JPH1087570A - ラセミ化合物及びそれを含む反強誘電性液晶組成物 - Google Patents

ラセミ化合物及びそれを含む反強誘電性液晶組成物

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JPH1087570A
JPH1087570A JP8241921A JP24192196A JPH1087570A JP H1087570 A JPH1087570 A JP H1087570A JP 8241921 A JP8241921 A JP 8241921A JP 24192196 A JP24192196 A JP 24192196A JP H1087570 A JPH1087570 A JP H1087570A
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antiferroelectric
antiferroelectric liquid
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Takahiro Matsumoto
隆宏 松本
Hiroshi Mineta
浩 嶺田
Tomoyuki Yui
知之 油井
Masahiro Kino
正博 城野
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Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 急峻性の改善された反強誘電性液晶組成物を
見いだす。 【解決手段】 下記一般式(1) で表されるラセミ化合物
並びに該ラセミ化合物を下記一般式(2) で表される反強
誘電性液晶化合物の一種、または2種以上の混合物に配
合してなる反強誘電性液晶組成物。 【化1】 (式(1) において、mは6〜12の整数、nは4〜8の整
数、X1, X2はH原子又はいずれか一方がF原子、Y1, Y2
はH原子又はいずれか一方がF原子であり、式(2) にお
いて、Rは炭素数6〜12の直鎖アルキル基、ZはF原子
又はH原子、Aは-CH3又は-CF3、rは0又は1であり、
Aが-CH3のとき、rが0でpが4〜10の整数、Aが-CF3
のとき、rが0でpは6〜8の整数、またはAが-CF3
とき、rが1でsは5〜8の整数、pは2もしくは4の
整数である。) 【効果】 急峻性に優れかつ広い温度範囲で反強誘電相
を有し、高速応答を示す反強誘電性液晶化合物が得られ
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なラセミ化合物及
びそれを含む新規な反強誘電性液晶組成物並びにそれを
用いた液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、低電圧作動性、低消費
電力性、薄型表示が可能である事等により、現在までに
各種の小型表示素子に利用されてきた。しかし、昨今の
情報、OA関連機器分野、あるいは、テレビ分野への液
晶表示素子の応用、用途拡大に伴って、これまでのCR
T表示素子を上回る表示容量、表示品質を持つ高性能大
型液晶表示素子の要求が、急速に高まってきた。
【0003】しかしながら、現在のネマチック液晶を使
用する限りにおいては、液晶テレビ用に採用されている
アクテイブマトリックス駆動液晶表示素子でも、製造プ
ロセスの複雑さと歩留りの低さにより、その大型化、低
コスト化は容易ではない。又、単純マトリックス駆動の
STN型液晶表示素子にしても、大容量駆動は必ずしも
容易ではなく、応答時間にも限界があり動画表示は困難
である。更にネマチック液晶を用いた表示素子は、視野
角が狭いということが、大きな問題になってきている。
従って、ネマチック液晶表示素子は、上記の高性能大型
液晶表示素子への要求を、満足するものとはいい難いの
が実状である。
【0004】このような状況のなかで、高速液晶表示素
子として注目されているのが、強誘電性液晶を用いた液
晶表示素子である。クラ−クとラガバ−ルにより発表さ
れた表面安定化型強誘電性液晶(SSFLC)素子は、
その従来にない速い応答速度と広い視野角を有する事が
