JPH1067934A - 水溶性ポリアミドイミド樹脂組成物 - Google Patents

水溶性ポリアミドイミド樹脂組成物

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JPH1067934A
JPH1067934A JP22716896A JP22716896A JPH1067934A JP H1067934 A JPH1067934 A JP H1067934A JP 22716896 A JP22716896 A JP 22716896A JP 22716896 A JP22716896 A JP 22716896A JP H1067934 A JPH1067934 A JP H1067934A
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acid
resin
water
polyamide
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JP22716896A
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Inventor
Tadashi Inukai
忠司 犬飼
Keiichi Uno
敬一 宇野
Tomoharu Kurita
智晴 栗田
Hiroki Yamaguchi
裕樹 山口
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水溶性ポリアミドイミド樹脂を含有し、溶液
加工の可能な組成物を提供すること。 【解決手段】 塩基性水溶液に溶解し得るポリアミドイ
ミド樹脂を含有する組成物。この組成物に含有されるポ
リアミドイミド樹脂の対数粘度は、0.1dl/g以
上、酸価は、30当量/106g以上であり、そしてこ
のポリアミドイミド樹脂には、該樹脂を構成する酸成分
またはアミン成分の0.1モル%以上の割合で、金属イ
オン性基が含有される、組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水溶性のポリアミ
ドイミド樹脂を含有し、溶液加工の可能な組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリアミドイミド樹脂は、耐熱性、耐薬
品性、耐磨耗性などに優れ、かつ射出成型が可能な樹脂
であり、さらに、N−メチル−2−ピロリドンのような
アミド系の溶剤には可溶なため、溶液加工が可能である
という特性を有する。そのため、成形材料、耐熱絶縁塗
料などに利用されてきた。
【0003】しかし、従来の芳香族系ポリアミドイミド
樹脂は、アミド系以外の溶剤には溶解せず、かつ樹脂自
体が着色している、硬い、脆いなどの欠点を有するた
め、その用途は、塗料、成形材料などに限られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題の解決を課題としてなされたものであり、その目的
とするところは、汎用の溶剤、例えば水に対する溶解性
が高く、しかもポリアミドイミド樹脂本来の性質、つま
り耐熱性および耐薬品性に優れているという性質を有す
るポリアミドイミド樹脂を含有する組成物を提供するこ
とにある。本発明の他の目的は、上記性質により環境汚
染を引き起こすことなく、低コストで容易にフィルム加
工および金属へのコーティングがなされ得るポリアミド
イミド樹脂組成物を提供することにある。本発明のさら
に他の目的は、上記ポリアミドイミド樹脂を含有し、溶
液加工に有用なポリアミドイミド樹脂含有塩基性水溶液
の調製方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
につき鋭意検討を行った結果、塩基性水溶液に溶解し得
るポリアミドイミド樹脂を含有する組成物を開発するに
至った。
【0006】本発明の水溶性ポリアミドイミド樹脂を含
有する組成物は、含有されるポリアミドイミド樹脂の対
数粘度が0.1dl/g以上、酸価が30当量/106
g以上であり、そして該ポリアミドイミド樹脂には、該
樹脂を構成する酸成分またはアミン成分の0.1モル%
以上の割合で金属イオン性基が含有され、そのことによ
り上記目的が達成される 好適な実施態様においては、上記金属イオン性基は、5
−スルホイソフタロイル基である。
【0007】好適な実施態様においては、上記塩基性水
