを大きくすることによって、液晶表示パネル内に反
電界を生じたり、セル中の不純物イオンの吸着等による
分子配向の乱れが生じるといった問題が生じることにな
る。また、誘電率を大きくすることによって、不純物イ
オンを吸着しやすくなり、液晶表示パネル内に焼き付き
を生じたり、分子配向の乱れが生じるといった問題が発
生する。
【0008】このため、期待どおりには高速化できなか
ったり、十分なコントラストが得られなかったりし、画
質の劣化を招き、従って、近年においては自発分極や誘
電率をいたずらに大きくすることには疑問視する向きが
多い。
【0009】一方、低粘度化に関しては、次のように検
討が進められている。即ち、FLCにおいては、カイラ
ル分子を単独で用いずに、温度範囲をより拡大すること
等のために講じている方法として、自発分極を持つカイ
ラル分子をドーパントとして用いて、ベース材料として
の自発分極を持たないノンカイラル分子と混合してなる
組成物系を用いるのが一般的である。ここで、粘性や温
度範囲の拡大のコントロールのために、濃度的にはベー
ス材料の方が高いので、ベース分子で低粘度化のコント
ロールをしているのが一般的である(ドーパント法)。
【0010】しかし、FLCの電界応答のダイナミクス
を支配するのは、自発分極を有するカイラル分子であ
り、カイラル分子としてどのような分子を用いるかとい
うことが、FLCディスプレイの特性を決定してしまう
重要因子であることは疑いがない。
【0011】従来は応答速度に関しては、上記した式を
材料選択の指針としてきたが、この式に従わない系も多
く、疑問視されてきたばかりでなく、表示のコントラス
トに関してもそのガイドラインをもたなかった。
【0012】また、FLC素子のスイッチングにおける
温度依存性は、TN(ツイストネマチック)液晶に比較
して約一桁大きく、実用レベルのディスプレイデバイス
を実現するためには、改善しなければならない大きな課
題である。
【0013】即ち、しきい値電圧が、メモリを発現する
ためのパルス幅に依存して決まるため、温度が上昇して
粘性が低下し、メモリ発現のパルス幅(以下、ラッチン
グパルス幅と称する。)が短くなり、これによって同時
にしきい値電圧も下がるという傾向を持つ。逆に、温度
が下がり、液晶の粘性が上がり、ラッチングパルス幅が
拡がる場合には、逆の傾向を持つ(しきい値電圧はより
高くなる)。従って、しきい値電圧の温度依存性を回避
しようとするには、粘性の温度依存性を回避するという
のが、材料からのアプローチとして有効である。
【0014】このための従来の方法としては、カイラル
分子の不斉炭素部位にフッ素原子を導入することにより
粘性が低減することを埼玉大学の野平らが報告してい
る。しかし、分子の構造自身を変更することにより粘性
を低減する手法は、多くの表示特性(コントラスト、応
答速度、バイアス安定性、温度範囲、温度特性、液晶配
向性等)を同時に満足させなければならないディスプレ
イにおいては、きわめて厳しい制限を設けることにな
る。
【0015】低粘度化に関しては、ネマチック液晶にお
いても、個々の分子構造を変化させるよりは、液晶組成
物としてのブレンド法に頼ることが一般的である。しか
しながら、粘性をコントロールすることによって、多く
の表示特性(コントラスト、応答速度、温度範囲、温度
特性、液晶配向性など)を同時に満足させなければなら
ないディスプレイにおいては、やはり、きわめて厳しい
制限を設けることになる。
【0016】そこで、温度特性、応答速度を除く他の諸
特性に優れた材料を、それぞれの長所を生かしつつ、応
答速度の向上が実現できれば、材料開発においても効率
的である。
【0017】本発明の目的は、液晶材料としての諸特性
(液晶配向性、スイッチング性等)を有効に生かしつ
つ、低粘度化による高速応答性を示し、更にはしきい値
電圧の温度依存性が小さくて応答速度に優れ、かつヒス
テリシス(焼き付き)を低減させる高コントラストの液
晶組成物及びこれを用いた液晶素子、並びにその製造方
法を提供するものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】液晶組成物については、
上述した粘性に作用するパラメータとして、分子間の相
互作用を抑えるということが考えられる。そのために、
フリーボリウム(分子が自由に運動可能な自由体積)を
増大させることが有効である。これは、液晶分子のコア
部に分子短軸方向にフッ素原子などの置換基を付けるこ
とにより、粘性が低減するという報告から確認できる
(Asia Display '95 Proceedingsp65-68)。また、この
粘性とフリーボリウムとの関係については、J. Appl. P
hys., 22,1471(1951)、23,236(1952)において次式で示
されている。 logη= logA+B(Vo/Vf) (但し、A及びBは液体によって異なる定数、Voは分
子の占有体積、Vfはフリーボリウムである。)
【0019】本発明者は、このようにフリーボリウムを
増大させ得る材料の選定の幅をより広くするために、特
定の物質を添加する系、例えばシクロデキストリンとの
包接化合物について種々検討した結果、本発明に到達し
たものである。
