JPH10511991A - モノ−n−アルキル−キナクリドン顔料 - Google Patents
モノ−n−アルキル−キナクリドン顔料Info
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Abstract
(57)【要約】
モノ−N−アルキル−キナクリドン顔料が開示されている。この顔料は高い耐光堅牢性、高い温度安定性および高いマイグレーション耐性を示す。さらに、本顔料は浅色シフト、蛍光ならびに高い光導電性を示す。これらの顔料は、高分子有機材料の着色のため、有機エレクトロルミネセンス素子の発光物質として使用するため、ならびに電子写真の光受容体に使用するのに好適である。
Description
【発明の詳細な説明】モノ−N−アルキル−キナクリドン顔料
本発明は、モノ−N−アルキル−キナクリドン顔料に関する。
キナクリドンは価値ある有機顔料として公知であり、特に高分子有機材料用の
着色材料として有用である(たとえば、S.S.Labena 等,Chem.Rev.67,1(1967
)参照)。
他方、Carmichael等の論文,Phys.Ref.Data,16,239(1987)は、溶液中にお
けるN−メチル−キナクリドンのスペクトル特性を記載している。
しかしながら、Carmichael等はN−メチル−キナクリドン顔料の特性および製
造方法については記載も示唆もしていない。
したがって、N−アルキル−キナクリドン顔料については何も知られていない
。とりわけ、N−アルキル−キナクリドンが次のような驚くべき特性を有してい
ることは全く知られていない。
(1)優秀な顔料特性、たとえば耐光堅牢性、400℃以上の温度安定性および
マイグレーション堅牢性。これらの諸特性は、本顔料を高分子有機材料、たとえ
ば、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミドのごとき天然樹脂または合成樹
脂用の着色材料として使用することを可能ならしめる;
(2)通常のキナクリドンによっては得ることのできない浅色シフト;
(3)通常のキナクリドンによっては得ることのできない、可視光線(490nm
近辺の波長)による照射下において起こる蛍光。これは本顔料を蛍光顔料として
、さらに有機エレクトロルミネセンス素子の発光材料として使用することを可能
にする。
(4)通常のキナクリドンによっては得ることのできない、400乃至600nm
の波長の光による照射下において起こる高い光導電性。この性質は、本顔料を電
子写真および太陽電池のための光受容体として使用することを可能ならしめる。
本発明は、下記一般式で表される上記した特性を有するN−アルキル−キナク
リドン顔料に関する。
[式中、
Zは置換されていないか、またはF、Cl,Br,-OH,-O- C1-C18アルキル
、C3-C7シクロアルキル、フェニルまたはナフチルによって置換されたC1-C1 8
アルキル;R1、R2、R3およびR4は互いに独立的に
(i)H,
(ii)F,Cl またはBr,
(iii)-OH,
(iV) -CN,
(v) -NO2,
(Vi)C1-C18アルキル、フェニル、ナフチル(そのアルキル、フェニルまたは
ナフチルは置換されていないか、またはF、Cl,Br,-OH,-NO2、フェニ
ルまたはナフチルによって置換されている(ここにおいて、そのフェニルまたは
ナフチルは置換されていないか、またはF、Cl,Br,C1-C18アルキルまたは
-O- C1-C18アルキルによって置換されている)、複素環式芳香族性残基、
−OCOR5、−OR6、−COOR5、−N(R6)(R7)または-CON(R6)(R7){
ここにおいて、
R5はC1-C18アルキル、フェニル、ナフチルまたはベンジル(そのアルキル、フ
ェニル、ナフチルまたはベンジルは置換されていないか、またはF、Cl,Br,
C1-C18アルキルまたは−O−C1-C18アルキルによって置換されている)、
R6とR7とは互いに独立的に置換されていないか、または−CNまたは−OHによ
って置換されたC1-C18アルキル;C3-C7シクロアルキル、フェニルまたはナ
フチル(そのシクロアルキル、フェニルまたはナフチルは置換されていないか、
またはF、Cl,Br,C1-C18アルキルまたは−O−C1-C18アルキルによって
置換されている)であるか、またはR6とR7とはN原子と一緒で5員または6員の
複素環を形成する}、
(vii)−OR8{ここにおいて、R8はC1-C18アルキル、フェニル、ナフチルま
たはC3-C7シクロアルキル(そのアルキル、フェニル、ナフチルまたはシクロ
アルキルは置換されていないか、またはF、Cl,Br,C1-C18アルキルまたは
−O−C1-C18アルキルによって置換されている)またはベンジル}、
(viii)−SR8、
(ix)−N(R6)(R7)、
(x)−COOR5、
(xi)−N(R9)COR5{ここにおいて、R9はC1-C18アルキル、フェニル、ナフ
チルまたはC3-C7シクロアルキル(そのアルキル、フェニル、ナフチルまたは
シクロアルキルは置換されていないか、またはF、Cl,Br,C1-C18アルキル
または−O−C1-C18アルキルによって置換されている)、ベンジルまたは残基
−COR5であるか、または
R9はN原子と一緒で複素環を形成する}、
(xii)−N(R8)COOR5、
(xiii)−NR8CON(R6)(R7)、
(xiv)−SO2R5または−SOR5、
(xv)−SO2OR5、
(xvi)−CON(R6)(R7)、
(xvii)−SO2N(R6)(R7)、
(xviii)−N=N−R10{ここにおいて、R10はカップリング成分の残基、また
は置換されていないか、またはF、Cl,Br,C1-C18アルキルまたは−O−C1
-C18アルキルによって置換されたフェニルである}、または
(xix)−OCOR5、
なお、置換基(ix)乃至(xiv)において、R5、R6およびR7は(vi)において定義した
通りであり、そしてR8は(vii)において定義した通りである]。
ただし、R1、R2、R3およびR4がHであり、かつZがメチルである化合物は除外す
る。
さらに、本発明は式Iの顔料および/または下記式
によって表される顔料の製造方法ならびに式Iの顔料および/または下記式
