JPH1087706A - メタクリル系樹脂の製造方法 - Google Patents

メタクリル系樹脂の製造方法

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JPH1087706A
JPH1087706A JP8249821A JP24982196A JPH1087706A JP H1087706 A JPH1087706 A JP H1087706A JP 8249821 A JP8249821 A JP 8249821A JP 24982196 A JP24982196 A JP 24982196A JP H1087706 A JPH1087706 A JP H1087706A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学特性及び耐熱分解性に優れたメタクリル
系樹脂を安定して工業生産できる製造方法を提供する。 【解決手段】 メタクリル酸メチルを主成分とする単量
体を重合させるに当たり、重合時の全混合物の重量に基
づき0.1〜10重量%の溶媒を含有することを特徴と
するメタクリル系樹脂の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶液重合法による
メタクリル系樹脂の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】メタクリル系樹脂は、その卓越した透明
性、良好な機械的性質、加工性並びに成形品における外
観の美麗さなどによって、例えば照明器具、看板、各種
装飾品、銘板、テールランプなどの自動車部品、テーブ
ルウェアーなどに広く用いられている。又、最近は各種
レンズ、光ディスク、導光板などの光学分野にも広く用
いられてきている。その為に、高度な光学特性が要求さ
れつつある。
【0003】メタクリル系樹脂の製造方法としては懸濁
重合方法が広く採用されている。しかしながら、この製
造方法の最大の欠点は、使用される懸濁安定剤がポリマ
ー中に一部残存し、ポリマー特性、特に光学特性が低下
することである。この懸濁重合方法の欠点を改良する方
法として、塊状重合法(特開昭49−37993号公
報、特開平3−111408号公報など)、溶液重合法
(特開昭63−57613号公報、特開平1−1724
01号公報など)が提案されている。これらの方法によ
れば、懸濁重合方法と異なり、懸濁安定剤が使用されな
い為に光学特性に優れたメタクリル系樹脂の製造が可能
である。しかしながら、塊状重合は、安定な重合反応の
制御が困難で時として重合系の粘度が増大するに伴いポ
リマー分子の拡散が制限され、停止反応が低下する、い
わゆるゲル効果により暴走反応を招く問題点がある。
【0004】更に、この塊状重合を工業的なレベルで連
続的に生産する場合、もう一つの大きな問題がある。即
ち、一般に工業的にメタクリル系樹脂を塊状重合で連続
して生産する場合、一般的には完全混合型の重合反応機
を使用して重合させるが、重合転化率100%とすると
重合液の粘度が高く成りすぎて攪拌できないなどの問題
がある為、通常重合転化率を70%以下に抑えて重合さ
せる。その為、重合後の未反応メタクリル酸メチルより
なるリサイクル液を再使用する。しかしながら、リサイ
クル液は、重合時生成する不純物などを含む為、蒸留塔
あるいはパーシャルコンデンサーなどで精製する。光学
特性が要求されるメタクリル系樹脂では、特に重合時に
生成する不純物、特に着色不純物を除去する為に、リサ
イクル液の精製は必要である。
【0005】リサイクル液の精製は、上記の如く蒸留塔
あるいはパーシャルコンデンサーなどが使用されるが、
パーシャルコンデンサーは、不純物の沸点の低いものの
除去は困難である為、通常蒸留塔による方法が用いられ
る。蒸留塔で精製する場合、不純物は、メタクリル酸メ
チル等単量体より沸点が高い為、蒸留されず、蒸留塔ボ
トムに残存し、蒸留塔ボトム部のメタクリル酸メチル単
量体を主成分とするボトム液と共に抜き出すことによっ
