JPH1094584A - コンタクトレンズ用洗浄・消毒用具及びそれを用いたコンタクトレンズの消毒方法 - Google Patents
コンタクトレンズ用洗浄・消毒用具及びそれを用いたコンタクトレンズの消毒方法Info
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Abstract
果を発現し、なお且つ取扱いの簡便なコンタクトレンズ
の洗浄・消毒用具、並びにそのような用具を用いたコン
タクトレンズの消毒方法を提供する。 【解決手段】 殺菌剤が固定化せしめられた、吸水性を
有する固形の軟性物質より形成される洗浄・消毒処理部
を有する、受部2及び蓋部6からなるコンタクトレンズ
用洗浄・消毒用具10に対して、湿潤剤を充分に含有せ
しめた状態において、該受部2及び蓋部6にてコンタク
トレンズ12を挾持し、かかるコンタクトレンズ表面に
対して、殺菌剤が固定化せしめられた軟性物質を摺接さ
せることにより、或いは接触、保持せしめることによ
り、該コンタクトレンズ表面に洗浄・消毒処理を施す。
Description
用具に係り、特に、優れた殺菌効果を発揮すると共に、
眼に対する安全性をも充分に備えたコンタクトレンズ用
洗浄乃至は消毒用具に関するものであり、また、それを
コンタクトレンズ用消毒用具として用いた消毒方法に関
するものである。
と、涙液や眼脂に由来する、蛋白質や脂質等の汚れがコ
ンタクトレンズに付着する。そして、そのような汚れに
よって、装用感が悪化するばかりでなく、視力の低下
や、更には結膜充血といった眼障害が惹起されることが
ある。また、コンタクトレンズを継続して使用する場合
には、コンタクトレンズを目から外して保存している間
に、コンタクトレンズ表面に付着した細菌等の微生物が
増殖するおそれがあり、それらの微生物によっても、眼
に対して感染症等の悪影響がもたらされることがある。
に装用するためには、定期的に洗浄・消毒等の手入れを
行なうことが必要となるが、そのようなコンタクトレン
ズの手入れの一般的な方法は、次のようなものである。
先ず、目から外したコンタクトレンズを界面活性剤入り
の洗浄剤で擦り洗いすることにより、コンタクトレンズ
に付着した脂質汚れを洗浄する。また、蛋白質汚れの除
去も必要とする場合には、蛋白分解酵素を含有した洗浄
剤に浸漬することにより、蛋白質の除去を行なう。その
後、すすぎ液ですすいでから、保存液で満たしたケース
内にコンタクトレンズを浸漬し、その状態で保存する、
というものである。また、特に、含水性コンタクトレン
ズの手入れの場合には、そのような含水性コンタクトレ
ンズの表面に対して微生物が付着、増殖し易いことか
ら、上記の一般的な手入れの他に、更に、煮沸器具を用
いて、コンタクトレンズを収容するケースごと、煮沸消
毒をする必要がある。
入れの作業は煩雑であり、また、その手入れの為には、
洗浄液、保存液、煮沸器具等、数種の液剤や器具を揃え
なければならず、その使用や維持にかかる手間やコスト
は、コンタクトレンズの使用者にとって大きな負担とな
るものであった。
は、より簡便で、低コストなコンタクトレンズの手入れ
の方法として、保存液中に界面活性剤や蛋白除去剤、殺
菌剤を添加することにより、液剤1つで、コンタクトレ
ンズに必要な手入れを全て行ない得るようにした、コン
タクトレンズ用液剤を用いる手入れの方法が、幾つか提
案されている。そして、そのようなコンタクトレンズ用
液剤を用いた手入れの方法における消毒処理には、上記
のような煮沸器具を必要とする熱消毒法ではなく、消毒
剤を用いた化学消毒法が採用されているところから、従
来の様に、専用の器具を用いた、長い処理時間を要する
煮沸操作が不要とされるのであり、これによって、コン
タクトレンズの手入れに対する使用者の手間が大幅に改
善されるのである。
ると同時に、保存剤としても用いられる、この様なコン
タクトレンズ用液剤には、その特性として、高い殺菌効
果を持つものであることが必要とされるのは勿論のこ
と、その液剤中にコンタクトレンズが長時間浸漬せしめ
られることから、眼に対する毒性の低いものであること
も必要とされている。
レンズ用化学消毒剤に用いられている殺菌剤には、チメ
ロサール、クロルヘキシジン、第四級アンモニウム塩類
(例として塩化ベンザルコニウム)等が使用されてい
る。例えば、特開昭52−109953号公報、特開昭
62−153217号公報、特開昭63−59960号
公報等においては、塩化ベンザルコニウムを0.001
〜0.2%の範囲で使用する、コンタクトレンズ殺菌剤
やコンタクトレンズ用剤、また、クロルヘキシジンを
0.01〜0.05%の範囲で使用するソフトコンタク
トレンズ消毒剤が提案されている。
いである一方、殺菌剤がコンタクトレンズを介して、眼
の中に取り込まれるため、決して好ましいものであると
は言えなかったのである。実際、最近では、そのような
殺菌剤がアレルギー増感剤として働き、眼に害を及ぼす
といった事例や、それらの殺菌剤を長期に亘って使用す
るうちに、コンタクトレンズに殺菌剤が吸着・蓄積さ
れ、そしてその高濃度に凝縮された殺菌剤が、コンタク
トレンズの装用中に放出されることにより、或いは高濃
度に殺菌剤が吸着したコンタクトレンズと直接接触する
ことにより、角膜障害が惹起される等の可能性があるこ
とが、報告されている(「日本コンタクトレンズ学会
誌」1992年出版No.34:267−276、27
7−282、同1993年出版No.35:219−2
25、同1994年出版No.36:57−61、同1
995年出版No.37:35−39、154−15
7)ことからも、これらの薬剤及びこれらの薬剤を用い
た取扱い方法が適切であるとは言えなかったのである。