によって表される顔料の使用にも関する。
上記の定義において、アルキルは直鎖状または分枝状でありうる。アルキルの
例はメチル、エチル、およびプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル
、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデ
シル、オクタデシルの異性体である。好ましくはアルキルはC1-C12アルキル、
より好ましくはC1-C8-アルキルであり、そして最も好ましくはC1-C4アルキ
ルである。最も好ましいアルキルの例はメチル、エチル、n−プロピル、イソプ
ロピル、n−ブチル、イソブチルおよびt−ブチルである。
シクロアルキルは好ましくはC5-C7シクロアルキル、特にシクロペンチルお
よびシクロヘキシルである。
R1、R2、R3またはR4としてのアルキル、フェニルまたはナフチルの置換基のた
めの複素環式芳香族性残基の例は2−チエニル、2−ベンゾオキサゾリル、2−
ベンゾチアゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、6−ベンゾイミダゾロニル、2−
、3−または4−ピリジル残基または2−、4−または6−キノリル残基である
。
R6およびR7がN原子と一緒に形成しうる5員または6員の複素環の例はモルホ
リン環、ピペリジン環またはフタルイミド環である。
R1、R2、R3またはR4としての置換されていないか、または置換されたアルキル
、フェニルまたはナフチル基の例はメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピ
ル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、t−アミル、n−ペンチル、n−ヘ
キシル、1、1、3、3−テトラメチルブチル、n−ヘプチル、n−オクチル、
ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、ヒドロキシメチル、トリフルオロメチ
ル、トリフルオロエチル、シアノメチル、メトキシカルボニルメチル、アセトキ
シメチル、ベンジル、フェニル、o−,m−またはp−メチルフェニル、o−,
m−
またはp−クロロフェニルおよびナフチルである。
R1、R2、R3またはR4としての−OR8の中において、R8の例はメチル、エチル、
n−プロピル、イソプロピル、トリフルオロメチル、フェニル、o−,m−また
はp−クロロフェニル、o−,m−またはp−メチルフェニル、α−またはβ−
ナフチル、シクロヘキシルまたはベンジルである。
R1、R2、R3またはR4としての−SR8の中において、R8の例はメチル、エチル、
n−プロピル、イソプロピル、フェニル、o−,m−またはp−クロロフェニル
、o−,m−またはp−エチルフェニル、α−またはβ−ナフチル、シクロヘキ
シルまたはベンジルである。
R1、R2、R3またはR4としての−N(R6)(R7)の例はジメチルアミノ、ジエチルア
ミノ、N、N−ビス−(β−ヒドロキシエチル)アミノ、N、N−ビス−(β−
シアノエチル)アミノ、N−メチルフェニルアミノおよびジベンジルアミノであ
る。
R1、R2、R3またはR4としての−COOR5の中において、R5の例はメチル、エチ
ル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、フェ
ニルまたはベンジルである。
R1、R2、R3またはR4としての−N(R9)COR5の例はN−メチルアセチルアミノ
、N−メチルプロピオニルアミノ、N−エチルブチリルアミノ、N−メチルベン
ゾイルアミノ、N−スクシンイミドおよびN−フタルイミドである。
R1、R2、R3またはR4としての−N(R8)COOR5の例は−N(CH3)COOC
H3、−N(CH3)COOC2H5および−N(C2H5)COOC6H5である。
R1、R2、R3またはR4としての−N(R8)CON(R6)(R7)の例は−N
(CH3)CON(CH3)2、−N(CH3)CON(C2H5)2、−N(CH3)CO
N(CH3)(C6H5)および−N(C6H5)CON(CH3)2である。
R1、R2、R3またはR4としての−SO2R5または−SOR5の例はメチルスルホニ
ル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、2−ナフチルスルホニルおよびフ
ェニルスルホキシジルである。
R1、R2、R3またはR4としての−SO2OR5の中において、R5の例はメチル、エ
チル、フェニル、o−,m−またはp−クロロフェニル、o−,m−またはp−
メチルフェニル、α−またはβ−ナフチルである。
R1、R2、R3またはR4としての−CON(R6)(R7)の例はN、N−ジメチルカルバ
モイル、N−メチル−N−エチルカルバモイル、N−メチル−N−フェニルカル
バモイル、N−エチル−N−α−ナフチルカルバモイルおよびN−ピペリジルカ
ルバモイルである。
R1、R2、R3またはR4としての−SO2N(R6)(R7)の例はN、N−ジメチルスル
ファモイル、N−メチル−N−エチルスルファモイル、N−メチル−N−フェニ
ルスルファモイルおよびN−モルホリルスルファモイルである。
R1、R2、R3またはR4としての−N=N−R10の中において、R10の例はピラゾリ
ル、ピリドニル、o−,m−またはp−ヒドロキシフェニル、o−ヒドロキシナ
フチルまたはp−N,N−ジメチルアミノフェニルである。
R1、R2、R3またはR4としての−OCOR5の中において、R5の例はメチル、エチ
ル、フェニル、o−,m−またはp−クロロフェニルである。
好ましい顔料は、式中のZがC1-C12アルキルであり、そしてR1、R2、R3およ
びR4が互いに独立的にH、F、Cl,−CN,トリフルオロメチル、C1-C12ア
ルキル、C1-C12アルコキシ、C1-C12アルキルメルカプト、C2-C12アルコキ
シカルボニル、C2-C24ジアルキルアミノ、フェニル、フェノキシ、フェニルメ
ルカプトまたはフェノキシカルボニルである、ただしR1、R2、R3およびR4がHで
あり、かつZがメチルである場合を除外する、式(I)の顔料である。
より好ましい顔料は、式中のZがC1-C8アルキルであり、そしてR1、R2、R3
