JPH10506938A - インキジェットインキ及びその製造方法 - Google Patents

インキジェットインキ及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 水、顔料、高分子電解質、好ましくは高分子カルボン酸のナトリウム、カリウムまたはリチウム塩、多価アルコール及びステアリン酸塩、好ましくはステアリン酸アルミニウムを含むインキジェットインキが提供される。ステアリン酸塩の存在により、特に高分子電解質との組み合わせで、印刷時に完全に丸いドットを紙の表面のみに形成するインキジェットインキが提供される。この像は、非常に速く乾燥し、高濃度であり、且つ耐水性である。詰まりのような印刷の問題も避けられる。上記インキジェットインキの製造方法は、配合物の微粉砕と、それに続く分離工程を含む。この分離工程は、インキ配合物の安定な分散を提供するのに重要である。

Description

【発明の詳細な説明】 インキジェットインキ及びその製造方法 発明の背景 本発明は、改良されたインキジェットインキ、特に顔料系インキジェットイン キに関する。さらに、本発明は該顔料系インキジェットインキの製造方法に関す る。 インキジェット記録システムは、記録の際の騒音が非常に小さく、カラー記録 にも容易に対応でき、高速で高解像度の記録画像を得ることができるという点で 有利である。インキジェット印刷システムに使用するのに適するインキは、一定 のドロップブレークアップ長さ(drop breakup length)、ドロップベロシティ(dr op velocity)を示すべきであり、同期インキジェット印刷(synchronous inkjet printing)においては、セット作動状態(set operating conditions)のドロップ チャージ(drop charge)を示すべきである。従来のインキジェットインキは、水 溶性染料をベースとし、さらにポリマー、可溶化剤、キレート剤及び殺生物剤を 含有する複合多成分システムである。 染料含有水性インキの使用には、いくつかの欠点がある。染料は、顔料に比べ て色の選択及び領域(gumut)が限られている。その結果、色の再現が限られるこ とになる。さらに、染料は顔料に比べて耐光性及び耐水性に劣る。染料が水溶性 であることは、画像を濡らすことができない、または屋外で使用することができ ないという点で使用を制限する。さらに、コートされていない粗い紙では、吸い 上げ(wick)、ブリードを生じる傾向がある。広がる度合いは使用する紙に依存す る。従って、染料ベースのインキを使用できる紙の範囲は限られている。さらに 、紙上での画像文字のひげ及びインターカラー(intercolor)ブリードによる解像 度の低下がある。 水溶性染料のアプローチの制限のため、研究者達は顔料ベースのインキを研究 してきた。顔料ベースのインキは、耐光性及び耐水性に優れ、広範囲の紙に用い ることができるが、印刷システムのオリフィスに沈積及び目詰まりを生じないよ うに充分小さい粒子を得るのは非常に困難である。オリフィスは,操作条件、例 えば温度及び湿度の広い範囲にわたって開口していなければならない。ひげ、マ イグレーション、画像の損傷の問題は、顔料インキにも生じ得る。 従来の顔料ベースのインキジェットインキの製造方法には、インキジェット材 料の配合、そして混合、ボールミル、ホモミキサー、サンドミルまたはロールミ ルのような公知の分散装置による磨砕が含まれる。米国特許第4,597,79 4号には、顔料の微粒子を親水性構成部分及び疎水性構成部分の両方を有するポ リマーを含有する水溶性分散媒に分散することにより顔料系インキジェットイン キを製造する方法が記載されている。この成分は、上記標準方法を用いて調製さ れる。 米国特許第5,026,427号は、顔料系インキジェットインキの製造方法 に関する。この方法は、少なくとも1種類の顔料と少なくとも1種類の顔料分散 剤を水または水溶性有機溶媒中の水中で混合することを含む。この顔料系インキ 混合物は、マイクロフルイダイザー(microfluidizer)を通すことにより解凝集さ れる。 米国特許第5,160,370号は、顔料、水溶性樹脂、水溶性有機溶媒及び 水を含む顔料系インキに関する。