【発明の詳細な説明】
エンドセリン受容体拮抗薬
発明の分野
本発明は、新規ジヒドロイソインドール誘導体、これらの化合物を含有する医
薬組成物およびエンドセリン受容体拮抗薬としてのそれらの使用に関する。
エンドセリン(ET)は、血管内皮により合成され放出される非常に有効な血
管収縮ペプチドである。エンドセリンは、3種類の異性体、ET−1、ET−2
およびET−3として存在する[特記しない限り、「エンドセリン」は、エンド
セリンのイソフォームのいずれかまたは全てを意味する]。エンドセリンは、心
臓血管系、特に、冠動脈、腎臓および脳循環に対して強い影響を及ぼす。エンド
セリンの高い放出または異常な放出は、心臓血管、脳血管、呼吸および腎臓の病
体生理学の病理発生に関与する平滑筋収縮に関連する。本態性高血圧症、急性心
筋梗塞、クモ膜下出血、アテローム性動脈硬化症の患者および透析を受けている
尿毒症の患者の血漿において、エンドセリンの上昇したレベルが報告された。
in vivoで、エンドセリンは、血圧および心拍出量に対して影響を及ぼす。ラ
ットにおけるETの静脈内ボーラス注射(0.1〜3nmol/kg)は、一過性の用
量関連降圧応答(0.5〜2分持続する)、次いで、動脈血圧の持続性の用量依
存性上昇(投与後2〜3時間高い値を維持できる)を生じる。ラットにおける3
nmol/kgより多い投与量は、しばしば致命的であることが証明されている。
エンドセリンは、腎血管床における優先的な効果を生じることが明らかである
。これは、GFR、尿量、尿ナトリウムおよびカリウム排出の著しい減少を伴う
腎血流の顕著に長い持続性減少を生じる。エンドセリンは、心房性ナトリウム排
出増加性ペプチドの著しい増加にもかかわらず持続性抗ナトリウム排出増加性効
果を生じる。エンドセリンは、また、血漿レニン活性を刺激する。これらの知見
は、ETが腎機能の調節に関係し、急性腎不全、シクロスポリン腎毒性、放射対
照(radio contrast)誘発性腎不全および慢性腎不全を含む種々の腎障害に関係
す
ることを示唆するものである。
研究から、in vivoで、脳脈管系がエンドセリンの血管拡張薬効果および血管
収縮効果の両方に非常に敏感であることが判明した。したがって、ETは、脳血
管痙攣、クモ膜下出血の致死的結果の重要なメディエイターでありえる。
ETは、また、重篤な無呼吸および虚血性病変などの直接的中枢神経系効果を
も示し、これは、ETが脳梗塞の発生および神経細胞死に寄与することを示唆す
るものである。
ETは、心筋虚血[Nicholsら、Br.J.Pharm.99:597−601、19
89およびClozelおよびClozel、Circ.Res.、65:1193−1200、
1989]、冠動脈血管痙攣[Fukudaら、Eur.J.Pharm.165:301−3
管平滑筋細胞増殖[Takagi、Biochem & Biophys.Res.Commun.、168:
537−543、1990、Bobekら、Am.J.Physiol.258:408−C4
15、1990]およびアテローム性動脈硬化症[Nakakiら、Biochem.&
Biophys.Res.Commun.)158:880−881、1989およびLermanら
、New Eng.J.of Med.325:997−1001、1991]にも関係して
いた。冠動脈バルーン血管形成後、エンドセリンのレベルが増加することが判明
している[Kadelら、No.2491 Circ.82:627、1990]。
さらに、エンドセリンは、単離された、ヒト気管支を含む哺乳動物気道組織の
有効な収縮薬であることが判明している[Uchidaら、Eur.J.of Pharm.15
4:227−228、1988、LaGente、Clin.Exp.Allergy 20:34
3−348、1990;およびSpringallら、Lancet、337:697−70
1、1991]。エンドセリンは、間質性肺繊維症および関連肺高血圧症[Gla
rdら、Third International Conference on Endothelin、1993、p.3
4]およびARDS(成人呼吸窮迫症候群)[Sanaiら、前掲、p.112]の
病原において役割を果たす。
エンドセリンは、胃粘膜における出血性および壊死性損傷[Whittleら、Br.
J.Pharm.95:1011−1013、1988];レイノー現象
[Cinninielloら、Lancet 337:114−115、1991];クローン病
および潰瘍性大腸炎[Munchら、Lancet、Vol.339、p.381];片頭痛
[Edmeads、Headache、1991年2月p.127];敗血症[Weitzbergら
、Circ.Shock 33:222−227、1991;Pittetら、Ann.Surg.21
3:262−264、1991]、シクロスポリン誘発性腎不全または高血圧症
[Eur.J.Pharmacol.、180:191−192、1990、Kidney Int、
37:1487−1491、1990]および内毒素ショックおよび他の内毒素
誘発性疾患[Biochem.Biphys.Res.Commun.、161;1220−1227、
1989、Acta Physiol.Scand.137:317−318、1989]および
炎症性皮膚疾患[Clin Res.41:451および484、1993]および筋
肉変性に関連していた。
エンドセリンは、妊娠の子癇前症[Clarkら、Am.J.Obstet.Gynecol.、1
992年3月、p.962−968;Kamorら、N.Eng.J.of Med.、1990
年11月22日、p.1486−1487;Dekkerら、Eur.J.Ob.and Gyn.a
nd Rep.Bio.40(1991)215−220;Schiffら、Am.J.Ostet.