溶液は、アンモニアおよび沸点が200℃以下の水溶性
アミンの水溶液のうちの少なくとも1種である。
【0008】本発明のポリアミドイミド樹脂を含有する
塩基性水溶液の製造方法は、上記ポリアミドイミド樹脂
を極性有機溶剤中で重合反応により調製する工程、該ポ
リアミドイミド樹脂を含有する反応液を水と混合して該
ポリアミドイミド樹脂を凝固させ、次いで脱溶剤する工
程、および得られたポリアミドイミド樹脂を塩基性水溶
液中で加熱攪拌する工程を包含する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の組成物に含有されるポリ
アミドイミド樹脂は、上記のように、その対数粘度が
0.1dl/g以上、酸価が30当量/106g以上で
あり、そして該ポリアミドイミド樹脂には該樹脂を構成
する酸成分またはアミン成分の0.1モル%以上の割合
で金属イオン性基が含有される。このようなポリアミド
イミド樹脂は、酸成分とアミン成分と金属イオン性基を
含有する化合物とを共重合させることによって得られ
る。
【0010】上記酸成分としては、特に限定されない
が、基本的に、低コストであり、かつ反応性に優れると
いう理由からトリメリット酸またはその無水物(酸塩化
物の形態であってもよい)が用いられ、その一部は、ト
リメリット酸以外の多価カルボン酸またはそれらの無水
物(酸塩化物の形態であってもよい)と置き換えること
が可能である。
【0011】上記多価カルボン酸としては、ジカルボン
酸、トリカルボン酸、またはテトラカルボン酸が用いら
れ得、これらは、脂肪族、脂環族および芳香族のいずれ
であってもよい。
【0012】多価カルボン酸として用いられ得る脂肪族
ジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク
酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデ
カン二酸、トリデカン二酸、およびこれらの酸塩化物が
挙げられ、脂環族ジカルボン酸としては、シクロヘキサ
ンジカルボン酸およびその酸塩化物が挙げられる。これ
らの中で、高重合性、および得られるポリアミドイミド
樹脂の透明性、耐熱性、および耐薬品性が優れるという
点から、特にシクロヘキサンジカルボン酸が好ましい。
【0013】多価カルボン酸として用いられ得る芳香族
ジカルボン酸としては、イソフタル酸、5−tert−ブチ
ル−1,3−ベンゼンジカルボン酸、テレフタル酸、ジ
フェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニル
メタン−2,4−ジカルボン酸、ジフェニルメタン−
3,4−ジカルボン酸、ジフェニルメタン−3,3’−
ジカルボン酸、1,2−ジフェニルエタン−4,4’−
ジカルボン酸、ジフェニルエタン−2,4−ジカルボン
酸、ジフェニルエタン−3,4−ジカルボン酸、ジフェ
ニルエタン−3,3’−ジカルボン酸、2,2’−ビス
−(4−カルボキシフェニル)プロパン、2−(2−カ
ルボキシフェニル)−2−(4−カルボキシフェニル)
プロパン、2−(3−カルボキシフェニル)−2−(4
−カルボキシフェニル)プロパン、ジフェニルエーテル
−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−2,
4−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−3,4−ジカ
ルボン酸、ジフェニルエーテル−3,3’−ジカルボン
酸、ジフェニルスルホン−4,4’−ジカルボン酸、ジ
フェニルスルホン−2,4−ジカルボン酸、ジフェニル
スルホン−3,4−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン
−3,3’−ジカルボン酸、ベンゾフェノン−4,4’
−ジカルボン酸、ベンゾフェノン−3,3’−ジカルボ
ン酸、ピリジン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレンジ
カルボン酸、ビス−[(4−カルボキシ)フタルイミド]
−4,4’−ジフェニルエーテル、ビス−[(4−カル
ボキシ)フタルイミド]−α、α’−メタキシレンおよ
びこれらの酸塩化物が挙げられる。特に、イソフタル酸
およびテレフタル酸が、コストが安い、重合性に優れる
という点で好ましい。
