JPH10204035A - ラセミ化合物及びそれを含む反強誘電性液晶組成物 - Google Patents
ラセミ化合物及びそれを含む反強誘電性液晶組成物Info
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- JPH10204035A JPH10204035A JP9012522A JP1252297A JPH10204035A JP H10204035 A JPH10204035 A JP H10204035A JP 9012522 A JP9012522 A JP 9012522A JP 1252297 A JP1252297 A JP 1252297A JP H10204035 A JPH10204035 A JP H10204035A
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- antiferroelectric
- integer
- antiferroelectric liquid
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 急峻性の改良された反強誘電性液晶組成物を
得る。 【解決手段】 下記一般式(1) で表されるラセミ化合
物、並びに該ラセミ化合物を、下記一般式(2) で示され
る反強誘電性液晶化合物の1種或いは2種以上の混合物
に添加してなる反強誘電性液晶組成物。 【化1】 (式(1) において、mは 3〜12の整数、nは 3〜8 の整
数であり、式(2) において、Rは炭素数 6〜12の直鎖ア
ルキル基、ZはF原子又はH原子、Aは CH3又はCF3 、
rは0又は1であり、AがCH3 のとき、rが0でpが4
〜10の整数、AがCF3 のとき、rが0でpは 6〜8 の整
数、またはAがCF3 のとき、rが1でsは5〜8の整
数、pは2もしくは4の整数である。) 【効果】 新規な反強誘電性液晶組成物を提供できた。
そして、本発明により提供された新規な反強誘電性液晶
組成物は、急峻性に優れかつ広い温度範囲で反強誘電相
を有し、高速応答を示し、そのため表示品質の高い反強
誘電性液晶表示素子を実現できる。
得る。 【解決手段】 下記一般式(1) で表されるラセミ化合
物、並びに該ラセミ化合物を、下記一般式(2) で示され
る反強誘電性液晶化合物の1種或いは2種以上の混合物
に添加してなる反強誘電性液晶組成物。 【化1】 (式(1) において、mは 3〜12の整数、nは 3〜8 の整
数であり、式(2) において、Rは炭素数 6〜12の直鎖ア
ルキル基、ZはF原子又はH原子、Aは CH3又はCF3 、
rは0又は1であり、AがCH3 のとき、rが0でpが4
〜10の整数、AがCF3 のとき、rが0でpは 6〜8 の整
数、またはAがCF3 のとき、rが1でsは5〜8の整
数、pは2もしくは4の整数である。) 【効果】 新規な反強誘電性液晶組成物を提供できた。
そして、本発明により提供された新規な反強誘電性液晶
組成物は、急峻性に優れかつ広い温度範囲で反強誘電相
を有し、高速応答を示し、そのため表示品質の高い反強
誘電性液晶表示素子を実現できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なラセミ化合物及
びそれを含む新規な反強誘電性液晶組成物並びにそれを
用いた液晶表示素子に関する。
びそれを含む新規な反強誘電性液晶組成物並びにそれを
用いた液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、低電圧作動性、低消費
電力性、薄型表示が可能であることにより、現在までに
各種の小型表示素子に利用されてきた。更に、最近では
情報、OA関連機器分野或いはテレビ分野への液晶表示
素子の本格的な応用がなされつつあると同時に、それら
以外の様々な用途に使用されるようになってきている。
このようなことから、液晶表示素子は、これまでのCRT
表示素子を上回る表示容量、表示品質を持つより高性能
な大型液晶表示素子の実現に向けた開発が精力的に行わ
れている。
電力性、薄型表示が可能であることにより、現在までに
各種の小型表示素子に利用されてきた。更に、最近では
情報、OA関連機器分野或いはテレビ分野への液晶表示
素子の本格的な応用がなされつつあると同時に、それら
以外の様々な用途に使用されるようになってきている。
このようなことから、液晶表示素子は、これまでのCRT
表示素子を上回る表示容量、表示品質を持つより高性能
な大型液晶表示素子の実現に向けた開発が精力的に行わ
れている。
【0003】現在の液晶表示素子に使用されている液晶
はネマチック液晶であるが、駆動方式から単純マトリッ
クス駆動液晶素子とアクティブマトリックス駆動液晶素
子の2つに分類される。単純マトリックス駆動方式の液
晶表示素子は、構造が簡単であるので、コスト的に有利
に製造できる。しかしながら、クロストーク現象のた
め、コントラストが低い、大容量駆動が困難である、応
答時間が遅いので動画表示が困難であるなどの問題があ
り、大型で動画表示可能な液晶表示素子の実現のために
は多くの技術的なブレークスルーが必要である。
はネマチック液晶であるが、駆動方式から単純マトリッ
クス駆動液晶素子とアクティブマトリックス駆動液晶素
子の2つに分類される。単純マトリックス駆動方式の液
晶表示素子は、構造が簡単であるので、コスト的に有利
に製造できる。しかしながら、クロストーク現象のた
め、コントラストが低い、大容量駆動が困難である、応
答時間が遅いので動画表示が困難であるなどの問題があ
り、大型で動画表示可能な液晶表示素子の実現のために
は多くの技術的なブレークスルーが必要である。
【0004】一方、アクティブマトリックス駆動液晶素
子は、TFT(薄膜トランジスター) 方式が主流であるが、
画素毎に薄膜トランジスターを形成する必要があり、高
い生産技術と生産ライン構築のために多額の資本投下が
必要であり、単純マトリックス駆動方式に比べて、コス
ト的にははるかに不利である。しかしながら、単純マト
リックス駆動方式で問題になっているクロスストーク現
象が少ないために、コントラストが高く、又応答速度も
速いので、動画表示可能な高画質の液晶素子を実現でき
る。このため、アクティブマトリックス駆動方式のう
