JPH1036873A - 冷凍機油組成物 - Google Patents

冷凍機油組成物

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JPH1036873A
JPH1036873A JP21529596A JP21529596A JPH1036873A JP H1036873 A JPH1036873 A JP H1036873A JP 21529596 A JP21529596 A JP 21529596A JP 21529596 A JP21529596 A JP 21529596A JP H1036873 A JPH1036873 A JP H1036873A
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JP
Japan
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cyclic
carbon atoms
ketal
refrigerating machine
base oil
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JP21529596A
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English (en)
Inventor
Masayoshi Muraki
正芳 村木
Kazuo Tagawa
一生 田川
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Eneos Corp
Original Assignee
Mitsubishi Oil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】環状ケタールや環状アセタールの劣化によるス
ラッジの生成を抑制して長期間にわたる使用が可能であ
るHFC系冷媒対応の冷凍機油を提供することにある。 【解決手段】4価以上10価以下の価数が偶数である多
価アルコールの1種以上と、特定のカルボニル化合物又
はその反応性誘導体であるケタールもしくはアセタール
の1種以上とから得られる環状ケタールあるいは環状ア
セタールを基油とし、これに下記a.b.いずれか1つ
を配合してなる、ハイドロフルオロカーボンを冷媒とす
る圧縮機用の冷凍機油組成物。 a.アルキルホスフォロチオネート及び/又はアリール
ホスフォロチオネート b.アルキルホスフォロチオネート及び/又はアリール
ホスフォロチオネートとエポキシ化合物

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハイドロフルオロ
カーボン(HFC)を冷媒とする圧縮機に使用する冷凍
機油組成物に関する。更に詳しくは、特定の環状ケター
ルあるいは環状アセタールを基油とし、スラッジの生成
を抑制し、潤滑性不足のない冷凍機油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
1.冷凍機油の一般要求性能 冷凍機の圧縮機の主なタイプとしては、潤滑条件の厳し
い順に並べるとロータリ型、スクロール型、レシプロ型
がある。これらの圧縮機を用いた冷凍機油に要求される
一般性能として重要なものは、熱及び化学的安定性、低
温流動性、使用冷媒との相溶性に加えて耐摩耗性、耐荷
重能である。
【0003】冷凍機油には、圧縮機摺動部の摩耗防止や
冷却、冷媒ガス圧縮工程における高圧・低圧部のシー
ル、摩耗粉や異物の除去などの役割がある。このため、
冷凍機油の性能としては、優れた耐摩耗性、耐荷重能な
どの潤滑性とともに、使用冷媒や電気絶縁材、金属など
の機材との共存下において、熱・化学的安定性が高く、
機材への影響のないものが求められる。また、冷凍機油
の一部は、圧縮された冷媒ガスに混入し、冷媒と共に冷
凍機の系内を循環して、毛細管あるいは膨張弁を経て蒸
発器に流入する。蒸発器から圧縮機への油戻りを良くす
るために、更には、低温再起動時の圧縮機摺動部への給
油などのために、低温流動性と、使用冷媒との高い相溶
性が冷凍機油に求められる。
【0004】レシプロ型やスクロール型の圧縮機には、
耐摩耗性よりも熱及び化学安定性が重視される。これに
対して、ロータリ型の圧縮機には、レシプロ型やスクロ
ール型の圧縮機よりも過酷な潤滑条件下で使用されるた
め、熱及び化学的安定性に加えて、より高い耐摩耗性、
耐荷重能が要求されている。
【0005】2.使用冷媒と冷凍機油の関係 冷凍機の圧縮機に使用される冷媒としては、従来、クロ
ロフルオロカーボン(CFC)系冷媒とハイドロクロロ
フルオロカーボン(HCFC)系冷媒が単独又は混合し
て用いられている。これらの冷媒は、いずれも極性が低
いため、無極性である炭化水素系油(鉱油、アルキルベ
ンゼン、ポリーαーオレフィン等)との相溶性が良い。
また、これらの冷媒は、分子中に塩素原子を持つ含塩素
系冷媒である。この塩素原子が圧縮機の摺動面上で摺動
材と反応して、潤滑剤となる塩化物が生成する。これに
加えて、炭化水素系油は潤滑性が良好である。
【0006】このため、クロロフルオロカーボン(CF
C)系冷媒やハイドロクロロフルオロカーボン(HCF
C)系冷媒を使用する冷凍機には、適度に精製したナフ
テン系鉱油、パラフィン系鉱油、アルキルベンゼン、ポ
リーαーオレフィンなどの炭化水素系油を単独又は混合
した基油に、酸化防止剤、摩耗防止剤、腐食防止剤など
を微量添加した冷凍機油が一般に使用されている。
【0007】ところで、含塩素系冷媒によって成層圏の
オゾン層が破壊されるとの学説が発表されて以来、地球
環境の保護のために、国際的にCFC系冷媒とHCFC
系冷媒の生産規制が計画され、分子内に塩素原子を持た