て除去する。しかしながら、メタクリル酸メチル単量体
を主成分とするボトム液の滞留時間が長く且つ温度が高
い為、蒸留塔ボトムでメタクリル酸メチル単量体の重合
が進行し、リボイラーでの熱交換効率の低下や生成した
ポリマーによる配管の閉塞等が起こる。あるいは極端な
場合は、蒸留塔ボトム全体で重合が進行し、固化してし
まうなど工業的に安定に製造する上において大きな問題
点がある。
【0006】一方、溶液重合は、溶剤によって反応系の
粘度が低減される為、ゲル効果を抑制でき暴走反応を抑
制できる。又、溶媒としてメタクリル酸メチル等単量体
より高い沸点のものを使用すれば蒸留塔ボトムは溶媒が
主成分となりここでの重合はほとんど起こらず重合で生
成する不純物を溶媒と共に抜き出すことができ、メタク
リル系樹脂を極めて安定に生産することができる。しか
しながら、大きな別の問題がある。それは、生産するメ
タクリル系樹脂の耐熱分解性の低下である。耐熱分解性
が低下するとメタクリル系樹脂を成形加工する時にポリ
マーのジッパー反応による分解が起こり、このメタクリ
ル酸メチル単量体を主体とした分解生成物が原因で、い
わゆるシルバーストリークと呼ばれる銀条跡が発生し、
それが製品不良となる問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、優れたメタ
クリル系樹脂、特に光学特性及び耐熱分解性に優れ、且
つ工業的にメタクリル系樹脂を安定して製造する方法を
提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題を
解決する方法を見出だすべく鋭意検討した結果、連続溶
液重合法で溶媒量を、重合時の全混合物の重量に基ずき
10重量%以下、好ましくは5重量%以下とすることに
より、耐熱分解性に優れ、ゲル効果による暴走反応も抑
制され、更にリサイクル液を蒸留塔を使用して精製する
プロセスの場合は、蒸留塔ボトムでのポリマーの生成も
起こらず重合時に生成する不純物を安定して取り出すこ
とができ、工業的に極めて安定に光学純度の高いメタク
リル系樹脂を製造することができることを見い出し本発
明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明は、メタクリル酸メチルを主
成分とする単量体を重合させるに当たり、重合時の全混
合物の重量に基づき0.1〜10重量%の溶媒を使用す
ることを特徴とするメタクリル系樹脂の製造方法に関す
るものである。更に(A)新たなメタクリル酸メチルを
主成分とする単量体と重合後の未反応メタクリル酸メチ
ルを主成分とする単量体及び溶媒を含むリサイクル液と
を連続して蒸留塔へ供給し、蒸留された単量体及び溶剤
を連続して重合反応機に供給、重合し、次いで重合液を
脱揮して重合物を取り出すと同時に未反応のビニル単量
体及び溶媒をリサイクル使用してなる連続溶液重合プロ
セスあるいは(B)重合後の未反応メタクリル酸メチル
を主成分とする単量体及び溶媒を含むリサイクル液を連
続して蒸留塔へ供給し、蒸留されたメタクリル酸メチル
を主成分とする単量体及び溶媒と新たなメタクリル酸メ
チルを主成分とする単量体とを連続して重合反応機に供
給、重合し、次いで重合液を脱揮して重合物を取り出す
と同時に未反応メタクリル酸メチルを主成分とする単量
体及び溶媒をリサイクル使用する連続溶液重合プロセス
において、使用する溶媒量が、重合時の全混合物の重量
に基づき0.1〜10重量%、好ましくは0.1〜5重
量%であることを特徴とするメタクリル系樹脂の製造方
法に関するものである。
【0010】メタクリル酸メチルを主成分とする単量体
としは、メタクリル酸メチル単独あるいはメタクリル酸
メチルと共重合可能な単量体とからなる。メタクリル酸
メチルと共重合可能な単量体は、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル等の
メタクリル酸アルキルエステル類、アクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸ア
