JPH1058202A - 真球加工装置を備えた数値制御工作機械およびこの数値制御工作機械における真球加工方法 - Google Patents

真球加工装置を備えた数値制御工作機械およびこの数値制御工作機械における真球加工方法

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JPH1058202A
JPH1058202A JP21242896A JP21242896A JPH1058202A JP H1058202 A JPH1058202 A JP H1058202A JP 21242896 A JP21242896 A JP 21242896A JP 21242896 A JP21242896 A JP 21242896A JP H1058202 A JPH1058202 A JP H1058202A
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spherical
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JP21242896A
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Zenji Wake
善治 和家
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Hitachi Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 仕上精度が高く低廉なコストで真球加工を行
うことができ、かつ不良も生じにくく、自動運転による
加工を可能にする真球加工装置を提供する。 【解決手段】 ベッド40と、主軸を回転自在に支持す
る主軸台41と、主軸台41に対して主軸軸線方向およ
び主軸軸線方向に直交する方向に相対的に移動して位置
決めが可能な刃物台47と、この刃物台に取り付けら
れ、穴の内周面を球面状に荒加工する工具Tと、ベッド
上の刃物台と干渉しない位置に設けられ、主軸台に対し
て主軸軸線方向に相対的に移動して位置決めが可能な基
台2と、主軸軸線に直交する軸4aを中心に回転する回
転体4と、回転体に巻回されたワイヤを駆動するワイヤ
駆動手段と、回転体に取り付けられ回転体の回転により
穴の内周面を真球状に仕上げ加工する刃具16とからな
る真球加工ユニット1と、刃物台、基台の移動、位置決
めを行う駆動モータを数値制御するとともに、主軸を駆
動する主軸モータ、ワイヤ駆動手段を制御する制御装置
とから構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被加工物に形成さ
れた穴内周面を真球状に加工する真球加工装置を備えた
数値制御工作機械(NC工作機械)および真球加工方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】被加工物に形成された穴の内周面を真球
状に加工する真球加工装置として、実開昭50−437
8号公報で開示されたミシン用コネクチングロッドの球
面部加工装置や実開平4−45602号公報で開示され
た球面加工機が知られている。この球面部加工装置や球
面加工機は、予めコネクチングロッド等の被加工物(以
下、ワークと記載)に形成した穴内に球面加工用の刃具
を挿入し、ワークを回転させながら前記刃具をワークの
回転方向と直交する方向に回転させて真球仕上げ加工を
行うものである。
【0003】ところで、上記した従来の真球加工におい
ては、ワークに形成された穴の内周面に球面状の加工を
行う荒加工工程と、穴内周面の真球仕上げを行う真球仕
上げ工程とは別々の装置で行われていた。すなわち、荒
加工用の工作機械でワークに形成された穴内周面に球面
状の荒加工を行った後、ワークを真球加工装置の面板に
取り付け、前記穴内周面の真球仕上げ加工を行ってい
た。上記した球面部加工装置や球面加工機は、穴内周面
に形状,面粗さ等の精度の高い真球状の球面を形成でき
る点で優れているが、球面状の荒加工と真球仕上げ加工
とを別々の装置で行っていることから以下のような問題
が生じた。
【0004】 穴内周面の荒加工を行う工作機械と、
真球仕上げ加工を行う別体の真球加工装置とが必要にな
り、荒加工から真球仕上げ加工を連続して行うことがで
きず非能率であるとともに、真球加工のための設備コス
トが高価なものになる。 工作機械と真球加工装置との間のワークの授受は人
手により行われており、荒加工から真球仕上げ加工まで
を自動化することが困難である。 ワークを球面部加工装置の面板に取り付ける際に
