【発明の詳細な説明】
環D−修飾ジベレリン化合物およびその製法と用法
この発明は環D−修飾ジベレリン化合物およびその製法と用法に関する。
国際出願PCT/AU92/00426号明細書(WO93/03616)に記
載されているように、農業や園芸の分野において高等植物の所望の生理学的効果
を促進するために使用できる多数の植物活性物質(C−16,17−ジヒドロジベ
レリンを含む)が知られている。このような効果には開花の促進、開花の抑制、
種子の頭花形成の抑制、雑草の抑制、茎の伸長抑制(矮性化)、耐寒性の改良、発
根の促進および種子の発芽における根または芽の成長抑制等が含まれる。しかし
ながら、大部分の植物活性物質は望ましくない副作用をもたらし、環境汚染に関
係する毒性残渣をもたらすことがある。
ジベレリン類(GAs)は多くの植物、特に開花に長い日照時間を必要とする植
物の成長と開花に影響を及ぼすことが知られている[ラング(1965年)、ゼー
バールト(1983年)、ファリスおよびキング(1985年)]。ドクムギはこの
ような長日性(LD)植物であり[エヴァンス(1964年、1969年)]、この
ような植物種に関する最近の研究によって、茎の伸長促進に対する構造的要求は
開花の開始の場合とは著しく異なることが判明した(エヴァアンスら、1990
年)。このような2つの過程に対して異なる構造的要求は、GAs、特にGA5お
よびGA20のC−16,17−ジヒドロ誘導体を用いた実験においてより明確と
なった。即ち、開花促進に最適な投与量は茎の伸長を40%まで抑制する(エヴ
ァンスら、1994年b)。このような組合せ効果は園芸的な意義を有する。C−
16,17−ジヒドロジベレリンがイネの葉と葉鞘の伸長を抑制することが報告
されている(タカギら、1994年)。
C−16,17−ジヒドロジベレリンをロリウム(Lolium)に茎の伸長を良好に
抑制する量投与しても開花は抑制されないが(エヴァンスら、1994年b)、こ
の種のジベレリンおよびジベレリン生合成抑制剤CGA163935によって促
進される。CGA163935を用いた実験から明らかになったように(アダム
スら、1992年)、この種のC−16,17−ジヒドロジベレリンはジベレリン
生合成の後期段階を阻害する作用をする(タカギら、1994年)。
種々の成長遅延剤による芝生の抑制に関する研究が温暖期と寒冷期の両方の草
に対して広くおこなわれている(カウフマン、1990年)。しかしながら、これ
らの研究結果は常に一致するものではなく、黄色化したり(サンダーおよびヘン
スレー、1993年)、また、使用する成長遅延剤は環境に対して許容されない
こともある。成長抑制のタイプは使用する薬剤によって変化し、マレイン酸ヒド
ラジドおよびメフルイジド(mefluidide)は新芽の急激な発芽を伴う芽枯れをもた
らし、一方、フルルプリミドール(flurprimidol)およびパクロブトラゾール(pac
lobutrazol)は葉の成長を抑制するに過ぎない(スパークら、1993年)。種子
の頭花抑制も望ましい効果であり、ジョンソン(1990年、1993年)はエレ
モクロアに関してイマゼサピン(imazethapyn)、メフルイジドおよびプリネキサ
パックエチル[「Primo」(商標)またはCGA163935]を用いる有利な効果を
報告している。CGA163935の場合、多量の投与を必要とするために葉が
損傷を受ける。
多くの芝生の手入れにおける目的は、光合成および葉とひこばえの発生が活発
で、葉の成長と開花が抑制される密集した芝生を維持することである。芝刈りを
繰り返すことはコスト高になるだけでなく、有害なこともある。このため、光合
成能、葉の発生速度、葉の寿命および植物の生存能力を低下させることなく茎と
葉の伸長を抑制する化合物が渇望されている。
国際出願PCT/AU92/00426号明細書には、植物において所望の組
織形態および/または生理的状態を誘発させるために、植物の成長と発生をもた
らすエフェクターであるジベレリンの形成を少なくとも部分的に抑制するのに有
効なC−16,17−ジヒドロジベレリンまたはC−16,17−ジヒドロジベレ
リン前駆体を植物また植物組織(切り枝、根、球根、球茎、塊茎、根茎および種
子を含む)に投与することを含む植物もしくは植物組織の処置方法が開示されて
いる。これらの化合物を用いて得られる効果には、矮性化、茎と芽および/また
は根(幼根)の成長遅延、開花、果実の質の改良、果実の成熟化の抑制、果実セッ
トの改良、雑草の成長抑制、不実化の誘発、芽条変異の遅延化およびひこばえの
発生が含まれる。
この発明は、植物において所望の組織形態および/または生理的状態を誘発し
て上記の効果をもたらす新規な環D−修飾ジベレリン化合物に関する。
本発明の一つの観点によれば、下記の一般式1Aまたは1Bで表される環D−
修飾ジベレリン化合物が提供される:
一般式1Aまたは1Bにおいて、R1はHまたはOHを示し、R2およびR3は
同一または異なっていてもよく、各々H、F、Cl、Br、低級(C1-6)アルキル
、低級(C2-6)アルケニルまたは低級(C3-6)シクロアルキルを示し、R4はA環
が(i)非官能基化されていてもよいか、もしくは(ii)1,2−二重結合もしくは2
,3−二重結合を有していてもよいか、もしくは(iii)1,2−二重結合を有して
いるかもしくは有していなく、3α−OH、3β−OH、F、ClまたはBrを有
する
か、もしくは(iv)2,3−二重結合を有しているかもしくは有していなく、1α
−OH、1β−OH、F、ClまたはBrを有していることを意味する。
本発明の別の観点によれば、下記の一般式1Cで表される環D−修飾ジベレリ
ン化合物が提供される:
一般式1Cにおいて、R1はHまたはOHを示し、R2およびR3は同一または
異なっていてもよく、各々H、F、Cl、Br、低級(C1-6)アルキル、低級(C2- 6
)アルケニル、低級(C3-6)シクロアルキルまたはCH2X(XはF、ClまたはB
rを示す)を示し、R4はA環が(i)非官能基化されていてもよいか、もしくは(ii
)1,2−二重結合もしくは2,3−二重結合を有していてもようか、もしくは(ii
i)1,2−二重結合を有しているかもしくは有していなく、3α−OH、3β−
OH、F、ClまたはBrを有するか、もしくは(iv)2,3−二重結合を有してい
るか有していなく、1α−OH、1β−OH、F、ClまたはBrを有していても
よいことを意味する。
但し、一般式1Cにおいて(i)R2とR3は両方がHを示すことはなく、(ii)R2
がHのときはR3はメチルを示さず、R3がHのときはR2はメチルを示さず(iii
)R3がクロロメチルもしくはブロモメチルであり、A環が3β−OHを有すると
きにはR2はClまたはBrを示さず、R2がクロロメチルもしくはブロモメチルで
あり、A環が3β−OHを有するときにはR3はClまたはBrを示さない。
本発明には、1−OH、3−OHおよび/または13−OHを有する一般式1
A〜1Cで表される化合物の簡単なエステル(例えば、カルボン酸エステル)およ
びエーテル(例えば、低級アルキルエーテルおよび置換低級アルキルエーテル)、
および/または7−COOHを有する一般式1A〜1Cで表される化合物の簡単
なエステル(例えば低級アルキルエステルおよび置換低級アルキルエステル)およ
び塩(例えばアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩)も含まれる。
本発明による化合物にはGA1、GA4、GA7およびGA9を含む多数のジベレ
リン系列の化合物が包含されるが、特に好ましい化合物は下記の化合物を含むG
A5、GA20およびGA3ジベレリン系列の化合物である。
本発明による化合物、特にGA3、GA5およびGA20ジベレリン系列の本発明
による化合物は、一般的には親アルケン、例えばジベレリン酸(GA3)からジハ
ロカルベンの付加とその後の還元的脱ハロゲン化を含む二段階法によって調製し
てもよい(次式参照)。
ジハロシクロプロパンからモノハロシクロプロパンへの部分的還元法は周知の
反応であるが(例えば、水素化ジブチル錫を使用する)、ジハロシクロプロパンを
完全に還元することによってシクロプロピル誘導体を容易に得ることができる(
特に、ジブロモシクロプロパンを使用する)。シクロプロピル誘導体は水素化分
解によって開裂させてもよい。
有効な全反応過程にはGA3からの共通の中間体の調製段階が含まれ、該中間
体を用いてGA3型およびGA5型(およびGA20)型の化合物が得られる。簡単な
脱保護反応によってGA3誘導体が得られる。GA3からGA5(およびGA20)へ
の既知の変換過程も所望のGA5(およびGA20)誘導体の合成過程に含まれる。
以下の実施例は一般式1A〜1Cで表されるGA3およびGA5ジベレリン系列
の化合物を調製するための一般的な反応例について説明するものである。これら
の一般式で表される他の化合物は類似の反応および/または当業者に周知の別の
反応によって調製してもよい。
前述のように、本発明による化合物は植物において所望の組織形態および/ま
たは生理的状態を誘発させるのに使用することができる。例えば、本発明による
化合物はナガハグサ、ファイン・リーフ・ライ(fine leaf rye)およびヒロハ
ノウシノケグサを含む温帯産の芝生(tuaf grass)の茎の成長を抑制する。また
、該化合物は多年生芝生の草地に生育する草深い一年生雑草[例えば、ポア・ア
ニュア(Poa annua)]を選択的に除草するのにも有効である。この場合、種子の
頭花形成の抑制および/または不実化の誘発がおこなわれる最初のシーズン中は
緑色の芝生の草地が維持される。本発明による化合物はドクムギの開花の進展お
よび/または茎の伸長に対しても効果があり、また、イネの葉鞘と葉の伸長を抑
制する。より一般的に言えば、これらの化合物は除草剤および殺菌剤としての効
果をもたらすと考えてもよい。また、これらの化合物は単子葉植物と双子葉植物
との間で特異性を示す。
従って、本発明のさらに別の観点によれば、前記の一般式1A〜1Cで表され
る化合物を植物もしくは植物の組織(切り枝、根、球根、球茎、塊茎、根茎およ
び種子を含む)に有効量投与することを含む、植物における所望の組織形態およ
び/または生理的状態を促進もしくは誘発する方法が提供される。
また、この観点によれば、前記の一般式1A〜1Cで表される有効量の化合物
および農業もしくは園芸において許容され得るキャリヤーもしくは希釈剤を含有
する植物もしくは植物組織の処置用組成物が提供される。
「有効量」とは処置されるべき植物もしくは植物組織において所望の組織形態お
よび/または生理的状態を促進または誘発するのに有効な量を意味する。
さらにまた、本発明のこの観点によれば、前記一般式1A〜1Cで表される化
合物を植物において所望の組織形態および/または生理的状態を促進または誘発
させるために使用する方法が提供される。
本発明による化合物を植物もしくは植物組織に投与する方法は特に限定的では
なく、例えば、該化合物の溶液または懸濁液を植物全体に噴霧してもよく、ある
いは種子、根、球根、塊茎、根茎に適当なキャリヤーと共に塗布してもよい。植
物の栽培においては常套のアジュバント、例えば湿潤剤および分散剤を添加する
ことが有利な場合がある。
本発明による活性化合物の使用量は非常に少量である。正確な投与量または有
効量は所望の組織形態もしくは生理的状態および植物の種類によって左右される
。所定の被処置植物に対して必要な投与量と処置方法は適当な実験、例えば本明
細書に記載の実験によって決定することができる。
一般的指針としては次のことが言える。即ち、活発に成長する植物組織1gあ
たり該化合物を0.01μg程度使用することによって満足な結果が得られるが
、より有効な結果を得るためには該化合物を0.01〜1000μg、特に2〜
100μg使用してもよい。活性化合物の有効量は1ヘクタールあたり1〜10
00gであってもよい。
本発明によって投与される活性化合物の量は新鮮な植物組織または乾燥した植
物組織の重量比で表示してもよい。この表示法による投与量は新鮮な植物組織1
gに対して1000μgまで、特に1〜1000μg、最も好ましくは2〜100
0μg、就中、2〜500μgであるが、最適量は2〜333μg、特に2〜10
0μgである。(大部分の植物の場合、新鮮な組織の重量と乾燥組織重量の比は1
0:1〜6:1である。)
本発明によって使用する活性化合物の配合濃度は5000ppm(1.5×10-12
M)までにしてもよいが、最も好ましくは最低濃度を0.1ppmにする(種子に含
浸させるか、または土壌に含浸させる場合には以下に説明するように、さらに低
濃度であってもよい)。好ましい濃度範囲は1〜1000ppmである。
特に葉に対して噴霧する場合に満足な結果を得るための濃度は1〜500ppm
、好ましくは1〜350ppmにしてもよい。特定の種類の植物に対する投与量は
上
記の場合の10〜100倍多くしてもよい。種子に含浸させるか、または土壌に
含浸させる場合にはこれよりも低濃度、例えば10-14〜10-7Mでも有効であ
るが、最低濃度は少なくとも10-10Mにするのが好ましい。
本発明による上記方法は前記一般式1A〜1Cで表される化合物を単一の植物
成長調節剤として使用しておこなってもよいが、他の植物成長調節剤、例えばサ
イトキニンまたは茎伸長促進性ジベレリン(例えばジベレリンA1、A3、A4、A7
および/またはA9)を併用してもよい。
本明細書において、特に言及しない限り、「含む」という用語は明言された整数
もしくは整数群を含むことを意味するが、その他の整数もしくは整数群を除外す
るものではない。
本発明による化合物および該化合物の製法と用法を以下の実施例によって説明
するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1 ジベレリン酸3−アセテート(2)
ジベレリン酸は市販品を用いた。3−アセテート(2)はクロスの方法(J.C
hem.Soc.、1954年、第4670頁参照)によって調製した。
実施例2 エント−3α−アセトキシ−13−ヒドロキシ−20−ノルジベレ
ル−1,16−ジエン−7,19−二酸19,10−ラクトン7−メ
トキシメチルエステル(3)
ジベレリン酸3−アセテート(2)23g(0.06mol)をジクロロメタン250
mlに溶解した溶液をジイソプロピルエチルアミン14ml(0.08mol)およびメ
トキシメチルクロリド4.5ml(0.06mol)を用いて処理し、該混合物を窒素
雰囲気下、4℃で14時間保持した。重炭酸ナトリウム飽和溶液を添加し、生成
物をジクロロメタンで抽出した。有機層を2N HCl、水、重炭酸ナトリウム
溶液およびブラインを用いて順次洗浄した後、硫酸ナトリウムを用いて乾燥した
。溶剤を除去後、残渣をシリカゲルを用いるクロマトグラフィー処理に付し、酢
酸エチル/ヘキサン(1:1)を用いてアセテート(3)を溶離させた(22g、収率
86%)。
該アセテート(3)の分析値を以下に示す。1
H NMR(CDCl3):1.16(3H,s,H18);2.10(3H,s,OCOCH3
);2.79(1H,d,J6,5=10.9Hz,H6);3.33(1H,d,J5,6=10.