ない代替品の検討が進められている。例えば、HCFC
−22(R−22)の代替品としては、HFC−134
a、HFC−143a、HFC−125、HFC−32
などのハイドロフルオロカーボン(HFC)系冷媒を混
合したHFC系冷媒の採用が見込まれている。
【0008】しかし、HFC系冷媒は、いずれもCFC
系冷媒やHCFC系冷媒より極性が高いため、炭化水素
系油との相溶性が悪い。また、HFC系冷媒は、分子中
に塩素原子を持たないため、摩耗防止性が低い。従っ
て、従来のCFC系冷媒又はHCFC系冷媒を使用する
冷凍機に対する潤滑油技術では、新冷媒であるHFC系
冷媒を使用する冷凍機への対応が困難である。このた
め、HFC系冷媒に適した冷凍機油の開発が強く要請さ
れている。
【0009】3.HFC系冷媒対応冷凍機油の従来技術 HFC系冷媒を使用する冷凍機の潤滑油としては、これ
まで、ポリエーテル系合成油、エステル系合成油など、
HFC系冷媒と相溶性のある含酸素系合成油が検討され
ている。ポリエーテル系合成油は、分子内のエーテル結
合が熱的に弱いため、安定性の面が懸念されている。エ
ステル系合成油は、ポリエーテル系合成油に比べて、電
気絶縁性、高温域における冷媒との相溶性が優れ、吸湿
性が低いなどの特長がある。しかし、エステルは、水分
を含むと加水分解を起こしてカルボン酸を生成し、生成
したカルボン酸が金属を腐食し、摩耗を引き起こすこと
が懸念されている。
【0010】加水分解等によるカルボン酸が生成しない
構造の物質としては、環状ケタールや環状アセタールが
知られている。環状ケタールや環状アセタールの用途と
しては、従来、有機溶剤や、インク、塗料などの溶剤、
添加剤、あるいはゲル化剤、ポリマー原料、冷凍機油の
脱水剤が知られている。環状ケタールや環状アセタール
を冷凍機作動流体に用いるものとしては、特開平4−3
20498号、特開平6−57243号がある。上記の
特開平4−320498号には、1価アルコール又は2
価アルコールとケトン又はアルデヒドから得られるケタ
ールあるいはアセタールを、エステル又はポリアルキレ
ングリコール系の合成潤滑油に配合して用いることが開
示されている。このアセタール、ケタールは、分子量が
小さく、沸点、引火点が低い欠点がある。上記の特開平
6−57243号には、分子内にケタール又はアセター
ル基を含有したグリセリン、トリメチロールエタン、ト
リメチロールプロパン、ペンタエリスリトールのエステ
ルやカーボネートの誘導体が開示されているが、具体的
に示されているものは分子内にエーテル結合が2個以上
含まれており、電機絶縁性の向上が充分でないという欠
点がある。従来の環状ケタールや環状アセタールには、
融点、安定性、ゲル化、粘度等に問題があった他、高温
となる圧縮機内で特有の粘度低下を引き起こすという欠
点があったため、冷凍機油の用途には適していなかっ
た。
【0011】ところで、国際公開(WO) 96/06
839(国際公開日:1996年3月7日)には、特定
の構造を有する環状ケタールあるいは環状アセタールを
基油とする合成潤滑油、およびこの合成潤滑油を用いた
冷凍機作動流体組成物が開示されている。WO 96/
06839に開示された環状ケタールあるいは環状アセ
タールは、加水分解等によるカルボン酸が生成しないと
いう環状ケタールあるいは環状アセタールの特長を生か
し、しかも、電気絶縁性、高温域におけるHFC系冷媒
との相溶性に優れている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】HFC系冷媒は、分子
中に塩素原子を持たないため、HFC系冷媒を使用する
圧縮機は潤滑性不足となる。特に、ロータリ圧縮機は、
レシプロ圧縮機やスクロール圧縮機よりも過酷な潤滑条
件下で使用されるために、より高い耐摩耗性及び熱・化
学的安定性を有する冷凍機油が求められている。また、
環状ケタールや環状アセタールは、劣化するとスラッジ
の生成要因となる他、これを基油とする潤滑油に適切な
添加剤を選択しないと潤滑性不足となる。
【0013】本発明の第1の目的は、環状ケタールや環
状アセタールの劣化によるスラッジの生成を抑制して長
期間にわたる使用が可能であるHFC系冷媒対応の冷凍
機油を提供することにある。
【0014】本発明の第2の目的は、HFC系冷媒を使
用する圧縮機専用の潤滑油として、熱・化学的安定性、
耐摩耗性、耐荷重能、HFC系冷媒との相溶性に優れた
性能を有すると共に、環状ケタールや環状アセタールの
劣化によるスラッジの生成を抑制して長期間にわたる使
用が可能であり、しかもロータリ圧縮機にも十分対応で
きる冷凍機油を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のW
O 96/06839に開示された、特定の環状ケター
ルや環状アセタールを基油として用い、スラッジの生成
と潤滑性不足を解決するために、これらに適合する添加
剤を多種類の添加剤の中から探索した。そして、実験と
検討を重ねた結果、上記環状ケタールやアセタールに適
合する添加剤の組合せ及びその最適配合割合を見出だし
て、潤滑条件の厳しいロータリ圧縮機についても対応可
能な本発明を完成することに成功した。
【0016】本発明は、ハイドロフルオロカーボンを冷
媒とする圧縮機用の冷凍機油組成物である。ハイドロフ
ルオロカーボンは、単独でも、あるいはこれらを混合し
た混合冷媒でも差し支えない。本発明の構成は下記のと
おりである。 1.4価以上10価以下の価数が偶数である多価アルコ
ールの1種以上と、下記一般式(1)で表されるカルボ
ニル化合物又はその反応性誘導体であるケタールもしく
はアセタールの1種以上とから得られる環状ケタールあ
るいは環状アセタールを基油とし、これに下記a.b.
