JPH11100552A - 塗料組成物 - Google Patents

塗料組成物

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JPH11100552A
JPH11100552A JP9282793A JP28279397A JPH11100552A JP H11100552 A JPH11100552 A JP H11100552A JP 9282793 A JP9282793 A JP 9282793A JP 28279397 A JP28279397 A JP 28279397A JP H11100552 A JPH11100552 A JP H11100552A
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amine
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monomer
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Takahiro Shiozawa
隆寛 塩沢
Teruhiro Nakagawa
彰宏 中川
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Kikusui Chemical Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低温あるいは高湿度条件という悪条件下にお
いて、速乾性,初期耐水性に優れ、高抗張力とゴム弾性
のバランスに優れた水系塗料を提供する。 【構成】 陰イオン性を有するフィルム形成性合成樹
脂エマルションであって、該エマルションを形成するモ
ノマーの内、陰イオン性を示すモノマーを除くモノマー
の、水に対する溶解度が0.01%から1.50%であ
る合成樹脂、アミン官能基含有モノマーを少なくとも
20重量%含むモノマー混合物をのカルボキシル基の
当量数に対し、アミン官能基を5〜80%、本質的に
全てのアミン官能基が非イオン性状態となるのに十分に
高い点まで組成物のpHを高めるのに有効な量の揮発性
塩基、のカルボキシル基の当量数からのアミン官
能基の当量数を差し引いた数に対して5〜500%のエ
ポキシ基数のエポキシ樹脂、を含む塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は常温以下、特に低温ある
いは高湿度下において、速乾性,初期耐水性に優れ、硬
化剤を添加することにより、より高抗張力(引張強さ)
が増し、ゴム弾性を低下させる事のない製造及び貯蔵安
定性,塗装作業性に優れた水系塗料組成物に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、速乾性水系塗料組成物は、その総
固形分を高め、界面活性剤,増粘剤等水溶性成分を極力
少なくする事及びメタノールのような低沸点アルコール
を多量に含有させ乾燥を速める方法が知られている。
又、特開平3−157463号あるいは特開平8−21
8037号に記載されているような、乳化重合体,多官
能性アミンおよび揮発性塩基を含むものが知られてい
た。
【0003】しかし、前者の方法に於ては速乾性を十分
高める事が出来ず、塗装作業性,貯蔵安定性等の性能を
損ない易くなる。又、メタノール等低沸点アルコール類
を、その効果が発現するまでの量を添加した場合には、
消防法,労働安全衛生法に触れることになった。そして
後者の方法では、速乾性あるいは弾性,引張強さが不十
分であり、速乾性と引張強さのバランスが得られる塗料
組成物が望まれていた。
【0004】更に、従来の反応硬化型弾性塗料は、十分
なポットライフを得ようとする時、乾燥性、特に速乾性
の向上は困難であった。一方、反応硬化作用により強靱
な塗膜(抗張力)を得られる場合は、ゴム弾性の著しい
低下を余儀なくされている。従って、速乾性と強い抗張
力,高弾性のバランスが得られる塗料組成物が望まれて
いた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、速乾性特に
低温高湿度下での乾燥性に優れ、反応硬化作用により、
より強靱な塗膜を得るとともに、ゴム弾性の著しい低下
のない性質をもつ水系塗料組成物を提供するものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記課題を
解決するため、アニオン性合成樹脂エマルションにあ
って、エマルションを構成するモノマーの内、陰イオン
性を示すモノマーを除くモノマーの、水100グラムに
対する溶解度が0.01から1.50グラムである合成
樹脂エマルション、アミン官能基含有モノマーを少な
くとも20重量%含むモノマー混合物から形成されたポ
リマーを、のカルボキシル基の当量数に対してのア
ミン官能基の当量数の比を5〜80%にしたもの、本
質的に全ての多官能性アミンが非イオン性状態にある点
まで組成物のPHを上昇させるのに十分な量の揮発性塩
基、に含まれるカルボキシル基の当量数からに含
まれるアミン官能基の当量数を差し引いた数に対して5
%ないし500%となるエポキシ基数となるエポキシ樹
脂を含むことを要旨としている。
【0007】この明細書において「速乾性」とは、従来
の組成物と比較してより速やかに乾燥する性質をいう。
この明細書で用いられている「合成樹脂エマルション」
とは、例えば乳化重合のような常用の重合技術で製造す
ることができる水不溶性のポリマーを意味する。合成樹
脂エマルションは、塗布条件下でフィルムを形成する、
水不溶性のポリマーを生成させる任意のモノマー又はモ