注目され、そのスイッチング特性に関しては詳細に検討
されおり、種々の物性定数を最適化するため、多くの強
誘電性液晶が合成されている。しかしながら、しきい値
特性が不十分である、層の構造がシェブロン構造をして
いるなどからコントラストが不良である、高速応答が実
現されていない、配向制御が困難でSSFLCの最大の
特徴の1つである双安定性の実現が容易でない、機械的
衝撃に依って配向が破壊されそれの回復が困難であるな
どの問題があり、実用化にはこれらの問題の克服が必要
である。
【0005】これとは別に、SSFLCと異なるスイッ
チング機構の素子の開発も、同時に進められている。反
強誘電相を有する液晶物質(以下、反強誘電性液晶物質
と呼ぶ)の三安定状態間のスイッチングも、これらの新
しいスイッチング機構の1つである(Japanese Journal
of Applied Physics, Vol.27, pp.L729,1988 )。反強
誘電性液晶素子は、3つの安定な状態を有する。すなわ
ち、強誘電性液晶素子で見られる、2つのユニフォ−ム
状態(Ur, Ul)と第三状態である。この第三状態が、反強
誘電相であることをChandaniらが報告している(Japane
se Journal of Applied Physics, Vol.28, pp.L1261, 1
989 、Japanese Journal of Applied Physics, Vol.28,
pp.L1265, 1989 )。
【0006】このような三安定状態間のスイッチング
が、反強誘電性液晶素子の第1の特徴である。反強誘電
性液晶素子の第2の特徴は、印加電圧に対して明確なし
きい値が存在することである。更に、メモリ−性を有し
ており、これが反強誘電性液晶素子の第3の特徴であ
る。これらの優れた特徴を利用することにより、応答速
度が速く、コントラストが良好な液晶表示素子を実現で
きる。
【0007】又、もう一つの大きな特徴として、層構造
が、電界により容易にスイッチングする事があげられる
(Japanese Journal of Applied Physics, Vol.28, pp.L
119,1989、Japanese Journal of Applied Physics, Vo
l.29, pp.L111, 1990)。このことにより、欠陥が極め
て少なく、配向の自己修復能力のある液晶表示素子の作
製が可能となり、コントラストに優れた液晶素子を実現
できる。更に、強誘電性液晶では殆ど不可能である電圧
階調が、反強誘電性液晶では可能であることが実証さ
れ、フルカラー化への道が開け、一層反強誘電性液晶の
重要性が増してきている(第4回強誘電性液晶国際会議
予稿集、77頁、1993) 。
【0008】一方、反強誘電性液晶を表示素子とする場
合、通常は絶縁膜及び配向膜が塗られた2枚のガラス基
板の間に反強誘電性液晶が挟持される。絶縁膜は基板間
における短絡を防止するために設ける必要があり、短絡
を完全に防止するためにある一定の膜厚が必要である。
また、配向膜は液晶分子を一定の方向に並べるために必
要であり、液晶分子が並ぶときに生じる配向欠陥を、で
きるだけ少なくするために、やはりある一定の膜厚が必
要である。
【0009】この様にして形成された液晶素子に電圧を
印加した場合、現象的には絶縁膜、配向膜が薄い場合或
いは絶縁膜、配向膜がない場合には、反強誘電状態から
強誘電状態への相転移は印加電圧に対して急峻に起こ
る。しかしながら、実用上必要とされる、絶縁膜と配向
膜の膜厚下では、反強誘電状態から強誘電状態への相転
移は印加電圧に対して、緩やかとなる。反強誘電性液晶
素子の駆動は、メモリー効果を出すために、書き込みの
ための電圧を印加した後、書き込み電圧より低い電圧の
保持電圧をある一定時間印加し続ける。
【0010】急峻性の乏しい液晶素子では、選択できる
保持電圧の範囲が極めて狭くなり、極端な場合は、保持
電圧を設定できず、メモリー性を確保できなくなる。こ
のことは、反強誘電性液晶素子が成立しなくなることを
意味し、重大な問題となる。また、急峻性が低い材料ほ
ど選択できる保持電圧の幅は狭く、いわゆる駆動マージ
ンが低下してしまう。実用素子を構成する液晶材料とし