いずれか1つを配合してなる、ハイドロフルオロカーボ
ンを冷媒とする圧縮機用の冷凍機油組成物。
【0017】a.アルキルホスフォロチオネート及び/
又はアリールホスフォロチオネート b.アルキルホスフォロチオネート及び/又はアリール
ホスフォロチオネートとエポキシ化合物
【0018】
【化4】
【0019】(式中、Rは、水素原子又は炭素数1〜
18の直鎖、分岐のアルキル基、もしくは環状の飽和炭
化水素を示す。Rは、炭素数1〜18の直鎖、分岐の
アルキル基、もしくは環状の飽和炭化水素を示す。ある
いは、RとRは、これらが結合している炭素原子と
一緒になって飽和炭化水素環を形成する、炭素数2〜3
6のアルキレン基を示す。) 2.4価以上10価以下の価数が偶数である多価アルコ
ールの1種以上と、上記一般式(1)で表されるカルボ
ニル化合物又はその反応性誘導体であるケタールもしく
はアセタールの1種以上とから得られる環状ケタールあ
るいは環状アセタールを基油とし、これにエポキシ化合
物を配合してなる、ハイドロフルオロカーボンを冷媒と
する圧縮機用の冷凍機油組成物。
【0020】3.請求項1に記載の潤滑油組成物の内、
基油にアルキルホスフォロチオネート及び/又はアリー
ルホスフォロチオネートを配合してなる場合に、基油に
対して、アルキルホスフォロチオネート及び/又はアリ
ールホスフォロチオネートを0.5〜5.0質量%配合
することを特徴とする、請求項1記載の冷凍機油組成
物。
【0021】4.請求項1に記載の潤滑油組成物の内、
基油にアルキルホスフォロチオネート及び/又はアリー
ルホスフォロチオネートとエポキシ化合物を配合してな
る場合に、基油に対して、アルキルホスフォロチオネー
ト及び/又はアリールホスフォロチオネートを0.5〜
10.0質量%、エポキシ化合物を0.05〜3.0質
量%配合することを特徴とする、請求項1記載の冷凍機
油組成物。
【0022】5.エポキシ化合物を、基油に対して、
0.05〜3.0質量%配合することを特徴とする、請
求項2記載の冷凍機油組成物。
【0023】6.基油に、4価以上8価以下の価数が偶
数である多価アルコールの1種以上と、下記一般式
(2)で表されるカルボニル化合物又はその反応性誘導
体であるケタールもしくはアセタールの1種以上とから
得られる環状ケタールあるいは環状アセタールを含有す
ることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の
冷凍機油組成物。
【0024】
【化5】
【0025】(式中、Rは、水素原子又は炭素数1〜
12の直鎖、分岐のアルキル基、もしくは環状の飽和炭
化水素を示す。Rは炭素数1〜12の直鎖、分岐のア
ルキル基、もしくは環状の飽和炭化水素を示す。あるい
は、RとRは、これらが結合している炭素原子と一
緒になって飽和炭化水素環を形成する、炭素数2〜13
のアルキレン基を示す。RとRの合計炭素数は1〜
13である。) 7.基油に、下記一般式(3)又は(4)で表される環
状ケタールあるいは環状アセタールを含有することを特
徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の冷凍機油組
成物。
【0026】
【化6】
【0027】(上記各式中、Rは水素原子を示し、そ
の場合、Rは炭素数3の分岐アルキル基、又は炭素数
4〜21の直鎖もしくは分岐のアルキル基を示す。ある
いは、Rは、炭素数1〜21の直鎖もしくは分岐のア
ルキル基を示し、その場合、Rは炭素数2〜21の直
鎖もしくは分岐のアルキル基を示す。)
【0028】
【発明の実施の形態】
1.基油 本発明は、基油として下記の環状ケタールあるいは環状
アセタールを用いる。 a.4価以上10価以下の価数が偶数である多価アルコ
ールの1種以上と、下記一般式(1)で表されるカルボ
ニル化合物又はその反応性誘導体であるケタールもしく
はアセタールの1種以上とから得られる環状ケタールあ
るいは環状アセタール。
【0029】
【化7】
【0030】(式中、Rは、水素原子又は炭素数1〜
18の直鎖、分岐のアルキル基、もしくは環状の飽和炭
化水素を示す。Rは、炭素数1〜18の直鎖、分岐
のアルキル基、もしくは環状の飽和炭化水素を示す。あ
るいは、RとRは、これらが結合している炭素原子
と一緒になって飽和炭化水素環を形成する、炭素数2〜
36のアルキレン基を示す。) 多価アルコールの価数が10価より大きいと、得られる
環状ケタールあるいは環状アセタールの粘度が高くなり
過ぎる。一方、多価アルコールの価数が4価より小さい
と、沸点、引火点が低くなり好ましくない。なお、多価
アルコールの価数が奇数の場合は、未反応の水酸基が残
り、粘度が高くなる他、HFC系冷媒との相溶性が悪く
なるため好ましくない。
【0031】上記一般式(1)で示されるケトンやアル
デヒドの炭素数は2〜37であるが、炭素数が37を超
えると、得られる環状ケタールあるいは環状アセタール
の粘度が高くなり過ぎるため好ましくない。R1 あるい
はR2 の炭素数が18を超える場合や、R1 とR2 がこ
れらと結合している炭素原子と一緒になって飽和炭化水
素環を形成するアルキレン基の炭素数が36を超える場
合は、得られる環状ケタールあるいは環状アセタールの
粘度が高くなり過ぎるため好ましくない。
【0032】上記の多価アルコールは、価数が4価、6
価、8価が好ましい。この場合の環状ケタールもしくは
環状アセタールは次のとおりである。 b.4価以上8価以下の価数が偶数である多価アルコー
ルの1種以上と、下記一般式(2)で表されるカルボニ
ル化合物又はその反応性誘導体であるケタールもしくは
アセタールの1種以上とから得られる環状ケタールある
いは環状アセタール。
【0033】
【化8】
