JPH1044314A - 被覆金属板及びその被覆金属板を用いてなる缶 - Google Patents

被覆金属板及びその被覆金属板を用いてなる缶

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JPH1044314A
JPH1044314A JP20358996A JP20358996A JPH1044314A JP H1044314 A JPH1044314 A JP H1044314A JP 20358996 A JP20358996 A JP 20358996A JP 20358996 A JP20358996 A JP 20358996A JP H1044314 A JPH1044314 A JP H1044314A
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JP
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polyester resin
metal plate
weight
colorant composition
coated metal
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JP20358996A
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English (en)
Inventor
Yoshiko Suzuki
美子 鈴木
Kinya Shiraishi
欣也 白石
Minoru Nakamura
稔 中村
Takashi Ishikawa
崇 石川
Hisashi Kaneko
久 金子
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Artience Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、分散性、疎水性に富み、含
水量の少ない酸化チタンを含有するマスターバッチを用
い、分散性、平滑性、白色度、下地の隠蔽性、耐光変色
性、耐候変色性等に優れ、物性の低下しない被覆層で被
覆されて成る被覆金属板を提供することである。 【解決手段】 0.05〜3.0重量%のトリエタノー
ルアミンで処理した酸化チタン、およびポリエステル樹
脂(1)を含有し、加熱混練して成る着色剤組成物であ
って、該着色剤組成物中のポリエステル樹脂の極限粘度
保持率が80%以上である着色剤組成物、およびポリエ
ステル樹脂(2)とを用いてなるポリエステル系樹脂組
成物を金属板上に溶融押出ラミネートしてなる被覆金属
板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属板の少なくと
も片方の面に、酸化チタンを含有するポリエステル系樹
脂組成物を溶融押出ラミネートしてなる被覆金属板に関
する。詳しくは、平滑性、白色度、耐光変色性、耐候変
色性に優れ、表面に形成される層の画質を向上しうる被
覆金属板に関し、さらに詳しくは、飲料又は食品を収容
する罐に好適な被覆金属板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、被覆金属板を得る方法として
は、溶剤型または水性の被覆用組成物(塗料)を金属板
に塗布する方法、粉体塗料を金属板に吹き付ける方法
や、あるいは熱可塑性樹脂組成物からなるフィルムを接
着剤を用いたり、又は用いないで張り合わせる方法、熱
可塑性樹脂組成物を金属板に溶融押出ラミネートする方
法等がある。
【0003】溶剤型または水性の被覆用組成物(塗料)
を金属板に塗布する方法の場合、金属板に溶剤型または
水性の被覆用組成物(塗料)を塗布し、加熱し、塗料中
の樹脂成分を硬化せしめて、被覆層を金属板上に設け
る。係る方法の場合、最終的な被覆層を構成する為に必
要な有効成分以外、即ち加熱硬化時に揮発する有機溶
剤、水等の成分を塗料中に含有せざるを得ない。そこ
で、有機溶剤、水等の成分の含有量を減らし、塗料中の