【0020】即ち、本発明は、構成分子(カイラル分子
等の液晶分子:以下、同様)の自由体積を増大させるた
めの物質(例えば、液晶分子との包接化合物を形成する
ためのシクロデキストリン又はその誘導体:以下、同
様)が添加されている液晶組成物に係るものである。
【0021】本発明者は、フリーボリウムの増大のため
に液晶組成物に添加する物質として、特に、種々の化合
物と包接化合物を形成する材料として知られているシク
ロデキストリン誘導体を用いることにより、液晶組成物
の分子間のフリーボリウムを増大させ、その結果、粘性
を低減させ、応答速度を飛躍的に向上できることを見出
したのである。そして、添加する物質の選択範囲を広げ
ることができ、このことにより、高速応答化を可能にし
た。しかも、配向膜と液晶との分子間の相互作用も弱ま
るため、ヒステリシス(焼き付き)も低減される。
【0022】例えば、カイラル分子との包接化合物を用
いれば、分子のフリーボリウムが増大し、これが分子間
の相互作用を弱める方向に働き、FLCの応答速度を支
配する粘性を低減する効果を有する。このことにより、
高速応答化を可能にした。
【0023】さらに、しきい値電圧の温度依存性を飛躍
的に低減させ、また、単純マトリクス駆動時に必要なバ
イアスの安定性も向上させる効果も得られ、高コントラ
スト化を図ることができる。
【0024】このような本発明の液晶組成物を製造する
には、液晶組成物の構成分子の自由体積を増大させるた
めの物質と前記構成分子とを溶解させ、この溶液から前
記構成分子と前記物質との化合物を得、この化合物を含
有させることが望ましい。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の液晶組成物及びその製造
方法においては、液晶分子が前記物質と包接化合物をな
していること、前記液晶分子の包接化合物を形成するた
めの物資を添加し、得られた包接化合物を含有させるこ
とが望ましい。
【0026】強誘電性液晶組成物の場合、カイラル分子
と非カイラル分子とからなり、前記カイラル分子及び/
又は前記非カイラル分子が前記物質と包接化合物をなし
ていること、前記カイラル分子及び/又は前記非カイラ
ル分子との包接化合物を形成するための物質を添加し、
得られた包接化合物を含有させることが望ましい。ネマ
チック液晶が用いられるときも、その液晶分子が前記物
質と包接化合物をなしていること、この包接化合物を含
有させることが望ましい。
【0027】こうした包接化合物においては、液晶分子
の長軸に沿う前記液晶分子のアルキル鎖の長さが、前記
長軸に沿う前記物質の長さよりも長いことが望ましい。
この場合、前記アルキル鎖が前記物質による包接格子の
一方側開口から露出し、その他方側開口に前記液晶分子
の芳香環の少なくとも一部分が位置しているのがよい。
【0028】上記包接化合物を形成するために、シクロ
デキストリン類、クラウンエーテル類、シクロファン類
及びこれらの誘導体からなる群より選ばれた少なくとも
1種が添加されるのがよい。
【0029】また、包接化合物の含有量はあまり少ない
とフリーボリウム増大の効果が乏しく、応答時間の減少
量をあまり大きくできず、またあまり多いと液晶組成物
の性能に悪影響を与えることがあるので、その含有量は
通常、0.1〜50重量%であるのがよい。
【0030】本発明に基づいて、構成分子の自由体積を
増大させるための前記物質が添加されている液晶組成物
は、一対の基体間に配されることにより、液晶素子を構
成するのに好適である。
【0031】特に、電極及び液晶配向制御層をこの順に
設けた一対の基体が所定の間隙を置いて対向配置され、
前記液晶組成物が前記間隙内に配されているFLCディ
スプレイ等の液晶素子とするのがよい。
【0032】次に、本発明の液晶組成物をシクロデキス
トリンを例として更に具体的に説明する。
【0033】シクロデキストリンは、ほぼ円錐台形の筒
状構造(いわば底無しのバケツのような形態)をなす分
子であり、図2(A)に示すように、グルコピラノース
環を単位とする環状分子である。これは、分子内に疎水
的な空洞を持ち、グルコピラノース環の数により、6個
ではα−シクロデキストリン、7個ではβ−シクロデキ
ストリン、8個ではγ−シクロデキストリンと呼ばれて
いる。下記の表1には、各種のシクロデキストリンの物
理的性質をまとめた。
【0034】
【0035】シクロデキストリンは、水等の溶媒への溶
解度が低いものが多いが、本発明者は、この点を改善し
た図2(B)に示す三楽(株)製の部分メチル化β−シ
クロデキストリン(PMCD)等を用いた。このシクロ
デキストリン(CD)誘導体(特にPMCD)は、下記
の表2に示すように、高い溶解性を持つため、好適な材
料である。
【0036】 * 0.1mM溶液の値
【0037】一方、包接される側の液晶分子は、シクロ
デキストリンの空洞部にフィットした官能基を有するこ
とが必要である。この場合には、上述したように分子の
短軸方向に対して置換基を持つような構造よりも、むし
ろ図3(ここではカイラル分子)又は図7(ここではツ
イストネマチック液晶分子)に示すような棒状の構造の
方が望ましいと考えられる。即ち、フッ素原子の如き立
体障害となり得る基は存在せず、シクロデキストリンと