【0014】多価カルボン酸として用いられ得るトリカ
ルボン酸としては、ブタン−1,2,4−トリカルボン
酸、ナフタレン−1,2,4−トリカルボン酸、および
これらの酸塩化物が挙げられる。
【0015】多価カルボン酸として用いられ得るテトラ
カルボン酸は、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボ
ン酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノン−3,3’,
4,4'−テトラカルボン酸、ジフェニルエーテル−
3,3’,4,4’−テトラカルボン酸、ジフェニルエ
ーテル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸、ビフ
ェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸、ナフ
タレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸、ナフタレ
ン−1,2,4,5−テトラカルボン酸、ナフタレン−
1,4,5,8−テトラカルボン酸およびこれらの酸塩
化物が挙げらる。
【0016】上記多価カルボン酸の無水物としては、該
多価カルボン酸に対応する酸無水物がいずれも使用可能
であるが、次の酸無水物が好適である:ピロメリット酸
無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、3,
3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸
無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルテトラカルボ
ン酸無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物、トリ
メリット酸無水物、エチレングリコールビスアンヒドロ
トリメリテート、プロピレングリコールビスアンヒドロ
トリメリテート、1,4−ブタンジオールビスアンヒド
ロトリメリテート、へキサメチレングリコールビスアン
ヒドロトリメリテート、ポリエチレングリコールビスア
ンヒドロトリメリテート、ポリプロピレングリコールビ
スアンヒドロトリメリテートなど。これらの中で特に、
エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテートが、
重合性に優れ、かつ低コストであること、および得られ
るポリアミドイミド樹脂の可撓性および密着性が、優れ
るという点で好ましい。
【0017】トリメリット酸無水物以外の上記酸成分
は、単独で、または組み合わせてトリメリット酸無水物
の一部と置き換えて用いられ得る。
【0018】本発明に用いられるアミン成分としては、
代表的にはジアミンが用いられ、このジアミンのアミノ
基を−N=C=Oで置換したジイソシアネートも同様に用い
られ得る。本明細書で「アミン成分」とは、ジアミンお
よびジイソシアネートのうちの少なくとも一方を指して
言う。
【0019】ジアミンは、特に限定されないが、芳香族
ジアミン、脂肪族ジアミン、および脂環族ジアミンのい
ずれもが用いられ得る。
【0020】芳香族ジアミンとしては、 m−フェニレ
ンジアミン、p−フェニレンジアミン、オキシジアニリ
ン、メチレンジアミン、ヘキサフルオロイソプロピリデ
ンジアミン、ジアミノ−m−キシリレン、ジアミノ−p
−キシリレン、1,4−ナフタレンジアミン、1,5−
ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、
2,7−ナフタレンジアミン、2,2’−ビス−(4−
アミノフェニル)プロパン、2,2’−ビス−(4−ア
ミノフェニル)へキサフルオロプロパン、4,4’−ジ
アミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェ
ニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルホ
ン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4−
ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンゾフェノ
ン、3,4−ジアミノジフェニルエーテル、イソプロピ