Gynecol.1992年2月、p.624−628];真性糖尿病[Takahashiら
、Diabetologia(1990)33:306−310];および腎臓移植後の急
性血管拒絶[Watschingerら、Transplantation、Vol.52、No.4、pp.7
43−746]に関連していた。
エンドセリンは、骨吸収および同化の両方を刺激し、骨再形成のカップリング
に関与する[Tatraiら、Endocrinology、Vol.131、p.603−637]
。
エンドセリンは、子宮腔内での精子の輸送を刺激することが報告されており[
Caseyら、J.Clin.Endo and Metabolism、Vol.74、No.1、p.223−
225]、したがって、エンドセリン拮抗物質は、男性避妊薬として有用である
。エンドセリンは、卵巣/月経周期を調節し[Kenegsberg、J.of Clin.Endo
.and Met.、Vol.74、No.1、p.12]、ヒトにおける陰茎血管緊張の調
節においても役割を果たす[Lauら、Asia Pacific J.of Pharm.、1991
、6:287−292およびTejadaら、J.Amer.Physio.Soc.、199
1、H1078−H1085]。エンドセリンは、ヒト前立腺平滑筋の有効な収
縮も媒介する[Langenstroerら、J.Urology、Vol.149、p.495−49
9]。
このように、エンドセリン受容体拮抗物質は、高血圧、肺高血圧、腎不全、虚
血誘発性腎不全、敗血症−内毒素誘発性腎不全の薬物療法に対する、放射線対照
誘発性腎不全、急性および慢性シクロスポリン誘発性腎不全、大脳血管障害、心
筋虚血、アンギナ、心不全、喘息、アテローム性硬化症、筋肉変性、レイノー現
象、潰瘍、敗血症、片頭痛、緑内障、内毒素ショック、内毒素誘発性多臓器不全
または播種性血管内凝固、シクロスポリン誘発性腎不全の予防および/または治
療に対する、ならびに再狭窄の予防のための血管形成術の佐剤として、糖尿病お
よび妊娠の子癇前症の予防および/または治療に対する、骨再形成および腎臓移
植おける、男性避妊薬として、不妊症および持続勃起および良性前立腺肥大症の
予防および/または治療に対する固有のアプローチを提供する。
発明の概要
本発明は、式(I)で示されるジヒドロイソインドール誘導体およびこれらの化
合物を含む医薬組成物、ならびに、限定されないが、高血圧、急性および慢性腎
不全、シクロスポリン誘発性腎毒性、発作、脳血管痙攣、心筋虚血、アンギナ、
心不全およびアテローム性硬化症を含む種々の心臓血管および腎臓病の治療にお
いて有用なエンドセリン受容体拮抗物質としての使用および再狭窄症の予防のた
めおよび良性前立腺肥大症のための血管形成における佐剤としての使用に関する
。
本発明は、さらに、エンドセリン受容体の拮抗を必要とするヒトを含む動物に
式(I)で示される化合物の有効量を投与することを特徴とするヒトを含む動物に
おけるエンドセリン受容体を拮抗するための方法により構成される。
発明の詳細な説明
本発明の化合物は、構造式(I):
[式中、
R1は、−X(CH2)nArまたは−X(CH2)nR8であり;
R2は、水素、ArまたはC1-4アルキルであり;
P1は、テトラゾール、SO2NR7R11、CONR7SO2R11または(CH2)s
R8であり;
R3およびR5は、独立して、水素、R11、OH、C1-8アルコキシ、S(O)qR11
、N(R6)2、Br、F、I、Cl、CF3、NHCOR6、R11CO2R7、−X−
R9−Yまたは−X(CH2)nR8であり(ここで、−X(CH2)nR8中の各メチレ
ン基は、非置換であっても、1または2個の−(CH2)nAr基によって置換され
ていてもよい);
R4は、水素、R11、OH、C1-5アルコキシ、S(O)qR11、N(R6)2、−X(
R11)、Br、F、I、ClまたはNHCOR6であり(ここで、C1-5アルコキシ
は、非置換であっても、OH、メトキシまたはハロゲンで置換されていてもよい
);
R6は、独立して、水素またはC1-4アルキルであり;
R7は、独立して、水素、C1-10アルキル、C2-10アルケニルまたはC2-8アル
キニルであるか(ここで、これらは、全て、非置換であっても、1個以上のOH
、N(R6)2、CO2R12、ハロゲンまたはXC1-5アルキルによって置換されてい
てもよい);または、R7は、(CH2)nArであり;
R8は、水素、R11、CO2R7、CO2C(R11)2O(CO)XR7、PO3(R7)2
、SO2NR7R11、NR7SO2R11、CONR7SO2R11、SO3R7、SO2R7
、P(O)(OR7)R7、CN、−CO2(CH2)mC(O)N(R6)2、C(R11)2N(R7
)2、C(O)N(R6)2またはテトラゾールであり;
R9は、(CH2)n、C1-10アルキレン、C2-10アルケニレンまたはフェニレニ
ルであるか(これらは、全て、非置換であっても、1個以上のOH、N(R6)2、
COOH、ハロゲンで置換されていてもよい);または、R9は、>C=Oまた
はXC1-5アルキルであってもよく;
R11は、水素、Ar、C1-8アルキレン、C2-8アルケニレン、C2-8アルキニレ
ンであり(ここで、これらは、全て、非置換であっても、1個以上のOH、CH2
OH、N(R6)2またはハロゲンで置換されていてもよい);
R12は、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-7アルキニルであ
り;
Xは、(CH2)n、O、またはNR6であり;
Yは、CH3またはX(CH2)nArであり;
Arは、
ナフチル、インドリル、ピリジル、チエニル、オキサゾリジニル、オキサゾリル
、チアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イ
ミダゾリル、イミダゾリジニル、チアゾリジニル、イソオキサゾリル、オキサジ
アゾリル、チアジアゾリル、モルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロ
リル、またはピリミジルであり(これらは、全て、非置換であっても、1個以上
のR3またはR4基で置換されていてもよい);
Aは、C=O、または[C(R6)2]mであり;
Bは、−CH2−または−O−であり;
Z1およびZ2は、独立して、水素、C1-8アルキル、C2-8アルケニル、C2-8