親和性の良い親油基が存在しているため、包接化合物を
形成し易い。
【0038】例として、図1(A)及び図6には、部分
メチル化β−シクロデキストリン(PMCD)の空洞部
に、図1(A)のようにカイラル分子(C8LPS)
が、図6のようにフェニルピリミジン系分子がそれぞれ
包接された本発明に基づく各包接化合物が模式的に示さ
れている。この場合、図1(B)のように、液晶分子の
長軸に沿うアルキル鎖(C8 17)の長さLが、前記長
軸に沿うPMCDの長さ(又は深さ)Dよりも長くて、
包接格子の一方側開口から露出し、またその他方側開口
にはカイラル分子の芳香環(フェニル基)の少なくとも
一部分が位置している(或いは掛かっている)ことがよ
い。これは、図6に示すネマチック液晶においても同様
である。このような構造によって、液晶分子がPMCD
内に保持され易くなり、スイッチング時に両分子が包接
化合物として一緒に移動若しくは回転し易くなり、上記
した粘性低下に寄与することができる。逆に、アルキル
鎖が短くてL<Dであったり、フェニル環が包接格子に
係合していないときは、液晶分子がPMCDから外れ易
くなり、粘性低下の効果が得られ難い。C8LPSに代
えて図3に示した他の各種カイラル分子や、図7に示し
た他のネマチック液晶分子も同様の包接化合物を形成可
能である。
【0039】こうした包接化合物を含有することによっ
て、液晶分子間(特に包接化合物と液晶分子との間)の
距離が増え、これに対応して分子の自由体積が拡大し、
粘度の低減化(スイッチング時)を実現でき、更には特
性の温度依存性も少なくすることができるのである。
【0040】この場合、包接化合物において、シクロデ
キストリンとゲスト材料(カイラル分子等の液晶分子)
との比率はモル比で通常は(1:1)〜(2:1)であ
り、この比が1:1の場合は図1、図6に示し、2:1
の場合は液晶分子鎖の他方の端部のアルキル基が長いと
きに可能となる。
【0041】こうした包接化合物は、FLCでは、図4
に示す如き非カイラル分子(1)及び/又は(2)と混
合され、本発明に基づく強誘電性液晶組成物を構成す
る。また、ツイストネマチックでは、図8の如き相転移
系列を示すようにベース成分と混合され、本発明に基づ
く他の液晶組成物を構成する。
【0042】この組成物では、包接化合物の含有量は
0.1〜50重量%(更には2〜30重量%)が望まし
いが、0.1重量%未満では、包接化合物の効果(分子
の自由体積の増大効果)が乏しく、FLCの場合には自
発分極も小さくなって、応答速度が遅くなり易く、また
50重量%を超えると液晶組成物としての本来の性能が
劣化し、動作温度範囲が狭くなり易い等の問題が生じ易
くなる。この場合、包接化合物の含有量は2〜30重量
%が一層望ましいが、2重量%以上にすると他の条件を
変えないで応答時間を無添加の場合の値から10%以上
も減少でき、30重量%を超えるとコントラストが低下
しすぎることになる。
【0043】なお、上記包接化合物において、シクロデ
キストリンが部分メチル化されていることによってその
親水基を減少させているため、液晶分子と包接化合物を
形成し易いものと考えられる。また、シクロデキストリ
ン側(空洞側)に、液晶分子との親和性の良い官能基を
導入してもよい。また、包接化合物は非カイラル分子に
ついても上記と同様に形成することができる。
【0044】そして、上記包接化合物を形成するために
添加される物質は、上記のシクロデキストリン又はその
誘導体をはじめ、広い範囲から選択することができる。
【0045】また、図3に例示したカイラル分子は、カ
イラルスメクチックFLC分子として、コア部を構成す
るπ電子系の芳香族原子団の一方側(図3では右方側)
に2個の不斉炭素原子を有し、かつ、カルボニル基の如
き分子内自発分極を生じる極性基を有している。また、
上記芳香族原子団の他方側には種々のアルコキシ基が結
合されている。
【0046】このFLC分子は、芳香族基間が直接結合
されている芳香族化合物(C8LPS、C10LPS、
C10F、C12LPS等のビフェニル系)、又は、芳
香族基間がエステル結合で連結されている芳香族化合物
(FPB、FFBB、FNB等のエステル系)からな
る。本発明では、それらの両芳香族化合物の一種又は二
種(即ち、少なくとも一方)を使用又は併用することが
できる。その他、公知のカイラル分子を種々使用してよ
い。
【0047】使用可能なFLC分子において、特に、コ
ア核にフッ素原子を導入し、スメクチックA、スメクチ
ックC相以外の高次スメクチック相の出現を抑制し、か
つダイポール(ここではカルボニル基)の位置を考慮し
て自発分極を大きくできる。
【0048】他方、上記のカイラル分子と混合される図
4に示した非カイラル分子は、フェニルピリミジン系化
合物であるが、これ以外にも、フェニルピリジン系、フ
ェニルベンゾエート系等も使用可能である。
【0049】この非カイラル分子は不斉炭素原子を有し
てはいないが、カイラル分子と混合されることにより、
目的とする高速応答性等に優れた強誘電性液晶組成物を
提供できるのである。そして、フェニル基及びピリミジ
ン基からなるコア部と、この両側に結合されたアルキル
鎖部とを有している。
【0050】図9には、本発明に基づく強誘電性液晶組