ルキルエステル類、スチレン、ビニルトルエン、αメチ
ルスチレン等の芳香族ビニル化合物類、アクリロニトリ
ル、メタクリルニトリル等のシアン化ビニル類、N−フ
ェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等の
マレイミド類、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸無
水物類、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等の不
飽和酸類が挙げられる。これらメタクリル酸メチルと共
重合可能な単量体の中でも、特にアクリル酸エステル類
は耐熱分解性が良く、又アクリル酸エステル類を共重合
させて得られるメタクリル系樹脂は成形加工時の流動性
が高く好ましい。
【0011】メタクリル酸メチルに共重合させるアクリ
ル酸エステル類の使用量は、15重量%以下が好まし
い。15重量%を越えると、耐熱分解性、流動性等の改
良効果は高いが、耐熱性即ち熱変形温度が低下し好まし
くない。アクリル酸エステル類の中でも、特にアクリル
酸メチル及びアクリル酸エチルは、それを少量メタクリ
ル酸メチルと共重合させても上記改良効果は著しく最も
好ましい。共重合可能な単量体は一種または二種以上組
み合わせて使用することもできる。
【0012】本発明で用いる溶媒は、蒸留塔ボトム及び
蒸留塔内部でメタクリル酸メチル単量体及びメタクリル
酸メチル単量体と共重合可能な単量体混合物や除去すべ
き不純物を溶解させ、且つ、メタクリル酸メチル単量体
及びメタクリル酸メチルと共重合可能な単量体より高い
沸点を有しておれば特に限定するものではないが、通
常、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベ
ンゼン等の芳香族化合物、オクタン、デカン等の脂肪族
化合物、デカリン等の脂環族化合物、酢酸ブチル、酢酸
ペンチル等のエステル化合物、1,1,1,2−テトラ
クロロエタン、1,1,2,2,−テトラクロロエタン
等のハロゲン化合物等を用いる事ができる。使用する溶
媒の沸点は、メタクリル酸メチル単量体及びメタクリル
酸メチルと共重合可能な単量体の沸点より高いこと、好
ましくは15℃以上、さらに好ましくは30℃以上高い
ことが望ましい。この中でも、特にトルエン、キシレ
ン、エチルベンゼンが工業的に安価に入手することがで
き、且つ重合に悪影響を及ぼすことがなく且つ重合で生
成する不純物の溶解性も高く最も好ましい。
【0013】使用する溶媒量は、重合時の全混合物の重
量に基づき0.1〜10重量%、好ましくは0.1〜5
重量%である。この範囲の溶媒量では、耐熱分解性は良
好であり塊状重合品と大きな差はないかあるいは驚くべ
きことに少量の溶媒添加したものが優れる。この理由
は、通常耐熱分解性を落とす一つの原因は2つのポリマ
ー成長ラジカルの不均化反応停止によって生成される重
合体末端二重結合構造である(特開平3−294307
号公報)。しかしながら、この末端二重結合は、溶媒が
存在することによって水素引き抜き停止による水素末端
構造となり不均化反応による末端二重結合構造の生成が
抑制されることによると推定される。
【0014】又、この溶媒量でもゲル化による暴走反応
は抑制される。この理由は、ゲル効果による暴走反応
は、上記の如く重合系の粘度が増大するに伴いポリマー
分子の拡散が制限され、停止反応が低下することによっ
て起こるが、溶媒があることによってその溶媒からの水
素引き抜きにより停止反応が促進されることによると推
定される。更に、この溶媒量で蒸留塔ボトムでの重合が
防止される。
【0015】当然、溶媒量が多いものは問題がないが、
0.1重量%の添加であっても、蒸留塔ボトムは、使用
する溶媒が蒸留する単量体よりも沸点が高いとボトム液
は溶媒が主成分となる。このボトム液中の単量体が少な
くそこでの重合が起こらず安定に運転できる。溶媒量が
10重量%を越えると、耐熱分解性の低下が大きく好ま