アルキニル、OH、C1-8アルコキシ、S(O)qC1-8アルキル、N(R6)2、Br、
F、I、Cl、NHCOR6、−X−R9−Y、−X(CH2)nR8、フェニル、ベン
ジルまたはC3-6シクロアルキルであるか(ここで、C1-8アルキル、C2-8アル
ケニルまたはC2-8アルキニルは、所望により、COOH、OH、CO(CH2)n
CH3、CO(CH2)nCH2N(R6)2またはハロゲンによって置換されていてもよ
い);またはZ1およびZ2は、一緒になって、隣接する炭素上で−O−A−O−
であってもよく;
Z3は、Z1または−X−R9−Yであり;
qは、0、1または2であり;
nは、0〜6の整数であり;
sは、1〜6の整数であり;
mは、1、2または3であり;
点線は、二重結合の任意の存在を示す;ただし、P1は、(CH2)sNH2ではな
い]
で表されるか、またはその医薬上許容される塩である。
医薬上許容される塩錯体も本発明に含まれる。
全てのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基およびアルコキシ基は、直鎖
であっても分枝鎖であってもよい。「ハロゲン」なる語は、ヨード、フルオロ、
クロロまたはブロモを意味するために用いられる。アルキル基は、1個以上のハ
ロゲンで過ハロゲン化まで置換されていてもよい。
本発明の化合物は、1個以上の不斉炭素原子を含有してもよく、ラセミ形およ
び光学活性形で存在してもよい。これらの化合物およびジアステレオ異性体は、
全て、本発明の範囲内に含まれる。
本発明は、アルゴン下、−78℃で、THFなどの溶媒中、(2):
[式中、Z1、Z2およびZ3は、式Iにおける定義と同じである]
で示されるような好適に置換されているオルトブロモ安息香酸を2当量のn−ブ
チルリチウムと反応させ、次いで、THFなどの好適な溶媒中、式(3):
で示される酸塩化物を添加して、式(4):
で示される化合物を提供することによって製造することができる前記式(I):
で示される化合物である。
酢酸中、Znなどの好適な還元剤による化合物(4)の処理により、式(5):
で示されるフェニル置換フタリドが得られる。
還流させながら、エーテルなどの好適な溶媒中、式(6):
R1MgBr (6)
[式中、R1は、式Iにおける定義と同じである]
で示される有機マグネシウム化合物で(5)を処理し、酸処理した後、式(7):
で示される化合物が得られる。
ジョーンズ試薬によるなどの適切な条件下での(7)の酸化により、式(8):
で示される化合物が得られる。
式(10):
で示されるイソインドールは、エタノール中のホウ水素化ナトリウムの存在下、
還流させながら、エタノールなどの好適な溶媒中、式(9)
H2NQ (9)
[式中、Qは、水素または(CH2)sR8である]
で示される第1アミンによる(8)の処理によって得ることができる。
10%パラジウム−炭などの好適な触媒の存在下、加圧下、熱酢酸中、または
水素ガスで、Zn(Cu)などの適切な条件下、式(10)で示されるイソインドール
の還元により、式(11):
で示される化合物が得られる。
式(11)で示される化合物は、所望により、QからP1へのアシル化またはア
ルキル化によって式(I)で示される化合物に転換してもよい。
適当な操作および化学機能性の保護により、式(I)で示される残りの化合物の
合成は、前記と類似の方法により行われる。
式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩をヒトおよび他の哺乳
動物の治療に用いるために、通常、標準的な製薬プラクティスに従って、医薬組
成物として製剤化される。
式(I)で示される化合物およびその医薬上許容される塩は、所定の疾患の治療
に関する標準的な方法で、例えば、経口投与、非経口投与、舌下投与、経皮投与
、直腸投与、吸入による投与または口腔内投与される。
経口投与した場合、活性な、式(I)の化合物およびその医薬上許容される塩は
、シロップ、錠剤、カプセルおよびロゼンジ剤として製剤化することができる。
シロップ製剤は、一般に、化合物または塩の、矯味矯臭剤または着色料を含む液
体担体、例えば、エタノール、落花生油、オリーブ油、グリセリンまたは水中懸
濁液または溶液からなる。組成物が錠剤の形態である場合、固体製剤を調製する
のに慣用的に用いられるいずれの医薬担体も用いることができる。このような担
体の例としては、ステアリン酸マグネシウム、白土、タルク、ゼラチン、寒天、
ペクチン、アラビアガム、ステアリン酸、デンプン、ラクトースおよびスクロー
スが挙げられる。組成物がカプセル剤の形態である場合、例えば、ゼラチン硬カ
プセル中、前記担体を用いるような、いずれの慣用的な被包化も適している。組
成物がゼラチン軟カプセルの形態である場合、分散剤または懸濁液剤の調製に慣
用的に用いられるいずれの医薬担体、例えば、水性ガム、セルロース、シリケー
ト
または油を考慮してもよく、ゼラチン軟カプセル中に配合される。
典型的な非経口組成物は、化合物または塩の、所望により非経口的に許容でき
る油、例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、レシチン、落
花生油、またはゴマ油などを含有してもよい無菌の水性または非水性担体中溶液
または懸濁液からなる。
典型的な吸入用組成物は、乾燥粉末として投与してもよい溶液、懸濁液または
乳液の形態、またはジクロロジフルオロメタンまたはトリクロロフルオロメタン
などの慣用の噴射剤を用いたエアロゾルの形態である。
典型的な坐剤製剤は、この方法で投与した場合に活性である式(I)で示される
化合物またはその医薬上許容される塩および結合剤および/または滑沢剤、例え
ば、ポリマーグリコール、ゼラチン、カカオ脂または他の低融点植物性ワックス
または脂肪またはその合成類似体からなる。
典型的な経皮製剤は、慣用の水性または非水性ビヒクル、例えばクリーム、軟
膏、ローションまたはペーストからなるか、または、医療用プラスター、貼付剤
または膜の形態である。
好ましくは、組成物は、単位投与形態、例えば、錠剤、カプセルまたは計量器
付エアロゾルであり、患者が単一用量を自分で投与できるようになっている。
経口投与用の各投与単位は、適当には、式(I)で示される化合物またはその医
薬上許容される塩を遊離酸換算で、0.1mg〜500mg/kg、好ましくは1mg〜
100mg/kg含有し、非経口投与用の各投与単位は、適当には、0.1mg〜10