水溶性樹脂は、顔料に吸収されない樹脂の量が 約2%以下となる量で添加される。さらに、水溶性有機溶媒は、少なくとも1種 類の多価アルコール及びエタノールのような脂肪族一価アルコールを含む。 インキ組成物の複雑な性質により、インキの製造に使用される組成及び方法は 、極めてデリケートであり得る。当業界においては、使用されるインキ及びイン キの製造に用いられる方法の改良が必要とされている。解決のための努力は、画 像形成時のインキのマイグレーション及びひげ、並びにインキジェットプリンタ ーのノズル内の詰まりの改良に向けられている。これらの解決法として、下記の ものがある。 ヨーロッパ特許出願第057119082号においては、天然ポリサッカライ ドが界面活性剤及びバインダと共に使用されている。しかしながら、糖を使用す ると、画像表面に糖水溶解性物質が生じ、これが不安定化し、着色された背景に 白いブルーム(bloom)を生じ得る。 米国特許第5,173,112号においては、ノズルの詰まりの問題が取り扱 われている。特別な補助溶媒として、アルキルアミド及び環状アミドが用いられ ている。米国特許第5,205,861号及び第5,169,438号において も、ノズルの詰まりの問題及び環状脂肪族ジオール詰まり防止剤の使用が取り扱 われている。 米国特許第5,221,334号においては、非イオン的及びイオン的な顔料 系インキの安定化の機構が開示されている。この特許には、Aセグメントが疎水 性コポリマーであり、Bセグメントが親水性ポリマーまたはその塩であるABま たはBABブロックコポリマーが記載されている。このブロックコポリマーは、 大量の水酸化ナトリウムにより中和され、該材料は粉砕される。 存在する多くの問題を解決するための上記の試みにもかかわらず、印刷画像の 観点及びインキの印刷性の両方から、インキジェットプリンターに使用される顔 料系インキを改良する必要がなお存在する。 従って、本発明の目的の一つは、新規なインキジェットインキ組成物を提供す ることにある。 本発明の別の目的は、改良された印刷性を示すインキジェットインキ組成物を 提供することにある。 本発明のさらに別の目的は、高濃度及び高解像度の画像を印刷し、ひげ及びマ イグレーションの問題のないインキジェットインキを提供することにある。 本発明の別の目的は、新規な顔料系インキジェットインキの製造方法を提供す ることにある。 本発明のこれらの及び他の目的は、下記の明細書及びこれに添付された請求の 範囲を参照すれば明らかになるであろう。 発明の概要 上記目的に従い、水、顔料、高分子電解質、好ましくは高分子カルボン酸のナ トリウム、カリウムまたはリチウム塩、多価アルコール及びステアリン酸塩、好 ましくはステアリン酸アルミニウムを含むインキジェットインキが提供される。 驚くべきことに、ステアリン酸塩の存在により、特に高分子電解質との組み合 わせで、印刷時に完全に丸いドットを紙の表面のみに形成するインキジェットイ ンキが提供される。この像は、非常に速く乾燥し、高濃度であり、且つ耐水性で ある。詰まりのような印刷の問題も避けられる。 別の実施態様において、配合物の微粉砕と、それに続く分離工程を含む前記イ ンキジェットインキの製造方法が提供される。この分離工程は、インキ配合物の 安定な分散を提供するのに重要である。 図面の簡単な説明 図1Aは、本発明により印刷され、流水の下で保持された画像の部分の拡大写 真(6倍)である。 図1Bは、従来のインキジェットインキで印刷された画像の部分の拡大写真( 6倍)である。 図2Aは、本発明により形成された画像の部分の、画像が乾燥している場合の 、拡大写真(6倍)である。 図2Bは、図2Aの画像の、流水の下に保持した後の拡大写真(6倍)である 。 図3は、本発明による印刷ドットと、従来のインキジェットインキを用いたも のの拡大写真(200倍)である。 好ましい実施態様の詳細な説明 本発明のインキの製造には、広範囲の有機及び無機顔料を、単独でまたは組み 合わせで選択し得る。ここで使用されている“顔料”の語は、不溶性の色料を意 味する。顔料粒子は、インキジェット印刷装置、特に通常10ミクロン〜50ミ クロンの範囲の直径を有する突出ノズルにおいて、インキを自由に流出させるの に充分に小さい。粒径は、インキの寿命に重要な顔料分散安定性にも影響する。 