JPH1042579A - 振動波モータ - Google Patents

振動波モータ

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JPH1042579A
JPH1042579A JP8193649A JP19364996A JPH1042579A JP H1042579 A JPH1042579 A JP H1042579A JP 8193649 A JP8193649 A JP 8193649A JP 19364996 A JP19364996 A JP 19364996A JP H1042579 A JPH1042579 A JP H1042579A
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sliding
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裕 丸山
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    • H02NELECTRIC MACHINES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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    • H02N2/10Electric machines in general using piezoelectric effect, electrostriction or magnetostriction producing rotary motion, e.g. rotary motors
    • H02N2/16Electric machines in general using piezoelectric effect, electrostriction or magnetostriction producing rotary motion, e.g. rotary motors using travelling waves, i.e. Rayleigh surface waves
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    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02NELECTRIC MACHINES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H02N2/00Electric machines in general using piezoelectric effect, electrostriction or magnetostriction
    • H02N2/0005Electric machines in general using piezoelectric effect, electrostriction or magnetostriction producing non-specific motion; Details common to machines covered by H02N2/02 - H02N2/16
    • H02N2/005Mechanical details, e.g. housings
    • H02N2/0065Friction interface
    • H02N2/007Materials

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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 摩耗が少なく長時間の駆動の可能な高寿命の
振動波モータを提供することにある。 【解決手段】 振動体1に振動波を形成し、もって前記
振動体1と、前記振動体1と加圧接触する接触体2とを
摩擦力により相対移動させる振動波モータにおいて、前
記振動体1と前記接触体2との接触部のいずれか一方
に、硬質粒子と前記硬質粒子より軟質な軟質金属からな
り、前記軟質金属の表面から前記硬質粒子を0.2μm
〜2μm突出させた摺動面を有する摺動材料6を用い
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は振動体に振動波を生じさ