0mg含有する。鼻腔内投与用の各投与単位は、適当には、1人あたり1〜400
mg、好ましくは、10〜200mgを含有する。局所用製剤は、適当には0.01
〜1.0%の式(I)の化合物を含有する。
経口投与の1日投与計画は、適当には、遊離酸換算で、式(I)の化合物または
その医薬上許容される塩約0.01mg/kg〜40mg/kgである。非経口投与の1
日投与計画は、適当には、遊離酸換算で、式(I)で示される化合物またはその医
薬上許容される塩約0.001mg/kg〜40mg/kgである。鼻腔内投与および経
口吸入の1日投与計画は、適当には、約10〜約500mg/人である。活性成分
は、1日に1〜6回、所望の活性を示すのに充分なだけ投与される。
本発明の化合物を本発明に従って投与した場合、許容できない毒学的影響は、
予想されない。
式(I)で示されるの化合物の生物活性を以下の試験により示す:
I.結合検定
A)膜調製(ラット小脳または腎皮質)
ラット小脳または腎皮質を迅速に切開し、直ちに液体窒素中で凍結させるか、
または、凍結させずに用いた。組織、すなわち小脳に関しては1〜2g、または
、腎皮質に関しては3〜5gを20mMトリスHClおよび5mM EDTAを含有
する緩衝液(pH7.5)15mlの中、4℃で、モーター駆動式ホモジナイザー
を用いて均質化した。ホモジネートをチーズクロスを通して濾過し、20,00
0×gで10分間、4℃で遠心分離した。上清を除去し、40,000×gで3
0分間、4℃で遠心分離した。得られたペレットを50mMトリス、10mM Mg
Cl2を含有する少量の緩衝液(pH7.5)中に再懸濁した;小バイアルでアリコ
ートにし、液体窒素中で凍結させた。膜を希釈して、結合検定における小脳およ
び腎皮質の各試験管に対して蛋白質1および5マイクログラムを得た。
新たに単離したラット腸間膜動脈および副行脈管床(collateral vascular be
d)を氷冷生理食塩水(氷上)中で洗浄し、リンパ節を大動脈に沿って除去した
。次いで、該組織を、腸間膜動脈〜6gに関して15ml容積中、4℃で、20mM
トリスおよび5mM EDTA(pH7.5)を含有する緩衝液(pH7.5)中ポ
リトロンを用いて均質化した。ホモジネートをチーズクロスを通して濾過し、2
,000×gで10分間、4℃で遠心分離した。上清を除去し、40,000×g
で30分間、4℃で遠心分離した。得られたペレットを、小脳および腎皮質に関
して前記したように再懸濁した。膜蛋白質約10マイクログラムを結合実験の各
試験管に関して用いた。
B)CHO細胞膜調製
ヒトETAおよびETB受容体で安定にトランスフェクトしたCHO細胞を、1
0%ウシ胎児血清(FBS)を補足したダルベッコ修飾イーグル培地(DMEM
)
中、245mm×245mm組織培養プレート中で増殖させた。融合細胞をプロテア
ーゼ抑制カクテル(5mM EDTA、0.5mM PMSF、5μg/mlロイペプチ
ン、および0.1U/mlアプロチニン)を含有するDPBS(ダルベッコのリン
酸緩衝塩溶液)で洗浄し、同一の緩衝液中にかきおとした。800×gで遠心分
離した後、細胞を液体窒素中で凍結させ、氷上で解凍し、次いで、20mMトリ
スHCl(pH7.5)およびプロテアーゼ抑制カクテルを含有する溶解緩衝液中
で均質化(ガラスダンス型ホモジナイザーを用いて30回)することにより溶解
した。未破壊細胞および核を除去するために、800×gで10分間、初回遠心
分離した後、40,000×gで15分間、上清を遠心分離し、ペレットを50m
MトリスHCl、pH7.5および10mM MgCl2中に再懸濁させ、少量のアリコ
ートを、液体N2中で凍結した後、−70℃で保存した。BCA法および標準と
してウシ血清アルブミンを用いて、蛋白質を測定した。
C) [125I]ET−1結合プロトコール
ラット小脳(2〜5mg蛋白質/分析試験管)または腎皮質(3〜8マイクログ
ラム蛋白質/分析試験管)またはCHO細胞膜(ETAおよびETB受容体に関し
てそれぞれ4〜6および1〜2マイクログラムの膜蛋白質を含有する)由来の膜
への[125I]ET−1結合を、合計容積100マイクロリットルの50mMトリス
HCl、10mM MgCl2、0.05%BSA、pH7.5緩衝液中、30℃で60
分間、インキュベートした後、測定した。膜蛋白質を緩衝液または所定濃度の化
合物を入れた試験管に添加した。[125I]ET−1(2200Ci/ミリモル)
を、BSAを含有する同一の緩衝液中で希釈して、最終濃度を0.2〜0.5nM
ET−1とした。全結合および非特異性結合を100nM未標識ET−1の非存
在下および存在下で測定した。インキュベーション後、50mMトリスおよび1
0mM MgCl2を含有する冷緩衝液(pH7.5)3.0mlで反応を停止した。ワッ
トマンGF/C濾紙を通して濾過し、ブランデル(Brandel)セルハーベスター
を用いてフィルターを冷緩衝液3mlで5回洗浄することによって、膜結合放射能
を遊離リガンドから分離した。濾紙を75%の効率でガンマカウンターで計測し
た。本発明の化合物に関するIC50は、0.01nm〜50μMの範囲である。
II.in vitro血管平滑筋活性
ラット大動脈を結合組織および付着脂肪を除き、長さ約3〜4mmの環状セグメ
ントに切断する。血管リングを以下の組成(ミリモル)のクレブス−重炭酸塩溶
液を入れた臓器浴チャンバー(10ml)中につるす:NaCl、112.0;KCl
、4.7;KH2PO4、1.2;MgSO4、1.2;CaCl2、2.5;NaHCO3
、25.0;およびデキストロース、11.0。組織浴溶液を37℃に維持し、連
続して95%O2/5%CO2を通気する。大動脈の静止張力を1gに維持し、2
時間平衡化させ、その間、浴溶液を15〜20分ごとに替える。等尺性緊張を、
グラス(Grass)FT03力−変換トランスデューサーを有するベックマン(B
eckman)R−611ダイノグラフで記録する。ET−1または他の収縮作用物質
に対する累積濃度応答曲線を拮抗物質を段階的に添加する方法により作成する。
ET−1濃度は、前の濃度で定常状態収縮応答を生じた後にのみ増加する。各組
織において1つだけET−1に対する濃度応答曲線が得られる。ET受容体拮抗
物質を、収縮作用物質に対する濃度応答の始まる30分前に対の組織に添加する
。
ET−1誘発血管収縮は、各実験の始めに測定する各組織に関しての60mM
KClにより得られる応答のパーセンテージで表す。データは、平均±S.E.M.
