JPH1093349A - 周波数逓倍器 - Google Patents
周波数逓倍器Info
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- JPH1093349A JPH1093349A JP8244605A JP24460596A JPH1093349A JP H1093349 A JPH1093349 A JP H1093349A JP 8244605 A JP8244605 A JP 8244605A JP 24460596 A JP24460596 A JP 24460596A JP H1093349 A JPH1093349 A JP H1093349A
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- signal
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 トランジスタの入出力特性の非線形性がより
大きくなる点で、トランジスタを動作させることによ
り、変換利得を向上させて、逓倍出力信号の出力電力を
大きくする。 【解決手段】 本発明の周波数逓倍器31は、入力信号
を入力整合回路33を通してトランジスタ32に入力す
ると共に、トランジスタ32から出力された逓倍出力信
号を反射型基本波信号帯域抑圧回路41及び出力整合回
路42を通して出力させるように構成されたものにおい
て、トランジスタ32の出力端子と反射型基本波信号帯
域抑圧回路41の入力端子の間に、定在波を発生する伝
送線路40を設けるように構成したものである。この構
成の場合、トランジスタ32の出力端子にかかる電圧が
高くなるため、トランジスタ32がその入出力特性の非
線形性がより大きくなる点で動作するようになり、逓倍
出力信号の出力電力が大きくなる。
大きくなる点で、トランジスタを動作させることによ
り、変換利得を向上させて、逓倍出力信号の出力電力を
大きくする。 【解決手段】 本発明の周波数逓倍器31は、入力信号
を入力整合回路33を通してトランジスタ32に入力す
ると共に、トランジスタ32から出力された逓倍出力信
号を反射型基本波信号帯域抑圧回路41及び出力整合回
路42を通して出力させるように構成されたものにおい
て、トランジスタ32の出力端子と反射型基本波信号帯
域抑圧回路41の入力端子の間に、定在波を発生する伝
送線路40を設けるように構成したものである。この構
成の場合、トランジスタ32の出力端子にかかる電圧が
高くなるため、トランジスタ32がその入出力特性の非
線形性がより大きくなる点で動作するようになり、逓倍
出力信号の出力電力が大きくなる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ波やミリ
波等の周波数帯域の信号を入力して、その逓倍出力信号
を出力するように構成された周波数逓倍器に関する。
波等の周波数帯域の信号を入力して、その逓倍出力信号
を出力するように構成された周波数逓倍器に関する。
【0002】
【従来の技術】周波数逓倍器は、トランジスタ等の入出
力特性の非線形性を利用して、入力信号の周波数の整数
倍の周波数信号(即ち、逓倍出力信号)を出力するよう
に構成されている。この構成の場合、逓倍出力信号の電
力をより大きくすると共に、不要信号の電力をより小さ
くすることが要求されている。ここで、不要出力とは、
トランジスタ等から出力される出力信号のうちの逓倍出
力信号以外の信号である低次及び高次の周波数信号のこ
とである。この不要出力の中で、入力信号の周波数と同
じ周波数の出力信号を基本波信号という。この基本波信
号の出力電力は逓倍出力信号の出力電力よりも大きい場
合が多いため、この基本波信号を出力させないように抑
圧する回路が上記周波数逓倍器に設けられている。
力特性の非線形性を利用して、入力信号の周波数の整数
倍の周波数信号(即ち、逓倍出力信号)を出力するよう
に構成されている。この構成の場合、逓倍出力信号の電
力をより大きくすると共に、不要信号の電力をより小さ
くすることが要求されている。ここで、不要出力とは、
トランジスタ等から出力される出力信号のうちの逓倍出
力信号以外の信号である低次及び高次の周波数信号のこ
とである。この不要出力の中で、入力信号の周波数と同
じ周波数の出力信号を基本波信号という。この基本波信
号の出力電力は逓倍出力信号の出力電力よりも大きい場
合が多いため、この基本波信号を出力させないように抑
圧する回路が上記周波数逓倍器に設けられている。
【0003】このような周波数逓倍器は、基本的には、
入力整合回路とトランジスタと基本波信号帯域抑圧回路
と出力整合回路とから構成されている。上記入力整合回
路は入力信号の周波数に対して整合をとる回路であり、
上記出力整合回路は逓倍出力信号の周波数に対して整合
をとる回路である。また、基本波信号帯域抑圧回路とし
ては、基本波信号(不要信号)を反射する反射型の回路
を使用することが一般的である。
入力整合回路とトランジスタと基本波信号帯域抑圧回路
と出力整合回路とから構成されている。上記入力整合回
路は入力信号の周波数に対して整合をとる回路であり、
上記出力整合回路は逓倍出力信号の周波数に対して整合
をとる回路である。また、基本波信号帯域抑圧回路とし
ては、基本波信号(不要信号)を反射する反射型の回路
を使用することが一般的である。
【0004】一方、上記構成の周波数逓倍器をモノリシ
ックマイクロ波集積回路(MMIC)で構成したもの
が、従来より知られている。この構成の一例として、
「“A60GHz MMIC STABILIZED
FREQUENCY SOURCE COMPOSED
OF A 30GHz DRO AND A DOU
BLER“ 1995 IEEE Microwave
Symp.Digest pp.71−74」に示さ
れた周波数逓倍器がある。この周波数逓倍器の具体的構
成を、図7に示す。
ックマイクロ波集積回路(MMIC)で構成したもの
が、従来より知られている。この構成の一例として、
「“A60GHz MMIC STABILIZED
FREQUENCY SOURCE COMPOSED
OF A 30GHz DRO AND A DOU
BLER“ 1995 IEEE Microwave
Symp.Digest pp.71−74」に示さ
れた周波数逓倍器がある。この周波数逓倍器の具体的構
成を、図7に示す。
【0005】この図7に示すように、周波数逓倍器1
は、入力整合回路2とトランジスタ3と反射型基本波信
号帯域抑圧回路4と出力整合回路5とを有して構成され
ている。上記入力整合回路2は、伝送線路6とスタブ7
とから構成されており、この伝送線路6とスタブ7の接
続点をコンデンサ8の一端に接続し、このコンデンサ8
の他端を入力端子9としている。また、トランジスタ3
は例えばFETから構成されており、そのゲートを、入
力整合回路2の伝送線路6の他端に接続すると共に、伝
送線路10及びコンデンサ11を介して接地している。