微細な粒子のブラウン運動は粒子の沈澱防止に役立つであろう。最大の色の濃さ のためにも小さい粒子を用いるのか好ましい。有用な粒径の範囲は、約0.00 5ミクロン〜10ミクロンである。好ましくは、顔料の粒径は0.005〜1ミ クロンであり、より好ましくは0.005〜0.3ミクロン、そして最も好まし くは顔料粒子の粒径は平均200nm未満である。 選択された顔料は、乾燥状態または湿潤状態で使用され得る。例えば、顔料は 通常水性媒体中で製造され、これにより生じる顔料は、水湿潤プレスケーキとし て得られる。プレスケーキの形態では、顔料は乾燥状態のとき程は凝集しない。 従って、水湿潤プレスケーキの形態の顔料は、乾燥顔料からのインキの製造方法 程には解凝集を要しない。既に水性媒体に分散してある顔料のプレミックスも本 発明のインキの製造のための出発材料として使用し得る。 水湿潤プレスケーキの形態で使用し得る代表的な市販の顔料には、 (ピグメントレッド123,C.I.No.71145)、トルイジンレッドB(C.I.ピグメン イエローG(C.I.ピグメントイエロー1)、ピグメントスカーレット(C.I.ピグメ ントレッド60)、Auric Brown(C.I.ピグメントブラウン6)等が含まれる。本発 明のインキの配合に有用な他の典型的な顔料は、フタロシアニンブルー(C.I. 11670)、ジアゾイエローGR(C.I.21100)、パーマネントレッド4R(C.I.12335)、 ブリリアントカーミン6B(C.I.15850)及びキナクリドンレッド(C.I.46500)であ る。 金属または金属酸化物の微粒子も、本発明の実施に使用し得る。例えば、金属 及び金属酸化物は、磁性インキジェットインキの製造に適している。微細な粒径 の酸化物、例えばシリカ、アルミナ、チタニア等も選択され得る。さらに、微細 に粉砕された金属粒子、例えば銅、鉄、鋼鉄、アルミニウム及び合金も適当な用 途に選択され得る。 本発明のインキ配合物及び方法に使用するのに特に好ましい顔料は、C.I.ピグ メントレッド122、C.I.ピグメントイエロー74及びC.I.ピグメントブルー15であ る。本発明は、特に、カラー顔料に使用する場合に有利である。 インキ配合物に含有される顔料の量は、全インキ配合物に対して、通常は10〜 50重量%である。より好ましくは、顔料の量は10〜25重量%の範囲である。 高分子電解質は、好ましくは高分子カルボン酸塩である。この塩は、カルボン 酸のナトリウム塩、カリウム塩またはリチウム塩のいずれかであるべきであり、 アンモニウム塩であってはならない。アンモニウム塩は、印刷性の理由により適 さないことが判明したからである。 本発明の目的に有用な高分子カルボン酸塩は、特に下記のポリマーの塩である :ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリルコポリマー、アクリル酸カリ ウム−アクリロニトリルコポリマー、酢酸ビニル−アクリル酸エステルコポリマ ー及びアクリル酸−アクリル酸アルキルエステルコポリマーのようなアクリル樹 脂、スチレン−アクリル酸コポリマー、スチレン−メタクリル酸コポリマー、ス チレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステルコポリマー、スチレン−α −メチルスチレン−アクリル酸コポリマー及びスチレン−α−メチルスチレン− アクリル酸−アクリル酸アルキルエステルコポリマーのようなスチレンアクリル 樹脂;スチレン−マレイン酸コポリマー、スチレン−無水マレイン酸コポリマー ;ビニルナフタレン−アクリル酸コポリマー、酢酸ビニル−エチレンコポリマー 、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレンコポリマー、酢酸ビニル−マレイン酸エス テルコポリマー、酊酸ビニル−クロトン酸コポリマー及び酢酸ビニル−アクリル 酸コポリマーのような酢酸ビニル樹脂;並びに任意のポリエステルまたはセルロ ースポリマーの塩。 