9Hz,H5);3.47(3H,s,CO2CH2OCH3);4.96(1H,s,H17);
5.26(1H,d,J=5.4Hz,CO2CH2OCH3);5.27(1H,s,H17)
;5.29(1H,d,J=6.1Hz,CO2CH2OCH3);5.33(1H,d,J3,2
=3.8Hz,H3);6.38(1H,d,J1,2=9.3Hz,H1)
実施例3 エント−3α−アセトキシ−16β,17−ジクロロメタノ−13
−ヒドロキシ−20−ノルジベレル−1−エン−7,19−二酸1
9,10−ラクトン7−メトキシメチルエステル(4)
クロロホルム100mlにエステル(3)5.3g(0.012mol)を溶解させた溶
液に、窒素雰囲気下において、水酸化ナトリウム粉末4.0g(0.1mol)を手早
く添加し、次いでベンジルトリエチルアンモニウムクロリド100mgを添加した
後、40分間撹拌した。混合物の温度を外部から氷水浴を用いて時々冷却しなが
ら30℃以下に維持した。さらに水酸化ナトリウム粉末2g(0.05mol)を添加
し、撹拌をさらに40分間続行した。混合物をセライトを用いて濾過し、濾過物
をリン酸二水素ナトリウム20%溶液を用いて洗浄し、硫酸ナトリウムを用いて
乾燥させた後、酢酸エチル/石油エーテル(40〜60℃)(1:1)を溶離液とす
るシリカゲル用いるクロマトグラフィー処理に付すことによって付加物(4)を白
色泡状物として4g得た(収率63%)。
該付加物(4)の分析値を以下に示す。1
H NMR(CDCl3):1.17(3H,s,H18);1.39(1H,d,J17,17=
7.5Hz,H17);1.74(1H,d,J17,17=7.5Hz,HO17);2.09(
3H,s,OCOCH3);2.81(1H,d,J6,5=10.5Hz,H6);3.31(1
H,d,J5,6=10.5Hz,H5);3.52(3H,s,CO2CH2OCH3);5.2
8(1H,d,J=6.1Hz,CO2CH2OCH3);5.33(1H,d,J=6.1Hz
,CO2CH2OCH3);5.34(1H,s,H3);5.88(1H,dd,J2,1=9.3
Hz,J2,3=3.8Hz,H2);6.39(1H,d,J1=9.3Hz,H1)
実施例4 エント−3α,13−ジアセトキシ−16β,17−ジクロロメタノ
−20−ノルジベレル−1−エン−7,19−二酸19,10−ラク
トン7−メトキシメチルエステル(5)
ジクロロメタン45mlおよびトリエチルアミン5.07gにエステル(4)8.
6g(16.7mmol)を溶解させた溶液を氷浴を用いて冷却した後、無水酢酸5.
1gを滴下し、次いで4−N,N'−ジメチルアミノピリジン150mgを滴下した
。この溶液を5℃で48時間保存した。氷浴を用いて冷却した後、反応混合物に
少量の氷を添加し、5分間撹拌した。この添加をもう一度繰り返した後、数グラ
ムの氷を添加した。撹拌を室温で15分間続行した後、回転蒸発器を用いて大部
分のジクロロメタンを除去し、次いで酢酸エチルを添加した。有機層を冷却した
2
N HCl、水、重炭酸ナトリウム溶液およびブラインを用いて順次洗浄した後
、硫酸ナトリウムを用いて乾燥させた。溶剤を除去することによってジアセテー
ト(5)を結晶性固体として9.2g得た(収率100%)。
該ジアセテート(5)の分析値を以下に示す。1
H NMR(CDCl3):1.16(3H,s,H18);1.39(1H,d,J17,17=
7.4Hz,H17);1.81(1H,d,J17,17=7.4Hz,HO17);1.98(
3H,s,OCOCH3);2.09(3H,s,OCOCH3);2.81(1H,d,J6,5=
10.8Hz,H6);3.32(1H,d,J5,6=10.8Hz,H5);3.56(3H
,s,CO2CH2OCH3);5.23(1H,d,J=6.0Hz,CO2CH2OCH3);
5.32(1H,d,J3,2=3.85Hz,H3);5.38(1H,d,J=6.0Hz,
CO2CH2OCH3);5.88(1H,dd,J2,1=9.4Hz,J2,3=3.8Hz,H
2);6.38(1H,d,J=9.4Hz,H1)
実施例5 エント−13−アセトキシ−16β,17−ジクロロメタノ−3α
−ヒドロキシ−20−ノルジベレラン−7,19−二酸19,10−
ラクトン7−メトキシメチルエステル(6)
メタノール130mlにジアセテート(5)2g(3.34mmol)を溶解させた溶液
を、水25mlに炭酸カリウム0.75gおよび炭酸水素カリウム0.63gを溶解
させた溶液を用いて処理し、得られた濁った混合物を室温で30分間撹拌したと
ころ、透明な溶液が得られた。該溶液のpHを酢酸の添加によって7にした後、
過剰の溶剤を回転蒸発器を用いて除去した。残渣を酢酸エチルを用いて抽出し、
得られた溶液を炭酸カリウム水溶液およびブラインを用いで順次洗浄した後、硫
酸ナトリウムを用いて乾燥させた。溶剤を除去することによってエント−13−
アセトキシ−16β,17−ジクロロメタノ−3α−ヒドロキシ−20−ノルジ
ベル−1−エン−7,19−二酸19,10−ラクトン7−メトキシメチルエステ
ルを結晶性白色固体として1.8g得た。この生成物の分析値は次の通りである
。1
H NMR:1.27(3H,s,H18);1.41(1H,d,J17,17=7.3Hz,
H17);1.81(1H,d,J17,17=7.3Hz,HO17);2.00(3H,s,O
COCH3);2.83(1H,d,J6,5=10.8Hz,H6);3.21(1H,d,J5, 6
=10.8Hz,H5);3.60(3H,s,CO2CH2OCH3);4.16(1H,d,
J3,2=3.7Hz,H3);5.23(1H,d,J=6.0Hz,CO2CH2OCH3);
5.38(1H,d,J=6.0Hz,CO2CH2OCH3);5.92(1H,dd,J2,1
=9.3Hz,J2,3=3.7Hz,H2);6.32(1H,d,J1,2=9.3Hz,H1
)
この生成物を酢酸エチル50mlに溶解させた溶液に5%ロジウム−アルミナ0
.25gを添加し、混合物を水素雰囲気下において16時間撹拌した。濾過処理
に付した反応混合物を濃縮乾燥させた後、シリカゲル上でのクロマトグラフィー
処理[溶離液:酢酸エチル/石油エーテル(40〜60℃)(1:1)]に付すことによ
って3β−カルビノール(6)を65%の収率で得た。
該3β−カルビノール(6)の分析値は次の通りである。1
H NMR(CDCl3):1.13(3H,s,H18);1.39(1H,d,J17,17=
7.3Hz,H17);1.76(1H,d,J17,17=7.3Hz,HO17);1.96(
3H,s,OCOCH3);2.70(1H,d,J6,5=10.3Hz,H6);3.19(1
H,d,J5,6=10.3Hz,H5);3.52(3H,s,CO2CH2OCH3);3.8
1(1H,br s,H3);5.18(1H,d,J=6.0Hz,CO2CH2OCH3);5.
32(1H,d,J=6.0Hz,CO2CH2OCH3)
実施例6 エント−13−アセトキシ−16β,17−ジクロロメタノ−3α
−メシルオキシ−20−ノルジベレラン−7,19−二酸19,10
−ラクトン7−メトキシメチルエステル(7)
乾燥ジクロロメタン30mlにカルビノール(6)5.2g(10mmol)を溶解させ
た溶液に窒素雰囲気下、4℃においてトリエチルアミン2.79ml(20mmol)を
添加し、次いでメタンスルホニルクロリド1.54ml(20mmol)を滴下した。3
0分後、氷片を添加し、混合物を15分間撹拌した。さらに氷片を添加した後、
混合物の撹拌を10分間続行し、温度を周囲温度まで高めた。この混合物を酢酸
エチルを用いて希釈した後、リン酸二水素カリウム20%溶液、ブラインおよび
炭酸カリウム10%溶液を用いて順次洗浄し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ
た。溶剤を除去した後、残渣をシリカゲルを用いるクロマトグラフィー処理[溶
離液:酢酸エチル/石油エーテル(40〜60℃)(1:1.5)]に付すことによっ
てメシレート(7)を5.1g得た(収率85%)。
該メシレート(7)の分析値は次の通りである。1
H NMR(CDCl3):1.19(3H,s,H18);1.39(1H,d,J17,17=
7.3Hz,H17);1.77(1H,d,J17,17=7.3Hz,HO17);1.96(
3H,s,OCOCH3);2.71(1H,d,J6,5=10.3Hz,H6);3.07(3
H,s,OSO2CH3);3.13(1H,d,J5,6=10.3Hz);3.54(3H,s,
CO2CH2OCH3);4.74(1H,br d,J=2.2Hz,H3);5.21(1H,
d,J=5.5Hz,CO2CH2OCH3);5.35(1H,d,J=5.5Hz,CO2C
H2OCH3)
実施例7 エント−13−アセトキシ−16β,17−ジクロロメタノ−20-
ノルジベレル−2−エン−7,19−二酸19,10−ラクトン(8)
水素化カリウムを用いて処理した後で蒸留したトルエン100mlにメシレート
(7)5.1g(8.56mmol)を溶解させた溶液にDBU6.52g(42.8mmol)
を添加し、これを窒素雰囲気下、120℃で34時間加熱した。反応溶液を冷却
した後、炭酸カリウム溶液を用いて抽出し、抽出物を1N HClを用いて酸性
化し、これを酢酸エチルを用いて抽出した。有機層を水を用いて中性になるまで
洗浄し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥させた後、濃縮乾燥させることによって酸
(8)を2.77g得た(収率71%)。
該酸(8)の分析値は次の通りである。1
H NMR(CDCl3):1.27(3H,s,H18);1.38(1H,d,J17,17=
7.3Hz,H17);1.78(1H,d,J17,17=7.3Hz,H17);1.97(3
H,s,OCOCH3);2.68(1H,d,J6,5=9.4Hz,H5);2.73(1H,d
,J5,6=9.4Hz,H6);5.67(1H,br d,J=9.3Hz,H3);5.80(
1H,d tr,J=9.3Hz,J=2.9Hz,H2)
実施例8 エント−16β,17−ジクロロメタノ−13−ヒドロキシ−20-
ノルジベレル−2−エン−7,19−二酸19,10−ラクトン(9)
アセテート(8)2.25g(4.94mmol)をメタノール100mlに溶解させた
溶液に炭酸カリウム3.4g(24.7mmol)を添加し、該混合物を室温で一夜撹
拌した。反応混合物のpHを酢酸の添加によって4にし、過剰の溶剤を回転蒸発
器を用いて除去した後、リン酸二水素カリウム飽和溶液を添加し、この混合物を
酢酸エチルを用いて抽出した。硫酸ナトリウムを用いて乾燥させた後、溶剤を除
去することによって酸(9)を1.9g得た(収率93%)。
該酸(9)の分析値は次の通りである。1
H NMR(CDCl3−MeOH,4:1):1.27(3H,s,H18);1.38(1
H,d,J17,17=7.3Hz,H17);1.70(1H,d,J17,17=7.3Hz,HO
17);2.64(1H,d,J6,5=9.0Hz,H5);2.72(1H,d,J5,6=9.
0Hz,H6);5.67(1H,br d,J=9.2Hz,H3);5.79(1H,d tr,J
=9.2Hz,J=3.0Hz,H2)
実施例9 エント−16β,17−ジクロロメタノ−13−ヒドロキシ−20-
ノルジベレル−2−エン−7,19−二酸19,10−ラクトン7−
メトキシメチルエステル(10)
13−ヒドロキシ−20−ノルジベレル−2−エン−7,19−二酸19,10
−ラクトン(GA5)[マクミランら、Tetrahedron、第11巻、第60頁(196
0年)参照]194mg(0.59mmol)をジクロロメタン10mlおよびトリエチルア
ミン250μl(0.18mmol)に溶解させた溶液をメトキシメチルクロリド54
μl(7.2mmol)を用いて処理し、該混合物を室温で15分間撹拌した。重炭酸
ナトリウム飽和溶液を添加した後、反応生成物を酢酸エチルを用いて抽出した。
硫酸ナトリウムを用いて乾燥させた後、溶剤を除去し、残渣の半分(99mg)をク
ロロホルム3mlに溶解させた。水酸化ナトリウム粉末0.4g(0.01mol)を窒
素雰囲気下において手早く添加した後、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリ
ド6mgを添加し、撹拌を8.5時間おこなった。反応混合物をセライトを用いて
濾過し、濾過物をリン酸二水素ナトリウム20%溶液を用いて洗浄し、硫酸ナト
リウムを用いて乾燥させ、濃縮後、シリカゲルクロマトグラフィー処理[溶離液:
酢酸エチル/石油エーテル(40〜60℃)(1:2)]に付すことによって付加物(
10)を白色泡状物として81mg得た(収率67%)。
付加物(10)の分析値は次の通りである。1
H NMR(CDCl3):1.28(3H,s,H18);1.42(1H,d,J17,17=
7.3Hz,H17);1.73(1H,d,J17,17=7.3Hz,HO17);2.71(
1H,d,J6,5=9.0Hz,H5);2.79(1H,d,J5,6=9.0Hz,H6);5
.70(1H,br d,J=9.2Hz,H3);5.82(1H,d tr,J=9.2Hz,J
=3.0Hz,H2)
実施例10 エント−16β,17−クロロメタノ−13−ヒドロキシ−20-
ノルジベレル−2−エン−7,19−二酸19,10−ラクトン7
−メトキシメチルエステル(11)
エステル(10)40mg(0.087mmol)をベンゼン2mlに溶解させた溶液をト
リ−n−ブチルスタンナン26μl(0.096mmol)およびAIBNの結晶を用い
て処理した。この混合物を窒素雰囲気下での還流を1時間おこなった。溶剤を除
去した後、残渣をエーテルに溶解させ、該溶液をアンモニア水を用いて3回洗浄
した。有機層を乾燥させ、これを濃縮乾燥させた後、シリカゲルクロマトグラフ
ィー処理[溶離液:酢酸エチル/ヘキサン(1:2)]に付すことによってモノクロ
ロ生成物(11)を単一エピマー(立体配置は未確定)として35mg得た(収率95
%)。
該モノクロロ生成物(11)の分析値は次の通りである。1
H NMR(CDCl3):0.73(1H,m,H17);1.27(1H,dd,J=6.