ノマー混合物から重合される。
【0008】本発明の水性塗料組成物で使用されるの
合成樹脂エマルションは、アニオン性に安定化されてい
ることを必要とする。又、これらは例えば乳化重合のよ
うな常用の重合技術で製造することができる水不溶性の
ポリマーを意味する。本発明はまたもっと複雑な形態、
例えば芯−殻粒子のポリマーを用いても実施することが
できる。
【0009】合成樹脂エマルションのアニオン性は、幾
つかの方法により得られるが、最も一般的な方法は乳化
重合の際にアニオン性の界面活性剤を用する方法か、又
は重合後にそれら界面活性剤をエマルションに添加する
方法である。
【0010】非イオン性界面活性剤もこれらの陰イオン
的に安定化された合成樹脂エマルションの重合中又は重
合後に合成樹脂エマルションに存在していることができ
る。有用な界面活性剤としては:ナフテンスルホン酸と
低分子量のホルムアルデヒドとの縮合生成物、適正な親
水性−親油性バランスを持つカルボン酸ポリマー及び同
コポリマー,ラウリル硫酸ナトリウムのような高級アル
キルサルフェート,ドデシルベンゼンスルホネートのよ
うなアルキルアリールスルホネート,イソプロピルベン
ゼンスルホン酸又はイソプロピルナフタレンスルホン酸
のナトリウム塩又は同カリウム塩,ジオクチルスルホ琥
珀酸ナトリウムのようなスルホスクシネート,高級アル
キルスルホ琥珀酸アルカリ金属塩、例えばオクチルスル
ホ琥珀酸ナトリウム,ナトリウム N−メチル−N−パ
ムミトイルタウレート(palmitoyltaura
te),オレイルイセチオン酸ナトリウム,アルキルア
リールポリエトキシエタノール硫酸又は同スルホン酸の
アルカリ金属塩、例えば1〜5個のオキシエチレン単位
を有するt−オクチルフェノキシ−ポリエトキシエタノ
ール硫酸ナトリウムなどこの技術分野で周知の種々の陰
イオン界面活性剤がある。
【0011】アニオン性を有する合成樹脂エマルション
のもう1つのタイプは、ポリマーに少量の酸性基を含め
ることの結果として得られるものである。ここで、酸性
基は塩の形、例えばアルカリ金属塩又はアンモニウム塩
であることができる。このような酸性基の例は、組み込
まれた開始剤の断片,マレイン酸,ビニルスルホン酸,
クロトン酸,アクリル酸,メタクリル酸,イタコン酸等
に由来するものである。
【0012】アニオン性を有する合成樹脂エマルション
の第三の有用なタイプは、例えばアクリルアミド,メタ
クリルアミド等のような中和された塩基性モノマーを含
むラテックスポリマーである。合成樹脂エマルションの
アニオン性は、1つのタイプより多くてもよい。
【0013】アニオン性を有する合成樹脂エマルション
は、公知の方法で製造することができる。このような公
知の方法はワイレー社(Wiley)が1975年に刊
行した、D.C.ブラックレイ(D.C.Blackl
ey)著、「乳化重合:理論と実際(Emulsion
Polymerization:Theory an
d Practice)」及びインターサイエンス パ
ブリシャーズ社(Interscience Publ
ishers)が1965年に刊行したF.A.ボベー
(F.A.Bovey)等著、「乳化重合(Emuls
ion Polymerization)」等の、この
主題に関するテキストにおいて明らかにされている。
【0014】合成樹脂エマルションは、一般に、例えば
次のモノマー類から製造されたポリマー又はコポリマー
である:アクリル酸メチル,アクリル酸エチル,アクリ
ル酸ブチル,アクリル酸2−エチルヘキシル,アクリル
酸デシル,メタクリル酸メチル,メタクリル酸エチル,
メタクリル酸ブチル,スチレン,ブタジエン,エチレ
ン,酢酸ビニル,「バーサティック(Versati
c)」酸(鎖長C,C10及びC11の第三モノカル
ボン酸)のビニルエステル(このビニルエステルは「バ
ーサティック酸ビニル(vinyl versatat
e)」としても知られている),塩化ビニル,ビニルピ
リジン,塩化ビニリデン,アクリロニトリル,クロロプ
レン,アクリル酸,メタクリル酸,イタコン酸,マレイ
ン酸及びフマル酸,α、β−エチレン性不飽和モノマー
及びそれらのエステル、特にアクリル酸エステル及びメ
タクリル酸エステルのポリマー及びコポリマーが好まし
い。それらは、米国、ペンシルバニア州、フィラデルフ
ィアのローム アンド ハース社が1966年5月に刊
行した「アクリルモノマーの乳化重合(Emulsio
n Polymerization of Acryl
ic Monomers)」に示されるような公知の方
法で製造するのが好ましい。
【0015】アクリル酸エステル類として、アクリル酸
エチル,アクリル酸ブチル,メタクリル酸メチルおよび
アクリル酸2−エチルヘキシルを用い、アクリル酸類と
しては、アクリル酸およびメタクリル酸を用い、さらに
スチレンを用いたコポリマーが好ましく使用される。合
成樹脂エマルションのTgは、好ましくは−50℃〜0
℃の範囲である。
【0016】合成樹脂エマルションは、好ましくはメタ
アクリル酸ブチルを含むモノマー混合物から重合され、
メタアクリル酸ブチルの量は、モノマー混合物の1から
70重量%であり、10〜30重量%であることがさら
に好ましい。また、合成樹脂エマルションは、好ましく
は2−エチルヘキシルアクリレートを含むモノマー混合
物から重合され、2−エチルヘキシルアクリレートの量
は、モノマー混合物の93〜22重量%であり、82〜
43重量%であることがさらに好ましい。前述のよう
に、本発明に用いられる陰イオン性を有するフィルム形
成性合成樹脂エマルションは、ポリマーを形成するモノ
マーの内、陰イオン性を示すモノマーを除くモノマー
の、水100グラムに対する溶解度が0.01から1.
