JPH1059627A - 線状体巻き付け用ボビン - Google Patents

線状体巻き付け用ボビン

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JPH1059627A
JPH1059627A JP8223350A JP22335096A JPH1059627A JP H1059627 A JPH1059627 A JP H1059627A JP 8223350 A JP8223350 A JP 8223350A JP 22335096 A JP22335096 A JP 22335096A JP H1059627 A JPH1059627 A JP H1059627A
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JP
Japan
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cylindrical body
linear expansion
bobbin
linear
winding
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Application number
JP8223350A
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English (en)
Inventor
Fumiyoshi Okubo
文義 大久保
Yoshiaki Terasawa
良明 寺沢
Yasusuke Yamazaki
庸介 山崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication of JPH1059627A publication Critical patent/JPH1059627A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 線状体が巻緩みしにくい線状体巻き付け用ボ
ビンを提供する。 【解決手段】 胴体部2aの内側に内側円筒体3を有
し、この内側円筒体3は、線膨張係数が負となる線膨張
係数の材料で形成され、この内側円筒体の線膨張係数の
絶対値は、胴体部2aの線膨張係数の絶対値よりも大き
くしたものである。巻き付け時には、内側円筒体3の外
周面は胴体部2aの内周面に密着しているか、僅かに隙
間を有している。高温時は、胴体部2aが膨張するが内
側円筒体3は収縮して隙間4が生じる。低温時は、胴体
部2aが収縮するが内側円筒体3は膨張して巻き取り張
力がアップした状態になり巻乱れは生じない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバなどの
線状体を巻き付けるための線状体巻き付け用ボビンに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の線状体巻き付け用ボビンは、その
胴部が単一材料で構成されており、例えば、線状体とし
て光ファイバを用いたボビンでは、アクリロニトリルブ
タジェンスチレン樹脂(以下、ABS樹脂という)や、
ポリエチレン等が一般的に用いられている。これらの材
料の線膨張係数は、いずれも光ファイバの線膨張係数と
同じ正値を持ち、温度上昇に伴い膨張する特性を有す
る。
【0003】しかし、その絶対値は、光ファイバの線膨
張係数0.6×10-6[1/℃]と比較して、ABS樹
脂の線膨張係数は、7.4×10-5[1/℃]であり、
100倍以上である。ボビンの胴部をいくつかのパーツ
に分ける場合もあるが、その場合でも、それぞれのパー
ツの線膨張係数は、上述したような正の値で、かつ、線
膨張係数の大きい材料を使用している。
【0004】光ファイバが巻き付けられた時点から温度
が上がると光ファイバの長手方向の長さが膨張して長く
なり、光ファイバの巻径が膨張する。巻き付けられた状
態から温度が下がると、光ファイバの長手方向の長さが
収縮して短かくなり、光ファイバの巻径が収縮する。巻