は、ワークに形成した荒加工された球面部の中心と面板
の回転中心とを正確に一致させなければならないが、穴
の中心と面板の回転中心とを完全に一致させることは極
めて困難で、作業負担が大きいばかりでなく、芯ずれに
よる加工不良も生じやすい。また、芯ずれが許容範囲内
であったとしても、当該芯ずれを考慮して荒加工の際に
仕上げ代を十分にとっておかなければならず、真球加工
の加工時間が長くなる。 さらに、上記した従来の球面部加工装置は手動操作
用の専用機であり、加工の自動化ができるようにはなっ
ていなかった。さらに、この球面部加工装置は、ワイヤ
切れを検出することができず、加工の自動化を図った場
合にはワイヤ切れを知らずに真球仕上げ加工を行って不
良品を生産してしまうおそれがあるという問題がある。 一方、NC工作機械でも真球形状に加工することは
できるが、円弧補間するときのX軸,Z軸の移動がパル
ス分配指令であることにより真球面に凹凸が形成され、
完全な真球形状に加工することは困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
に鑑みてなされたもので、上記した従来の真球加工装置
の欠点を解消するもので、形状,面粗さ等の加工精度が
高く低廉なコストで真球加工を行うことができ、かつ荒
加工から真球仕上げ加工までの自動運転による加工を可
能にする真球加工装置を備えた数値制御工作機械および
数値制御工作機械における真球加工方法を提供するもの
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の真球加工装置を備えた数値制御工作機械は、
ワークに形成された穴の内周面を真球状に加工する真球
加工装置を備えた数値制御工作機械であって、ベッド
と、このベッドに設けられ、主軸を回転自在に支持する
主軸台と、前記ベッドに設けられ、前記主軸台に対して
主軸軸線方向および前記主軸軸線方向に直交する方向に
相対的に移動して位置決めが可能な刃物台と、この刃物
台に取り付けられ、前記穴の内周面を球面状に荒加工す
る工具と、前記ベッド上の前記刃物台と干渉しない位置
に設けられ、前記主軸台に対して前記主軸軸線方向に相
対的に移動して位置決めが可能な基台と、この基台に設
けられ、前記主軸軸線に直交する軸を中心に回転する回
転体と、この回転体に巻回されたワイヤを駆動するワイ
ヤ駆動手段と、前記回転体に取り付けられ回転体の回転
により前記穴の内周面を真球状に仕上げ加工する刃具と
からなる真球加工装置と、前記刃物台、前記基台の移
動、位置決めを行う駆動モータを数値制御するととも
に、前記主軸を駆動する主軸モータ、前記ワイヤ駆動手
段を制御する制御装置とからなることを特徴とする。
【0007】また、前記ワイヤ駆動手段は、一端が前記
基台の固定部に係留され、前記回転体を巻回して他端に
重錘が吊り下げられたワイヤと、このワイヤの一部に負
荷を付与し、前記重錘の重量に抗して前記ワイヤを進退
移動させるとともに、前記ワイヤの移動長さに応じて前
記回転体を所定角度回転させるワイヤの進退移動手段と
から構成してもよい。さらに、前記ワイヤの進退移動手
段は、前記基台に設けられた流体圧シリンダと、この流
体圧シリンダの進退移動自在なピストンロッドに設けら
れ、前記ワイヤと係合して前記ピストンロッドの進退移
動とともに前記ワイヤに負荷を付与するワイヤ係合部と
から構成してもよく、前記ワイヤの進退移動手段には、
前記ピストンロッドとともに進退移動する進退移動部材
と、この進退移動部材に設けられ、前記基台の固定部に
当接することにより前記ピストンロッドの進退移動を規
制するストッパと、このストッパを前記進退移動部材に
沿った任意の位置に位置決めして固定する固定手段とか
ら構成してもよい。また、前記基台には、前記ワイヤが
切れたことを検出するワイヤ切れ検出手段を設けてもよ
く、前記ワイヤ切れ検出手段は、前記基台の固定部に設
けられ、ワイヤ切れによる前記重錘の移動を検出するセ
ンサとしてもよい。
【0008】また、本発明の真球加工方法は、ワークに
形成された穴の内周面を真球状に加工するために、前記
主軸に対して主軸軸線方向およびこの主軸軸線方向と直
交する方向に相対移動可能な刃物台と、前記主軸軸線方
向に相対移動可能な真球加工装置を有する数値制御工作
機械における真球加工方法であって、前記数値制御工作
機械の主軸に設けられたワークの取付手段に前記ワーク
を取り付ける工程と、前記真球加工装置を退避させた状
態で前記主軸を回転させ、前記刃物台を数値制御して移
動させ、前記刃物台に取り付けられた工具で前記ワーク
の穴内周面を球面状に荒加工する工程と、前記刃物台を