として表す。競合する拮抗物質の解離定数(Kb)を、アランラクシャナ(Arun
lakshana)およびシールド(Schild)の標準法により測定する。本発明の化合
物の効力範囲は、0.1nM〜50mMの範囲である。
以下の実施例は、例示的なものであって、本発明の化合物を限定するものでは
ない。
実施例1
(1RS,3RS)−[3−[(2−カルボキシメトキシ−4−メトキシ)フェニル]
−1−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−5−(プロパ−1−イルオキシ)(1
H,3H−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)]酢酸,トリフルオロ酢酸塩
a)3−(プロパ−1−イルオキシ)ベンゾイル酢酸ベンジル
アルゴン下、ベンジルアルコール(0.197ml、1.91mmol)、4−ジメチ
ルアミノピリジン(0.077g、0.64mmol)の乾燥トルエン(5ml)中溶液
にトルエン(0.5ml)中の3−(プロパ−1−イルオキシ)ベンゾイル酢酸メチ
ル(0.300g、1.27mmol)を添加した。該反応を還流させながら24時間
撹拌した。次いで、冷却後、該混合物を飽和塩化アンモニウムでクエンチし、酢
酸エチルに分配させた。合わせた有機抽出物を、水、食塩水で連続して洗浄し、
乾燥させた(MgSO4)。減圧下、溶媒を除去した後、残留物のフラッシュクロ
マトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル:ヘキサン(3:7))に付して、黄
色油状物として標記化合物(0.320g、80%)を得た。
b)3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−2−[3−プロパ−1−イルオ
キシ)−ベンゾイル]プロペン酸ベンジル
3,4−(メチレンジオキシ)ベンズアルデヒド(4.81g、32.1mmol)、3−
(プロパ−1−イルオキシ)ベンゾイル酢酸ベンジル(10.0g、32.1mmol)
のベンゼン(50ml)中溶液にピペリジン(0.31ml、3.21mmol)、次いで
、酢酸(10滴)を添加した。該反応を、還流させながらディーンスターク装置
を装着して2時間撹拌した。溶媒を除去して、黄色油状物を得た。酢酸エチル/
ヘキサンから再結晶して、オフホワイト色固体として標記化合物を得た(9.8g
、69%)。
c)(1RS,2SR)−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−5−プロパ−1
−イルオキシ−3−オキソ−インダン−2−カルボン酸ベンジル
3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−2−[3−プロパ−1−イルオキシ
)−ベンゾイル]プロペン酸ベンジル(9.3g、20.9mmol)のトリフルオロ酢
酸(40ml)中溶液を室温で1.5時間撹拌した。溶媒を除去し、得られた残留
物を酢酸エチルに溶解させ、水、5%重炭酸ナトリウムおよび食塩水で連続して
洗浄した。有機抽出物を乾燥させ(MgSO4)、減圧下、溶媒を除去して、黄色
油状物として標記化合物(9.8g、定量的)を得た。
d)1−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−5−プロパ−1−イルオキシ
−3−オキソ−インダン
(1RS,2SR)−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−5−プロパ−1−イ
ルオキシ−3−オキソ−インダン−2−カルボン酸ベンジル(8.2g、18.4m
mol)の熱酢酸(130ml)中溶液に、アルゴン下、10%Pd/C(4.1g)、
次いで、1,4−シクロヘキサジエン(17.4ml、185mmol)を添加した。該
反応は、発熱を伴い、ガス発生が観察された。該反応を、アルゴン下、室温で2
時間撹拌した。該混合物をセライトパッドを介して濾過し、真空濃縮した。残留
物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル:ヘキサン(3:
7))に付して、ピンク色がかった固体として標記化合物を得た(5.08g、9
3%)。
e)3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−6−プロパ−1−イルオキシ
インデン−1−オン
1−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−5−プロパ−1−イルオキシ−3
−オキソ−インダン(2.7g、9.06mmol)、2,3−ジクロロ−5,6−ジシ
アノ−1,4−ベンゾキノン(2.45g、10.87mmol)の1,4−ジオキサン
(80ml)中溶液を還流させながら2時間撹拌した。減圧下、溶媒を除去し、得
られた残留物を塩化メチレンに溶解させ、濾過した。濾液を濃縮し、フラッシュ
クロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル:ヘキサン(3:7))に付して
、赤色固体として標記化合物(1.48g、55%)を得た。
f)(1RS)−1−[(2−ベンジルオキシ−4−メトキシ)フェニル]−1−ヒ
ドロキシ−3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−6−プロパ−1−イルオ
キシ−1H−インデン
アルゴン下、0℃で、3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−6−プロパ
−1−イルオキシインデン−1−オン(2.2g、7.4mmol)のTHF(50ml
)中溶液に、THF:Et2Oの1:1混合物(合計30ml)中の2−ベンジルオ
キシ−4−メトキシフェニルマグネシウムブロミド(7.07g、22.3mmol)
の新しく調製した溶液を滴下した。該反応を0℃で20分間撹拌した。次いで、
該混合物を1N HClでクエンチし、酢酸エチルで抽出した。次いで、有機抽出
物を水、食塩水で洗浄し、乾燥させた(MgSO4)。減圧下、溶媒を除去した後
、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル:ヘキサン
(3:7))に付して、オフホワイト色の結晶として標記化合物(1.77g、4
6%)を得た。
g)1−(2−ベンジルオキシ−4−メトキシベンゾイル)−2−(3,4−メチ
レンジオキシベンゾイル)−5−プロパ−1−イルオキシベンゼン
アルゴン下、(1RS)−1−[(2−ベンジルオキシ−4−メトキシ)フェニル]
−1−ヒドロキシ−3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−6−プロパ−1
−イルオキシ−1H−インデン(0.100g、0.19mmol)の四塩化炭素:ア
セトニトリル:水の1:1:1混合物(合計18ml)中溶液に塩化ルテニウム(I
II)水和物(0.010g、0.048mmol)、次いで、過ヨウ素酸ナトリウム(0
.071g、0.32mmol)を添加した。該反応を室温で1.5時間撹拌した。1.