6,8.1Hz,HO17);1.28(3H,s,H18);2.69(1H,d,J6,5=9
.OHz,H5);2.81(1H,d,J5,6=9.0Hz,H6);3.43(1H,dd,J
=8.1,4.1Hz,CHCl);3.50(3H,s,OMe);5.28(2H,s,OC
H2O);5.69(1H,br d,J=9.2Hz,H3);5.82(1H,d tr,J=9
.2Hz,J=3.0Hz,H2).
実施例11 エント−16β,17−クロロメタノ−13−ヒドロキシ−20-
ノルジベレル−2−エン−7,19−二酸19,10−ラクトン(
1
2)
エステル(11)17mg(0.040mmol)をジクロロメタン2mlに溶解させた溶
液をトリフルオロ酢酸0.2mlを用いて処理し、該混合物を窒素雰囲気下、室温
において1時間撹拌した。溶剤を除去することによって、酸(12)を無色ガラス
状物として得た。
該酸(12)の分析値は次の通りである。1
H NMR(d8−THF):0.63(1H,m,H17);1.10(1H,dd,J=6
.6,8.1Hz,HO17);1.18(3H,s,H18);2.53(1H,d,J6,5=
9.1Hz,H5);2.71(1H,d,J5,6=9.1Hz,H6);3.37(1H,dd,
J=8.1,4.1Hz,CHCl);5.65(1H,br d,J=9.2Hz,H3);5
.79(1H,d tr,J=9.2Hz,J=3.0Hz,H2).
実施例12 エント−3α−アセトキシ−16β,17−ジブロモメタノ−1
3−ヒドロキシ−20−ノルジベレル−1−エン−7,19−二
酸19,10−ラクトン7−メトキシメチルエステル(13)
エステル(3)173mg(0.40mmol)、コリンクロリド11mg(0.08mmol)
およびブロモホルム70μl(0.8mmol)をジクロロメタン4mlに溶解させた溶
液に質素雰囲気下で水酸化ナトリウム50%溶液2mlを添加し、該混合物を2.
5時間激しく撹拌した後、ブロモホルム50μlをさらに添加して撹拌を0.5
時間おこなった。酢酸エチルを添加し、有機層を水およびブラインを用いて順次
洗浄した後、シリカゲルクロマトグラフィー処理に付すことによって付加物(1
3)を103mg得た(収率43%)。
該付加物(13)の分析値は次の通りである。1
H NMR(CDCl3):1.19(3H,s,H18);1.65(1H,d,J17,17=
7.6Hz,H17);2.02(1H,d,J17,17=7.6Hz,HO17);2.10(
3H,s,OCOCH3);2.84(1H,d,J6,5=10.5Hz,H6);3.34(1
H,d,J5,6=10.5Hz,H5);3.54(3H,s,CH2OCH 3);5.30,5
.38(2H,ABd,J=6.1Hz,CH 2OCH3);5.34(1H,br s,H3);
5.89(1H,dd,J2,1=9.3Hz,J2,3=3.8Hz,H2);6.39(1H,d,
J1=9.3Hz,H1)
実施例13 エント−16β,17−ジブロモメタノ−3α,13−ジヒドロキ
シ−20−ノルジベレル−1−エン−7,19−二酸19,10−
ラクトン(14)
メタノールを20μl含有するテトラヒドロフラン20mlにエステル(13)2
0mgを溶解させた溶液にトリメチルシリルクロリド40μlを添加し、これを2
0時間撹拌した。酢酸エチルを用いて希釈した後、生成物をpH8.5のリン酸
塩緩衝液を用いて抽出した(5×2ml)。一緒にした抽出物をリン酸塩緩衝液(pH
4)を用いてpH6まで酸性化した後、酢酸エチル/2−ブタノールを用いて3回
抽出することによってエント−3α−アセトキシ−16β,17−ジブロモメタ
ノ−13−ヒドロキシ−20−ノルジベレル−1−エン−7,19−二酸19,1
0−ラクトンを18.3mg得た。この生成物をメタノール1mlに溶解させた溶液
を、水0.50mlにKHCO33.3mgおよびK2CO39.1mgを溶解させた溶
液を用いて処理した。撹拌を2時間おこなった後、リン酸塩緩衝液(pH4)を添
加し、この混合物を酢酸エチルを用いて2回抽出した。乾燥後、溶剤を除去する
ことによって標記化合物(14)を17mg得た。
該化合物(14)の分析値は次の通りである。1
H NMR(CDCl3−d4−MeOH,4:1):1.19(3H,s,H18);1.5
8(1H,d,J17,17=7.4Hz,H17);1.94(1H,d,J17,17=7.4Hz,
HO17);2.69(1H,d,J6,5=10.08Hz,H6);3.31(1H,d,J5 ,6
=10.08Hz,H5);4.0(1H,d,J=3.6Hz,H3);5.82(1H,
dd,J2,1=9.3Hz,J2,3=3.8Hz,H2);6.23(1H,d,J1=9.3H
z,H1).
実施例14 エント−3α−アセトキシ−13−ヒドロキシ−16,17−メ
タノ−20−ノルジベレル−1−エン−7,19−二酸19,10
−ラクトン7−メトキシメチルエステル(15)
ベンゼン10mlにエステル(13)120mg(0.2mmol)を溶解させた溶液にト
リ−n−ブチルスタンナン0.13mlおよびAIBN(1個の結晶体)を添加した
。窒素雰囲気下で2時間撹拌還流させた後、AIBNの結晶をさらに添加し、還
流を1時間続行した。トリ−n−ブチルスタンナン65μlをさらに添加した後、
反応をさらに2時間おこなった。TLCによるこの時点での出発原料の含有量は
痕跡量であった。この混合物を回転蒸発器を用いて濃縮乾燥させ、残渣を酢酸エ
チルに溶解させ、この溶液を希アンモニア水を用いて3回洗浄した。乾燥および
濃縮後、生成物をシリカゲルクロマトグラフィー処理[溶離液としては酢酸エチ
ル/ヘキサン(1:2)の混合溶剤を用いた後、両成分の比が1:1の混合溶剤を
用いた]に付すことによって脱臭素化エステル(15)を63mg得た(収率71%)
。
該エステル(15)の分析値は次の通りである。1
H NMR(CDCl3):0.32(1H),0.56(2H),0.89(1H),(3xm
,H16,H17);1.17(3H,s,H18);2.11(3H,s,OCOCH 3 );2
.79(1H,d,J6,5=10.7Hz,H6);3.32(1H,d,J5,6=10.7H
z,H5);3.50(3H,s,OCH2OCH 3);5.22,5.33(2H,ABd,J
=6.1Hz,OCH 2OCH3);5.34(1H,s,H3);5.88(1H,dd,J2,1
=9.3Hz,J2,3=3.8Hz,H2);6.43(1H,d,J1=9.3Hz,H1)
.
実施例15 エント−3α−アセトキシ−13−ヒドロキシ−16,17−メ
タノ−20−ノルジベレル−1−エン−7,19−二酸19,10
−ラクトン(16)
エステル(13)の場合と同様にしてエステル(15)21mgを加水分解すること
によって酸(16)を11mg得た。
該酸(16)の分析値は次の通りである。1
H NMR(CDCl3−d4−MeOH,4:1):0.28(1H),0.49(2H),
0.83(1H),(3xm,H16,H17);1.19(3H,s,H18);2.67(1
H,d,J6,5=10.4Hz,H6);3.11(1H,d,J5,6=10.7Hz,H5);
4.02(1H,d,J=3.6Hz);5.84(1H,dd,J2,1=9.3Hz,J2,3=
3.8Hz,H2);6.28(1H,d,J1=9.3Hz,H1).
実施例16 エント−13−ヒドロキシ−16,17−メタノ−20−ノルジ
ベレル−2−エン−7,19−二酸19,10−ラクトン(17)
マクミランらの方法[Tetrahedron、第11巻、第60頁(1960年)参照]に
よって調製したGA5メチルエステル94mgをトルエン5.0mlに溶解させた溶
液にジヨードメタン0.330ml、ヨウ素52mgおよび銅粉末520mgを添加し
、この混合物を窒素雰囲気下において21時間加熱還流した。反応混合物をセラ
イトを用いて濾過し、エーテルを用いて洗浄した後、溶剤を除去し、残渣をシリ
カゲルクロマトグラフィー処理[溶離液:酢酸エチル/ヘキサン(1:2)]付し、
溶離物を酢酸エチルからゆっくりと晶出させることによってエント−13−ヒド
ロキシ−16,17−メタノ−20−ノルジベレル−2−エン−7,19−二酸1
9,10−ラクトン7−メチルエステルを62mg得た(収率63%)。この生成物
32.6mgをメタノール2.0mlに加えた懸濁液を2N水酸化ナトリウム溶液2
.0mlを用いて処理し、この混合物を15時間加熱還流した。反応混合物のpH
を5N HClの添加によって5まで下げた後、生成物を酢酸エチルを用いて抽
出した。ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、溶剤を除去して
得られた残渣を氷酢酸0.5mlに溶解させた。この溶液を100℃で10分間加
熱し、溶剤を除去して得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー処理[溶離
液:酢酸エチル/ヘキサン(7:3)]に付すことによって酸(17)を白色固体とし
て25.6mg得た(収率81%)。
該酸(17)の分析値は次の通りである。1
H NMR(CDCl3−d4−MeOH,4:1):0.23(1H),0.46(2H),
0.82(1H),(3xm,H16,H17);1.19(3H,s,H18);2.52(1
H,d,J6,5=9.0Hz,H5);2.66(1H,d,J5,6=9.0Hz,H6);5.
61(1H,br d,J=9.3Hz,H3);5.77(1H,d tr,J=9.3Hz,J=
2.9Hz,H2).
実施例17 エント−13−アセトキシ−16,17−メタノ−3α−ヒドロ
キシ−20−ノルジベレル−1−エン−7,19−二酸19,10
−ラクトン7−メチルエステル(18)(R=H)
クロスの方法(J.Chem.Soc.、1954年、第4670頁参照)によって
調製したエント−3α,13−ジアセトキシ−20−ノルジベレラ−1,16−ジ
エン−7,19−二酸19,10−ラクトン7−メチルエステルを原料とし、3−
アセテート(13)の場合の調製手順に従ってエント−3α,13−ジアセトキシ
−16β,17−ジブロモメタノ−20−ノルジベレル−1−エン−7,19−二
酸19,10−ラクトン7−メチルエステルを260mg(0.42mmol)得た(収率
45%)。この生成物をベンゼン10mlに溶解させた溶液にトリ−n−ブチルスタ
ンナン340μl(1.26mmol)およびAIBN10mg(63μmol)を添加し、こ
の混合物を窒素雰囲気下で3.5時間加熱還流させた。スタンナン350μlを
さらに添加し、還流をさらに18時間続行した。反応混合物をエーテルを用いて
希釈した後、希アンモニア水および水を用いて順次洗浄し、硫酸ナトリウムを用
いて乾燥させ、次いでシリカゲルクロマトグラフィー処理に付した。溶離液とし
て酢酸エチル/ヘキサン(1:3)を用いることによってジアセテート(18)(R
=Ac)を74mg得、酢酸エチル/ヘキサン(1:1)を用いることによって13−
モノアセテート(18)(R=H)を64mg得た。ジアセテートはエステル(8)の調
製の場合の手順に従って13−モノアセテートに変換し、化合物(18)(R=H)
を89mg得た(二段階による全収率51%)。
該化合物(18)(R=H)の分析値は次の通りである。1
H NMR(CDCl3):0.38(1H),0.49(1H),0.80(1H),0.
96(1H),(4xm,H16,H17);1.22(3H,s,H18);1.96(3H,s,
OCOCH3);2.79(1H,d,J6,5=10.7Hz,H6);3.19(1H,d,J5,6
=10.7Hz,H5);3.70(3H,s,CO2Me);4.15(1H,m,H3);
5.92(1H,dd,J2,1=9.3Hz,J2,3=3.8Hz,H2);6.36(1H,d
,J1=9.3Hz,H1).
実施例18 エント−13−アセトキシ−3α−ヒドロキシ−16−メチル−
20−ノルジベレラン−7,19−二酸19,10−ラクトン7−
メチルエステル(19)
エステル(18)89mg(0.21mmol)を酢酸エチル5mlに溶解させた溶液[5
%Rh-Al2O3(6mg)含有]を水素雰囲気下、室温で22時間撹拌した。触媒を
さらに6mg添加して反応をさらに50時間おこなった。反応混合物を濾過処理に
付した後、溶剤を除去し、残渣を酢酸3mlに溶解させた溶液に酸化白金10mgを
添加し、この混合物を水素雰囲気下、50℃で16時間撹拌した。反応混合物を
濾過処理に付し、ジクロロメタンを用いて洗浄し、蒸発乾燥処理に付し、残渣を
シリカゲルクロマトグラフィー処理[溶離液:酢酸エチル/ヘキサン(1:1)]に
付すことによってエステル(19)を無色固体として78mg得た(収率87%)。
該エステル(19)の分析値は次の通りである。1
H NMR(CDCl3):0.98(3H,s,16−Me);1.11(3H,s,16−
Me);1.18(3H,s,H18);1.99(3H,s,OCOCH3);2.63(1H,
d,J6,5=11.0Hz,H6);3.14(1H,d,J5,6=11.0Hz,H5);3.