退避させた状態で、真球加工装置を前記主軸側に移動さ
せて真球仕上げ加工用の刃具を前記穴内の所定の位置に
位置させる工程と、前記主軸の回転によりワークを回転
させるとともに前記刃具を前記主軸の軸線に直交する軸
を中心に所定角度回転させて前記穴内周面の真球仕上げ
加工を行う工程とからなることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態を
図面に従って説明する。図1は本発明の真球加工装置を
備えた数値制御工作機械の全体構成を説明する図、図2
は真球加工装置の構成を説明する断面側面図、図3は真
球加工装置の一部を破断した平面図、図4は真球仕上げ
加工用の刃具の回転角度を調整する回転角度調整機構の
一部破断の説明図である。なお、以下の説明において
「一側」というときには図面の左側を、「他側」という
ときには図面の右側を指すものとする。
【0010】[数値制御工作機械の全体構成の説明]ま
ず、本発明の真球加工装置を備えた数値制御工作機械の
全体構成を図1に従って説明する。この実施形態におい
て真球加工装置を備えた数値制御工作機械は数値制御旋
盤であり、ベッド40と、このベッド40の一側に設け
られた主軸台41と、この主軸台41に回転自在に支持
された主軸42と、主軸42の先端に取り付けられたワ
ークWの取付手段であるチャック43と、ベッド40の
他側に設けられ主軸台41に対して主軸軸線と平行なZ
軸軸線方向に相対移動自在であるとともに位置決めが可
能なコラム48と、このコラム48の垂直ガイド48a
に沿ってZ軸軸線に直交するX軸軸線方向に移動自在な
刃物台47と、この刃物台47に回転自在に設けられ、
回転して円周上に装着された複数個の工具T,T・・の
うち所定の工具Tを加工位置に割り出すことのできるタ
レット面板44と、ベッド40の他側に設けられ主軸台
41に対してZ軸軸線方向に相対移動自在であるととも
に位置決めが可能な真球加工装置1とからなっている。
なお、ワークWを主軸42に取り付けることができるも
のであれば、取付手段はチャック43に限らず他のもの
であってもよい。また、数値制御工作機械も数値制御旋
盤に限らず、ターニングセンタ等旋削加工が行える工作
機械であればよい。
【0011】タレット面板44には、チャック43に取
り付けられたワークWの旋削加工,穴明け加工等を行う
旋削工具(バイト,ボーリングバー等)やエンドミル等
の工具Tが装着されている。また、ワークWの穴内周面
を球面状に荒加工するための内径工具Tも装着されてい
る。そして、コラム48のZ軸方向の移動および刃物台
47のX軸方向の移動と主軸42の回転とで、工具Tが
ワークWに所定の加工を行う。なお、上記の説明で真球
加工装置を備えた数値制御工作機械は、Z軸方向に移動
自在なコラム48にX軸方向に移動する刃物台47を有
するものとして説明したが、刃物台47をX軸方向およ
びZ軸方向に相対的に進退移動させて任意位置で位置決
めさせることができるものであれば、上記構成のものに
限られない。真球加工装置1は、ベッド40上に設けら
れた水平ガイド46に沿ってサーボモータ(駆動モー
タ),ボールねじ機構によってZ軸線方向に進退移動自
在であるとともに、任意位置で位置決めが可能である。
この真球加工装置1には、Z軸軸線に直交する軸を中心
に回転自在な刃具(図1には表れない)が設けられてい
る。そして、前記刃具をワークWの前記穴に挿入して位
置決めし、ワークWを回転させながら前記軸を中心に回
転させることにより前記穴内周面の真球仕上げ加工を行
う。
【0012】[真球加工装置の説明]次に、真球加工装
置1の詳細を、図2ないし図4に従って説明する。水平
ガイド46(図1参照)には、サーボモータ,ボールね
じ機構等により進退移動自在に真球加工装置1の基台2
が取り付けられ、この基台2の上部には、ボルト17,
17・・によりベース10が取り付けられている。この
実施形態においてベース10は、一側に取り付けられた
軸11が基台2の一側に設けられた軸受12により回転
自在に支持されていて、ボルト17の頭部とボルト穴1
7aの穴内周面との隙間分だけ、軸11を中心に図2の
紙面に直交する平面内で回動することができるようにな
っている。
【0013】[刃具ホルダ3の構成]ベース10の一側
には、真球仕上げ加工用の刃具16を回転自在に保持す
る刃具ホルダ3が、取付部材3aを介してボルトで取り
付けられている。刃具ホルダ3は、前記ボルトを取り外
すことにより取付部材3aとともにベース10に着脱自
在で、かつ、位置決め部材10aを介して、ベース10
の所定位置に位置決めして取り付けられる。刃具ホルダ