しくない。0.1重量%より少ないと、ゲル効果による
暴走反応が起こり易くなり好ましくない。なお、溶媒量
を10重量%以下にすると、重合反応系の粘度が高くな
り、重合反応の制御が困難となるケースもあるが、これ
は重合転化率をやや低めにすることでこの問題は解決す
る。
【0016】本発明の連続溶液重合プロセスとしては、
混合装置、温度調節装置を備え、連続的に原料の供給と
反応液の排出を行わせしめることのできる供給口と排出
口を備えた容器を単独または複数直列に接続した構成の
反応機に原料として単量体と溶媒を主成分とする原料を
連続的に供給し同時に最終反応機から反応液を連続的に
排出し、排出された反応液を連続的に予備加熱機を通し
て脱揮装置に導入し、高温減圧下に未反応単量体及び溶
剤を蒸発させることにより重合体を分離して得るプロセ
スをいう。
【0017】個々の重合反応機としては、攪拌翼により
均一に攪拌され均一な反応液組成が得られる構造で、反
応機の例としては、ダブルヘリカルリボン、ピッチドバ
ドル、タービン、アンカー型などの攪拌翼で均一に攪拌
可能な完全混合型反応機を用いることができる。これら
の個々の完全混合型反応機においては、溶媒量を10重
量%以下の場合も、重合転化率が70%を越える場合
に、重合反応の制御が困難となったり、重合反応機につ
いて継続される機器への配管中の圧力損失が大きくなっ
て、重合液の輸送が困難となり好ましくない。従って、
完全混合型反応機の重合転化率は70%以下とすること
が必要である。
【0018】また、完全混合型反応機での重合転化率が
40%未満であれば、揮発成分による脱揮工程の負荷が
大きく、例えば予備加熱器の伝熱効率の制約から脱揮不
十分になる場合があり好ましくない。一方、完全混合型
反応機以外の反応機を単独または複数の完全混合型反応
機の後段に用いることができる。このような反応機にお
いては、反応機内での均一混合を必要としない為、重合
の局部的な進行による系の攪拌状態の不安定化が起こら
ず、重合転化率は、安定な重合反応物の移送が可能な範
囲であればよい。
【0019】メタクリル系樹脂の重合温度としては、一
般的な120〜160℃の範囲内の温度が好ましい。重
合温度が120℃未満であれば、重合が遅すぎ、また1
60℃を越えると転化率の調整が困難となるため好まし
くない。本発明の連続溶液重合プロセスの一例を図1で
説明する。(A)新たなメタクリル酸メチルを主成分と
する単量体1と重合後の未反応メタクリル酸メチルを主
成分とする単量体及び溶媒を含むリサイクル液9とを連
続して蒸留塔2へ供給し、蒸留された単量体及び溶剤、
更に重合開始剤、分子量調整剤を連続して重合反応機5
に供給、重合し、次いで重合液を脱揮タンク8で脱揮し
て重合物10を取り出すと同時に未反応のビニル単量体
及び溶媒をリサイクル9使用して連続溶液重合する。又
は(B)新たなメタクリル酸メチルを主成分とする単量
体1と重合後の未反応メタクリル酸メチルを主成分とす
る単量体及び溶媒を含むリサイクル液9とを直接連続し
て蒸留塔2へ供給し、以下同様にして連続溶液重合す
る。
【0020】蒸留は、例えば充填塔式、棚段式などの蒸
留塔により実施する。蒸留の方式は、例えば、除去した
い不純物を含むリサイクル液あるいはこれと新たな単量
体との混合液を蒸留塔の中段または上段より供給し、蒸
留塔ボトム液をリボイラー等の加熱器で加熱しながら蒸
留し、蒸留塔の塔頂部より留出するメタクリル酸メチル
を主成分とする単量体及び溶媒の蒸気をコンデンサーに
て凝縮することによって実施する。この際、使用する溶
媒の沸点が単量体より高い場合、重合時に生成する不純
物、例えばメタクリル酸メチルダイマー、オリゴマーあ
るいは金属異物、ポリマーの焼け異物などの不純物更に
リサイクル液の貯蔵安定化の為に添加する重合禁止剤あ
るいは原料中に含まれる重合禁止剤など光学特性を低下
させる不純物は蒸留塔ボトムに濃縮される。この不純物
は、蒸留塔ボトムより連続してあるいは断続して取り出
すと同時に取り出した量の溶媒を追加することによって
連続的に不純物を除去することができる。なお蒸留は、