殆どは、液剤の形態をとるものであったが、そのような
コンタクトレンズ用液剤は、簡便性において劣り、使用
の際にこぼしてしまったり、液剤によって手指を濡らす
ことが避けられない等の煩わしさがあり、更には、その
ような液剤を用いた消毒処理を行なう場所も、洗面所等
の、濡れることが前提とされている場所に制限されてし
まうのである。このように、コンタクトレンズの消毒処
理に際して、液剤を用いるが故に生じる不便さがあり、
そのことを考慮した、更に簡便なコンタクトレンズの手
入れ方法が、強く望まれているのである。
景として為されたものであって、その解決課題とすると
ころは、高い安全性を確保しながらも、十分な殺菌効果
を発現し、なお且つ取扱いの簡便なコンタクトレンズの
洗浄乃至は消毒用具を提供することにあり、また、それ
を消毒用具として用いた消毒方法を提供することにあ
る。
するために、少なくともコンタクトレンズが接触せしめ
られる処理部を、殺菌剤が固定化せしめられてなる、吸
水性を有する固形の軟性物質にて構成したことを特徴と
するコンタクトレンズ用洗浄・消毒用具を、その要旨と
するものであり、また、吸水性を有する固形の軟性物質
に殺菌剤を固定化せしめてなる消毒処理部を有し、該固
定化された殺菌剤にて、該軟性物質の表面に接触、保持
されるコンタクトレンズの消毒を行なうようにしたこと
を特徴とするコンタクトレンズ用消毒用具をも、その要
旨とするものである。
ズ用洗浄・消毒用具乃至は消毒用具にあっては、軟性物
質に対して固定化された殺菌剤によって、該用具の処理
部表面やコンタクトレンズ表面に付着した細菌等を死滅
せしめることが出来る一方、そのような殺菌剤が軟性物
質に対して固定化されているところから、軟性物質から
遊離することがなく、そのために眼に対して有害な作用
をもたらす恐れのある殺菌剤は、コンタクトレンズに吸
着、蓄積されることがないのである。従って、本発明に
従うコンタクトレンズ用洗浄・消毒用具にあっては、そ
の使用後においても細菌等の繁殖がなく、それ故に極め
て衛生的に繰り返し使用され得るものであることは勿
論、そのようなコンタクトレンズ用洗浄・消毒用具にて
洗浄処理や消毒処理が施されたコンタクトレンズにあっ
ては、コンタクトレンズに殺菌剤が吸着、蓄積されるこ
とがないことから、装用時に眼の中で殺菌剤がコンタク
トレンズから放出されるようなことがなく、眼に対する
障害も、何等惹起されることがないのであり、これによ
り、安全なコンタクトレンズの洗浄・消毒処理を行なう
ことが出来るのである。
・消毒用具として、固形状態において、取り扱うことが
出来ることとなるところから、従来のように、液剤であ
るが故に生じていた不都合が悉く回避され得、以て簡便
性乃至は利便性が著しく向上せしめられ得たのである。
即ち、使用時に液剤をこぼす等して、手元を汚してしま
うといったことや、液剤をこぼしてしまう恐れがあるた
めに、洗浄・消毒処理に細心の注意を払う必要があると
か、洗浄・消毒処理を行なう場所が制限されるといった
ことが、全くなくなるのである。
レンズ用の洗浄・消毒用具にあっては、有利には、コン
タクトレンズの載置面を有する第一の部材と、該載置面
に対応した形状を有する第二の部材とを含み、そして、
それら第一及び第二の部材の少なくともコンタクトレン
ズ接触部位が前記軟性物質にて形成されている構成が採
用される。このように、コンタクトレンズの洗浄・消毒
用具が、コンタクトレンズの載置面を有する第一の部材
と、該載置面に対応した形状を有する第二の部材とに分
離して構成され、更にコンタクトレンズの接触部位が殺
菌剤を固定化せしめた軟性物質にて形成されていること
から、それら第一及び第二の部材間に処理されるべきコ
ンタクトレンズを挾持せしめることによって、コンタク
トレンズの全面に対して一度に洗浄処理や消毒処理を施
すことが可能となるのであり、より一層、簡便な洗浄処
理や消毒処理が実現され得るのである。
浄・消毒用具の好ましい態様の一つによれば、前記軟性
物質は、ポリアクリル酸若しくはその共重合体、ポリビ
ニルアルコール、ポリビニルホルマール及び再生セルロ
ースからなる群より選ばれることとなる。これらの軟性
物質においては、殺菌剤を有利に固定化することが可能
であるために、眼に対して安全な洗浄・消毒処理を行な
い得る洗浄・消毒用具を容易に提供することが出来ると
共に、充分な吸水性及び保水力をも有しているために、
含水性コンタクトレンズに対しても安定した処理を行な
うことが出来る特徴を発揮する。また、軟らかく、変形
し易い含水性コンタクトレンズを保持、或いは挾持する
にあたっても、それらの軟性物質の硬度が充分に低いた
めに、そのような含水性コンタクトレンズに対して、傷
等のダメージを与えることがないのである。
洗浄・消毒用具の別の好ましい態様においては、前記殺
菌剤としては、グアニジン系殺菌剤または第四アンモニ
ウム塩系殺菌剤が用いられることとなる。これらの殺菌
剤は、軟性物質に対して容易に固定化することが出来、
なお且つ軟性物質から遊離することがない。また、これ
らの殺菌剤は、広い抗菌スペクトルを有する殺菌剤であ
ることから、高い殺菌効果が期待出来るのである。
の消毒方法は、上述の如き構成の用具を消毒用具として
用いるところに特徴を有するものであって、その要旨と
するところは、吸水性を有する固形の軟性物質に殺菌剤
を固定化せしめてなる消毒処理部を有する消毒用具を用
い、該消毒用具の少なくとも消毒処理部に湿潤剤を含有
せしめた状態下において、該消毒処理部にコンタクトレ
ンズの消毒されるべき表面を接触せしめて保持するよう
にしたことにある。このように、消毒用具の消毒処理部
に湿潤剤を含有せしめることによって、かかる消毒処理
部とコンタクトレンズとの接触が効果的に為され得、ま