3の一端には、Z軸軸線と直交する方向に軸4aが設け
られ、この軸4aに回転自在な回転体4が支持されてい
る。この実施形態において軸4aの回転中心は主軸42
の主軸軸線上に位置し、前記主軸軸線上に曲率中心を有
する真球面の仕上げ加工を行うことができるようになっ
ている。また、回転体4の外周部には、全周にわたって
ワイヤ溝が形成されているとともに、真球仕上げ加工を
行う刃具16が径方向に突出して形成されている。刃具
ホルダ3は、中央にワイヤ5が挿通するワイヤ案内溝1
4が形成されている。ワイヤ案内溝14の一側には、二
つのガイドローラ13a,13bが対向して配置され、
回転体4に巻回されたワイヤ5をワイヤ案内溝14まで
案内している。
【0014】[ワイヤの説明]回転体4の回転は、回転
体4の前記ワイヤ溝に巻回されたワイヤ5の進退移動に
よって行われる。すなわち、ワイヤ5が進退移動する
と、このワイヤ5が巻回された回転体4がワイヤ5の進
退移動量に応じた回転角度だけ回転するわけである。ワ
イヤ5の一端にはフック8が取り付けられている。基台
2の底部(固定部)にはブラケット7が固着され、この
ブラケット7から突出するピン7aにフック8が引っ掛
けられている。ワイヤ5は、ベース10に形成された一
方の開口部10aからベース10の上面まで延出し、ベ
ース10の上面に設けられたガイドプーリ9a,9b,
9cにより刃具ホルダ3の案内溝14まで案内され、回
転体4の外周部に形成されたガイド溝に沿って巻回され
た後、案内溝14を通ってガイドプーリ9dに案内され
ながらベース10の他方の開口部10bから基台2の内
部まで導かれている。ワイヤ5の他端には重錘6が吊り
下げられていて、ワイヤ5はこの重錘6により常時一定
の張力が負荷されている。なお、図2において符号2
a,2bは、基台2内でワイヤ5に吊り下げられた重錘
6が揺動しないように、重錘6を両側から規制する揺動
防止部材である。
【0015】[ワイヤ切れ検出手段の説明]この実施形
態において真球加工装置1には、ワイヤ5のワイヤ切れ
を検出するワイヤ切れ検出手段が設けられている。ワイ
ヤ切れ検出手段は、ワイヤの切断を検出することができ
るものであればワイヤ5に常時接触子が接触するリミッ
トスイッチや、ワイヤ5の張力の変化を検出するテンシ
ョンメータ等であってもよい。この実施形態では、ワイ
ヤ切れにより重錘6が落下したか否かを検出するセンサ
(近接スイッチ)30を基台2の底部に設けている。ワ
イヤ5が切れて重錘6が基台2の底部に落下すると、セ
ンサ30が重錘6を検出して図示しない数値制御装置
(以下、NC装置と記載する)とプログラマブルコント
ローラ(PLC)とからなる制御装置に信号を出力す
る。これにより、制御装置はワイヤ5が切れたと判断し
て真球仕上げ加工を中止させる。
【0016】[ワイヤの進退移動手段の説明]次に、ワ
イヤ5を進退移動させて回転体4を所定角度回転させる
ワイヤの進退移動手段について説明する。ワイヤ5の途
中部位に負荷を付与することによりワイヤ5を重錘6の
重量に抗して進退移動させることができるものであれ
ば、ワイヤの進退移動手段はプーリとモータの組み合わ
せによるもの、シリンダのピストンロッドの先端にワイ
ヤ5の一端を接続して、前記ピストンロッドの進退移動
によりワイヤ5を引っ張るもの等のいずれであってもよ
い。この実施形態では、基台2の内部に形成された固定
部である取付部19に流体圧シリンダ20(以下、シリ
ンダ20と記載)が取り付けられていて、このシリンダ
20に設けられたワイヤ5と交叉する方向に進退移動自
在なピストンロッド21が、ワイヤ5の一部を横方向か
ら押すことによりワイヤ5に負荷を付与することができ
るようになっている。
【0017】すなわち、シリンダ20の一側には伸縮自
在な第1ピストンロッド21が設けられ、この第1ピス
トンロッド21の先端には、ワイヤ5の一端側と係合し
第1ピストンロッド21の一側への移動とともにワイヤ
5を横方向から押してワイヤ5に引張力を付与するワイ
ヤ係合部22が設けられている。このワイヤ係合部22
は、ワイヤ5との摩擦によるワイヤ切れを防止するため
に、第1ピストンロッド21の先端に回転自在に取り付
けるか、滑らかな表面をもった材質のもので形成するこ
とが望ましい。また、シリンダ20には、基台2に内部
に設けられた流量調整弁18を介してエアや作動油等の
作動用圧力流体が供給されるようになっていて、流量調
整弁18からの前記作動用圧力流体の流量を調整するこ
とにより、ピストンロッドの進退移動速度を調整できる
ようになっている。ワイヤ係合部22がワイヤ5を横方
向から押すことによりワイヤ5には引張力が作用する