72(3H,s,CO2Me);3.82(1H,br s,H3)
実施例19 エント−13−アセトキシ−16−メチル−20−ノルジベレル
−3−エン−7,19−二酸19,10−ラクトン7−メチルエス
テル(20)
カルビノール(19)59mgをジクロロメタン3mlに溶解させた溶液に窒素雰囲
気下において4℃で撹拌しながらトリエチルアミン78μlを添加し、次いでメ
タンスルホニルクロリド95μlを添加した。1時間後、氷片を添加し、この混
合物を15分間撹拌した。さらに氷片を加えて撹拌を10分間おこなった後、温
度を周囲温度まで高めた。混合物を酢酸エチルを用いて希釈した後、リン酸二水
素カリウム20%溶液、ブラインおよび炭酸カリウム10%溶液を用いて順次洗
浄し、次いで硫酸ナトリウムを用いて乾燥させた。溶剤を除去して得られた粗製
3−メシレートをトルエン(水素化カルシウムを用いて処理した後、蒸留精製し
たトルエン)3mlに溶解させた溶液にDBU105μl添加し、この溶液を窒素雰
囲気下、120℃で12時間加熱した。反応溶液を冷却した後、炭酸カリウム溶
液を用いて抽出し、抽出物を1N HClを用いて酸性化し、これを酢酸エチル
を用いて抽出した。有機層を水を用いて中性になるまで洗浄し、硫酸ナトリウム
を用いて乾燥させた後、蒸発乾燥させた。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー
処理[溶離液:酢酸エチル/ヘキサン(3:1)]に付すことによってアルケン(20
)を37mg得た(収率61%)。
該アルケン(20)の分析値は次の通りである。1
H NMR(CDCl3):0.98(3H,s,16−Me);1.18(3H,s,16−
Me);1.19(3H,s,H18);1.98(3H,s,OCOCH3);2.36(1H,
d,J6,5=9.4Hz,H5);2.73(1H,d,J5,6=10.5Hz,H6);3.7
2(3H,s,OMe);5.64(1H,br d,J=9.3Hz,H3);5.83(1H,dt
r,J=9.3Hz,J=2.9Hz,H2).
実施例20 エント−3α,13−ジヒドロキシ−16−メチル−20−ノル
ジベレル−2−エン−7,19−二酸19,10−ラクトン(21)
エステル(20)30mgをメタノール2.0mlに加えた懸濁液を2N水酸化ナト
リウム溶液2.0mlを用いて処理し、この混合物を15時間加熱還流させた。反
応混合物のpHを5N HClの添加によって5まで下げ、生成物を酢酸エチルを
用いて抽出した。抽出物をブラインを用いて洗浄し、硫酸ナトリウムを用いて乾
燥させ、溶剤を除去し、残渣を氷酢酸0.5mlに溶解させた溶液を100℃で1
0分間加熱し、溶剤を除去した後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー処理[
溶離液:酢酸エチル/ヘキサン(7:3)]に付すことによって酸(21)を白色固体
として23mg得た(収率80%)。
該酸(21)の分析値は次の通りである。1
H NMR(d4−MeOH):1.05(3H,s,16−Me);1.08(3H,s,16
−Me);1.24(3H,s,H18);2.50(1H,d,J6,5=9.3Hz,H5);2
.72(1H,d,J5,6=9.3Hz,H6);5.74(1H,br d,J=9.3Hz,H
3);5.90(1H,d tr,J=9.3Hz,J=2.9Hz,H2).
実施例21 エント−16β,17−ジクロロメタノ−3α,13−ジヒドロキ
シ−20−ノルジベレル−1−エン−7,19−二酸19,10−
ラクトン(22)
エステル(14)の場合と同様の手順に従って、アセトキシエステル(4)50mg
を加水分解することによって酸(22)を72%の収率で得た。
該酸(22)の分析値は次の通りである。1
H NMR(CDCl3):1.24(3H,s,H18);1.39(1H,d,J17,17=
7.5Hz,H17);1.71(1H,d,J17,17=7.5Hz,HO17);2.75(
1H,d,J6,5=10.5Hz,H6);3.13(1H,d,J5,6=10.5Hz,H5)
;4.09(1H,d,J=3.6Hz,H3);5.87(1H,dd,J2,1=9.3Hz,
J2,3
=3.8Hz,H2);6.28(1H,d,J1=9.3Hz,H1).
実施例22 エント−16β,17−クロロメタノ−3α,13−ジヒドロキシ
−20−ノルジベレル−1−エン−7,19−二酸19,10−ラ
クトン(23)
エステル(11)の調製の場合と同様の手順に従ってアセトキシエステル(4)6
5mgを75%の収率でモノ脱塩素化した生成物をエステル(14)の場合と同様の
手順に従って加水分解することによって酸(23)を83%の収率で得た。
該酸(22)の分析値は次の通りである。1
H NMR(CDCl3):0.69(1H,m,H17);1.14(1H,dd,J=6.
6,8.1Hz,HO17);1.24(3H,s,H18);2.74(1H,d,J6,5=1
0.5Hz,H6);3.15(1H,d,J5,6=10.5Hz,H5);4.07(1H,d
,J=3.6Hz,H3);5.88(1H,dd,J2,1=9.3Hz,J2,3=3.8Hz,
H2);6.30(1H,d,J1=9.3Hz,H1).
実施例23 エント−16β,17−プロモメタノ−3α,13−ジヒドロキシ
−20−ノルジベレル−1−エン−7,19−二酸19,10−ラ
クトン(24)
エステル(13)120mg(0.2mmol)をベンゼン5mlに溶解させた溶液にトリ
−n-ブチルスタンナン0.065ml(0.21mmol、純度86%)およびAIBN
(1個の結晶体)を添加し、この混合物を窒素雰囲気下、室温で5時間撹拌した
後、回転蒸発器を用いて濃縮乾燥させ、残渣をエーテルに溶解させた溶液を希ア
ンモニア水を用いて3回洗浄した。乾燥と濃縮処理に付した後、生成物をシリカ
ゲルクロマトグラフィー処理[溶離液:酢酸エチル/ヘキサン(1:2)を使用した
後、両成分の1:1混合溶剤を使用した]に付すことによって、モノ脱臭素化エス
テルを単一のエピマー(立体配置は未確定)として74mg得た(収率71%)。この
生成物の一部(20mg)をエステル(14)の場合と同様の手順に従って加水分解す
ることにより酸(24)を62%の収率で得た。
該酸(24)の分析値は次の通りである。1
H NMR(CDCl3-d4−MeOH,4:1):0.72(1H,dd,J=4.6Hz,
7.5Hz,H17);1.18(3H,s,H18);2.69(1H,d,J6,5=10.
5Hz,H6);3.12(1H,d,J5,6=10.5Hz,H5);3.30(1H,dd,J
=4.5Hz,6.3Hz,CHBr);4.0(1H,d,J=3.6Hz,H3);5.8
2(1H,dd,J2,1=9.3Hz,J2,3=3.8Hz,H2);6.24(1H,d,J1=
9.3Hz,H1).
実施例24 エント−3α,13−ジアセトキシ−10β−ヒドロキシ−16
β,17−エポキシ−20−ノルジベレル−1−エン−7,19−
二酸7−メトキシメチルエステル19,10−ラクトン(25)
水で安定化させた60%のm−クロロ過安息香酸28g(0.1mol)をジクロロ
メタン350mlに溶解させた溶液から水を除去した後、該溶液を硫酸ナトリウム
を用いて乾燥させた。このジクロロメタン溶液を、乾燥ジクロロメタン500ml
にジベレリン酸メトキシメチルエステルの3,13−ジアセテート35g(0.0
788mol)を溶解させた溶液中に窒素雰囲気下、−15℃で撹拌下で添加した。
この混合物を4℃までゆっくりと温め、この温度に4日間保存した後、重炭酸ナ
トリウム飽和溶液を添加して1.5時間撹拌した。層分離後、水性層をジクロロ
メタンを用いて抽出した(2×50ml)。有機層を硫酸ナトリウムを用いて乾燥さ
せ、濾過処理に付した後、溶剤を真空下で蒸発させた。油状残渣をシリカゲルを
充填した短プラグ内をジクロロメタンを用いて通過させた。溶剤を除去し、残渣
をヘキサン/酢酸エチル(2:1)180mlから晶出させることによって、所望の
α−エポキシド(25)を29.1g得た(収率80%)。
実施例25 エント−3α,13−ジアセトキシ−10β−ヒドロキシ−17
−オキソ−20−ノル−16ζ−ジベレル−1−エン−7,19
−二酸7−メトキシメチルエステル19,10−ラクトン(26)
乾燥THF400mlにチタノセンジクロリド15g(0.06mol)を溶解させた
溶液に、窒素雰囲気中、撹拌下で亜鉛粉末4.2g(0.064mol)を添加した。
室温で2時間撹拌後、反応混合物を−15℃まで冷却し、乾燥THF150mlに
エポキシド(25)6.1g(0.013mol)溶解させた溶液をカニューレを用いて
反応混合物中に加えた。この反応混合物を室温まで温てめて1時間撹拌した後、
0℃まで冷却して10%硫酸100mlを添加した。この反応混合物をエーテル5
00mlを用いて希釈した後、固体状の重炭酸ナトリウムを用いて中和した。層分
離後、水性層をエーテルを用いて抽出した(2×100ml)。有機層を一緒にし、
ブラインを用いて洗浄し(2×200ml)、硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、濾
過処理に付した後、溶剤を真空下で蒸発させた。残渣をシリカゲルを用いる精製
処理[溶離液:ヘキサン/酢酸エチル(3:1〜1:1)]に付することによってアル
デヒド(26)を16β−エピマーと16α−エピマーとの5:3混合物[1H N
MRδ9.64(d,J=2.5Hz,16α−CH=O)および10.02(s,16
β−CH=O)]として3.2g得た(収率56%)。
実施例26 エント−3α,13−ジアセトキシ−10β−ヒドロキシ−17
−メチレン−20−ノル−16ζ−ジベレル−1−エン−7,1
9−二酸7−メトキシメチルエステル19,10−ラクトン(27
)
水素化ナトリウム1.12gを鉱油に懸濁させた60%懸濁液を石油エーテル
を用いて洗浄し、これを、テトラヒドロフランにメチルトリフェニルホスホニウ
ムブロミドを懸濁させた懸濁液に添加し、この混合物を2時間加熱還流させる。
冷却後、得られた黄色溶液を、THF16mlにアルデヒドエピマー(26)2.7
5gを溶解させた溶液中に−78℃において撹拌下で、反応混合物が黄色を維持
するまで分けて添加した。この混合物を室温まで徐々に温めた後、撹拌を18時
間続行した。過剰の溶剤を減圧下で除去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィ
ー処理[溶離液:酢酸エチルを10%含有するペンタン]に付すことによってエテ
ン付加物(27)を1.23g得た(収率45%)。
上記の手順に準拠して、エチルトリフェニルホスホニウムアイオダイドから生
成されるイリドをアルデヒド(26)に付加させることによってプロペン類似体で
あるエント−3α,13−ジアセトキシ−10β−ヒドロキシ−17−エチリデ
ン−20−ノル−16ζ−ジベレル−1−エン−7,19−二酸7−メトキシ−
メチルエステル19,10−ラクトン(28)を37%の収率で得た。また、同様
にして、n-プロピルトリフェニルホスホニウムアイオダイドから生成されるイリ
ドをアルデヒド(26)に付加させることによってブテン類似体であるエント−3
α13−ジアセトキシ−10β−ヒドロキシ−17−プロピリデン−20−ノル
-16ζ−ジベレル−1−エン−7,19−二酸7−メトキシ−メチルエステ
ル19,10−ラクトン(29)を53%の収率で得た。
実施例27 エント−13−アセトキシ−10β−ヒドロキシ−17−メチル
−20−ノル−16ζ−ジベレル−2−エン−7,19−二酸7
−メトキシメチルエステル19,10−ラクトン(30)
ジエン(27)1.23gをメタノール12.5mlに溶解させた溶液を炭酸カリ
ウム23%溶液2.5mlを用いて処理し、この混合物を30分間撹拌した。この
混合物のpHを酢酸を用いて5.5にした後、該混合物を蒸発乾燥させ、残渣を
酢酸エチルを用いて抽出した。抽出物を水、炭酸カリウム溶液およびブラインを
用いて順次洗浄した後、硫酸ナトリウムを用いて乾燥させた。溶剤を除去し、残
渣を酢酸エチルに再溶解させ、この溶液を脱ガス処理に付した後、5%ロジウム
−アルミナ112mgを添加し、懸濁液を水素雰囲気下で17時間撹拌した。セラ
イトを用いる濾過によって触媒を除去し、濾液を蒸発乾燥させ、残渣を乾燥TH
Fに溶解させ、この溶液にトリフェニルホスフィン759mgを添加し、さらにジ
エチルアゾジカルボキシレート504mgを添加し、得られた混合物を20分間加
熱還流させる。反応混合物を濃縮した後、シリカゲルクロマトグラフィー処理[
溶離液:酢酸エチルを10%含有するヘキサンおよび酢酸エチルを20%含有す
るヘキサン]に付すことによってGA5類似体(30)を得た。3段階で得られた全
収量は701mgであった(収率69%)。
上記の手順に準拠し、プロペン類似体(28)およびブテン類似体(29)を用い
ることによってそれぞれGA5類似体(31)(3段階での全収率72%)およびG
A5類似体(32)(3段階の全収率64%)を得た。
実施例28 エント−13−アセトキシ−10β−ヒドロキシ−17−メチル
−20−ノルジベレル−2−エン−7,19−二酸19,10−ラ
クトン(33b)および16−エピマー(33a)
メタノール(6.75ml)−水(1.35ml)混合溶剤にエステル(30)701mg
を懸濁させた懸濁液にDowex W50×2(H )樹脂を添加し、この混合物を1
時間加熱還流させた。樹脂を濾去後、溶剤を除去した反応混合物をC18逆相カラ
ム[Waters Nova−Pak HRC18(6ミクロン)]上での分取HPLC処理[
溶離液:酢酸を0.05%含有する水−メタノール(70:30)混合溶剤]に付す
ことによって16−エピマー(33a)および(33b)を得た[最初の溶離成分は(3
3a)である]。
これらの16−エピマーの分析値は次の通りである。
33a(16α−エチル):1H NMR(CDCl3/d4−MeOH,4:1)δ0.76
(3H,t,J=7.3Hz,CH2CH 3),1.22(3H,s,H−18),2.00(3
H,s,OAc),2.32,2.58(2×1H,ABd,J=16.1Hz,H−1),2
.67,2.72(1H,ABd,J=9.4Hz,H−5,6),5.65(1H,br d,
J=6.4Hz,H−3),5.70(1H,dt,J=6.4,3.5Hz,H−2).3
3b(16β−エチル):1H NMR(CDCl3/d4−MeOH,4:1)δ0.87(
3H,t,J=7.3Hz,CH2CH 3),1.22(3H,s,H−18),1.96(3H
,s,OAc),2.32,2.57(2×1H,ABd,J=16.1Hz,H−1),2.