た湿潤剤を介して殺菌剤と細菌等との接触する機会が増
すことにもなり、以てより効果的な消毒処理が行なわれ
得るのである。
ズの消毒方法の好ましい態様の一つにおいては、前記湿
潤剤には、緩衝液が用いられ、更に好ましい態様におい
ては、前記湿潤剤として、界面活性剤を含む緩衝液が用
いられることとなる。
する軟性物質に所定の殺菌剤を固定化したものにて少な
くとも処理部を構成してなる洗浄・消毒用具を用いて、
コンタクトレンズの洗浄や消毒を行なうようにしたもの
であり、また、そのような洗浄・消毒用具の少なくとも
処理部に適当な湿潤剤を含浸させて湿潤せしめた状態下
で、コンタクトレンズを接触せしめ、一定時間保持する
ことで、簡便且つ安全に、コンタクトレンズの消毒を行
なうことを、その趣旨とするものである。
吸水性を有する軟性物質は、高い消毒効果と同時に、高
い安全性をも併せ持たせるために、所定の殺菌剤が化学
的に乃至は物理的に固定化せしめられ得て、それを容易
に脱落させないものであることが必要である。また、コ
ンタクトレンズに直接に接触せしめられるものであると
ころから、コンタクトレンズに対して傷等のダメージを
与えないような低い硬度を有するものであることが好ま
しく、更に、含水性コンタクトレンズを安定に保つこと
が出来るように、保水力を有するものであることが好ま
しい。それらの条件を満たし、本発明に用いるに好適な
軟性物質としては、具体的には、ポリアクリル酸及びそ
の共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマ
ール、再生セルロース等を挙げることが出来る。なかで
も、ポリビニルアルコールやポリビニルホルマールは、
殺菌剤を均一に固定化させ易いところから、本発明にお
いては、好適に用いられることとなる。また、そのよう
な軟性物質は、有利には、多孔質形態のものとして用い
られるのである。
物質に対して、殺菌剤を化学的乃至は物理的に固定化す
る方法としては、固定化処理の後において該殺菌剤が容
易に脱落することなく、該軟性物質に保持されることと
なるならば、如何なる手法をも採用可能であるが、その
好ましい固定化の方法の一つを挙げるならば、加熱によ
って固定化する方法があり、具体的には、以下の手順に
より行なわれることとなる。先ず、殺菌剤を適当な濃度
に希釈する。この場合、その濃度としては、特に限定す
るものではないが、好ましくは10ppm〜10000
ppm、更に好ましくは10〜5000ppm程度とさ
れる。そして、そこへ、前記した所定の軟性物質を浸漬
して、一定時間放置する。この放置時間についても、特
に限定されるものではないが、好ましくは10分〜8時
間程度、更に好ましくは30分〜4時間程度である。こ
の放置の後、そのままの状態で使用することも可能であ
るが、望ましくは、一般に、過剰の殺菌剤溶液を除去し
た該軟性物質を乾燥させるか、又は85℃までの温度に
加熱して、乾燥させる。そして、この一連の操作によっ
て、軟性物質に対して殺菌剤が固定化されることとなる
のである。
方法としては、カップリング剤を用いた方法も採用する
ことが出来、例えば、シランカップリング剤を用いて、
軟性物質に対して殺菌剤を化学的に結合せしめることが
可能である。
よる軟性物質と殺菌剤との間の結合の形態については、
未だ充分な解明が為されていないが、何れにしても、固
定化処理の後、軟性物質から殺菌剤の脱落が容易に惹起
されなければ、どのような形態であっても、何等差支え
ない。例えば、イオン結合でもよいが、好ましくは、よ
り強固な結合である共有結合が、軟性物質と殺菌剤との
間に形成されるように為されることが望ましいのであ
る。
広い抗菌スペクトルを有するものであって、吸水性を有
する軟性物質に対して容易に固定化させることが出来、
また固定化させた後は、該軟性物質から遊離しないもの
であることが望ましく、そのような特性を有するもので
あれば、如何なるものをも、好適に用いることが出来
る。それらの中でも好ましい殺菌剤としては、第四アン
モニウム塩系殺菌剤、グアニジン系殺菌剤があり、特
に、グアニジン系の殺菌剤及びそれに結合剤(基)を導
入したものが好ましい。その具体的な例としては、クロ
ルヘキシジン及びそれに結合剤(基)を導入したもの、
1,17−ジグアニジノ−9−アザ−ヘプタデカン、或
いはポリヘキサメチレンビグアニジン及びそれに結合剤
(基)を導入したもの等を、挙げることが出来る。
とも処理部に固定化されてなるコンタクトレンズ用洗浄
・消毒用具を用いて、コンタクトレンズの表面を擦るよ
うにすれば、該コンタクトレンズの表面に対する洗浄処
理が効果的に施され得るのである。しかも、本発明に従
うコンタクトレンズ用洗浄・消毒用具においては、その
使用後に細菌等が付着、残留していた場合にも、軟性物
質に固定化された殺菌剤の作用によって、それら細菌等
が死滅せしめられることとなり、該洗浄・消毒用具の保
管中における、細菌の繁殖が阻害乃至は抑制されること
となる。従って、本発明に従うコンタクトレンズ用洗浄
・処理用具は、常に、清潔な状態に保たれるのであり、
衛生的に良好な状態で、繰り返し使用され得るのであ
る。
の洗浄・消毒方法にあっては、上記の如き吸水性を有す
る固形の軟性物質に殺菌剤を固定化せしめてなる処理部
を有する洗浄・消毒用具を用いて、それに湿潤剤を含有
せしめた状態下で、該洗浄・消毒用具の処理部(軟性物
質)にコンタクトレンズの処理されるべき表面を接触さ
せることによって、行なわれるものであり、それによっ
て、高い安全性と十分な殺菌効果を発現しながら、簡便
な洗浄・消毒処理を行なうことが可能となるのである。
レンズを外し、必要があれば、湿潤剤または適当な保存
剤でコンタクトレンズをすすぐ一方、少なくとも洗浄・