成物を用いた単純マトリクス駆動方式のFLCディスプ
レイ(強誘電性液晶表示素子)が示されている。このセ
ル構造1によれば、ガラスなどの透明な基板2aの内面
上に、ITO(indium tin oxide:インジウムにスズを
ドープした導電性酸化物)などの透明電極3a、及び液
晶配向膜として高コントラスト良好なドメインを実現す
る例えばSiO斜方蒸着層4aを順次積層した積層体1
Aと;これと同様に、基板2bの内面上に、透明電極層
3b、例えばSiO斜方蒸着層4bを順次積層した積層
体1Bと;を、液晶配向膜である例えばSiO斜方蒸着
層4a、4bが互いに対向するように配し、所定のセル
ギャップdを実現するための粒状のスペーサ5を挟むこ
とにより液晶セルを構成し、そのセルギャップに強誘電
性液晶組成物6を注入し、周囲を接着剤7で封じた構造
を有している。
【0051】図10には、本発明に基づく液晶組成物を
用いたアクティブマトリクス駆動方式のツイステッドネ
マチック液晶ディスプレイが示されている。このセル構
造11によれば、ガラスなどの透明な基板12bの内面
上に、ITO(indium tin oxide:インジウムにスズを
ドープした導電性酸化物)などの透明電極13b及び液
晶配向膜として良好な配向性を実現する例えばポリイミ
ドラビング配向膜14bを順次積層した積層体11B
と;これと同様に、基板12aの内面上に透明電極層1
3b、例えばポリイミドラビング配向膜14aを順次積
層し、各画素にTFT(thin film transistor:薄膜ト
ランジスタ)20を形成した積層体11Aと;を、液晶
配向膜である例えばポリイミドラビング配向膜14a、
14bが互いに対向するように配し、所定のセルギャッ
プを実現するための粒状のスペーサ15を挟むことによ
り液晶セルを構成し、そのセルギャップに液晶組成物1
6を注入し、周囲を接着剤(図示せず)で封じた構造を
有している。
【0052】なお、TFTトランジスタ20は、ゲート
電極21、ゲート絶縁膜22、アモルファスシリコン層
23、ソース領域24及びドレイン領域25によって構
成され、各画素電極としての透明電極層13aに接続さ
れている。また、このトランジスタ20と配向膜14a
との間には、パッシベーション用の絶縁膜26が形成さ
れている(図中の30はストレージ用のキャパシタであ
る)。基板12bにおいては、透明電極層13の基板側
にパッシベーション用の絶縁膜27、カラーフィルタ層
28、ブラックマトリクス29が設けられている。
【0053】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例に基いて説明
する。
【0054】実施例1 (a)試薬:強誘電性液晶材料としては、図3に示した
ようなカイラル分子(例えばC8LPSとC10LP
S)を用いた。室温近傍で、スメクチックC* 相を示す
ように、図4に示した2種のフェニルピリミジン(1)
及び(2)とのブレンドを行った。部分化メチルβ−シ
クロデキストリン(PMCD)は、三楽(株)製のもの
をそのまま用いた。これを下記の要領でカイラル分子と
共に処理し、包接化合物を作成した。
【0055】(b)合成:包接化合物の合成は、常法に
従って行った。即ち、カイラル分子であるC8LPS又
はC10LPSと部分メチル化シクロデキストリン(P
MCD)とは、アセトンに0.01mol/l 溶解し、飽和
溶液とした。各溶液を当量ずつ混合し、5℃に一昼夜保
存した。無色透明な針状結晶(包接化合物)が析出し、
分離、乾燥処理を行った。
【0056】(c)同定:こうした包接化合物は、下記
の表3に示すデータにより同定された。例えばIRスペ
クトルの包接状態でのシフトは、包接格子へのフェニル
環の係合を示す。
【0057】
【0058】(d)ブレンド:包接したカイラル分子又
は包接していないカイラル分子の重量濃度が5%となる
ように、フェニルピリミジン(図4の2種(1)と
(2)を混合したもの)と混合し、強誘電性液晶組成物
を作成した。
【0059】この3成分系(カイラル分子はC10LP
S)の相系列及び相転移温度を図5に示す。これによれ
ば、Iso(液相)、N* (カイラルネマチック)、S
mA(スメクチックA)、SmC* (カイラルスメクチ
ック)、Cr(結晶)に至る系において、包接していな
い系と同等の変化を示し、強誘電性液晶組成物として要
求される物性を有していることが明らかである。
【0060】(e)デバイスの評価:公知の斜方蒸着装
置(EBX−14D)を用いてSiO配向膜を反平行に
形成した。即ち、SiO斜方蒸着膜を液晶配向膜とし、
傾斜ブックシェルフ構造を形成するために蒸着角度は基
板の法線に対して85度とし、膜厚600Åとなるよう
に水晶膜厚モニタを用いてコントロールした。このとき
の蒸着速度は5Å/秒とした。また、50nm厚のITO
電極(面抵抗100Ω)をスパッタ法で設けた透明基板
を使用した(セルギャップは1.6μm)。
【0061】そして、上記のようにして作製した液晶素
子(FLCディスプレイ)の性能を下記の如くに評価し
た。
【0062】(1)ラッチングパルスの温度依存性 強誘電性液晶の特徴は、液晶セルのギャップを小さくす