高分子電解質として適する界面活性剤は、例えば、高分子アルキルスルフェー ト、高分子アルコール硫酸エステルの塩、高分子脂肪酸とアミノ酸との縮合生成 物、スルホスクシネート、ナフタネート、液体脂肪油硫酸エステルの塩及びアル キルアリルスルフェートのようなアニオン界面活性剤;4級アンモニウム塩、ス ルホニウム塩及びホスホニウムのようなカチオン界面活性剤:並びにポリオキシ エチレンアルキルエステル、ソルビタンアルキルエステル及びポリオキシエチレ ンソルビタンアルキルエステルのようなノニオン界面活性剤を含む。 高分子電解質の適する量は、全インキ配合物に対して、約0.05〜10重量 %、好ましくは0.1〜3重量%の範囲である。 多価アルコールは、良く知られている多価アルコールの任意のものであり得る 。本発明の配合物に使用するのに適する多価アルコールには、エチレングリコー ル、 ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、テト ラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロール、ブチレングリ コール、エチレングリコール、モノメチルまたはモノエチルエーテルジエチレン グリコール、モノメチルまたはモノエチルエーテル1,2,6−ヘキサントリオ ール、及びチオジグリコールが含まれる。多価アルコールの中で最も好ましいの は、市販のPEG−200のようなポリエチレングリコールである。多価アルコ ールの混合物を使用することもでき、好ましい。そのような混合物は、例えばジ エチレングリコール及びポリエチレングリコールを含むものであり得る。 インキ配合物に使用される多価アルコールの量は、通常、全インキ配合物の重 量に対して35重量%未満、最も好ましくは約10〜20重量%の範囲である。 この比較的少量の多価アルコールにより、多価アルコールを45〜55重量%含 有する従来の配合物に比べてインキの乾燥が速くなる。本発明は、また、印刷オ リフィスの詰まり、及びインキカートリッジの壁における顔料粒子の乾燥の潜在 的な問題のため、一価のアルコールの存在を好まないと理解されるべきである。 イシキジェットインキの最後の且つ最も重要な成分は、ステアリン酸塩化合物 である。ステアリン酸塩化合物は、市販のいずれのものであってもよく、例えば ステアリン酸のアルミニウム塩または亜鉛塩である。通常は、ステアリン酸塩化 合物は、式:M(OH)n(C1735COO)mで表される。Mは金属、例えばア ルミニウムまたは亜鉛を表し、nは0〜3の範囲であり、そしてmは0〜3の範 囲である。 ステアリン酸塩化合物は水に溶解性でないが、通常は高分子電解質と共に水溶 液に分散される。この分散状態で、ステアリン酸塩化合物はインキ配合物に添加 される。通常使用されるステアリン酸塩化合物の量は、全インキ配合物に対して 0.1〜5%、より好ましくは0.1〜3重量%である。 驚くべきことに、ステアリン酸塩の使用により、優れた安定性で且つ優れた画 像品質で印刷できるインキが提供される。高分子電解質との共同により、インキ 顔料は立体安定性と電子運動安定性の両方を有する。 立体安定性は、凝集かないこと、または空間的な安定性を意味する。本発明に おいて、立体安定性は、顔料の表面にステアリン酸塩化合物が単独でまたは高分 子電解質と共に吸着するために生じる。吸着された分子は保護コロイドを形成し 、分散液中における顔料粒子の直接の物理的接触を防ぐ。立体安定化は、顔料粒 子がコロイドの大きさ、即ち1ミクロン未満のとき有効に起こり、最も有効なの は該粒子が0.2ミクロン未満のときである。立体的に安定化された流体は、攪 拌せずに放置した場合でも凝集せず、長い貯蔵期間の間も沈澱を生じない。 電子運動安定化作用は、顔料粒子が、粒子の電子の反発により凝集しないこと を意味する。電子運動安定作用は、立体安定作用と共に最も望ましい現象であり 、顔料の非常に安定な分散を導く。このタイプの安定化作用は、本発明のインキ ジェット配合物に見られる。 配合物の残部は、通常は40〜60重量%の水からなる。成分の全てを別々に 添加してもよく、いくつかを予め混合した後に添加しても良い。例えば、ステア リン酸塩をまず水性媒体中に高分子電解質と共に分散し、この分散液を添加して 、顔料を含むインキ配合物を完成するのが好ましい。 本発明の方法は、粒子を微粉砕するために、好ましくは顔料粒子のバイモーダ ル(bi-modal)分散が得られるまで、顔料分散液を磨砕することを含む“バイモー ダル分散”の語は、粒子が、平均粒径の異なる少なくとも二つの分離したフラク ションに分配されていることを意味する。