およびR4が互いに独立的にH、F、Cl,−CN,トリフルオロメチル、C1-C8
アルキル、C1-C8アルコキシ、C1-C8アルキルメルカプト、C2-C16ジアルキ
ルアミノまたはフェニルである、ただしR1、R2、R3およびR4がHであり、かつZ
がメチルである場合を除外する、式(I)の顔料である。
最も好ましい顔料は、ZがC1-C4アルキルであり、そしてR1、R2およびR4が
Hであり、そしてR3がH、Cl またはC1-C4アルキルである、ただしR1、R2、R3
およびR4がHであり、かつZがメチルである場合を除外する、式(I)の顔料
である。
式(I)のN−アルキル−キナクリドン顔料または下記式
によって表される顔料は、たとえば下記式II
(式中、R1、R2、R3およびR4は前記の意味を有する)のキナクリドンを有機溶剤
中において塩基を使用してN−脱プロトン化反応にかけ、そして次にアルキル化
剤を使用してそのキナクリドンをアルキル化することによって製造することがで
きる。
式(II)によって表わされる化合物は公知化合物である。もし新規化合物であ
る場合には、それら新規化合物は一般に公知である方法に準じて製造することが
できる。
上記の方法において使用される溶剤としては、極性有機溶剤が好ましい。かか
る好ましい溶剤の例には、次のものがある。。エーテルたとえばテトラヒドロフ
ランまたはジオキサン、またはグリコールエーテルたとえばエチレングリコール
メチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、アセトニトリル、ベンゾ
ニトリル、N、N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ニ
トロベンゼン、N−メチルピロリドン、ハロゲン化脂肪族または芳香族炭化水素
たとえばトリクロロエタン、ベンゼン、あるいはアルキル、アルコキシまたはハ
ロゲンによって置換されたベンゼンたとえばトルエン、キシレン、アニソール、
クロロベンゼン、あるいは芳香族性N−複素環式化合物たとえばピリジン、ピコ
リンまたはキノリン。これら溶剤は混合物としても使用できる。
特に好ましい溶剤の例はテトラヒドロフラン、N、N−ジメチルホルムアミド
、ジオキサン、ジメチルスルホキシド、N、N−ジメチルアセトアミドまたはN
−メチルピロリドンである。
本方法のN−脱プロトン化工程において使用するために適当な塩基の例には、
以下のものがある。リチウム、ナトリウム、カリウムのごときアルカリ金属それ
自体、およびそれらの水酸化物および炭酸塩、あるいはアルカリ金属のアミドた
とえばリチウムアミド、ナトリウムアミドまたはカリウムアミド、あるいはアル
カリ金属水素化物たとえば水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム
、
あるいはまたアルカリ土類金属またはアルカリ金属のアルコラート、特に1乃至
10個の炭素原子を有する第一、第二または第三脂肪族アルコールから誘導され
たもの、たとえばリチウム、ナトリウムまたはカリウムのメチラート、エチラー
ト、n−プロピラート、イソプロピラート、n−ブチラート、sec−ブチラー
ト、tert−ブチラート、2−メチル−2−ブチラート、2−メチル−2−ペ
ンチラート、3−メチル−3−ペンチラート、3−エチル−3−ペンチラート、
さらには有機脂肪族、芳香族または複素環式窒素塩基、特に、たとえばジアザビ
シクロオクタン、ジアザビシクロウンデセン、トリアルキルアミンたとえばトリ
メチルアミンまたはトリエチルアミン、ピリジンおよび置換されたピリジンたと
えば4−ジメチルアミノピリジン。これら塩基の混合物を使用することもできる
。
特に好ましい無機塩基、たとえばリチウム、ナトリウム、カリウムのごときア
ルカリ金属それ自体、それらの水酸化物および炭酸塩、そして特に無水アルカリ
金属水素化物たとえば水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウムであ
る。
N−脱プロトン化反応は、式(II)の化合物および塩基を有機溶剤に加え、そ
して生じた懸濁物を撹拌することによって簡単に実施される。
式(II)の化合物と塩基とは、1:0.01乃至100、好ましくは1:0.
1乃至10、より好ましくは1:0.5乃至5、最も好ましくは1:0.5乃至
2のモル比で加えられる。
上記の成分は、有機溶剤へ、式(II)の化合物の濃度が0.0001乃至10
モル/リットル、好ましくは0.001乃至1モル/リットル、より好ましくは
0.01乃至0.5モル/リットル、最も好ましくは0.02乃至0.1モル/
リットルとなるように加えられる。
脱プロトン化反応は−10乃至100℃、好ましくは0乃至50℃、最も好ま
しくは10乃至40℃の温度において実施される。
反応時間は1乃至72時間、好ましくは1乃至48時間、最も好ましくは1乃
至24時間である。
好ましくは、反応は不活性ガス雰囲気下、たとえばN2、He またはAr 雰囲
気下において実施される。
N−脱プロトン化工程後の懸濁物が固体内容物を含有している場合には、好ま
しくは上記したような不活性雰囲気下において、濾過によってその固体内容物を
除去するのが有利である。
アルキル化工程は、N−脱プロトン化中間生成物を適当なメチル化剤と反応さ
せることによって実施される。これは上記反応混合物またはN−脱プロトン化中
間生成物を含む濾液にアルキル化剤を添加することによって簡単に実行される。
アルキル化工程のために使用できるアルキル化剤の例は以下のものである:
下記式のハロゲン化物
ZX (III)、
下記式のスルホン酸エステル
A−SO2-OZ (IV)、
下記式のジアルキルカーボネート
Z−O−CO−O−Z (V)、
下記式のジアルキル硫酸エステル
Z−O−SO2−O−Z (VI)、
下記式のオキソニウム塩
下記式のアルキル過塩素酸塩
ZCl O4 (VIII)、
下記式のアルキルハロゲンスルホナート
X−SO2−OZ (IX)
上記式中、
Zは前記の意味を有し、
XはF、Cl,Br またはIであり、
AはH、C1-C4アルキルまたはフェニル(そのアルキルまたはフェニルは置換
されていないか、またはF、Cl,Br またはC1-C4アルキルによって置換され
ている)であり、