5時間後、出発物質と所望の生成物の1:1混合物を観察した。該反応にさらに
塩化ルテニウム(III)水和物(0.010g)および過ヨウ素酸ナトリウム(0.0
71g)を添加し、室温で20分間撹拌し続けた。該混合物をセライトパッドで
濾過し、濾液を酢酸エチルと水とに分配した。合わせた有機抽出物を、水、食塩
水で連続して洗浄し、乾燥させた(MgSO4)。減圧下、溶媒を除去した後、残
留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル:ヘキサン(3
:7))に付して、黄色油状物として標記化合物(0.050g、50%)を得た
。
h)1−(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾイル)−2−(3,4−メチレン
ジオキシベンゾイル)−5−プロパ−1−イルオキシベンゼン
1−(2−ベンジルオキシ−4−メトキシベンゾイル)−2−(3,4−メチレン
ジオキシベンゾイル)−5−プロパ−1−イルオキシベンゼン(0.437g、0.
84mmol)の酢酸エチル:ヘキサンの1:1混合物(20ml)中溶液に10%P
d/C(0.040g)を添加し、該混合物を、60psiの水素雰囲気下、24時間
振盪した。該反応混合物をセライトパッドを介して濾過し、濾液を乾燥させた(
MgSO4)。減圧下、溶媒を除去した後、残留物のフラッシュクロマトグラフィ
ー(シリカゲル、酢酸エチル:ヘキサン(3:7))に付して、薄黄色の油状物
として標記化合物を得た(0.270g、72%)。
i)(1RS)−1−ヒドロキシ−1−[(2−ヒドロキシ−4−メトキシ)フェ
ニル]−3−(3,4−メチレンジオキシフェニル−6−プロパ−1−イルオキシ
−1H−イソインドール
ボンベに1−(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾイル)−2−(3,4−メチ
レンジオキシベンゾイル)−5−プロパ−1−イルオキシベンゼン(0.270g
、0.608mmol)を充填し、−78℃に冷却し(アセトン/ドライアイス浴)
、液体アンモニア(15ml)を添加し、該容器を密封した。該反応を、300ps
iの定常圧に達するように65℃で24時間加熱した。該混合物が室温まで冷え
た後、圧力を徐々に開放し、得られた残留物を酢酸エチルに溶解させた。減圧下
、溶媒を除去した後、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢
酸エチル:ヘキサン(1:1))に付して、黄色油状物として標記化合物(0.
200g、76%)を得た。
j)(1RS,3RS)−3−[(2−ヒドロキシ−4−メトキシ)フェニル]−1
−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−5−プロパ−1−イルオキシ−イソイ
ンドリン
アルゴン下、0℃で、撹拌しつつ、乾燥エーテル(2ml)を含有するフラスコ
に塩化アルミニウム(0.037g、0.28mmol)、次いで、THF(0.28ml
、0.28mmol)中1M水素化アルミニウムリチウムを添加した。該混合物を0
℃で15分間撹拌し、次いで、それに迅速に(1RS)−1−ヒドロキシ−1−[(
2−ヒドロキシ−4−メトキシ)フェニル]−3−(3,4−メチレンジオキシフェ
ニル−6−プロパ−1−イルオキシ−1H−イソインドール(0.043g、0.
10mmol)を添加した。0℃で20分間撹拌した後、該反応を水、15%水酸化
ナトリウムおよび水でクエンチした。該混合物を酢酸エチルで抽出し、合わせた
有機抽出物を、水、食塩水で連続して洗浄し、乾燥させた(MgSO4)。減圧下
、溶媒を除去した後、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢
酸エチル:ヘキサン(3:7))に付して、薄黄色の固体として標記化合物(0
.012g、28%)を得た。
k)トリフルオロメチルスルホニルオキシ酢酸メチル
アルゴン下、−5℃で、無水トリフリック酸(3.7ml、20.0mmol)の塩化
メチレン(10ml)中溶液に、グリコール酸メチル(1.8g、20.0mmol)、
ピリジン(1.55ml、20.0mmol)および塩化メチレン無水物(5ml)の溶液
を30分間かけて滴下した。該反応を0°〜5℃で1.5時間撹拌した。次いで
、該混合物を水で数回洗浄した。次いで、有機抽出物を水、食塩水で洗浄し、乾
燥させた(MgSO4)。減圧下、溶媒を除去した後、残留物をフラッシュクロマ
トグラフィー(シリカゲル、塩化メチレン)に付して、無色の油状物として標記
化合物を得た(3.0g、68%)。
l)(1RS,3RS)−3−[(2−ヒドロキシ−4−メトキシ)フェニル]−1
−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−5−プロパ−1−イルオキシ−(1H,
3H−ジヒドロイソインドール−2−イル)酢酸メチル
アルゴン下、(1RS,3RS)−3−[(2−ヒドロキシ−4−メトキシ)フェニ
ル]−1−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−5−プロパ−1−イルオキシイ
ソインドリン(0.060g、0.14mmol)の塩化メチレン(3ml)中溶液にト
リエチルアミン(0.040ml、0.28mmol)、次いで、トリフルオロメチルス
ルホニルオキシ酢酸メチル(0.065g、0.28mmol)を添加した。該反応を
室温で24時間撹拌した。次いで、混合物を1N HClと酢酸エチルとに分配
した。有機抽出物を、水、食塩水で連続して洗浄し、乾燥させた(MgSO4)。
減圧下、溶媒を除去した後、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲ
ル、酢酸エチル:ヘキサン(2:8))に付して、無色油状物として標記化合物
(0.040g、57%)を得た。
m)(1RS,3RS)−3−[(2−カルボメトキシメトキシ−4−メトキシ)フ
ェニル]−1−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−5−プロパ−1−イルオキ
シ−(1H,3H−ジヒドロイソインドール−2−イル)酢酸メチル
アルゴン下、(1RS,3RS)−3−[(2−ヒドロキシ−4−メトキシ)フェニ
ル]−1−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−5−プロパ−1−イルオキシ(
1H,3H−ジヒドロイソインドール−2−イル)酢酸メチル(0.040g、0.