てはできるだけ急峻性の高い材料であることが好まし
い。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】実用上、反強誘電性液
晶は、上述したように急峻性の高い材料であることが好
ましい。液晶素子の急峻性は、絶縁膜と配向膜との膜厚
に大きく関係していることが実験的に認められていた。
この事が、どのような因子によって説明できるのか考察
した。なお、本考察においては、絶縁膜、配向膜両者を
合わせて配向膜という。図1に反強誘電性液晶を印加電
圧に応じて分極反転電流を発生する電流源、配向膜を液
晶と直列につながれた静電容量C、駆動回路を理想的な
電圧源とした等価回路を示した。
【0012】次に、素子に印加される駆動電圧をVex、
分極反転電流が充電されて、配向膜の上下に発生する電
圧をVc 、液晶に実際に印加される有効な電圧をVeff
、液晶の自発分極をP、液晶素子の電極面積をS、配
向膜の厚さをd’、配向膜の誘電率をε’とする。Vc
は次のようになる。 (1): Vc = PS/C = PSd'/(Sε')= P(d'/ε')
【0013】これからVeff は次の式で表される。 (2): Veff = Vex−Vc = Vex− P(d'/ε') 式(2) から明らかに様に、実際に液晶に印加される電圧
は液晶の分極Pと配向膜の厚さd'及び配向膜の誘電率の
逆数1/ε’の積だけ,外部より印加した電圧よりも減少
する。
【0014】次に液晶セルに充填された液晶層の厚さを
dとすると、液晶に実際に印加される電場Eeff は次式
で表される。 (3): Eeff = Veff/d また、見かけの電場強度Eexは次の式で表される。 (4): Eex=Vex/d= (Veff+Vc)/d= Veff/d + P(d'/ε')/d=Eeff+αP ここで α=d'/(ε'd) (5) 式(4) において、配向膜が存在しない場合は第2項は0
となりEex=Eeff となる。
【0015】反強誘電性液晶は、印加電圧に対してその
光学応答はヒステリシスを描くが、そのヒステリスに対
して4個のしきい値が考えられる。それぞれのしきい値
はEeff(=Eex) となり、この場合のしきい値は電場に
対しては傾かない。この様子を図2に示した。配向膜が
存在する場合は、式(4) を変形して次の式を得る。 (6): Eeff =Eex−αP すなわち、液晶にかかる有効電場は、印加電場Eexより
もα・Pの分だけ減少している。即ち、図3に示すよう
にα・Pの寄与により大きくヒステリシスが歪むことに
なる。
【0016】以上の考察から、ヒステリシスの歪の大き
な原因は自発分極と配向膜の相互作用によるものである
と言える。したがって、ヒステリシスに歪みを低減した
液晶素子を得るためには、相互作用をできるだけ減らす
ことである。そのための具体策としては、式(5) 、(6)
から明らかなように誘電率の高い配向膜を用いる、配向
膜を薄くする、液晶の自発分極を小さくすることなどが
あげられる。このうち、誘電率の高い配向膜材料を選択
することはなかなか困難である。そのため、配向膜を薄
くする、液晶材料の自発分極を小さくするなどが具体的
な対策となる。
【0017】一般的に、反強誘電性液晶の自発分極はか
なり大きく、比較的諸物性に優れた液晶材料のそれは 2
00nc/cm2以上である。このため、配向膜の膜厚をかなり
薄くしないと、ヒステリシスの歪みが相当大きくなって
しまう。しかし、配向膜の膜厚を薄くすると、液晶分子
の配向状態が不良になりコントラストが確保できないと
いう問題が生じてくる。従って、配向膜を薄くしてヒス
テリシスの歪みを是正するという手段は、かなりの制限
を受けることになる。
【0018】一方、液晶材料の自発分極は、まったく自
発分極を持たない適当な化合物を混合することによっ
て、即ち、希釈することによって下げるという手段をと
らざるを得ない。しかしながら、液晶の応答速度は印加
電圧と自発分極の積で決まるので、適当な化合物の混合
によって単純に自発分極を下げた場合は、応答速度が低
下してしまうという新たな問題が発生する。従って、従
来実用上の点からヒステリシスの低減された素子を得る