ち、 TFT方式が液晶素子としては主流になりつつある。
子は、TFT(薄膜トランジスター) 方式が主流であるが、
画素毎に薄膜トランジスターを形成する必要があり、高
い生産技術と生産ライン構築のために多額の資本投下が
必要であり、単純マトリックス駆動方式に比べて、コス
ト的にははるかに不利である。しかしながら、単純マト
リックス駆動方式で問題になっているクロスストーク現
象が少ないために、コントラストが高く、又応答速度も
速いので、動画表示可能な高画質の液晶素子を実現でき
る。このため、アクティブマトリックス駆動方式のう
ち、 TFT方式が液晶素子としては主流になりつつある。
【0005】しかしながら、10〜20インチサイズの大型
液晶素子の開発が行われている現在、ネマチック液晶を
用いる素子の宿命である視野角依存性の問題が極めて重
大な問題となってきている。視野角依存性の解決のため
に、様々な技術的検討が行われ、左右 140度ぐらいまで
階調反転が起こらずに表示できるようになってきた。し
かしながら、依然としてコントラストの視野角依存性は
大きく、CRTの様な視野角に対する平坦なコントラス
ト特性は得られていないのが現状である。
液晶素子の開発が行われている現在、ネマチック液晶を
用いる素子の宿命である視野角依存性の問題が極めて重
大な問題となってきている。視野角依存性の解決のため
に、様々な技術的検討が行われ、左右 140度ぐらいまで
階調反転が起こらずに表示できるようになってきた。し
かしながら、依然としてコントラストの視野角依存性は
大きく、CRTの様な視野角に対する平坦なコントラス
ト特性は得られていないのが現状である。
【0006】このような状況の中で、高速液晶表示素子
として注目されているのが、強誘電性液晶を用いた液晶
表示素子である。クラークとラガバールにより発表され
た表面安定化型強誘電性液晶(SSFLC) 素子は、その従来
にない速い応答速度と広い視野角を有することが注目さ
れ、そのスイッチング特性について詳細に検討が行わ
れ、種々の物性定数を最適化するために、多くの強誘電
性液晶が合成された。又、実用素子の実現にあたって
は、配向制御の困難さによるメモリー性の実現、層構造
の制御、機械的衝撃による配向破壊の問題など幾多の技
術的困難があったが、それらを克服して製品化が果たさ
れた。しかしながら、強誘電性液晶素子は原理的に階調
表示ができないことから、カラー表示ができないこと、
高速応答が実現されておらずそのために動画表示が困難
であるなどの問題を抱えている。
として注目されているのが、強誘電性液晶を用いた液晶
表示素子である。クラークとラガバールにより発表され
た表面安定化型強誘電性液晶(SSFLC) 素子は、その従来
にない速い応答速度と広い視野角を有することが注目さ
れ、そのスイッチング特性について詳細に検討が行わ
れ、種々の物性定数を最適化するために、多くの強誘電
性液晶が合成された。又、実用素子の実現にあたって
は、配向制御の困難さによるメモリー性の実現、層構造
の制御、機械的衝撃による配向破壊の問題など幾多の技
術的困難があったが、それらを克服して製品化が果たさ
れた。しかしながら、強誘電性液晶素子は原理的に階調
表示ができないことから、カラー表示ができないこと、
高速応答が実現されておらずそのために動画表示が困難
であるなどの問題を抱えている。
【0007】これとは別の高速液晶表示素子として、SS
FLC と異なるスイッチング機構の素子の開発が行われて
いる。反強誘電相を有する液晶物質 (以下、反強誘電性
液晶物質と呼ぶ) の三安定状態間のスイッチングを利用
する液晶素子である(Japanese Journal of Applied Phy
sics, vol. 27. pp. L729, (1988))。反強誘電性液晶素
子は、3つの安定な状態を有する。即ち、強誘電性液晶
素子で見られる、2つのユニフォーム状態(Ur, Ul)と第
三状態である。この第三状態が、反強誘電相であること
をChandaniらが報告している(Japanese Journal of App
lied Physics、vol.28. pp.L1261, (1989)および同vol.
28. pp. L1265, (19899)) 。
FLC と異なるスイッチング機構の素子の開発が行われて
いる。反強誘電相を有する液晶物質 (以下、反強誘電性
液晶物質と呼ぶ) の三安定状態間のスイッチングを利用
する液晶素子である(Japanese Journal of Applied Phy
sics, vol. 27. pp. L729, (1988))。反強誘電性液晶素
子は、3つの安定な状態を有する。即ち、強誘電性液晶
素子で見られる、2つのユニフォーム状態(Ur, Ul)と第
三状態である。この第三状態が、反強誘電相であること
をChandaniらが報告している(Japanese Journal of App
lied Physics、vol.28. pp.L1261, (1989)および同vol.
28. pp. L1265, (19899)) 。
【0008】このような三安定状態間のスイッチング
が、反強誘電性液晶素子の第一の特徴である。反強誘電
性液晶の第二の特徴は、印加電圧に対して明確なしきい
値が存在することである。更に、適当なバイアス電圧を
設定することにより、メモリー性を持たせることができ
る。これが第三の特徴である。又、第4の特徴として、
層構造が、電界により容易にスイッチングすることがあ
げられる(Japanese Journal of Applied Physics、vol.
28. pp.L119, (1989)、同 vol.29. pp.L111, (1990))
。この事により、欠陥が少なく、配向の自己修復能力
のある液晶表示素子の作製が可能となる。以上の様な特
徴を利用することにより、応答速度が速く、コントラス
トに優れた液晶素子を実現できる。
が、反強誘電性液晶素子の第一の特徴である。反強誘電
性液晶の第二の特徴は、印加電圧に対して明確なしきい
値が存在することである。更に、適当なバイアス電圧を
設定することにより、メモリー性を持たせることができ
る。これが第三の特徴である。又、第4の特徴として、
層構造が、電界により容易にスイッチングすることがあ
げられる(Japanese Journal of Applied Physics、vol.