通常は二つの分離したフラクション、 即ちモードのみが見られる。2モード以上が見られる場合、第一のモードはより 小さい平均粒径を有する粒子のフラクションと考えられ、第二のモードは残りの フラクンョンを含むであろう。 粒子の微粉砕は1工程で行うことも、2工程で行うこともできる。例えば、ま ず、分散液を、一般的に適切で利用可能な任意のミル、例えばボールミル、サン ドミルまたはメディア(Media)ミル内で粉砕し得る。水平メディアミルを用いる メディアミル、例えばNetzsch,Eiger,Premier等により製造されているような ものが優れており、水平メディアミルを用いて製造された分散液は、優れた安定 性を示すインキを提供する優れたコロイド分散液を生じることが見出されている 。従って、メディアミルは、粒子の粒径を一定のレベルまで下げるのに使用され 得る。 優れたコロイド分散液は、他のミル、例えばインピンジメントミルを用いて製 造しても良い。実際、インピンジメントミルの使用は、粒子の分散液内へのバイ モーダル分散を再現可能に且つ一貫して行うのに最も有効で且つ効率が良いこと が見出された。インピンジメントミルは、油圧ポンプ内で23,000 psi程度の圧力 を分散液にかけることにより作動する。このポンプが、分散液を減圧チャンバ内 に押し入れ、そこで分散液の粒子が互いに衝突して粒子の微粉砕が行われる。微 粉砕は、衝突及びキャビテーションの両方の作用により行われる。外来の磨砕媒 体は必要ないため、得られた分散液の純度が向上する。インピンジメントミル及 びその操作の記載は、例えば、米国特許第4,533,254号及び4,783 ,502号にも見出される。インピンジメントミルは市販されており、例えばMi Cr0fluidiCS,Inc.により製造されているModel M1IOTまたはMllOYである。 一度顔料粒子が微粉砕されると、分散粒子の二つのフラクションへの分離が行 われる。好ましくは、分散粒子のバイモーダル分散が行われ、この場合、分離は 微粉砕により生じた二つの分離した粒子モードに行われる。一般的に、これらの モードの一方は平均粒径が約300nm以下であり、より好ましくは約200nm以下であ り、最も好ましくは150nm以下てある。インキ配合物に使用するために回収され 保存されるのは、このモードである。平均粒径が300nmより大きい第二のモード の粒子からなる分散液は、他の用途に使用することができ、または単に、さらな る磨砕及び分離のための製造工程に戻しても良い。 分離工程は、利用可能な適当な手段により行い得る。しかしながら、精密濾過 または遠心分離を用いるのが実用性及び効率の点から好ましい。特に、遠心分離 は、300nm以下の粒子を、大部分を占めるより大きな粒子から分離する場合に極 めて効率良く且つ有効であることが見出されているので最も好ましい。 本発明のインキジェットインキは、従来の任意のインキジェットプリンターを 用いて印刷することができ、任意のインキジェット媒体、例えば普通紙、コーテ ィングされたインキジェット用紙、または戸外で用いるのに適する紙に印刷する ことができる。インキ配合物の安定性は、印刷性を全く損なうことなく、長期間 保存することを可能にする。印刷オリフィスにおけるポリエチレングリコール/ 水混合物、例えば混合物を飽和したパッドと接触した状態での貯蔵もノズルの詰 まりを防止することが見出された。ノズルが詰まった場合でも、クリーナーのよ うな混合物の使用により容易にノズルの詰まりを除去することができる。 下記の実施例により本発明をさらに説明するが、これらは純粋に説明のための ものであって、不当な限定を意味するものでない。下記の実施例において及びこ の明細書を通して、特記しない限り%は重量基準である。実施例1 37%のフタロシアニンブルー顔料及び残部の水を含むヒルトンデイビス(Hilto n-Davis)プレミックスを、インキ配合物の製造のために使用した。このプレミッ クスの粘度は760cpsであり、このプレミックスのpHは9.05であり、表面張力は38 dynes/cmであった。フタロシアニンブルー顔料の平均粒径は約187nmであった。 プレミックスを70℃に加熱し、その後20℃に冷却した。