BはH、Z、C5-C7シクロアルキルまたはフェニル(そのシクロアルキルまた
はフェニルは置換されていないか、またはF、Cl,Br またはC1-C4アルキル
によって置換されている)である、ただし少なくとも1つのBはZであり、
または有機スルホン酸またはカルボン酸の陰イオンである。
式(II)乃至(IX)の化合物は公知化合物である。新規化合物であった場合
には、それらは一般に公知である方法に準じて製造することができる。
好ましいアルキル剤は式III のアルキルハロゲン化物、特にアルキルヨウ化物
および式VI のジアルキルスルフェートである。
上記アルキル化剤は、式IIの化合物1モル当り、0.01乃至100モルの量
で、より好ましくは0.5乃至5モル、最も好ましくは0.5乃至2モルの量で
使用される。
この工程は、好ましくは前記に例示したような不活性雰囲気下において実施さ
れる。反応温度は0乃至5℃が好ましく、特に10乃至40℃が好ましい。通常
、このアルキル化は迅速に完了する。
沈殿として得られる生成物は、一般にN−アルキル−キナクリドンとN、N’
−ジアルキル−キナクリドンとの混合物であるから、純粋なN−アルキル−キナ
クリドンが所望される場合には、前者を後者から分離することが一般に必要であ
る。
この分離は、たとえばN−アルキル−キナクリドンとN、N’−ジアルキル−
キナクリドンとを含有する混合物を有機溶剤中において塩基と反応させ、そのあ
と残存する固体内容物を濾過除去し、そして濾液を酸と反応させることによって
達成することができる。
この分離工程に先立ち、N−アルキル−キナクリドンとN、N’−ジアルキル
−キナクリドンとを含有する混合物を濾過して反応混合物から分離し、上記に例
示したごとき溶剤または水で洗い、そして乾燥するのが好ましい。乾燥は空気乾
燥でよい。
この分離工程のために適当な有機溶剤としては前記に例示したもの、特に好ま
しいものとして例示した溶剤が有利に使用できる。
この工程において使用される塩基は前記に例示したと同じものであり、特に好
ましいものとして例示した塩基である。
N−アルキル−キナクリドンとN、N’−ジアルキル−キナクリドンとを含有
する混合物と塩基との反応は、その混合物を有機溶剤中に懸濁し、ついで塩基を
添加し、そしてこの反応系を撹拌することによって簡単に実施される。
この工程のための反応条件は、前記したN−脱プロトン化反応のための反応条
件(好ましい条件を含む)と同じである。この反応終了後には、N−アルキル−
キナクリドンは溶解された陰イオンとして反応系の中に存在し、他方N、N’−
ジアルキル−キナクリドンは溶剤不溶解性結晶として存在する。
濾過は、好ましくは前記に例示したような不活性雰囲気下において実施される
。この濾過工程において、N、N’−ジアルキル−キナクリドンは反応系から除
かれる。
上記の工程において得られた濾液との反応に使用するのに好ましい酸は無機酸
、有機酸および水である。
無機酸の例は、HF、HCl,HBr,HI,HCN,HNO3,HNO2、H2
SO4、H2SO3,H2CO3,H3PO4,HClO4およびNH4Cl である。
有機酸の例は、脂肪族スルホン酸たとえばメタンスルホン酸、脂肪族カルボン
酸たとえばギ酸、酢酸、プロピオン酸、置換脂肪族カルボン酸たとえばトリフル
オロ酢酸、脂肪族ジカルボン酸たとえばシュウ酸、マロン酸、クエン酸、環式脂
肪族スルホン酸またはカルボン酸たとえばシクロヘキサンカルボン酸およびショ
ウノウ−10−スルホン酸、芳香族スルホン酸たとえばベンゼンスルホン酸、ト
ルエンスルホン酸およびエチルベンゼンスルホン酸、複素環式芳香族性スルホン
酸たとえばピリジンスルホン酸、芳香族カルボン酸たとえば安息香酸、芳香族ジ
カルボン酸たとえばフタル酸、複素環式芳香族性カルボン酸たとえばピリジンカ
ルボン酸、さらには芳香脂肪族カルボン酸たとえばベンジルカルボン酸およびシ
ンナミン酸である。
濾液との反応のためには、水を含む任意の酸を使用することができる。
酸と濾瀘との反応は、濾液に酸を加えることによって簡単に実施することがで
きる。
酸は、式IIの化合物1モル当り0.01乃至100モルの量で、好ましくは
0.1乃至10モル、より好ましくは0.5乃至5モル、最も好ましくは0.5
乃至2モルの量で使用される。
この反応は、好ましくは前記に例示したような不活性雰囲気下において、−1
0℃から100℃の温度で、好ましくは0乃至50℃、最も好ましくは10乃至
40℃の温度において実施される。
反応は通常1時間以内に完了する。
この反応の完了後、N−アルキル−キナクリドンはきわめて高純度の沈殿物と
して得られる。
このようにして分離された生成物を、次に前記に例示した溶剤(好ましいもの
として例示したものを含む)または水で洗い、そして空気中において乾燥して、
本発明のN−アルキル−キナクリドンが得られる。
式Iによって表される顔料および下記式
の顔料は、次のような驚くべき特性を示す。
(1)優秀な顔料特性、たとえば耐光堅牢性、400℃以上の温度安定性および
マイグレーション堅牢性。
(2)通常のキナクリドンによっては得ることのできない浅色シフト;
(3)通常のキナクリドンによっては得ることのできない可視光線(490nm近
辺の波長)による照射下において起こる蛍光。
(4)通常のキナクリドンによっては得ることのできない、400乃至600nm
の波長の光による照射下において起こる高い光導電性。
これらの優れた特性の故に、式Iによって表される顔料および下記式
の顔料は、高分子有機材料を新規な色相に着色するための着色剤(重合体可溶性
染料または通常の意味における顔料)として有利に使用することができる。また
、その浅色シフトおよび蛍光の故に、有機エレクトロルミネセンス素子の発光材
料として使用することができ、上記の蛍光特性の故に、またはその高い光導電性
の故に電子写真光受容体または太陽電池の光導電体として使用することができる
。
式Iの顔料および下記式
の顔料が重合体可溶性染料として使用される場合、被染色重合体の例はポリスチ
レン、ポリアミド、ABSおよび特に線状ポリエステルである。線状ポリエステ
ルの例は、特にテレフタル酸またはそのエーテルと式HO−(CH2)n−OH(式
中、nは2乃至10の数である)のグリコールまたは1、4−ジ−(ヒドロキシ