ためには、自発分極が小さくかつしきい値電圧が小さ
く、粘性の低い反強誘電性液晶を開発せざるを得ないと
考えが主流であった。しかしながら、このような反強誘
電性液晶を開発するという試みは十分に成功していな
い。
【0019】本発明はこの様な観点からなされたもので
あり、反強誘電性液晶素子におけるヒステリシスの歪み
を少なくするために自発分極を小さくする手段として、
適当な化学構造を有するラセミ化合物を添加することに
よって、応答速度を低下させず、自発分極を低下するこ
とができ、かつこの混合物を用いて液晶素子を形成した
とき、ヒステリシスの歪みの少ない液晶素子が得られる
ことを見いだし本発明を完成したものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は下記
一般式(1) で表されるラセミ化合物である。該一般式
(1) のmが9、またはnが6であるラセミ化合物が好ま
しい反強誘電性液晶組成物を与える。
【0021】また、本発明は、下記一般式(1) で表され
るラセミ化合物を、下記一般式(2)で示される反強誘電
性液晶化合物の1種或いは2種以上の混合物に添加して
なる反強誘電性液晶組成物である。該一般式(2) におい
て、Aが-CF3、rが1、sが5〜8の整数である反強誘
電性液晶化合物、該一般式(2) において、Aが-CH3、r
が0、p=4〜6である反強誘電性液晶化合物を選択す
ることが諸物性のバランスの上から特に好ましく、ま
た、該一般式(1) で表されるラセミ化合物は反強誘電性
液晶組成物の 1〜60モル%である場合に、優れた液晶組
成物を得ることができる。特に、得られた反強誘電性液
晶組成物は、少なくともスメクチックA相を有し、反強
誘電相の温度範囲が0〜40℃であることが実用上好まし
い。そして、本発明においては、これらの反強誘電性液
晶組成物を、一対の電極基板間に配置してなる反強誘電
性液晶表示素子として好適に使用される。
【0022】
【化3】 (式(1) において、mは6〜12の整数、nは4〜8の整
数、X1, X2はH原子又はいずれか一方がF原子、Y1, Y2
はH原子又はいずれか一方がF原子であり、式(2) にお
いて、Rは炭素数6〜12の直鎖アルキル基、ZはF原子
又はH原子、Aは-CH3又は-CF3、rは0又は1であり、
Aが-CH3のとき、rが0でpが4〜10の整数、Aが-CF3
のとき、rが0でpは6〜8の整数、またはAが-CF3
とき、rが1でsは5〜8の整数、pは2もしくは4の
整数である。)
【0023】本発明の一般式(2) で示される反強誘電性
液晶化合物は、既に本発明者らが示した方法によって簡
便に製造することができる(特開平4-198155号)。例え
ば、一般式(2) において、A=CF3, p=2, r=1, s=5の場合
を例示すれば、次のような方法によって製造される。 (イ) AcO-Ph(Z)-COOH + SOCl2 → AcO-Ph(Z)-COCl (ロ) (イ) + HOC*H(CF3)(CH2)5OC2H5 → AcO-Ph(Z)-COOC*H(CF3)(CH2)5OC2H5 (ハ) (ロ) + Ph-CH2NH2 → HO-Ph(Z)-COOC*H(CF3)(CH2)5OC2H5 (ニ) RO-Ph-Ph-COOH + SOCl2 → RO-Ph-Ph-COCl (ホ) (ロ) + (ニ) → 反強誘電性液晶 式中の AcO- はアセチル基、-Ph(Z)- はF置換していて
もよい1,4-フェニレン基、Phはフェニル基、-Ph-は1,4-
フェニレン基、C*は不斉炭素を示す。
【0024】上記製造法について、以下に簡単に説明す
る。(イ)はフッ素置換あるいは無置換のp−アセトキシ
安息香酸の塩化チオニルによる塩素化反応である。(ロ)
は塩素化物(イ) とアルコールとの反応によるエステル化
である。(ハ)はエステル(ロ) の脱アセチル化である。(ニ)
はアルキルオキシビフェニルカルボン酸の塩素化反応で
ある。(ホ)はフェノール(ハ) と塩素化物(ニ) との反応に
よる液晶の生成である。
【0025】
【発明の効果】本発明は、新規なラセミ化合物と反強誘
電性液晶組成物を提供する事ができるものである。そし