50グラムであることが必要である。陰イオン性を示す
モノマーを除くモノマーとは、上記において第2の陰イ
オン性導入方法として言及されたように、ポリマーに少
量の酸性基を含めることにより陰イオン性とした場合、
かかる酸性基を含むモノマーを除いたその他のモノマー
の意味である。なお、溶解度は25℃のものをいう。溶
解度には加算性が成立すると考えられ、各モノマーの割
合を決定すれば計算によりモノマー混合物の溶解度を求
めることができる。ここで、溶解度は親水性と疎水性の
バランスの尺度であり、溶解度を目安として合成樹脂エ
マルションを形成するモノマーの混合物の親水性と疎水
性のバランスを調整することにより、ポリマーの速乾性
や得られる塗膜の物性を調節することができるのであ
る。
【0017】本発明の塗料組成物は、のアミン官能基
含有モノマーを少なくとも20重量%含むモノマー混合
物から形成された水溶性または水分散性のポリマーを含
む。
【0018】アミン官能基を含有するモノマーとして
は、例えば以下のものがある。 1.アルキル基が直鎖型でも、或いは分枝鎖型でもよ
く、かつ2〜3個の炭素原子を有する、そして窒素原子
が第一窒素原子でも、第二窒素原子でも、或いは第三窒
素原子でもよいアミノアルキルビニルエーテルあるいは
同スルフィド(米国特許第2,879,178号明細
書)。
【0019】具体的な例として次のものがある:β−ア
ミノエチルビニルエーテル;β−アミノエチルビニルス
ルフィド;N−モノメチル−β−アミノエチルビニルエ
ーテル又は同スルフィド;N−モノエチル−β−アミノ
エチルビニルエーテル又は同スルフィド;N−モノブチ
ル−β−アミノエチルビニルエーテル又は同スルフィ
ド;及びN−モノメチル−3−アミノプロピルビニルエ
ーテル又は同スルフィド。
【0020】2.アクリルアミド又はアクリル酸エステ
ル、例えばジメチルアミノエチルアクリレート又は同メ
タクリレート;β−アミノエチルアクリレート又は同メ
タクリレート;N−β−アミノエチルアクリルアミド又
は同メタクリルアミド;N−(モノメチルアミノエチ
ル)−アクリルアミド又は同メタクリルアミドなどがあ
る。
【0021】3.N−アクリロキシアルキル−オキサゾ
リジン及びN−アクリロキシアルキルテトラヒドロ−
1,3−オキサジン、並びに「アルキル」結合がアルコ
キシアルキル及びポリ(アルコキシ−アルキル)で置換
されている、上記オキサゾリジン及びオキサジンに対応
する化合物。
【0022】この化合物の例に次のものがある:オキサ
ゾリジニルエチルメタクリレート;オキサゾリジニルエ
チルアクリレート;3−(γ−メタクリル−オキシプロ
ピル)−テトラヒドロ−1,3−オキサジン;3−(β
−メタアクリロキシエチル)−2,2−ペンタメチレン
−オキサゾリジン;3−β−メタアクリロキシエチル−
2−メチル−2−プロピルオキサゾリジン;N−2−
(2−アクリロキシエトキシ)エチル−オキサゾリジ
ン;N−2−(2−メタアクリロキシエトキシ)エチル
−オキサゾリジン;N−2−(2−メタアクリロキシエ
トキシ)エチル−5−メチル−オキサゾリジン;N−2
−(2−アクリロキシエトキシ)エチル−5−メチル−
オキサゾリジン;3−[2−(2−メタアクリロキシエ
トキシ)エチル]−2,2−ペンタメチレン−オキサゾ
リジン;3−[2−(2−メタアクリロキシエトキシ)
エチル]−2,2−ジメチル−オキサゾリジン;及び3
−[2−(2−メタアクリロキシエトキシ)エチル]−
2−フェニル−オキサゾリジン。
【0023】4.加水分解でアミンを容易に生成させる
モノマーのポリマーは、アミン含有成分として、又はこ
のバインダー組成物のアミン含有成分のポリマーを生成
せさせるのに有用である。このようなモノマーの例はア
クリロキシ−ケチミン及び−アルジミンのようなもので
ある。
【0024】例示化合物は次の通りである:2−[4−
(2,6−ジメチルヘプチリデン)−アミノ]−エチル
メタクリレート;3−[2−(4−メチルペンチリジ
ン)−アミノ]−プロピルメタクリレート;β−(ベン
ジリデンアミノ−エチルメタクリレート;3−[2−
(4−メチルペンチリデン)−アミノ]−エチルメタク
リレート;2−[4−(2,6−ジメチルヘプチリデ
ン)−アミノ]−エチルアクリレート;12−(シクロ
ペンチリデン−アミノ)−ドデシルメタクリレート;N
−(1,3−ジメチルブチリデン)−2−(2−メタク
リロキシエトキシ)−エチルアミン;N−(ベンジリデ
ン)−メタクリロキシエトキシエチルアミン;N−
(1,3−ジメチルブチリデン)−2−(2−アクリロ
キシエトキシ)−エチルアミン;及びN−(ベンジリデ
ン)−2−(2−アクリロキシエトキシ)エチルアミ
ン。
【0025】一般に、少なくとも20重量%の前記カテ
ゴリー1,2,3及び4のモノマーのアミン含有ポリマ
ーは、求められる特定のポリマーに依存して中性か、ア
ルカリ性か、又は酸性の水性媒体中での溶液重合により
得ることができる。一般的に言えば、この重合は少量の
有機又は無機の酸、例えば酢酸又は塩酸を含有する水性
媒体中で行われる。アミン含有ポリマーは最大で80重
量%の1種又は2種以上のモノマー、例えばアクリル酸
メチル,アクリルアミド,メタクリルアミド及びアミン
モノマー由来の4級アンモニウム塩、例えば2−メタク
リロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドとのコ
ポリマーを包含する。少量の比較的不溶性のコモノマー
も水溶性ポリマーを得るのに使用することができる。不
溶性ポリマーは、これらコモノマーをもっと大量に含有
していてもよい。このようなモノマーに、例えば(C
〜C18)アルコールとのアクリル酸エステル及び1〜
18個の炭素原子を有するアルコール、特に(C〜C
)アルカノールとのメタクリル酸エステル,スチレ
ン,ビニルトルエン,酢酸ビニル,塩化ビニル,塩化ビ
ニリデン,置換スチレン,ブタジエン,置換ブタジエ
ン,エチレン、並びにアクリル酸又はメタクリル酸のニ
トリル及びアミドがある。所定のアミン含有ポリマーを
製造する際に、使用される特定のモノマー又はモノマー
類はこのコポリマーを製造する際に、使用されるアミン
含有モノマーの割合に依存する。好ましくは、比較的高
い水中溶解度を有するコモノマーが、水溶性ポリマーを
製造するのに専ら使用される。これらのポリマーは、従
って陽イオン性の、及び所望によっては非イオン性のビ
ニルモノマーのポリマー又はコポリマーである。陽イオ
ン性モノマーの例は、アミン,イミン及び4級アンモニ
ウム塩である;記載された他のモノマーは非イオン性で
ある。従って、これらの水溶性コポリマーは、使用モノ
マー中の不純物に起因して、或いは合成,貯蔵又は使用
の際に起こる幾らかの加水分解に起因して、存在するだ
ろう痕跡量の酸基を除けば、それ以外の酸基は含有して
いない。
【0026】不溶性のアミン含有ポリマーの粘度平均分
子量は約5,000〜約100,000であり、そして
約15,000〜90,000の範囲が好ましい。水溶
性ポリマーの分子量は広い範囲に及ぶことができる。典
型的には、その粘度平均分子量は約5,000〜約30
0,000であり、そして約40,000〜約100,
000の範囲が好ましい。アミン含有ポリマーの量はア
ニオン性合成樹脂エマルション及びアミン含有ポリマー
の総重量の約0.1〜約20重量%の範囲である。
【0027】アミン含有ポリマーは、一般に、この技術
分野で一般的に知られている通り、例えば米国特許第
4,119,600号明細書に教示されているように、
求められる特定のポリマーに依存して中性か、アルカリ
性か、又は酸性の水性媒体中での溶液重合により得るこ
とができる。一般的に言えば、この重合は少量の有機又
は無機の酸、例えば酢酸又は塩酸を含有する水性媒体中
で行われる。アミン含有ポリマーは最大で80重量%の
1種又は2種以上のモノエチレン性不飽和モノマー、例
えばアクリル酸メチル,アクリルアミド及びメタクリル
アミドとのコポリマーを包含する。少量の比較的不溶性
のコモノマーも水溶性ポリマーを得るのに使用すること
ができる。不溶性ポリマーは、これらのコモノマーをも
っと大量に含有していてもよい。このようなモノマー
に、例として挙げると、(C〜C18)アルコールと
のアクリル酸エステル及び1〜18個の炭素原子を有す
るアルコール,特に(C〜C)アルカノールとのメ
タクリル酸エステル,スチレン,ビニルトルエン,酢酸
ビニル,塩化ビニル,塩化ビニリデン,置換スチレン,
ブタジエン,置換ブタジエン,エチレン、並びにアクリ
ル酸又はメタクリル酸のニトリル及びアミドがある。所
定のアミン含有ポリマーを製造する際に、使用される特
定のコモノマー又はコモノマー類は、このコポリマーを
製造する際に、使用されるアミン含有モノマーの割合に
依存する。これらのポリマーは、従って陽イオン性の、
及び所望によっては非イオン性のビニルモノマーのポリ
マー又はコポリマーである。陽イオン性モノマーの例
は、アミン及びイミンである;記載された他のモノマー
は非イオン性である。従って、これらの水溶性コポリマ
ーは使用モノマー中の不純物に起因して、或いは合成,
貯蔵又は使用の際に起こる幾らかの加水分解に起因して
存在するだろう痕跡量の酸基を除けばそれ以外の酸基は
含有しない。
【0028】アニオン性合成樹脂エマルション、アミン
官能基モノマーを少なくとも20重量%含むモノマー混
合物から形成された水溶性または水分散性のポリマー、
本質的に全ての多官能アミンが非イオン性状態にある点
まで組成物のPHを上昇させるのに十分な量の揮発性塩
基を含む組成物として、例えば商品名 E−2706
(ローム アンド ハース社製)を例示できる。
【0029】本発明の塗料組成物はの揮発性塩基を必
要とする。使用される揮発性塩基のタイプと量は、この
組成物のPHをアミン含有ポリマーのアミン官能基が非
イオン化(脱プロトン化)される点まで、典型的には少
なくともPH5、好ましくはPH7〜9まで上昇させ
て、この速乾性塗料組成物中のアニオン的に安定化され
た合成樹脂エマルション、その他のアニオン性成分との
相互作用を避けるようにするのに十分なものでなければ
ならない。
【0030】塗布後に、揮発性塩基は蒸発し、組成物の
PHを下げる。組成物のPHがアミン官能基のプロトン
化が起こり始める点まで下がると、アミン官能基は陽イ
オン性となる。この速やかな乾燥は、陰イオン的に安定
化されたエマルションポリマーの存在下でのアミン官能
基の陽イオン状態へのこの転化によって開始されると考
えられるが、この速乾性を生む正確な機構は確立されて