せ、この振動体に接触する接触体との間で摩擦駆動によ
り相対移動を起こさせる振動波モータに係り、詳しくは
加圧接触部における摺動材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】進行性振動波を利用した振動波モータの
原理的概要は下記のようである。全長がある長さλの整
数倍であるような金属等の弾性体材料でリング状に形成
された弾性体の片面に、周方向に配列された二群の複数
個の圧電素子を固着したものを振動体(ステータ)とす
る。
【0003】これらの圧電素子は、各群内ではλ/2の
ピッチにて、かつ交互に逆の伸縮極性となるように配列
されており、また両群間にはλ/4の奇数倍のずれがあ
るように配列されている。圧電素子の両群にはそれぞれ
電極膜が施されている。
【0004】いずれかの一群(以下A相と称す)のみに
交流電圧を印加すれば、上記振動体は、前記A相の各圧
電素子の中央点及びそこからλ/2おきの点が腹の位
置、また前記腹の位置間の中央点が節の位置であるよう
な曲げ振動の定在波(波長λ)が弾性体の全周にわたっ
て発生する。
【0005】また、他の一群(以下B相と称す)のみに
交流電圧を印加すると、同様に定在波が生ずるが、その
腹及び節の位置はA相による定在波に対して、位置的に
λ/4ずれた位相になる。
【0006】両A、B相に、周波数が同じで、かつ互い
に90°の時間的位相差を有する交番信号を同時に印加
すると、両者の定住波の合成の結果、弾性体には周方向
に振動する曲げ振動の進行波(波長λ)が発生し、この
とき、厚みを有する上記弾性体の各点は楕円運動をす
る。
【0007】よって、弾性体の片面に移動体(ロータ)
として、例えばリング状の移動体を直接加圧接触させて
おけば、前記移動体は弾性体から周方向の摩擦力を受け
回転駆動される。また、前記楕円運動の周方向成分を増
やすために、振動体の圧電素子固着面と反対側に周方向
に複数個の径方向の溝をいれると、振動の中立面が圧電
素子固着面側に移動し、入力される交番信号が同じ振幅
でも回転数が上がり、モータ効率をも上げる効果が大き
い。
【0008】このような原理に基づく振動波モータは、
低速高トルクのモータ特性を有し、高精度回転や高精度
位置決めに適している。また、摩擦力により駆動するた
めには摩擦係数が大きい方がモータ性能上望ましい。
【0009】しかしながら弱点として、加圧接触部に用
いられるている摺動材料が摩耗し易いことが挙げられ
る。そのため摺動材料は耐摩耗性が良く、かつ熱伝導率
が高く耐摩耗性に悪影響を与える摩擦熱を放熱し易いこ
と、そして、さらに重要なことは、実用上入手し易く、
材料および加工コストが安い材料が望ましい。
【0010】そこで、通常はアルミニウム合金の表面を
硬化処理したり、また、セラミックス粒子を含有したメ
ッキ処理が施され、さらに、アルミニウム合金の中では
耐摩耗性の比較的良いシリコン(Si)を含有したアル
ミニウム系合金が振動波モータの摺動材として提案され
ている。
【0011】また、これに対する相手材料として、現在
のところ、通常の金属より硬質なセラミックスか、また
は摺動材料の摺動面に薄い膜を形成し潤滑性を与える樹
脂材料などが比較的耐摩耗性が良好で長時間にわたり摩
耗面の変化が少ないので振動波モータにおいて提案され
ている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本出願に係る発明の目
的は、従来使用していたシリコン粒子を含有したアルミ
ニウム系合金からなる摺動材料の性能をさらに向上さ
せ、摩耗が少なく長時間の駆動の可能な高寿命の振動波
モータを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の振動波モータに
おける摺動材料は、その材料の含有する硬質粒子を軟質
金属表面より突出させ摺動面とし摺動材料それ自体の耐
摩耗性を向上させることにある。
【0014】具体的にこの摺動材料は、3〜40重量%
のシリコンを含有するアルミニウム−シリコン系合金
や、5〜30重量%の炭化ケイ素を含有する無電解ニッ
ケルメッキであり、その硬質物質(上記シリコン、炭化
ケイ素)の突出量はわずか0.2〜2μmで耐摩耗性の
向上は著しい。
【0015】さらに、上述のアルミニウム−シリコン系
合金の窪んだアルミニウム合金の表面にその突出した高
さ以下の厚さの酸化膜層やメッキ層を形成することで、