消毒用具の処理部を構成する軟性物質に対して、湿潤剤
を充分に、例えば飽和状態となるまで浸み込ませてお
き、そのような状態にした軟性物質に、該コンタクトレ
ンズを一定時間接触させて擦り或いは保持することによ
り、コンタクトレンズに対して所定の洗浄乃至は消毒が
行なわれるのである。なお、ここで用いられる軟性物質
の形状としては、有形物であって、消毒処理されるべき
コンタクトレンズに対して接触せしめることが可能なも
のであれば、シート状を初めとする、どの様な形状のも
のでも、採用することが可能である。
処理部を構成する軟性物質の形状の中でも、特に、コン
タクトレンズの載置面を有する第一の部材と、該載置面
に対応した形状を有する第二の部材とを与える形状が、
好適に採用されるのである。けだし、このような2部材
間においてコンタクトレンズが挾持されることによっ
て、殺菌剤が固定化された軟性物質による該コンタクト
レンズに対する接触、保持が、該コンタクトレンズの全
面に対して一挙に行なわれ得ることとなり、以て該コン
タクトレンズの全面に対して一度に洗浄・消毒処理を施
すことが可能となるのである。従って、より簡便な洗浄
乃至は消毒を行ない得ることとなるのである。
用具の形状の一例が、図1乃至図3に示されており、そ
こにおいて、図1は、第一の部材たる、受部2の形状の
一例を示している。かかる受部2は、全体が吸水性を有
する軟性物質により構成されていると共に、その上面
に、コンタクトレンズの載置面となる略球面状乃至楕円
面状の凹部4が消毒処理部として設けられており、全体
として直方体形状の外形を呈する部材とされている。な
お、該受部2の上面に設けられた、コンタクトレンズの
載置面となる球面状乃至は楕円面状の凹部4の半径は、
一般的なコンタクトレンズの曲率半径に対応した大きさ
であればよく、特に規定されるものではないが、一般に
7.0〜9.5mm程度、好ましくは、7.5〜9.0
mm程度とされる。また、受部2の厚さについては、洗
浄・消毒処理操作が容易に行なわれ得て、凹部4の深さ
が充分にとれる厚さと為されておればよく、特に限定さ
れることはない。
形状の一例を示したものである。この蓋部6も、前記受
部2と同様に、全体が吸水性を有する軟性物質により構
成されており、その外形も、前記受部2と同様に直方体
形状とされているが、その厚みは、該受部2の厚みと比
べて、幾分、薄くされている。該蓋部6の、該受部2に
対向する面には、該受部2に設けられた凹部4に対応し
た形状の略球面状乃至は楕円面状の突部8が、消毒処理
部として形成されている。この半球状乃至は楕円球状の
突部8の半径は、該受部2に設けられた凹部4の半径よ
りも、若干小さく形成されており、具体的には、該凹部
4の半径よりも、0.1mm程度小さい半径とされてい
る。但し、これらの半径の差は、凹部4と突部8との間
でコンタクトレンズが挾持されることを考慮して設定さ
れるべきものであり、この具体例に限定されるものでは
ないことは言うまでもないところである。
時における形態は、図3のようになる。即ち、受部2と
蓋部6とを合わせたコンタクトレンズ用洗浄・消毒用具
10に対して、湿潤剤を充分に、例えば、飽和状態とな
るまで浸み込ませた後、該受部2の凹部4が上面にくる
ように該受部2を設置し、該凹部4の中央部に、洗浄・
消毒処理されるべきコンタクトレンズ12を、その凸面
が該受部2の該凹部4と対向するように載置する。そし
て更に、前記蓋部6の突部8が、該受部2の該凹部4と
対向するようにして、該受部2及び該コンタクトレンズ
12に重ねて載置されるのである。この様に、コンタク
トレンズに対して、コンタクトレンズの両面から、殺菌
剤の固定化せしめられた軟性物質が接触、擦過・保持さ
れることにより、コンタクトレンズの全面に対する洗浄
・消毒処理が極めて簡便に行なわれ得ることとなるので
ある。
用時における形態の他の例を、図4に示す。ここにおい
て、コンタクトレンズ用洗浄・消毒用具14は、前記具
体例と同様に、第一の部材たる受部16及び第二の部材
たる蓋部18の、2部材により構成されるものである
が、それら受部16及び蓋部18は、ぞれぞれ、プラス
チック等の硬質の素材にて形成された受部側基部20及
び蓋部側基部22の各コンタクトレンズ挾持面に対し
て、殺菌剤を固定化せしめた吸水性を有する軟性物質よ
りなる、シート状の受部側処理部24及び蓋部側処理部
26が貼着せしめられることにより、構成されている。
このように、本発明に従うコンタクトレンズ用消毒用具
においては、消毒処理部として、少なくともコンタクト
レンズとの接触部位が軟性物質で形成されておればよい
のである。
毒用具の形状は、このような図面に例示のものに何等限
定されるものではなく、当業者の知識に基づいて、種々
なる変更、修正、改良等が加えられ得ることは言うまで
もないところである。例えば図4の例は、硬質素材によ
り形成される、受部側基部20及び蓋部側基部22の、
それぞれのコンタクトレンズ挾持面に対してのみ、シー
ト状の軟性物質が貼着せしめられたものであったが、該
シート状の軟性物質が、受部側基部20及び蓋部側基部
22の対向する面全面に亘って貼着されたものであって
も、何等差し支えない。
いても、図にあるように、半球状乃至は楕円球状に限ら
れるものではなく、球面の一部、或いは円錐台形状の凹
部等でもよく、それら載置面の形状に対応するようにさ
れた突部の形状と、軟性物質の柔軟性とを利用すること
により、コンタクトレンズと軟性物質との接触、保持が
充分に行なわれ得るものであれば、どの様な形状でも採
用し得る。また、図の例とは逆に、受部の上面に突部を
設け、蓋部の下面に凹部を設けた形状にすることも可能