有効成分の含有量を高めることが求められる。しかし、
塗料としての塗装性を確保するためには、有機溶剤、水
等の成分の含有量を減らすことには限界がある。殊に溶
剤型の塗料の場合、揮発した溶剤を回収するために大規
模・高額な装置を必要とするばかりでなく、環境安全性
や労働衛生性の面からも非溶剤型への転換が望まれてい
る。
【0004】粉体塗料を金属板に吹き付ける方法の場
合、100%有効成分である粉体塗料を金属板に吹き付
け、該金属板上で溶融せしめて連続被膜を形成するもの
であり、揮発する成分がないので上記のような問題はな
いが、粉体を金属板上で溶融させるため均一な厚さの膜
が得られ難く、特に薄膜の場合、例えば50μ以下、特
に25μ以下という薄膜の場合、膜厚のコントロールは
極めて難しい。また塗装速度も膜厚に大きな影響を及ぼ
し、高速塗装には不向きな塗装方法であり、生産性の点
で難がある。
【0005】熱可塑性樹脂組成物からなるフィルムを接
着剤を用いて金属板に張り合わせる方法の場合、先ずフ
ィルムを製造しておく工程が必要であり、さらに接着剤
を塗工する工程も必要であり、工数が増え好ましくな
い。また、接着剤を用いずに熱可塑性樹脂組成物からな
るフィルムを金属板に張り合わせる方法の場合、接着剤
を塗工する工程は不要とはなるが、接着剤を用いる場合
よりも金属板を高温且つ均一に加熱しておく必要があ
る。金属板の温度にムラがあると被覆層の密着性にムラ
が生じる。大きな金属板を均一に高温加熱しておくこと
は難く、またそのためには多大なエネルギーを要するの
で、係る方法は、比較的小さな金属板には適用しやすい
が、大きな金属板を被覆するのは不適当である。
【0006】上記した各方法に比べ、熱可塑性樹脂組成
物の溶融物を金属板上に直に押出ラミネートする方法
は、揮発する成分を含有しないこと(100%有効成分
であること)、薄膜の被覆層形成が可能であり、予めフ
ィルムを製造しておく工程が不要であること、等の点に
おいて優れるものである。
【0007】従来からポリエステル系樹脂は、その優れ
た機械的特性や寸法安定性、耐薬品性を生かし包装用、
フイルム用途等多くの分野で利用されている。また、酸
化チタンは、優れた白さ・高隠蔽性・高着色力のため樹
脂着色用白色顔料として多量に使用されている。近年、
係る優れた特性を有するポリエステル系樹脂と優れた隠
蔽性等を有する酸化チタンとを含有する着色剤組成物
が、金属板ラミネートフイルム、クレジットカードやテ
レフォンカード用のフィルム、あるいは繊維等その他の
種々の成形物に広く利用され、その利用範囲は益々広が
っていく傾向にある。
【0008】ポリエステル系樹脂を着色する際に使用す
る酸化チタンは、耐候性・分散性等を向上するために種
々の表面処理が施されていることが一般的である。この
表面処理は、無機処理(アルミナ、シリカ、チタニヤ、
ジルコニヤ等)と、有機処理(ポリオール系、シリコン
系)に大別される。上記のような処理によってポリエス
テル系樹脂に対する酸化チタンの分散性は向上し、該酸
化チタンを含有する成形物の耐候性も向上する。
【0009】しかしながら、上記のような処理を施した
酸化チタンであっても、一般にかなりの水分を有するも
のであり、係る水分によって、着色剤組成物中のポリエ
ステル系樹脂が加水分解を起こし、分子量が低下する。
そして、係る分子量の低下したポリエステル樹脂を含有
する着色剤組成物は、該着色剤組成物を用いて成る成形
物の物性の低下せしめる原因となる。特に着色剤組成物
中に高濃度の酸化チタンを含有すると、ポリエステル系
樹脂の分子量低下が顕著になり、分子量低下の顕著なポ
リエステル樹脂を含有する着色剤組成物を用いると成形
物の物性低下も顕著になる。
【0010】熱可塑性樹脂を着色成形加工する際に用い
られる着色剤組成物には、顔料と分散剤とを混合した粉
末状のドライカラー、常温液状の分散剤中に顔料を分散
させたリキッドカラーまたはペーストカラー、常温固体
状の樹脂に顔料を高濃度に分散させてペレット状やフレ
ーク状にしたマスターバッチ等がある。中でも、取り扱
いの容易さ、および使用時の作業環境保全に優れるマス