メチル)−シクロヘキサンとの重縮合によって得られたもの、あるいはヒドロキ
シ安息香酸たとえばp−(β−ヒドロキシエトキシ)安息香酸のグリコールエー
テルの重縮合によって得られたものである。なお、線状ポリエステルという言葉
はテレフタル酸の一部を他のジカルボン酸で置換しておよび/またはグリコール
の一部を他のジオールで置換して得られる共重合ポリエステルをも包含す
る。
しかし、ポリエチレンテレフタレートが特に興味あるものである。
被染色ポリエステルを、粉末、チップまたは顆粒の形状で本顔料と緊密に混合
するのが好ましい。この混合は、たとえばポリエステル粒子を微粉砕乾燥粉末で
コーティングすることによって、あるいはポリエステル粒子を有機溶剤中におい
て顔料の溶液または分散物で処理し、そのあと溶剤を除去することによって実施
することができる。
被染色材料は、浴染色法によって染色することもできる。
色を調節するために、複数の本発明の顔料の混合物または1種またはそれ以上
の本発明の顔料と分散染料との混合物を使用することもできる。
顔料は直接溶融されたポリエステに添加することもできるし、ポリエチレンテ
レフタレートの重縮合の前または間に添加することもできる。
ポリエステルに対する顔料の比率は、所望される色の濃度によって広い範囲で
選択できる。一般的には、ポリエステリ100部当り顔料0.01乃至3部を使
用するのが適当である。
このようにして処理されたポリエステル粒子は、公知方法によって押出機内で
溶融して物品、特にフィルムまたは繊維にプレス、またはシートにキャストする
ことができる。
本発明の顔料が、通常の意味の顔料として高分子有機材料の着色のために使用
される場合には、顔料を微分散形態にするのが有利である。これは各種の方法で
実施することができる。たとえば、下記の方法が採用できる:
(a)好ましくは無機塩または有機塩のごとき摩砕助剤の存在下、そして有機溶
剤を添加して、または添加しないで、摩砕または混練りする。摩砕後、常用方法
で助剤を除去する。たとえば、可溶性無機塩は水を使用して除去し、非水溶性有
機溶剤は、たとえば蒸気蒸留によって除去する;
(b)硫酸、メタンスルホン酸、トリクロロ酢酸またはポリリン酸から再沈殿さ
せる。
上記(a)または(b)により処理した顔料を、好ましくは100℃以上の沸
点を有する有機溶剤で後処理するのが有利でありうる。
特に適当なことが判明している溶剤は、ハロゲン原子またはアルキル基または
ニトロ基によって置換されたベンゼンたとえばキシレン、クロロベンゼン、o−
ジクロロベンゼンまたはニトロベンゼン、ピリジン塩基たとえばピリジン、ピコ
リンまたはキノリン、シクロヘキサノンのごときケトン、エーテルたとえばエチ
レングリコールモノメチルまたはモノエチルエーテル、アミドたとえばジメチル
ホルムアミドまたはN−メチルピロリドン、およびジメチルスルホキシド、スル
ホランまたは水そのものであり、必要な場合には加圧する。後処理は有機溶剤の
存在下および/または界面活性物質の添加を伴って水中で実施することもでき、
あるいはまた脂肪族アミンまたは液体アンモニアを使用して実施することもでき
る。
意図される用途によっては、本顔料をトナーとして、あるいは製剤の形で使用
するのが有利である。
高分子有機材料は、天然起源のものまたは合成材料でありうる。たとえば天然
樹脂または乾性油、ゴムまたはカゼインあるいは変性天然物質たとえば塩化ゴム
、油変性アルキド樹脂またはビスコース、セルロースエーテルおよびエステルた
とえば酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、アセト酪酸セルロースまたは
ニトロセルロース、あるいは特に人工合成有機ポリマー(熱硬化性または熱可塑
性)
たとえば重合、重縮合または重付加によって得られるポリマーなどである。重合
樹脂は、特にオレフィン重合体たとえばポリエチレン、ポリプロピレンまたはポ
リイソブチレン、さらには置換ポリオレフィンたとえば塩化ビニル、酢酸ビニル
、スチレン、アクリロニトリル、アクリレートおよび/またはメタクリレートま
たはブタジエンのポリマーおよび上記したモノマーの共重合体、特に、ABSま
たはEVAである。
重付加および重縮合樹脂は、ホルムアルデヒドとフェノールとの縮合生成物い
わゆるフェノプラスト、ホルムアルデヒドと尿素、チオ尿素およびメラミンとの
縮合生成物いわゆるアミノプラスト、表面コーティング樹脂として使用されるポ
リエステル、特に飽和したもの、たとえばアルキド樹脂、ならびに不飽和のもの
、たとえばマレイン酸樹脂、およびさらに線状ポリエステルとポリアミドまたは
シリコーンである。
上記した高分子化合物は単独または混合物の形で、あるいは可塑性組成物また
は溶融物の形態であることができ、溶融物は所望により紡糸して繊維に加工しう
る。
また、高分子化合物は、それらのモノマーの形あるいは重合されて溶解された
膜系形成剤としての形態でありうる。あるいはまた、ワニスまたは印刷インキの
ためのバインダー、たとえばアマニ油ワニス、ニトロセルロース、アルキド樹脂
、メラミン樹脂および尿素/ホルムアルデヒド樹脂あるいはアクリル樹脂の形態
でありうる。
高分子有機材料は、本発明の顔料を使用して、下記のようにして着色される。
たとえば顔料を、所望の場合にはマスターバッチの形で、ロールミル、ミキサー
または摩砕装置を使用して、基質材料と混合することによって実施される。次に
、
着色された材料を、それ自体公知の方法、たとえばカレンダー加工、プレス、押
出し、ブラッシング、キャスティングまたは射出成形によって所望の最終形状に
される。多くの場合、非剛性成形品を製造するため、あるいは成形品の脆弱性を
低減するために、成形前に、いわゆる可塑剤を高分子有機材料に配合するのが望
ましい。適当な可塑剤の例はリン酸エステル、フタル酸エステルまたはセバシン
酸エステルである。本発明の方法において、可塑剤は、本顔料をポリマーに配合
する前または後に添加することができる。さらに、各種の色を得る目的で、本発
明の顔料のほかに、付加的にフィラーまたは他の着色成分たとえば白色顔料、彩
色顔料または黒色顔料を、任意の量で、高分子有機材料に添加することもできる
。
塗料および印刷インキを着色するためには、高分子有機材料と本発明の顔料と
を、所望の場合はフィラー、他の顔料、乾燥剤、可塑剤などの任意添加物と共に