である。更には、受部及び蓋部の外形形状についても、
特に規定されるものではなく、図では底面が正方形形状
とされた、全体として直方体形状のものを例示している
が、他にも、例えば、底面が円形形状とされた、全体と
して円柱形状のもの等を採用することも、何等差し支え
ない。また、第一の部材と第二の部材との2部材間に連
結部を設けることにより、両部材を一体と為し、それに
よって、より操作性を高めた構成とされたものでも良
い。更には、一般にコンタクトレンズは2枚を1組とし
て使用されることから、それら2枚1組のコンタクトレ
ンズに対して一度に消毒処理を行なうことが出来る構
成、例えば、2組の受部と蓋部の組み合わせを以て1つ
のコンタクトレンズ用消毒用具とされた構成等を採用す
ることも可能である。
用消毒用具を使用する際に用いられる湿潤剤としては、
軟性物質に固定された殺菌剤を遊離させることがなく、
またレンズに対しても悪影響を与えないものであれば、
どのようなものでも使用可能であり、例えば、精製水、
蒸留水、生理食塩水等が用いられ得るものであるが、特
に好ましくは、緩衝液が用いられる。そのような緩衝液
としては、従来より公知のものが何れも用いられ得、例
えば、ホウ酸塩緩衝液、クエン酸塩緩衝液、トリス緩衝
液、リン酸塩緩衝液等が挙げられるが、特に、ホウ酸塩
緩衝液が好ましく、それによって、より優れた消毒効果
を得ることが出来る。
る緩衝液には、更に、界面活性剤が含有せしめられるこ
とが望ましい。その一例として、酸化プロピレンを重合
させたポリプロピレングリコールを親油基としてその両
端に酸化エチレンを親水基として付加重合させたブロッ
クポリマー型非イオン界面活性剤で、プルロニックP1
23、プルロニックP85、PEP−101、プルロニ
ックF68、プルロニックF127などがある。また、
特に、エーテル型非イオン界面活性剤の如き界面活性剤
を組み合わせた場合には、相加的に、或いは相剰的に高
い殺菌効果を得ることが出来るのである。なお、そのよ
うなエーテル型非イオン界面活性剤の具体的な例として
は、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルで
は、ポリオキシエチレン(5)ノニルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレン(7.5)ノニルフェニルエー
テル、ポリオキシエチレン(10)ノニルフェニルエー
テル、ポリオキシエチレン(3)オクチルフェニルエー
テル、ポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエ
ーテル等を挙げることが出来、またポリオキシエチレン
アルキルエーテルでは、ポリオキシエチレン(7)セチ
ルエーテル、ポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテ
ル等の、湿潤剤・浸透剤的働きをする活性剤を挙げるこ
とが出来る。また、界面活性剤は一般に洗浄効果を有す
るものであるところから、界面活性剤の添加によって、
コンタクトレンズの洗浄も同時に行なうことが出来るよ
うになる。
活性剤を緩衝液中に含有せしめた場合には、以下のよう
な操作を、本発明に従う消毒処理の前や途中、或いは後
に導入することで、コンタクトレンズに対する消毒処理
と共に、洗浄処理をも同時に、且つ簡便に行なうことが
出来ることとなる。即ち、その洗浄処理は、本発明に従
う消毒方法と同様な状態、例えばコンタクトレンズを前
述の如き消毒用具10の受部2と蓋部6との間に挾持
し、それら2部材間に接触、保持させた状態において、
該蓋部6を該受部2に対して相対的に回転、摺動させる
ことにより、行なわれるものである。この操作によっ
て、コンタクトレンズ表面が、軟性物質よりなる消毒用
具10(具体的には受部2及び蓋部6)との接触部分に
て擦られることとなり、従来の手指による擦り洗いと同
等、或いはそれ以上の洗浄効果が得られるのである。
成分としては、上記のものの他に、キレート剤、等張化
剤、防腐剤、殺菌剤等が挙げられ、それらは、生体に対
して安全であり且つコンタクトレンズの素材に対して悪
影響を与えないものであれば、従来より公知の如何なる
ものも用いることが出来、それらを、必要に応じて、本
発明の効果を損なわない量的範囲において湿潤剤に組み
合わせることも可能である。具体的には、キレート剤と
しては、エデト酸ナトリウム、トリヒドロキシメチルア
ミノメタン等があり、また、等張化剤としては、塩化ナ
トリウム、塩化カリウム、重炭酸ナトリウム等を用いる
ことが出来る。更に、防腐剤としては、パラベン、塩基
性チッ素、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、安息香酸
ナトリウム、グアニジン系防腐剤、第四アンモニウム塩
系防腐剤等が挙げられ、また殺菌剤としては、グルコン
酸クロルヘキシジン、チメロサール等を挙げることが出
来る。
剤を調製するにあたっては、特殊な方法を必要とせず、
通常の水溶液を調製する場合と同様に、所定量の精製水
中に各成分を溶解させることにより、容易に得られるも
のである。また、得られた湿潤剤に対して、必要に応じ
て無菌濾過等の滅菌処理を施すことも可能である。
ために、本発明の幾つかの実施例を示すこととするが、
本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制
約をも受けるものでないことは、言うまでもないところ
である。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更
には上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱し