き付けられた光ファイバの巻径の膨張係数は、上述した
光ファイバの線膨張係数にほぼ等しい。これに対して、
光ファイバ自体の断面の径も上述した光ファイバの線膨
張係数にほぼ等しい膨張係数で膨張収縮し、巻き付けら
れた光ファイバの巻幅も膨張収縮する。
【0005】図7は、従来の線状体巻き付け用ボビンの
説明図である。図7(A)はボビンの軸を通る平面で切
断したときの断面図、図7(B)はボビンの軸に垂直な
平面で切断したときの側断面図であり、図7(A)中に
示した切断線A,Aに沿う断面図である。図中、1は光
ファイバ、2はボビン、2aは胴体部、2bは鍔部であ
る。ボビン2は、円筒状の胴体部2aの両端に鍔部2b
を有するもので、胴体部2aの外周に線状体が巻き付け
られるものである。
【0006】通常、光ファイバ1は、ボビン2に巻かれ
た状態で保管あるいは運搬される。ところが、保管条件
や運搬条件によっては大幅な温度変化を伴う場合があ
り、温度変化があると巻緩みが発生するという問題があ
る。
【0007】図8は、低温時における従来の線状体巻き
付け用ボビンの側断面図である。図中、図7と同様な部
分には同じ符号を付して説明を省略する。51は胴径方
向の隙間である。上述したように、ボビン2の材料の線
膨張係数は、光ファイバ1の正値の線膨張係数よりもか
なり大きい。したがって、低温時には、胴体部2aの胴
径が光ファイバ1の巻径よりも大幅に小さくなる。この
ため、胴体部2aと光ファイバ1との間にボビンの胴径
方向の隙間51が生じ、巻き付けられた光ファイバ1が
こぼれることにより巻緩みが発生する。このように、光
ファイバ1の線膨張係数が、胴体部2aの線膨張係数よ
り小さい場合、低温になると巻緩みが発生するという問
題がある。
【0008】図9は、高温時における従来の線状体巻き
付け用ボビンの正面図である。図中、図7と同様な部分
には同じ符号を付して説明を省略する。52はボビンの
幅方向の隙間である。上述したように、ボビン2の材料
の線膨張係数は、光ファイバ1の正値の線膨張係数より
もかなり大きい。したがって、鍔部2bを有するボビン
2の内幅、すなわち胴体部2aの幅、の温度変化による
変位量は、光ファイバ1の巻幅の変位量よりもかなり大
きい。その結果、鍔部2bと光ファイバ1の巻幅との間
にボビンの幅方向の隙間52が生じ、巻き付けられた光
ファイバ1がこぼれることによって巻緩みが発生する。
【0009】図10は、低温から高温に変化するときの
従来の線状体巻き付け用ボビンの正面図である。図10
(A)は光ファイバをボビンに巻き付けた時の状態、図
10(B)は低温時の状態、図10(C)は高温時の状
態の正面図である。図中、図7,図9と同様な部分には
同じ符号を付して説明を省略する。図10(A)に示す
ように光ファイバ1をボビン2に巻き付けた時の状態か
ら、温度が低下すると、図10(B)に示す状態にな
る。図8を参照して説明したように、胴体部2aの胴径
が光ファイバ1の巻径よりも大幅に小さくなり、胴径方
向の隙間51が生じ巻き付けられた光ファイバ1がこぼ
れて巻緩みが発生する。これに加えてボビン2の内幅が
収縮し、光ファイバ1は、ボビン鍔部2bから圧縮力が
加えられ、巻緩みが促進されて巻き幅が僅かに減少す
る。
【0010】続いて高温の環境になると、図10(C)
に示す状態になる。図9を参照して説明したように、鍔
部2bと光ファイバ1の巻幅との間にボビンの幅方向の
隙間52が生じ、巻き付けられた光ファイバ1がこぼれ
ることによって巻緩みが発生する。このような温度変化
が繰り返されると、さらに巻緩みが促進されることにな
る。
【0011】巻緩みは、光ケーブルを製造するときなど
において、光ファイバ1の繰り出し工程での製造条件の
変動、ひいては光ファイバの製造装置への絡みつきから
断線の事態に至るおそれがあり、光ファイバを収容した
光ケーブルの品質向上および製造効率向上に対する大き
な障害となる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事
情に鑑みてなされたもので、巻き付けられた光ファイバ
等の線状体が巻緩みしにくい線状体巻き付け用ボビンを