28. pp.L119, (1989)、同 vol.29. pp.L111, (1990))
。この事により、欠陥が少なく、配向の自己修復能力
のある液晶表示素子の作製が可能となる。以上の様な特
徴を利用することにより、応答速度が速く、コントラス
トに優れた液晶素子を実現できる。
【0009】更に、強誘電性液晶では殆ど不可能である
階調表示が反強誘電性液晶では可能であることが実証さ
れ、フルカラー化への道が開け、一層反強誘電性液晶の
重要性が増してきている(第4回強誘電性液晶国際会議
予稿集、77頁、(1993)) 。以上のようなことから反強誘
電性液晶表示素子の実現に向けて、精力的に開発が進め
られているが、開発を進めていく中で、現在次の様な問
題が起きている。
階調表示が反強誘電性液晶では可能であることが実証さ
れ、フルカラー化への道が開け、一層反強誘電性液晶の
重要性が増してきている(第4回強誘電性液晶国際会議
予稿集、77頁、(1993)) 。以上のようなことから反強誘
電性液晶表示素子の実現に向けて、精力的に開発が進め
られているが、開発を進めていく中で、現在次の様な問
題が起きている。
【0010】反強誘電性液晶を表示素子とする場合、通
常は絶縁膜、配向膜が塗られた2枚のガラス基板の間に
反強誘電性液晶が挟持される。絶縁膜は基板間における
短絡を防止するために設ける必要があり、短絡を完全に
防止するためにある一定の膜厚が必要となる。又、配向
膜は液晶分子を一定の方向に並べるために必要であり、
液晶分子が並ぶ時に生じる配向欠陥をできるだけ少なく
するために、やはり或一定の膜厚が必要である。このよ
うにして形成された液晶素子に電圧を印加した場合、絶
縁膜、配向膜が薄い場合或いは絶縁膜、配向膜がない場
合には、反強誘電状態から強誘電状態への相転移は印加
電圧に対して急峻に起こる。しかしながら、実用上必要
とされる、絶縁膜と配向膜の膜厚下では、反強誘電状態
から強誘電状態への印加電圧に対して相転移は緩やかに
起こる。
常は絶縁膜、配向膜が塗られた2枚のガラス基板の間に
反強誘電性液晶が挟持される。絶縁膜は基板間における
短絡を防止するために設ける必要があり、短絡を完全に
防止するためにある一定の膜厚が必要となる。又、配向
膜は液晶分子を一定の方向に並べるために必要であり、
液晶分子が並ぶ時に生じる配向欠陥をできるだけ少なく
するために、やはり或一定の膜厚が必要である。このよ
うにして形成された液晶素子に電圧を印加した場合、絶
縁膜、配向膜が薄い場合或いは絶縁膜、配向膜がない場
合には、反強誘電状態から強誘電状態への相転移は印加
電圧に対して急峻に起こる。しかしながら、実用上必要
とされる、絶縁膜と配向膜の膜厚下では、反強誘電状態
から強誘電状態への印加電圧に対して相転移は緩やかに
起こる。
【0011】反強誘電性液晶の駆動は、メモリー効果を
出すために書き込みのための電圧を印加した後、書き込
み電圧より低い電圧の保持電圧を或一定時間印加し続け
る。前記のように反強誘電状態から強誘電状態へ相転移
が印加電圧に対して緩やかに起こるような場合、すなわ
ち、急峻性の乏しい液晶素子では、選択できる保持電圧
の範囲が極めて狭くなり、極端な場合、保持電圧を設定
できず、メモリー性を確保できなくなる。この事は、反
強誘電性液晶素子が成立しなくなることを意味し、重大
な問題となる。更に、急峻性の低い素子ほど選択できる
保持電圧の幅は狭く、いわゆる駆動マージンが低下して
しまう。従って、実用素子としては急峻性の高い素子で
あることが必要であり、そのような急峻性を与える液晶
材料が求められる様になってきている。
出すために書き込みのための電圧を印加した後、書き込
み電圧より低い電圧の保持電圧を或一定時間印加し続け
る。前記のように反強誘電状態から強誘電状態へ相転移
が印加電圧に対して緩やかに起こるような場合、すなわ
ち、急峻性の乏しい液晶素子では、選択できる保持電圧
の範囲が極めて狭くなり、極端な場合、保持電圧を設定
できず、メモリー性を確保できなくなる。この事は、反
強誘電性液晶素子が成立しなくなることを意味し、重大
な問題となる。更に、急峻性の低い素子ほど選択できる
保持電圧の幅は狭く、いわゆる駆動マージンが低下して
しまう。従って、実用素子としては急峻性の高い素子で
あることが必要であり、そのような急峻性を与える液晶
材料が求められる様になってきている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】実用上、反強誘電性液
晶は、上述したように急峻性の高い材料であることが好
ましい。液晶素子の急峻性は、絶縁膜と配向膜との膜厚
に大きく関係していることが実験的に認められていた。
この事が、どのような因子によって説明できるのか考察
した。なお、本考察においては、絶縁膜、配向膜両者を
合わせて配向膜という。図1に反強誘電性液晶を印加電
圧に応じて分極反転電流を発生する電流源、配向膜を液
晶と直列につながれた静電容量C、駆動回路を理想的な
電圧源とした等価回路を示した。
晶は、上述したように急峻性の高い材料であることが好
ましい。液晶素子の急峻性は、絶縁膜と配向膜との膜厚
に大きく関係していることが実験的に認められていた。
この事が、どのような因子によって説明できるのか考察
した。なお、本考察においては、絶縁膜、配向膜両者を
合わせて配向膜という。図1に反強誘電性液晶を印加電
圧に応じて分極反転電流を発生する電流源、配向膜を液
晶と直列につながれた静電容量C、駆動回路を理想的な
電圧源とした等価回路を示した。
【0013】次に、素子に印加される駆動電圧をVex、
分極反転電流が充電されて、配向膜の上下に発生する電
圧をVc 、液晶に実際に印加される有効な電圧をVeff
、液晶の自発分極をP、液晶素子の電極面積をS、配
向膜の厚さをd’、配向膜の誘電率をε’とする。Vc
は次のようになる。 (1): Vc = PS/C = PSd'/(Sε')= P(d'/ε') これからVeff は次の式で表される。 (2): Veff = Vex−Vc = Vex− P(d'/ε') 式(2) から明らかに様に、実際に液晶に印加される電圧
は液晶の分極Pと配向膜の厚さd'及び配向膜の誘電率の
逆数1/ε’の積だけ,外部より印加した電圧よりも減少
する。
分極反転電流が充電されて、配向膜の上下に発生する電
圧をVc 、液晶に実際に印加される有効な電圧をVeff
、液晶の自発分極をP、液晶素子の電極面積をS、配
向膜の厚さをd’、配向膜の誘電率をε’とする。Vc
は次のようになる。 (1): Vc = PS/C = PSd'/(Sε')= P(d'/ε') これからVeff は次の式で表される。 (2): Veff = Vex−Vc = Vex− P(d'/ε') 式(2) から明らかに様に、実際に液晶に印加される電圧