ない限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変
更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解さ
れるべきである。
リビニルホルマールスポンジ、セルローススポンジの3
種類の適性を確認するために、それぞれの材料を用い
て、コンタクトレンズ用消毒用具を、次の手順に従って
準備した。即ち、先ず、軟性物質として、ポリアクリル
酸共重合体不織布、ポリビニルホルマールスポンジ、ま
たはセルローススポンジを用いて、図1〜3に示される
如き受部2及び、蓋部6の2部材からなる消毒用具10
を形成し、そしてそれら受部2、蓋部6に対して、蒸留
水で30分間の煮沸操作を2回繰り返した。次に、かか
る消毒用具10を、1000ppmの濃度に調整され
た、殺菌剤溶液としてのポリヘキサメチレンビグアニジ
ン塩酸塩(PHMB)溶液に1時間浸漬し、その後、消
毒用具10を構成する該軟性物質から過剰の殺菌剤溶液
を取り除き、そして75℃に加熱して、該消毒用具10
を構成する軟性物質を乾燥せしめることにより、かかる
軟性物質に対する殺菌剤の固定化を行なった。更に、実
験に再現性を持たせるために、該殺菌剤が固定化されて
乾燥せしめられた軟性物質(消毒用具10)に対して、
蒸留水300mLを用いた10分間の超音波洗浄操作
を、毎回蒸留水を交換しながら、4回繰り返した。その
後、再び75℃で乾燥させたものを検体とした。
10による消毒操作の施される供試レンズ12を、次の
手順に従って準備した。即ち、生理食塩水を用いて、供
試菌としての大腸菌(Escherichia coli ATCC 8739)を
105 cfu/mL〜106cfu/mL含む菌液を調
製した後、そこへ、ソフトコンタクトレンズ(メニコン
ソフトMA;株式会社メニコン)を浸漬することによ
り、該コンタクトレンズ表面に前記供試菌を付着せしめ
て、供試レンズ12とした。
態の検体(10)をそれぞれ用いて、供試レンズ12に
対して、以下のように消毒処理を行なった。先ず、湿潤
剤として生理食塩水を用い、かかる湿潤剤を検体に充分
に浸み込ませた状態とした後に、受部2の凹所4と蓋部
6の突部8とで供試レンズ12を挾持し、消毒用具10
と供試レンズ12を充分に接触せしめた状態とした。そ
して、そのままの状態で、25℃の恒温器内で4時間保
管することにより、供試レンズ12に対する消毒処理を
行なった。
における大腸菌の生菌数と、消毒処理後の供試レンズ1
2表面における大腸菌の生菌数とから、消毒処理による
大腸菌の減少率を求め、その結果を、下記表1に示し
た。
ンタクトレンズ用消毒用具を用いた場合には、何れの場
合も、高い殺菌効果があることが分かった。
G)、グルコン酸クロルヘキシジンのシラン結合型(C
HG−Si)、ポリヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩
(PHMB)の適性を確認するために、それぞれを、実
施例1と同様にして、軟性物質であるポリビニルホルマ
ール(PVF)に固定せしめることにより、それぞれの
検体を作製した。
をそれぞれ用いて、実施例1と同様の手順に従って準備
された供試レンズに対して、消毒処理を行なった。その
方法は、実施例1と同様である。
大腸菌の吸着数と、消毒処理後の供試レンズにおける大
腸菌の生菌数とから、それぞれ消毒処理による大腸菌の
減少率を求め、その結果を、下記表2に示した。
ンタクトレンズ用消毒用具を用いた場合には、何れの場
合も、高い殺菌効果があることが分かる。
殺菌効力を確認するために、以下のような実験を行なっ
た。まず、殺菌剤の固定化された、シート状の軟性物質
を得るために、軟性物質としてはポリビニルホルマール
(PVF)を用い、また殺菌剤としてはPHMBを用
い、実施例1と同様の手順に従って、殺菌剤を固定化し
たPVFを作製し、それを2×20×50mmのシート
状に切断することにより、本発明例7に係るPVFシー
トを得た。また、殺菌剤を固定化していないPVFも、
同様のシート状となるように切断し、比較例1のPVF
シートを得た。
cherichia coli ATCC 8739)、緑膿菌(P.a.;Pseudomo
nas aeruginosa ATCC 9027)、黄色ブドウ球菌(S.a.;
Staphylococcus aureus ATCC 6538P)の3種の菌をそれ
ぞれに含む菌液を調整し、それぞれの菌液を、上記本発
明例7及び比較例1のPVFシートに2.5mLずつ付
着させた後、各PVFシートを25℃の温度下で2時間
保管した。その後、各PVFシートから菌液を回収し、
その中に含まれる生菌数を測定した。その結果を、下記
表3に示す。また、菌液を回収した後のそれぞれのシー
トを、SCDLP(ソイビーン・カゼイン・ダイジェス
ト・レシチン・ポリソルベート80:不活化剤)含有ブ
イヨン培地中に浸すことにより、各PVFシート内の残
存菌の有無の確認を行なった。その結果を、下記表4に
示す。
固定化せしめられた吸水性を有する固形の軟性物質は、
シート状にして用いられた場合においても、高い殺菌効
果を有するものであることが分かる。
と、殺菌剤(PHMB)が固定化されていない(未固
定)の軟性物質(PVF)との間の、殺菌効力の有為差
を確認し、更に湿潤剤として、生理食塩水またはそれに
ホウ酸塩緩衝液を加えたものを用いることによる殺菌効
果への影響を確認するために、表5に示される軟性物
質、殺菌剤及び湿潤剤の組み合わせを用いて、以下の殺
菌効果試験を行なった。
(E.c.;Escherichia coli ATCC 8739)、緑膿菌(P.