分散液は安定であった。 その後、この分散液を脱イオン水で希釈して固形分19重量%としたところ、粘 度は10cps、pHは9.1及び表面張力は36dynes/cmであった。その後、このバージョ ンをインキジェットプリンターを用いて印刷した。殆どすぐにノズルが詰まった 。実施例2 実施例1の希釈した混合物に、アンモニア性スチレン/無水マレイン酸樹脂の 10%溶液を添加した。得られた分散液は、12.5%の固形分を有し、顔料の平 均粒子径は凝集により3.4μであった。遠心分離を試みたところ、粒子はさらに 凝集し6μmより大きい平均粒子径になった。印刷を試みたところ、得られたイ ンキ配合物は全く利用できず、インキジェットプリンターから印刷することはで きなかった。実施例3 実施例1の希釈した混合物に、スチレン−無水マレイン酸コポリマーのナトリ ウム塩の5%溶液を、最終的に固形分が10重量%の分散液が得られるような量 で添加した。最終的な分散液の粘度は20cpsであり、顔料の平均粒径は540nmであ った。遠心分離を行ったが分離はしなかった。平均粒子径は約490nmであった。 この分散液を70℃に加熱した後、20℃に冷却した。平均粒子径は変化せず、約 480nmにとどまった。 分散液中の顔料の乾燥重量に対して15重量%のジエチレングリコールを添加し た。 イキジェットプリンターで印刷したところ、ノズルが最終的に詰まる前に、印 刷は多くのかすれ及び欠陥を示した。インキ配合物は印刷に使用するのに適さな かった。実施例4 42重量%の黄色顔料74、2.5重量%のジエチレングリコール及び55.5重量%の 水の水性分散液を含むサンケミカルズのプレミックスを、最終分散液が19重量% の固形分を含む程度まで希釈した。この希釈した混合物にアンモニア性スチレン −マレイン酸無水物コポリマーの10%溶液を添加し、この混合物をさらに混合し た。すぐに粒子の沈澱が見られ、少量の粒子のみが懸濁状態を保っていた。これ らの懸濁状態にある粒子の平均粒子径は76nmであった。これらの粒子をデカント により分離した。懸濁液の固形分は約6重量%であった。この懸濁液を用いて印 刷を試みたところ、印刷は不可能であった。実施例5 実施例4の希釈した混合物に、スチレン−マレイン酸無水物コポリマーのナト リウム塩の5%溶液を添加した。得られた懸濁液は、平均粒径330nmの顔料を有 し、そのpHは11.02であり、粘度は10cpsであり、表面張力は35dynes/cmであった 。懸濁液を70℃に加熱した後、20℃に冷却した。この懸濁液に約15重量%のジエ チレングリコールを添加したところ、懸濁液の粒径は500nmに増加した。 この懸濁液をインキジェットプリンターによる印刷に用いたところ、印刷され た画像は不完全で、多くの欠陥を有していた。実施例6 スチレン−マレイン酸無水物コポリマー9gを秤量し、これを100gの水中の2 .0gの水酸化ナトリウムの溶液に添加することにより、スチレンーマレイン酸無 水物コポリマーのナトリウム塩を製造した。水酸化ナトリウム溶液を滴下するこ とにより、溶液のpHを9.5〜10の範囲に維持した。完全に溶解するまで攪拌を 続けた。 42重量%の黄色顔料74、2.5重量%のジエチレングリコール及び55重量%の 水の水性分散液を含むサンケミカルズのプレミックス350gの水性分散液に、水3 70gを添加することにより、固形分20重量%まで希釈した。その後、上記のスチ レン−無水マレイン酸樹脂のナトリウム塩の溶液を添加し、シルバーソン(Silve rson)高剪断ミキサー内で混合した。得られた混合物をマルバーン(Malvern)粒径 アナライザーで分析したところ、黄色顔料の平均粒子径は220nmであった。 この混合物をマイクロフルイダイザーにかけ、微流動化した後、さらに84gの 水及び約35gのポリエチレングリコールと混合した。この混合物の表面張力は、 33dynes/cmであり、粘度は10cpsであった。その後、配合物をインキジェットプ リンターに用いたところ、許容できる画像を印刷できた。実施例7 実施例6の最終インキ配合物400gを遠心分離にかけ平均粒子径150nm,分布中 の最大粒子径が400nmの分散液をデカントにより得た。その後、得られた混合物 を、ヒューレットパッカード(Hewlett-PacKard)サーマルインキジェットプリン ター500Cで印刷した。