63,2.71(1H,ABd,J=9.4Hz,H−5,6),5.64(1H,br d,J
=6.4Hz,H−3),5.78(1H,dt,J=6.4,3.5Hz,H−2).13C
NM
R(CDCl3)δ12.9,15.3,17.1,22.1,24.1,26.2(C−
12),35.3,40.4,42.2,47.9,48.2,51.6,55.1,5
6.9,85.8,91.4,127.7,132.1,170.4,177.5.
実施例29 エント−10β,13−ジヒドロキシ−17−メチル−20−ノ
ル−16−エピ−ジベレル−2−エン−7,19−二酸19,10
−ラクトン(36a)
水酸化カリウム120mgをアセテート(33a)60mg含有溶液に添加し、この
混合物を窒素雰囲気下で2時間加熱還流させた。反応混合物のpHを酢酸を用い
て5.5にした後、該混合物を蒸発乾燥させた。生成物を酢酸エチルを用いて抽
出し、抽出物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥させた後、シリ
カゲルクロマトグラフィー処理[溶離液:酢酸を0.5%含有する酢酸エチル/ジ
クロロメタン/ヘキサン(3:1:6)混合溶剤]に付すことによって酸(36a)(1
6α−エチル)を得た。1
H NMR(CDCl3/d4−MeOH,4:1)δ0.75(3H,t,J=7.3Hz,
CH2CH 3),1.22(3H,s,H−18),2.26,2.52(2×1H,ABd,
J=16.1Hz,H−1),2.48,2.65(1H,ABd,J=9.3Hz,H−
5,6),5.58(1H,br d,J=6.4Hz,H−3),5.73(1H,dt,J=6
.4,3.5Hz,H−2).13C NMR(CDCl3/d4−MeOH,4:1)δ11.
8,14.9,17.1,24.8,34.9,39.6(C−12),42.8,43
.8,47.5,51.0,52.3,55.5,77.4,92.37,127.7,
132.3,174.3,178.7.
類似体(36b)、(37a)、(37b)、(38a)および(38b)を同様にして調製
し、各々の構造はNMRによって分析した。一般的には、16α(エキソ)−エピ
マーは16β(エンド)−エピマーよりも先に溶離され、NMRシグナルにおいて
は、上記の6種の化合物は約δ1.24においてC−4メチル基に起因するピー
クがあらわれ、約δ5.65(br d,J=6.4Hz,H−3)、5.77(dt,J=
6.4,3.5Hz,H−2)、δ127.8(C−3)および132.1(C−2)に
おいて環Aの二重結合に起因するピークがあらわれ、約δ2.57および2.7
0(ABd,J=9.4Hz)においてH−5およびH−6に起因するピークがあら
われ、また、約δ2.32および2.38(ABd,J=16Hz)においてはH,H
'−1に起因するピークがあらわれる。各々の側鎖の末端メチル基のピークは0
.6〜0.9ppmの範囲においてトリプレット(J=7.3Hz)としてあらわれる
。各々のエピマー対に関しては、側鎖の末端メチル基に起因する1H NMRの
ピークは、16β(エンド)エピマーよりも16α(エキソ)エピマーの場合の方が
低周波数においてあらわれる。また、各々のエピマー対に関しては、C−12に
起因する13C−NMRのピークは、16β(エンド)エピマー(約26〜30ppm)
よりも16α(エキソ)エピマー(約37〜39ppm)の場合の方が高周波数におい
てあらわれる。
エント−10β,13−ジヒドロキシ−17−メチル−20−ノルジベレル−2
−エン−7,19−二酸19,10−ラクトン(36b)(16β−エチル):1H N
MR(CDCl3/d4−MeOH,4:1)δ0.81(3H,t,J=7.3Hz,CH2CH 3
),1.16(3H,s,H−18),2.26,2.47(2×1H,ABd,J=16
.1Hz,H−1),2.48,2.65(1H,ABd,J=9.3Hz,H−5,6),5
.57(1H,br d,J=6.4Hz,H−3),5.72(1H,dt,J=6.4,3.
5Hz,H−2).13C NMR(CDCl3/d4−MeOH,4:1)δ12.9,15
.3,17.1,22.1,24.1,26.2(C−12),35.3,40.4,4
2.3,47.9,48.2,51.6,55.1,56.9,85.8,91.4,1
27,7,132.1,170.1,177.5.
エント−10β,13−ジヒドロキシ−17−エチル−20−ノル−16−エピ
−ジベレル−2−エン−7,19−二酸19,10−ラクトン(37a)(16α−n
−プロピル):0.79(3H,t,J=7.3Hz,CH2CH2CH 3),1.17(3
H,s,H−18),2.26,2.52(2×1H,ABd,J=16.1Hz,H−1),
2.55,2.69(1H,ABd,J=9.4Hz,H−5,6),5.63(1H,br d
,J=6.4Hz,H−3),5.74(1H,dt,J=6.4,3.5Hz,H−2).13
C NMR(CDCl3/d4−MeOH,4:1)δ14.1,15.0,17.2,2
0.6,34.3,35.1,39.7(C−12).43.2,44.1,45.3,
48.0,50.9,52.5,55.6,92.2,127.8,132.5,17
4.7,178.4.
エント−10β,13−ジヒドロキシ−17−エチル−20−ノルジベレル−2
−エン−7,19−二酸19,10−ラクトン(37b)(16β−n−プロピル):0
.87(3H,t,J=7.3Hz,CH2CH2CH 3),1.22(3H,s,H−18),
2.29,2.55(2×1H,ABd,J=16.1Hz,H−1),2.57,2.7
0(1H,ABd,J=9.4Hz,H−5,6),5.65(1H,br d,J=6.4Hz,
H−3),5.77(1H,dt,J=6.4,3.5Hz,H−2).13C NMR(CD
Cl3/d4−MeOH,4:1)δ14.4,15.3,16.9,22.0,30.4(
C−12),33.4,35.2,41.9,46.7,46.9,48.2,51.9
,52.0,55.4,55.6,78.8,91.9,127.7,132.4,17
5.6,177.9.
エント−10β,13−ジヒドロキシ−17−n−プロピル−20−ノル−16−
エピ−ジベレル−2−エン−7,19−二酸19,10−ラクトン(38a)(16α
−n−ブチル):0.84(3H,t,J=7.3Hz,CH2CH2CH2CH 3),1.2
3(3H,s,H−18),2.32,2.54(2×1H,ABd,J=16.1Hz,H
−1),2.57,2.70(1H,ABd,J=9.4Hz,H−5,6),5.65(1
H,br d,J=6.4Hz,H−3),5.77(1H,dt,J=6.4,3.5Hz,H−
2).13C NMR(CDCl3/d4−MeOH,4:1)δ(13−OAc)14.0,1
5.3,17.4,21.7,22.6,29.2,32,1,35.3,37.3(C
−12),40.0,42.5.46.4,48.1,50.0,51.5,54.7,
55.085.3,91.5,127.8,132,1,170.5,177.0,1
77.5.
エント−10β,13−ジヒドロキシ−17−n−プロピル−20−ノルジベレル
−2−エン−7,19−二酸19,10−ラクトン(38b)(16β−n−ブチル):
0.86(3H,t,J=7.3Hz,CH2CH2CH2CH 3),1.22(3H,s,H−
18),2.33,2.52(2×1H,ABd,J=16.1Hz,H−1),2.57,
2.70(1H,ABd,J=9.4Hz,H−5,6),5.65(1H,br d,J=6.
4Hz,H−3),5.78(1H,dt,J=6.4,3.5Hz,H−2).13C NM
R(CDCl3/d4−MeOH,4:1)δ(13−OAc)14.0,15.3,17.
1,22.1,23.0,26.2(C−12),30.6,31.0,35.3,40
.8,42.2,46.1,48.2,51.7,55.1,56.9,85.8,91
.5,127.7,132.1,170.4,177.5.
実施例30 エント−3α−アセトキシ−10β,13−ジヒドロキシ−20
−ノルジベレル−1−エン−7,19−二酸7−メトキシメチル
エステル19,10−ラクトン(3)
ジベレリン酸(GA3)250g(722mmol)を乾燥窒素雰囲気下においてジクロ
ロメタン(DCM)1095ml(AR)に懸濁させた。この懸濁液を氷−塩浴中で冷
却し、これにトリエチルアミン115.7ml(1.15当量)をオーバーヘッド撹
拌下で滴下した。次いでメトキシメチル(MOM)クロリド63ml(1.15当量)
を添加し、この混合物を室温で45分間撹拌した。TLCによれば、出発原料が
少し残存していたので、トリエチルアミン7ml(0.07当量)およびMOMクロ
リド3.8ml(0.07当量)をさらに添加して10分間撹拌したところ、出発原
料は痕跡量となった。
この混合物を氷−塩浴で冷却し、トリエチルアミン503ml(5当量)をオーバ
ーヘッド撹拌下で滴下したところ、沈澱物が生成した。次いで無水酢酸340.
5ml(5当量)を滴下し、混合物を室温まで温めた後、16時間磁気撹拌した。反
応混合物を氷−塩浴中で冷却し、水100mlをオーバーヘッド撹拌下において9
0分間かけて徐々に添加した。この混合物を半分の容積量まで蒸発濃縮した後、
酢酸エチル700ml、DCM700mlおよび水350mlを用いて希釈した。層分
離後、水性層を酢酸エチルを用いて抽出した(3×100ml)。一緒にした有機層
を氷冷した1N HCl(3×170ml)、水(6×200ml)、K2CO32%溶液(
3×170ml)、K2CO324%溶液(2×120ml)、水[2×200ml(中性に
する)]およびブライン(2×100ml)を用いて順次洗浄した。有機層をNa2SO4
を用いて乾燥させた後、溶剤を蒸発させることによって化合物(3)を結晶性固
体として297.36g得た(収率95%)。
該化合物(3)の分析値は次の通りである。1
H NMR:1.16(3H,s,H18);2.10(3H,s,OCOCH3);2.7
9(1H,d,J6,5=10.9Hz,H6);3.33(1H,d,J5,6=10.9Hz,H
5);3.47(3H,s,CO2CH2OCH3);4.96(1H,s,H17);5.26(
1H,d,J=5.4Hz,CO2CH2OCH3);5.27(1H,s,H17);5.29
(1H,d,J=6.1Hz,CO2CH2OCH3);5.33(1H,d,J3,2=3.8H
z,H3);6.38(1H,d,J1,2=9.3Hz,H1)
実施例31 エント−3α−アセトキシ−16β,17−ジクロロメタノ−1
0β,13−ジヒドロキシ−20−ノルジベレル−1−エン−7,
19−二酸7−メトキシメチルエステル19,10−ラクトン(4
)
上記のようにして調製した保護ジベレリン(3)100g(231mmol)をクロロ
ホルム2310mlに溶解させた溶液に、乾燥窒素雰囲気下において効率的に撹拌
しながら水酸化ナトリウム粉末87.49g(9.47当量)を添加し、次いでク
ロロホルム10mlにベンジルトリエチルアンモニウムクロリド859mg(2mol%
)を溶解させた溶液を徐々に添加した。この場合、時々氷冷却をおこなうことに
よって温度を30℃以下に維持した。2時間後、水酸化ナトリウム粉末30.8
8g(3.34当量)を添加し、次いでクロロホルム5mlにベンジルトリエチルア
ンモニウムクロリド(BTC)429mg(1mol%)を溶解させた溶液を徐々に添加
した。3時間後、水酸化ナトリウム粉末27.34g(2.95当量)およびクロ
ロホルム5mlにベンジルトリエチルアンモニウムクロリド429mg(1mol%)を
溶解させた溶液を添加した。3.5時間後、TLCによれば反応は約95%進行
したので反応混合物を焼結漏斗を用いる濾過処理に付し、濾過ケーキをクロロホ
ルム400mlを用いて洗浄した。濾液をKH2PO420%溶液(2×80ml)およ
びブライン(100ml)を用いて順次洗浄し、Na2SO4を用いて乾燥させた後、
蒸発処理に付すことによって油状の粗製反応混合物を得た。得られた油状物をシ
リカゲルクロマトグラフィー処理[溶離液:軽石油(40〜60℃)に酢酸エチルを
含有させた混合溶剤(後者の濃度は25%から50%まで増加させた)]に付すこ
とによって所望の化合物(4)を泡状物として80.44g得た(収率75%;変換
率90%)。
該化合物(4)の分析値は次の通りである。1
H NMR:1.17(3H,s,H18);1.39(1H,d,J17,17=7.5Hz,
H17);1.74(1H,d,J17,17=7.5Hz,HO17);2.09(3H,s,O
COCH3);2.81(1H,d,J6,5=10.5Hz,H6);3.31(1H,d,J5, 6
=10.5Hz,H5);3.52(3H,s,CO2CH2OCH3);5.28(1H,d,
J=6.1Hz,CO2CH2OCH3);5.33(1H,d,J=6.1Hz,CO2CH2
OCH3);5.34(1H,s,H3);5.88(1H,dd,J2,1=9.3Hz,J2,3
=3.8Hz,H2);6.39(1H,d,J1=9.3Hz,H1)
実施例32 エント−16β,17−ジクロロメタノ−3α,10β−ジヒドロ
キシ−20−ノルジベレル−1−エン−7,19−二酸7−メト
キシメチルエステル19,10−ラクトン(4a)
上記のようにして調製したシクロプロパン化誘導体(4)156.7g(304mm
ol)をメタノールに加えた懸濁液に炭酸塩水溶液(K2CO37.21gおよびKH
CO364.76gを水313mlに溶解させた水溶液;pH8.5)を3等分にして
10分間間隔で添加して沈澱物を生成させた。全体で50分間反応させたところ
、反応は完結した(TLC分析による)。酢酸53ml(3.05当量)を添加し、該
混合物をガスの発生が停止するまで撹拌した(この時点でのpHは5.5であった
)。メタノールを蒸発させ、残渣を酢酸エチル(500ml)および水(200ml)を
用いて抽出した。有機層を分離し、水性層を酢酸エチルを用いて抽出した(3×
100ml)。一緒にした有機層をK2CO310%水溶液(3×150ml)およびブ
ライン(2×80ml)を用いて順次洗浄し、Na2SO4を用いて乾燥させ、溶剤を
蒸発させることによって3,13−ジオール(4a)を泡状物として定量的収率で得
た。
該ジオール(4a)の分析値は次の通りである。1
H NMR:1.22(3H,s,H18);1.39(1H,d,J17,17=7.5Hz,
H17);1.69(1H,d,J17,17=7.5Hz,HO17);2.80(1H,d,J6 ,5
=10.5Hz,H6);3.18(1H,d,J5,6=10.5Hz,H5);3.50(
3H,s,CO2CH2OCH 3);4.12(1H,br s,H3);5.28(2H,s,CO2
CH 2OCH3);5.88(1H,dd,J2,1=9.3Hz,J2,3=3.8Hz,H2);6
.30(1H,d,J1=9.3Hz,H1).