は、入力整合回路2とトランジスタ3と反射型基本波信
号帯域抑圧回路4と出力整合回路5とを有して構成され
ている。上記入力整合回路2は、伝送線路6とスタブ7
とから構成されており、この伝送線路6とスタブ7の接
続点をコンデンサ8の一端に接続し、このコンデンサ8
の他端を入力端子9としている。また、トランジスタ3
は例えばFETから構成されており、そのゲートを、入
力整合回路2の伝送線路6の他端に接続すると共に、伝
送線路10及びコンデンサ11を介して接地している。
【0006】更に、反射型基本波信号帯域抑圧回路4は
オープンスタブ12から構成され、出力整合回路5は伝
送線路13とスタブ14とから構成されている。トラン
ジスタ3のドレインは、上記スタブ12の一端に接続さ
れると共に、伝送線路13の一端に接続され、更に、伝
送線路15及びコンデンサ16を介して接地されてい
る。トランジスタ3のソースは接地されている。また、
伝送線路13とスタブ14の接続点がコンデンサ17の
一端に接続され、このコンデンサ17の他端が出力端子
18となっている。尚、伝送線路10とコンデンサ11
の接続点を、ゲートバイアスを供給する電圧端子19と
し、また、伝送線路15とコンデンサ16の接続点を、
ドレインバイアスを供給する電圧端子20としている。
オープンスタブ12から構成され、出力整合回路5は伝
送線路13とスタブ14とから構成されている。トラン
ジスタ3のドレインは、上記スタブ12の一端に接続さ
れると共に、伝送線路13の一端に接続され、更に、伝
送線路15及びコンデンサ16を介して接地されてい
る。トランジスタ3のソースは接地されている。また、
伝送線路13とスタブ14の接続点がコンデンサ17の
一端に接続され、このコンデンサ17の他端が出力端子
18となっている。尚、伝送線路10とコンデンサ11
の接続点を、ゲートバイアスを供給する電圧端子19と
し、また、伝送線路15とコンデンサ16の接続点を、
ドレインバイアスを供給する電圧端子20としている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した構
成の周波数逓倍器においては、トランジスタの入出力特
性の非線形性を利用して逓倍出力信号を生成する構成で
あるので、一般的に、その変換利得が非常に小さくなっ
てしまう、換言すると、逓倍出力信号の出力電力が小さ
くなってしまうという特性がある。このため、周波数逓
倍器の変換利得を大きくすることが強く望まれている。
成の周波数逓倍器においては、トランジスタの入出力特
性の非線形性を利用して逓倍出力信号を生成する構成で
あるので、一般的に、その変換利得が非常に小さくなっ
てしまう、換言すると、逓倍出力信号の出力電力が小さ
くなってしまうという特性がある。このため、周波数逓
倍器の変換利得を大きくすることが強く望まれている。
【0008】そこで、本発明者は、周波数逓倍器の変換
利得を大きくしようとして、種々の実験を試みた。ま
ず、トランジスタの入出力特性の非線形性がより大きく
なる点でトランジスタを動作させると、逓倍出力信号の
出力電力が大きくなるという特性が知られているので、
本発明者はこの特性に着目した。そして、トランジスタ
の入出力特性の非線形性がより大きくなる点で、トラン
ジスタを動作させるためには、トランジスタの出力端子
にかかる高周波電圧を高くすれば良いことに本発明者は
気付いた。
利得を大きくしようとして、種々の実験を試みた。ま
ず、トランジスタの入出力特性の非線形性がより大きく
なる点でトランジスタを動作させると、逓倍出力信号の
出力電力が大きくなるという特性が知られているので、
本発明者はこの特性に着目した。そして、トランジスタ
の入出力特性の非線形性がより大きくなる点で、トラン
ジスタを動作させるためには、トランジスタの出力端子
にかかる高周波電圧を高くすれば良いことに本発明者は
気付いた。
【0009】ここで、トランジスタの出力端子にかかる
電圧を高くする方法として、外から電圧を印加するため
の電圧端子をトランジスタの出力端子に接続する方法が
容易に考えられる。しかしながら、このように電圧を印
加した場合、直流電圧レベルが高くなるのみで、本発明
者の意図しているような高周波電圧が高くなる効果は期
待できない。
電圧を高くする方法として、外から電圧を印加するため
の電圧端子をトランジスタの出力端子に接続する方法が
容易に考えられる。しかしながら、このように電圧を印
加した場合、直流電圧レベルが高くなるのみで、本発明
者の意図しているような高周波電圧が高くなる効果は期
待できない。
【0010】このため、本発明者は、外から電圧を印加
することなく、トランジスタの出力端子にかかる電圧を
高くする方法がないかと考えた。ここで、本発明者は、
トランジスタの出力端子から出力された基本波信号が反
射型基本波信号帯域抑圧回路で反射し、更に、この反射
信号がトランジスタの出力端子で反射することを繰り返
すことにより、トランジスタの出力端子と反射型基本波
信号帯域抑圧回路の入力端子とを接続する部分(伝送線
路)で反射減衰していることに着目した。そして、本発
明者は、上記反射減衰する基本波信号を利用してトラン
ジスタの出力端子にかかる電圧を高くできるのではない
かと考え、この考えを押し進めた結果、上記基本波信号
及び反射信号に基づいて定在波を発生する機能を有する
伝送線路を、トランジスタの出力端子と反射型基本波信
号帯域抑圧回路の入力端子との間に設ける構成を発明し
た。
することなく、トランジスタの出力端子にかかる電圧を
高くする方法がないかと考えた。ここで、本発明者は、
トランジスタの出力端子から出力された基本波信号が反
射型基本波信号帯域抑圧回路で反射し、更に、この反射
信号がトランジスタの出力端子で反射することを繰り返
すことにより、トランジスタの出力端子と反射型基本波
信号帯域抑圧回路の入力端子とを接続する部分(伝送線
路)で反射減衰していることに着目した。そして、本発
明者は、上記反射減衰する基本波信号を利用してトラン
ジスタの出力端子にかかる電圧を高くできるのではない
かと考え、この考えを押し進めた結果、上記基本波信号
及び反射信号に基づいて定在波を発生する機能を有する
伝送線路を、トランジスタの出力端子と反射型基本波信
号帯域抑圧回路の入力端子との間に設ける構成を発明し
た。
【0011】そして、上記発明の動作を確かめるため
に、本発明者は、定在波を発生する伝送線路をトランジ
スタの出力端子と反射型基本波信号帯域抑圧回路の入力
端子との間に設けた周波数逓倍器のMMICを作製する
実験を行った。そして、この作製した周波数逓倍器から
出力される逓倍出力信号の出力電力及び変換利得を測定
してみたところ、出力電力及び変換利得がかなり大きく
なっていることを実際に確認した。この作製した周波数
逓倍器のMMICの具体的構成並びに測定結果について
は、発明の実施の形態の欄で詳細に説明する。
に、本発明者は、定在波を発生する伝送線路をトランジ