提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
おいては、線状体巻き付け用ボビンにおいて、線状体が
巻き付けられる外側円筒体と、前記外側円筒体の内側に
内側円筒体を有し、前記外側円筒体は、胴径方向の線膨
張係数が正の材料で形成され、前記内側円筒体は、胴径
方向の線膨張係数が負の材料で形成され、前記外側円筒
体と前記内側円筒体とは、高温時に隙間を有し低温時に
密着することを特徴とするものである。
【0014】請求項2に記載の発明においては、請求項
1に記載の線状体巻き付け用ボビンにおいて、前記外側
円筒体の胴径方向の線膨張係数は、前記線状体の線膨張
係数以上であることを特徴とするものである。
【0015】請求項3に記載の発明においては、請求項
1に記載の線状体巻き付け用ボビンにおいて、前記外側
円筒体の胴径方向の線膨張係数は、前記線状体の線膨張
係数にほぼ等しいことを特徴とするものである。
【0016】請求項4に記載の発明においては、請求項
1または3のいずれか1項に記載の線状体巻き付け用ボ
ビンにおいて、前記外側円筒体は、端部に鍔部を有する
とともに内周面に円周方向に形成された凸部を幅方向に
複数個有し、前記内側円筒体は、前記鍔部の間に収容さ
れるとともに外周面に前記凸部に対向し円周方向に形成
された凹部を幅方向に複数個有し、前記凸部に前記凹部
がはめ込まれていることを特徴とするものである。
【0017】請求項5に記載の発明においては、請求項
1ないし4のいずれか1項に記載の線状体巻き付け用ボ
ビンにおいて、前記外側円筒体は端部に鍔部を有し、前
記内側円筒体は前記鍔部の間に収容され、前記外側円筒
体および前記内側円筒体は、線膨張係数が異方性を持ち
胴径方向の線膨張係数よりも幅方向の線膨張係数が小さ
な材料で形成されることを特徴とするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の線状体巻き付け
用ボビンの第1の実施の形態の説明図である。図1
(A)は巻き付け時における側断面図、図1(B)は高
温時の側断面図であり、図1(C)は低温時の側断面図
である。図中、図7と同様な部分には同じ符号を付して
説明を省略する。3は内側円筒体、4は胴径方向の隙間
である。
【0019】図1(A)において、この実施の形態は、
図7を参照して説明した従来のものに比べて、胴体部2
aの内側に内側円筒体3を有し、この内側円筒体3は、
線膨張係数が負となる線膨張係数の材料で形成され、こ
の内側円筒体3の線膨張係数の絶対値は、胴体部2aの
線膨張係数の絶対値よりも大きくしたものである。
【0020】巻き付け時の周囲環境の温度にもよるが、
内側円筒体3の外周面は胴体部2aの内周面に密着して
いるか、僅かに隙間を有している。なお、内側円筒体3
は鍔部2bの間に収容されることになるが、内側円筒体
3の端部側面と鍔部2bとは必ずしも密着している必要
はなく、通常、隙間を空ける。
【0021】図1(B)に示すように、高温時は、胴体
部2aが膨張するが内側円筒体3は収縮して、胴体部2
aと内側円筒体3の間には胴径方向の隙間4が生じ、内
側円筒体3の影響はない。胴体部2aの線膨張係数は、
巻き付けられた光ファイバ1の線膨張係数よりも大きい
ため、巻き取り張力がアップした状態になり巻乱れは生
じない。
【0022】図1(C)に示すように、低温時は、胴体
部2aが収縮し内側円筒体3は膨張するが、内側円筒体
3の線膨張係数の絶対値は、胴体部2aの線膨張係数の
絶対値よりも大きいため、胴体部2aと内側円筒体3と
は密着状態にあり、全体としては膨張することとなり、
巻き取り張力がアップした状態になり巻乱れは生じな
い。なお、内側円筒体の線膨張係数の絶対値が、胴体部
2aの線膨張係数の絶対値以下の場合でも、内側円筒体
3の線膨張係数が負であれば、内側円筒体3の膨張によ
り胴体部2aの胴径方向の収縮が抑制されるため、図8
に示した従来のボビン2のように、胴径方向の隙間51
が生じるとしても、その大きさは、従来よりも小さく光
ファイバ1の巻緩みが少なくなる。