ターバッチが用いられることが多い。
【0011】ポリエステル系樹脂に顔料を高濃度に分散
させてなる着色剤組成物(マスターバッチ)は、希釈用
のポリエステル系樹脂とを溶融・混練し、金属板上に押
出し被覆金属板を得たり、フィルム、繊維等の成形品を
得たりするのに用いられている。被覆金属板の分野にお
いては、近年、低コスト化の要求に従い、生産性の向
上、すなわち溶融押出ラミネート時の高速加工性が強く
求められている。ポリエステル系樹脂組成物を高速で溶
融押出ラミネートすると、フィルムの膜厚が薄くなり、
従来の酸化チタン含有量では所望の隠蔽性が得られなく
なるという問題が発生した。係る問題に対してポリエス
テル系樹脂組成物中に多量の酸化チタンを含有すること
で所望の隠蔽性を確保する方法が試みられた。しかし、
多量の酸化チタンに由来する多量の水分によって種々の
問題が発生した。
【0012】すなわち、一般的に多量の酸化チタンを含
有し含水量の多いマスターバッチと、希釈用のポリエス
テル系樹脂等の熱可塑性樹脂とを用いて着色樹脂成形物
を製造しようとすると、押し出し加工機の中でマスター
バッチから発生した水分によってマスターバッチ、およ
び熱可塑性樹脂等が滑ってしまい、分散不良を呈した
り、あるいは水分が加工機の原料供給口側に戻ってき
て、円滑に原料を供給できなくなったりするといった問
題が発生する。
【0013】また、前記したように酸化チタンに含有さ
れる水分によってマスターバッチ等の着色剤組成物中の
ポリエステル系樹脂が加水分解され、ポリエステル系樹
脂が分子量が低下し、係る分子量の低下が成形物の物性
低下の原因となる。溶融押出ラミネートの場合も同様で
あり、分子量の低下したポリエステル系樹脂を含有する
着色剤組成物を用いて、被覆金属板を得ようとすると被
覆層に穴が開いてしまったりして金属板を均一に覆うこ
とができなることがあった。また、被覆工程では穴など
は開かないまでも被覆金属板上の被覆層の物性が低下し
てしまった結果、係る被覆金属板を加工、例えば平面状
の被覆金属板を丸く打ち抜き、絞りしごき加工を施して
2ピース缶の缶胴を作る場合などは、物性劣化した被覆
層が上記のような加工に耐えきれずに破断したり、密着
性が悪くなって金属板から剥離したりする。あるいは製
缶工程の加工には耐えられても、飲料等を収容した後の
殺菌のためのレトルト処理や、ネックイン加工等によっ
て破損したりする。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、分散
性、疎水性に富み、含水量の少ない酸化チタンを含有す
るマスターバッチを用い、分散性、平滑性、白色度、下
地の隠蔽性、耐光変色性、耐候変色性等に優れ、物性の
低下しない被覆層で被覆されて成る被覆金属板を提供す
ることである。
【0015】
【課題を解決するための手段】すなわち、第1の発明
は、0.05〜3.0重量%のトリエタノールアミンで
処理した酸化チタン、およびポリエステル樹脂(1)を
含有し、加熱混練して成る着色剤組成物であって、該着
色剤組成物中のポリエステル樹脂の極限粘度保持率が8
0%以上である着色剤組成物、およびポリエステル樹脂
(2)とを用いてなるポリエステル系樹脂組成物を金属
板上に溶融押出ラミネートしてなる被覆金属板である。
【0016】第2の発明は、酸化カルシウム換算又は酸
化マグネシウム換算で0.01〜0.5重量%のカルシ
ウム塩又はマグネシウム塩と0.05〜3.0重量%の
トリエタノールアミンとで処理した酸化チタン、および
ポリエステル樹脂(1)を含有し、加熱混練して成る着
色剤組成物であって、該着色剤組成物中のポリエステル
樹脂の極限粘度保持率が80%以上である着色剤組成
物、およびポリエステル樹脂(2)とを用いてなるポリ
エステル系樹脂組成物を金属板上に溶融押出ラミネート
してなる被覆金属板である。
【0017】第3の発明は、0.01〜0.3重量%の
アルミナ又はシリカと0.05〜3.0重量%のトリエ
タノールアミンとで処理した酸化チタン、およびポリエ
ステル樹脂(1)を含有し、加熱混練して成る着色剤組