実施例33 エント−16β,17−ジクロロメタノ−3α,10β−ジヒドロ
キシ−20−ノルジベレラン−7,19−二酸7−メトキシメチ
ルエステル19,10−ラクトン(4b)
上記の反応によって得られた化合物(4a)114mmolを酢酸エチル380mlに
溶解させ、該溶液を脱ガス処理に付した。アルミナ担持ロジウム触媒(5%Rh、
5.63g、10%w/w)を添加し、得られた懸濁液を水素で飽和させた。この懸
濁液を水素バルーンを装着した容器内で48時間撹拌したところ反応は完結した
(1H−NMR分析による)。生成物の一部が晶出したのでDCM300mlを添加
してこれを溶解させ、この混合物を静置後、デカンテーション処理に付した。得
られた溶液をセライトパッドを用いる濾過処理に付した後、蒸発処理に付した。
得られた固体を酢酸エチル80mlを用いて処理し、生成物を濾取した。また、濾
液を蒸発処理に付し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー処理[溶離液:軽石油
(40〜60℃)に酢酸エチルを含有させた混合溶剤(後者の濃度は25%から3
5%および40%に高めた)]に付すことによって所望の生成物(4b)を81%の
収率で得た(晶出生成物25.95g;クロマトグラフィー処理によって得られた
生成物17.74g)。
該化合物(4b)の分析値は次の通りである。1
H NMR:1.18(3H,s,H18);1.39(1H,d,J17,17=7.5Hz,
HO17);1.70(1H,d,J17,17=7.5Hz,H17);2.72(1H,d,J6 ,5
=10.5Hz,H6);3.20(1H,d,J5,6=10.5Hz,H5);3.48(
3H,s,CO2CH2OCH 3);3.83(1H,br s,H3);5.27,5.28(2
H,ABr,J=&.3Hz,CO2CH 2OCH3).
実施例34 エント−16β,17−ジクロロメタノ−10β,13−ジヒドロ
キシ−20−ノルジベレル−2−エン−7,19−二酸7−メト
キシメチルエステル19,10−ラクトン(10)
上記のようにして調製した3−ヒドロキシ誘導体(4b)61.15g(129mmo
l)およびトリフェニルホスフィン37.11g(1.1当量)を乾燥THF430m
lに溶解させ、この溶液にジエチルアゾジカルボキシレート22.3ml(1.1当
量)を添加し、得られた混合物を加熱還流させた。反応混合物はかなり黒ずみ、
反応は約25分間で完結した(TLC分析による)。反応混合物を冷却し、半分の
容積量になるまで蒸発濃縮した。シリカ150gを添加し、蒸発濃縮処理を続行
して反応混合物をシリカに前吸着させた。前吸着させた残渣をシリカパットに移
して溶離をおこなった。溶離液としては軽油(40〜60℃)に酢酸エチルを15
%添加した溶剤を使用した後、酢酸エチルの含有量が30%の軽石油を使用し、
最後に酢酸エチルの含有量が35%の軽石油を使用した。この溶離によって化合
物(10)(数種の不純物を少量含有する)を得た。該化合物(10)はさらに精製す
ることなく最終的な脱保護反応に用いた。
実施例35 エント−16β,17−ジクロロメタノ−3α,10β−ジヒドロ
キシ−20−ノルジベレル−2−エン−7,19−二酸19,10
−ラクトン(9)
上記の脱離反応によって得られた粗製生成物(10)129mmolをメタノール3
60mlに溶解させ、この溶液にDewexW50×2H 型樹脂43.66g(74%w
/w)添加した。さらに水72mlを添加し、混合物を2.5時間加熱還流させた。
TLC分析によれば、反応はこの時点で完結した。反応混合物を冷却し、樹脂を
濾去し、メタノールを蒸発させ、次いで酢酸エチル300mlを添加した。得られ
た懸濁液をK2CO310%溶液を用いて洗浄し(3×130ml)、水性層を酢酸エ
チルを用いて抽出した(3×30ml)。この水性層を濃HClを用いて注意深く酸
性化(pH3)したところ、沈澱物が生成した。この沈澱物を濾取し、洗液が中性
になるまで洗浄することによって、精製を必要としない所望の生成物を28.3
g得た(2段階にわたる収率53%)。水性層をブタン−2−オールを用いて抽出
し(3×70ml)、有機層をKH2PO420%溶液(2×50ml)およびブライン(
2×50ml)を用いて順次洗浄し、Na2SO4を用いて乾燥させた後、蒸発処理に
付し、残渣をクロマトグラフィー処理に付した。得られた所望の化合物(9)の大
部分は濾取によって得られたものであり、抽出処理によって得られた化合物(9)
の量は少量であった。
該化合物(9)の分析値は次の通りである。1
H NMR(CDCl3−MeOH,4:1):1.27(3H,s,H18);1.38(1
H,d,J17,17=7.3Hz,H17);1.70(1H,d,J17,17=7.3Hz,HO
17);2.64(1H,d,J6,5=9.0Hz,H6);2.72(1H,d,J5,6=9
.0Hz,H5);5.67(1H,br d,J=9.2Hz,H3);5.79(1H,d tr,
J=9.2Hz,J=3.0Hz,H2).
実施例36 エント−16β,17−ジクロロメタノ−10β,13−ジヒドロ
キシ−20−ノルジベレラン−7,19−二酸19,10−ラクト
ン(9a)
酢酸エチル50mlにジクロロメタノGA5(10)2.0gを溶解させた溶液に、
アルミニウムにロジウムを5%担持させた触媒50mgを添加した混合物を水素雰
囲気下において16時間撹拌した。反応混合物から触媒を濾去し、溶剤を除去す
ることによってジクロロメタノGA20誘導体(9a)を2.0g得た。
該化合物(9a)の分析値は次の通りである。1
H NMR(CDCl3−MeOH,4:1):1.12(3H,s,H18);1.38(1
H,d,J17,17=7.3Hz,H17);1.70(1H,d,J17,17=7.3Hz,HO
17);2.46(1H,d,J6,5=9.0Hz,H5);2.70(1H,d,J5,6=9.
0Hz,H6).
実施例37 エント−3α,13−ジアセトキシ−10β−ヒドロキシ−17
−メチル−17−オキソ−20−ノルジベレル−1−エン−7,
19−二酸7−メトキシメチルエステル19,10−ラクトン(3
9)
メチルリチウムの1.25Mヘキサン溶液を、アルデヒド(26)4.26gを
THFに溶解させた溶液に−110℃において撹拌下で添加した。30分後、反
応混合物を−60℃まで温めて酢酸1.5mlを添加し、次いで室温まで温めた。
この反応混合物に酢酸エチルを添加し、ブラインを用いて洗浄し、次いで硫酸ナ
トリウムを用いて乾燥させた後、蒸発乾燥処理に付し、残渣をシリカゲルクロマ
トグラフィー処理に付した。溶離液として酢酸エチルを35%含有するペンタン
を用いることによって、エント−3α,13−ジアセトキシ−10β,17−ジヒ
ドロキシ−17−メチル−20−ノルジベレル−1−エン−7,19−二酸7−
メトキシメチルエステル19,10−ラクトンを2.2g得た(収率50%)。この
生成物をジクロロメタン305mlに溶解させた溶液にピリジニウムジクロメート
5.2gを添加し、これを窒素雰囲気下、暗所において室温で22時間撹拌する
ことによって該生成物をメチルケトン(39)に直接酸化させた。溶剤を減圧下で
除去し、残渣を酢酸エチルを用いて繰り返し抽出し、抽出物を濃縮した後、シリ
カゲルクロマトグラフィー処理[溶離液:酢酸エチルを25%含有するペンタン]
に付すことによってケトン(39)を1.76g得た(収率66%)。
エント−10β,13−ジヒドロキシ−17,17−ジメチル−20−ノルジベ
レル−2−エン−7,19−二酸19.10−ラクトン(40)
アルデヒド(26)を化合物(27)、(30)および(33)を経てジベレリン(3
6)に変換させた前記の手順に準拠し、ウィッティヒメチル化反応、水素化反応
、脱水反応および脱保護反応によってケトン(39)から酸(40)を調製した。該
酸(40)の精製処理には逆相カラム[Waters Nova−Pak HR C18(6ミ
クロン)]上での分取HPLCによっておこなった[溶離液:酢酸を0.05%含有
する水−メタノール(70:30)混合溶剤]。
該酸(40)の分析値は次の通りである。1
H NMR(CDCl3/d4−MeOH,4:1):δ0.85,0.99[2×3H,d,
J=5.9Hz,CH(CH 3)2],1.20(3H,s,H−18),2.31(1H,dt,
J=18.77,2.6Hz,H−1),2.57(1H,ddd,J=18.7,3.4,
1.6Hz,H'−1),2.58,2.74(1H,Abd,J=9.8Hz,H−5,6)
,5.64(1H,br d,J=6.4Hz,H−3),5.79(1H,dt,J=6.4,3
.5Hz,H−2).
実施例38
本発明による環D−修飾シベレリン化合物の調製に適用してもよい一般的方法
には次の方法が含まれる。
(i)1,2−二重結合および3−β−ヒドロキシル基を有するジベレリンはト
リフェニルホスフィン−カーボンテトラクロリド、トリフェニルホスフィン−カ
ーボンテトラブロミドまたはトリフェニルホスフィン−ヘキサクロロアセトン混
合物を用いて処理することによって1α,1β,3αおよび3βハロゲン誘導体へ
直接変換してもよい(デュアら、1981年a、1981年b;バンクスおよびクロ
ス、1977年;クロスおよびシンプソン、1981年;バーダーら、1981年
)。
(ii)種々の1−ハロゲン化物および3−ハロゲン化物は、1,2−二重結合も
有する3αおよび3β−メチルスルホニルオキシジベレリンの置換反応によって
調製してもよい(デュリおよびハンソン、1984年;コレイら、1971年)。
(iii)1β−フルオロおよび3β−フルオロジベレリンは、ジベレリン酸(GA3
)誘導体を2−クロロ−N,N−ジエチル−1,1,2−トリフルオロエチルアミ
ンを用いて処理することによって調製してもよい(ベイクソンおよびクロス、1
974年)。
実施例39 ドクムギにおける茎の伸長と開花の進行に対する活性(マンダー
ら、1995年参照)
原料および方法
植物
ドクムギのセレス株(Ceres strain)の全ての植物は、パーライト/バーミキ
ュライトを充填した鉢内において、栄養溶液を毎朝注ぎ、水を午後注ぐことによ
って成長させた。種をまいてから最初の5週間は、シャッターを備えたガラスハ
ウスのキャビネット(温度は昼間は25℃に保ち、夜間は20℃に保った)内にお
いて日照時間を8時間にする短日(SD)条件下で栽培した。全てのひこばえと下
部
の主茎の葉は切り落とした後、植物は人工的に光を照射するキャビネット(25
℃/20℃)内に移し、蛍光灯および白熱電球からの光を8時間照射した[光合成
的活性照射(PAR)は250μmol m-2s-1とした]。
通常、45〜50日経過後の植物は白熱電球(植物の高さの位置でのPAR:約
12μmol m-2s-1)による照射時間を16時間に延長することにより、長日(L
D)条件下での栽培を1日おこなった。この長日条件は全ての植物の開花の開始
を誘発するのに十分である。次いで植物はSD条件下でさらに3週間栽培した後
、切断して試験に供した。異なる10種類の試験において、各々の処置は14回
反復した。
被験化合物の投与
ジベレリン誘導体(GAs)は95%エタノール/水混合液に加え、LDの午後
、十分に成長した最高部の葉の葉身に10μlずつ滴下することによって投与し
た。植物あたりの投与量は1μg、5μgおよび25μgとしたが、場合によって
は0.2〜250μgとした。対照植物は95%エタノール/水混合液のみを用
いて処理した。
評価
LD条件下でGAを用いて3週間処理した後、植物を切断し、新芽の先端部の
長さおよび開花の進行段階を双眼顕微鏡を用いて決定し、茎の長さを測定した。
全ての場合において、開花に関する評価は、従来の研究の場合のように、新芽の
先端部の長さと密接な関連があり、後者は開花の進行段階を示すより客観的な指
標となる。
結果
A.16,17−ジヒドロGA5の非ハロゲン化誘導体
16−メチル−16,17−ジヒドロGA5
この化合物は1μgの投与でも茎の伸長を著しく抑制し、投与量がより多く
なっても開花を適度に促進するのみであった。
17−メチル−16,17−ジヒドロGA5
16−エチルジヒドロGA5は、ジヒドロGA5またはその13−アセテート
の場合ほどではないが、茎の伸長に対する最も強力な抑制剤である。この化合物
は開花に関してはわずかな促進効果を示すのみであった。
17−n−プロピル−16,17−ジヒドロGA5
わずかに1種の試験の結果に基づけば、この化合物は茎の伸長に対して効果
を示さず、また、開花に対してはわずかの促進効果を示すのみであった。
16,17−メタノ−16,17−ジヒドロGA5
この化合物を用いた3種の試験のうちの2種の試験においては、茎の伸長に
対してジヒドロGA5とほとんど同程度の抑制効果がみられたが、開花に対する
促進効果は劣った。一方、第三の試験においては、開花に対してGA5およびジ
ヒドロGA5と同程度の促進効果がみられたが、茎の伸長に対する抑制効果は劣
った。
B.メタノC−16,17−ジヒドロGA5のハロゲン化誘導体
モノクロロメタノC−16,17−ジヒドロGA5
わずかに1種の試験の結果に基づけば、この化合物は茎の伸長に対して25
μgの投与量で強い抑制効果(58%)を示した(ジヒドロGA5の場合は25μgの
投与量での抑制効果は36%である)。新芽の先端部の長さに対する促進効果は
25μgの投与量では低かった。
ジクロロメタノC−16,17−ジヒドロGA5
この化合物は4種の試験に供した。この化合物は茎の伸長と開花の両方を強
く抑制する特異なジベレリン誘導体である。投与量が25μgの場合、茎の伸長
に対しては対照に比べて70%抑制されたが、1種の試験におけるジヒドロGA5
の抑制効果は46%に過ぎなかった。
ジクロロメタノC−16,17−ジヒドロGA5アセテート
先の化合物の合成において調製されたこの化合物は1種の試験のみに供した
。この化合物はジクロロメタノジヒドロGA5に比べて、茎の伸長に対しては同
じ抑制効果を示し、開花に対しては匹敵し得る効果を示した。
ジブロモメタノC−16,17−ジヒドロGA5