【0023】鍔部2bは、胴体部2aと一体的に成型さ
れたものでも、また、ねじ止めや嵌合によって一体化さ
れたものでもよい。鍔部2bの材質を胴体部2aの材質
と同じにする必要はない。また、鍔部2bを必要としな
いタイプのボビンの場合には、胴体部2aのみとなる。
【0024】図2は、本発明の線状体巻き付け用ボビン
の第2の実施の形態の説明図である。図2(A)は巻き
付け時における側断面図、図2(B)は高温時の側断面
図であり、図2(C)は低温時の側断面図である。図
中、11はボビン、11aは胴体部、12は内側円筒
体、13は胴径方向の隙間である。光ファイバ1は、図
7に示した光ファイバ1と同様なものであり、ボビン1
1、胴体部11a、鍔部、内側円筒体12は、それぞれ
図1に示したボビン2、胴体部2a、鍔部2b、内側円
筒体3と同様の形状であるが、膨張率の相互の関係が異
なるため、別の符号を用いた。
【0025】図2(A)に示すように、この実施の形態
では、図1を参照して説明した第1の実施の形態に比べ
て、胴体部11aの線膨張係数を光ファイバ1の線膨張
係数とほぼ等しくするとともに、内側円筒体12の線膨
張係数を負とした。巻き付け時の周囲環境の温度にもよ
るが、内側円筒体12は胴体部11aの内側に密着して
いるか、僅かに隙間を有している。
【0026】図2(B)に示すように、高温時は、胴体
部11aが膨張するが内側円筒体12は収縮して、胴体
部11aと内側円筒体12の間には胴径方向の隙間13
が生じ、内側円筒体12の影響はない。胴体部11aの
線膨張係数は、巻き付けられた光ファイバ1の線膨張係
数とほぼ等しいため、巻乱れが生じることがなく、か
つ、余分な張力も加わらない。
【0027】図2(C)に示すように、低温時は、胴体
部11aが収縮し内側円筒体12は膨張しようとする。
巻き付けられた光ファイバ1の線膨張係数は、胴体部1
1aの線膨張係数とほぼ等しいため、理論上は胴径方向
に隙間が生じないが、実際の製品としては、光ファイバ
1の線膨張係数や胴体部11aの線膨張係数にばらつき
があったり、温度分布が均一でなく、光ファイバ1の温
度の方が高い場合もある。そこで、負の線膨張係数の内
側円筒体12を用い、内側円筒体12と胴体部11aと
が全体として、巻き付けられた光ファイバ1の線膨張係
数と同じか、若干小さい線膨張係数で収縮するようにす
ると、巻き付けられた光ファイバ1と胴体部11aとの
間に径方向の隙間が生じないため、巻乱れがなく、か
つ、光ファイバ1に余分な張力も加わらない。
【0028】なお、内側円筒体12の線膨張係数が、上
述した条件を満たしていない場合でも、内側円筒体12
の線膨張係数が負であれば、内側円筒体12の膨張によ
り胴体部11aの胴径方向の収縮を抑制するため、図8
に示した従来のボビン2のように、低温時に、巻き付け
られた光ファイバ1と胴体部11a間に胴径方向の隙間
が生じるとしても、その胴径方向の隙間の大きさは、従
来よりも小さくなり、光ファイバ1の巻緩みのおそれは
少なくなる。
【0029】上述した第1,第2の実施の形態は、胴径
方向の隙間4,13を少なくして巻緩みを防ぐものであ
る。一方、巻取り時の温度において、内側円筒体3の端
部側面が鍔部2bとほぼ密着している場合、低温時にお
いて、内側円筒体3が幅方向にも膨張し、胴体部2a,
11aの収縮による巻幅方向の圧縮力を緩和することは
できる。しかし、高温時においては、内側円筒体3,1
2が幅方向に収縮するため、図9に示したようなボビン
の幅方向の隙間52を防ぐことはできない。以下、ボビ
ンの幅方向の隙間52を防ぐ実施の形態について説明す
る。
【0030】図3は、本発明の線状体巻き付け用ボビン
の第3の実施の形態の第1の説明図であり、巻き付け時
における断面図である。図4は、本発明の線状体巻き付
け用ボビンの第3の実施の形態の第2の説明図であり、
図4(A)は高温時の断面図であり、図4(B)は低温
時の断面図である。図中、21はボビン、21aは胴体
部、21bは鍔部、21cは凸部、22は内側円筒体、
22aは凹部である。胴体部21aには光ファイバ1が