軟質のアルミニウム合金の表面を硬化させ、さらに耐摩
耗性の向上を図ることができる。
【0016】そして、これらの摺動材料に対する相手材
としては、樹脂材料で、フッ素樹脂、カーボンファイバ
ーを含むことが望ましい。また硬質のセラミックスで例
えば酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ
素、室化ケイ素などでも良好である。
【0017】以上のような摺動材料は耐摩耗性を良く、
摩耗量が少なく安定した変化の少ない摺動面を長時間維
持できるので性能の安定した、しかも長寿命の振動波モ
ータが可能となる。
【0018】
【実施の形態】図1は本発明による振動波モータの一実
施の形態を示す断面図である。
【0019】図中、1は振動体で、可撓性を有する例え
ばステンレス、リン青銅、アルミ合金からなるリング状
の金属弾性体3の一端面に、前述の如く複数個に分極さ
れた2群の圧電素子4をリング状に形成した圧電素子群
を耐熱性のエポキシ樹脂系接着剤で同心円状に接着する
と共に、金属弾性体3の他端面に樹脂材料や無機材料か
らなる振動体側摺動材5を同様に接着して形成され、金
属弾性体3の他端面にはモータ効率を上げるために櫛歯
状に複数の溝が周方向に規則的に形成されている。
【0020】2はアルミニウム合金からなるリング状の
移動体側の摺動材6(場合によっては表面処理層6’が
ある)をゴムリング7を介して支持体8に取付けた接触
体である移動体で、支持体8はネジ11により出力軸1
2に固定されている。
【0021】そして、振動体1の摺動面と移動体2の摺
動面は、加圧用の板ばね16により、軸方向に例えば5
kgfの荷重で加圧接触されている。9はベアリング、
13はカバー、14,15は与圧カラー、17はカラー
で、ネジ11により出力軸12に固定されている。振動
体摺動面の径方向の段差5’は、振動波モータそれぞれ
の摩耗しろによって異なるが、ここでは、0.05mm
とした。なお図1の摺動部の幅aは0.8mm、bは
1.3mm、摺動部の直径cは30mmである。そし
て、交互に厚み方向に分極処理された圧電素子からなる
2群の圧電素子に振動体1の固有の周波数の交流電圧な
どの交番信号を印加すると、振動体1は共振を起こし、
その周方向に進行性振動波を生じ、振動体1に加圧接触
している移動体2が、振動体1と移動体2の摺動面の摩
擦力によって、回転駆動される。
【0022】摺動材料の評価は、回転数300rpm、
トルク300gcm、連続100時間で行った。
【0023】
【実施例】
(実施例1)移動体2の摺動材6には、耐摩耗性のSi
粒子を含むアルミニウム−シリコン系合金(以下Al−
Si系合金)を用いた。これには急冷凝固Al−Si系
合金粉末を粉末治金法により製造した押し出し材料(例
えば、住友軽金属工業(株)Al−Si系合金PAシリ
ーズSi含有量20%,30%,40%)と、溶解鋳造
法による押し出し材料であるアルミニウム合金(例え
ば、住友軽金属工業(株)Al−Si系合金SCシリー
ズSi含有量3%,8%,12%)があり、これらはS
iを含有するため、一般にアルミニウム合金よりも良好
な耐摩耗性を有することで知られている。
【0024】当初これらの材料を用いて、前述の図1の
摺動材6に機械加工し、その摺動面をラップ加工して評
価したが、最も耐摩耗性の良いSi含有量の多いAl−
Si系合金においても、ときどきAl−Si系合金の摺
動面に傷や、さらに傷の進んだ深さサブμm以上の摩耗
個所が円周上に幅0.3mm以上生じることがあり、モ
ータ性能が劣化することがわかった。
【0025】なお、振動体1側の摺動材6の材料には、
カーボンファイバー10〜30重量%と、残りをポリテ
トラフルオロエチレン(以下PTFE)樹脂からなる材
料やポリイミド10〜50重量%を含有したPTFE樹
脂などの樹脂系材料を使用した。
【0026】そこで、Al−Si系合金の摩耗の発生を
調べるために、摺動材料6のAl−Si系合金の摺動面
を振動波モータの駆動初期時から経時的に光学顕微鏡や
電子顕微鏡で詳細に観察したところ、硬質粒子と軟質金
属とからなる材料特有の摩耗現象が起っていることがわ
かった。
【0027】すなわち、図6の(a)に示すように、A
l−Si系合金は一般に軟質のAl合金21(Cu,M
g他含有ビッカース硬度80〜120程度)の中に、硬
いSi粒子20(形状は比較的角ばっているが粒径1μ