ることにより、基板界面との相互作用が液晶自身の螺旋
をほどく力となり、双安定モードを実現する(表面安定
化強誘電性液晶)。このモードにおいては、電圧とパル
ス幅との積がほぼ一定の条件を満たす制限内で、メモリ
効果がある。このメモリを発現させるために必要な最小
のパルス幅をラッチングパルス幅と呼ぶ。
【0063】図11及び図12にはそれぞれ、温度を変
化させたとき、(a)C10LPSでの包接の有無、
(b)C8LPSでの包接の有無の場合にラッチングパ
ルス幅の電圧を変化させたときのラッチングパルス幅の
温度変化を示す。
【0064】いずれの図でも、破線が包接をしていない
従来系、実線がカイラル分子を包接した系(本実施例)
での電圧ごとの温度依存性を示す。まず、図11及び図
12において、包接することにより、同じ印加電圧でも
ラッチングパルスが短くなっていることがわかる。それ
ぞれのラインの傾きは、小さい方が温度依存性が少ない
ことを示すので、C8LPS、C10LPSどちらの場
合にも、包接したカイラル分子を用いた場合の方が、温
度依存性は小さいという結果であった。
【0065】この結果をラッチングパルスの関係式: τ=η/Ps・E (但し、τは応答時間(ラッチングパルス幅に対応)、
ηは材料の粘度、Psは自発分極、Eは電界)に基いて
考察してみると、自発分極の温度依存性が大きければ同
じような結果を得ることになると考えられる。
【0066】しかし、図13に示すように、カイラル分
子のコーン角の温度依存性は大きくはなっているが、図
11及び図12の結果をサポートするほどの大きな変化
ではない。従って、層傾斜角の温度依存性は、自発分極
の大きな変化を引き起こすほどには大きく変化していな
いことを意味する。よって、図11及び図12の、包接
による温度変化の低減効果は、粘性の温度変化の低減に
よる寄与が主であると考えられる。
【0067】このように包接することにより系に生じた
ことは、フリーボリウム(自由体積)の増大により、分
子間の相互作用が弱まり、そのために粘性が低減化した
ことが考えられる。即ち、分子間の相互作用が弱まった
ことにより、隣接分子間の熱的な影響が薄まり、その結
果、粘性の温度依存性が小さくなったものと考えられ
る。この粘性とフリーボリウムとの関係については、
J. Appl. Phys. 22(1951)1471、23(1952)236 において
次式で示されている。
【0068】logη= logA+B(Vo/Vf) (但し、A及びBは液体によって異なる定数、Voは分
子の占有体積、Vfはフリーボリウム)
【0069】(2)しきい値電圧の温度依存性 しきい値電圧に関しては、強誘電性液晶の場合には、T
N液晶のようにきちんと定式化されていない。しかしな
がら、しきい値電圧は、粘性と電圧の関数であり、その
結果、ラッチングパルス幅と同様に温度依存性が大きい
ということになる。
【0070】結果を図14及び図15に示す。図14が
C8LPSをPMCDで包接したカイラル分子を用いた
系であり、図15が包接していない従来系である(図
中、「10−90」とは透過率が10%〜90%で変
化、「0−10」とは透過率が0%〜10%で変化する
場合を意味する)。
【0071】結果は、30℃、40℃、45℃と温度変
化させたときの電圧−透過率曲線を示す。明らかに、包
接することにより、しきい値電圧が低下し、同時にその
温度ドリフト(ヒステリシス)も小さくなっている。こ
れは、包接系においては、応答時間(τ)が低電圧で十
分となり、またコントラストが向上することを意味す
る。
【0072】こうした包接系でのしきい値電圧の安定性
は、図1に示した模式図から理解されるように、カイラ
ル分子のアルキル鎖が隣接カイラル分子間で絡み合おう
としても、シクロデキストリンによって阻止若しくは弱
められ、比較的自由にカイラル分子が回転できるからで
あると考えられる。
【0073】応答時間(τ)については、図16に示す
ように、包接系及び非包接系のいずれにおいても透過率
が0%〜10%の変化領域では応答時間に殆ど差がない
のに対して、透過率が10%〜90%の変化領域では包
接系での応答時間が著しく短く、かつ温度に対しても安
定していることが分かる。これは、透過率0%〜10%
では基板表面でのアンカリング及び分子の誘電率異方性
が作用しているのに比べて、透過率10%〜90%では
粘性によって大きく左右されることを示し、包接系での
粘性低下によって応答性が向上することを意味してい
る。
【0074】(3)バイアス安定性の増大効果 さらに、単純マトリクス駆動においては、避けて通るこ
とができない非選択時のバイアス電圧について、その安
定性が包接により向上することを確認した。結果を下記
の表4に示す。
【0075】
【0076】この結果によれば、非バイアス時のコント
ラストは、特にその効果が顕著なC8LPS系において
は、包接系の方がむしろ低いのに、バイアスを加えた時
のコントラストの低下は小さくなり、安定化への寄与が
大きいことが分かる。
【0077】また、ヒステリシスの測定も行った。ここ
で、「ヒステリシス」とは、印加電界の履歴によって透
過率が変化してしまう現象であり、通常、焼き付きのよ
うな結果として現れる。ヒステリシスの測定は、昇圧・