a.;Pseudomonas aeruginosa ATCC 9027)、黄色ブドウ
球菌(S.a.;Staphylococcus aureus ATCC 6538P)の3
種の菌を用い、実施例1と同様の手順に従って準備し
た。また、コンタクトレンズ用消毒用具の検体を、本発
明例8及び本発明例9の検体については、軟性物質、殺
菌剤のそれぞれについて、表5の組み合わせを用いて、
実施例1と同様の手順に従って準備した。更に、比較例
2及び比較例3の検体については、軟性物質を殺菌剤に
浸漬せずに加熱、乾燥し、殺菌剤の固定化が行なわれて
いない検体として得た。
態の検体をそれぞれ用いて、供試レンズに対して、消毒
処理を行なった。その方法は実施例1と同様であるが、
本発明例8及び比較例2については、湿潤剤として生理
食塩水が用いられ、本発明例9及び比較例3について
は、湿潤剤としてホウ酸塩緩衝液が用いられた。
各供試菌の生菌数と、消毒処理後の供試レンズにおける
各供試菌の生菌数とから、消毒処理による各供試菌の減
少率を求め、その結果を併せて表5に示した。
ンタクトレンズ用消毒用具を用いることで、効果的な消
毒を行なうことが可能となり、更に、湿潤剤にホウ酸塩
緩衝液を用いることで、その効果をより高いものにする
ことが出来ることが確認された。
認を、軟性物質からの殺菌剤の遊離の有無を確認するこ
とにより行なうべく、先ず、コンタクトレンズ用消毒用
具の検体を、軟性物質としてポリビニルホルマールを用
い、また殺菌剤としてポリヘキサメチレンビグアニジン
塩酸塩を用いて、実施例1と同様の手順に従って調製
し、更にこの得られた検体に対して、蒸留水を飽和状態
になるように含ませたものを、本発明例10として用意
した。
ルホルマールを、殺菌剤のポリヘキサメチレンビグアニ
ジン塩酸塩に浸漬せしめることなく、また殺菌剤の固定
化を行なわずに、単に乾燥せしめることによって、検体
を用意し、そしてそれを、本発明例10と同様に、蒸留
水を飽和状態になるように含ませて、それを比較例4と
した。
ーレ内に密封することにより水分の蒸発を防止した状態
で、25℃で5時間放置した。その後に、それぞれの検
体から回収した蒸留水を、試験液とした。
ヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩の存在の有無を、分
光光度計を用いて、236nm付近の吸収の有無につい
て観察することによって確認したところ、本発明例10
の試験液からも、比較例4の試験液からも、236nm
付近の吸収は認められなかった。この結果より、軟性物
質に対して固定化された殺菌剤が、湿潤剤中に遊離する
ようなことはなく、よって消毒処理を施されるコンタク
トレンズに吸着されることもないことから、本発明に従
う消毒方法により、高い安全性が確保され得ることが確
認出来た。
動物細胞に対する増殖阻害率を測定することにより、確
認するために、先ず、実施例5と同様にして本発明例1
0及び比較例4の検体から回収した蒸留水を、試験液と
して用意する一方、現在、海外で上市され評価されてい
る、一液で洗浄・消毒・保存・装用時の点眼が行ない得
る液剤(ポリヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩を0.
5μg/mL含む、洗浄・消毒・保存液)を、比較例5
の試験液として用意した。
組織培養した単層のマウス繊維芽細胞に、それぞれの試
験液、及び対照としてのCa2+,Mg2+不含リン酸緩衝
溶液〔PBS(−)〕を、培地に対して10%の割合と
なるように加えた。それらのマイクロプレートを37℃
の5%CO2 インキュベーター内にて3日間培養した
後、蛋白定量法(Lowry法:J.Biol.Chem., 193,26
5,1951)により、増殖した細胞量を蛋白量として650
nmでの吸光度(OD)を測定し、下記の計算式に従っ
て細胞に対する増殖阻害率を求めた。その結果を、下記
表6に示す。 増殖阻害率(%)={(PBS(−)のOD−液剤のO
D)/PBS(−)のOD}×100
ンズ用消毒用具は、現在海外の市場に出回り、評価され
ている液剤を遙に凌ぐ、高い安全性を有していることが
確認された。
いて長期間保存したものを用いて、以下の如き殺菌効果
試験を行なうことにより、長期安定性の確認を行なっ
た。
erichia coli ATCC 8739)、緑膿菌(P.a.;Pseudomona
s aeruginosa ATCC 9027)、黄色ブドウ球菌(S.a.;St
aphylococcus aureus ATCC 6538P)の3種の菌を用い
て、実施例1と同様の手順に従って、供試レンズを準備
した。また、コンタクトレンズ用消毒用具の検体は、実
施例4と同様にして、殺菌剤(PHMB)を固定化した
軟性物質(PVF)の検体と、殺菌剤(PHMB)を未
固定の軟性物質(PVF)の検体とを用意した。そし
て、殺菌剤を固定化しなかった検体を比較例6とする一
方、殺菌剤を固定化した検体については、更に、50℃
の温度条件下において60日間保存したところで、本発
明例11とした。
態の検体のそれぞれを用いて、供試レンズに対する消毒
処理を、湿潤剤として実施例4における(生理食塩水+
ホウ酸塩緩衝液)を用いて、実施例1と同様に施した。
ける各供試菌の生菌数と、消毒処理後の供試レンズにお
ける各供試菌の生菌数とから、消毒処理による各供試菌
の減少率を求め、その結果を、下記表7に示した。
ンズ用消毒用具は、長期間の過酷な条件下で保存された