m〜約20μm、ビッカース硬度900〜1200程
度)があり、摺動開始直後は機械加工したAl−Si系
合金表面から、まず初めに軟質のAl合金21が摺動表
面から非常にわずかづつであるが削れ摩耗を開始し、こ
の摩耗によりできた摩耗粉が直接または一度相手材の樹
脂に埋れて互いに凝着しつつ、Al合金21自身を再び
攻撃をはじめ、Al合金の摩耗がさらに進み、摩耗粉は
さらに増え、この現象がくり返えされAl合金はときに
突発的に、急激に摩耗が拡大、Si粒さえも巻き込み摩
耗が進展することがわかった。
【0028】ただ、特に移動体2側の摺動材5にPTF
E合金の樹脂を使用した場合には、図6の(b)に示す
ように、PTFEを主成分とする膜22(厚さはせいぜ
い1〜2μm以下)が摺動材6(Al−Si系合金)の
摺動面に形成され、摺動を開始してから短時間で安定し
た膜形成がなされると、一種のカバーとして働き、Al
−Si系合金の摩耗は起こりにくいこともわかった。
【0029】その際のAl−Si系合金の摺動面を観察
すると、Si粒子20は表面が摺動した結果平滑であ
り、その周囲にあるAl合金21はそのSi粒子20の
平滑面よりわずか(サブμm〜1μm程度)に窪んでい
ることがわかった。
【0030】すなわち、この窪み部のAl合金はわずか
ではあるが摩耗しつつ、PTFE膜22とともに安定化
することとなる。そしてAl合金地のわずかな窪みは実
験した全てのAl−Si系合金において同じように形成
され、Al−Si系合金特有の摩耗現象であった。
【0031】ところで、Al−Si系合金の摺動面の摺
動前の状況は加工方法、例えば切削、研削、ラップ、研
磨等により異なっている。各々の加工方法による摺動面
の状況を電子顕微鏡観察から想像すると図8の様にな
る。
【0032】図8の(a)のダイヤモンド工具での切削
では、硬いSi粒子20が工具刃先によって引っかけら
れて欠けや一部脱落が起こり、Al合金部21もこすり
つけられ塑性流動が生じて凹凸がある。
【0033】図8(b)のダイヤモンド粒子を含んだレ
ジンボンド砥石での研削では、切削と比べ顕著ではない
が、切削と同様にSi粒子20の欠けとAl合金部21
の塑性流動による凹凸がみられる。
【0034】図8(c)のダイヤモンド粒子のラップ加
工では、Si粒子20の欠けや脱落はみられないが、A
l合金部21の塑性流動は比較的起こり、Al合金部2
1の流動によりSi粒子20が明瞭に区別できず、研磨
と比べSi粒子20とAl合金部21の傷の多い面とな
った。
【0035】図8(d)の研磨加工では、1μm以下の
酸化シリコン粒子とバフ布を用いると、Si粒子20と
Al合金部21とも殆ど傷等もみられない平滑な鏡面
(平面度0.1μm〜0.05μm以上)を呈した。
【0036】これら加工による表面の状況と前述の摺動
後の摺動面の状況を考え合せると、あらかじめ摺動前
に、Al−Si系合金の表面を研磨により平滑にした後
に、図2のようにSi粒子20に対しAl合金21をわ
ずかながら取り除いておくことができれば、Al−Si
系合金の突発的な摩耗は起らなくなると予想された。
【0037】そこで、Alは両性金属であり、酸、アル
カリに腐食され易いことから、例えばフッ化水素水溶液
や水酸化ナトリウム水溶液を使って腐食(エッチング)
させたところ、フッ化水素水溶液(濃度5%)中で、温
度20℃で60秒で、また水酸化ナトリウム水溶液(濃
度10%)中で、温度20℃で同じく60秒で0.5μ
m前後の腐食により(なお腐食後は充分の水洗いをし
た)、Al合金地をSi粒子平滑面より窪ますことが可
能であった。
【0038】また腐食時間や温度を変えることで、Al
合金部の窪み量は±0.1μmの精度でコントロールが
可能であった。
【0039】このようにして作った図2のAl合金の窪
み部を有する(Si粒の突起を有する)Al−Si系合
金を、振動波モータの移動体側の摺動材6に用いて評価
したところ、前述のAl−Si系合金にときどき発生す
る急激な摩耗の発生をほとんど防ぐことができた。
【0040】また、Si含有量も耐摩耗性に関係し、そ
の量が多い方が耐摩耗性は良くなるが、評価した入手可
能な材料3重量%〜40重量%含有したAl−Si系合
金のうち、3重量%を除く全てのAl−Si系合金の摺
動面表面のSi粒子をAl合金地よりわずか0.2〜
2.0μm程度突出させることで、その耐摩耗性に向上
がみられた。
【0041】さらにSi粒子の突出量を増やして行くと