上記の如く、新たな単量体と重合後の未反応単量体及び
溶媒を含むリサイクル液とを併せて蒸留する方法とリサ
イクル液のみを蒸留する方法とがあるが、前者の方が新
たな単量体中に含まれる異物が除去でき、より好まし
い。
【0021】上記の様に蒸留したメタクリル酸メチルを
主成分とする単量体及び溶剤、場合により新たなメタク
リル酸メチルを主成分とする単量体、更に重合開始剤、
分子量調整剤などを個別にあるいは混合して重合反応機
に供給し重合する。この単量体溶液は、光学特性を向上
させる為に、例えば向流接触塔へ連続的に供給し、不活
性ガスと置換し、単量体溶液中の溶存酸素を1ppm以
下とする。更に金属異物などの異物を除去する為に、単
量体溶液を0.5μ以下のフィルターで濾過することが
好ましい。
【0022】この際、使用する重合開始剤は、重合温度
で活性に分解しラジカルを発生するもので、例えば、ジ
−tert−ブチルパーオキシド、ジ−クミルパーオキ
シド、メチルエチルケトンパーオキシド、ジ−tert
−ブチルパーフタレート、ジ−tert−ブチルパーベ
ンゾエート、tert−ブチルパーアセテート、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)
−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジ−ter
t−アミルパーオキジド、ベンゾイルパーオキシド、ク
メンハイドロパーオキシド及びラウリルパーオキシドな
どの有機過酸化物、アゾビスイソブタノールジアセテー
ト、1,1’−アゾビスシクロヘキサンカルボニトリ
ル、2−フェニルアゾ2,4−ジメチル−4−メトキシ
バレロニトリル、2−シアノ−2−2プロピルアゾホル
ムアシド及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリルな
どのアゾ系化合物などを用いることができる。これらは
単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これら
の重合開始剤の使用量は、全反応混合物の重量に基づき
0.0010〜0.03重量%の範囲が好ましい。
【0023】更に、この際使用する分子量調整剤は、主
としてメルカプタン類が使用される。メルカプタン類と
しては、例えば、n−ブチルメルカプタン、イソブチル
メルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシ
ルメルカプタン、sec−ドデシルメルカプタン、te
rt−ブチルメルカプタンなどのアルキル基または置換
アルキル基を有する第一級、第二級及び第三級メルカプ
タン、フェニルメルカプタン、チオクレゾールなどの芳
香族メルカプタン、チオグリコール酸とそのエステル及
びエチレンチオグリコールなどが使用できる。これらは
単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これら
の分子量調整剤の使用量は、製造する重合体の分子量に
応じて適宜決定されるが、通常は、全反応混合物の重量
に基づき0.01〜0.5重量%の範囲で選ばれる。
【0024】この様な重合反応により得られた重合液
は、脱揮して重合物を取り出すと同時に揮発分である未
反応メタクリル酸メチルを主成分とする単量体及び溶媒
を分離する。揮発分は、リサイクル液として蒸留・再使
用し、連続的にメタクリル系樹脂を製造する。脱揮装置
としては、多段ベント付き押出機、脱揮タンクなどを使
用する。好ましくは、重合液を予備加熱器などで200
〜290℃の温度に加熱し、上部に十分な空間を有し、
且つ200〜250℃、20〜100トールの温度、真
空下の脱揮タンクにフィードして重合物を取り出すと同
時に未反応メタクリル酸メチルを主成分とする単量体及
び溶媒からなる揮発成分を分離しリサイクル液として再
使用する。重合体に残存する揮発分は、1重量%以下、
好ましくは0.5重量%以下、更に好ましくは0.3重
量%以下である。この減圧下に保持された脱揮タンクに