【0034】(式中、Rは、水素原子又は炭素数1〜
12の直鎖、分岐のアルキル基、もしくは環状の飽和炭
化水素を示す。Rは炭素数1〜12の直鎖、分岐のア
ルキル基、もしくは環状の飽和炭化水素を示す。あるい
は、RとRは、これらが結合している炭素原子と一
緒になって飽和炭化水素環を形成する、炭素数2〜13
のアルキレン基を示す。RとRの合計炭素数は1〜
13である。) 上記b.の多価アルコールは、粘度、沸点、引火点の点
から、価数が4価又は6価がより好ましい。
【0035】上記一般式(2)で示されるケトンやアル
デヒドの炭素数は2〜25であるが、炭素数が25を超
えると、得られる環状ケタールあるいは環状アセタール
のHFC系冷媒との相溶性が低下することがある。R3
あるいはR4 の炭素数が12を超える場合や、R3 とR
4 がこれらと結合している炭素原子と一緒になって飽和
炭化水素環を形成するアルキレン基の炭素数が13を超
える場合は、得られる環状ケタールあるいは環状アセタ
ールのHFC系冷媒との相溶性が低下することがある。
【0036】上記a.又はb.の多価アルコールは、炭
素数が4〜25のものである。炭素数が25を超える
と、得られる環状ケタールあるいは環状アセタールの粘
度が高くなり過ぎるため好ましくない。一方、炭素数が
4より小さいと、沸点、引火点が低くなり好ましくな
い。
【0037】上記a.又はb.の多価アルコールは、飽
和脂肪族アルコールである。不飽和結合を持つと、熱安
定性が悪くなるので好ましくない。上記a.又はb.の
多価アルコールは、良好な電気絶縁性を持つという観点
から、分子内にエーテル結合を持たないものか、エーテ
ル結合が1つのものが好ましい。エーテル結合を2つ以
上持つと電気絶縁性が悪くなる。
【0038】更に、電気絶縁性を高くするという観点か
ら、分子内にエーテル結合を持たない環状ケタールある
いは環状アセタールや、エーテル結合を1つ持つ環状ケ
タールあるいは環状アセタールは、1,3−ジオキソラ
ン構造及び/又は1,3−ジオキサン構造を含むもので
あることが好ましく、例えば、次の一般式で表されるも
のが挙げられる。
【0039】
【化9】
【0040】
【化10】
【0041】(上記(5)〜(10)の各式中、R
3 は、水素原子又は炭素数1〜12の直鎖、分岐のアル
キル基、もしくは環状の飽和炭化水素を示す。R4 は、
炭素数1〜12の直鎖、分岐のアルキル基、もしくは環
状の飽和炭化水素を示す。あるいは、R3 とR4 は、こ
れらが結合している炭素原子と一緒になって飽和炭化水
素環を形成する、炭素数2〜13のアルキレン基を示
す。R3 とR4 の合計炭素数は1〜13である。) なお、上記a.及びb.のカルボニル化合物の反応性誘
導体としては、上記一般式(1)又は(2)で表される
カルボニル化合物(ケトン、アルデヒド)と炭素数1〜
6の低級アルコールから酸触媒によって合成されるケタ
ール、アセタールが挙げられる。
【0042】c.下記一般式(3)又は(4)で表され
る環状ケタールあるいは環状アセタール。
【0043】
【化11】
【0044】(上記(3)、(4)の各式中、R5 は水
素原子を示し、その場合、R6 は炭素数3の分岐アルキ
ル基、又は炭素数4〜21の直鎖もしくは分岐のアルキ
ル基を示す。あるいは、R5 は、炭素数1〜21の直鎖
もしくは分岐のアルキル基を示し、その場合、R6 は炭
素数2〜21の直鎖もしくは分岐のアルキル基を示
す。) 上記一般式(3)又は(4)で表される環状ケタールあ
るいは環状アセタールは、前記一般式(5)、(6)で
表される環状ケタールあるいは環状アセタールを包含す
る化合物である。
【0045】上記一般式(3)又は(4)において、R
5 が水素原子でR6 が炭素数3の分岐アルキル基又は炭
素数4〜12の直鎖もしくは分岐のアルキル基、または
5が炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐のアルキル基
でR6 が炭素数2〜12の直鎖もしくは分岐のアルキル
基であることが好ましい。
【0046】上記一般式(3)又は(4)において、R
5 が水素原子でR6 が炭素数3の分岐アルキル基又は炭
素数3〜12の分岐アルキル基、またはR5 が炭素数1
〜12の直鎖もしくは分岐のアルキル基で、R6 が炭素
数2〜12の直鎖もしくは分岐のアルキル基であること
が、より好ましい。
【0047】上記の一般式(2)〜(10)で表される
環状ケタールあるいは環状アセタールは、通常、各一般
式で表される環状ケタールあるいは環状アセタールの全
部又は一部の混合物として得られる。
【0048】本発明で用いる環状ケタールあるいは環状
アセタールは、通常、粘度5〜150mm2/s(40
℃)の範囲で、酸価1mgKOH/g以下、水分500
ppm以下のものが使用できる。熱安定性に影響する不
純物、混入物、水分を除くため、蒸留、濾過し、吸着
剤、脱水剤で処理した、粘度5〜150mm2/s(4
0℃)、酸価0.01mgKOH/g以下、水分100
ppm以下のものが好ましい。
【0049】本発明で用いる環状ケタールあるいは環状
アセタールについては、前記WO96/06839に開
示された技術を参照することができる。
【0050】なお、含塩素系冷媒(CFC系冷媒、HC
FC系冷媒)に使用されているナフテン系鉱油、パラフ
ィン系鉱油、アルキルベンゼン、ポリーαーオレフィン
などは、HFC系冷媒との相溶性が悪いため、本発明の
冷凍機油組成物の基油には使用できない。
【0051】2.添加剤 (1)アルキルホスフォロチオネート、アリールホスフ
ォロチオネート 本発明は、上記の基油に、アルキルホスフォロチオネー
ト及び/又はアリールホスフォロチオネート、またはこ