て、本発明により提供された新規な反強誘電性液晶組成
物は、急峻性に優れかつ広い温度範囲で反強誘電相を有
し、高速応答を示し、そのため表示品質の高い反強誘電
性液晶表示素子を実現できる。
【0026】
【実施例】次に、実施例及び比較例を掲げて本発明を更
に具体的に説明するが、本発明はもちろんこれに限定さ
れるものではない。 実施例1 (式(1): m=9, X1, X2, Y1, Y2=H, n=6 (E1)) 4-(1-メ
チルヘプチルオキシカルボニル)フェニル=4-デカノイ
ルオキシベンゾエートの製造。
【0027】(1) 4-デカノイルオキシ安息香酸の製造。 p-ヒドロキシ安息香酸 12.7g(0.0917モル)をジクロロメタ
ン 150ml(ミリリットル)に加え、この懸濁液にトリエチルアミ
ン 10.2g(0.0917モル)を加えて溶液が均一になるまで攪拌
した。この溶液に、デカノイルクロリド 18.3g(0.096モ
ル) をジクロロメタンが還流しない程度の速度で加え、
その後、4-ジメチルアミノピリジン 1.0g(0.0085モル)を
加え、室温で一晩攪拌した。反応混合物に、1N塩酸を加
え、エーテルで抽出した。エーテルを留去し得られた粗
生成物をヘキサンで洗浄した。乾燥し、目的のカルボン
酸 19.4g(収率85%) を得た。
【0028】(2) 4-アセトキシ-1-(1-メチルヘプチルオ
キシカルボニル)ベンゼンの製造。 4-アセトキシ安息香酸 10.8g(0.06モル)に塩化チオニル 6
0ml を加え、還流下で7時間反応させた。次に、過剰の
塩化チオニルを留去してから、ピリジン 10mlと1,2-オ
クタノール 5.24g(0.0402モル)とを滴下した。滴下後、1
昼夜室温で攪拌し、その後エーテル 200mlで希釈して、
有機層を希塩酸、1N水酸化ナトリウム水溶液、水の順で
洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して
粗製の目的物をヘキサン/酢酸エチルを溶媒とするシリ
カゲルカラムクロマトで精製して目的物 10.6g (収率90
%)を得た。
【0029】(3) 4-ヒドロキシ-1-(1-メチルヘプチルオ
キシカルボニル)ベンゼンの製造。 上記(2) で得た化合物 10.6g(0.0361モル)を、エタノール
250mlに溶解させて、ベンジルアミン 7.74g(0.0772モル)
を滴下した。室温で1昼夜攪拌した後、エーテル 300ml
で希釈して、希塩酸、水の順で洗浄し、硫酸マグネシウ
ムで乾燥した。溶媒を留去してから、シリカゲルカラム
クロマトグラフィーで単離精製し、目的物 8.9g(収率98
%) を得た。
【0030】(4) 4-(1-メチルヘプチルキシルオキシカ
ルボニルフェニル)=4-n-デカノイルオキシベンゾエート
の製造。 上記(3) で得た化合物 3.1 ミリモルに、塩化チオニル
15ml を加え、5時間加熱還流した。過剰の塩化チオニ
ルを留去した後、ピリジン 2ml、上記(3) で得た化合物
2.12 ミリモルを加え、室温で10時間反応させた。反応
終了後、エーテル 300mlで希釈し、希塩酸、1N炭酸ナト
リウム水溶液、水の順で洗浄して、有機層を硫酸マグネ
シウムで乾燥した。次に、溶媒を留去し、シリカゲルク
ロマトグラフィーで単離し、目的物 0.96g(収率87%)
を得た。
【0031】実施例2〜7 (式(1): m=9, X1, X2, Y1=H, Y2=F, n=6 (E2)) 3-
フルオロ-4-(1-メチルヘプチルオキシカルボニル)フェ
ニル=4-デカノイルオキシベンゾエート、 (式(1): m=9, X1, Y2, Y1=H, X2=F, n=6 (E3)) 4
-(1-メチルヘプチルオキシカルボニル)フェニル=2-フ
ルオロ−4-デカノイルオキシベンゾエート、 (式(1): m=9, X2, Y1, Y2=H, X1=F, n=6 (E4)) 4
-(1-メチルヘプチルオキシカルボニル)フェニル=3-フ
ルオロ−4-デカノイルオキシベンゾエート、 (式(1): m=9, X1, X2, Y2=H, Y1=F, n=6 (E5)) 2
- フルオロ-4-(1-メチルヘプチルオキシカルボニル)フ