成物であって、該着色剤組成物中のポリエステル樹脂の
極限粘度保持率が80%以上である着色剤組成物、およ
びポリエステル樹脂(2)とを用いてなるポリエステル
系樹脂組成物を金属板上に溶融押出ラミネートしてなる
被覆金属板である。
【0018】第4の発明は、酸化カルシウム換算又は酸
化マグネシウム換算で0.01〜0.5重量%のカルシ
ウム塩又はマグネシウム塩とアルミナ換算又はシリカ換
算で0.01〜0.3重量%のアルミン酸塩又はケイ酸
塩と0.05〜3.0重量%のトリエタノールアミンと
で処理した酸化チタン、およびポリエステル樹脂(1)
を含有し、加熱混練して成る着色剤組成物であって、該
着色剤組成物中のポリエステル樹脂の極限粘度保持率が
80%以上である着色剤組成物、およびポリエステル樹
脂(2)とを用いてなるポリエステル系樹脂組成物を金
属板上に溶融押出ラミネートしてなる被覆金属板であ
る。
【0019】第5の発明は、0.01〜0.5重量%の
カルシウム塩又はマグネシウム塩と0.05〜3.0重
量%のトリエタノールアミンとで処理した酸化チタン、
およびポリエステル樹脂(1)を含有し、加熱混練して
成る着色剤組成物であって、該着色剤組成物中のポリエ
ステル樹脂の極限粘度保持率が80%以上である着色剤
組成物、およびポリエステル樹脂(2)とを用いてなる
ポリエステル系樹脂組成物を金属板上に溶融押出ラミネ
ートしてなる被覆金属板である。
【0020】第6の発明は、0.01〜0.5重量%の
カルシウム塩又はマグネシウム塩と0.01〜0.3重
量%のアルミン酸塩又はケイ酸塩と0.05〜3.0重
量%のトリエタノールアミンとで処理した酸化チタン、
およびポリエステル樹脂(1)を含有し、加熱混練して
成る着色剤組成物であって、該着色剤組成物中のポリエ
ステル樹脂の極限粘度保持率が80%以上である着色剤
組成物、およびポリエステル樹脂(2)とを用いてなる
ポリエステル系樹脂組成物を金属板上に溶融押出ラミネ
ートしてなる被覆金属板である。
【0021】第7の発明は、カルシウム塩が、塩化カル
シウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム、硫酸カル
シウムから選ばれることを特徴とする第2の発明、また
は第4の発明ないし第6の発明いずれか記載の被覆金属
板である。
【0022】第8の発明は、マグネシウム塩が、塩化マ
グネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、
硫酸マグネシウムから選ばれることを特徴とする第2の
発明、または第4の発明ないし第6の発明いずれか記載
の被覆金属板である。
【0023】第9の発明は、金属板が鋼板、アルミニウ
ム板からなる群より選ばれる一種であることを特徴とす
る第1の発明ないし第8の発明いずれか記載の被覆金属
板である。
【0024】第10の発明は、第1の発明ないし第9の
発明いずれか記載の被覆金属板物を用いてなる飲料用又
は食品用の缶。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
トリメチロールプロパンやトリメチロールエタン等の一
般的なポリオールに比べて、本発明に用いられるトリエ
タノールアミンが、どのような機構によって作用するの
かは、まだ良く分かってはいないが、トリエタノールア
ミンで処理してなる酸化チタンを含有する着色剤組成物
は前記の一般的なポリオールに比べて、疎水性に富み含
水量が少なく、分散性、高温加工性に優れるものであ
る。
【0026】本発明において用いられる着色剤組成物
(マスターバッチ)に用いられる酸化チタンは、係るト
リエタノールアミンを0.05〜3.0重量%含有する
ものであり、好ましくは0.05〜1.0重量%、さら
に好ましくは0.1〜0.5重量%、最も好ましくは
0.1〜0.3重量%である。含有量が0.1重量%未
満では、酸化チタンへの疎水化の効果が小さく、着色剤
組成物製造後の経時での水分吸着が多くなり、従来と同
様に該着色剤組成物中のポリエステル樹脂の加水分解を
促進し分子量低下を引き起こす原因となる。また、3.