おらず、従って本発明者はその速乾性を正確な機構の理
論で束縛するものではない。
【0031】適当な塩基には、限定する訳ではないが、
アンモニア,モルホリン,アルキルアミン,2−ジメチ
ルアミノエタノール,N−メチルモノホリン,エチレン
ジアミン及びそれらの混合物があり、好ましい塩基はア
ンモニアである。アミンと合成樹脂エマルション中の酸
との当量比は、好ましくはアミン/酸=0.5〜1.0
である。
【0032】本発明の水性塗料組成物はまた水溶性又は
水分散性の多価金属を金属のイオン,塩,錯体又は酸化
物の形で含有することができる。多価金属は塗料組成物
配合後に添加してもよいが、多価金属でラテックスポリ
マーを変成した後、他の成分を加えることが好ましい。
ラテックスポリマーを多価金属で予め変成することによ
り、より広い温度範囲でラテックスポリマーフィルムの
伸びと引張強さのバランスが保たれる。
【0033】変成の方法としては、多価金属の粉末を水
に分散させて水性塗料組成物に加えることもできるが、
最初に多価金属を多価金属イオンの錯体にしたり、多価
金属のイオンとその対イオンにより塩を形成させ、多価
金属を水溶性もしくは水分散性とするのが好ましい。多
価金属イオンの錯体は、pH=9〜10の希薄なアンモ
ニア水のようなアルカリ性溶液中で可溶化することがで
きる。水溶性または水分散性の多価金属を、温度30〜
50℃に保持したラテックスポリマー中に添加すること
によりラテックスポリマーを多価金属で変成する事がで
きる。
【0034】カルシウム,アルミニウム,マグネシウ
ム,亜鉛,バリウム,ストロンチウム等のような多価金
属イオンを使用することができる。多価金属イオンの錯
体、例えば、亜鉛ヘキサアンモニア,重炭酸亜鉛アンモ
ニウム等、及び多価金属イオンと対イオン、例えば塩化
物イオン,酢酸イオン,重炭酸イオンとの塩も使用する
ことができる。亜鉛が好ましい多価金属である。
【0035】多価金属のイオン,塩,錯体又は酸化物は
ラテックスのポリマー固形分の重量基準で約0.1〜1
0重量%の水準で有用である。ラテックスのポリマー固
形分の重量基準で約0.3重量%から約2.0重量%の
水準が好ましい。加えて、例えば顔料,バインダー,ビ
ヒクル,エキステンダー,分散剤,界面活性剤,合体
剤,湿潤剤,レオロジー変成剤,増粘剤,乾燥遅延剤,
消泡剤,着色剤,ワックス,防腐剤,熱安定剤,溶剤,
皮張り防止剤,乾燥剤等のような常用の塗料成分も本発
明において使用することができる。添加剤のタイプと量
を選択する際には塗料組成物のpHが貯蔵安定性を阻害
する程度まで変えられ、或いは塗布後にpHがポリアミ
ンのプロトン化を開始させるほどには十分に下がらない
程度までpH調整が行われなくなることを避けるように
注意しなければならない。
【0036】更に、本発明の塗料組成物では、にエポ
キシ樹脂を硬化剤として配合している。硬化剤を加える
ことにより、速乾性,初期耐水性の改善のみならず、強
靭かつ弾性のある塗膜形成の可能な塗料組成物としてい
る。硬化剤としては、常温架橋反応が可能であり、揮発
性塩基と反応することがなく、速乾性を妨げることのな
いものが好ましい。常温架橋反応の安定したものとは、
一般にカルボキシル基に対するエポキシ基あるいはアゾ
リジン基,オキサゾリン基の反応,カルボニル基に対す
るヒドラジン基の反応,ヒドロキシ基に対するイソシア
ネート基の反応が周知である。
【0037】しかしながら、金属イオンで結合した塗膜
や、アジリジン架橋は変異原性等に問題があり、架橋反
応を実質的に利用した塗膜への利用は困難である。ま
た、カルボニル基とヒドラジン基の反応は、水存在下で
はあまり進行せず架橋密度が小さくなる。カルボキシル
基とオキサゾリン基との反応は、カルボキシル基とエポ
キシ基の反応に比べ、常温では小さく、従って後者の組
み合せが好ましい。ヒドロキシ基とイソシアネート基の
反応は、塗料として用いた時に可使時間が得られないの
で良くない。
【0038】エポキシ基を含むエポキシ樹脂の塗料中に
おける配合量は、カルボキシル基を持つアニオン性合成
樹脂エマルションのカルボキシル基の当量数(A)か
ら、アミン官能基含有モノマーを含むポリマー中のアミ
ン官能基の当量数(B)を差し引いた当量数、即ち、
(A−B)に対して0.05ないし5倍のエポキシ基数
となるようにしたエポキシ樹脂量とする。好ましい量配
合としては、(A−B)によって表されるアミン官能基
と未反応のカルボキシル基数の割合に対して0.1〜3
倍の数となるエポキシ基数となるエポキシ樹脂である。
この割合の範囲にあるエポキシ樹脂を添加することによ
り、塗料組成物中の揮発性塩基が速やかに蒸発し、その
後エポキシ基とアニオン性合成樹脂エマルション中のカ
ルボキシル基の反応硬化が始まる。エポキシ基数、しい
てはエポキシ樹脂量を反応可能な量を越えて多量に添加
した場合は、カルボキシル基の数を越えて反応が生じる
ことはなく、残余のエポキシ樹脂は希釈剤成分となる。
しかしながら、このエポキシ樹脂量は速乾燥とも密接な
関連がある為、その最適量は実験によって求める必要が
ある。
【0039】本発明の塗料組成物には、としての揮発
性塩基で中和されたアニオン性界面活性剤を顔料分散剤
として含有することがある。この界面活性剤の添加量
は、顔料を分散するに足りる量であって、通常顔料に対