は液晶の分極Pと配向膜の厚さd'及び配向膜の誘電率の
逆数1/ε’の積だけ,外部より印加した電圧よりも減少
する。
【0014】次に液晶セルに充填された液晶層の厚さを
dとすると、液晶に実際に印加される電場Eeff は次式
で表される。 (3): Eeff = Veff/d また、見かけの電場強度Eexは次の式で表される。 (4): Eex=Vex/d= (Veff+Vc)/d= Veff/d + P
(d'/ε')/d=Eeff+αP ここで α=d'/(ε'd) (5) 式(4) において、配向膜が存在しない場合は第2項は0
となりEex=Eeff となる。
dとすると、液晶に実際に印加される電場Eeff は次式
で表される。 (3): Eeff = Veff/d また、見かけの電場強度Eexは次の式で表される。 (4): Eex=Vex/d= (Veff+Vc)/d= Veff/d + P
(d'/ε')/d=Eeff+αP ここで α=d'/(ε'd) (5) 式(4) において、配向膜が存在しない場合は第2項は0
となりEex=Eeff となる。
【0015】反強誘電性液晶は、印加電圧に対してその
光学応答はヒステリシスを描くが、そのヒステリスに対
して4個のしきい値が考えられる。それぞれのしきい値
はEeff(=Eex) となり、この場合のしきい値は電場に
対しては傾かない。この様子を図2に示した。配向膜が
存在する場合は、式(4) を変形して次の式を得る。 (6): Eeff =Eex−αP すなわち、液晶にかかる有効電場は、印加電場Eexより
もα・Pの分だけ減少している。即ち、図3に示すよう
にα・Pの寄与により大きくヒステリシスが歪むことに
なる。
光学応答はヒステリシスを描くが、そのヒステリスに対
して4個のしきい値が考えられる。それぞれのしきい値
はEeff(=Eex) となり、この場合のしきい値は電場に
対しては傾かない。この様子を図2に示した。配向膜が
存在する場合は、式(4) を変形して次の式を得る。 (6): Eeff =Eex−αP すなわち、液晶にかかる有効電場は、印加電場Eexより
もα・Pの分だけ減少している。即ち、図3に示すよう
にα・Pの寄与により大きくヒステリシスが歪むことに
なる。
【0016】以上の考察から、ヒステリシスの歪の大き
な原因は自発分極と配向膜の相互作用によるものである
と言える。したがって、ヒステリシスに歪みを低減した
液晶素子を得るためには、相互作用をできるだけ減らす
ことである。そのための具体策としては、式(5) 、(6)
から明らかなように誘電率の高い配向膜を用いる、配向
膜を薄くする、液晶の自発分極を小さくすることなどが
あげられる。このうち、誘電率の高い配向膜材料を選択
することはなかなか困難である。そのため、配向膜を薄
くする、液晶材料の自発分極を小さくするなどが具体的
な対策となる。
な原因は自発分極と配向膜の相互作用によるものである
と言える。したがって、ヒステリシスに歪みを低減した
液晶素子を得るためには、相互作用をできるだけ減らす
ことである。そのための具体策としては、式(5) 、(6)
から明らかなように誘電率の高い配向膜を用いる、配向
膜を薄くする、液晶の自発分極を小さくすることなどが
あげられる。このうち、誘電率の高い配向膜材料を選択
することはなかなか困難である。そのため、配向膜を薄
くする、液晶材料の自発分極を小さくするなどが具体的
な対策となる。
【0017】一般的に、反強誘電性液晶の自発分極はか
なり大きく、比較的諸物性に優れた液晶材料のそれは 2
00nc/cm2以上である。このため、配向膜の膜厚をかなり
薄くしないと、ヒステリシスの歪みが相当大きくなって
しまう。しかし、配向膜の膜厚を薄くすると、液晶分子
の配向状態が不良になりコントラストが確保できないと
いう問題が生じてくる。従って、配向膜を薄くしてヒス
テリシスの歪みを是正するという手段は、かなりの制限
を受けることになる。
なり大きく、比較的諸物性に優れた液晶材料のそれは 2
00nc/cm2以上である。このため、配向膜の膜厚をかなり
薄くしないと、ヒステリシスの歪みが相当大きくなって
しまう。しかし、配向膜の膜厚を薄くすると、液晶分子
の配向状態が不良になりコントラストが確保できないと
いう問題が生じてくる。従って、配向膜を薄くしてヒス
テリシスの歪みを是正するという手段は、かなりの制限
を受けることになる。
【0018】一方、液晶材料の自発分極は、まったく自
発分極を持たない適当な化合物を混合することによっ
て、即ち、希釈することによって下げるという手段をと
らざるを得ない。しかしながら、液晶の応答速度は印加
電圧と自発分極の積で決まるので、適当な化合物の混合
によって単純に自発分極を下げた場合は、応答速度が低
下してしまうという新たな問題が発生する。このため、
ヒステリシスの低減された素子を得るために、自発分極
が小さくかつしきい値電圧が小さく、粘性の低い反強誘
電性液晶を開発が試みられてきたが、十分な成果が得ら
れていないのが実情である。
発分極を持たない適当な化合物を混合することによっ
て、即ち、希釈することによって下げるという手段をと
らざるを得ない。しかしながら、液晶の応答速度は印加
電圧と自発分極の積で決まるので、適当な化合物の混合
によって単純に自発分極を下げた場合は、応答速度が低
下してしまうという新たな問題が発生する。このため、
ヒステリシスの低減された素子を得るために、自発分極
が小さくかつしきい値電圧が小さく、粘性の低い反強誘
電性液晶を開発が試みられてきたが、十分な成果が得ら
れていないのが実情である。
【0019】本発明はこの様な観点からなされたもので
あり、反強誘電性液晶素子におけるヒステリシスの歪み
を少なくするために自発分極を小さくする手段として、
適当な化学構造を有するラセミ化合物を添加することに
よって、応答速度を低下させず、自発分極を低下するこ
とができ、かつこの混合物を用いて液晶素子を形成した
とき、ヒステリシスの歪みの少ない液晶素子が得られる
ことを見いだし本発明を完成したものである。
あり、反強誘電性液晶素子におけるヒステリシスの歪み
を少なくするために自発分極を小さくする手段として、
適当な化学構造を有するラセミ化合物を添加することに
よって、応答速度を低下させず、自発分極を低下するこ
とができ、かつこの混合物を用いて液晶素子を形成した
とき、ヒステリシスの歪みの少ない液晶素子が得られる
ことを見いだし本発明を完成したものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は下記