が、ワイヤ5の一端は基台2に取り付けられたブラケッ
ト7に係留されているので、ワイヤ係合部22とワイヤ
5とが係合する係合部よりも他端側のワイヤ5が重錘6
を持ち上げながら移動することになる。回転体4にはワ
イヤ5が滑りなく巻回されているので、このワイヤ5の
移動によりワイヤ5の移動長さに相当する回転角度分だ
けワイヤ5の移動方向と同方向に回転する。
【0018】[刃具の回転角度調整機構の説明]真球仕
上げ加工の加工時間をできるだけ短縮するために、刃具
16の回転角度は穴内周面Waを真球仕上げ加工できる
のに必要かつ十分な範囲で最小とすることが望ましい。
そのため、刃具16の回転角度を調整することができれ
ば、ワークWや刃具16の種類,寸法が変わっても、常
に最小の加工時間で真球仕上げ加工を行うことができて
便利である。この実施形態において真球加工装置1に
は、第1ピストンロッド21の進退移動量を調整するこ
とにより、ワイヤ5の移動長さ長短変更して刃具16の
回転角度を変更できる回転角度調整機構24が設けられ
ている。図4に示すように、シリンダ20の他側には第
1ピストンロッド21と一体になって進退移動する第2
ピストンロッド23が設けられ、取付部19に形成され
た貫通穴19aを挿通して他側に延出している。第2ピ
ストンロッド23の他端にはねじ軸28が形成され、こ
のねじ軸28には、貫通穴の内周面が雌ねじ部26bと
して形成された円筒状のストッパ26が螺入されてい
る。
【0019】このストッパ26には、外周部から雌ねじ
部26bに向けて貫通形成されたねじ穴26aが形成さ
れ、このねじ穴26aに螺入された固定手段である止め
ねじ29によってねじ軸28の任意の位置で固定できる
ようになっている。固定手段としては、上記止めねじ2
9に限らず、ストッパピンやダブルナットによるもので
あってもよい。また、回転角度調整機構24の構成は上
記のものに限定されるものでなく、ねじ軸28を軸体と
し、ストッパ26を前記軸体に挿通させて位置決め自在
とし、止めねじまたはダブルナット等の固定手段で前記
軸体の任意の位置でストッパ26を固定できるようにし
てもよい。なお、図において符号27はストッパ26が
取付部19に当接する位置まで移動したことを検出する
センサ(近接スイッチ)で、このセンサ27がストッパ
26を検出して検出信号をNC装置またはPLCに出力
することにより、NC装置は刃具16が所定位置まで回
転したと判断する。
【0020】シリンダ20が駆動して第1ピストンロッ
ド21が一側へ移動すると、この第1ピストンロッド2
1の移動に連動して第2ピストンロッド23およびスト
ッパ26が一側へ移動する。ストッパ26が取付部19
の他側面に当接すると、第2ピストンロッド23および
第1ピストンロッド21の移動が規制されるので、スト
ッパ26の位置を調整することによりワイヤ5の進退移
動長さ、すなわち、刃具16の回転角度を調整すること
ができる。この実施形態に示すように、第2ピストンロ
ッド23の進退移動方向と平行に目盛り25を設け、ス
トッパ26に形成された肩部26cを目盛り25に合わ
せることにより、ワークWや刃具16の種類に応じてス
トッパ26をどれだけ移動させればよいかが判断しやす
くなる。また、もっと微小量の設定を行う場合には、ス
トッパ26の外周部に円周方向に沿って目盛りを刻設
し、ストッパ26をねじ調整するようにしてもよい。
【0021】[ベース10の回転位置決め手段の説明]
ベース10の他側には、軸11を中心にベース10を微
小角度回転させることのできるベース回転位置決め手段
32が設けられている。ワークWの交換等により穴内径
が僅かに変化したような場合や、その他真球面の曲率半
径を僅かに変更するような場合には、ベース回転位置決
め手段32によりベース10を微小角度回転させて刃具
16の先端位置を変化させ、対応することができるよう
になっている。以下、この実施形態におけるベース回転
位置決め手段32の構成を説明する。図3に示すよう
に、ベース10の他側に穴10cが形成され、基台2の
他側に取り付けられた軸33がこの穴10cを挿通して
ベース10の上方に突出している。ベース10には穴1
0cと同心状の貫通穴を有する円筒状のブラケット34
が取り付けられ、ベース10の回転方向両側からブラケ
ット34のねじ穴34a,34bに螺入された調節ねじ
36a,36bの先端がそれぞれ軸33に当接してい
る。また、ベース10上面のブラケット34の近傍には
支持台37が取り付けられ、この支持台37にダイヤル
ゲージ35が固定されている。そして、少なくとも調整
時には、ダイヤルゲージ35の接触子35aは、軸11