降圧時の透過率カーブを図14、図15のように描き、
透過率50%のときの電圧差で行った。結果を下記の表
5にまとめて示す。
【0078】
【0079】この結果は、ヒステリシス幅が包接系の方
が明らかに小さいことを示す。
【0080】以上の各結果から、液晶分子を包接するこ
とにより、フリーボリウムを増大させることができ、そ
の結果、高速応答性、温度依存性の低減化、ヒステリシ
ス(焼き付き)の低減化、高コントラスト化を可能にし
た。
【0081】次に、上記のFLC液晶分子(C8LP
S)の包接化合物について、ベース液晶への添加濃度を
変化させたとき、図17(ラッチングパルス幅)及び図
18(コントラスト)に示す如き結果が得られた。
【0082】図17の結果によれば、上記添加濃度が
0.1wt%未満では、包接化合物の効果(分子の自由体
積の増大効果)が乏しく、ラッチングパルス幅が大きく
なり易い。これに対し、実際に0.1wt%混ぜた際に
は、パルス幅が短くなり、パルス幅が820μsec から
740μsec へと変化した。そして、0.1wt%以上と
すれば、パルス幅がずっと減少し、2wt%になれば、約
40%も短くなる(820μsec から500μsec へ変
化する)ことが分かる。これを、特殊材料を用いず、か
つ他の特性(温度特性等)に影響を与えずに実現できる
ので、実用的には有利である。
【0083】他方、上記添加濃度が50wt%を超える
と、図18のようにコントラスト(CR)が10:1未
満とかなり小さくなってしまう。FLCの本来の性能が
劣化し、動作温度範囲が狭くなり易い。従って、上記添
加濃度を50wt%以下とすることによってコントラスト
を10:1以上にし、特に30wt%以下ではコントラス
トが30:1以上と高くすることができる。
【0084】上記の結果から、上記添加濃度は高速動作
性とコントラストの点で0.1〜50wt%がよく、2〜
30wt%が更によいことが分かる。
【0085】実施例2 (a)試薬 液晶材料としては、図7に示したような液晶分子(1)
又は(2)を用いた。誘電率異方性を上げるための公知
のシアノ系化合物及びフッ素系化合物(ベース液晶)と
のブレンドを行った。部分化メチルβ−シクロデキスト
リン(PMCD)は、三楽(株)製のものをそのまま用
いた。これを下記の要領で液晶分子と共に処理し、包接
化合物を作製した。
【0086】(b)合成:包接化合物の合成は、定法に
従って行った。即ち、図7に示した液晶分子であるフェ
ニルピリミジン系液晶分子(1)又は(2)と部分メチ
ル化シクロデキストリン(PMCD)とをそれぞれ、ア
セトンに0.01mol/l 溶解し、飽和溶液とした。各溶
液を当量ずつ混合し、5℃に一昼夜保存した。無色透明
な針状結晶(包接化合物)が析出し、分離、乾燥処理を
行った。
【0087】(c)同定:このような包接化合物は、下
記の表6に示すデータにより同定された。例えば、フェ
ニル環のIRスペクトルが包接状態では若干シフトして
いることによって、PMCDの包接格子に対してフェニ
ル環が係合していることが分かる。
【0088】
【0089】(d)ブレンド このようにして包接した液晶分子、または包接していな
い液晶分子の重量濃度が5%となるように、それぞれを
ベース液晶(相転移温度を下記の表7に示す)と混合
し、液晶組成物を作製した。
【0090】
【0091】この3成分系(フェニルピリミジン系液晶
分子(1))の相系列及び相転移温度を図8に示す。こ
れによれば、Iso(液相)、N(ネマチック相)、C
r(結晶)に至る系において、包接していない系と同等
の変化を示し、ネマチック液晶組成物として要求される
物性を有していることが明らかである。
【0092】(e)デバイスの評価:日本合成ゴム社製
のポリイミドAL1524H(固形分19wt%)を用い
て、ラビング配向膜を平行に形成した。即ち、ポリイミ
ドラビング膜を液晶配向膜とし、50nm厚のITO電極
(面抵抗100Ω)をスパッタ法で設けた透明基板上
に、スピンコート条件:1000rpm で4秒、3500
rpm で30秒で80nmになるように塗布した後、50
℃、20分、180℃、120分で焼成した。その後、
0.12mmの押し込み量、ローラーの回転数94rpm 、
ステージ速度25×2mm/分で1回ラビングを行った
(セルギャップは3.5μm)。
【0093】そして、上記のようにして作製した液晶素
子の応答速度を図19のように、立ち上がり時間(τo
n)、立ち下がり時間(τoff)として70℃にて評価し
た。その結果、下記の表8に示す如く、包接化合物を含
む系は応答速度に関して格段の改良が見られた。
【0094】
【表1】
【0095】このように、包接することにより系に生じ
たことは、フリーボリウム(自由体積)の増大により、
分子間の相互作用が弱まり、そのために粘性が低減化し
たことが考えられる。即ち、分子間の相互作用が弱まっ
たことにより、隣接分子間の熱的な影響が薄まり、その
結果、粘性の温度依存性が小さくなったものと考えられ
る(この粘性とフリーボリウムとの関係については、前
述した文献を参照)。
【0096】次に、上記の液晶分子(1)の包接化合物
について、ベース液晶への添加濃度を変化させたとき、
図20(応答時間)及び図21(コントラスト)に示す
如き結果が得られた。
【0097】図20の結果によれば、上記添加濃度が
0.1wt%未満では、包接化合物の効果(分子自由体積
の増大効果)が乏しく、応答速度(τon+τoff)が遅く
なり易い。これに対し、実際に0.1wt%混ぜた際に
は、応答速度が速くなり、66msから65msへと変化す
るという効果が見られた。そして、0.1wt%以上とす
れば、応答速度がずっと減少し、2wt%になれば、約1
0%も速くなる(66msから60msへと変化する)こと
が分かる。これを特殊な材料を用いず、かつ他の特性
(温度特性等)に影響を与えずに実現できるので、有利
である。
【0098】他方、上記添加濃度が50wt%を超える
と、図21のようにコントラスト(CR)が10:1未
満とかなり小さくなってしまう。従って、上記添加濃度
を50wt%以下とすることによってコントラストを1
0:1以上にし、特に30wt%以下ではコントラストが
30:1以上と高くすることができる。
【0099】上記の結果から、上記添加濃度は高速動作
性とコントラストの点で0.1〜50wt%がよく、2〜
30wt%が更によいことが分かる。
【0100】以上、本発明を例示したが、上述の例は本
発明の技術的思想に基づいて更に変形が可能である。
【0101】例えば、上述の包接化合物を形成する分子
としては、シクロデキストリン又はその誘導体に限るこ
とはなく、クラウンエーテル類、シクロファン又はその
誘導体や、その他にも液晶分子と分子レベルでの包接化
合物を形成するものであるならば採用可能である。
【0102】なお、本発明による液晶組成物は、高速応
答性、高密度表示が可能な高速光学シャッターや表示情
報量の多いディスプレイ装置に好適である。更に、例え
ば強誘電性液晶素子を利用した空間光変調器等のような
オプトエレクトロニクスデバイスや画像処理用デバイス
にも有望である。
【0103】
【発明の作用効果】本発明は、上述した如く、構成分子
の自由体積を増大させるための物質が添加されている液
晶組成物としたので、液晶組成物の本来の性能を生かし
つつ、比較的容易に添加物質を選択して分子間のフリー
ボリウムを効果的に増大させ、その結果、分子間の相互
作用を弱める方向に働き、液晶の応答速度を支配する粘
性を低減する効果を有し、高速応答化を可能にした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく強誘電性液晶組成物に含有され
る包接化合物の一例を示す模式図である。
【図2】同包接化合物を形成するためのシクロデキスト
リンとその誘導体の模式図である。
【図3】カイラルな液晶分子を例示した各構造式であ
る。
【図4】非カイラルなベース材料を例示した各構造式で
ある。
【図5】強誘電性液晶組成物の相系列と相転移温度を示
す系列図である。
【図6】本発明に基づく他の液晶組成物に含有される包
接化合物の一例を示す模式図である。
【図7】包接可能な液晶分子を例示した各構造式であ
る。
【図8】液晶組成物の相系列と相転移温度を示す系列図
である。
【図9】強誘電性液晶組成物を用いたデバイス(液晶表
示素子)の概略断面図である。
【図10】他の液晶組成物を用いたデバイス(液晶表示
素子)の概略断面図である。
【図11】強誘電性液晶組成物を用いたデバイスのラッ
チングパルス幅の温度依存性を示すグラフである。
【図12】強誘電性液晶組成物の他種を用いたデバイス
のラッチングパルス幅の温度依存性を示すグラフであ
る。
【図13】強誘電性液晶組成物のカイラル分子のコーン
角の温度依存性を示すグラフである。
【図14】本発明に基づく強誘電性液晶組成物を用いた
デバイスの光透過率の電圧依存性を示すグラフである。
【図15】従来の強誘電性液晶組成物を用いたデバイス
の光透過率の電圧依存性を示すグラフである。
【図16】強誘電性液晶組成物を用いたデバイスの応答
時間の温度依存性を示すグラフである。
【図17】同強誘電性液晶組成物において包接化合物の
添加濃度によるラッチングパルス幅の変化を示すグラフ
である。
【図18】同強誘電性液晶組成物において包接化合物の
添加濃度によるコントラストの変化を示すグラフであ
る。
【図19】他の液晶組成物を用いたデバイスの評価用の
駆動波形及び光透過率変化を示す図である。
【図20】同液晶組成物において包接化合物の添加濃度
による応答時間の変化を示すグラフである。
【図21】同液晶組成物において包接化合物の添加濃度
によるコントラストの変化を示すグラフである。
【符号の説明】 1、11…液晶表示素子、2a、2b、12a、12b
…基板、3a、3b、13a、13b…透明電極層、4
a、4b、14a、14b…液晶配向膜、6、16…強
誘電性液晶組成物、20…TFTトランジスタ

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構成分子の自由体積を増大させるための
    物質が添加されている液晶組成物。
  2. 【請求項2】 液晶分子が前記物質と包接化合物をなし
    ている、請求項1に記載した液晶組成物。
  3. 【請求項3】 カイラル分子と非カイラル分子とからな
    る強誘電性液晶組成物が用いられるとき、前記カイラル