(エッチングによるAl合金部の除去を増やすと)Si
粒子の脱落が起り易くなり、脱落したSi粒子がAl合
金、Si粒子の摩耗を発生させ、かえって良い結果が得
られなかった。
【0042】また、相手材である振動体1の摺動材5と
の組み合せは、振動波モータの仕様上の寿命との関係で
選定されるが、前述の摺動面に形成する膜が出来易いP
TFEが含有され、また強化材として繊維状のファイバ
ーが入ったもの、とりわけカーボンファイバーはカーボ
ンが摩耗して潤滑剤となり、摺動面への悪い影響が少な
く望ましく、相手の移動体2の摺動材6へのカーボン材
による攻撃性(アルミ合金を削り易い)は増えるもの
の、摺動材5の耐摩耗量、つまり、時間当たりの摩耗量
はたいへん少ないことがわかった。
【0043】(実施例2)通常のアルミニウム合金(A
l−Cu,Al−Mn,Al−Mg,Al−Mg−S
i,Al−Zn−Mg系)では、耐摩耗性はAl−Si
系に比べ劣るため、炭化ケイ素(SiC)粉末(形状は
略球形に近く、平均粒径は1〜3μm、ビッカース硬度
1500以上)を含有したニッケル−リンの(Ni−
P、ビッカース硬度300〜400)の無電解メッキ処
理により、その表面をメッキすることで耐摩耗性を向上
させることができることは知られている。
【0044】しかし、その摺動面(摺動材6の表面処理
層6’)を詳細に観察すると、図7の(a)、(b)に
示すように、硬質のSiC粒子23は摺動開始から摺動
後でわずかに突出し、ニッケル合金24が窪んでいるこ
とがわかった。
【0045】また、ニッケル合金の摩耗粉は、摺動表面
で凝着し振動波モータの回転やトルクの安定性に影響を
及ぼすだけでなく、それ自身の耐摩耗性も悪くすること
もわかってきた。
【0046】そこで、図3のように、あらかじめ切削、
研削、研摩等により平滑にした摺動材の表面処理層6’
の表面のSiC粒23を含有したNi−Pメッキ24の
表面に、例えば塩酸と硝酸が3:1からなる王水を脱脂
面にて塗布し1〜2分間放置後、洗浄して王水を取り去
ることで、メッキ中のNi−P合金だけを0.5μm〜
2.0μm程度腐食し除去することができた。
【0047】このようにして作った摺動材の表面処理層
6’(移動体側の摺動材)と、カーボンファイバー20
重量%とPTFE樹脂80重量%からなる樹脂複合材料
(振動体側の摺動材)を用いて、図1の振動波モータに
組み込み評価したところ、SiC粒含有のNi−Pメッ
キからなる摺動材の耐摩耗性は向上し、またモータの性
能の安定性も良好となった。
【0048】なお、SiC粒の含有量は、メッキ液内の
含有量と処理条件により変化するが、最大30%ぐらい
まで可能であった。本実施例では5重量%〜30重量%
までのサンプルで検討したが、あまり多くなるとNi−
PメッキによるSiC粒子の保持力が弱くなり、脱粒し
易く耐摩耗性は却って良くなくなる。また少なすぎても
耐摩耗性の効果は劣るが、5%程度あれば効果がみられ
た。
【0049】ただ、Ni−P合金表面の方がAl−Si
系合金表面よりPTFEによる膜の形成がより不安定で
少ない。また、上述のSiC粒子は、ほぼ球状であり脱
落もし易すい。しかしながら、通常のアルミニウム合金
表面に簡単にメッキできるので、メッキ装置さえあれば
実施例1よりも製造コストは安価になる利点がある。 (実施例3)前述の実施例1に示したSi粒子が突出し
Al合金が窪んだAl−Si系合金の摺動面を有する摺
動材を用いて、図1の振動波モータの軸方向の加圧をさ
らに8kgfに増やし、振動波モータの性能を高トルク
が出るようにしたところ、すなわち摺動条件をより厳し
くしたところ、Al合金の摩耗は起り易くなることがわ
かった。
【0050】そこで、さらに耐摩耗性を上げるため、図
4に示すように、エッチングにより窪ませたAl合金2
1の表面に、陽極酸化処理や化成処理により酸化アルミ
ニウムの層25をSi粒の表面から突出しない範囲で形
成させた(Si粒子上には酸化アルミニウムは形成され
ない)。
【0051】このような薄い酸化アルミニウムの層の硬
さの測定は困難であるが、針によるひっかき試験をする
限り、酸化アルミニウムの層を形成した方がAl合金に
傷が入り難い。
【0052】このような摺動材6の表面処理層6’を用
いて、図1の振動波モータの軸方向の加圧を8kgfで
評価したところ、アルマイト層を形成しない摺動材6よ
りもアルミ合金部の傷が入りにくく、摺動材としてさら
に良好な耐摩耗性を有していることがわかった。