いくつかのパターンを印刷したところ、印刷欠陥は全く見 られなかった。印刷された画像は、実施例6に比べて優れていた。実施例8 42重量%の黄色顔料74、2.5重量%のジエチレングリコール及び55.5重量%の 水の水性分散液を含むサンケミカルズのプレミックス43.25重量%に水42.3重量 %、スチレン−無水マレイン酸混合モノイソブチルモノメチルエステルのナトリ ウム塩の10%分散液1.25%、アルミニウムジステアレートの10%溶液6.5%、6.4 重量%のジエチレングリコール、0.3%のポリエチレングリコール200を添加する ことにより、インキ配合物を調製した。この配合物をマイクロフルイダイザーに かけ、その後、遠心分離による分離工程にかけた。インキ配合物の平均粒子径は 154nmであった。このインキ配合物をヒューレットパッカード500Cプリンターで 印刷した。インキ配合物は何の問題もなく印刷された。画像は高濃度の黄色印刷 であった。 その後、インキを二箇月間貯蔵し、ヒューレットパッカード500Cプリンターで 印刷した。画像の品質は変わらなかった。さらに、配合物中の顔料粒子の粒径を 調べたところ、実質的に変わらなかった。実施例9 42重量%の黄色顔料74、2.5重量%のジエチレングリコール及び55.5重量%の 水の水性分散液を含むサンケミカルズのプレミックス32重量%に水62%、スチレ ン−マレイン酸無水物モノイソブチルモノメチルエステルのナトリウム塩の10% 溶液2%及び4重量%のポリエチレングリコール200を添加することにより、イ ンキ配合物を調製した。 この分散液を多段階の微流動化にかけた。その後、得られた分散液をヒューレ ットパッカード500Cプリンターで印刷した。すぐにノズルが詰まり、何とか印刷 は行われたが、画像は濃度が低く、いくつかの欠陥を有していた。実施例10 ジエチレングリコール6部を実施例9で調製した配合物100部に添加した。そ の後、この配合物をヒューレットパッカード500Cプリンターで印刷した。印刷は 、最初は許容できる品質であったが、その後品質は急速に劣化し、濃度が薄い、 かすれ率が高い、文字のミスフォーメーション等に到った。 実施例8〜10は、組成中のジステアリン酸アルミニウムの重要性を示す。イ ンキ配合物中にジステアリン酸アルミニウムがないと、顔料系インキの印刷品質 は極めて低い。しかしながら、ジステアリン酸アルミニウムがインキ配合物中に 含まれていると、極めて優れた画像の印刷が容易に行われる。このことを、さら に下記の実施例に示す。実施例11 マゼンタ顔料を使用すること以外は実施例8に従いインキ配合物を調製した。 その後、このインキ配合物をヒューレットパッカード500Cプリンターで印刷した 。赤色ベタ組みのブロックを数行印刷した後、文字Eからなるターゲット(targe t)を、数行印刷した。印刷は、コーティングされたインキジェット用紙に行った 。 印刷の品質は極めて優れており、ひげもなかった。画像は印刷後殆ど直ぐに触 れる程に乾燥し、インキの紙の裏側への染み込みは見られなかった。 その後、画像に約5分間水道水を流した。それでもひげもマイグレーションも 見られなかった。画像は何ら物理的変化の形跡もなく保たれていた。水を流した 後の印刷画像の拡大写真を図1Aに示す。 従来のヒューレットパッカードインキジェットインキを、ヒューレットパッカ ード500Cプリンターで印刷し、水道水を約5分間流した。図1Bの写真から分か るように、ひげ及びマイグレーションが見られた。実施例12 実施例8により調製したインキ配合物を、ヒューレットパッカード500Cプリン ターを用いて印刷した。画像は、コーティングしたインキジェット用紙に実線で 形成した。図2Aは乾燥後の印刷画像を示す。その後、図2Aに示した画像に水 道水を約5分間流した。図2Bの写真は得られた画像を示す。ひげもマイグレー ションもなく、画像が実質的に固定されたままであるのが明らかである。実施例13 実施例8により調製した黄色インキのシングルドットを、従来の青色インキで 印刷されたシングルドットと比較した。いずれのドットもヒューレットパッカー ド500Cプリンターを用いて印刷した。二つのドットを並べて図3に示す。 図3に示すように、本発明によるインキで印刷されたドットは、寸断されてお らずきわめて密である。