の中心を中心とし軸11の中心と軸33の中心を結ぶ直
線を半径とする円周上で、軸33にダイヤルゲージ35
の測定範囲内に入るように接触している。
【0022】上記態様により、例えば調節ねじ36a,
36bの一方(例えば調節ねじ36a)を僅かに緩めて
他方(例えば調節ねじ36b)を締め付けると、ベース
10は一側の軸11を中心に微小角度反時計回り方向に
回転する。この回転によるベース10の回転量は、ダイ
ヤルゲージ35の指針の触れにより知ることができる。
また、軸11の中心から刃具16までの距離を1とし、
軸11の中心から軸33の中心までの距離をこのN倍に
とると、ダイヤルゲージ35の読みを前記Nで除するこ
とにより刃具16の移動量を容易に知ることができる。
【0023】[作用および方法の発明の説明]次に、上
記構成の本発明の真球加工装置を備えた数値制御工作機
械の作用を、本発明の真球加工方法とともに説明する。 [ワークを主軸に取り付ける工程]まず、ワークWを主
軸42のチャック43に取り付ける。ワークWに素材形
成時などの前工程で予め穴が形成されているような場合
には、前記穴の中心を主軸42の回転中心に一致させて
チャック43に取り付ける。
【0024】[穴内周面を球面状に荒加工する工程]次
に、真球加工装置1を刃物台47と干渉しない位置まで
退避させた状態で主軸42を回転させる。図示しないN
C装置は、タレット面板44を回転させて、ワークWの
加工が可能な加工位置に穴内周面を球面状に荒加工する
工具Tを割り出す。そして、コラム48および刃物台4
7をZ軸軸線方向およびX軸軸線方向に移動させながら
工具Tで穴内周面の荒加工を行う。この場合、工具Tに
よる荒加工を行った後、主軸42にワークWを取り付け
たままで真球加工装置1の刃具16による真球仕上げ加
工を行うことができるので、工具Tによる荒加工の際の
仕上げ代を極めて小さくすることができるという特徴が
ある。
【0025】[真球仕上げ加工用の刃具を穴内に挿入す
る工程]工具Tによる穴内周面の荒加工が終わったら、
次に真球加工装置1による穴内周面の真球仕上げ加工を
行う。図5は、真球仕上げ加工の加工工程を説明する断
面図である。コラム48および刃物台47をZ軸軸線方
向およびX軸軸線方向に移動させてワークWから退避さ
せるとともに、真球加工装置1を水平ガイド46(図1
参照)に沿ってZ軸軸線方向に移動させて、刃具16を
ワークWの穴に挿入する。真球加工装置1は、穴の中心
まで軸4aが挿入されたときに移動が停止され、当該位
置で位置決めされる。なお、このとき刃具16は、ワー
クWと干渉しない位置(図5において符号Aで示す位
置)まで回転した状態で待機している。
【0026】[真球仕上げ加工を行う工程]ワークWを
主軸42とともに回転させた状態で、刃具16を図5に
おける符号Aで示す位置から時計回り方向に回転させ
て、穴内周面Waの真球仕上げ加工を行う。シリンダ2
0を駆動させて第1ピストンロッド21を一側に移動さ
せ、ワイヤ係合部22でワイヤ5を横方向から押すと、
ワイヤ5が「く」の字状に変形して重錘6を持ち上げな
がら一端側へ移動し、回転体4とともに刃具16を図5
において反時計回り方向に回転させる。回転体4の回転
速度は、流量調整弁18から供給される作動用圧力流体
の時間当たりの流量を調整することにより調節すること
ができる。刃具16がワークWの穴から脱出した位置
(図5において符号Bで示す位置)まで来ると、第2ピ
ストンロッド23に設けられたストッパ26が取付部1
9の他側に当接することにより、第1ピストンロッド2
1および第2ピストンロッド23の一側への移動が規制
され、刃具16の回転動作が停止する。
【0027】刃具16が位置Bまで回転したことは、セ
ンサ27が取付部19の他側に当接する位置まで移動し
たストッパ26を検出することにより検出することがで
きる。このようにして穴内周面Waの真球仕上げ加工が
終了したら、真球加工装置1を水平ガイド46に沿って
他側へ移動させてワークWから退避させる。この後、シ
リンダ20を駆動させて第1ピストンロッド21を他側
に移動させると、ワイヤ係合部22とワイヤ5との係合
が解除され、ワイヤ5は重錘6によって元の直線状態に
戻る。この動作により、刃具16も位置Aに戻る。第1
ピストンロッド21が他側移動端に戻ったことは、シリ
ンダ20に取り付けたセンサ(図示せず)で検出され、
一連の動作を終了する。このシリンダ20の駆動は、補
助機能(Mコード)等で指令することができ、センサの
検出信号をこの指令の完了信号とすることにより、NC
プログラムで指令することができる。また、図示しない
操作盤よりMDI,押しボタンスイッチ等による駆動も