、共通の有機溶剤または溶剤混合物の中に微分散するかあるいは溶解する。この
操作は、まず各成分を、それ自体、個々に分散または溶解するか、あるいはいく
つかの成分を一緒に分散または溶解し、しかるのちにすべての成分を一緒に集め
るようにしてもよい。
本顔料を、たとえばプラスチック、繊維、ワニスまたはプリントに配合して得
られる着色物はオレンジから赤までの色を呈し、そしてきわめて良好な色濃度、
高い彩度、良好な分散性、上塗り、マイグレーション、熱、光および天候に対す
る優れた堅牢性ならびに高い光沢の特徴を示す。
式Iの顔料または下記式
の顔料が蛍光顔料として、エレクトロルミネセンス素子の発光材料として、ある
いは電子写真光受容体または太陽電池の光導電体として使用される場合には、顔
料を使用前にさらに精製するのが好ましい。精製は、昇華法によって有利に実施
することができる。昇華法の技術の詳細は、たとえばJ.Mizuguchi,Krist.Tec
h.16,695-700(1981)に記載されている。この方法においては、本発明の顔料の
昇華点よりもわずかに低い高温を長い凝縮域全体にわたって一定に保つことが重
要である。
式Iの顔料または下記式
の顔料を使用したエレクトロルミネセンス素子は、たとえば次のような方法で製
造することができる。すなわち、ITO(インジウム−スズ−酸化物)ガラスの
上に、たとえばポリビニルカルバゾールのごとき公知の有機ホール輸送化合物を
真空蒸着するか、または有機化合物とバインダーたとえばポリカーボネートとを
含有する溶液をスピンコーティングすることによって、厚さ100乃至2000
Åのホール輸送層を形成する。次に、このホール輸送層の上に、たとえば顔料を
真空蒸着するか、または顔料と上記のごときバインダーとを含有する溶液をスピ
ンコーティングすることによって、本発明の顔料を含有する厚さ100乃至20
00Åの発光層を形成する。最後に、その発光層の上に、低イオン化ポテンシャ
ルを有する金属たとえばマグネシウムまたはインジウムまたはその合金を真空蒸
着することによって、電極をつくる。ITOをアノード、そして金属電極を
カソードとするこのエレクトロルミネセンス素子を横切って直流を流すことによ
って、約610nm波長の最大発光を有するエレクトロルミネセンスが得られる
。
電子写真光受容体は、電荷発生層(光導電体層)と電荷輸送層(たとえばヒド
ラゾンとポリマーとの固溶体)とからなる。この2つの層を1つの金属基板の上
に形成する。光受容体は、潜像を形成するために、コロナ放電によって正または
負に全体的に荷電される。このあと、ホトコピーされるべき原稿に従って、光照
射によって表面電荷が中和され、これによって潜像が形成される。このようにし
て得られた潜像が、トナーによって現像(可視化)され、紙シート上に転写され
、そのあと熱定着される。
式Iの顔料または下記式
の顔料を使用する電子写真光受容体は、たとえば次のような方法で製造すること
ができる。すなわち、金属基板の上に、たとえば顔料を真空蒸着するか、または
顔料とバインダーたとえばポリカーボネートとを含有する溶液をスピンコーティ
ングすることによって、厚さ1000乃至2000Åの光導電層を形成する。次
に、この光導電層の上に、たとえば4−ジメチルアミノベンズアルデヒド−1、
1−ジフェニルヒドラゾンのごとき公知のホール輸送化合物と上記のごときバイ
ンダーとを含有する溶液をスピンコーティングするか、またはディップコーティ
ングすることによって、厚さ5乃至20μmのホール輸送層を形成する。このよ
うにして製造された受光体は、−800Vの電荷アクセプタンスおよび10
ルックス秒のアクセプタンスを示す。
式Iの顔料または下記式
の顔料を使用する太陽電池は、たとえばITOガラスの上に顔料を真空蒸着し、
次に、この顔料層の上に、低イオン化ポテンシャルを有する金属たとえばマグネ
シウムまたはインジウムまたはその合金を使用して電極を形成することによって
製造することができる。電極は、真空蒸着によって形成するのが好ましい。この
ようにして製造された太陽電池を太陽光に露出すると、顔料層とITOとの間、
または顔料層と金属電極との間の界面を横断して荷電分離が起こり、これによっ
て光起電力が発生する。実施例 実施例1(N−メチルキナクリドンの合成)
ジメチルアセトアミドの800ml中のキナクリドンの10g(32ミリモル)
の懸濁物に水素化ナトリウムの1.54gを添加し、この混合物を、不活性雰囲
気中において一晩撹拌する。得られた濃青色溶液、これは固体赤色部分をも含ん
でいる、を不活性雰囲気中において濾過し、そして濾液をヨウ化メチルの9mlと
反応させる。これによって生成したオレンジ色の沈殿を濾過し、ジメチルアセト
アミドと水とで洗い、続いて自然乾燥する。得られた物質(重量7.2g)はN
、N’−ジメチル−キナクリドンとモノ−N−メチル−キナクリドンとを含有す
る混合物である。これをジメチルアセトアミドの600ml中に懸濁し、そして水
素化ナトリウムの1.54gと反応させる。この懸濁物を不活性雰囲気中におい
て
一晩撹拌する。生じた濃青色混合物を不活性雰囲気中において濾過して不溶性オ
レンジ色のN、N’−ジメチル−キナクリドンを単離する。濾液を、0.2規定
の塩酸水溶液200mlと反応させる。生じた赤色沈殿をジメチルアセトアミド、
水、アセトンで洗い、続いて自然乾燥する。純粋なN−メチル−キナクリドン(
下記式Aによって示される赤色粉末)の収率(3.2g)は31%である。この
顔料の純度は、元素分析と質量スペクトルとによって測定された。厚さ800Å
の真空蒸着層の吸収極大は540nm近辺に観察された。他方、同じ厚さのキナ
クリドン真空蒸着層の吸収極大は560nm近辺である。
実施例2(N−メチル−2、9−ジメチル−キナクリドンの合成)
ジメチルアセトアミドの30ml中の2、9−ジメチルキナクリドン0.5g(
1.47ミリモル)の懸濁物に水素化ナトリウムの0.071gを添加し、この
混合物を不活性雰囲気中において一晩撹拌する。得られた濃青色溶液を不活性雰
囲気中において濾過し、そして濾液をヨウ化メチルの0.417gと反応させる
。これによって生成したローズレッド色沈殿を濾離し、ジメチルアセトアミドと
水とで洗って自然乾燥する。この物質(重量0.17g)をジメチルアセトアミ