リデンジアニリン、3,3’−ジアミノベンゾフェノ
ン、o−トリジン、2,4−トリレンジアミン、1,3
−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−
ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビ
ス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス
−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、
ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホ
ン、ビス−[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ス
ルホン、4,4’−ビス−(4−アミノフェノキシ)ビ
フェニル、2,2’−ビス−[4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル]へキサフルオロプロパン、4,4’−
ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジ
フェニルスルフィドなどが挙げられる。
【0021】脂肪族ジアミンとしては、エチレンジアミ
ン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、へ
キサメチレンジアミンなどが挙げられる。
【0022】脂環族ジアミンとしては、イソホロンジア
ミン、4,4’−ジアミノシクロヘキシルメタンなどが
挙げられる。
【0023】ジイソシアネートは、これらの上記ジアミ
ンから誘導される、あらゆるジイソシアネートを含む。
【0024】以上のアミン成分の中では、反応性に優
れ、かつ低コストであるという点で、4,4’−ジアミ
ノジフェニルメタンおよびそれに対応する4,4’−ジ
フェニルメタンジイソシアネートが、特に好ましい。
【0025】上記アミン成分は、単独で、または組み合
わせて使用され得る。
【0026】金属イオン性基を含有する化合物の例とし
ては、陰イオン性基を有するジカルボン酸、ジイソシア
ネートおよびリン化合物;陽イオン性基を有するジカル
ボン酸;および多塩基酸無水物が挙げられる。
【0027】陰イオン性基を有するジカルボン酸は、ト
リメリット酸モノナトリウム塩、トリメシン酸モノカリ
ウム塩、5−スルホイソフタル酸ナトリウム、5−ソジ
ウムカルボキシトリメリット酸無水物、2−カルボキシ
エチルホスホン酸モノカリウム塩などを含む。陰イオン
性基を有するジイソシアネートは、ジフェニルメタン
4,4’−ジイソシアネートへのスルホン酸ナトリウム
塩付加物、などを含み、陰イオン性基を有するリン化合
物としては、以下に示すような化合物などが挙げられ
る:
【0028】
【化1】
【0029】陽イオン性基を有する化合物は、以下に示
すような化合物が挙げられる:
【0030】
【化2】
【0031】この中で、重合性に優れるという点、かつ
得られるポリアミドイミド樹脂の水溶性が高いという
点、さらにこのポリアミドイミド樹脂を低コストで調製
可能であるという点において、5−イソスルホイソフタ
ル酸ナトリウムが、特に好ましい。
【0032】上記金属イオン性基を含有する化合物は、
単独で、または組み合わせて使用され得る。
【0033】上記酸成分およびアミン成分は、一般的に
等モルずつ混合して共重合されるが、必要に応じて、こ
れらの1つの成分を他の成分に対して若干増減させ得
る。本発明のポリアミドイミド樹脂の調製においては、
酸価をやや高くするために酸成分を若干過剰に混合して
重合するのが好ましい。なぜなら、上記ポリアミドイミ
ド樹脂の水溶性は、上記の金属イオン性基を有する化合
物を樹脂成分中に含有させることに起因する効果以外
に、酸成分に由来するカルボキシル基が影響すると考え
られるためである。
【0034】ポリアミドイミド樹脂に水溶性を付与する
ために用いられる金属イオン性基を有する化合物は、酸
成分またはアミン成分全体の0.1モル%以上(カルボ
キシル基またはアミノ基(イソシアネート基)に換算した
量)の割合で含有されるのが好ましい。言い換えれば、
陰イオン性基を有する化合物は、酸成分の一部として用
いられ、陽イオン性基を有する化合物は、アミン成分の
一部として用いられる。陰イオン性基を有する化合物と