重合液を導入する方法は、揮発成分の瞬間的な揮発とそ
れによる発泡を生じて、極めて大きな蒸発面積を形成
し、高沸点の溶剤を使用しても効率的に短時間で揮発成
分が除去され、ポリマー中に残存する溶媒あるいは残留
単量体が少なく、且つポリマーの着色も少なく光学特性
に優れた好ましい脱揮方法である。
【0025】
【発明の実施の形態】重合体の物性の測定方法は以下の
とおりである。 (1)重合体の固有粘度の測定 重合体150mgをクロロホルム50mlに溶解し、2
5℃の温度でオストワルド粘度計で測定した。 (2)全光線透過率の測定 ASTM D−1003法によって測定した。 (3)耐熱分解性の測定 3オンスの射出成型機を使用し、成形機の温度を290
℃に設定した。ポリマーを計量した後、成形機内に10
分間滞留させた。成形機内に滞留させることによりポリ
マーが熱分解し、分解したガス量に比例したポリマーが
ノズルから排出されるが、その排出量を計量し熱分解性
の尺度とした。
【0026】
【実施例1】メタクリル酸メチル91.6重量%、アク
リル酸メチル2.0重量%及びエチルベンゼン6.4重
量%の重合後のリサイクル液/メタクリル酸メチル9
8.0重量%及びアクリル酸メチル2.0重量%の新た
な単量体溶液を47/53の重量比で蒸留塔に連続して
フィードした。蒸留された単量体溶液は、メタクリル酸
メチル95重量%、アクリル酸メチル2.0重量%、エ
チルベンゼン3.0重量%であった。この単量体溶液に
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−
トリメチルシクロヘキサンが105ppmになる量及び
n−オクチルメルカプタンが1950ppmになる量を
連続的に追添加し重合反応機に連続的に供給、重合温度
155℃、滞留時間2.0時間で重合した。この際の単
量体の重合転化率は53%であった。この重合液を連続
的に重合反応機から取り出し、次いで加熱板で260℃
に加熱し、加熱板の間隔を通して脱揮タンクに流延落下
せしめた。脱揮タンク、30トール、230℃に維持し
重合体と未反応単量体及び溶剤と分離した。重合体は押
出ダイスより押出し、更に未反応単量体及び溶剤はリサ
イクル液として蒸留再使用し約5日の連続運転を実施し
た。得られたメタクリル系樹脂ペレット中のアクリル酸
メチル含有量は1.9重量%、残存単量体は2300p
pmであった。又、固有粘度は、56ml/g、全光線
透過率は93%、耐熱分解性の尺度である排出量は17
gであった。又、蒸留塔ボトムでのポリマーの析出は全
くなかった。
【0027】
【実施例2〜5、比較例1〜2】実施例1における条件
を表1に示た以外は、実施例1と同様な操作を行った。
その結果を表1に示す。なお実施例1も併記する。な
お、比較例1は、約5日間の運転でリボイラホー部に一
部ポリマーの析出が見られた。しかしながら実施例は、
全てポリマーの析出は見られなかった。
【0028】
【表1】
【0029】
【実施例6】使用するアクリル酸メチルをアクリル酸エ
チルに変えた以外は実施例1と同様にメタクリル系樹脂
を製造した。得られたメタクリル系樹脂ペレット中のア
クリル酸エチル含有量2.0重量%、残存単量体230
0ppm、固有粘度54ml/g、全光線透過率93
%、耐熱分解性の尺度である排出量17gであった。
又、蒸留塔ボトムでのポリマーの析出は全くなかった。
【0030】
【実施例7】使用する溶媒を混合キシレンに変えた以外
は実施例1と同様にメタクリル系樹脂を製造した。得ら
れたメタクリル系樹脂ペレット中のアクリル酸メチル含
有量2.0重量%、残存単量体2300ppm、固有粘
度58ml/g、全光線透過率93%、耐熱分解性の尺
度である排出量16gであった。又、蒸留塔ボトムでの
ポリマーの析出は全くなかった。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、連続溶液重合において
溶媒量を、重合時の全混合物の重量に基づき10重量%
以下、好ましくは5重量%以下とすることにより、耐熱