スタの出力端子と反射型基本波信号帯域抑圧回路の入力
端子との間に設けた周波数逓倍器のMMICを作製する
実験を行った。そして、この作製した周波数逓倍器から
出力される逓倍出力信号の出力電力及び変換利得を測定
してみたところ、出力電力及び変換利得がかなり大きく
なっていることを実際に確認した。この作製した周波数
逓倍器のMMICの具体的構成並びに測定結果について
は、発明の実施の形態の欄で詳細に説明する。
【0012】本発明の目的は、トランジスタの入出力特
性の非線形性がより大きくなる点でトランジスタが動作
するように構成することにより、変換利得を向上させる
と共に、逓倍出力信号の出力電力を大きくすることがで
きる周波数逓倍器を提供するにある。
性の非線形性がより大きくなる点でトランジスタが動作
するように構成することにより、変換利得を向上させる
と共に、逓倍出力信号の出力電力を大きくすることがで
きる周波数逓倍器を提供するにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明によれ
ば、トランジスタの出力端子と反射型基本波信号帯域抑
圧回路の入力端子の間に、定在波を発生する所定長さの
伝送線路を設ける構成としたので、トランジスタの出力
端子にかかる電圧を高くすることができ、トランジスタ
の入出力特性の非線形性がより大きくなる点でトランジ
スタが動作するようになる。この結果、変換利得が向上
すると共に、逓倍出力信号の出力電力が大きくなる。そ
して、この構成の場合、定在波を発生する機能を有する
伝送線路は、その長さを調節するだけで比較的簡単に設
計することが可能であるので、容易に実現することがで
きる。
ば、トランジスタの出力端子と反射型基本波信号帯域抑
圧回路の入力端子の間に、定在波を発生する所定長さの
伝送線路を設ける構成としたので、トランジスタの出力
端子にかかる電圧を高くすることができ、トランジスタ
の入出力特性の非線形性がより大きくなる点でトランジ
スタが動作するようになる。この結果、変換利得が向上
すると共に、逓倍出力信号の出力電力が大きくなる。そ
して、この構成の場合、定在波を発生する機能を有する
伝送線路は、その長さを調節するだけで比較的簡単に設
計することが可能であるので、容易に実現することがで
きる。
【0014】請求項2の発明によれば、伝送線路の長さ
を、トランジスタから出力される基本波信号の位相と、
反射型基本波信号帯域抑圧回路で反射された基本波信号
が更にトランジスタの出力端子で反射された信号の位相
とが同位相となるように設定した。これにより、定在波
の振幅が最大になるから、トランジスタの出力端子にか
かる電圧も最大になる。従って、トランジスタの入出力
特性の非線形性が最大になる点でトランジスタが動作す
るようになるから、変換利得を最大にすることができ
る。
を、トランジスタから出力される基本波信号の位相と、
反射型基本波信号帯域抑圧回路で反射された基本波信号
が更にトランジスタの出力端子で反射された信号の位相
とが同位相となるように設定した。これにより、定在波
の振幅が最大になるから、トランジスタの出力端子にか
かる電圧も最大になる。従って、トランジスタの入出力
特性の非線形性が最大になる点でトランジスタが動作す
るようになるから、変換利得を最大にすることができ
る。
【0015】請求項3の発明によれば、伝送線路の長さ
を、トランジスタから出力される基本波信号と、反射型
基本波信号帯域抑圧回路で反射された基本波信号が更に
トランジスタの出力端子で反射された信号とが互いに強
め合うような位相関係となるように設定した。これによ
り、基本波信号とその反射信号とが強め合うように重畳
されるようになるから、トランジスタの出力端子にかか
る電圧が上記伝送線路が存在しない場合に比べて大きく
なる。従って、トランジスタの入出力特性の非線形性が
より大きくなる点でトランジスタが動作するようになる
から、変換利得及び出力電力を大きくすることができ
る。
を、トランジスタから出力される基本波信号と、反射型
基本波信号帯域抑圧回路で反射された基本波信号が更に
トランジスタの出力端子で反射された信号とが互いに強
め合うような位相関係となるように設定した。これによ
り、基本波信号とその反射信号とが強め合うように重畳
されるようになるから、トランジスタの出力端子にかか
る電圧が上記伝送線路が存在しない場合に比べて大きく
なる。従って、トランジスタの入出力特性の非線形性が
より大きくなる点でトランジスタが動作するようになる
から、変換利得及び出力電力を大きくすることができ
る。
【0016】この構成の場合、請求項4の発明に記載さ
れたように、位相差φdが、式(1)で決められる範囲
内に属するように、伝送線路の長さを設定すると、基本
波信号とその反射信号とが互いに強め合うような関係に
実際に構成することができる。これにより、変換利得を
向上させることができると共に、逓倍出力信号の出力電
力を大きくすることができる。そして、請求項5の発明
に記載されたように、位相差φdを定義する構成とする
と、伝送線路の長さを計算により容易に設定することが
できる。
れたように、位相差φdが、式(1)で決められる範囲
内に属するように、伝送線路の長さを設定すると、基本
波信号とその反射信号とが互いに強め合うような関係に
実際に構成することができる。これにより、変換利得を
向上させることができると共に、逓倍出力信号の出力電
力を大きくすることができる。そして、請求項5の発明
に記載されたように、位相差φdを定義する構成とする
と、伝送線路の長さを計算により容易に設定することが
できる。
【0017】また、請求項6の発明によれば、逓倍出力
信号として偶数次の高調波信号を出力する場合、反射型
基本波信号帯域抑圧回路を、抑圧する基本波信号周波数
に対応した伝送線路内波長λの1/4長のオープンスタ
ブまたは1/2長のショートスタブから構成した。これ
により、反射型基本波信号帯域抑圧回路を比較的簡単な
構成にて容易に実現することができる。
信号として偶数次の高調波信号を出力する場合、反射型
基本波信号帯域抑圧回路を、抑圧する基本波信号周波数
に対応した伝送線路内波長λの1/4長のオープンスタ
ブまたは1/2長のショートスタブから構成した。これ
により、反射型基本波信号帯域抑圧回路を比較的簡単な
構成にて容易に実現することができる。
【0018】更に、請求項7の発明によれば、逓倍出力
信号として奇数次の高調波信号を出力する場合、反射型
基本波信号帯域抑圧回路を、抑圧する基本波信号周波数
に対応した信号を減衰させる機能を有するバンドパスフ
ィルタから構成した。これにより、反射型基本波信号帯
域抑圧回路を比較的簡単な構成にて容易に実現すること
ができる。
信号として奇数次の高調波信号を出力する場合、反射型
基本波信号帯域抑圧回路を、抑圧する基本波信号周波数
に対応した信号を減衰させる機能を有するバンドパスフ
ィルタから構成した。これにより、反射型基本波信号帯
域抑圧回路を比較的簡単な構成にて容易に実現すること
ができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施例につ
いて図1ないし図4を参照しながら説明する。この第1
の実施例の周波数逓倍器は、例えばFMCW方式のミリ
波レーダシステム用の信号源の一部分として使用するた
めのものであり、入力信号の周波数(例えば30GH
z)を2逓倍(60GHzに変換)して出力する機能を
有している。まず、図1は、上記第1の実施例の周波数
逓倍器31の電気回路構成を示す図である。
いて図1ないし図4を参照しながら説明する。この第1
の実施例の周波数逓倍器は、例えばFMCW方式のミリ
波レーダシステム用の信号源の一部分として使用するた
めのものであり、入力信号の周波数(例えば30GH
z)を2逓倍(60GHzに変換)して出力する機能を
有している。まず、図1は、上記第1の実施例の周波数
逓倍器31の電気回路構成を示す図である。
【0020】この図1に示すように、周波数逓倍器31
の能動素子としてのトランジスタ32は、例えばInP
基板上に作製したInAlAs/歪InGaAsヘテロ
構造を用いた高電子移動度トランジスタ(以下HEMT
と称する)から構成されている。このHEMT32のゲ
ート長は0.5μmであり、単位ゲート幅は25μmで
あり、フィンガー数は2本である。
の能動素子としてのトランジスタ32は、例えばInP
基板上に作製したInAlAs/歪InGaAsヘテロ
構造を用いた高電子移動度トランジスタ(以下HEMT
と称する)から構成されている。このHEMT32のゲ
ート長は0.5μmであり、単位ゲート幅は25μmで
あり、フィンガー数は2本である。
【0021】上記HEMT32のゲートには、入力整合
回路33が接続されている。この入力整合回路33は、
伝送線路34とスタブ35を接続して構成されている。
この場合、入力整合回路33の伝送線路34及びスタブ
35は、30GHz帯の入力信号に対して整合をとるよ
うに構成されている。そして、上記伝送線路34の一端
(スタブ35と接続しない側の端子)を上記HEMT3
2のゲートに接続している。また、伝送線路34とスタ
ブ35の接続点をコンデンサ36の一端に接続し、この
コンデンサ36の他端を入力端子37とし、この入力端
子37に入力信号を入力するように構成されている。更
に、スタブ35の他端(伝送線路34と接続しない側の
端子)は、コンデンサ38を介して接地されていると共
に、ゲートバイアスを供給する電圧端子39となってい
る。
回路33が接続されている。この入力整合回路33は、
伝送線路34とスタブ35を接続して構成されている。
この場合、入力整合回路33の伝送線路34及びスタブ
35は、30GHz帯の入力信号に対して整合をとるよ
うに構成されている。そして、上記伝送線路34の一端
(スタブ35と接続しない側の端子)を上記HEMT3
2のゲートに接続している。また、伝送線路34とスタ
ブ35の接続点をコンデンサ36の一端に接続し、この
コンデンサ36の他端を入力端子37とし、この入力端
子37に入力信号を入力するように構成されている。更
に、スタブ35の他端(伝送線路34と接続しない側の
端子)は、コンデンサ38を介して接地されていると共
に、ゲートバイアスを供給する電圧端子39となってい
る。
【0022】また、HEMT32のドレインはトランジ
スタの出力端子を構成するものであり、このドレインに
は、定在波を発生する伝送線路40の一端が接続されて
いる。この伝送線路40の具体的構成及びその動作につ
いては後述する。上記伝送線路40の他端には、反射型
基本波信号帯域抑圧回路41及び出力整合回路42の入
力端子が接続されている。
スタの出力端子を構成するものであり、このドレインに
は、定在波を発生する伝送線路40の一端が接続されて
いる。この伝送線路40の具体的構成及びその動作につ
いては後述する。上記伝送線路40の他端には、反射型
基本波信号帯域抑圧回路41及び出力整合回路42の入
力端子が接続されている。
【0023】上記反射型基本波信号帯域抑圧回路41
は、基本波信号の周波数(本実施例の場合、30GH
z)に対応した線路内波長λの1/4長のオープンスタ
ブ43から構成されている。このオープンスタブ43の
一端が、反射型基本波信号帯域抑圧回路41の入力端子
であり、上記伝送線路40の他端に接続されている。ま
た、出力整合回路42は、伝送線路44とスタブ45を
接続して構成されている。この場合、出力整合回路42
の伝送線路44及びスタブ45は、60GHz帯の出力
信号に対して整合をとるように構成されている。そし
て、上記伝送線路44の一端(スタブ45と接続しない
側の端子)を、上記伝送線路40の他端に接続してい
る。また、伝送線路44とスタブ45の接続点をコンデ
ンサ46の一端に接続し、このコンデンサ46の他端を
出力端子47としている。この出力端子47から、逓倍
出力信号(本実施例の場合、60GHzの周波数信号)
を出力するように構成されている。
は、基本波信号の周波数(本実施例の場合、30GH
z)に対応した線路内波長λの1/4長のオープンスタ
ブ43から構成されている。このオープンスタブ43の
一端が、反射型基本波信号帯域抑圧回路41の入力端子
であり、上記伝送線路40の他端に接続されている。ま
た、出力整合回路42は、伝送線路44とスタブ45を
接続して構成されている。この場合、出力整合回路42
の伝送線路44及びスタブ45は、60GHz帯の出力
信号に対して整合をとるように構成されている。そし
て、上記伝送線路44の一端(スタブ45と接続しない
側の端子)を、上記伝送線路40の他端に接続してい
る。また、伝送線路44とスタブ45の接続点をコンデ
ンサ46の一端に接続し、このコンデンサ46の他端を
出力端子47としている。この出力端子47から、逓倍
出力信号(本実施例の場合、60GHzの周波数信号)
を出力するように構成されている。
【0024】また、スタブ45の他端(伝送線路44と
接続しない側の端子)は、コンデンサ48を介して接地
されている。このコンデンサ48とスタブ45の接続点
が、ドレインバイアスを供給する電圧端子49となって
いる。更に、HEMT32のソースは接地されている。
接続しない側の端子)は、コンデンサ48を介して接地
されている。このコンデンサ48とスタブ45の接続点
が、ドレインバイアスを供給する電圧端子49となって
いる。更に、HEMT32のソースは接地されている。
【0025】そして、上記した周波数逓倍器31を構成
する各回路要素(即ち、HEMT32、伝送線路34、
40、44、スタブ35、43、45、コンデンサ3
6、38、46、48、端子37、39、47、49)
は、例えばInP基板上に集積して形成されており、も
って、周波数逓倍器31がMMICとして作製されてい
る。この作製した周波数逓倍器31は、30GHz帯の
入力信号を入力して、60GHz帯(2逓倍)の出力信
号を出力するMMIC(のチップ)である。