れらとエポキシ化合物を配合することを構成要件とす
る。
【0052】アルキルホスフォロチオネートとしては、
例えば、トリメチルホスフォロチオネート、トリエチル
ホスフォロチオネート、トリブチルホスフォロチオネー
ト、トリオクチルホスフォロチオネート、トリデシルホ
スフォロチオネート、トリラウリルホスフォロチオネー
トが挙げられる。
【0053】アリールホスフォロチオネートとしては、
例えば、トリフェニルホスフォロチオネートが挙げられ
る。
【0054】アルキルホスフォロチオネート、アリール
ホスフォロチオネートは、単独でも、混合使用しても差
し支えない。
【0055】アルキルホスフォロチオネート及び/又は
アリールホスフォロチオネートは、本発明の基油とする
環状ケタールあるいは環状アセタールとの適合性が良
く、耐摩耗性及び耐荷重能を向上させる効果がある。
【0056】上記基油にエポキシ化合物を配合せず、ア
ルキルホスフォロチオネート及び/又はアリールホスフ
ォロチオネートを配合する場合は、その配合割合は、基
油に対して、0.5〜5.0質量%である。配合割合が
0.5質量%未満では耐摩耗性が向上しない他、熱・化
学的安定性に悪影響を及ぼし、スラッジが生成する。配
合割合が5.0質量%を超えると、熱・化学的安定性に
悪影響を及ぼす他、スラッジが生成する。
【0057】上記基油にエポキシ化合物を配合せず、ア
ルキルホスフォロチオネート及び/又はアリールホスフ
ォロチオネートを配合する本発明の冷凍機油組成物は、
圧縮機がレシプロ型、スクロール型、ロータリ型のいず
れのタイプであっても対応可能である。
【0058】(2)エポキシ化合物 本発明は、上記の基油に、エポキシ化合物、またはこれ
とアルキルホスフォロチオネート及び/又はアリールホ
スフォロチオネートを配合することを構成要件とする。
【0059】エポキシ化合物としては、例えば、フェニ
ルグリシジルエーテル、アルキルフェニルグリシジルエ
ーテル、1,2−エポキシアルカン、ビニールシクロヘ
キセンジオキシドが使用できる。これらは単独でも、混
合使用しても差し支えない。中でも、1,2−エポキシ
アルカン、ビニールシクロヘキセンジオキシドが好まし
い。
【0060】アルキルフェニルグリシジルエーテルとし
ては、例えば、ブチルフェニルグリシジルエーテル、ペ
ンチルフェニルグリシジルエーテル、ヘキシルフェニル
グリシジルエーテル、ヘプチルフェニルグリシジルエー
テル、オクチルフェニルグリシジルエーテル、ノニルフ
ェニルグリシジルエーテル、デシルフェニルグリシジル
エーテルが挙げられる。
【0061】1,2−エポキシアルカンとしては、例え
ば、1,2−エポキシヘキサン、1,2−エポキシヘプ
タン、1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシデ
カン、1,2−エポキシヘンデカン、1,2−エポキシ
ドデカン、1,2−エポキシトリデカン、1,2−エポ
キシテトラデカン、1,2−エポキシヘキサデカン、
1,2−エポキシヘプタデカン、1,2−エポキシオク
タデカンが挙げられる。
【0062】エポキシ化合物は、本発明の基油とする環
状ケタールあるいは環状アセタールとの適合性が良く、
環状ケタールあるいは環状アセタールの劣化によるスラ
ッジ生成を抑制する効果がある。
【0063】エポキシ化合物の配合割合は、基油に対し
て、0.05〜3.0質量%である。 配合割合が0.
05質量%未満では、環状ケタールあるいは環状アセタ
ールの劣化抑制効果が不十分である他、熱・化学的安定
性に悪影響を及ぼす。配合割合が3.0質量%を超える
と、HFC系冷媒や環状ケタールあるいは環状アセター
ルへの溶解性が悪くなり、添加量増大に起因するスラッ
ジの発生に影響を及ぼす。
【0064】上記基油にエポキシ化合物を配合する請求
項2に記載の本発明の冷凍機油組成物は、耐摩耗性より
も熱及び化学的安定性が重視されるレシプロ型又はスク
ロール型の圧縮機に使用可能である。
【0065】(3)アルキルホスフォロチオネート及び
/又はアリールホスフォロチオネートとエポキシ化合物 アルキルホスフォロチオネート及び/又はアリールホス
フォロチオネートとエポキシ化合物を配合すると、本発
明の基油とする環状ケタールあるいは環状アセタールの
性能を十分発揮させると共に、耐摩耗性、耐荷重能を向
上させる他、スラッジの生成を顕著に抑制する効果があ
る。特に、エポキシ化合物は、アルキルホスフォロチオ
ネート又はアリールホスフォロチオネートに起因するス
ラッジの生成を抑制する効果がある。
【0066】このため、上記基油にアルキルホスフォロ
チオネート及び/又はアリールホスフォロチオネートと
エポキシ化合物を配合する本発明の冷凍機油組成物は、
厳しい潤滑条件下で使用され、熱及び化学的安定性に加
えて、より高い耐摩耗性、耐荷重能が要求させるロータ
リ圧縮機にも十分対応が可能である。
【0067】エポキシ化合物と共にアルキルホスフォロ
チオネート及び/又はアリールホスフォロチオネーを配
合する場合は、アルキルホスフォロチオネート及び/又
はアリールホスフォロチオネーの配合割合は、基油に対
して、0.5〜10.0質量%である。
【0068】配合割合が0.5質量%未満では耐摩耗性
が向上しない他、スラッジが生成する。配合割合が1
0.0質量%を超えると、HFC系冷媒や本発明の基油
とする環状ケタールあるいは環状アセタールへの溶解性
が悪くなり、添加量増大に見合う効果が得られない。ま
た、熱・化学的安定性に悪影響を及ぼす他、スラッジが
生成する。
【0069】アルキルホスフォロチオネート及び/又は
アリールホスフォロチオネーと共にエポキシ化合物を配
合する場合も、エポキシ化合物の配合割合は、基油に対
して、0.05〜3.0質量%である。配合割合が0.