可能である。なお、主軸42を回転させる駆動体として
回転速度制御の可能な主軸モータ等を使用し、NC装置
が主軸42の回転速度を制御することにより、刃具16
が穴内周面Waを真球仕上げ加工する際の切削速度を常
に一定にして(周速一定加工)、より精度の高い真球仕
上げ加工を行うことも可能である。
【0028】真球仕上げ加工の途中においてワイヤ5が
切れると、重錘6が基台2の底部に落下する。この重錘
6の落下はセンサ30により検出されるので、NC装置
はワイヤ切れと判断してただちに真球仕上げ加工を停止
させる。ワイヤ5が切れても、ワイヤ5はフック8をピ
ン7aから取り外すだけで簡単に取り外すことができ、
交換も容易である。
【0029】本発明の好適な実施形態について説明して
きたが、本発明は上記の実施形態により何ら限定される
ものではない。例えば、上記の実施形態では第1ピスト
ンロッド21を一側に移動させ、ワイヤ5の一部を押す
ことによりワイヤ5に引張力を付与するものとして説明
したが、第1ピストンロッド21を他側へ移動させたと
きにワイヤ係合部22でワイヤ5の一部を引っ張り、ワ
イヤ5に引張力を付与するようにしてもよい。
【0030】
【発明の効果】本発明は上記のように構成されているの
で、以下のような効果を奏する。 穴明け加工や穴内周面の荒加工を行う工作機械に、
真球仕上げ加工を行う真球加工装置を一体に設けたの
で、今まで別体であった二つの装置を一体にすることが
でき、真球加工のための設備コストを低廉にすることが
できる。] 穴内周を球面状に荒加工する工作機械にワークを取
り付けるだけで、荒加工から真球仕上げ加工までを自動
的に行うことができるようになる。 ワークを付け替える必要がないので荒加工の際の穴
中心と真球仕上げ加工の際の穴中心は常に一致した状態
にあり、ワークの穴中心を主軸の回転中心に一致させる
手間が不要になるうえ、真球度,表面粗さ,加工直径等
の精度の極めて高い真球加工面を得ることができる。ま
た、荒加工の際の仕上げ代も最小でよいので真球加工の
ための時間を短縮することができる。 ワイヤ切れ検出手段を設けたものは、ワイヤ切れを
検出して自動的に真球仕上げ加工を停止させるので、不
良品を大量に生産してしまうということがなくなり、生
産効率が向上する。 刃具の回転角度調整機構を設けたものは、ワークの
種類や穴寸法の変化等に応じて刃具の回転角度を調整で
き、必要最小範囲で刃具を回転させて真球仕上げ加工を
終了させるので、真球加工時間を短縮することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の真球加工装置を備えた数値制御工作機
械の全体構成を説明する図である。
【図2】真球加工装置の構成を説明する断面側面図であ
る。
【図3】真球加工装置の一部を破断した平面図である。
【図4】真球仕上げ加工用の刃具の回転角度を調整する
回転角度調整機構の一部破断の説明図である。
【図5】真球仕上げ加工の加工工程を説明する断面図で
ある。
【符号の説明】
W ワーク Wa 穴内周面 T 工具 1 真球加工装置 2 基台 3 刃具ホルダ 3a 取付部材 4 回転体 4a 軸 5 ワイヤ 6 重錘 7 ブラケット 8 フック 9a〜9d ガイドプーリ 10 ベース 10a,10b 開口部 10c 穴 11 軸 12 軸受 13a,13b ガイドローラ 14 案内溝 15 取付ボルト 16 刃具 17 ボルト 18 流量調整弁 19 取付部 20 シリンダ 21,23 ピストンロッド 22 ワイヤ係合部 24 回転角度調整機構 25 目盛り 26 ストッパ 26a ねじ穴 26b 雌ねじ部 26c 肩部 27 センサ 28 ねじ軸 29 ねじ(固定手段) 30 センサ(ワイヤ切れ検出用) 32 ベース回転位置決め手段 33 軸 34 ブラケット 34a,34b ねじ穴 35 ダイヤルゲージ 35a 接触子 36a,36b 調節ねじ 37 支持台 40 ベッド 41 主軸台 42 主軸 43 チャック(取付手段) 44 タレット面板 45 工具 46 水平ガイド

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加工物に形成された穴の内周面を真球
    状に加工する真球加工装置を備えた数値制御工作機械で
    あって、 ベッド(40)と、 このベッドに設けられ、主軸を回転自在に支持する主軸
    台(41)と、 前記ベッドに設けられ、前記主軸台に対して主軸軸線方
    向および前記主軸軸線方向に直交する方向に相対的に移
    動して位置決めが可能な刃物台(47)と、 この刃物台に取り付けられ、前記穴の内周面を球面状に