する各回路要素(即ち、HEMT32、伝送線路34、
40、44、スタブ35、43、45、コンデンサ3
6、38、46、48、端子37、39、47、49)
は、例えばInP基板上に集積して形成されており、も
って、周波数逓倍器31がMMICとして作製されてい
る。この作製した周波数逓倍器31は、30GHz帯の
入力信号を入力して、60GHz帯(2逓倍)の出力信
号を出力するMMIC(のチップ)である。
【0026】また、上記MMICを作製するに際して、
伝送線路及びスタブとしては図2に示す構成のコプレー
ナ線路50を用いた。このコプレーナ線路50は、In
P基板51上に配設された信号線52と、この信号線5
2の両側に配設された接地電極53、53とから構成さ
れている。ここで、信号線52及び接地電極53は例え
ば金で形成されている。そして、信号線52の幅寸法W
sを50μmとし、信号線52と接地電極53との間隔
Wgを43μmとした。この構成の場合、上記コプレー
ナ線路50内における30GHzの高周波信号の波長
(線路内波長)は、計算によると約3900μmとなっ
た。
伝送線路及びスタブとしては図2に示す構成のコプレー
ナ線路50を用いた。このコプレーナ線路50は、In
P基板51上に配設された信号線52と、この信号線5
2の両側に配設された接地電極53、53とから構成さ
れている。ここで、信号線52及び接地電極53は例え
ば金で形成されている。そして、信号線52の幅寸法W
sを50μmとし、信号線52と接地電極53との間隔
Wgを43μmとした。この構成の場合、上記コプレー
ナ線路50内における30GHzの高周波信号の波長
(線路内波長)は、計算によると約3900μmとなっ
た。
【0027】ここで、上述した構成の周波数逓倍器(M
MIC)31の実際の回路パターンを、図4に示す。こ
の図4において各符号及び引き出し線が示す各構成は、
図1において各符号及び引き出し線が示す各構成と同じ
構成である。尚、上記MMIC(周波数逓倍器)31の
チップサイズは、2.7×1.7mmである。
MIC)31の実際の回路パターンを、図4に示す。こ
の図4において各符号及び引き出し線が示す各構成は、
図1において各符号及び引き出し線が示す各構成と同じ
構成である。尚、上記MMIC(周波数逓倍器)31の
チップサイズは、2.7×1.7mmである。
【0028】次に、前記伝送線路40が定在波を発生す
る動作について、図3も参照して説明する。この図3に
示すように、伝送線路40においては、HEMT32の
ドレインから出力される基本波信号S1と、反射型基本
波信号帯域抑圧回路41で反射された基本波信号が更に
HEMT32のドレインで反射された信号S2により、
定在波が発生する。そして、この定在波の振幅が、HE
MT32のドレインから出力される出力信号(逓倍出力
信号並びに不要信号(即ち、基本波信号S1を含む信
号))に加わって重畳されるようになる。
る動作について、図3も参照して説明する。この図3に
示すように、伝送線路40においては、HEMT32の
ドレインから出力される基本波信号S1と、反射型基本
波信号帯域抑圧回路41で反射された基本波信号が更に
HEMT32のドレインで反射された信号S2により、
定在波が発生する。そして、この定在波の振幅が、HE
MT32のドレインから出力される出力信号(逓倍出力
信号並びに不要信号(即ち、基本波信号S1を含む信
号))に加わって重畳されるようになる。
【0029】この結果、HEMT32のドレインにかか
る電圧が上記定在波の振幅分だけ大きくなり、HEMT
32の入出力特性の非線形性がより大きくなる点でHE
MT32が動作するようになる。これにより、周波数逓
倍器31の変換利得が大きくなると共に、逓倍出力信号
の出力電力が大きくなる。
る電圧が上記定在波の振幅分だけ大きくなり、HEMT
32の入出力特性の非線形性がより大きくなる点でHE
MT32が動作するようになる。これにより、周波数逓
倍器31の変換利得が大きくなると共に、逓倍出力信号
の出力電力が大きくなる。
【0030】ここで、上述した2つの信号S1及びS2
が強め合うような位相関係となる条件について考察して
みる。まず、2つの信号S1、S2の位相差φdが下記
の式(1)で定義される範囲内に属する場合、2つの信
号S1、S2が強め合うような位相関係となり、定在波
の振幅が大きくなる。
が強め合うような位相関係となる条件について考察して
みる。まず、2つの信号S1、S2の位相差φdが下記
の式(1)で定義される範囲内に属する場合、2つの信
号S1、S2が強め合うような位相関係となり、定在波
の振幅が大きくなる。
【0031】 n×360−120≦φd≦n×360+120 (1) (但し、nは整数である) 従って、上記式(1)が成立するように、伝送線路40
の長さを設定(設計)すれば良い。ここで、上記位相差
φdは次の式(2)で定義される。
の長さを設定(設計)すれば良い。ここで、上記位相差
φdは次の式(2)で定義される。
【0032】 φd=(2×φL)+φA+φB (2) この式(2)において、φLは、伝送線路40の長さを
Ldとしたとき、この長さLdに対応する基本波信号S
1の位相遅れである。そして、この位相遅れφL(度)
は次の式(3)で定義される。
Ldとしたとき、この長さLdに対応する基本波信号S
1の位相遅れである。そして、この位相遅れφL(度)
は次の式(3)で定義される。
【0033】 φL=(Ld/λ)×360 (3) この式(3)において、λは基本波信号S1の伝送線路
40内の波長(線路内波長)であり、本実施例の場合、
約3900μmである。
40内の波長(線路内波長)であり、本実施例の場合、
約3900μmである。
【0034】また、前記式(2)において、φAは伝送
線路40からHEMT32のドレインをみた反射係数Γ
A(図3参照)のうちの位相特性である。そして、φB
は伝送線路40から反射型基本波信号帯域抑圧回路4
1、即ち、オープンスタブ43の入力端子をみた反射係
数ΓB(図3参照)のうちの位相特性である。
線路40からHEMT32のドレインをみた反射係数Γ
A(図3参照)のうちの位相特性である。そして、φB
は伝送線路40から反射型基本波信号帯域抑圧回路4
1、即ち、オープンスタブ43の入力端子をみた反射係
数ΓB(図3参照)のうちの位相特性である。
【0035】そこで、本発明者は、30GHzの基本波
信号S1について、上記2つの反射係数ΓA、ΓBを測
定した。この測定結果を下記に示す。
信号S1について、上記2つの反射係数ΓA、ΓBを測
定した。この測定結果を下記に示す。
【0036】
【数2】 この場合、反射係数ΓAのうちの「0.7252」は振
幅特性であり、「−29.7621°」は位相特性であ
る。同様にして、反射係数ΓBのうちの「1.0」は振
幅特性であり、「180°」は位相特性である。
幅特性であり、「−29.7621°」は位相特性であ
る。同様にして、反射係数ΓBのうちの「1.0」は振