陽イオン性基を有する化合物とが混合して用いられても
よい。混合して用いる場合には、陰イオン性基を有する
化合物の酸成分全体に対する割合と、陽イオン性基を有
する化合物のアミン成分全体に対する割合との合計が
0.1モル%以上となればよい。それぞれの成分全体の
0.1モル%以上の割合で含有される。この金属イオン
性基を有する化合物のこれらの成分全体に対する含有割
合は、より好ましくは、水溶性、重合性に優れるという
点で、0.5〜20モル%であり、特に好ましくは、
1.0〜10モル%である。酸成分またはアミン成分の
0.1モル%以下の場合は、得られるポリアミドイミド
樹脂の水溶性が劣る。
【0035】本発明のポリアミドイミド樹脂の調製に使
用される溶剤としては、通常、アミド系溶剤(例えば、
N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミド、
ジメチルホルムアミド、ジメチルイミダゾリジノン)、
硫黄系溶剤(例えば、ジメチルスルホキシド、スルホラ
ン)、ニトロ系溶剤(例えば、ニトロメタン、ニトロエ
タン)、エーテル系溶剤(例えば、ジグライム、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン)、ケトン系溶剤(例えば、
シクロヘキサノン、メチルエチルケトン)、ニトリル系
溶剤(例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル)、
および比較的誘電率の高い溶剤(例えば、γ−ブチロラ
クトン、テトラメチルウレア、エチレンカーボネート)
が用いられ得、これらの中では、高い重合度の樹脂が得
られるという点で、N−メチル−2−ピロリドン、ジメ
チルイミダゾリジノン、およびγ−ブチロラクトンが特
に好ましい。これらの溶媒は単独で、あるいは組み合わ
せて使用され得、さらに上記各溶剤と比較して、比較的
誘電率の低い溶剤(例えば、キシレン、トルエン)と混
合して用いることも可能である。
【0036】上記ポリアミドイミド樹脂は、上記酸成分
およびアミン成分、ならびに金属イオン性基を有する化
合物を、従来の方法、例えば、酸クロライド法およびイ
ソシアネート法などを用いて反応させることにより得ら
れ得る。つまり、酸成分、アミン成分、および金属イオ
ン性基を有する化合物を重合溶剤に溶解し、次いで加熱
撹拌することにより、所望のポリアミドイミド樹脂を容
易に製造し得る。特に、ジイソシアネートをアミン成分
として用いる場合には、ジイソシアネートと活性水素と
の反応を促進するために触媒の存在下で反応させるのが
好ましい。この触媒としては、アミン類(例えば、トリ
エチルアミン、ルチジン、ピコリン、トリエチレンジア
ミン)、アルカリ金属およびアルカリ土類金属化合物
(例えば、リチウムメトキサイド、ナトリウムメトキサ
イド、カリウムブトキサイド、フッ化カリウム、フッ化
ナトリウム)、または金属および半金族化合物の触媒
(例えば、コバルト、チタニウム、スズ、亜鉛)が用い
られ得る。これらの触媒の中では特に、フッ化カリウム
が好ましい。共重合反応は通常、好ましくは、50℃〜
220℃の温度範囲、より好ましくは、80℃〜220
℃の温度範囲で行われる。
【0037】以上のようにして、ポリアミドイミド樹脂
が得られる。この樹脂の対数粘度は、強靭性、屈曲性な
どを向上させるという点で、0.1dl/g以上、好ま
しくは、0.2dl/g以上あることが必要とされる。
なぜなら、対数粘度が0.1dl/g以下となると、樹
脂の耐磨耗性、耐熱性などが低下し、脆くなるからであ
る。さらに、このポリアミドイミド樹脂の酸価は、30
当量/106g以上であり、好ましくは、50当量/1
6gから3000当量/105gである。酸価が30当
量/106g以下となると水に対する溶解性が低く、分
散液として塗工を行った場合には、均一な塗膜を形成し
得なくなる。
【0038】次に、所望の水溶性ポリアミドイミド樹脂
を含有する組成物を調製するための好ましい方法につい
て説明する。上記ポリアミドイミド樹脂を有機溶剤中で
重合反応により調製し、重合反応停止後、所望のポリア
ミドイミド樹脂を含有する重合溶液を水と混合してこの
ポリアミドイミド樹脂を凝固させ、脱溶剤し、得られた
ポリアミドイミド樹脂を塩基性水溶液中に溶解させる。
脱溶剤する方法は、特に限定されず、水で洗浄する方
法、乾式紡糸法、湿式紡糸法などの当業者に公知の方法