05質量%未満では、環状ケタールあるいは環状アセタ
ール及びアルキルホスフォロチオネート及び/又はアリ
ールホスフォロチオネーの劣化抑制効果が不十分である
他、熱・化学的安定性に悪影響を及ぼす。配合割合が
3.0質量%を超えると、HFC系冷媒や環状ケタール
あるいは環状アセタールへの溶解性が悪くなり、添加量
増大に起因するスラッジの発生に影響を及ぼす。
【0070】(4)その他の配合可能な添加剤 本発明の冷凍機油組成物には、本発明の目的とする冷凍
機油の性能を満たす範囲内において、冷凍機油の添加剤
として通常使用される酸化防止剤、消泡剤、摩耗防止
剤、金属不活性化剤、その他を併用できる。
【0071】酸化防止剤としては、ヒンダードフェノー
ル系、アミン系、硫黄系などのもの、例えば、2,6−
ジーt−ブチル−4−メチルフェノール、4,4´−メ
チレンビス(2,6−ジーt−ブチルフェノール)、
2,2´−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール)、トリメチルジハイドロキノン、p,p´−ジ
オクチルジフェニルアミン、3,7−ジオクチルフェノ
チアジン、アルキルフェノチアジン−1−カルボキシレ
ート、フェニル−2−ナフチルアミン、2,6−ジーt
−ブチルー2−ジメチル−p−クレゾール、5−エチル
ー10,10´ジフェニルフェナザリン、アルキルジサ
ルファイドを使用できる。
【0072】消泡剤としては、例えば、ジメチルポリシ
ロキサン、カルボン酸金属塩を使用できる。
【0073】金属不活性化剤としては、例えば、アリザ
ニン、キリザニン、ベンゾトリアゾール、油溶性ベンゾ
トリアゾール、メルカプトベンゾトリアゾールを使用で
きる。
【0074】
【実施例】以下、本発明の実施例及び比較例について説
明する。本発明は実施例に限定されるものではない。実
施例及び比較例(一部は参考例)に使用した基油及び添
加剤の組成、試験法、試験結果は、次のとおりである。
【0075】1.組成 (1)実施例1〜12、比較例(一部は参考例)1〜1
1 a.基油 前記の一般式(5)と(6)で表される環状ケタールの
混合物(花王社製「KAOLUBE700」で、全酸価
0.01mgKOH/g以下、水分100ppm以下の
ものを使用した。 b.添加剤 アリールホスフォロチオネートは、トリフェニルホスフ
ォロチオネートを使用した。アルキルホスフォロチオネ
ートは、トリオクチルホスフォロチオネートを使用し
た。エポキシ化合物は、ビニールシクロヘキセンジオキ
シドを使用した。
【0076】(2)比較例12 a.基油 アルキルベンゼンは、ABA−H(三菱化学社製ハード
型アルキルベンゼン)を使用した。なお、アルキルベン
ゼンは、HCFC−22冷媒を使用する冷凍機の冷凍機
油の基油として通常使用されている。 b.添加剤 リン酸エステルは、トリクレジルホスフェートを使用し
た。基油に占める添加剤の配合割合は、表1、表2に示
すとおりである。
【0077】2.試験法 (1)摩耗性試験(潤滑性試験) HFC−134a冷媒雰囲気下で、ファレックス試験
(ASTM D2714)により、鋼リングと鋼ブロッ
ク材を試験材とし、試験後の鋼ブロック表面の摩耗量を
測定した。試験条件は、試験温度100℃、試験時間1
時間、雰囲気ガス圧力600kPaである。なお、試験
結果は、比較例12(冷媒はHCFC−22、基油はア
ルキルベンゼン)の摩耗量を基準とし、これを1.0と
した場合の相対値で示した。
【0078】上記の摩耗比1.0は、ロータリ圧縮機の
場合にはベーン部先端部の摩耗深さ15μmにほぼ相当
する。因に、摩耗比0.1の変動は、ベーン部の摩耗深
さ約1.5μmに相当する。
【0079】(2)熱及び化学的安定性試験 HFC−134a冷媒雰囲気下で、熱・化学的安定性試
験をシールドチューブ試験法により実施した。シールド
チューブ試験法は、ガラス容器に冷媒、試験油各約1c
c及びFe、Cu、Al線を封入して加熱し、175℃
×14日間保持して、試験油の変色やスラッジ生成の有
無を調べる方法である。なお、比較例12は、HCFC
−22冷媒雰囲気下で行った。試験油の変色の評価方法
は、試験終了後の試験油の変色度合いを観察して、全く
変色しない場合を○、少し変色した場合を△、かなり変
色した場合を×とした。
【0080】3.試験結果 試験結果を表1、表2に示す。
【0081】なお、比較例12の試験結果は、ロータリ
圧縮機に対応可能か否かの目安となる。
【0082】
【表1】
【0083】
【表2】
【0084】(1)実施例1〜3、6〜12 実施例1〜3は、環状ケタール基油にアリールホスフォ
ロチオネート又はアルキルホスフォロチオネートを0.