幅特性であり、「180°」は位相特性である。
【0037】これら反射係数ΓA、ΓBの各位相特性の
測定値と、前記3つの式(1)、(2)、(3)とか
ら、n=1の場合の伝送線路40の長さLdを求める
と、この長さLdは次の式(4)で決められる範囲とな
る。
測定値と、前記3つの式(1)、(2)、(3)とか
ら、n=1の場合の伝送線路40の長さLdを求める
と、この長さLdは次の式(4)で決められる範囲とな
る。
【0038】 486.21(μm)≦Ld≦1786.21(μm) (4) 従って、伝送線路40の長さLdを上記式(4)の範囲
内に属するように設定して、周波数逓倍器(MMIC)
31を作製すれば、伝送線路40において、2つの信号
S1、S2が強め合う位相関係となり、十分振幅の大き
い定在波が発生するようになることがわかる。
内に属するように設定して、周波数逓倍器(MMIC)
31を作製すれば、伝送線路40において、2つの信号
S1、S2が強め合う位相関係となり、十分振幅の大き
い定在波が発生するようになることがわかる。
【0039】そこで、本発明者は、伝送線路40の長さ
Ldが上記式(4)の範囲内に属するものとして、Ld
を500μmに設定した周波数逓倍器31と、Ldを6
00μmに設定した周波数逓倍器31とを作製し、ま
た、Ldが上記式(4)の範囲内に属しないものとし
て、Ldを250μmに設定した周波数逓倍器31を作
製した。そして、これら作製した3つの周波数逓倍器3
1の変換利得を測定した。この測定結果を、下記の表1
に示す。
Ldが上記式(4)の範囲内に属するものとして、Ld
を500μmに設定した周波数逓倍器31と、Ldを6
00μmに設定した周波数逓倍器31とを作製し、ま
た、Ldが上記式(4)の範囲内に属しないものとし
て、Ldを250μmに設定した周波数逓倍器31を作
製した。そして、これら作製した3つの周波数逓倍器3
1の変換利得を測定した。この測定結果を、下記の表1
に示す。
【0040】
【表1】 この表から、Ldを500μm、600μmに設定した
場合は、Ldを250μmに設定した場合に比べて、変
換利得がかなり向上したことがわかる。即ち、前記2つ
の信号S1、S2の位相差φdが180度に近い場合
(信号S1と信号S2とが逆位相に近い場合)に比べ
て、上記位相差φdが180度からある程度離れて36
0度に近づいた場合(信号S1と信号S2とが同位相に
近づいた場合)の方が変換利得が大幅に向上しているこ
とがわかる。これにより、位相差φdが前記式(1)で
定義される範囲内に属しているとき、変換利得が向上す
ることを確認することができた。
場合は、Ldを250μmに設定した場合に比べて、変
換利得がかなり向上したことがわかる。即ち、前記2つ
の信号S1、S2の位相差φdが180度に近い場合
(信号S1と信号S2とが逆位相に近い場合)に比べ
て、上記位相差φdが180度からある程度離れて36
0度に近づいた場合(信号S1と信号S2とが同位相に
近づいた場合)の方が変換利得が大幅に向上しているこ
とがわかる。これにより、位相差φdが前記式(1)で
定義される範囲内に属しているとき、変換利得が向上す
ることを確認することができた。
【0041】また、上記位相差φdが360度になる場
合、即ち、信号S1と信号S2とが同位相の場合、伝送
線路40に発生する定在波の振幅が最大になるから、変
換利得も最大になると考えられる。そして、位相差φd
を360度にするには、伝送線路40の長さLdを約1
100μmに設定すれば良いことが計算により求められ
る。従って、伝送線路40の長さLdを約1100μm
に設定して周波数逓倍器31を作製すれば、変換利得が
最大の構成を実現することができる。
合、即ち、信号S1と信号S2とが同位相の場合、伝送
線路40に発生する定在波の振幅が最大になるから、変
換利得も最大になると考えられる。そして、位相差φd
を360度にするには、伝送線路40の長さLdを約1
100μmに設定すれば良いことが計算により求められ
る。従って、伝送線路40の長さLdを約1100μm
に設定して周波数逓倍器31を作製すれば、変換利得が
最大の構成を実現することができる。
【0042】この場合、MMIC化した周波数逓倍器3
1のチップは、なるべく小さいサイズである方が好まし
いので、上記したように伝送線路40の長さLdを約1
100μmに設定してしまうと、チップサイズがかなり
大きくなってしまうという不具合が生ずる。このため、
実際には、チップサイズの制約から、伝送線路40の長
さLdを500μmまたは600μm程度に設定した周
波数逓倍器31(試作したもの)が最も好ましい構成と
なる。
1のチップは、なるべく小さいサイズである方が好まし
いので、上記したように伝送線路40の長さLdを約1
100μmに設定してしまうと、チップサイズがかなり
大きくなってしまうという不具合が生ずる。このため、
実際には、チップサイズの制約から、伝送線路40の長
さLdを500μmまたは600μm程度に設定した周
波数逓倍器31(試作したもの)が最も好ましい構成と
なる。
【0043】また、上記実施例では、周波数逓倍器31
を周波数2逓倍器として構成したが、これに限られるも
のではなく、周波数4逓倍器として構成しても良い。具
体的には、15GHz帯の入力信号を入力して、60G
Hz帯の逓倍出力信号を出力する4逓倍器を作製する場
合、入力整合回路33を15GHz帯で整合をとるよう
に構成し、出力整合回路42を60GHz帯で整合をと
るように構成し、反射型基本波信号帯域抑圧回路41を
15GHzの線路内波長λ1の1/4長のオープンスタ
ブで構成するようにすれば良い。
を周波数2逓倍器として構成したが、これに限られるも
のではなく、周波数4逓倍器として構成しても良い。具
体的には、15GHz帯の入力信号を入力して、60G
Hz帯の逓倍出力信号を出力する4逓倍器を作製する場
合、入力整合回路33を15GHz帯で整合をとるよう
に構成し、出力整合回路42を60GHz帯で整合をと
るように構成し、反射型基本波信号帯域抑圧回路41を
15GHzの線路内波長λ1の1/4長のオープンスタ
ブで構成するようにすれば良い。
【0044】図5及び図6は本発明の第2の実施例を示
すものであり、第1の実施例と異なるところを説明す
る。尚、第1の実施例と同一部分には、同一符号を付し
ている。上記第2の実施例の周波数逓倍器31は、20
GHz帯の入力信号を入力して、60GHz帯の逓倍出
力信号を出力する3逓倍器であり、いわゆる奇数次の高
調波信号を出力する構成である。
すものであり、第1の実施例と異なるところを説明す
る。尚、第1の実施例と同一部分には、同一符号を付し
ている。上記第2の実施例の周波数逓倍器31は、20
GHz帯の入力信号を入力して、60GHz帯の逓倍出
力信号を出力する3逓倍器であり、いわゆる奇数次の高
調波信号を出力する構成である。
【0045】この周波数逓倍器31においては、入力整
合回路33を20GHz帯で整合をとるように構成し、