この化合物も1種の試験のみに供した。この化合物はジクロロ誘導体に比べ
て、茎の伸長に対しては同じ抑制効果を示し、開花に対しては匹敵し得る効果を
示した。
C.C−16,17−ジヒドロGA3の誘導体
16,17−メタノC−16,17−ジヒドロGA3
メタノジヒドロGA5は茎の伸長を著しく抑制するが、メタノジヒドロGA3
はジヒドロGA3の場合よりは劣るが、これを促進する。以下の表1に示す結果
はSD条件下で栽培した植物に関するものであるが、LD条件下で栽培を1日お
こなった植物に関してもほぼ同様の結果が得られた。これらの結果によれば、メ
タノジヒドロGA3はSD条件下での開花に対しては、LD条件下での栽培を1
日おこなったときのジヒドロGA3、GA5およびGA3の場合と同等の誘発効果
を示すことが判明した。
モノクロロメタノC−16,17−ジヒドロGA3
2種の試験において、この化合物は茎の伸長に対しては不活性(促進効果も抑
制効果も示さない)であったが、開花に対しては高い促進効果を示した。
ジクロロメタノC−16,17−ジヒドロGA3
この化合物はモノクロロ誘導体とは対照的に、茎の伸長および開花の両方に対
して不活性であった。
モノブロモメタノC−16,17−ジヒドロGA3
対応する塩素化化合物の場合と同様に、この化合物は茎の伸長に対して有意な
効果をもたらさなかったが、開花に対してはこれと異なり、促進効果はみられな
かった(表1参照)。
ジブロモメタノC−16,17−ジヒドロGA3
この化合物は対応する塩素化化合物の場合と同様に、茎の長さと新芽の先端部
の長さに対して効果を示さなかった(表1参照)。
D.ジクロロメタノC−16,17−ジヒドロGA20
1種の試験において、この化合物は開花に対してはわずかの促進効果を示すに
過ぎなかったが、茎の伸長に対してはジクロロメタノジヒドロGA5の場合と同
等であって、ジヒドロGA5の場合よりも高い効果を示した。
E.イネ
GA20で誘発された新芽の伸長に対する上記の化合物のうちの3種、即ち、1
6,17−ジクロロメタノC−16,17−ジヒドロGA5、16,17−メタノC
−16,17−ジヒドロGA5および16−メチル−16,17−ジヒドロGA5に
よる抑制効果は前述のロリウムの植物の場合と同様であった。
F.野生オート麦
ジクロロメタノC−16,17−ジヒドロGA5およびそのC−13アセテート
による新芽の伸長に対する抑制効果および開花に対する遅延効果は前述のロリウ
ムの植物の場合と同様であった。
考察
以上の試験結果から、GAsに関して既に知られている茎の伸長と開花に対す
る非常に異なった構造的特異性が確認された(エバンスら、1990年)。ここで
試験に供したGA誘導体の一部、例えばジクロロメタノジヒドロGA3およびジ
ブロモメタノジヒドロGA3は茎の伸長と開花の両方に対して効果を示さなかっ
た(表1参照)。
一部の化合物、例えばモノクロロメタノジヒドロGA3は開花を著しく促進す
るが、茎の伸長に対しては効果を示さなかった。これはドクムギの開花に対する
ジベレリンの内因性的役割に関する重要なカテゴリーである。何故ならば、処理
後少なくとも3週間までは、誘発的なLD条件下で栽培した植物は茎の長さを著
しく伸長させることなく、新芽の先端部の長さと開花スコアを著しく増大させる
からである(例えば、表1参照)。
この試験におけるGA誘導体の新規で潜在的に有用な効果の組合せは、ジクロ
ロメタノジヒドロGA5によるこの植物における茎の伸長と開花の進行の両方に
対する強力な抑制効果である。
ジヒドロGA5誘導体のロリウムの植物に対する効果のみを考慮するならば、
17−メチル−ジヒドロGA5および16−メチル−ジヒドロGA5は、茎の伸長
に対しては、ジヒドロGA5自体と匹敵し得る16,17−メタノジヒドロGA5
よりも高い抑制効果を示した。C−13βヒドロキシル基を有さないジベレリン
の一部によって誘発される矯性イネ(dwarf rice)の葉鞘の伸長に対しては、匹敵
し得る成長抑制効果がみられた。但し、全ての新規な環D−修飾ジベレリンはC
−16,17−ジヒドロジベレリンよりも有効であった。しかしながら、メタノ
ジヒドロGA5に塩素原子を1個付加させることによって、処理後の茎の成長抑
制効果は58%まで増大するが(ジヒドロGA5による抑制効果は36%である)
、ジクロロメタノジヒドロGA5による伸長抑制効果は70%またはそれ以上と
なった。矯性イネの葉鞘の成長(後述の説明参照)および野生オート麦の高さと新
芽のバイオマスに対するジクロロメタノジヒドロGA5の効果に関しても匹敵し
得る成長抑制効果が得られた(これらのデータはここには示さない)。
開花に対する効果はジヒドロGA5誘導体の種類によって異なる。C−13ヒ
ドロキシル基の促進効果から期待されるように、開花は茎の伸長に影響を与えな
い13−アセテート基の存在によって抑制された(エバンスら、1990年)。ジ
ヒドロGA5による開花性はメタノ誘導体によって著しく低減しなかったが、ジ
ヒドロGA5の16−メチル誘導体、17−メチル誘導体および17−n-プロピル
誘導体によって著しく低減した。メタノジヒドロGA5に塩素原子を1個付加さ
せることによって、開花性はわずかに低減するのみであったが、塩素原子2個を
付加することによって促進効果は強い抑制効果に変わり、このような効果を示す
該ジクロロ化合物は、少なくとも寒冷期の芝生や草深い雑草の成長と開花を遅延
させる潜在的有用性を有する。
実施例40 芝生(turfgrass)に対する活性(マンダーら、1995年)
ナガハグサ(poa pratensis)およびホソムギ(lolium perenne)の成長並びにこ
れらの2種の植物から主として成る芝生に対する16,17−ジヒドロ−GA5、
17−メチル−16,17−ジヒドロ−GA5および16α,17−ジクロロメタ
ノ−ジヒドロ−GA5(DCM−GA5)の効果を調べた。
A.原料および方法
(a)野外での実験
バンジェンドア(Bungendore)近くの潅漑芝生農場のカンタルフ(Canturf)か
ら入手した市販の芝生について、1994年の秋(3月〜4月)および春〜初夏(
9月〜12月)において実験を2回おこなった。いずれの場合も、実験は十分に
成長した均一で平らな芝生についておこなった。芝生はナガハグサの栽培品種「
ブロンコ(Bronco)」およびホソムギの栽培品種「SR4100」が20:80の割
合の混合種をまいて成長させたものであり、定期的に肥料を施し、潅漑した。芝
生の成長速度は秋の実験の場合は2〜5gm-2d-1であるが、春〜初夏の実験では
10.2gm-2d-1であった。
両方の実験においては、10×5個のアレイにおいて10種の処理を5回反復
しておこなった(各々の縦列については単数回の反復実験をおこない、横列対に
ついては複数回の反復実験をおこなった)。プロット間の幅0.5mのアレイはプ
ロットよりも低くカットした後、約1週間間隔で標準的な高さ(55mm)まで刈り
揃えた。各々のプロットの刈り揃えた面積は0.845m2とした。芝生の成長は
刈り取った芝生のオーブン乾燥重量から決定し、対照プロットにおける該重量に
対する100分率(±s.e.)で表示する。
全てのプロットには、エタノール5%含有水を1回だけ噴霧散布した(300m
l m-2)。この場合、対照プロットに対してはAgral0.1%を添加したエタノー
ル5%含有水を使用し、被処理プロットに対してはジベレリン誘導体を添加した
エタノール5%含有水(pH6.8)を使用した。最終の実験においては、処理溶液
にはDCM−GA5を2ppm、7ppm、20ppm、70ppmもしくは200ppm添加す
るか、16,17−ジヒドロGA5(エキソ)を125ppm添加するか、または「Pri
mo」(商標)を30ppm、200ppmもしくは700ppm添加した。第二の実験におい
ては、DCM−GA5を10ppm、33ppm、100ppmもしくは330ppm用いる
か、17−メチル−16,17−ジヒドロ−GA5を100ppm用いるか、または「
Primo」(商標)[トリネキサパック−エチル; チバ−ガイギー社(オーストラリア)
製]を33ppm、330ppmもしくは700ppm用いる処理をおこなった(100ppm
は300g ha-1に相当する)。最初の実験においては、全てのプロットには内側
に保護シートを設置して試験溶液を噴霧した[1994年3月15日(晴天)]。第
二の実験においては、全てのプロットには、少なくとも3回刈り取り処理をおこ
なった後、試験溶液を噴霧した(1994年10月19日)。噴霧から数時間後、
4mmの降雨があった。
(b)ナガハグサを用いたフィトトロン実験
CERES(キャンベラ・フィトトロン)における5種の実験を、パーライトと
バーミキュライトの1:1混合物を充填したプラスチック製鉢(直径8cm)中にお
いて調温で光周期条件下で単独栽培した植物を用いておこなった。植物には栄養
溶液を含む水を毎朝注ぎ、午後には水を注いだ。全ての植物には、6番目の葉が
表われるまで毎日自然の日光に8時間さらした。その後、8時間の日光照射のほ
かに白熱電球からの低照射光(約16μmol PARm-2s-1)を用いて種々の光周期
を植物に加えた。3種の実験においては3種の光周期を用い、他の2種の実験に
おいては2種の光周期を用いた。キャビネットの温度は日光の照射時は18℃に
し、光周期の延長と暗期のときは13℃とした。
ノルウィージアン・ベーシック・シード・センターから入手したナガハグサの
栽培品種「ホールト(Holt)」の種子(出所:69°N)を全ての実験において使用
した。この実験における植物の挙動は最後の実験における栽培品種「ブロンコ」の
場合と比較した。各々の処理に付した植物群から1週間もしくはそれ以上の間隔
でそれぞれ12〜14個のレプリケート植物を採取して次の測定をおこなった:
植物の高さ、選択した主茎の葉の葉身の長さ、主茎の葉の数、ひこばえの数、新
芽の先端部の長さと生育段階、新芽の乾燥重量、および根の乾燥重量(1種の実
験のみ)。
GA誘導体を用いる全ての処理は、植物を種々の光周期処理へ移行させる際に
該誘導体を植物に1回だけ投与することによっておこなった。GA誘導体を1μ
g、5μgまたは25μg含有する95%エタノール/水混合液の1滴(10μl)を
各々の植物の最高部の葉の葉身の中央部に投与した。対照植物はエタノール/水
混合液を用いて処理した。
(c)ホソムギについての水消費量に関するフィトトロン実験
ホソムギの栽培品種「SR4100」の種子をパーライト/バーミキュライト1
:1混合物を充填した鉢(直径12.5cm)に、各々の植物に3枚のひこばえが発生
したときに密集するのに十分な密度でまき、温室内において光周期16時間の条
件下で栽培した。温室内の温度は日中は24℃とし、夜間は19℃とした。栄養
溶液と水を毎日注いだ。処理に際しては、培地面から35mmの高さまで植物を刈
り揃え、野外に出した。各々の鉢には5%エタノール/95%水混合液にAgral
(湿潤剤)を0.1%添加した溶液または該溶液にDCM−GA5を350mg/l含
有させた溶液を5ml噴霧し、鉢は温室内にもどした。各々の処理あたり8個のレ
プリケート植物を用いた。水の使用量は重量測定によっておこない、各々の鉢に
は24時間毎に最初の重量になるまで水を注いだ。
B.結果
(a)野外での芝生実験
バンジェンドアにおける市販の芝生を用いた2回の野外実験(1回目は秋にお
こない、2回目は春〜初夏におこなった)からはほぼ類似の結果が得られた。第
二の実験においては、より直接的に比較し得る量のDCM−GA5および「Primo」
を使用した。噴霧処理前においては毎週の成長速度は全てのプロットにおいて
同等であったが、噴霧処理後1週間以内においては著しい成長抑制効果がみられ
、この効果は4〜6週間にわたって強く維持され、その後は成長は促進された。
全ての場合、DCM−GA5および「Primo」による抑制効果はリバウンドよりも
大きい。しかしながら、投与量と抑制剤(特にDCM−GA5)に関し、成長の最
大抑制率(%)と最大促進率(%)との間には密接な関係がある。
両方の抑制剤の場合、投与量が多くなるほど再成長の最大抑制率がより高くな
ると共に抑制の持続期間がより長くなる。対照の成長レベルまでの回復は、DC
M−GA5および「Primo」を33ppm噴霧した場合にはそれぞれ34日後および4
4日後であり、また、投与量を330ppmにした場合にはそれぞれ45日後およ
び50日後であった。噴霧から1週間後、2種の抑制剤は同等の抑制効果を示し
たが、次の2〜4週間にわたってはDCM−GA5による抑制効果は「Primo」の
場合ほど増大しなかった。
2種の芝生の実験において刈り取った後の第2週目における再成長に対する2
種の化合物濃度の効果も比較した。両方の抑制剤の場合、成長の抑制効果は投与
量との間にほぼ対数直線関係がある。2回目の春から初夏にかけての実験におい
ては、2種の抑制剤は抑制効果の点ではほとんど同等であったが、秋における最
初の実験の場合には、DCM−GA5と同等の抑制効果を得るために必要な「Pri
mo」の投与量は約7倍であった。この2回の実験における不一致は季節の効果と
考えられる(芝の成長速度は春から初夏にかけての実験の場合の方が高い)。しか
しながら、2回の実験条件の相違、即ち、1回目の実験の場合には、実験中およ
び噴霧処理後の数日間は晴天が優勢であったが、2回目の実験の場合には噴霧処
理の日は曇った条件であって、数日後に4mmの降雨があったことも関係している
可能性もある。
1週間毎に刈り取りをおこなう条件下での開花に関しては、両方の実験におけ
る「Primo」と「DCM−GA5」による抑制効果の間には有意な差異はみられなか
ったが、ホソムギについての実験(実施例37参照)においては、DCM−GA5
の方が有効であった。両方の実験において2種の化合物の間の一つの明らかな相
違点は、「Primo」を比較的多量投与することによって芝生に褐変(変色)がもたら
される傾向があることである。
最初の芝生実験においては、16,17−ジヒドロ−GA5の特定の投与量にお
ける抑制効果は塩素化誘導体であるDCM−GA5の場合よりも劣ったが、2回