巻き付けられるが、図示を省略している。
【0031】図3に示すように、この実施の形態は、ボ
ビン21が鍔部21bを有するとともに、胴体部21a
の内周面に円周方向に形成された凸部21cを幅方向に
複数個、図示の例では、2個有し、内側円筒体22が、
胴体部21aおよび鍔部21bで囲まれた内部に収容さ
れるとともに、凸部21cに対応し円周方向に形成され
た凹部22aを外周面の幅方向に複数個、図示の例では
2個有し、凸部21cと凹部22aとが嵌合したもので
ある。
【0032】胴体部21aは、図1に示した胴体部2a
と形状は異なるが、同様な材料で形成されたものであ
り、その線膨張係数は、正であって光ファイバ1の線膨
張係数よりもかなり大きい。一方、内側円筒体22は、
図1に示した内側円筒体3と同様な材料で形成されたも
のであり、線膨張係数が負となる材料で形成され、胴体
部21aと内側円筒体22を組み合わせたときのボビン
21の幅方向の線膨張係数が光ファイバ1の線膨張係数
(近似的にはほぼ零としてもよい)になるようにし、例
えば、内側円筒体22の線膨張係数の絶対値と、胴体部
21aの線膨張係数の絶対値とをほぼ等しいものとした
ものである。
【0033】巻き付け時の周囲環境の温度にもよるが、
図示の例では、内側円筒体22の外周面は胴体部21a
の内周面に接し、また、内側円筒体22の端面と鍔部2
1bとの間には僅かに隙間を設けている。
【0034】図4(A)に示す高温時には、胴体部21
aは膨張し、内側円筒体22は収縮しようとするが、凸
部21cと凹部22aによる鍵爪のところで、ボビン2
1の幅方向に関しては互いに釣り合い、膨張や収縮が巻
緩みに影響しない程度に小さくなる。胴径方向について
は、凸部21cと凹部22aの間、および、凸部21c
を除く胴体部21aの内周面と凹部22aを除く内側円
筒体22の外周面との間に隙間ができる。この胴径方向
の膨張および収縮は、図1(B)を参照して説明した第
1の実施の形態の場合と同様である。
【0035】図4(B)に示す低温時には、胴体部21
aは収縮し内側円筒体22は膨張しようとするが、凸部
21cと凹部22aによる鍵爪のところで、ボビン21
の幅方向に関しては互いに釣り合い、膨張や収縮が巻緩
みに影響しない程度に小さくなる。ボビン21の幅方向
に関しては、内側円筒体22の端面と鍔部21bとの間
の隙間がなくなるが、両者の間に過度の応力が発生しな
いように、図3において、内側円筒体22の端面と鍔部
21bとの間に予め隙間を設けている。胴径方向につい
ては、図1(C)を参照して説明した第1の実施の形態
の場合と同様である。
【0036】凸部21cと凹部22aで嵌合した、胴体
部21aと内側円筒体22を製作するには、一方を製作
後、その内周あるいは外周に離形剤を介して他方を成型
する。あるいは、凸部21cおよび凹部22aをいずれ
も周方向に全周360度にわたって設けるのではなく、
凸部21cを内歯状に設け、凹部22a以外の外周部を
外歯状に設け、凸部21cと凹部22aが互い違いにな
るようにして胴体部21aの内部に内側円筒体22を挿
入し、その後に、内側円筒体22を所定角度回転させて
凸部21cと凹部22aとが嵌合するようにしてもよ
い。
【0037】上述した説明では、内側円筒体22の線膨
張係数の絶対値は、胴体部21aの線膨張係数の絶対値
とほぼ等しいものであるため、ボビン21の幅方向に関
しては膨張と収縮とがほぼ釣り合うので好都合である
が、線膨張係数の極性が反対でさえあれば、釣り合いの
方向に向かう力を発生させることができる。また、図2
を参照して説明した第2の実施の形態と同様に、胴体部
21aの線膨張係数を光ファイバ1の線膨張係数とほぼ
等しくしてもよい。
【0038】図5は、本発明の線状体巻き付け用ボビン
の第3の実施の形態の変形例であり、巻き付け時におけ
る断面図である。図中、31はボビン、31aは胴体
部、31bは鍔部、31cは凸部、32は内側円筒体、
32aは凹部である。この実施の形態は、図3,図4を
参照して説明した第3の実施の形態の変形例であって、
ボビン31,胴体部31a,鍔部31b,凸部31c,