これに対して、従来のインキを用いたドットは、寸断さ れており、全く密ではない。 本発明を好ましい実施態様により記載してきたが、当該分野の技術者に明らか であるように変形及び修正を行い得ると理解すべきである。そのような変形及び 修正も、添付した請求の範囲の範囲内であると見做されるべきである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB ,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TT, UA,UG,UZ,VN (72)発明者 ハイメルライト リチャード エス アメリカ合衆国、マサチューセッツ州 01095、ウィルブラハム、ブルックサイド 22 (72)発明者 スチュワート バーバラ ジェー アメリカ合衆国、マサチューセッツ州 01119、スプリングフィールド、ローズマ リー ドライブ 125

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 顔料、水、多価アルコール、高分子電解質及びステアリン酸塩化合物を 含むインキジェットインキ配合物。 2. 前記顔料が着色顔料である請求の範囲第1項記載のインキジェットイン キ配合物。 3. 前記多価アルコールがポリエチレングリコールを含む請求の範囲第1項 記載のインキジェットインキ組成物。 4. 前記多価アルコールがジエチレングリコールを含む請求の範囲第1項記 載のインキジェットインキ組成物。 5. 前記多価アルコールがポリエチレングリコールとジエチレングリコール の混合物を含む請求の範囲第1項記載のインキジェットインキ組成物。 6. 前記ステアリン酸塩化合物がステアリン酸アルミニウムである請求の範 囲第1項記載のインキジェットインキ組成物。 7. 前記高分子電解質が、カルボン酸のナトリウム、リチウムまたはカリウ ム塩である請求の範囲第1項記載のインキジェットインキ組成物。 8. 前記カルボン酸塩が、スチレン/無水マレイン酸コポリマーの塩である 請求の範囲第7項記載のインキジェットインキ組成物。 9. 前記組成物中の前記顔料の量が10〜50重量%の範囲であり、前記多 価アルコールの量が10〜35重量%の範囲であり、前記高分子電解質の量が0 .05〜10重量%の範囲であり、そして前記ステアリン酸塩化合物の量が0. 1〜5重量%の範囲であり、前記組成物の残部が水を含む請求の範囲第1項記載 のインキジェットインキ組成物。 10. 前記顔料の量が約10〜50重量%の範囲であり、前記高分子電解質の 量が約0.1〜3重量%の範囲であり、そしてステアリン酸塩化合物の量が0. 1〜3重量%の範囲である請求の範囲第9項記載のインキジェットインキ組成物 。 11. 前記ステアリン酸塩化合物及び前記高分子電解質が水に分散された後、 水中の前記顔料の分散液に添加されている請求の範囲第1項記載のインキジェッ トインキ組成物。 12. 前記組成物の成分の分散液を、微粉砕と、それに続く分離工程にかける 請求の範囲第1項記載のインキジェットインキ組成物の製造方法。 13. 前記分離工程が遠心分離である請求の範囲第12項記載の方法。 14. 前記微粉砕が、例えば顔料粒子のバイモーダル分散液を形成することで あり、前記分離が該モードの一つを分離することを含む請求の範囲第12項記載 の方法。 15. 前記微粉砕が、マイクロフルイダイザーに前記成分の分散液を通過させ ることを含む請求の範囲第12項記載の方法。 16. 前記微粉砕が、顔料の分散液をメディアミルに通過させることを含む請 求の範囲第12項記載の方法。 17. インキジェットプリンターに請求の範囲第1項のインキジェットインキ 組成物を用いること及びインキを印刷媒体にインキジェットプリンターで付着さ せることを含む印刷方法。 18. 前記インキを付着させる媒体がコーティングされたインキジェット用紙 である請求の範囲第17項記載の方法。 19. 前記インキを付着させる媒体が普通紙である請求の範囲第17項記載の 方法。 20. 前記インキを付着させる媒体が戸外用途に適する紙である請求の範囲第 17項記載の方法。
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