5〜5.0質量%配合したものである。また、実施例6
〜12は、環状ケタール基油にアリールホスフォロチオ
ネート又はアルキルホスフォロチオネート0.5〜1
0.0質量%とエポキシ化合物0.05〜3.0質量%
を配合したものである。これらの実施例は、いずれも比
較例12(HCFC−22冷媒を使用する従来技術の組
成であり、基油はアルキルベンゼン)よりも摩耗防止
性、熱・化学的安定性が良好で、スラッジが生成しな
い。このため、これらの実施例、とりわけアリールホス
フォロチオネート又はアルキルホスフォロチオネートと
エポキシ化合物を配合した実施例6〜12は、潤滑条件
が最も厳しいロータリ圧縮機にも対応が可能である。
【0085】(2)実施例4、5 実施例4、5は、環状ケタール基油にエポキシ化合物を
0.05〜3.0質量%配合したものである。これらの
実施例は、熱・化学的安定性が良好であり、問題となる
スラッジも生成しない。このため、これらの実施例は、
摩耗防止性よりも熱・化学的安定性が重視されるスクロ
ール型もしくはレシプロ型の圧縮機に十分対応が可能で
ある。
【0086】(3)比較例1 比較例1は、環状ケタールのみで添加剤は無添加のもの
であるが、どの実施例よりも熱・化学的安定性が劣り、
スラッジが生成する。
【0087】(4)比較例2 比較例2(添加剤はアリールホスフォロチオネート0.
4質量%)は、実施例1(添加剤はアリールホスフォロ
チオネート0.5質量%)よりも摩耗防止性、熱・化学
的安定性が劣り、スラッジが生成する。このことから、
環状ケタール基油にアリールホスフォロチオネートのみ
を配合する場合は、アリールホスフォロチオネートの配
合割合の下限値は、環状ケタール基油に対して0.5質
量%以上であることが分る。
【0088】(5)比較例3 比較例3(添加剤はアリールホスフォロチオネート6.
0質量%)は、実施例2(添加剤はアリールホスフォロ
チオネート5.0質量%)よりも摩耗防止性、熱・化学
的安定性が劣り、スラッジが生成する。このことから、
環状ケタール基油にアリールホスフォロチオネートのみ
を配合する場合は、アリールホスフォロチオネートの配
合割合の上限値は、環状ケタール基油に対して5.0質
量%以下であることが分る。
【0089】(6)比較例4 比較例4(添加剤はエポキシ化合物0.04質量%)
は、実施例4(添加剤はエポキシ化合物0.05質量
%)よりも熱・化学的安定性が劣り、スラッジが生成す
る。このことから、環状ケタール基油にエポキシ化合物
のみを配合する場合は、エポキシ化合物の配合割合の下
限値は、環状ケタール基油に対して0.05質量%以上
であることが分る。
【0090】(7)比較例5 比較例5(添加剤はエポキシ化合物4.0質量%)は、
スラッジが生成する。これに対して、実施例5(添加剤
はエポキシ化合物3.0質量%)は、スラッジが生成し
ない。このことから、環状ケタール基油にエポキシ化合
物のみを配合する場合は、エポキシ化合物の配合割合の
上限値は、環状ケタール基油に対して3.0質量%以下
であることが分る。
【0091】(8)比較例6 比較例6(添加剤はアリールホスフォロチオネート0.
4質量%、エポキシ化合物0.5質量%)は、実施例6
(添加剤はアリールホスフォロチオネート0.5質量
%、エポキシ化合物0.5質量%)よりも摩耗防止性が
劣り、また、スラッジが生成する。
【0092】(9)比較例7 比較例7(添加剤はアリールホスフォロチオネート1
1.0質量%、エポキシ化合物0.5質量%)は、実施
例10(添加剤はアリールホスフォロチオネート10.
0質量%、エポキシ化合物0.5質量%)よりも熱・化
学的安定性が劣り、スラッジが生成する。
【0093】以上から、環状ケタール基油にアリールホ
スフォロチオネートとエポキシ化合物を配合する場合
は、アリールホスフォロチオネートの配合割合は0.5
〜10.0質量%の範囲内であることが分る。
【0094】(10)比較例8 比較例8(添加剤はエポキシ化合物0.04質量%、ア
リールホスフォロチオネート1.0質量%)は、実施例
11(添加剤はエポキシ化合物0.05質量%、アリー
ルホスフォロチオネート1.0質量%)よりも熱・化学
的安定性が劣り、スラッジが生成する。
【0095】(11)比較例9 比較例9(添加剤はエポキシ化合物4.0質量%、アリ
ールホスフォロチオネート1.0質量%)は、スラッジ
が生成する。これに対して、実施例12(添加剤はエポ
キシ化合物3.0質量%、アリールホスフォロチオネー
ト1.0質量%)は、スラッジが生成しない。
【0096】以上から、環状ケタール基油にアリールホ
スフォロチオネートとエポキシ化合物を配合する場合
は、エポキシ化合物の配合割合は0.05〜3.0質量
%の範囲内であることが分る。
【0097】なお、実施例2のトリフェニルホスフォロ
チオネート(アリールホスフォロチオネート)に代え
て、トリフェニルホスフォロチオネートとトリオクチル
ホスフォロチオネート(アルキルホスフォロチオネー
ト)を1:1で混合したものを使用した他は実施例2と
同一の組成で、上記の摩耗性試験及び熱・化学的安定性
試験をしたところ、実施例2と同等の効果が得られた。
【0098】また、実施例6、7、9〜12のトリフェ
ニルホスフォロチオネート(アリールホスフォロチオネ
ート)に代えて、トリフェニルホスフォロチオネートと
トリオクチルホスフォロチオネート(アルキルホスフォ
ロチオネート)を1:1で混合したものを使用した他は
実施例6、7、9〜12と同一の組成で、上記の摩耗性
試験及び熱・化学的安定性試験をしたところ、実施例
6、7、9〜12と同等の効果が得られた。
【0099】
【発明の効果】本発明は、HCFC系冷媒の代替品とし
て、現在、世界的に開発が進められているHFC系冷媒
を使用する圧縮機用の冷凍機油組成物である。本発明
は、エーテル系化合物である特定の環状ケタールあるい
は環状アセタールを基油とする。そして、この環状ケタ
ールあるいは環状アセタールの潤滑性不足と、これに起
因するスラッジの生成を抑制するために、多数の添加剤
の中から、環状ケタールあるいは環状アセタールに適合
する添加剤としてアルキルホスフォロチオネート及び/
又はアリールホスフォロチオネートとエポキシ化合物を