ェニル=4-デカノイルオキシベンゾエート、 (式(1): m=9, X1, Y2=H, X2, Y1=F, n=6 (E6)) 2-
フルオロ-4-(1-メチルヘプチルオキシカルボニル)フェ
ニル=2-フルオロ−4-デカノイルオキシベンゾエート、
および (式(1): m=9, X1, Y1=H, X2, Y2=F, n=6 (E7)) 2-
フルオロ-4-(1-メチルヘプチルオキシカルボニル)フェ
ニル=3-フルオロ−4-デカノイルオキシベンゾエートの
製造。
【0032】ベンゼン環に置換されたp-ヒドロキシ安息
香酸、4-アセトキシ安息香酸を適宜用いる他は、実施例
1に準じて目的化合物を合成した。実施例1〜7で得た
目的物の1H-NMRデーター、融点を表1にその式を化4に
示した。
【0033】
【化4】
【0034】
【表1】 実施例No& 化学シフト 融点 化合物略号 1H 2H 3H 4H 5H 6H 7H 8H (℃) 1 E1 2.6 7.3 8.1 7.3 8.2 5.2 2 E2 2.6 7.3 8.1 7.3 8.2 5.2 3 E3 2.6 7.0 7.0 8.2 7.3 8.2 5.2 4 E4 2.6 7.3 8.0 8.0 7.3 8.2 5.2 5 E5 2.6 7.2 8.3 7.4 7.9 7.9 5.2 6 E6 2.6 7.0 7.0 8.2 7.4 7.9 7.9 5.2 7 E7 2.6 7.1 7.1 8.2 7.1 7.1 8.0 5.2
【0035】比較例1 下記化学式で示される反強誘電性液晶(2A, 2B)を70/30
(モル比) の割合で混合し、反強誘電性液晶組成物を得
た。得られた組成物の相系列を表2に示した。 2A : C9H19O-Ph-Ph-COO-Ph(3F)-COO-C*H(CF3)(CH2)5OC2
H5 2B : C8H17O-Ph-Ph-COO-Ph(3F)-COO-C*H(CH3)C5H11 この反強誘電性液晶組成物に、60℃で三角波電圧を印加
したときの、印加電圧に対する光学応答ヒステリシスは
図4のようであり、大きなヒステリシスの歪みが観測さ
れた。また、この液晶組成物の60℃での自発分極、反強
誘電状態から強誘電状態へ転移するときの応答時間を求
めた。結果を表3に示した。
【0036】光学応答ヒステリシス、応答時間及び自発
分極は次のようにして求めた。ラビング処理したポリイ
ミド薄膜(30nm)を有する ITO電極付の液晶セル(セル厚
2μm)に、液晶組成物を等方相の状態で充填した。こ
のセルを、毎分 1.0℃で徐冷して、液晶を配向させた。
セルを直交する偏向板間に液晶の層方向がアナライザー
またはポラライザーと平行になるように設置し、セルに
±25V, 30mHzの三角波電圧を印加して、透過光量の変化
をフォトマルチプライヤーにより測定し、光学応答履歴
を求めた。反強誘電状態から強誘電状態へ変化する時の
応答時間は、60℃で25V, 10Hz の電圧を印加し、光透過
率が最大を 100%、最小を0%とし、10%から90%に変
化するに要する時間と定義して求めた。また、自発分極
は、60℃で、25V の三角波を印加して分極反転電流を測
定することによって求めた。
【0037】比較例2 比較例1で用いた反強誘電性液晶(2A, 2B)に、さらに下
記の化学式で示される光学活性化合物(3A)を 2A/2B/3A=
60/20/20 (モル比) で混合して、比較例1と同様にし
て、相系列、光学応答ヒステリシス、自発分極、応答時
間を求めた。結果を表2、3に示した。 3A : C9H19-COO-Ph-COO-Ph(3F)-COO-C*H(CH3)C6H13 (R体) また、光学応答ヒステリシスは図4に示した。図から明
らかなように、光学ヒステリシスは3Aを添加すること
によって、改善されているが、応答速度が遅くなってし
まった。
【0038】実施例8 反強誘電性液晶(2A, 2B)に、実施例5で得たラセミ化合
物(E5)を 2A/2B/E5=56/24/20 (モル比) で混合して、比
較例1と同様にして、相系列、光学応答ヒステリシス、
自発分極、応答時間を求めた。結果を表2、3に示し
た。また、光学応答ヒステリシスは図5に示した。図か