0重量%より多く含有しても、効果は殆ど変わらない。
【0027】本発明において用いられるカルシウム塩又
はマグネシウム塩は、酸化チタン表面の水酸基と反応す
ることにより該水酸基を固定し、酸化チタンを疎水化す
るために用いられるものである。係るカルシウム塩又は
マグネシウム塩としては、塩化カルシウム、臭化カルシ
ウム、ヨウ化カルシウム、硫酸カルシウム、塩化マグネ
シウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、硫酸
マグネシウム等が挙げられる。
【0028】含有量は、酸化カルシウム換算又は酸化マ
グネシウム換算で0.01〜0.5重量%である。含有
量が0.01重量%未満だと、疎水化の効果が不十分で
あり、0.5重量%より多く含有しても、疎水化の効果
は殆ど変わらなくなる。
【0029】上記のようなカルシウム塩やマグネシウム
塩の含有量は、0.01〜0.5重量%である。含有量
が0.01重量%未満だと、疎水化の効果が不十分であ
り、0.5重量%より多く含有しても、疎水化の効果は
殆ど変わらなくなる。
【0030】本発明においては、前記トリエタノールア
ミンによる処理と酸化チタンの表面の水酸基を固定する
ためのカルシウム塩やマグネシウム塩等による処理とを
併用することができる。その併用系に、さらにアルミン
酸ナトリウム等のアルミン酸塩やケイ酸塩を用いてアル
ミナ、シリカ等の処理を併用することができる。すなわ
ち、酸化チタンをアルミン酸塩やケイ酸塩等で処理した
後、トリエタノールアミンで処理しても良いし、あるい
は酸化チタンをカルシウム塩等によって処理した後、ア
ルミン酸塩やケイ酸塩等で処理し、さらにトリエタノー
ルアミンで処理しても良い。
【0031】アルミナやシリカ等は、一般に結晶水を含
有したり、水和しているものであり、水分の低減という
観点からは極力低減することが好ましいものではある
が、隠蔽性の強く求められる分野においては、できるだ
け少量のアルミナ又はシリカ等を含有することが好まし
く、酸化チタンに対して0.3重量%以下であることが
好ましく、さらに好ましくは0.2重量%以下である。
0.3重量%を越えると含水量が増え、ポリエステル樹
脂の加水分解を促進し易い。また、分散性に優れるとい
う点ではアルミナの方が好ましい。
【0032】本発明において用いられる酸化チタンは、
平均粒径0.01〜1.0μmであることが好ましく、
さらに好ましくは0.05〜0.40μm であり、0.