一般式(1) で表されるラセミ化合物である。該一般式
(1) のmが 3〜10であるラセミ化合物が好ましい反強誘
電性液晶組成物を与える。また、本発明は、下記一般式
(1) で表されるラセミ化合物を、下記一般式(2)で示さ
れる反強誘電性液晶化合物の1種或いは2種以上の混合
物に添加してなる反強誘電性液晶組成物である。該一般
式(2) において、Aが-CF3、rが1、sが5〜8の整数
である反強誘電性液晶化合物、該一般式(2) において、
Aが-CH3、rが0、p=4〜6である反強誘電性液晶化
合物を選択することが諸物性のバランスの上から特に好
ましく、また、該一般式(1) で表されるラセミ化合物は
反強誘電性液晶組成物の 1〜60モル%である場合に、優
れた液晶組成物を得ることができる。特に、得られた反
強誘電性液晶組成物は、少なくともスメクチックA相を
有し、反強誘電相の温度範囲が0〜40℃であることが実
用上好ましい。そして、本発明においては、これらの反
強誘電性液晶組成物を、一対の電極基板間に配置してな
る反強誘電性液晶表示素子として好適に使用される。
一般式(1) で表されるラセミ化合物である。該一般式
(1) のmが 3〜10であるラセミ化合物が好ましい反強誘
電性液晶組成物を与える。また、本発明は、下記一般式
(1) で表されるラセミ化合物を、下記一般式(2)で示さ
れる反強誘電性液晶化合物の1種或いは2種以上の混合
物に添加してなる反強誘電性液晶組成物である。該一般
式(2) において、Aが-CF3、rが1、sが5〜8の整数
である反強誘電性液晶化合物、該一般式(2) において、
Aが-CH3、rが0、p=4〜6である反強誘電性液晶化
合物を選択することが諸物性のバランスの上から特に好
ましく、また、該一般式(1) で表されるラセミ化合物は
反強誘電性液晶組成物の 1〜60モル%である場合に、優
れた液晶組成物を得ることができる。特に、得られた反
強誘電性液晶組成物は、少なくともスメクチックA相を
有し、反強誘電相の温度範囲が0〜40℃であることが実
用上好ましい。そして、本発明においては、これらの反
強誘電性液晶組成物を、一対の電極基板間に配置してな
る反強誘電性液晶表示素子として好適に使用される。
【0021】
【化3】 (式(1) において、mは 3〜12の整数、nは 3〜8 の整
数であり、式(2) において、Rは炭素数 6〜12の直鎖ア
ルキル基、ZはF原子又はH原子、Aは-CH3又は-CF3、
rは0又は1であり、Aが-CH3のとき、rが0でpが4
〜10の整数、Aが-CF3のとき、rが0でpは6〜8の整
数、またはAが-CF3のとき、rが1でsは5〜8の整
数、pは2もしくは4の整数である。)
数であり、式(2) において、Rは炭素数 6〜12の直鎖ア
ルキル基、ZはF原子又はH原子、Aは-CH3又は-CF3、
rは0又は1であり、Aが-CH3のとき、rが0でpが4
〜10の整数、Aが-CF3のとき、rが0でpは6〜8の整
数、またはAが-CF3のとき、rが1でsは5〜8の整
数、pは2もしくは4の整数である。)
【0022】本発明の一般式(2) で示される反強誘電性
液晶化合物は、既に本発明者らが示した方法によって簡
便に製造することができる(特開平4-198155号)。例え
ば、一般式(2) において、A=CF3, p=2, r=1, s=5の場合
を例示すれば、次のような方法によって製造される。 (イ) AcO-Ph(Z)-COOH + SOCl2 → AcO-Ph(Z)-COCl (ロ) (イ) + HOC*H(CF3)(CH2)5OC2H5 → AcO-Ph(Z)-COOC*H(CF3)(CH2)5OC2H5 (ハ) (ロ) + Ph-CH2NH2 → HO-Ph(Z)-COOC*H(CF3)(CH2)5OC2H5 (ニ) RO-Ph-Ph-COOH + SOCl2 → RO-Ph-Ph-COCl (ホ) (ロ) + (ニ) → 反強誘電性液晶 式中の AcO- はアセチル基、-Ph(Z)- はF置換していて
もよい1,4-フェニレン基、Phはフェニル基、-Ph-は1,4-
フェニレン基、C*は不斉炭素を示す。
液晶化合物は、既に本発明者らが示した方法によって簡
便に製造することができる(特開平4-198155号)。例え
ば、一般式(2) において、A=CF3, p=2, r=1, s=5の場合
を例示すれば、次のような方法によって製造される。 (イ) AcO-Ph(Z)-COOH + SOCl2 → AcO-Ph(Z)-COCl (ロ) (イ) + HOC*H(CF3)(CH2)5OC2H5 → AcO-Ph(Z)-COOC*H(CF3)(CH2)5OC2H5 (ハ) (ロ) + Ph-CH2NH2 → HO-Ph(Z)-COOC*H(CF3)(CH2)5OC2H5 (ニ) RO-Ph-Ph-COOH + SOCl2 → RO-Ph-Ph-COCl (ホ) (ロ) + (ニ) → 反強誘電性液晶 式中の AcO- はアセチル基、-Ph(Z)- はF置換していて
もよい1,4-フェニレン基、Phはフェニル基、-Ph-は1,4-
フェニレン基、C*は不斉炭素を示す。
【0023】上記製造法について、以下に簡単に説明す
る。(イ)はフッ素置換あるいは無置換のp−アセトキシ
安息香酸の塩化チオニルによる塩素化反応である。(ロ)
は塩素化物(イ) とアルコールとの反応によるエステル化
である。(ハ)はエステル(ロ) の脱アセチル化である。(ニ)
はアルキルオキシビフェニルカルボン酸の塩素化反応で
ある。(ホ)はフェノール(ハ) と塩素化物(ニ) との反応に
よる液晶の生成である。
る。(イ)はフッ素置換あるいは無置換のp−アセトキシ
安息香酸の塩化チオニルによる塩素化反応である。(ロ)
は塩素化物(イ) とアルコールとの反応によるエステル化
である。(ハ)はエステル(ロ) の脱アセチル化である。(ニ)
はアルキルオキシビフェニルカルボン酸の塩素化反応で
ある。(ホ)はフェノール(ハ) と塩素化物(ニ) との反応に
よる液晶の生成である。
【0024】
【発明の効果】本発明は、新規なラセミ化合物と反強誘
電性液晶組成物を提供する事ができるものである。そし
て、本発明により提供された新規な反強誘電性液晶組成
物は、急峻性に優れかつ広い温度範囲で反強誘電相を有
し、高速応答を示し、そのため表示品質の高い反強誘電
性液晶表示素子を実現できる。
電性液晶組成物を提供する事ができるものである。そし
て、本発明により提供された新規な反強誘電性液晶組成
物は、急峻性に優れかつ広い温度範囲で反強誘電相を有
し、高速応答を示し、そのため表示品質の高い反強誘電
性液晶表示素子を実現できる。
【0025】
【実施例】次に、実施例及び比較例を掲げて本発明を更