が挙げられる。特に湿式紡糸法が好ましく、この方法
は、上記重合溶剤と混和する非溶剤(好ましくは、水)
を含む凝固浴中に得られたポリアミドイミド樹脂を含有
する重合溶液を、ノズルから押し出して、ポリアミドイ
ミド樹脂を凝固させ、そして洗浄することにより行われ
る。得られたポリアミドイミド樹脂を塩基性水溶液に溶
解する際には、さらに、高速インペラー、サイドミル、
ボールミルなどの分散機も使用され得る。
【0039】所望の水溶性ポリアミドイミド樹脂を溶解
させる塩基性水溶液としては、特に限定されないが、無
機塩基(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
炭酸ナトリウム、炭酸カリウム)およびアミン類(一
級、二級、三級アミン)の水溶液が挙げられる。特に好
ましいのは、水溶性に優れるという点で、アンモニア水
および沸点が200℃以下の三級アミン(例えば、トリ
メチルアミンおよびトリエチルアミン、好ましくは、ト
リエチルアミン)水溶液である。このような塩基性水溶
液に、上記により得られたポリアミドイミド樹脂を溶解
させる。溶解にあたっては上記のように必要に応じてポ
リアミドイミド樹脂を塩基性水溶液中で加熱撹拌するの
が好ましい。
【0040】以上のように、本発明によれば、ポリアミ
ドイミド樹脂本来の性質である、耐熱性、耐薬品性など
を損なわずに、水溶性を付与することが可能となる。こ
れにより、水溶液中で樹脂加工が可能となり、不必要に
有機溶剤を使用する機会が減少するので、環境汚染が少
なく、かつ低コストなプラスティックフィルムまたは金
属へのコーティング材の製造が可能となる。
【0041】
【実施例】以下、実施例により、本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されない。実施例中のポ
リアミドイミド樹脂の性質は、以下の方法により測定し
た。
【0042】対数粘度:ポリアミドイミド樹脂0.5g
を100mlのN−メチル−2−ピロリドンに溶解し、
ウベローデ粘度管によって測定し、対数粘度を求めた。 酸価:電位差滴定法によって測定し、酸価を求めた。
【0043】<実施例1>反応容器に、トリメリット酸
無水物(酸成分)、5−スルホイソフタル酸ナトリウム
(金属イオン性基を含有する化合物;酸成分)およびジフ
ェニルメタンジイソシアネート(アミン成分)を表1に示
すモル比になるように、かつ固形分濃度が30重量%の
となるようにN−メチル−2−ピロリドンと共に仕込ん
だ。5−スルホイソフタル酸ナトリウムの量は酸成分全
体に対するモル%で示す。この混合物を、180℃まで
加熱し、5時間反応させた後、冷却して反応を停止し
た。次いで得られた重合溶液を攪拌している水中に加
え、そして得られた固形物を、水で洗浄し、乾燥した。
得られたポリアミドイミド樹脂の対数粘度および酸価を
それぞれ上記のように求めた。その評価結果を表1に示
す。
【0044】次に、得られた乾燥ポリアミドイミド樹脂
(20g)に、酸価の10倍当量の水酸化アンモニウム
水溶液(80g)を加え、60℃で約2時間かけて溶解
させた。その評価結果を表1に示す。
【0045】ここで、表1における〇は、目視で、樹脂
が完全に溶解したことを示し、×は完全には溶解しなか
ったことを示す。
【0046】<実施例2>酸成分全体に対して5モル%
の5−スルホイソフタル酸ナトリウムを用いたこと以外
は、実施例1と同様にして、ポリアミドイミド樹脂を得
た。得られた樹脂の評価結果を表1に示す。
【0047】<実施例3>酸成分全体に対して10モル
%の5−スルホイソフタル酸ナトリウムを用いたこと以
外は実施例1と同様にして、ポリアミドイミド樹脂を得
た。得られた樹脂の評価結果を表1に示す。
【0048】<実施例4>酸成分全体に対して30モル
%の5−スルホイソフタル酸ナトリウムを用いたこと以
外は実施例1と同様にして、ポリアミドイミド樹脂を得
た。得られた樹脂の評価結果を表1に示す。
【0049】<実施例5>酸成分全体に対して10モル
%の5−スルホイソフタル酸ナトリウムを用いたこと、
酸成分のモル数/ジイソシアネート成分のモル数を1.
10としたこと以外は実施例1と同様にして、ポリアミ
ドイミド樹脂を得た。得られた樹脂の評価結果を表1に
示す。
【0050】<実施例6>酸成分全体に対して10モル
%の5−スルホイソフタル酸ナトリウムを用いたこと、
酸成分のモル数/ジイソシアネート成分のモル数を1.