分解性に優れ、又、ゲル効果による暴走反応も抑制さ
れ、更に、蒸留塔ボトムでのポリマー生成もなく重合時
に生成する不純物などを取り出すこともでき、従って工
業的に極めて安定に光学純度の高いメタクリル系樹脂を
製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の溶液重合プロセスでの連続溶液重合装
置の一例を示す。
【符号の説明】
1、新たな単量体供給ライン 2、蒸留塔 3、不純物抜き出しライン 4、コンデンサー 5、重合反応機 6、定量ポンプ 7、加熱板 8、脱揮タンク 9、揮発分リサイクルライン 10、脱揮タンク 11、ポリマー払い出しライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08F 220:12) (C08F 220/14 220:18)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタクリル酸メチルを主成分とする単量
    体を重合させるに当たり、重合時の全混合物の重量に基
    づき0.1〜10重量%の溶媒を含有することを特徴と
    するメタクリル系樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 (A)重合後の未反応メタクリル酸メチ
    ルを主成分とする単量体及び溶媒を含むリサイクル液と
    新たなメタクリル酸メチルを主成分とする単量体とを連
    続して蒸留塔へ供給し、蒸留された単量体及び溶剤を連
    続して重合反応機に供給、重合し、次いで重合液を脱揮
    して重合物を取り出すと同時に未反応のビニル単量体及
    び溶媒をリサイクル使用してなる連続溶液重合プロセス
    において、使用する溶媒量が、重合時の全混合物の重量
    に基づき0.1〜10重量%であることを特徴とする請
    求項1記載のメタクリル系樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】 (B)重合後の未反応メタクリル酸メチ
    ルを主成分とする単量体及び溶媒を含むリサイクル液を
    連続して蒸留塔へ供給し、蒸留されたメタクリル酸メチ
    ルを主成分とする単量体及び溶媒と新たなメタクリル酸
    メチルを主成分とする単量体とを連続して重合反応機に
    供給、重合し、次いで重合液を脱揮して重合物を取り出
    すと同時に未反応メタクリル酸メチルを主成分とする単
    量体及び溶媒をリサイクル使用する連続溶液重合プロセ
    スにおいて、使用する溶媒量が、重合時の全混合物の重
    量に基づき0.1〜10重量%であることを特徴とする
    請求項1記載のメタクリル系樹脂の製造方法。
  4. 【請求項4】 溶媒量が、重合時の全混合物の重量に基
    づき0.1〜5重量%であることを特徴とする請求項
    1、2又は3記載のメタクリル系樹脂の製造方法。
  5. 【請求項5】 メタクリル酸メチルを主成分とする単量
    体が、メタクリル酸メチル単独あるいはメタクリル酸メ
    チル単量体と15重量%以下のアクリル酸エステル単量
    体からなることを特徴とする請求項1、2又は3記載の
    メタクリル系樹脂の製造方法。
  6. 【請求項6】 アクリル酸エステル単量体がアクリル酸
    メチル単量体又はアクリル酸エチル単量体であることを
    特徴とする請求項5のメタクリル系樹脂の製造方法。
  7. 【請求項7】 溶媒がアルキルベンゼンであることを特
    徴とする請求項1、2又は3記載のメタクリル系樹脂の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 溶媒が、トルエン、キシレン、エチルベ
    ンゼンから選ばれることを特徴とする請求項7のメタク
    リル系樹脂の製造方法。
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