出力整合回路42を60GHz帯で整合をとるように構
成している。そして、反射型基本波信号帯域抑圧回路4
1を、60GHz帯の信号を通過させるバンドパスフィ
ルタ54で構成している。このバンドパスフィルタ54
の回路パターンを図6に示す。上記バンドパスフィルタ
54は、InP基板51上に階段状且つ島状に形成され
た複数個の信号線55と、これら信号線55の両側に形
成された接地電極56、56とから構成されている。
尚、図6中に示すλ3は、60GHz帯の周波数信号の
線路内波長である。
合回路33を20GHz帯で整合をとるように構成し、
出力整合回路42を60GHz帯で整合をとるように構
成している。そして、反射型基本波信号帯域抑圧回路4
1を、60GHz帯の信号を通過させるバンドパスフィ
ルタ54で構成している。このバンドパスフィルタ54
の回路パターンを図6に示す。上記バンドパスフィルタ
54は、InP基板51上に階段状且つ島状に形成され
た複数個の信号線55と、これら信号線55の両側に形
成された接地電極56、56とから構成されている。
尚、図6中に示すλ3は、60GHz帯の周波数信号の
線路内波長である。
【0046】また、上記周波数逓倍器31においては、
図5に示すように、HEMT32のゲートに伝送線路5
7の一端を接続し、この伝送線路57の他端をコンデン
サ38を介して接地している。そして、伝送線路57と
コンデンサ38との接続点をゲートバイアスを供給する
電圧端子39としている。また、HEMT32のドレイ
ンに伝送線路58の一端を接続し、この伝送線路58の
他端をコンデンサ48を介して接地している。そして、
伝送線路58とコンデンサ48との接続点をドレインバ
イアスを供給する電圧端子49としている。
図5に示すように、HEMT32のゲートに伝送線路5
7の一端を接続し、この伝送線路57の他端をコンデン
サ38を介して接地している。そして、伝送線路57と
コンデンサ38との接続点をゲートバイアスを供給する
電圧端子39としている。また、HEMT32のドレイ
ンに伝送線路58の一端を接続し、この伝送線路58の
他端をコンデンサ48を介して接地している。そして、
伝送線路58とコンデンサ48との接続点をドレインバ
イアスを供給する電圧端子49としている。
【0047】更に、上述した以外の第2の実施例の構成
は、第1の実施例の構成と同じ構成となっている。従っ
て、この第2の実施例においても、第1の実施例とほぼ
同じ作用効果を得ることができる。
は、第1の実施例の構成と同じ構成となっている。従っ
て、この第2の実施例においても、第1の実施例とほぼ
同じ作用効果を得ることができる。
【0048】尚、上記各実施例では、InP基板を使用
したが、これに代えて、GaAs基板を使用しても良
い。また、上記各実施例では、伝送線路やスタブをコプ
レーナ線路50により構成したが、マイクロストリップ
線路により構成しても良い。更にまた、上記各実施例で
は、トランジスタをHEMT32により構成したが、こ
れに限られるものではなく、他のFET(電界効果トラ
ンジスタ)により構成しても良いし、また、バイポーラ
トランジスタ(例えばヘテロバイポーラトランジスタ)
により構成しても良い。
したが、これに代えて、GaAs基板を使用しても良
い。また、上記各実施例では、伝送線路やスタブをコプ
レーナ線路50により構成したが、マイクロストリップ
線路により構成しても良い。更にまた、上記各実施例で
は、トランジスタをHEMT32により構成したが、こ
れに限られるものではなく、他のFET(電界効果トラ
ンジスタ)により構成しても良いし、また、バイポーラ
トランジスタ(例えばヘテロバイポーラトランジスタ)
により構成しても良い。
【0049】また、上記各実施例では、1つの周波数逓
倍器を1つのMMICチップとして構成したが、周波数
逓倍器に入力信号を供給する電圧制御発振器と周波数逓
倍器とを1つのMMICチップとして構成しても良い
し、また、周波数逓倍器から出力される信号を増幅する
増幅回路と周波数逓倍器とを1つのMMICチップとし
て構成しても良いし、更に、電圧制御発振器と周波数逓
倍器と増幅回路とを1つのMMICチップとして構成し
ても良い。
倍器を1つのMMICチップとして構成したが、周波数
逓倍器に入力信号を供給する電圧制御発振器と周波数逓
倍器とを1つのMMICチップとして構成しても良い
し、また、周波数逓倍器から出力される信号を増幅する
増幅回路と周波数逓倍器とを1つのMMICチップとし
て構成しても良いし、更に、電圧制御発振器と周波数逓
倍器と増幅回路とを1つのMMICチップとして構成し
ても良い。
【0050】更にまた、上記各実施例では、ミリ波レー
ダシステム用の信号源の一部分を構成する周波数逓倍器
に適用したが、これに限られるものではなく、マイクロ
波やミリ波を使用する通信システム用の信号源の一部分
を構成する周波数逓倍器に適用しても良い。
ダシステム用の信号源の一部分を構成する周波数逓倍器
に適用したが、これに限られるものではなく、マイクロ
波やミリ波を使用する通信システム用の信号源の一部分
を構成する周波数逓倍器に適用しても良い。
【図1】本発明の第1の実施例を示す電気回路図
【図2】コプレーナ線路の斜視図
【図3】伝送線路の動作を説明するための図
【図4】周波数逓倍器の回路パターンを示す図
【図5】本発明の第2の実施例を示す図1相当図
【図6】バンドパスフィルタの回路パターンを示す図
【図7】従来構成を示す図1相当図
31は周波数逓倍器、32は高電子移動度トランジス
タ、33は入力整合回路、37は入力端子、39は電圧
端子、40は伝送線路、41は反射型基本波信号帯域抑
圧回路、42は出力整合回路、43はオープンスタブ、
47は出力端子、49は電圧端子、50はコプレーナ線
路、51はInP基板、54はバンドパスフィルタを示
す。
タ、33は入力整合回路、37は入力端子、39は電圧
端子、40は伝送線路、41は反射型基本波信号帯域抑
圧回路、42は出力整合回路、43はオープンスタブ、
47は出力端子、49は電圧端子、50はコプレーナ線
路、51はInP基板、54はバンドパスフィルタを示
す。
Claims (7)
- 【請求項1】 入力信号を入力整合回路を通してトラン
ジスタに入力すると共に、前記トランジスタから出力さ
れた逓倍出力信号を反射型基本波信号帯域抑圧回路及び
出力整合回路を通して出力させるように構成された周波
数逓倍器において、 前記トランジスタの出力端子と前記反射型基本波信号帯
域抑圧回路の入力端子の間に、定在波を発生する所定長
さの伝送線路を設けたことを特徴とする周波数逓倍器。 - 【請求項2】 前記伝送線路の長さを、前記トランジス
タから出力される基本波信号の位相と、前記反射型基本
波信号帯域抑圧回路で反射された基本波信号が更に前記
トランジスタの出力端子で反射された信号の位相とが同
位相となるように設定したことを特徴とする請求項1記
載の周波数逓倍器。 - 【請求項3】 前記伝送線路の長さを、前記トランジス