見出だした点に、第1の技術的本質がある。更に、その
最適配合割合を決定したところに第2の技術的本質があ
る。
【0100】本発明は、上記環状ケタールあるいは環状
アセタールの長所である電気絶縁性、HFC系冷媒との
相溶性、低吸湿性などの特長を生かしつつ、アルキルホ
スフォロチオネート及び/又はアリールホスフォロチオ
ネート、エポキシ化合物、あるいはアルキルホスフォロ
チオネート及び/又はアリールホスフォロチオネートと
エポキシ化合物を配合することによって、基油とする環
状ケタールあるいは環状アセタールの潤滑性不足とスラ
ッジの生成を解決した。
【0101】本発明は、優れた耐摩耗性、熱・化学的安
定性を示し、スラッジの生成を抑制するため、圧縮機の
タイプがレシプロ型、スクロール型、ロータリ型その他
いずれのタイプであっても対応可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 40:30

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】4価以上10価以下の価数が偶数である多
    価アルコールの1種以上と、下記一般式(1)で表され
    るカルボニル化合物又はその反応性誘導体であるケター
    ルもしくはアセタールの1種以上とから得られる環状ケ
    タールあるいは環状アセタールを基油とし、これに下記
    a.b.いずれか1つを配合してなる、ハイドロフルオ
    ロカーボンを冷媒とする圧縮機用の冷凍機油組成物。 a.アルキルホスフォロチオネート及び/又はアリール
    ホスフォロチオネート b.アルキルホスフォロチオネート及び/又はアリール
    ホスフォロチオネートとエポキシ化合物 【化1】 (式中、R1 は、水素原子又は炭素数1〜18の直鎖、
    分岐のアルキル基、もしくは環状の飽和炭化水素を示
    す。R2 は、炭素数1〜18の直鎖、分岐のアルキル
    基、もしくは環状の飽和炭化水素を示す。あるいは、R
    1 とR2 は、これらが結合している炭素原子と一緒にな
    って飽和炭化水素環を形成する、炭素数2〜36のアル
    キレン基を示す。)
  2. 【請求項2】4価以上10価以下の価数が偶数である多
    価アルコールの1種以上と、請求項1に記載の一般式
    (1)で表されるカルボニル化合物又はその反応性誘導
    体であるケタールもしくはアセタールの1種以上とから
    得られる環状ケタールあるいは環状アセタールを基油と
    し、これにエポキシ化合物を配合してなる、ハイドロフ
    ルオロカーボンを冷媒とする圧縮機用の冷凍機油組成
    物。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の潤滑油組成物の内、基油
    にアルキルホスフォロチオネート及び/又はアリールホ
    スフォロチオネートを配合してなる場合に、基油に対し
    て、アルキルホスフォロチオネート及び/又はアリール
    ホスフォロチオネートを0.5〜5.0質量%配合する
    ことを特徴とする、請求項1記載の冷凍機油組成物。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の潤滑油組成物の内、基油
    にアルキルホスフォロチオネート及び/又はアリールホ
    スフォロチオネートとエポキシ化合物を配合してなる場
    合に、基油に対して、アルキルホスフォロチオネート及
    び/又はアリールホスフォロチオネートを0.5〜1
    0.0質量%、エポキシ化合物を0.05〜3.0質量
    %配合することを特徴とする、請求項1記載の冷凍機油
    組成物。
  5. 【請求項5】エポキシ化合物を、基油に対して、0.0
    5〜3.0質量%配合することを特徴とする、請求項2
    記載の冷凍機油組成物。
  6. 【請求項6】基油に、4価以上8価以下の価数が偶数で
    ある多価アルコールの1種以上と、下記一般式(2)で
    表されるカルボニル化合物又はその反応性誘導体である
    ケタールもしくはアセタールの1種以上とから得られる
    環状ケタールあるいは環状アセタールを含有することを
    特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の冷凍機油
    組成物。 【化2】 (式中、R3 は、水素原子又は炭素数1〜12の直鎖、
    分岐のアルキル基、もしくは環状の飽和炭化水素を示
    す。R4 は炭素数1〜12の直鎖、分岐のアルキル基、
    もしくは環状の飽和炭化水素を示す。あるいは、R3
    4 は、これらが結合している炭素原子と一緒になって
    飽和炭化水素環を形成する、炭素数2〜13のアルキレ
    ン基を示す。R3 とR4 の合計炭素数は1〜13であ
    る。)
  7. 【請求項7】基油に、下記一般式(3)又は(4)で表
    される環状ケタールあるいは環状アセタールを含有する
    ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の冷
    凍機油組成物。 【化3】 (上記各式中、R5 は水素原子を示し、その場合、R6
    は炭素数3の分岐アルキル基、又は炭素数4〜21の直
    鎖もしくは分岐のアルキル基を示す。あるいは、R
    5 は、炭素数1〜21の直鎖もしくは分岐のアルキル基
    を示し、その場合、R6 は炭素数2〜21の直鎖もしく
    は分岐のアルキル基を示す。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008266582A (ja) * 2007-03-29 2008-11-06 Nof Corp 冷凍機用潤滑油組成物及びそれを用いた冷凍機用作動流体組成物
JP2011140643A (ja) * 2009-12-10 2011-07-21 Showa Shell Sekiyu Kk 潤滑油組成物

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