08mmol)の乾燥DMF(0.5ml)中溶液に炭酸カリウム(0.11g、0.8mm
ol)を添加した。該混合物を室温で20分間撹拌し、次いで、ブロモ酢酸エチル
(0.012ml、0.1mol)を添加し、24時間撹拌し続けた。該反応を1N H
Clでクエンチし、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を、水、食塩水
で連続して洗浄し、乾燥させた(MgSO4)。減圧下、溶媒を除去した後、残留
物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル:ヘキサン(3:
7))に付して、無色油状物として標記化合物(0.030g、64%)を得た。
n)(1RS,3RS)−3−[(2−カルボキシメトキシ−4−メトキシ)フェニ
ル]−1−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−5−プロパ−1−イルオキシ−
(1H,3H−ジヒドロイソインドール−2−イル)酢酸
(1RS,3RS)−3−[(2−カルボメトキシメトキシ−4−メトキシ)フェニ
ル]−1−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−5−プロパ−1−イルオキシ−
(1H,3H−ジヒドロイソインドール−2−イル)酢酸メチル(0.030g、0.
052mmol)の熱イソプロパノール(2ml)中溶液に6N水酸化ナトリウム(0
.043ml、0.26mmol)を添加した。該反応を還流させながら2時間撹拌した
。次いで、該混合物を3N HClでクエンチし、酢酸エチルで抽出した。合わせ
た有機抽出物を、水、食塩水で連続して洗浄し、乾燥させた(MgSO4)。減圧
下、溶媒を除去した後、得られた残留物を逆相HPLC(アセトニトリル:水(
1:1)および1%TFA)によって精製して、白色固体として標記化合物(0
.020g、71%)を得た。MS(ESI)m/e 536[M+H]+;融点154
〜158℃(分解);元素分析(C31H30F3NO11・3.5H2O):理論値:
C,41.95;H,3.73;N,1.66、測定値:C,42.14;H,3.82;
N,1.33。
実施例2
(1RS,3RS)−3−(4−メトキシフェニル)−1−(3,4−メチレンジオ
キシフェニル)−(1H,3H−ジヒドロイソインドール−2−イル)酢酸の製造
a)2−ヒドキロシ−4'−メトキシアセトフェノン
10℃で、塩化アルミニウム(22.5g、0.169mmol)およびクロロベン
ゼン(50ml)の混合物にアニソール(18g、0.166mol)を添加した。温
度を25℃以下に維持し、該反応に塩化o−メトキシベンゾイル(28g、0.1
64mol)を滴下した。該反応を室温で30分間撹拌し、次いで、蒸気浴上で2
時間加熱した。氷浴中で0°〜5℃に冷却した後、該混合物を10%HCl(1
00ml)で処理し、室温で18時間撹拌した。生成物をエーテル(3×100ml
)で抽出し、合わせた有機抽出物を5%水酸化ナトリウム(3×50ml)で洗浄
した。合わせた水性抽出物を濃HClで酸性化し、エーテル(3×)で抽出した
。合わせた有機抽出物を水で洗浄し、乾燥させた(MgSO4)。減圧下、溶媒を
除去して、琥珀色の油状物として標記化合物を得た(22.9g、61%)。
b)2−ヒドロキシ−4'−メトキシアセトフェノン3,4−メチレンジオキシ
ベンゾイルヒドラゾン
3,4−メチレンジオキシベンズヒドラジン(4.89g、27.1mmol)、2−
ヒドロキシ−4'−メトキシアセトフェノン(6.19g、27.1mmol)のイソプ
ロパノール(150ml)中溶液に酢酸ナトリウム(1g)を添加し、該混合物を
還流させながら24時間撹拌した後、非常に少量の生成物が形成された。該反応
にさらに酢酸ナトリウム(1g)を添加し、還流させながら24時間撹拌し続け
、この間に、沈殿物が形成した。該沈殿物を熱濾過して、固体として標記化合物
を得た(3.8g、36%)。
c)1−(4−メトキシベンゾイル)−2−(3,4−メチレンジオキベンゾイル
)ベンゼン
2−ヒドキシ−4'−メトキシアセトフェノン3,4−メチレンジオキシベンゾ
イルヒドラゾン(3.83g、9.82mmol)の酢酸(40ml)中溶液に二酢酸ヨ
ードベンゼン(6.32g、19.6mmol)を添加し、懸濁液を室温で24時間撹
拌し、次いで、還流させながら3時間撹拌した。該混合物を冷却し、次いで、酢
酸エチルと水とに分配させた。合わせた有機抽出物を、水、食塩水で連続して洗
浄し、乾燥させた(MgSO4)。減圧下、溶媒を除去した後、残留物をフラッシ
ュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル:ヘキサン(3:7))に付し
て、オフホワイト色の固体として標記化合物を得た(2.4g、68%)。
d)(1RS)−1−ヒドロキシ−1−(4−メトキシフェニル)−3−(3,4−
メチレンジオキシフェニル)−1H−イソインドール
ボンベに1−(4−メトキシベンゾイル)−2−(3,4−メチレンジオキシベン
ゾイル)ベンゼン(1.0g、2.8mmol)を充填し、−78℃に冷却し(アセトン
/ドライアイス浴)、液体アンモニア(20ml)を添加し、該容器を密封した。
該反応を、300psiの定常圧に達するように70℃で24時間加熱した。該混
合物が室温に冷えた後、圧力を徐々に開放し、茶色の残留物を酢酸エチルと水と
に分配させた。有機抽出物を3N HClで酸性化した。得られた水性層(塩酸塩
を含有する)を酢酸エチルで洗浄し、次いで、濃水酸化アンモニウムによる処理
によって塩基性化し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を、水、食塩
水で連続して洗浄し、乾燥させた(MgSO4)。減圧下、溶媒を除去して、茶色
の泡状物として標記化合物の異性体混合物を得た(0.900g、90%)。
e)(1RS,3RS)−3−(4−メトキシフェニル)−1−(3,4−メチレン