し、その有効成分で0.2〜1.0重量%である。揮発
性塩基ではなく、ナトリウム,カリウム等の金属塩で中
和された界面活性剤が広く知られているが、これらは塗
装後の塗料組成物のPHを速やかに低下させることを妨
げ、アミン官能基のプロトン化の開始が遅れ、結果、乾
燥性が損なわれるため好ましくない。
【0040】揮発性塩基で中和されたアニオン性界面活
性剤として、商品名 オロタン901(ローム アンド
ハース社製),商品名 ポイズ532A(花王社
製),商品名 アラスター703S(荒川化学工業社
製)が例示できる。
【0041】本発明の水性塗料組成物は、顔料体積濃度
(PVC)が20%〜70%の範囲であり、典型的に
は、約10〜約70重量%の範囲の固形分含有量と約5
0〜約5,000ポイズの粘度を有するように配合され
る。また、一般に固形分濃度が高いほど速乾性は高くな
る。しかしながら、PVCが高くなると、ゴム弾性を低
下させる事になる為、好ましくは20%〜60%、最も
好ましくは25%〜45%である。
【0042】顔料としては次のようなものがある。白色
顔料として二酸化チタン,炭酸カルシウム,クレーがあ
り、着色顔料として酸化鉄及び公知の有機系顔料も使用
できる。又、二酸化チタン単独使用でも、他の無機又は
有機系顔料との併用であっても何ら問題ない。更に、本
発明の水性塗料組成物は珪砂,炭酸カルシウム,繊維等
のような充填剤を含有することができる。
【0043】この発明の塗料組成物は、上記以外に低沸
点アルコール類,造膜助剤,増粘剤,粘性調整剤,消泡
剤,防腐剤,防黴剤,防藻剤等のような一般に塗料製造
に配合される成分も、この発明の特徴を損なわない範囲
内において使用することができる。
【0044】本発明にかかる水性塗料組成物は、低感温
性でゴム弾性が大きく、速乾性に優れるという効果を有
している。また、従来水系では困難であった、0〜5℃
といった著しい低温、80%から90%の多湿条件下で
の塗装・乾燥が可能であるという効果も有している。な
お、ここで「低感温性」とは、従来の組成物と比較して
温度依存性が小さいことをいう。また、ゴム弾性の尺度
としては、−20℃での引っ張り強度を20℃での引っ
張り強度で割った値を使用する事ができる。この数値が
小さいほど高いゴム弾性を有すると理解される。この塗
料を使用するに当っては、ローラー,タイルガン,圧送
機等を用い、典型的には、約0.8ミリ〜約3ミリまで
の厚さで塗布することができる。
【0045】
【実施例】
単量体混合物1の製造 脱イオン水3687.8gに、ポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテル硫酸アンモニウムの58%溶液の3
1.6gを溶かし、攪拌した溶液に、次の単量体をゆっ
くり加えることにより乳化した単量体混合物1を調整し
た。
【0046】 単量体 重量(g) 全単量体の重量(%) 2−エチルヘキシルアクリレート 4065.0 44.0 ブチルメタアクリレート 2771.6 30.0 メチルメタアクリレート 2281.9 24.7 メタアクリル酸 120.1 1.3 ────────────────────────────── 合 計 9238.6 100.0
【0047】重合操作 乳化重合体の調製 温度計、冷却器、および攪拌機を備えた適当な反応容器
に、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ア
ンモニウム70.1g、および脱イオン水3118.0
gを含む溶液を入れ、80〜85℃に加熱した。この反
応溶液に、炭酸ナトリウム水溶液(脱イオン水169.
4gに炭酸ナトリウム32.3gを溶解させた液)およ
び前述の単量体乳濁液の531.2gの全てを順次仕込
み、温度を80〜82℃に調節した。この反応溶液に、
過硫酸ナトリウム(SPS)水溶液(脱イオン水16
9.3gにSPS33.1gを溶解させた液)の全てを
加えた。約5分以内に、3〜5℃の温度上昇及び反応混
合物の外観の変化により重合の開始を確認した。発熱が
終了した後、残りの単量体混合物と過硫酸ナトリウム
(SPS)水溶液(脱イオン水384.9gにSPS
7.7gを溶解させた液)を反応容器に徐々に加えた。
重合反応の熱を冷却によって除くことのできるよう、2
〜3時間で添加された。重合反応温度は、必要に応じ冷
却することにより80〜82℃に維持した。添加完了
後、反応混合物の容器及び供給管を脱イオン水215.
6gですすぎ、反応容器に加えた。得られた乳化重合体
は温室に冷却するか、または多価金属水溶液、水分散性
アミン官能基含有ポリマーを添加するために適切な温度
に保った。
【0048】上記の操作により乳化重合体を4つ調製
し、表1に示した配合でサンプル1〜4を調製した。配
合は、乳化重合体を40℃に維持し、多価金属水溶液を
反応容器に添加し、pHを28%アンモニア水溶液を用
いてpH9.0〜10.0に調製し、最後に水分散性ア
ミン官能基含有ポリマーであるポリオキサゾリジニルエ
チルメタクリレート(固形分27.5%)を添加して行
った。さらに、サンプル1〜4のそれぞれを、離型剤を
塗布したシャーレに、約2mm厚のフィルムになるよう
な量を流し込み、70℃、相対湿度40%の環境下で1
2日間乾燥した。乾燥フィルムをダンベルを用いて0.