ら明らかなように、光学ヒステリシスは改善され、自発
分極は約半分になったにも拘らず高速応答性を示した。
【0039】
【表2】相 系 列 実施例8 Cr(<-10)SCA*(73)SA(88)I 比較例1 Cr(<-10)SCA*(95)SC*(97)SA(105)I比較例2 Cr(<-10)SCA*(74)SC*(75)SA(87)I 表中の () 内の数字は転移温度 (単位: ℃) であり、Cr
は結晶相、SCA*は反強誘電相、SC* は強誘電相、SAはス
メクチックA相、Iは等方相を示す。
【0040】
【表3】 自発分極(nc/cm2) 応答時間 (μ秒) 実施例8 93 70 比較例1 172 53比較例2 114 123
【図面の簡単な説明】
【図1】反強誘電性液晶素子に関する等価回路を説明す
る図。
【図2】配向膜が存在しないときの急峻性に関するシュ
ミレーション結果を示す図。
【図3】配向膜が存在するときの急峻性に関するシュミ
レーション結果を示す図。
【図4】比較例1と比較例2における光学応答を示す
図。矢印が付いているヒステリシスが比較例2の光学応
答であり、無印は、比較例1の光学応答である。
【図5】比較例1と実施例8における光学応答を示す
図。矢印が付いているヒステリシスが実施例8の光学応
答であり、無印は、比較例1の光学応答である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 城野 正博 茨城県つくば市和台22番地 三菱瓦斯化学 株式会社総合研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) で表されるラセミ化合
    物。 【化1】 (式中、mは6〜12の整数、nは4〜8の整数、X1, X2
    はH原子又はいずれか一方がF原子、Y1, Y2はH原子又
    はいずれか一方がF原子である。)
  2. 【請求項2】 該一般式(1) のmが9である請求項1記
    載のラセミ化合物。
  3. 【請求項3】 該一般式(1) のnが6である請求項1記
    載のラセミ化合物。
  4. 【請求項4】 下記一般式(1) で表されるラセミ化合物
    を、下記一般式(2)で示される反強誘電性液晶化合物の
    1種或いは2種以上の混合物に添加してなる反強誘電性
    液晶組成物。 【化2】 (式(1) において、mは6〜12の整数、nは4〜8の整
    数、X1, X2はH原子又はいずれか一方がF原子、Y1, Y2
    はH原子又はいずれか一方がF原子であり、 式(2) において、Rは炭素数6〜12の直鎖アルキル基、
    ZはF原子又はH原子、Aは-CH3又は-CF3、rは0又は
    1であり、Aが-CH3のとき、rが0でpが4〜10の整
    数、Aが-CF3のとき、rが0でpは6〜8の整数、また
    はAが-CF3のとき、rが1でsは5〜8の整数、pは2
    もしくは4の整数である。)
  5. 【請求項5】 該一般式(2) において、Aが-CF3、rが
    1、sが5〜8の整数である請求項4記載の反強誘電性
    液晶組成物。
  6. 【請求項6】 該一般式(2) において、Aが-CH3、rが
    0、p=4〜6である請求項4記載の反強誘電性液組成
    物。
  7. 【請求項7】 該一般式(1) で表されるラセミ化合物が
    反強誘電性液晶組成物の 1〜60モル%である請求項4記
    載の反強誘電性液晶組成物。
  8. 【請求項8】 反強誘電相よりも高温側に少なくともス
    メクチックA相を有し、反強誘電相の上限温度が40℃以
    上で下限温度が0℃以下である請求項4記載の反強誘電
    性液晶組成物。
  9. 【請求項9】 請求項4に記載の反強誘電性液晶組成物
    を、一対の電極基板間に配置してなる反強誘電性液晶表
    示素子。
JP8241921A 1996-09-12 1996-09-12 ラセミ化合物及びそれを含む反強誘電性液晶組成物 Withdrawn JPH1087570A (ja)

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