ドの20ml中に懸濁し、そして水素化ナトリウムの0.73gを添加し、そして
この懸濁物を不活性雰囲気中において一晩撹拌する。生じた濃青色混合物を不活
性雰囲気中において濾過し、そして濾液を0.2規定の塩酸水溶液で酸性化する
。これによって生じた赤色沈殿をジメチルアセトアミド、水、アセトンで洗い、
続いて自然乾燥する。純粋なN−メチル−2、9−ジメチル−キナクリドン(下
記式Bで示されるローズ色粉末)の収率(0.04g)は8%である。この顔料
の純度は、元素分析と質量スペクトルとによって測定された。
実施例3(N−メチル−2、9−ジクロロ−キナクリドンの合成)
ジメチルアセトアミドの30ml中の2、9−ジクロロキナクリドンの0.5g
(1.3ミリモル)の懸濁物に水素化ナトリウムの0.063gを添加し、この
混合物を不活性雰囲気中において一晩撹拌する。得られた濃青色溶液を不活性雰
囲気中において濾過し、そして濾液をヨウ化メチルの0.4gと反応させる。得
られたオレンジレッド色沈殿を不活性雰囲気中において濾離し、ジメチルアセト
アミドと水とで洗い、続いて自然乾燥する。この物質(重量0.1g)をジメチ
ルアセトアミドの20ml中に懸濁し,水素化ナトリウムの0.063gを添加し
、そしてこの懸濁物を一晩撹拌する。生じた濃青色混合物を不活性雰囲気中にお
いて濾過し、そして濾液を0.2規定の塩酸水溶液で酸性化する。これによって
生じた赤色沈殿をジメチルアセトアミド、水、アセトンで洗い、続いて自然乾燥
する。純粋なN−メチル−2、9−ジクロロ−キナクリドン(下記式Cで示され
るボルドー褐色粉末)の収率(0.05g)は10%である。この顔料の純度は
元素分析と質量スペクトルとによって測定された。
上記により製造されたN−メチルキナクリドンの特性
(1)N−メチルキナクリドンの分解温度は400℃以上である。
(2)N−メチル−キナクリドン、N−メチル−2、9−ジメチル−キナクリド
ンまたはN−メチル−2、9−ジクロロ−キナクリドンの0.2%を配合して製
造されたPVC箔は、それぞれ非常に高い光安定性を示した。
(3)N−メチルキナクリドンは、PVCの中において優れたマイグレーション
堅牢性を示す。実施例4(電子写真光受容体)
下記式
で表される顔料を、電荷発生材料として、アルミニウム基板上に約1500Åの
厚さに、高真空下において、真空蒸着する。この電荷発生層の上に、ポリカーボ
ネートと4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1、1−ジフェニルヒドラゾン
(1:1重量比)とからなる固溶体を、スパイラルロールを使用して、15μm
の厚さに塗布する。このあと、その電荷輸送層を、60℃において、1時間乾燥
する。この光受容体の電子写真特性を、Kawaguchi Denki(Modell SP-428)の
"Paper Analyser)を使用して評価した。チャージ・アクセプタンスは−800V
、可視領域における光感度E1/2は10ルクス秒であると測定された(E1/2は、
表面電位を初期値の半分に減少させるのに必要なエネルギーの逆数を意味する)
。
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(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
G03G 5/06 330 G03G 5/06 330
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG),
AM,AU,BB,BG,BR,BY,CA,CN,C
Z,EE,FI,GE,HU,IS,JP,KG,KP
,KR,KZ,LK,LR,LT,LV,MD,MG,
MK,MN,MX,NO,NZ,PL,RO,RU,S
G,SI,SK,TJ,TM,TT,UA,US,UZ
,VN
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. 下記式によって表されるN−アルキル−キナクリドン顔料 [式中、 Zは置換されていないか、またはF、Cl,Br,-OH,-O- C1-C18アルキル 、C3-C7シクロアルキル、フェニルまたはナフチルによって置換されたC1-C1 8 アルキル;R1、R2、R3およびR4は互いに独立的に (i)H, (ii)F,Cl またはBr, (iii)-OH, (iV) -CN, (v) -NO2, (vi)C1-C18アルキル、フェニル、ナフチル(そのアルキル、フェニルまたは ナフチルは置換されていないか、またはF、Cl,Br,-OH,-NO2、フェニ ルまたはナフチルによって置換されている(ここにおいて、そのフェニルまたは ナフチルは置換されていないか、またはF、Cl,Br,C1-C18アルキルまたは -O- C1-C18アルキルによって置換されている)、複素環式芳香族性残基、− OCOR5、−OR6、−COOR5、−N(R6)(R7)または−CON(R6)(R7){こ こにおいて、 R5はC1-C18アルキル、フェニル、ナフチルまたはベンジル(そのアルキル、フ ェニル、ナフチルまたはベンジルは置換されていないか、またはF、Cl、Br、 C1-C18アルキルまたは−O−C1-C18アルキルによって置換されている)、 R6とR7とは互いに独立的に置換されていないか、または−CNまたは−OHによ って置換されたC1-C18アルキル;C3-C7シクロアルキル、フェニルまたはナ フチル(そのシクロアルキル、フェニルまたはナフチルは置換されていないか、 またはF、Cl、Br、C1-C18アルキルまたは−O−C1-C18アルキルによって 置換されている)を意味するか、またはR6とR7とはN原子と一緒で5員または6 員の複素環を形成する}、 (vii)−OR8{ここにおいて、R8はC1-C18アルキル、フェニル、ナフチルま たはC3-C7シクロアルキル(そのアルキル、フェニル、ナフチルまたはシクロ アルキルは置換されていないか、またはF、Cl,Br,C1-C18アルキルまたは −O−C1-C18アルキルによって置換されている)またはベンジル}; (viii)−SR8、 (ix)−N(R6)(R7)、 (x)−COOR5、 (xi)−N(R9)COR5{ここにおいて、R9はC1-C18アルキル、フェニル、ナフ チルまたはC3-C7シクロアルキル(そのアルキル、フェニル、ナフチルまたは シクロアルキルは置換されていないか、またはF、Cl,Br,C1-C18アルキル または−O−C1-C18アルキルによって置換されている)、ベンジルまたは残基 −COR5であるか、または R9はN原子と一緒で複素環を形成する}、 (xii)−N(R8)COOR5、 (xiii)−NR8CON(R6)(R7)、 (xiv)−SO2R5または−SOR5、 (xv)−SO2OR5、 (xvi)−CON(R6)(R7)、 (xvii)−SO2N(R6)(R7)、 (xviii)−N=N−R10 {ここにおいて、R10はカップリング成分の残基、または置換されていないか、 またはF、Cl,Br,C1-C18アルキルまたは−O−C1-C18アルキルによって 置換されたフェニルである}; (xix)−OCOR5; なお、置換基(ix)乃至(xiv)において、R5、R6およびR7は(vi)において定義した 通りであり、そしてR8は(vii)において定義した通りである],ただし、R1、R2 、R3およびR4がHであり、かつZがメチルである化合物は除外する。 2. 式(I)において、ZがC1-C12アルキルであり、そしてR1、R2、R3およ びR4が互いに独立的にH、F、Cl,−CN,トリフルオロメチル、C1-C12ア ルキル、C1-C12アルコキシ、C1-C12アルキルメルカプト、C2-C12アルコキ シカルボニル、C2-C24ジアルキルアミノ、フェニル、フェノキシ、フェニルメ ルカプトまたはフェノキシカルボニルである、ただしR1、R2、R3およびR4がHで あり、かつZがメチルである化合物は除外する、請求項1記載の顔料。 3. 式(I)中において、ZがC1-C8アルキルであり、そしてR1、R2、R3お よびR4が互いに独立的にH、F、Cl,−CN,トリフルオロメチル、C1-C8ア ルキル、C1-C8アルコキシ、C1-C8アルキルメルカプト、C2-C16ジアルキル アミノ、またはフェニルである、ただしR1、R2、R3およびR4がHであり、か つZがメチルである化合物は除外する、請求項1記載の顔料。 4. 式(I)中において、ZがC1-C4アルキルであり、そしてR1、R2およびR4 がHであり、そしてR3がH、Cl またはC1-C4アルキルである、ただしR1、R2 、R3およびR4がHであり、かつZがメチルである化合物は除外する、請求項1記 載の顔料。 5. 請求項1記載の顔料、または下記式 によって表される顔料の製造方法において、下記式II (式中、R1、R2、R3、R4は請求項1に記載した意味を有する)のキナクリドンを 有機溶剤中において塩基を使用してN−脱プロトン化反応にかけ、そして次にア ルキル化剤を使用してアルキル化反応にかけることを特徴とする方法。 6. 有機溶剤がテトラヒドロフラン、N、N−ジメチルホルムアミド、ジオキ サン、ジメチルスルホキシド、N、N−ジメチルアセトアミドまたはN−メチル ピロリドン、あるいはこれらのうちの少なくとも2つの混合物である請求項5記 載の方法。 7. 塩基がアルカリ金属、アルカリ金属水酸化物および炭酸塩、および特に無 水アルカリ金属水素化物からなる群より選択された少なくとも1種の塩基である 請求項5記載の方法。 8. アルキル化剤が下記のものからなる群より選択された少なくとも1種のア ルキル化剤である請求項5記載の方法 下記式のハロゲン化物 ZX (III)、 下記式のスルホン酸エステル A−SO2-OZ (IV)、 下記式のジアルキルカーボネート Z−O−CO−O−Z (V)、 下記式のジアルキル硫酸エステル Z−O−SO2−O−Z (VI)、 下記式のオキソニウム塩 下記式のアルキル過塩素酸塩 ZCl O4 (VIII)、 下記式のアルキルハロゲンスルホナート X−SO2−OZ (IX) [上記式中、 Zは置換されていないか、またはF、Cl,Br,-OH,-O- C1-C18アルキル 、C3-C7シクロアルキル、フェニルまたはナフチルによって置換されたC1-C1 8 アルキル、XはF、Cl,Br またはI、 AはH、C1-C4アルキルまたはフェニル(そのアルキルまたはフェニルは置換 されていないか、またはF、Cl,Br またはC1-C4アルキルによって置換さ れている)、 BはH、Z、C5-C7シクロアルキルまたはフェニル(そのシクロアルキルまた はフェニルは置換されていないか、またはF、Cl,Br またはC1-C4アルキル によって置換されている)である、ただし少なくとも1つのBはZであり、 または有機スルホン酸またはカルボン酸の陰イオンである]。 9. アルキル化剤が、式(III)のハロゲン化物および式(VI)のジアルキル硫 酸エステルからなる群より選択された少なくとも1種のアルキル化剤である請求 項8記載の方法。 10.請求項1記載の顔料または下記式 によって表される顔料を、当該顔料とそれに対応するN、N’−ジアルキル−キ ナクリドンとの混合物から分離する方法において、その混合物を、有機溶剤中に おいて、塩基と反応させ、反応後に残った固体成分を濾過除去し、そして次に濾 液を酸と反応させることを特徴とする方法。 11.塩基がアルカリ金属、アルカリ金属水酸化物および炭酸塩、および特に無 水アルカリ金属水素化物からなる群より選択された少なくとも1種の塩基である 請求項10記載の方法。 12.有機溶剤がテトラヒドロフラン、N、N−ジメチルホルムアミド、ジオキ サン、ジメチルスルホキシド、N、N−ジメチルアセトアミドまたはN−メチル ピロリドン、あるいはこれらのうちの少なくとも2つの混合物である請求項10 記載の方法。 13.請求項1記載の顔料または下記式 によって表される顔料および有機ポリマー材料、特に線状ポリエステルを含有す る組成物。 14.請求項1記載の顔料または下記式 によって表される顔料を、高分子有機材料の着色剤として使用する方法。 15.請求項1記載の顔料または下記式 によって表される顔料を、有機エレクトロルミネセンス素子として使用する方法 。 16.請求項1記載の顔料または下記式 によって表される顔料を、電子写真光受容体または太陽電池の光導電体として使 用する方法。
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