ジオキシフェニル)イソインドリン
アルゴン下、0℃で、撹拌しつつ、乾燥エーテル(2ml)を含有するフラスコ
に塩化アルミニウム(0.037g、0.28mmol)、次いで、THF(0.28ml
、0.28mmol)中1M水素化アルミニウムリチウムを添加した。該混合物を0
℃で5分間撹拌し、次いで、それに迅速に(1RS)−1−ヒドロキシ−1−(4
−メトキシフェニル)−3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−1H−イソイ
ンドール(0.050g、0.14mmol)、次いで、乾燥THF(2ml)を添加し
た。0℃で10分間撹拌した後、該反応を水、15%水酸化ナトリウムおよび水
でクエンチした。該混合物を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機抽出物を、水、
食塩水で連続して洗浄し、乾燥させた(MgSO4)。溶媒を除去した後、残留物
をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル:ヘキサン(3:7
))に付して、黄色固体として標記化合物を得た(0.030g、45%)。MS
(ESI)m/e 346[M+H]+;融点:123〜125℃。
f)(1RS,3RS)−3−(4−メトキシフェニル)−1−(3,4−メチレン
ジオキシフェニル)−(1H,3H−ジヒドロイソインドール−2−イル)酢酸メチ
ル
アルゴン下、(1RS,3RS)−1−(4−メトキシフェニル)−3−(3,4−
メチレンジオキシフェニル)イソインドリン(0.140g、0.41mmol)の塩化
メチレン(3ml)中溶液にトリエチルアミン(0.085ml、0.61mmol)、次
いで、トリフルオロメチルスルホニルオキシ酢酸メチル(0.065g、0.28m
mol)を添加した。該反応を室温で2.5時間撹拌した。次いで、該混合物を酢酸
エチルと水とに分配させた。合わせた有機抽出物を、水、食塩水で連続して洗浄
し、乾燥させた(MgSO4)。減圧下、溶媒を除去した後、残留物をフラッシュ
クロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル:ヘキサン(3:7))に付して
、油状物として標記化合物を得た(0.130g、76%)。
g)(1RS,3RS)−3−(4−メトキシフェニル)−1−(3,4−メチレン
ジオキシフェニル)−(1H,3H−ジヒドロイソインドール−2−イル)酢酸
(1RS,3RS)−3−(4−メトキシフェニル)−1−(3,4−メチレンジオ
キシフェニル)−(1H,3H−ジヒドロイソインドール−2−イル)酢酸メチル(
0.130g、0.31mmol)のイソプロパノール(3ml)中溶液に6M水酸化ナ
トリウム(0.151mmol)を添加した。該反応を還流させながら24時間撹拌
した。有機溶媒を除去し、水性層を3N HClで酸性化し、酢酸エチルで抽出し
た。有機抽出物を、水、食塩水で連続して洗浄し、乾燥させた(MgSO4)。減
圧下、溶媒を除去し、無色油状物として標記化合物を得た(0.100g、81%
)。MS(ESI)m/e 404[M+H]+;元素分析(C24H21NO5):理
論値:C,71.45;H,5.25;N,3.47、測定値:C,71.44;H,5.
17;N,3.42;1H NMR(400MHz,CDCl3)δ7.35(d,J=8
.7Hz,2H)、7.17(d,J=8.7Hz,2H)、6.95−6.80(mm,7H)
、5.94(s,2H)、5.34(s,2H)、3.81(s,3H)、3.47(s,2H)
。
実施例3
本発明の化合物を配合する医薬用途に用いる製剤は、種々の形態で、種々の賦
形剤を用いて調製できる。このような製剤の例を以下に示す。
吸入製剤
式Iで示される化合物(1mg〜100mg)を計量器付吸入器からエアロゾル化
して、各使用ごとに望ましい量がデリバリーされるようにする。
錠剤/成分 錠剤1個あたり
1.活性成分 40mg
(式Iで示される化合物)
2.コーンスターチ 20mg
3.アルギン酸 20mg
4.アルギン酸ナトリウム 20mg
5.ステアリン酸マグネシウム 1.3mg
2.3mg
錠剤の工程
工程1 成分No.1、No.2、No.3およびNo.4を適当なミキサー/ブレン
ダー中でブレンドする。
工程2 工程1のブレンドに充分な水を数回にわけて、各添加後に慎重に混合
しつつ添加する。このような水の添加および混合は、物質がコンシステンシーを
有するものであり、湿顆粒に変わるまで行う。
工程3 湿塊をNo.8メッシュ(2.38mm)スクリーンを用いて振動造粒器
に通すことにより顆粒にする。
工程4 次いで、湿顆粒を、オーブン中、140°F(60℃)で乾燥するま
で乾燥させる。
工程5 乾燥顆粒を成分No.5で滑沢化する。
工程6 滑沢顆粒を適当な錠剤圧縮器で圧縮する。
非経口製剤
適当量の式Iで示される化合物を加熱しながらポリエチレングリコールに溶解
させることによって、非経口投与用医薬組成物を調製する。次いで、この溶液を
欧州薬局方注射用水で(100mlに)希釈する。次いで、溶液を0.22ミクロ
ン膜フィルターを通して濾過することによって滅菌し、無菌容器中に密封する。
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
A61K 31/40 AED 9454−4C A61K 31/40 AED
C07D 405/06 209 9053−4C C07D 405/06 209
(72)発明者 フランツ,ロバート・ジーン
アメリカ合衆国19462ペンシルベニア州
プリマス・ミーティング、ワイルドフラワ
ー・ドライブ169番
(72)発明者 ラゴ,マリア・アンパロ
アメリカ合衆国19403ペンシルベニア州
オーデュボン、ポンドビュー・ドライブ
701番
(72)発明者 ガオ,アイミン
アメリカ合衆国19425ペンシルベニア州
チェスター・スプリングス、イートン・コ
ート 3505番