内側円筒体32,凹部32aは、それぞれ、図3,図4
に示したボビン21,胴体部21a,鍔部21b,凸部
21c,内側円筒体22,凹部22aと同様なものであ
るが、内側円筒体32を空心を有する円筒体としたもの
を前提として、凸部31cを胴体部31aの幅方向の端
部近傍の左右各1箇所に設け、この凸部31cに内側円
筒体32の外周面に設けた凹部32aをはめ込み、凸部
31cと凹部32aによる鍵爪の個数を減らしたもので
ある。
【0039】図6は、本発明の線状体巻き付け用ボビン
の第4の実施の形態の説明図である。図6(A)は巻き
付け時における正面図、図6(B)は高温時の正面図で
ある。図中、41はボビン、41aは胴体部、41bは
鍔部である。ボビン41、胴体部41a、鍔部41b
は、それぞれ図1に示したボビン2、胴体部2a、鍔部
2bと同様の形状であるが、膨張率の特性が異なるた
め、別の符号を用いている。図では隠れているが、胴体
部41aの内周面にほぼ密接して図1に示した内側円筒
体3と同様の形状の内側円筒体を有しているが、膨張率
の特性は異なる。
【0040】この実施の形態は、図1,図2を参照して
説明した第1,第2の実施の形態を前提として、円筒状
の胴体部41aおよび図では隠れている内側円筒体は、
線膨張係数が異方性を持ち、胴径方向の線膨張係数より
も幅方向の線膨張係数が小さい材料で形成されたもので
ある。円筒状の胴体部41aおよび内側円筒体に、温度
変化により胴径方向の変化はあっても、胴体部41aの
内幅に変化が生じにくくなるようにしたものである。そ
の結果、鍔部41bと光ファイバ1の巻幅との間でボビ
ン41の幅方向の隙間が小さくなる。
【0041】また、図3ないし図5を参照して説明した
第3の実施の形態またはその変形例において、同様に異
方性を持たせるようにすれば、鍵爪の作用と相俟って、
胴体部の内幅の変化を一層少なくすることができ、胴体
部21a,31aおよび内側円筒体22,32の構成材
料の線膨張係数等の選択範囲を広げることもできる。
【0042】上述した各実施の形態において、胴体部お
よび内側円筒体の構成材料の弾性率については言及しな
かったが、線膨張係数についてだけでなく、厳密には弾
性率なども考慮して構成材料が選択的に採用される。
【0043】また、図1,図2,図5に示した内側円筒
体3,12,32は、内部に空心部のある円筒体であ
り、図3,図4に示した内側円筒体22は、内部に空心
部のない円筒体であった。このように、内側円筒体は、
円周面の外形を有するものであれば、内部に空心部のな
い円柱体状のものでもよく、このようなものも含めて内
側円筒体と表現している。したがって、図1,図2,図
5に示した内側円筒体3,12,32として内部に空心
部のない円柱体状のものを用いても、また、逆に、図
3,図4に示した内側円筒体22として内部に空心部の
あるものを用いてもよい。なお、ボビンの鍔部および内
部に空心部のない内側円筒体には、中心軸を通すための
軸穴が設けられたり、あるいは、中心軸が直接に固定さ
れて使用されるが、いずれも図示を省略した。
【0044】上述した説明では、線状体として光ファイ
バ1を用いた例を説明したが、同様な特性を有するもの
であれば、他の線状体であっても同様の作用効果を奏す
る。なお、線状体が負の線膨張係数を有する場合に、上
述した構成を用いても、負の線膨張係数を有する内側円
筒体3,12,22,32により、低温時に外側円筒体
の胴径の収縮のため、巻き付けられた線状体と外側円筒
体との間に隙間が生じることによる巻緩みを防止できる
という効果がある。なお、線状体の線膨張係数の正負を
逆にしたことに対応させて、胴体部および内側円筒体の
線膨張係数の正負を逆にすれば、低温時と高温時とで変
化が逆になるだけで同様な作用効果を奏することができ
る。
【0045】
【実施例】図1に示した第1の実施の形態の構造におい
て、ボビン2の胴体部2aの外径を140mmφ、内径
を134mmφ、内幅を100mm、鍔部2bの鍔径を
280mmφ、鍔厚を10mmとした。胴体部2aおよ
び鍔部2bの形成材料としてABS樹脂を用いた。その