    分子及び/又は前記非カイラル分子が前記物質と包接化
    合物をなしており、ネマチック液晶が用いられるとき、
    その液晶分子が前記物質と包接化合物をなしている、請
    求項2に記載した液晶組成物。
  4. 【請求項4】 液晶分子の長軸に沿う前記液晶分子のア
    ルキル鎖の長さが、前記長軸に沿う前記物質の長さより
    も長い、請求項2に記載した液晶組成物。
  5. 【請求項5】 前記アルキル鎖が前記物質による包接格
    子の一方側開口から露出し、その他方側開口に前記液晶
    分子の芳香環の少なくとも一部分が位置している、請求
    項4に記載した液晶組成物。
  6. 【請求項6】 前記包接化合物を形成するために、シク
    ロデキストリン類、クラウンエーテル類、シクロファン
    類及びこれらの誘導体からなる群より選ばれた少なくと
    も1種が添加されている、請求項2又は4に記載した液
    晶組成物。
  7. 【請求項7】 前記包接化合物が0.1〜50重量%含
    有されている、請求項2に記載した液晶組成物。
  8. 【請求項8】 液晶組成物の構成分子の自由体積を増大
    させるための物質と前記構成分子とを溶解させ、この溶
    液から前記構成分子と前記物質との化合物を得、この化
    合物を含有させるようにした、液晶組成物の製造方法。
  9. 【請求項9】 液晶分子と前記物質とによる包接化合物
    を得る、請求項8に記載した、液晶組成物の製造方法。
  10. 【請求項10】 カイラル分子と非カイラル分子とから
    なる強誘電性液晶組成物を製造するに際しては、前記カ
    イラル分子及び/又は前記非カイラル分子との包接化合
    物を形成するための物質を添加し、ネマチック液晶組成
    物を製造するに際しては、その液晶分子との包接化合物
    を形成するための物質を添加し、得られた前記包接化合
    物を含有させる、請求項9に記載した、液晶組成物の製
    造方法。
  11. 【請求項11】 前記液晶分子の長軸に沿う前記物質の
    長さよりも前記長軸に沿う長さが長いアルキル鎖を有す
    る前記液晶分子と、前記物質とを溶解させ、この溶液か
    ら前記包接化合物を得る、請求項9に記載した、液晶組
    成物の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記アルキル鎖が前記物質による包接
    格子の一方側開口から露出し、その他方側開口に前記液
    晶分子の芳香環の少なくとも一部分が位置している、請
    求項11に記載した、液晶組成物の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記包接化合物を形成するために、シ
    クロデキストリン類、クラウンエーテル類、シクロファ
    ン類及びこれらの誘導体からなる群より選ばれた少なく
    とも1種を添加する、請求項9又は11に記載した、液
    晶組成物の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記包接化合物を0.1〜50重量%
    含有させる、請求項9に記載した、液晶組成物の製造方
    法。
  15. 【請求項15】 構成分子の自由体積を増大させるため
    の物質が添加されている液晶組成物が一対の基体間に配
    されている液晶素子。
  16. 【請求項16】 電極及び液晶配向制御層をこの順に設
    けた前記一対の基体が所定の間隙を置いて対向配置さ
    れ、前記液晶組成物が前記間隙内に配されている、請求
    項15に記載した液晶素子。
  17. 【請求項17】 液晶分子が前記物質と包接化合物をな
    している、請求項15に記載した液晶素子。
  18. 【請求項18】 カイラル分子と非カイラル分子とから
    なる強誘電性液晶組成物が用いられるとき、前記カイラ
    ル分子及び/又は前記非カイラル分子が前記物質と包接
    化合物をなしており、ネマチック液晶が用いられると
    き、その液晶分子が前記物質と包接化合物をなしてい
    る、請求項17に記載した液晶素子。
  19. 【請求項19】 液晶分子の長軸に沿う前記液晶分子の
    アルキル鎖の長さが、前記長軸に沿う前記物質の長さよ
    りも長い、請求項17に記載した液晶素子。
  20. 【請求項20】 前記アルキル鎖が前記物質による包接
    格子の一方側開口から露出し、その他方側開口に前記液
    晶分子の芳香環の少なくとも一部分が位置している、請
    求項19に記載した液晶素子。
  21. 【請求項21】 前記包接化合物を形成するために、シ
    クロデキストリン類、クラウンエーテル類、シクロファ
    ン類及びこれらの誘導体からなる群より選ばれた少なく
    とも1種が添加されている、請求項17又は19に記載
    した液晶素子。
  22. 【請求項22】 前記包接化合物が0.1〜50重量%
    含有されている、請求項17に記載した液晶素子。
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