に具体的に説明するが、本発明はもちろんこれに限定さ
れるものではない。 実施例1 (式(1) : m=9, n=3 (E1)) 3-フ
ルオロ-4-(1-メチルブチルオキシカルボニル)フェニル
=4-デカノイルオキシベンゾエートの製造。
に具体的に説明するが、本発明はもちろんこれに限定さ
れるものではない。 実施例1 (式(1) : m=9, n=3 (E1)) 3-フ
ルオロ-4-(1-メチルブチルオキシカルボニル)フェニル
=4-デカノイルオキシベンゾエートの製造。
【0026】(1) 4-デカノイルオキシ安息香酸の製造。 p-ヒドロキシ安息香酸 12.7g(0.0917モル)をジクロロ
メタン 150ml(ミリリットル)に加え、この懸濁液にトリエチル
アミン 10.2g (0.0917モル)を加えて溶液が均一になる
まで攪拌した。この溶液にデカノイルクロリド 18.3g
(0.096モル)をジクロロメタンが還流しない程度の速度
で加え、その後 4-ジメチルアミノピリジン 1.0g(0.00
85モル)を加え、室温で、一晩攪拌した。反応混合物
に、1N塩酸を加え、エーテルで抽出した。エーテルを留
去し得られた粗生成物をヘキサンで洗浄した。乾燥し、
目的のカルボン酸を19.4g(収率85%) 得た。
メタン 150ml(ミリリットル)に加え、この懸濁液にトリエチル
アミン 10.2g (0.0917モル)を加えて溶液が均一になる
まで攪拌した。この溶液にデカノイルクロリド 18.3g
(0.096モル)をジクロロメタンが還流しない程度の速度
で加え、その後 4-ジメチルアミノピリジン 1.0g(0.00
85モル)を加え、室温で、一晩攪拌した。反応混合物
に、1N塩酸を加え、エーテルで抽出した。エーテルを留
去し得られた粗生成物をヘキサンで洗浄した。乾燥し、
目的のカルボン酸を19.4g(収率85%) 得た。
【0027】(2) 4-アセトキシ−2-フルオロ-1-(1-メチ
ルブチルオキシカルボニル)ベンゼンの製造。 4-アセトキシ−2-フルオロ−安息香酸 10.8g(0.06モ
ル) に塩化チオニル 60mlを加え、還流下で7時間反応
させた。次に、過剰の塩化チオニルを留去してから、ピ
リジン 10ml と2-ペンタノール 3.5g(0.0402モル) とを
滴下した。滴下後、1昼夜室温で攪拌し、その後、エー
テル 200mlで希釈して、有機層を希塩酸、1N水酸化ナト
リウム水溶液、水の順で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾
燥した。溶媒を留去して、粗製の目的物をヘキサン/酢
酸エチルを溶媒とするシリカゲルカラムクロマトで精製
して目的物を10.8g(収率90%)得た。
ルブチルオキシカルボニル)ベンゼンの製造。 4-アセトキシ−2-フルオロ−安息香酸 10.8g(0.06モ
ル) に塩化チオニル 60mlを加え、還流下で7時間反応
させた。次に、過剰の塩化チオニルを留去してから、ピ
リジン 10ml と2-ペンタノール 3.5g(0.0402モル) とを
滴下した。滴下後、1昼夜室温で攪拌し、その後、エー
テル 200mlで希釈して、有機層を希塩酸、1N水酸化ナト
リウム水溶液、水の順で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾
燥した。溶媒を留去して、粗製の目的物をヘキサン/酢
酸エチルを溶媒とするシリカゲルカラムクロマトで精製
して目的物を10.8g(収率90%)得た。
【0028】(3) 2-フルオロ−4-ヒドロキシ-1-(1-メチ
ルブチルオキシカルボニル)ベンゼンの製造。 上記(2) で得た化合物 9.7g(0.0361モル) を、エタノー
ル 250mlに溶解させて、ベンジルアミン 7.7g(0.0772モ
ル)を滴下した。更に、室温で1昼夜攪拌した後、エー
テル 300mlで希釈して、希塩酸、水の順で洗浄し、硫酸
マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去してから、シリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーで単離精製し、目的物の
8.0g(0.0356モル、収率98%) を得た。
ルブチルオキシカルボニル)ベンゼンの製造。 上記(2) で得た化合物 9.7g(0.0361モル) を、エタノー
ル 250mlに溶解させて、ベンジルアミン 7.7g(0.0772モ
ル)を滴下した。更に、室温で1昼夜攪拌した後、エー
テル 300mlで希釈して、希塩酸、水の順で洗浄し、硫酸
マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去してから、シリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーで単離精製し、目的物の
8.0g(0.0356モル、収率98%) を得た。
【0029】(4) 3-フルオロ-4-(1-メチルブチルキシル
オキシカルボニル)フェニル=4-n-デカノイルオキシベ
ンゾエートの製造。 上記(1) で得た化合物 3.1ミリモルに、塩化チオニル 1
5ml を加え、5時間加熱還流した。過剰の塩化チオニル
を留去した後、ピリジン 2mlと上記(3) で得た化合物
2.12ミリモルとを加え、室温で10時間反応させた。反応
終了後、エーテル 300mlで希釈し、希塩酸、1N炭酸ナト
リウム水溶液、水の順で洗浄して、有機層を硫酸マグネ
シウムで乾燥した。次に、溶媒を留去してから、シリカ
ゲルクロマトグラフィーで単離し目的物を9.2g (1.84ミ
リモル、収率87%) 得た。
オキシカルボニル)フェニル=4-n-デカノイルオキシベ
ンゾエートの製造。 上記(1) で得た化合物 3.1ミリモルに、塩化チオニル 1
5ml を加え、5時間加熱還流した。過剰の塩化チオニル
を留去した後、ピリジン 2mlと上記(3) で得た化合物
2.12ミリモルとを加え、室温で10時間反応させた。反応
終了後、エーテル 300mlで希釈し、希塩酸、1N炭酸ナト
リウム水溶液、水の順で洗浄して、有機層を硫酸マグネ
シウムで乾燥した。次に、溶媒を留去してから、シリカ
ゲルクロマトグラフィーで単離し目的物を9.2g (1.84ミ
リモル、収率87%) 得た。
【0030】実施例2〜7 実施例2 (式(1) : m=9, n=5 (E2)) 3-フ
ルオロ-4-(1-メチルヘキシルオキシカルボニル)フェニ
ル=4-デカノイルオキシベンゾエート、 実施例3 (式(1) : m=9, n=8 (E3)) 3-フ
ルオロ-4-(1-メチルノニルオキシカルボニル)フェニル