    荒加工する工具(T)と、 前記ベッド上の前記刃物台と干渉しない位置に設けら
    れ、前記主軸台に対して前記主軸軸線方向に相対的に移
    動して位置決めが可能な基台(2)と、この基台に設け
    られ、前記主軸軸線に直交する軸(4a)を中心に回転
    する回転体(4)と、この回転体に巻回されたワイヤを
    駆動するワイヤ駆動手段と、前記回転体に取り付けられ
    回転体の回転により前記穴の内周面を真球状に仕上げ加
    工する刃具(16)とからなる真球加工装置(1)と、 前記刃物台や前記基台の移動,位置決めを行う駆動モー
    タを数値制御するとともに、前記主軸を駆動する主軸モ
    ータおよび前記ワイヤ駆動手段を制御する制御装置とか
    らなることを特徴とする真球加工装置を備えた数値制御
    工作機械。
  2. 【請求項2】 前記ワイヤ駆動手段は、一端が前記基台
    の固定部に係留され、前記回転体を巻回して他端に重錘
    (6)が吊り下げられたワイヤ(5)と、このワイヤの
    一部に負荷を付与して前記重錘の重量に抗して前記ワイ
    ヤを進退移動させるとともに、前記ワイヤの移動長さに
    応じて前記回転体を所定角度回転させるワイヤの進退移
    動手段とからなることを特徴とする請求項1に記載の真
    球加工装置を備えた数値制御工作機械。
  3. 【請求項3】 前記ワイヤの進退移動手段は、前記基台
    に設けられた流体圧シリンダ(20)と、この流体圧シ
    リンダの進退移動自在なピストンロッド(21)に設け
    られ、前記ワイヤ(5)と係合して前記ピストンロッド
    の進退移動とともに前記ワイヤに負荷を付与するワイヤ
    係合部(22)とからなることを特徴とする請求項2に
    記載の真球加工装置を備えた数値制御工作機械。
  4. 【請求項4】 前記ワイヤの進退移動手段には、前記ピ
    ストンロッド(21)とともに進退移動する進退移動部
    材(28)と、この進退移動部材に設けられ、前記基台
    の固定部(19)に当接することにより前記ピストンロ
    ッドの進退移動を規制するストッパ(26)と、このス
    トッパを前記進退移動部材に沿った任意の位置に位置決
    めして固定する固定手段(29)とからなり、前記固定
    手段により前記ストッパの固定位置を変更することによ
    り前記ピストンロッドの進退移動量を調整して前記回転
    体(4)の回転角度を決定する刃具の回転角度調整機構
    (24)を設けたこと、を特徴とする請求項3に記載の
    真球加工装置を備えた数値制御工作機械。
  5. 【請求項5】 前記基台には、前記ワイヤが切れたこと
    を検出するワイヤ切れ検出手段を設けたこと、を特徴と
    する請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の真球加
    工装置を備えた数値制御工作機械。
  6. 【請求項6】 前記ワイヤ切れ検出手段は、前記基台の
    固定部に設けられ、ワイヤ切れによる前記重錘の移動を
    検出するセンサ(30)であることを特徴とする請求項
    5に記載の真球加工装置を備えた数値制御工作機械。
  7. 【請求項7】 被加工物に形成された穴の内周面を真球
    状に加工するために、前記主軸に対して主軸軸線方向お
    よびこの主軸軸線方向と直交する方向に相対移動可能な
    刃物台と、前記主軸軸線方向に相対移動可能な真球加工
    装置を有する数値制御工作機械における真球加工方法で
    あって、 前記数値制御工作機械の主軸に設けられた被加工物の取
    付手段に前記被加工物を取り付ける工程と、 前記真球加工装置を退避させた状態で前記主軸を回転さ
    せ、前記刃物台を数値制御して移動させ、前記刃物台に
    取り付けられた工具で前記被加工物の穴内周面を球面状
    に荒加工する工程と、 前記刃物台を退避させた状態で、真球加工装置を前記主
    軸側に移動させて真球仕上げ加工用の刃具を前記穴内の
    所定の位置に位置させる工程と、 前記主軸の回転により被加工物を回転させるとともに前
    記刃具を前記主軸の軸線に直交する軸を中心に所定角度
    回転させて前記穴内周面の真球仕上げ加工を行う工程
    と、 からなることを特徴とする数値制御工作機械における真
    球加工方法。
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