タから出力される基本波信号と、前記反射型基本波信号
帯域抑圧回路で反射された基本波信号が更に前記トラン
ジスタの出力端子で反射された信号とが互いに強め合う
位相関係となるように設定したことを特徴とする請求項
1記載の周波数逓倍器。 - 【請求項4】 前記トランジスタから出力される基本波
信号と、前記反射型基本波信号帯域抑圧回路で反射され
た基本波信号が更に前記トランジスタの出力端子で反射
された信号との位相差をφd(度)としたとき、この位
相差φdが下記の式(1)で定義される範囲内に属する
ように、前記伝送線路の長さを設定することにより、前
記2つの信号が互いに強め合うように構成したことを特
徴とする請求項3記載の周波数逓倍器。 n×360−120≦φd≦n×360+120 (1) 但し、nは整数である。 - 【請求項5】 前記伝送線路から前記トランジスタの出
力端子をみた反射係数ΓAの位相特性をφAとし、前記
伝送線路から前記反射型基本波信号帯域抑圧回路の入力
端子をみた反射係数ΓBの位相特性をφBとし、前記伝
送線路の長さLdに対応する基本波信号の位相遅れをφ
Lとしたとき、前記位相差φdを次の式(2)で定義し
たことを特徴とする請求項4記載の周波数逓倍器。 φd=(2×φL)+φA+φB (2) ここで、位相遅れφL(度)は次の式(3)で定義され
る。 φL=(Ld/λ)×360 (3) 但し、λは基本波信号の伝送線路内波長である。また、
前記反射係数ΓA、ΓBは、位相特性φA、φBの他に
振幅特性α、βを有しており、次のように記載される。 【数1】 - 【請求項6】 前記逓倍出力信号として偶数次の高調波
信号を出力する場合には、前記反射型基本波信号帯域抑
圧回路を、抑圧する基本波信号周波数に対応した伝送線
路内波長λの1/4長のオープンスタブまたは1/2長
のショートスタブから構成したことを特徴とする請求項
1ないし5のいずれかに記載の周波数逓倍器。 - 【請求項7】 前記逓倍出力信号として奇数次の高調波
信号を出力する場合には、前記反射型基本波信号帯域抑
圧回路を、抑圧する基本波信号周波数に対応した信号を
減衰させる機能を有するバンドパスフィルタから構成し
たことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載
の周波数逓倍器。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8244605A JPH1093349A (ja) | 1996-09-17 | 1996-09-17 | 周波数逓倍器 |
| US08/928,395 US6066997A (en) | 1996-09-13 | 1997-09-12 | Frequency multiplier with fundamental wave reflection |
| EP97115956A EP0829953A3 (en) | 1996-09-13 | 1997-09-12 | Frequency multiplier and voltage controlled oscillator |
| EP07004610A EP1811647A1 (en) | 1996-09-13 | 1997-09-12 | Voltage controlled oscillator |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8244605A JPH1093349A (ja) | 1996-09-17 | 1996-09-17 | 周波数逓倍器 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1093349A true JPH1093349A (ja) | 1998-04-10 |
Family
ID=17121224
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8244605A Pending JPH1093349A (ja) | 1996-09-13 | 1996-09-17 | 周波数逓倍器 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1093349A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| SG90751A1 (en) * | 1999-09-20 | 2002-08-20 | Dainippon Printing Co Ltd | Packaging material and container |
| JP2007215247A (ja) * | 2007-05-25 | 2007-08-23 | Sharp Corp | 周波数逓倍器 |
| JP2010183445A (ja) * | 2009-02-06 | 2010-08-19 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 高周波回路 |
| JP2013201596A (ja) * | 2012-03-26 | 2013-10-03 | Murata Mfg Co Ltd | 伝送線路 |
| JP2013211857A (ja) * | 2013-04-30 | 2013-10-10 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 高周波スイッチ及び受信回路 |
Citations (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0529836A (ja) * | 1991-07-24 | 1993-02-05 | Fujitsu Ltd | Fet周波数逓倍器 |
| JPH07162321A (ja) * | 1993-12-02 | 1995-06-23 | Fujitsu Ltd | 高周波スイッチ回路 |
-
1996
- 1996-09-17 JP JP8244605A patent/JPH1093349A/ja active Pending
Patent Citations (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0529836A (ja) * | 1991-07-24 | 1993-02-05 | Fujitsu Ltd | Fet周波数逓倍器 |
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| JP2013211857A (ja) * | 2013-04-30 | 2013-10-10 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 高周波スイッチ及び受信回路 |
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