05としたこと以外は実施例1と同様にして、ポリアミ
ドイミド樹脂を得た。得られた樹脂の評価結果を表1に
示す。
【0051】<実施例7>酸成分全体に対して10モル
%の5−スルホイソフタル酸ナトリウムを用いたこと、
酸成分のモル数/ジイソシアネート成分のモル数を1.
00としたこと以外は実施例1と同様にして、ポリアミ
ドイミド樹脂を得た。得られた樹脂の評価結果を表1に
示す。
【0052】<比較例1>酸成分のモル数/ジイソシア
ネート成分のモル数を1.05としたこと、および金属
イオン性基を含有する化合物である5−スルホイソフタ
ル酸ナトリウムを共重合させなかったこと以外は実施例
1と同様にして、ポリアミドイミド樹脂を得た。得られ
た樹脂の評価結果を表1に示す。
【0053】<比較例2>酸成分のモル数/ジイソシア
ネート成分のモル数を0.97としたこと、および金属
イオン性基を含有する化合物である5−スルホイソフタ
ル酸ナトリウムを共重合させなかったこと以外は実施例
1と同様にして、ポリアミドイミド樹脂を得た。得られ
た樹脂の評価結果を表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】表1に示されるように、金属イオン性基を
含有するポリアミドイミド樹脂(実施例1〜7)は、水
酸化アンモニウム水溶液に完全に溶解し、高い水溶性を
有していた。これと比較して、金属イオン性基を含有す
る化物を含有しないポリアミドイミド樹脂(比較例1お
よび2)は、水酸化アンモニウム水溶液に完全には溶解
せず水溶性が低かった。
【0056】さらに、本発明の水溶性ポリアミドイミド
樹脂においては、ポリアミド樹脂本来の性質である耐熱
性、耐薬品性などが損なわれていないことが、DSCに
よるガラス転移温度の測定、および薬品浸漬テストによ
り確認された。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、水に対する溶解性が高
く、しかも耐熱性および耐薬品性などの本来のポリアミ
ドイミド樹脂の優れた性質を合わせて有するポリアミド
イミド樹脂を含有する組成物が提供される。これによ
り、環境汚染がなく、しかも加工コストが低いプラステ
ィックフィルムおよび金属へのコーティング材などが提
供され得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 裕樹 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩基性水溶液に溶解し得るポリアミドイ
    ミド樹脂を含有する組成物であって、 該ポリアミドイミド樹脂の対数粘度が0.1dl/g以
    上、酸価が30当量/106g以上であり、そして該ポ
    リアミドイミド樹脂は、該樹脂を構成する酸成分または
    アミン成分の0.1モル%以上の割合で、金属イオン性
    基を含有する、組成物。
  2. 【請求項2】 前記金属イオン性基が、5−スルホイソ
    フタロイル基である、請求項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】 前記塩基性水溶液が、アンモニアおよび
    沸点が200℃以下の水溶性アミンの水溶液のうちの少
    なくとも1種である、請求項1または2に記載の組成
    物。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれかに記載のポリ
    アミドイミド樹脂を含有する塩基性水溶液の製造方法で
    あって、 前記ポリアミドイミド樹脂を極性有機溶剤中で重合反応
    により調製する工程、 該ポリアミドイミド樹脂を含有する反応液を水と混合し
    て該ポリアミドイミド樹脂を凝固させ、次いで脱溶剤す
    る工程、および得られたポリアミドイミド樹脂を塩基性
    水溶液中で加熱攪拌する工程、 を包含する、製造方法。
JP22716896A 1996-08-28 1996-08-28 水溶性ポリアミドイミド樹脂組成物 Pending JPH1067934A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002088154A (ja) * 2000-09-14 2002-03-27 Toyobo Co Ltd アルカリ可溶性ポリアミドイミド共重合体
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JP2013256666A (ja) * 2013-07-26 2013-12-26 Toray Ind Inc ポリイミド系樹脂水溶液
CN116239775A (zh) * 2023-05-11 2023-06-09 江苏环峰电工材料有限公司 一种阳极电泳漆用改性聚酰亚胺树脂及其制备方法

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