線膨張係数は7.4×10-5[1/℃]、弾性率は23
0[kg/mm2 ]である。内側円筒体3の外径を13
4mmφ、内径を128mmφ、内幅を100mmφと
した。内側円筒体3の形成材料として液晶高分子を用い
た。その線膨張係数は−9×10-6[1/℃]、弾性率
は23000[kg/mm2 ]である。
【0046】巻き付ける光ファイバ1として、ガラス径
が125μmφのガラス部に紫外線硬化型樹脂の被覆を
施した、外径が250μm、弾性率が7300[kg/
mm2 ]、線膨張係数が0.6×10-6[1/℃]のも
のを用いた。この光ファイバ1を上述したボビン2の胴
体部2aに巻き付けて、−60℃〜+80℃のヒートサ
イクルを行なった。
【0047】上述した内側円筒体3を有するボビン2
は、各温度保持時間を2時間とした20サイクル経過後
でも全く巻緩みが発生しなかったのに対し、図7ないし
図10を参照して説明した内側円筒体3のない従来型の
ボビン2では、巻緩みによる光ファイバ1の飛び出しな
どが発生した。しかし、上述した内側円筒体3を有する
ボビン2にヒートサイクルをかけながら振れ幅5mm、
5Hzの振動をかけると、ボビン2の内幅方向の伸縮で
巻緩みが発生した。
【0048】そこで、胴体部2a、内側円筒体3の双方
の円周方向に、図5を参照して説明した、第3の実施の
形態の変形例の凸部31c,凹部32aと同様な、高さ
2.5mm、幅3mmの凹凸部をボビン2の両端近傍に
設けてはめ込み、ボビン2の幅方向の伸縮が、それぞれ
の材料の伸縮で打ち消し合うようにした。このとき、−
60℃〜+80℃のヒートサイクルと上述した振動を与
えても、ボビン2の幅方向の伸縮が発生せず巻緩みが起
きなかった。
【0049】また、図6を参照して説明した第4の実施
の形態のボビン41,内側円筒体と同様に、胴体部2
a,内側円筒体3の双方の材料の線膨張係数に異方性を
持たせ、ボビン2の幅方向の線膨張係数がほぼ零になる
ような構造にしたものを作成し、−60℃〜+80℃の
ヒートサイクルと振れ幅5mm、5Hzの振動を与え
た。この場合でもボビン2の内幅の伸縮が発生せず巻緩
みは起きなかった。
【0050】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1に記載の発明によれば、線状体が巻き付けられる外側
円筒体と、この外側円筒体の内側に内側円筒体を有し、
外側円筒体は、胴径方向の線膨張係数が正の材料で形成
され、内側円筒体は、胴径方向の線膨張係数が負の材料
で形成され、外側円筒体と内側円筒体とは、高温時に隙
間を有し低温時に密着することから、低温時に外側円筒
体の胴径の収縮のため、巻き付けられた線状体と外側円
筒体との間に隙間が生じることによる巻緩みを防止でき
るという効果がある。
【0051】請求項2に記載の発明においては、外側円
筒体の胴径方向の線膨張係数は、前記線状体の線膨張係
数以上であることから、高温時に、巻き取り張力がアッ
プした状態になり巻乱れが生じないという効果がある。
【0052】請求項3に記載の発明においては、外側円
筒体の胴径方向の線膨張係数は、線状体の線膨張係数に
ほぼ等しいことから、高温時に、線状体に加わる張力の
増加を少なくすることができるという効果がある。
【0053】請求項4に記載の発明においては、外側円
筒体は、端部に鍔部を有するとともに内周面に円周方向
に形成された凸部を幅方向に複数個有し、内側円筒体
は、鍔部の間に収容されるとともに外周面に凸部に対向
し円周方向に形成された凹部を幅方向に複数個有し、凸
部に凹部がはめ込まれていることから、鍔部間の内幅の
伸縮を防止することができるため、高温時に、巻き付け
られた線状体と鍔部との間に隙間が生じることによる巻
緩みを防止できるとともに、低温時に、巻き付けられた
線状体を鍔部が圧縮することによる巻緩みも防止できる
という効果がある。
【0054】請求項5に記載の発明においては、外側円
筒体は端部に鍔部を有し、内側円筒体は鍔部の間に収容
され、外側円筒体および内側円筒体は、線膨張係数が異
方性を持ち胴径方向の線膨張係数よりも幅方向の線膨張