15〜0.20μm であることが最も好ましい。ルチル
型、アナターゼ型いずれであってもよいが、白色度の点
からはアナターゼ型が好ましく、隠蔽性の点からはルチ
ル型が好ましい。
【0033】なお、トリエタノールアミン等の有機処理
剤による処理、アルミナ等の無機処理剤による処理、い
ずれの処理もおこなわれていない場合は、酸化チタンの
分散が極めて悪く、着色樹脂成型物中に凝集物が発生し
たり、成形機のスクリーンメッシュの目詰まりをひきお
こす。
【0034】本発明で使用するポリエステル樹脂(1)
(2)は、以下に示すようなテレフタル酸及び/又はイ
ソフタル酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、テトラメチレングリコール等の如きグリコールと
を縮重合させて得ることのできる従来公知のホモ又はコ
ポリエステルである。酸成分としては、上記テレフタル
酸やイソフタル酸以外に、ナフタレン−2,6−ジカル
ボン酸、4、4’−ビフェニルジカルボン酸、セバシン
酸、アジピン酸等の2価のカルボン酸を使用することが
できる。また、ジオール成分としては、上記エチレング
リコール、ジエチレングリコール、テトラメチレングリ
コールの他に、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチ
ルグリコール、シクロへキサンジメタノール等を使用す
ることができる。ポリエステル樹脂(1)とポリエステ
ル樹脂と(2)は、同一であっても良いし、異なるもの
であっても良い。
【0035】本発明で使用する着色剤組成物は、前記の
酸化チタンとポリエステル樹脂(1)とを2/8〜8/
2の割合で配合すれば良く、5/5〜7/3であること
が好ましく、種々の混合機や分散機や混練機を用いて酸
化チタンとポリエステル樹脂とを加熱混練すれば良い。
また、本発明において使用される着色剤組成物は、ペレ
ット状やフレーク状のマスターバッチであることが好ま
しい。
【0036】本発明において使用される着色剤組成物中
のポリエステル樹脂の極限粘度は、該ポリエステル樹脂
の劣化(加水分解)の状態を示すものである。酸化チタ
ンとポリエステル樹脂(1)とを含有し、加熱混練して
成る着色剤組成物を適当な溶媒を用いて、着色剤組成物
中のポリエステル樹脂を溶解せしめ、酸化チタンを分離
してなる、濃度の異なるポリエステル樹脂溶液を複数用
いて、各樹脂溶液の粘度を求め、定法に従い、粘度/濃
度の値を濃度に対してプロットし、濃度0に補外して求
めた値である。極限粘度保持率とは、該着色剤組成物中
のポリエステル樹脂の極限粘度の、該着色剤組成物に用
いられるポリエステル樹脂(ブランク)の極限粘度に対
する比であって、係る値が大きいほど、つまり該着色剤
組成物中のポリエステル樹脂の極限粘度がブランクの極
限粘度に近いほど、該着色剤組成物中のポリエステル樹
脂は劣化していない。
【0037】本発明において用いられる金属板は、鋼
板、アルミニウム板であることが好ましい。板厚は約
0.1〜0.5mmが好ましく、0.15〜0.3mm
がさらに好ましい。
【0038】本発明の被覆金属板は、走行する金属板上
に、着色剤組成物(マスターバッチ)、ポリエステル樹
脂(2)を用いてなるポリエステル系樹脂組成物の溶融
物をスリットダイからフィルム状に押出し、係るフィル
ム状の溶融物を金属板上にラミネートして製造される。
その際の溶融押出温度は250〜320℃、好ましくは
270〜300℃である。
【0039】本発明の被覆金属板の被覆層の厚さは、5
〜100μ程度であり、10〜50μが好ましく、さら
に10〜25μが好ましい。
【0040】本発明の被覆金属板は、特にその用途を限
定するものではないが、特に飲料や食品を収容する缶に
加工されることが好ましい。飲料や食品を収容する缶の
うち缶胴と缶蓋の2つの部材からなるいわゆる2ピース
缶の缶胴は、平面状の被覆金属板を丸く打ち抜き、被覆
層が缶外面となるように絞りしごき加工を施して缶の形
状に加工する。加工後の被覆層の膜厚は、3〜65μ程
度であり、6〜35μが好ましく、さらに6〜17μが
好ましい。
【0041】また、本発明の被覆金属板のためのポリエ
ステル系樹脂組成物には、上記成分以外に効果を阻害し