目の実験においては、17−メチル−16,17−ジヒドロ−GA5は「Primo」お
よびDCM−GA5と同等の抑制効果を示した。
(b)ナガハグサを用いたフィトトロン実験
全ての5種の実験において、栽培品種「ホールト」の葉身の長さに対しては光周
期が大きな影響を及ぼす。即ち、SD条件下で最も長い葉身は最長光周期におけ
る最も長い葉身のわずかに45%(平均値)に過ぎなかった。栽培品種「ブロンコ」
の場合には、光周期が10時間のときの最も長い主茎の葉は光周期が15時間の
場合の長さの47%であり、これは栽培品種「ホールト」を用いた実験の場合の4
4%と同等である。植物の最終的な高さに関する対応する値は44%および47
%であった。従って、葉の伸長に関して光周期の影響を強く受けるナガハグサは
GA誘導体の影響も受ける。
しかしながら、2種の栽培品種は成長速度およびGA1生合成を抑制する抑制
剤に対する反応の点で相違する。いずれの化合物も最終的な葉の数および主茎に
おける葉の発生速度を著しく低下させなかったが、これらはLDの場合よりもS
Dの場合の方が大きかった。主茎の10番目の葉の葉身の長さはSD条件下での
栽培およびLD条件下で抑制剤を投与する栽培によって匹敵する程度まで抑制さ
れた。各々の植物あたりの投与量が25μgおよび5μgの場合、「Primo」の方が
DCM−GA5よりも有効であった。植物の高さはSD条件下での栽培によって
抑制され、抑制剤による高さの抑制効果はこれよりも小さかったが、「Primo」の
方がDCM−GA5よりも有効であった。処理から2週間後の植物の高さの伸長
速度はSD条件および両方の化合物の投与によって著しく抑制されたが、このよ
うな効果は栽培品「ブロンコ」の場合にはSD条件下で「Primo」を投与するときに
のみみられた。ひこばえの発生速度はLD条件よりもSD条件の場合の方が高く
、また、LD条件下で両方の化合物を投与することによって著しく増大した。新
芽の乾燥重量は処理から39日後の最後の刈り取りにおいてのみ測定した。栽培
品種「ホールト」の場合、DCM−GA5はいずれの栽培品種またはいずれの光周
期における新芽の乾燥重量に対しても著しい効果をもたらさなかったが、「Prim
o」は栽培品種「ブロンコ」のLD条件下での栽培以外の全ての場合において著しい
低減効果をもたらした。
全ての実験を通じて、成長抑制剤としての有効性の順序は、投与量が25μg
の場合、「Primo」>DCM−GA5>ジヒドロGA5であった。例えば、芝生の実
験の場合のように、Primoは葉の伸長速度に対する抑制効果をDCM−GA5よ
りも長い期間維持する(例えば、光周期が15時間の場合、後者が1週間である
のに対して前者は2週間であった。しかしながら、投与量がより少なくなると、
DCM−GA5がPrimoと同等の効果をもたらす場合が観察された。
(c)ミニ芝生ホソムギにおける水消費量についてのフィトトロン実験
ミニ芝生ホソムギSR4100にDCM−GA5または「Primo」を1回噴霧す
ることによる調温(24℃/19℃)温室内における毎日の水の消費量に対する効
果を1種の実験において調べた。両方の抑制剤が噴霧後4日目で水の消費量に関
して著しい低減効果をもたらしたが、この効果は数日しか続かなかった。
C.考察
制御条件下で成育させた単一の植物および野外で春季と秋季に成育させた芝生
についておこなった実験において、16,17−ジヒドロ−GA5の誘導体による
植物の高さに対する抑制効果は市販の抑制剤「Primo」(トリネキサパック−エチ
ル)による抑制効果と同等であった。バンジェンドアにおける芝生についての実
験において、新芽の伸長に対する初期の抑制効果は投与量が同じとき、DCM−
GA5を用いた場合は「Primo」を用いた場合と同等またはそれ以上であった。1
回の噴霧処理による効果は「Primo」を用いた場合の方が幾分長く続いたが、植物
の乾燥重量を低減させ、芝生の褐変をもたらした。一方、DCM−GA5を用い
たときにはこのようなことはみられなかった。両方の化合物はフィトトロン実験
におけるミニ芝生による水の消費量の一時的な低減化をもたらした。また、両方
の化合物は噴霧後、約8週間で実質的なリバウンドをもたらしたが、これは2回
目の噴霧でDCM−GA5を用いた場合には逆転した。
「Primo」とDCM−GA5がLD条件下での葉の葉身の長さをSD条件下での
未処理植物の葉の葉身の長さ近くまで低減させるという知見は、LD条件下での
葉の大部分の付加的成長はGA1へのGA20の3β−ヒドロキシル化と関係して
いるということを示唆する。しかしながら、ジベレリンの3β−ヒドロキシル化
の抑制による可能な作用様式、全体的な効果と投与反応および葉の発生速度の非
低減化の点では両者間に類似性があるにもかかわらず、「Primo」とDCM−GA5
の間には効果の点で相違がある。また、ナガハグサの2種の栽培品種の反応に
関しても相違があり、この相違は抑制剤としての全体的な有用性に影響を及ぼす
かもしれない。例えば、光周期はナガハグサの2種の栽培品種における葉の葉身
の伸長に対して類似の効果をもたらすが、SD条件下で完全に発生した最も若い
葉の葉身の長さは栽培品種「ホールト」の場合にはいずれの抑制剤によっても影響
を受けない。しかしながら、栽培品種「ブロンコ」の場合、該葉身の長さは、「Pr
imo」による新芽の乾燥重量に対する効果のように、両方の抑制剤によって抑制さ
れた。
単一の植物を用いた実験結果は野外での芝生を用いた実験結果とは相違する点
がある。特に、単一植物の場合、DCM−GA5に比べて「Primo」による抑制効
果は大きいが、この相違は投与量が少ないときには著しくはない。しかしながら
、新規な16,17−ジヒドロ−GA5誘導体は、変色または乾燥重量や密度の低
減をもたらすことなく芝生の伸長だけでなく開花も抑制する芝生の抑制剤として
の有用性を有する。
実施例41 イネ[栽培品種タン−ジンボズ(Tan−ginbozu)]の第2葉の葉鞘
の成長遅延
生合成経路の非常に初期の段階の内生的ジベレリン合成に対して部分的にブロ
ックされた矮性イネの栽培品種タン−ジンボズの内生的生活性のジベレリンを、
ジベレリン生合成経路の非常に初期の段階でも作用する潜在的な植物成長遅延剤
(ユニコナゾール)を種子に吸収させることによってさらに低減させた。
ジベレリンが著しく欠乏したイネに種々のジベレリンを0.5μlの微小滴で単
一の植物あたり1ng、10ngまたは100ng投与することによって葉鞘の成長を
誘発させた。使用した成長促進性ジベレリンは次の通りである:
ジベレリンA1…イネの葉鞘の伸長に対する実際の「エフェクター」。
ジベレリンA20…ジベレリンA1の前駆体(C−2,3がジヒドロであるジベレ
リンA23がジベレリンA1を生成するにはC−3βでのヒドロ
キシル化が必要である)。
ジベレリンA9…ジベレリンA4の前駆体(ジベレリンA4はイネの葉鞘の成長促
進に対して生物学的に活性であるか、またはジベレリンA1に
変換される可能性がある)。
2,3−ジデヒドロジベレリンA9…ジベレリンA7の可能な前駆体(ジベレリン
A7は、高等植物においてはまだその代謝生成物が知られてい
ないので、イネの葉鞘促進に対して生物学的に活性である可能
性がある)。
上記の成長促進性ジベレリンを試験化合物である環D−修飾ジベレリンと併用
したところ、ジベレリンのみを投与した対照植物に比べて、「ジベレリン誘発成
長」の抑制効果がもたらされた。これらの試験化合物の作用機構は、C−3βで
のヒドロキシル化が拮抗的に抑制されて、「成長エフェクター」自体である最終的
なジベレリンの生成が阻害されると考えられる。
環D−修飾ジベレリンを従来から既知のエンド−C−16,17−ジヒドロジ
ベレリンA5(エバンスら、1994年および国際出願PCT/AU92/004
26号明細書参照)と比較したところ、試験化合物はC−16,17−ジヒドロジ
ベレリンに比べて著しい効果の増大を示した。
図1は2種の試験化合物ジクロロメタノ−16,17−ジヒドロジベレリンA5
(DCM−GA5)およびエンド−C−16,17−ジヒドロGA5のジベレリンA2 0
−誘発成長に対する効果を示す。
ジベレリンA20のみによって誘発される成長は符号「●」で示す。誤差範囲は確
率の95%信頼限界内にある。試験化合物は、ジベレリンA20で処理したイネに
、GA20の投与量と同量または10倍量投与した。Fig.1aにおける符号「■」
はジベレリンA20を1ngまたは10ng用いて処理した後、DCM−GA5を1ng
または10ng投与した場合を示す。同様にしてエンド−C−16,17−ジヒド
ロジベレリンA5を比較のために投与した。全ての3種の試験において、DCM
−GA5はGA20で誘発された成長を非常に強く抑制し、また、その抑制効果は
投与量が最も多いときにはエンド−C−16,17−ジヒドロジベレリンA5の場
合よりも高い。
このように、ジクロロメタノ−16,17−ジヒドロジベレリンA5はGA20で
処理した対照およびエンド−C−16,17−ジヒドロジベレリンA5に比べて、
ジベレリンA20誘発成長に対して予想外の著しく高い成長抑制能を示す。
GA20、GA9、2,3−ジデヒドロGA9またはGA1を用いて処理した対照に
対する種々の試験化合物の反応を以下の表−2に示す。処理方法、投与量および
測定法は前記のGA20の場合と同様である。反応は、成長促進性ジベレリンを1
0ng用いて処理した後、試験化合物を100ng投与した場合についてのみ示す。
全ての他の投与量のときの反応の結果もこの場合と一致した。
他の環D−修飾ジベレリン試験化合物もGA20、GA9または2,3−ジデヒド
ロGA9に対する試験において大部分の投与量でエンド−C−16,17−ジヒド
ロGA5よりも高い成長抑制効果を示した(表2参照)。抑制活性は、16,17−
メタノ−16,17−ジヒドロGA5およびジクロロメタノ−16,17−ジヒド
ロGA20(DCM−GA5のC−2,3−ジヒドロ誘導体)の場合に消失した。
実験間の対照の成長率(%)の変化には、DCM−GA5をエチル誘導体、プロ
ピル誘導体もしくはブチル誘導体またはC−16ジェミナルメチルGA5と比較
するときの効果のような一般的な傾向はない。これらは全て同程度に成長を抑制
する。エンド−C−16,17−デヒドロGA5のアセテート誘導体はエンド16
,17−デヒドロGA5よりもわずかに活性である。
17−メチル−16,17−ジヒドロGA5はジベレリンA20に対しては活性で
あったが、ジベレリンA1で誘発された成長に対しては不活性であった(表−2参
照)。GA1はそれ自体成長のエフェクターであり、重要なC−3β−ヒドロキシ
ル基を有する。このことは、新芽の成長における環D−修飾ジベレリンの作用機
構がC−3βでのヒドロキシル化の抑制に関係するのであって、エバンスら(1
994年b)およびタカギら(1994年)によって指摘されているような「エフェ
クター」ジベレリンの作用に対する拮抗に関係するものでないことの重要な証拠
である。
環Aが相違する誘導体間の成長抑制活性の相違は、C−2,3−ジヒドロより
もC−2,3−ジデヒドロの方が有効であることを示す。しかしながら、C−1
6,17−ジヒドロジベレリンの場合には、C−16,17−ジヒドロGA5およ
びその環A修飾C−16,17−ジヒドロGA20はロリウムにおいてはいずれも
活性であるとされている(エバンスら、1994年b)。
C−16,17−メタノ基に塩素原子を2個付加させることによる効果は予想
外に顕著である。何故ならば、以下の表−2の結果および前述のロリウムに対す
る実験結果から明らかなように、成長抑制能は数倍高くなるからである。
実施例43 芝生の成長抑制
ケンタッキーブルーグラス(Kentucky bluegrass)の収穫量に対するDCM−
GA5の成長調節剤としての効果を米国のオハイオ州の野外において実験した。
方法
植物成長調節剤DCM−GA5はエタノールに溶解し、該溶液1部を水20部
と混合して実験に使用した。この植物成長調節剤の使用量は活性成分が1エーカ
ーあたり0.15lb、0.3lbまたは0.75lb(ai/A)になるようにした。プロ
ットの大きさは5ft×10ft(容積:45ガロン/A)であり、実験は3回おこな
った。
結果の要約
以下の表−3から明らかなように、ケンタッキーブルーグラスの成長に対する
DCM−GA5の抑制効果は全ての使用量において未処理対照(UTC)に比べて
著しい。この抑制効果はUTCに比べて使用量が増加するにつれて増大し、残余
活性は処理後(DAT)、38日間にわたって顕著であった。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG),
AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C
H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB
,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP,KR,
KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,M
K,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO
,RU,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,
TT,UA,UG,US,UZ,VN
(71)出願人 ファリス,リチャード・パーソンズ
カナダ、アルバータ、コッチラーン、ボッ
クス609、レイル・ロード2番
(72)発明者 ファリス,リチャード・パーソンズ
カナダ、アルバータ、コッチラーン、ボッ
クス609、レイル・ロード2番
(72)発明者 マンダー,ルイス・ノーマン
オーストラリア2614オーストラリアン・キ
ャピタル・テリトリー、アランダ、ジュウ
ィン・ストリート15番
(72)発明者 キング,ローデリック・ウィットフィール
ド
オーストラリア2600オーストラリアン・キ
ャピタル・テリトリー、ディーキン、ノー
マン・ストリート22番