係数が小さな材料で形成されることから、鍔部間の内幅
の伸縮を防止することができるため、高温時に、巻き付
けられた線状体と鍔部との間に隙間が生じることによる
巻緩みを防止できるとともに、低温時に、巻き付けられ
た線状体を鍔部が圧縮することによる巻緩みも防止でき
るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の線状体巻き付け用ボビンの第1の実施
の形態の説明図である。
【図2】本発明の線状体巻き付け用ボビンの第2の実施
の形態の説明図である。
【図3】本発明の線状体巻き付け用ボビンの第3の実施
の形態の第1の説明図であり、巻き付け時における断面
図である。
【図4】本発明の線状体巻き付け用ボビンの第3の実施
の形態の第2の説明図であり、図4(A)は高温時の断
面図であり、図4(B)は低温時の断面図である。
【図5】本発明の線状体巻き付け用ボビンの第3の実施
の形態の変形例であり、巻き付け時における断面図であ
る。
【図6】本発明の線状体巻き付け用ボビンの第4の実施
の形態の説明図である。
【図7】従来の線状体巻き付け用ボビンの説明図であ
る。
【図8】低温時における従来の線状体巻き付け用ボビン
の側断面図である。
【図9】高温時における従来の線状体巻き付け用ボビン
の正面図である。
【図10】低温から高温に変化するときの従来の線状体
巻き付け用ボビンの正面図である。
【符号の説明】
1…光ファイバ、2,11,21,31,41…ボビ
ン、3,12,22,32…内側円筒体、4,13,5
1…胴径方向の隙間、52…ボビンの幅方向の隙間。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 線状体が巻き付けられる外側円筒体と、
    前記外側円筒体の内側に内側円筒体を有し、前記外側円
    筒体は、胴径方向の線膨張係数が正の材料で形成され、
    前記内側円筒体は、胴径方向の線膨張係数が負の材料で
    形成され、前記外側円筒体と前記内側円筒体とは、高温
    時に隙間を有し低温時に密着することを特徴とする線状
    体巻き付け用ボビン。
  2. 【請求項2】 前記外側円筒体の胴径方向の線膨張係数
    は、前記線状体の線膨張係数以上であることを特徴とす
    る請求項1に記載の線状体巻き付け用ボビン。
  3. 【請求項3】 前記外側円筒体の胴径方向の線膨張係数
    は、前記線状体の線膨張係数にほぼ等しいことを特徴と
    する請求項1に記載の線状体巻き付け用ボビン。
  4. 【請求項4】 前記外側円筒体は、端部に鍔部を有する
    とともに内周面に円周方向に形成された凸部を幅方向に
    複数個有し、前記内側円筒体は、前記鍔部の間に収容さ
    れるとともに外周面に前記凸部に対向し円周方向に形成
    された凹部を幅方向に複数個有し、前記凸部に前記凹部
    がはめ込まれていることを特徴とする請求項1または3
    のいずれか1項に記載の線状体巻き付け用ボビン。
  5. 【請求項5】 前記外側円筒体は端部に鍔部を有し、前
    記内側円筒体は前記鍔部の間に収容され、前記外側円筒
    体および前記内側円筒体は、線膨張係数が異方性を持ち
    胴径方向の線膨張係数よりも幅方向の線膨張係数が小さ
    な材料で形成されることを特徴とする請求項1ないし4
    のいずれか1項に記載の線状体巻き付け用ボビン。
JP8223350A 1996-08-26 1996-08-26 線状体巻き付け用ボビン Pending JPH1059627A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1882664A3 (en) * 2003-10-14 2008-02-13 Sonoco Development, Inc. Yarn carrier
CN114761338A (zh) * 2020-03-05 2022-07-15 琳得科株式会社 卷体

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