ない範囲で、他の樹脂、例えばエポキシ樹脂やフェノキ
シ樹脂等、他の任意の顔料、紫外線吸収剤等公知の添加
剤を必要に応じて添加することができる。
【0042】
【実施例】
実施例1〜2、比較例1〜5 ホモポリエチレンテレフタレート((η)=0.630)50重量
%、アナターゼ型酸化チタン(表1.に示す各処理を施し
たもの)50重量%を溶融混練機にて、溶融混練し、ペ
レット状の着色剤組成物(マスターバッチ)を得、得ら
れたマスターバッチ中のポリエステル樹脂の極限粘度保
持率を下記の方法に従って求めた。また、得られたマス
ターバッチの分散性を評価すると共に、得られたマスタ
ーバッチを用いて、被覆金属板を作成し、その物性等を
評価した。結果を表1に示す。なお、比較例2、5は、
マスターバッチ作成時に臭気が発生した。
【0043】[極限粘度(η)]および[極限粘度
(η)保持率] 極限粘度(η)は、ポリエステル樹脂をそれぞれ0.1
g、0.3g、0.5gを含有するマスターバッチを、
フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量
比)の混合溶媒100mlを用いて、マスターバッチ中
のポリエステル樹脂を溶解し、酸化チタンを遠心分離に
よって除去した後の各ポリエステル樹脂溶液の30℃に
おける粘度を測定し、定法に従い、求めた。なお、ブラ
ンクの場合は、マスターバッチの代わりに、ポリエステ
ル樹脂そのものを用い、遠心分離による酸化チタンの除
去を経ない以外は、上記と同様にして極限粘度を求め
た。極限粘度保持率は、マスターバッチ中のポリエステ
ル樹脂の極限粘度/ブランクの極限粘度である。
【0044】[分散性評価方法]ラボプラストミル単軸
押出機20mm(東洋精機 製)の出口の40/80/
120/500と順次メッシュの細かくなるスクリーン
を装着し、50rpm,押出温度300℃にて、ホモポ
リエチレンテレフタレート((η)=0.630)とマスターバッ
チを1:1に配合したペレットを通し、通し始めたとき
の初期圧力(P1)を求め、前記1:1に配合したペレ
ットを所定量(該ペレット中に酸化チタンを360g含
有する量)を通過させた時の終了圧力(P2)を求め
る。この圧力差ΔP=P2−P1が小さいほど酸化チタ
ンの分散性が良好であるといえる。
【0045】[被覆金属板の製造方法]得られたマスタ
ーバッチ40重量部、ホモポリエチレンテレフタレート
((η)=0.630)60重量を混合・溶融し、270〜300
℃で鋼板、またはアルミニウム板上に膜厚12μとなる
ように溶融物をフィルム状に溶融押出しラミネートし、
被覆層の外観等を評価した。
【0046】[被覆層の外観状態] ○:破断しないで円滑に被覆層を作成できた。 △:ときどき破断する。 ×:頻繁に破断する。
【0047】[被覆層の平滑性]:目視評価。 ○:均一で滑らかである。 △:若干ブツが生じる。 ×:著しくブツが生じる。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】本発明によって高分散かつ物性低下の少
ないポリエステル系樹脂組成物で被覆されてなる金属板
を得ることができるようになった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 崇 東京都中央区京橋二丁目3番13号東洋イン キ製造株式会社内 (72)発明者 金子 久 東京都中央区京橋二丁目3番13号東洋イン キ製造株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 0.05〜3.0重量%のトリエタノー
    ルアミンで処理した酸化チタン、およびポリエステル樹
    脂(1)を含有し、加熱混練して成る着色剤組成物であ
    って、該着色剤組成物中のポリエステル樹脂の極限粘度
    保持率が80%以上である着色剤組成物、およびポリエ
    ステル樹脂(2)とを用いてなるポリエステル系樹脂組
    成物を金属板上に溶融押出ラミネートしてなる被覆金属
    板。
  2. 【請求項2】 酸化カルシウム換算又は酸化マグネシウ
    ム換算で0.01〜0.5重量%のカルシウム塩又はマ