【0053】(実施例4)実施例3と同様の振動波モー
タを使い、図5に示すようにエッチングにより窪んだA
l合金21に無電解Ni−Pメッキ26を施したAl−
Si系合金を摺動材6の表面処理層6’として用いて評
価した。
【0054】この場合も、メッキ上の原理から導電性を
有するAl合金のみのメッキ層の形成が可能となる。
【0055】なお、本実施例では実施例3と同様に、メ
ッキ層の厚さをSi粒子より突出しないようにした。こ
のメッキ層は、Al合金に比べ硬く、耐摩耗性は良好に
なった。なお、無電解Ni−Pメッキは、熱処理(20
0〜400℃)をすることで硬化させることができ、そ
の固さを最大ビッカース硬度で500〜600にするこ
とができ、さらに耐摩耗性を良好にすることができる。
【0056】(実施例5)実施例1および2の移動体2
側の摺動材6に対し、振動体1側の摺動材5に酸化アル
ミニウムを用いて同じく図1の振動波モータで評価し
た。
【0057】すなわち、あらかじめ前述の実施例1およ
び2の硬質粒子である各々のSi粒子、SiC粒子を突
出させたAl−Si系合金、SiC粒子含有のNi−P
合金を移動体2側の摺動材6として評価した結果、軟質
材料の摩耗が減り、その結果、摩耗粉の悪影響が減り、
酸化アルミニウムと硬質粒子Si、またはSiCとの摺
動となり耐摩耗性は向上した。
【0058】なお、酸化アルミニウムには焼結したセラ
ミックス、溶射によるセラミックスを用いた。いづれも
ビッカース硬度で1400〜1500程度であった。酸
化アルミニウムの場合は前述した実施例1、実施例2の
振動体側の摺動材の樹脂複合材と異なりPTFEの膜形
成がないため、振動波モータにおいて、硬度粒子Si、
SiCとの摩耗が生じ始めると摩耗が急激に進み、モー
タとして供し得なくなるが、硬質粒子を突出させた表面
の効果は大きく、摩耗は少なくなった。
【0059】なお、酸化アルミニウムの他、酸化ジルコ
ニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素など比較的入手し易い
硬質セラミックスを用いて同様の評価を行った。
【0060】その結果は、基本的に酸化アルミニウムと
同じであり良好であることがわかった。ただ、コストを
考えると安価な酸化物セラミックスでとくにアルミナが
望ましい。
【0061】(実施例6)実施例1と同様にアルミニウ
ム合金にセラミック粒子であるアルミナ粒子、炭化ケイ
素粒子を含有した材料を用いて評価を行った。この材料
はセラミックス粒子を成形したプリフォームに溶融アル
ミ合金を非加圧で浸透させる方法で比較的セラミックス
の含有量の高い複合材料を作ることができる。さらに、
こうして作ったインゴットを再溶融し、溶融アルミ合金
で希釈することによって鋳造可能な流動性が得られ、鋳
造で成形することが可能となる。本方法によれば、セラ
ミックスの含有量を60〜70重量%とすることが可能
であり、粒子の径も大きく、平均10μmから60μm
まで変えることができる。
【0062】評価したアルミニウム−アルミナ合金は、
アルミナ粒子の含有量は60重量%でアルミナ粒子径が
平均10μmのものを使用し、アルミニウム−炭化ケイ
素合金は、炭化ケイ素70重量%で平均粒径10μmの
ものを使用した。各々の摺動面平滑化した後、エッチン
グにより2μm程度粒子を突出させた。なお、その他の
条件、評価等は全て実施例1と同じである。
【0063】その評価結果は良好で、エッチングによる
平滑な硬質粒子の突き出しとアルミニウム合金の凹みは
耐摩耗性の向上に極めて効果的である。特に、本材料は
セラミックス粒子が大きく含有比率も多いので、耐摩耗
性の前述の例より優れている。
【0064】また、鋳造での成形が可能なため、セラミ
ックスだけの材料のように加工費が高くはならないが、
含有量の多い分だけ加工は難しく、アルミニウム−シリ
コン系合金と比べて材料、加工費とも高くなる。
【0065】
【発明の効果】以上、説明したように、請求項1〜14
に係る発明では、振動波モータにおける摺動材料に硬質
粒子が軟質金属より突出した金属材料を用いることによ
り、基本的に硬質粒子と相手材料との摺動条件になり、
悪影響を与える軟質金属の摩耗粉がなくなり、摺動材料
の摩耗が少なくなり、結果として振動波モータの寿命が
伸びるばかりでなく振動波モータの回転変動やトルク変