25インチ幅に切りとり、つかみ幅1インチ、引っ張り
試験速度2インチ/分で引っ張り試験を行い、フィルム
が破断するまでの伸び率及び最大強度を測定した。結果
を表2に示す。
【0049】単量体混合物2の製造 脱イオン水2748.5gに、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウムの24%溶液47.0gと、ポリオキシ
エチレンアリールエーテル硫酸ナトリウムの30.7%
溶液55.0gを溶かし、攪拌した溶液に、次の単量体
をゆっくり加えることにより乳化した単量体混合物2を
調製した。
【0050】 単量体 重量(g) 全単量体の重量(%) 2−エチルヘキシルアクリレート 7564.8 80.0 ブチルメタアクリレート 1036.8 11.0 メチルメタアクリレート 665.3 7.0 メタアクリル酸 192.0 2.0 ────────────────────────────── 合 計 9458.9 100.0
【0051】重合操作 乳化重合体の調製 温度計、冷却器、および攪拌機を備えた適当な反応容器
に、24%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3
1.4g、30.7%ポリオキシエチレンアリールエー
テル硫酸ナトリウム37.4g、および脱イオン水34
90.6gを含む溶液を入れ、80〜85℃に加熱し
た。この反応容器に、炭酸アンモニウム水溶液(脱イオ
ン水193.0gに炭酸アンモニウム33.1g溶解さ
せた液)および前述の単量体乳濁液の544.3gの全
てを順次仕込み、温度を80〜82℃に調節した。この
反応容器に、過硫酸アンモニウム(APS)水溶液(脱
イオン水129.6gにAPS34.1gを溶解させた
液)の全てを加えた。約5分以内に3〜5℃の温度上昇
及び反応混合物の外観の変化により重合の開始を確認し
た。発熱が終了した後、残りの単量体混合物を徐々に加
えた。重合反応の熱を冷却によって除くことのできるよ
う、2〜3時間で添加された。重合反応温度は、必要に
応じ冷却することにより80〜82℃に維持した。添加
完了後、反応混合物の容器及び供給管を脱イオン水21
7.9gですすぎ、反応容器に加えた。反応容器は45
℃に冷却し、70%オクチルフェニルポリエトキシエタ
ノール130.5gを添加し、容器及び供給管を脱イオ
ン水139.2gですすぎ、反応容器に加えた。得られ
た乳化重合体は室温に冷却するか、または多価金属水溶
液、水分散性アミン官能基含有ポリマーを添加するため
に適切な温度に保った。上記の操作により乳化重合体を
9つ調製し、表3に示した配合でサンプルNO.5〜1
3を調製した。なお、サンプルNO.11〜13は比較
例である。配合は、乳化重合体を40℃に維持し、上記
多価金属水溶液を反応容器に添加し、pHを28%アン
モニア水溶液を用いてpH9.0〜10.0に調整し、
最後に水分散性アミン官能基含有ポリマーであるポリオ
キサゾリジニルエチルメタクリレート(固形分27.5
%)を添加して行った。次に、上述の乳化重合体の調整
を行った時と同様の方法でフィルムを作製し、伸び率及
び最大強度を測定した。結果を表4に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】サンプルNO.11〜13を5℃、相対湿
度80%の環境下で、ガラス板上に5ミルのアプリケー
タを用いて塗布後、指でこすり、フィルムの皮張り及び
乾燥完了までの時間を測定した。結果は以下の通りであ
った。
【0057】 サンプルNo. 皮張りまでの時間 乾燥完了までの時間 11 40分 70分 12 40分 60分 13 10分 40分
【0058】単量体混合物1とこれに続くサンプルN
O.1〜4の乳化重合体を調整した時と同様の方法によ
り、表5に示した組成のエマルションを合成した。得ら
れたエマルションを22〜23℃、相対湿度60%の環
境下で、ガラス板上に5ミルのアプリケータを用いて塗
布後、指でこすり、フィルムの皮張り及び乾燥完了まで
の時間を測定した。結果を表6に示す。
【0059】
【表5】
【0060】表5中の略号は下記の通りである。 BA:ブチルアクリレート MMA:メチルメタアクリレート MAA:メタアクリル酸 2−EHA:2−エチルヘキシルアクリレート Sty:スチレン BMA:ブチルメタアクリレート SLS:ラウリル硫酸ナトリウム DS−4:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム CO−436:ポリオキシエチルノニルフェニルスルホ
ン酸アンモニウム
【0061】
【表6−1】
【表6−2】
【0062】以下に、上記乳化重合体のうち、引張り強
さあるいは破断伸びに優れる重合体サンプルを選択し、
塗料化した時、硬化剤を含まない状態における貯蔵安定
性を表8に示し、その塗料化配合を表7に示す。次に、
貯蔵安定性に優れる重合体サンプル同NO.10を使用
し、硬化剤としてのエポキシ樹脂の添加割合を変化させ
て、塗膜の伸びおよび引張強さを測定した。また重合体
サンプルNO.4およびNO.10を使用し、硬化剤の
種類を変化させ、塗料のPVCを変化させて塗膜の伸び
試験を行った。
【0063】
【表7】 配合成分 配合量 乳化重合体 1700 重量部 分散剤 4 重量部 酸化チタン 15 重量部 亜鉛華 4 重量部 炭酸カルシウム 840 重量部 増粘剤 21.3重量部 防凍剤 30 重量部 造膜助剤 18 重量部 消泡剤 6 重量部 ─────────────────────── 合 計 2638.3重量部 尚、この塗料化配合におけるPVC(顔料体積濃度)
は、約25%となる。また、乳化重合体の固型分は乳化
重合体によって多少のバラツキがあるものの、約55%
とした。
【0064】
【表8】
【0065】貯蔵安定性の試験は、表7の配合に基づい