=4-デカノイルオキシベンゾエート、 実施例4 (式(1) : m=3, n=6 (E4)) 3-フ
ルオロ-4-(1-メチルヘプチルオキシカルボニル)フェニ
ル=4-ブタノイルオキシベンゾエート、 実施例5 (式(1) : m=5, n=6 (E5)) 3-フ
ルオロ-4-(1-メチルヘプチルオキシカルボニル)フェニ
ル=4-ヘキサノイルオキシベンゾエート、 実施例6 (式(1) : m=7, n=6 (E6)) 3-フ
ルオロ-4-(1-メチルヘプチルオキシカルボニル)フェニ
ル=4-オクタノイルオキシベンゾエート、及び 実施例7 (式(1) : m=10, n=6 (E7)) 3-フ
ルオロ-4-(1-メチルヘプチルオキシカルボニル)フェニ
ル=4-ウンデカノイルオキシベンゾエートの製造。
ルオロ-4-(1-メチルヘキシルオキシカルボニル)フェニ
ル=4-デカノイルオキシベンゾエート、 実施例3 (式(1) : m=9, n=8 (E3)) 3-フ
ルオロ-4-(1-メチルノニルオキシカルボニル)フェニル
=4-デカノイルオキシベンゾエート、 実施例4 (式(1) : m=3, n=6 (E4)) 3-フ
ルオロ-4-(1-メチルヘプチルオキシカルボニル)フェニ
ル=4-ブタノイルオキシベンゾエート、 実施例5 (式(1) : m=5, n=6 (E5)) 3-フ
ルオロ-4-(1-メチルヘプチルオキシカルボニル)フェニ
ル=4-ヘキサノイルオキシベンゾエート、 実施例6 (式(1) : m=7, n=6 (E6)) 3-フ
ルオロ-4-(1-メチルヘプチルオキシカルボニル)フェニ
ル=4-オクタノイルオキシベンゾエート、及び 実施例7 (式(1) : m=10, n=6 (E7)) 3-フ
ルオロ-4-(1-メチルヘプチルオキシカルボニル)フェニ
ル=4-ウンデカノイルオキシベンゾエートの製造。
【0031】実施例1と同様にして実施例2〜7の化合
物を合成した。実施例1〜7で得た化合物のNMRデー
ターを表1に、その式を化4にそれぞれ示した。
物を合成した。実施例1〜7で得た化合物のNMRデー
ターを表1に、その式を化4にそれぞれ示した。
【0032】
【表1】 実施例No. 化学シフト & 略号 1H 2H 3H 4H 5H 6H 7H 1〜7(E1-E7) 2.6 7.3 8.2 7.1 7.1 8.0 5.2
【0033】
【化4】
【0034】比較例1 下記化学式で示される反強誘電性液晶(2A, 2B)を70/30
(モル比) の割合で混合し、反強誘電性液晶組成物を得
た。得られた組成物の相系列を表2に示した。 2A : C9H19O-Ph-Ph-COO-Ph(3F)-COO-C*H(CF3)(CH2)5OC2
H5 (式(2) : R=C9H19, Z=F, A=CF3, r=1, s=5, p=2
) 2B : C8H17O-Ph-Ph-COO-Ph(3F)-COO-C*H(CH3)C5H11 (式(2) : R=C8H17, Z=F, A=CH3, r=0, p=5 )
(モル比) の割合で混合し、反強誘電性液晶組成物を得
た。得られた組成物の相系列を表2に示した。 2A : C9H19O-Ph-Ph-COO-Ph(3F)-COO-C*H(CF3)(CH2)5OC2
H5 (式(2) : R=C9H19, Z=F, A=CF3, r=1, s=5, p=2
) 2B : C8H17O-Ph-Ph-COO-Ph(3F)-COO-C*H(CH3)C5H11 (式(2) : R=C8H17, Z=F, A=CH3, r=0, p=5 )
【0035】この反強誘電性液晶組成物に、60℃で三角
波電圧を印加したときの、印加電圧に対する光学応答を
調べた結果、大きなヒステリシスの歪みが観測された。
また、この液晶組成物の60℃での自発分極、反強誘電状
態から強誘電状態へ転移するときの応答時間を求めた。
結果を表2に示した。
波電圧を印加したときの、印加電圧に対する光学応答を
調べた結果、大きなヒステリシスの歪みが観測された。
また、この液晶組成物の60℃での自発分極、反強誘電状
態から強誘電状態へ転移するときの応答時間を求めた。
結果を表2に示した。
【0036】光学応答ヒステリシス、応答時間及び自発
分極は次のようにして求めた。ラビング処理したポリイ
ミド薄膜(30nm)を有する ITO電極付の液晶セル(セル厚
2μm)に、液晶組成物を等方相の状態で充填した。こ
のセルを、毎分 1.0℃で徐冷して、液晶を配向させた。
セルを直交する偏向板間に液晶の層方向がアナライザー
またはポラライザーと平行になるように設置し、セルに
±25V, 30mHzの三角波電圧を印加して、透過光量の変化
をフォトマルチプライヤーにより測定し、光学応答履歴
を求めた。反強誘電状態から強誘電状態へ変化する時の
応答時間は、60℃で25V, 10Hz の電圧を印加し、光透過
率が最大を 100%、最小を0%とし、10%から90%に変
化するに要する時間と定義して求めた。また、自発分極
は、60℃で、25V の三角波を印加して分極反転電流を測
定することによって求めた。
分極は次のようにして求めた。ラビング処理したポリイ
ミド薄膜(30nm)を有する ITO電極付の液晶セル(セル厚
2μm)に、液晶組成物を等方相の状態で充填した。こ
のセルを、毎分 1.0℃で徐冷して、液晶を配向させた。
セルを直交する偏向板間に液晶の層方向がアナライザー
またはポラライザーと平行になるように設置し、セルに
±25V, 30mHzの三角波電圧を印加して、透過光量の変化
をフォトマルチプライヤーにより測定し、光学応答履歴
を求めた。反強誘電状態から強誘電状態へ変化する時の
応答時間は、60℃で25V, 10Hz の電圧を印加し、光透過
率が最大を 100%、最小を0%とし、10%から90%に変
化するに要する時間と定義して求めた。また、自発分極
は、60℃で、25V の三角波を印加して分極反転電流を測
定することによって求めた。
【0037】実施例8〜14 比較例1で用いた反強誘電性液晶(2A, 2B)の反強誘電性
液晶組成物に実施例1〜7で得られたラセミ化合物(E1-
E7) をそれぞれ 2A/2B/(E1-E7)= 56/24/20(モル比)で
混合し、反強誘電性液晶組成物を調製した。得られた組
成物について、比較例1と同様にして、相系列、光学応
答ヒステリシス、自発分極、応答時間を求めた結果を表
2に示した。いずれも光学ヒステリシスは改善され、自
発分極は約半分になったにも拘らず高速応答性を示し
た。
液晶組成物に実施例1〜7で得られたラセミ化合物(E1-
E7) をそれぞれ 2A/2B/(E1-E7)= 56/24/20(モル比)で
混合し、反強誘電性液晶組成物を調製した。得られた組