後にも、高い殺菌効力を維持し得ることが確認された。
効果を確認するために、以下のように洗浄効果試験を行
なった。
に、ソルビタンモノオレイン酸エステル:6w/v%、
ヒマシ油:16w/v%、ラノリン:35w/v%、オ
レイン酸:5w/v%、ソルビタントリオレイン酸エス
テル:4w/v%、セチルアルコール:2w/v%、コ
レステロール:2w/v%、及び酢酸コレステロール:
30w/v%を溶解し、攪拌によって均一化された人工
脂質液2.5部と、生理食塩水97.5部とを混合し
て、人工脂質溶液を調製した。そして、供試レンズをし
て用意したソフトコンタクトレンズ(メニコンソフトM
A:株式会社メニコン)の表面に、前記人工脂質溶液を
5μLずつ、レンズ両面に均一に付着させて、人工脂質
汚れ付着レンズを得た。
具の検体を、軟性物質としてはPVFを、殺菌剤として
はPHMBを用いる組み合わせにより、実施例1と同様
にして準備した。そして、該検体に、エーテル型非イオ
ン性界面活性剤であるポリオキシエチレン(10)ノニ
ルフェニルエーテルを0.5%含む、ホウ酸塩緩衝液よ
りなる湿潤剤を、充分に含ませた。その後、実施例1と
同様に、受部の凹所と蓋部の突部との間に前記人工脂質
汚れ付着レンズを挾持することにより、洗浄・消毒用具
に対して充分にコンタクトレンズを接触せしめた後、該
蓋部と該受部を、それぞれ左右に回転させ、互いに摺動
せしめることによるコンタクトレンズに対する洗浄処理
を、10秒間行なった。
外観を観察したところ、コンタクトレンズに付着せしめ
られた人工脂質汚れは、完全に除去されていた。この結
果からも明らかなように、本発明に従うコンタクトレン
ズ用洗浄・消毒用具にあっては、その優れた殺菌作用に
加えて、優れた洗浄作用も有しているのである。
従うコンタクトレンズ用洗浄・消毒用具は、軟性物質に
対して殺菌剤が固定化せしめられた消毒処理部にコンタ
クトレンズを接触、保持することにより、消毒処理を行
なうようにされていることから、コンタクトレンズに対
して、殺菌効果の高い殺菌剤によって消毒処理を施すこ
とが出来る一方、その殺菌剤が軟性物質に対して固定化
されていることから、その消毒処理によって、眼に対し
て有害な物質である殺菌成分が、コンタクトレンズに吸
着、蓄積されるようなことがなく、眼に対する安全性が
極めて有利に改善されているのである。
液剤を用いるのではなく、消毒用具として固体の部材を
使用するものであるところから、消毒処理の際に液剤を
こぼして手元を汚してしまうような不都合が回避され、
簡便な消毒処理を行ない得るのであり、また、そのよう
な消毒処理を行なう場所についても、洗面所等に限られ
ることがなくなるのである。しかも、本発明に従う消毒
用具は、化学消毒法を採用したものであって、熱消毒法
の煮沸器具のように、電源等を使用する必要のないもの
であることからも、消毒処理を行なう場所が限定される
ことがなく、消毒処理の簡便性乃至は利便性が著しく向
上され得るのである。
部の一例を示し、(a)はその断面説明図であり、
(b)はその平面図である。
部の一例を示し、(a)はその断面説明図であり、
(b)はその底面図である。
例の使用形態を示す断面説明図である。
の例の使用形態を示す断面説明図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 少なくともコンタクトレンズが接触せし
められる処理部を、殺菌剤が固定化せしめられてなる、
吸水性を有する固形の軟性物質にて構成したことを特徴
とするコンタクトレンズ用洗浄・消毒用具。 - 【請求項2】 コンタクトレンズの載置面を有する第一
の部材と、該載置面に対応した形状を有する第二の部材
とを含み、それら第一及び第二の部材の少なくともコン
タクトレンズ接触部位が前記軟性物質にて形成されてい
ることを特徴とする請求項1に記載のコンタクトレンズ
用洗浄・消毒用具。 - 【請求項3】 前記軟性物質が、ポリアクリル酸若しく
はその共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルホ
ルマール及び再生セルロースからなる群より選ばれるこ
とを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコンタク
トレンズ用洗浄・消毒用具。 - 【請求項4】 前記殺菌剤が、グアニジン系殺菌剤また
は第四アンモニウム塩系殺菌剤であることを特徴とする
請求項1乃至請求項3の何れかに記載のコンタクトレン
ズ用洗浄・消毒用具。 - 【請求項5】 吸水性を有する固形の軟性物質に殺菌剤
を固定化せしめてなる消毒処理部を有し、該固定化され
た殺菌剤にて、該軟性物質の表面に接触、保持されるコ
ンタクトレンズの消毒を行なうようにしたことを特徴と
するコンタクトレンズ用消毒用具。 - 【請求項6】 吸水性を有する固形の軟性物質に殺菌剤
を固定化せしめてなる消毒処理部を有する消毒用具を用
い、該消毒用具の少なくとも消毒処理部に湿潤剤を含有
せしめた状態下において、該消毒処理部にコンタクトレ
ンズの消毒されるべき表面を接触せしめて、保持するこ
とを特徴とするコンタクトレンズの消毒方法。 - 【請求項7】 前記湿潤剤が、緩衝液であることを特徴
とする請求項6に記載のコンタクトレンズの消毒方法。 - 【請求項8】 前記湿潤剤が、界面活性剤を含む緩衝液
であることを特徴とする請求項6に記載のコンタクトレ
ンズの消毒方法。
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