動もなくなりより安定したモータ性能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による振動波モータの一実施の形態を示
す断面図。
【図2】実施例1のAl−Si系合金からなる摺動材料
の断面図。
【図3】実施例2のSiC含有のNi−Pメッキからな
る摺動層の断面図。
【図4】実施例3のAl−Si系合金からなる摺動材料
の断面図。
【図5】実施例4のAl−Si系合金からなる摺動材料
の断面図。
【図6】従来のAl−Si系合金の摺動面の断面図。
【図7】従来のSiC含有Ni−Pメッキの摺動面の断
面図。
【図8】摺動材料の表面の加工方法例を示す断面図。
【符号の説明】
1…振動体 2…移動体 3…弾性体 4…圧電素子 5…摺動材 6…摺動材 5’…摺動材の段差 6’…摺動材の表面処理層 20…Si粒子 21…Al合金 23…SiC粒子 24…Ni−Pメッキ層 25…Alの酸化膜 26…Ni−Pメッキ層

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動体に振動波を形成し、もって前記振
    動体と、前記振動体と加圧接触する接触体とを摩擦力に
    より相対移動させる振動波モータにおいて、前記振動体
    と前記接触体との接触部のいずれか一方に、硬質粒子と
    前記硬質粒子より軟質な軟質金属からなり、前記軟質金
    属の表面から前記硬質粒子を0.2μm〜2μm突出さ
    せた摺動面を有する摺動材料を用いたことを特徴とする
    振動波モータ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記摺動材料は、平
    滑な材料表面に対して軟質金属をエッチング処理して硬
    質粒子を突出させて摺動面を形成したことを特徴とする
    振動波モータ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、突出した前
    記硬質粒子から窪んだ前記軟質金属表面の上に、別の硬
    質物質を皮膜形成して摺動面としたことを特徴とする振
    動波モータ。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3において、前記摺
    動材料は、シリコン粒子またはアルミナ粒子、または炭
    化ケイ素粒子を含んだアルミニウム合金であることを特
    徴とする振動波モータ。
  5. 【請求項5】 請求項4において、含有したシリコン粒
    子の含有量は、3重量%〜40重量%であることを特徴
    とする振動波モータ。
  6. 【請求項6】 請求項1、2または3において、前記摺
    動材料は、炭化ケイ素粒子を含んだニッケル合金である
    ことを特徴とする振動波モータ。
  7. 【請求項7】 請求項6において、前記炭化ケイ素粒子
    の含有量は5重量%〜30重量%であることを特徴とす
    る振動波モータ。
  8. 【請求項8】 請求項3において、前記摺動材料の窪ん
    だ前記軟質金属表面の上に形成した硬質物質が酸化膜で
    あることを特徴とする振動波モータ。
  9. 【請求項9】 請求項3において、前記摺動材の窪んだ
    前記軟質金属表面の上に形成した硬質物質がメッキ層で
    あることを特徴とする振動波モータ。
  10. 【請求項10】 請求項1において、前記振動体と前記
    接触体との接触部のいずれか他方の摺動材料の少なくと
    も接触表面は樹脂材料であることを特徴とする振動波モ
    ータ。
  11. 【請求項11】 請求項10において、前記樹脂材料は
    フッ素樹脂を含有することを特徴とする振動波モータ。
  12. 【請求項12】 請求項10または11において、前記
    樹脂材料はカーボンファイバーを含む樹脂複合材料であ
    ることを特徴とする振動波モータ。
  13. 【請求項13】 請求項1において、前記振動体と前記
    接触体との接触部のいずれか他方の摺動材料は硬質のセ
    ラミックスであることを特徴とする振動波モータ。
  14. 【請求項14】 請求項13において、前記セラミック
    スは酸化アルミニウムまたは酸化ジルコニウムまたは炭
    化ケイ素または窒化ケイ素であることを特徴とする振動
    波モータ。
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