成物について、比較例1と同様にして、相系列、光学応
答ヒステリシス、自発分極、応答時間を求めた結果を表
2に示した。いずれも光学ヒステリシスは改善され、自
発分極は約半分になったにも拘らず高速応答性を示し
た。
【0038】
【表2】 自発分極 応答時間 相 系 列 (nc/cm2) (μ秒) 実施例8 Cr(<-20)SCA*(79)SA(93)I 122 42 〃 9 Cr(<-20)SCA*(76)SC*(78)SA(90)I 124 51 〃 10 Cr(<-20)SCA*(73)SC*(74)SA(87)I 115 47 〃 11 Cr(<-20)SCA*(73)SA(91)I 95 35 〃 12 Cr(<-20)SCA*(75)SA(91)I 107 48 〃 13 Cr(<-20)SCA*(76)SA(90)I 111 39 〃 14 Cr(<-20)SCA*(74)SC*(77)SA(90)I 115 39 比較例1 Cr(<-10)SCA*(95)SC*(97)SA(105)I 172 53 相系列記載中の()内の数字は転移温度 (℃) であり、Cr
は結晶相、SCA*は反強誘電相、SC* は強誘電相、SAはス
メクチックA相、Iは等方相を示す。
は結晶相、SCA*は反強誘電相、SC* は強誘電相、SAはス
メクチックA相、Iは等方相を示す。
【図1】反強誘電性液晶素子に関する等価回路を説明す
る図。
る図。
【図2】配向膜が存在しないときの急峻性に関するシュ
ミレーション結果を示す図。
ミレーション結果を示す図。
【図3】配向膜が存在するときの急峻性に関するシュミ
レーション結果を示す図。
レーション結果を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 城野 正博 茨城県つくば市和台22番地 三菱瓦斯化学 株式会社総合研究所内
Claims (8)
- 【請求項1】 下記一般式(1) で表されるラセミ化合
物。 【化1】 (式中、mは 3〜12の整数、nは 3〜8 の整数であ
る。) - 【請求項2】 該一般式(1) において、mが 3〜10であ
る請求項1記載のラセミ化合物。 - 【請求項3】 下記一般式(1) で表されるラセミ化合物
を、下記一般式(2)で示される反強誘電性液晶化合物の
1種或いは2種以上の混合物に添加してなる反強誘電性
液晶組成物。 【化2】 (式(1) において、mは 3〜12の整数、nは 3〜8 の整
数であり、式(2) において、Rは炭素数 6〜12の直鎖ア
ルキル基、ZはF原子又はH原子、Aは CH3又はCF3 、
rは0又は1であり、AがCH3 のとき、rが0でpが4
〜10の整数、AがCF3 のとき、rが0でpは6〜8の整
数、またはAがCF3 のとき、rが1でsは5〜8の整
数、pは2もしくは4の整数である。) - 【請求項4】 該一般式(2) において、AがCF3 、rが
1、sが5〜8の整数である請求項3記載の反強誘電性
液晶組成物。 - 【請求項5】 該一般式(2) において、AがCH3 、rが
0、p=4〜6である請求項3記載の反強誘電性液組成
物。 - 【請求項6】 該一般式(1) で表されるラセミ化合物
が、反強誘電性液晶組成物の 1〜60モル%である請求項
3記載の反強誘電性液晶組成物。 - 【請求項7】 反強誘電相よりも高温側に少なくともス
メクチックA相を有し、反強誘電相の上限温度が40℃以
上で下限温度が0℃以下である請求項3記載の反強誘電
性液晶組成物。 - 【請求項8】 請求項3に記載の反強誘電性液晶組成物
を、一対の電極基板間に配置してなる反強誘電性液晶表
示素子。
Priority Applications (6)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9012522A JPH10204035A (ja) | 1997-01-27 | 1997-01-27 | ラセミ化合物及びそれを含む反強誘電性液晶組成物 |
| US08/923,287 US5951914A (en) | 1996-09-12 | 1997-09-04 | Racemic compound and anti-ferroelectric liquid crystal composition |
| DE69708800T DE69708800T2 (de) | 1996-09-12 | 1997-09-08 | Racemische Verbindung und antiferroelektrische Flüssigkristallzusammensetzung |
| EP97115484A EP0829469B1 (en) | 1996-09-12 | 1997-09-08 | Racemic compound and anti-ferroelectric liquid crystal composition |
| TW086113015A TW434309B (en) | 1996-09-12 | 1997-09-09 | Racemic compound and anti-ferroelectric liquid crystal composition |
| KR1019970047232A KR19980024636A (ko) | 1996-09-12 | 1997-09-12 | 라세미 화합물 및 반강유전성 액정 조성물 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9012522A JPH10204035A (ja) | 1997-01-27 | 1997-01-27 | ラセミ化合物及びそれを含む反強誘電性液晶組成物 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10204035A true JPH10204035A (ja) | 1998-08-04 |
Family
ID=11807682
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9012522A Pending JPH10204035A (ja) | 1996-09-12 | 1997-01-27 | ラセミ化合物及びそれを含む反強誘電性液晶組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10204035A (ja) |
-
1997
- 1997-01-27 JP JP9012522A patent/JPH10204035A/ja active Pending
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