    グネシウム塩と0.05〜3.0重量%のトリエタノー
    ルアミンとで処理した酸化チタン、およびポリエステル
    樹脂(1)を含有し、加熱混練して成る着色剤組成物で
    あって、該着色剤組成物中のポリエステル樹脂の極限粘
    度保持率が80%以上である着色剤組成物、およびポリ
    エステル樹脂(2)とを用いてなるポリエステル系樹脂
    組成物を金属板上に溶融押出ラミネートしてなる被覆金
    属板。
  3. 【請求項3】 0.01〜0.3重量%のアルミナ又は
    シリカと0.05〜3.0重量%のトリエタノールアミ
    ンとで処理した酸化チタン、およびポリエステル樹脂
    (1)を含有し、加熱混練して成る着色剤組成物であっ
    て、該着色剤組成物中のポリエステル樹脂の極限粘度保
    持率が80%以上である着色剤組成物、およびポリエス
    テル樹脂(2)とを用いてなるポリエステル系樹脂組成
    物を金属板上に溶融押出ラミネートしてなる被覆金属
    板。
  4. 【請求項4】 酸化カルシウム換算又は酸化マグネシウ
    ム換算で0.01〜0.5重量%のカルシウム塩又はマ
    グネシウム塩とアルミナ換算又はシリカ換算で0.01
    〜0.3重量%のアルミン酸塩又はケイ酸塩と0.05
    〜3.0重量%のトリエタノールアミンとで処理した酸
    化チタン、およびポリエステル樹脂(1)を含有し、加
    熱混練して成る着色剤組成物であって、該着色剤組成物
    中のポリエステル樹脂の極限粘度保持率が80%以上で
    ある着色剤組成物、およびポリエステル樹脂(2)とを
    用いてなるポリエステル系樹脂組成物を金属板上に溶融
    押出ラミネートしてなる被覆金属板。
  5. 【請求項5】 0.01〜0.5重量%のカルシウム塩
    又はマグネシウム塩と0.05〜3.0重量%のトリエ
    タノールアミンとで処理した酸化チタン、およびポリエ
    ステル樹脂(1)を含有し、加熱混練して成る着色剤組
    成物であって、該着色剤組成物中のポリエステル樹脂の
    極限粘度保持率が80%以上である着色剤組成物、およ
    びポリエステル樹脂(2)とを用いてなるポリエステル
    系樹脂組成物を金属板上に溶融押出ラミネートしてなる
    被覆金属板。
  6. 【請求項6】 0.01〜0.5重量%のカルシウム塩
    又はマグネシウム塩と0.01〜0.3重量%のアルミ
    ン酸塩又はケイ酸塩と0.05〜3.0重量%のトリエ
    タノールアミンとで処理した酸化チタン、およびポリエ
    ステル樹脂(1)を含有し、加熱混練して成る着色剤組
    成物であって、該着色剤組成物中のポリエステル樹脂の
    極限粘度保持率が80%以上である着色剤組成物、およ
    びポリエステル樹脂(2)とを用いてなるポリエステル
    系樹脂組成物を金属板上に溶融押出ラミネートしてなる
    被覆金属板。
  7. 【請求項7】 カルシウム塩が、塩化カルシウム、臭化
    カルシウム、ヨウ化カルシウム、硫酸カルシウムから選
    ばれることを特徴とする請求項2、または請求項4ない
    し請求項6いずれか記載の被覆金属板。
  8. 【請求項8】 マグネシウム塩が、塩化マグネシウム、
    臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、硫酸マグネシ
    ウムから選ばれることを特徴とする請求項2、または請
    求項4ないし請求項6いずれか記載の被覆金属板。
  9. 【請求項9】 金属板が鋼板、アルミニウム板からなる
    群より選ばれる一種であることを特徴とする請求項1な
    いし8いずれか記載の被覆金属板。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし9いずれか記載の被覆
    金属板物を用いてなる飲料用又は食品用の缶。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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