て調整した塗料を20℃の恒温槽,50℃恒温槽,−5
℃の恒温槽に1週間静置した後の粘度を簡易粘度計(ビ
スコテスター)により測定した。尚、50℃,−5℃の
温度条件下に置いた塗料については、20℃条件に一日
置いて塗料温度を常温に戻した後で粘度測定した。表8
中では、20℃条件下にて貯蔵したものを経時粘度と
し、−5℃条件下にて貯蔵したものを低温経時後粘度、
50℃条件下にて貯蔵したものを高温経時後粘度として
いる。表8に示す貯蔵安定性の試験結果における◎印
は、製造直後の粘度に対して、粘度変化が10%未満で
あったことを表し、○印は粘度変化が10%以上20%
未満であったこと、×印は20%以上の粘度変化が生じ
たことを表している。
【0066】硬化剤添加による伸び,引張強さの測定で
は、硬化剤を塗料に添加,混合した後、離型紙上に厚み
2mmとなるように塗り付け、20℃,65RH条件下
にて7日間養生した後、ダンベル状3号形の打ち抜き型
により試験体を切り取り、伸び試験に供した。試験方法
は、JIS A6021「屋根用塗膜防水材」の5.4
引張性能に準じた。引張強さはダンベル状3号型に打ち
抜いた時の厚みと巾をマイクロメーターにより測定して
おき、伸び試験を行った時に最大の引張強さを示す値を
もとに換算した。硬化剤の添加量は、乳化重合体サンプ
ルに対する重量比であり、乳化重合体サンプルは、アミ
ン官能基含有モノマーを含むポリマーおよび揮発性塩基
を含んだもののことを言う。そして、エポキシ樹脂には
グリセロールポリグリシジルエーテル(グリセリンジグ
リシジルエーテル)を用いた。
【0067】硬化剤の添加量は、乳化重合体中のカルボ
キシル基の官能基数およびアミン官能基含有ポリマーの
アミン官能基数に依存している。サンプルNO.10の
乳化重合体を用いた場合、乳化重合体中1.06重量%
(192/18146.1)がメタアクリル酸となり、
このモル数がカルボキシル基の当量数に相当する。サン
プルNO.10の乳化重合体を用い、表7の配合表に基
づいて塗料化した場合、2638.3重量部中の乳化重
合体は1700重量部であり、約18重量部(0.21
当量)がメタアクリル酸となる。また、同様に乳化重合
体中にアミン官能基含有ポリマーは1.06重量%含ま
れ、0.21当量が添加されていることとなる。従っ
て、約55%(0.12/0.21)のカルボキシル基
は、アミン官能基含有ポリマーによってブロックされる
為、本願明細書中における(A−B)に相当するカルボ
キシル基数は0.09当量となる。エポキシ樹脂は、表
7の1700重量部の固型分に対して、0.1重量%添
加することは0.94重量部添加することであり、グリ
セリンジグリジルエーテルの分子量204、1分子中の
エポキシ基数2であることから、反応し得るエポキシ基
数に対し約10%となる。同様にして、乳化重合体固型
分に対して、エポキシ樹脂を0.2重量%添加した時に
は、(A−B)に相当するカルボキシル基数に対して約
20%添加したこととなる。
【0068】
【表9】
【0069】PVCを変化させた時の配合を下記表10
に示す。
【表10】
【0070】
【表11−1】
【表11−2】 表中、実施例,比較例のNO.を示す例えばA〜A
は、同一行の試験結果の左から数えての番号を示す。ま
た2段書きの数値は、上段が20℃下の伸び(%)の試
験結果であり、下段が引張強さ(kgf/cm)の試
験結果を示す。
【0071】尚、硬化剤種類 符号等は、ED507は
旭電化工業(株)のエポキシ樹脂、商品名アデカグリシ
ロールED507のことであり、122Wはクラリアン
トジャパン(株)のエポキシ樹脂、商品名ベッコポック
ス122Wのことであり、EP128はクラリアントジ
ャパン(株)のエポキシ樹脂、商品名ベッコポックスE
P128、0427は旭電化工業(株)のエポキシ樹
脂、商品名アデカレジンEP ES0427、1758
は旭電化工業(株)のエポキシ樹脂、商品名アデカレジ
ンEP R−1758、1736は旭電化工業(株)の
エポキシ樹脂、商品名アデカレジンEP X−173
6、EX313はナガセ産業(株)のエポキシ樹脂、商
品名デナコールEX313、EX810はナガセ産業
(株)のエポキシ樹脂、商品名デナコールEX810、
EX212はナガセ産業(株)のエポキシ樹脂、商品名
デナコールEX212、X09は武田薬品工業(株)の
ウレタン樹脂、商品名タケラックXW−75−X09、
XD220は武田薬品工業(株)のポリイソシアネー
ト、商品名スタフィロイドの硬化剤XD220、アクア
200は日本ポリウレタン工業(株)のポリイソシアネ
ート、商品名アクアネート200のことを示す。
【0072】また、表11の例中、伸び率,引張強さ共
に良好な値を示したものについて、硬化剤添加後の可使
時間を測定した。
【表12】
【0073】可使時間の測定については、硬化剤を添加
混合後、ポリエチレン製容器中に密封し、室温下に置
き、一定時間ごとに粘度を測定し、タイルガン(エアー
スプレーの一種)および圧送機械を用いて吹付け塗装を
行った際に、作業性に問題が無いかどうかをチェックし
た。尚、粘度変化が硬化剤添加直後に比べ、20%以上
生じた時を一つの目安とした。
【0074】更に、上記4実施例については、乾燥性を
四つの条件下において確認した。条件Aは20℃,65
%RH,条件Bは20℃,90%RH,条件Cは5℃,
65%RH,条件Dは5℃,90%RHである。乾燥性
試験を行うに当っては、調整した塗料および硬化剤,塗
装下地を乾燥性試験を行う温度条件下に24時間以上放
置した上で、試験に供した。塗装下地はプライマーを塗
布した石綿スレート板を用意し、供試塗料を1mmの厚
みにして塗り付けて乾燥性を評価した。表中、乾燥の段
階を区別するための指触は指触乾燥を言い、半硬化は半
硬化乾燥,硬化は硬化乾燥を言い、基準はJIS K5
400の評価方法に倣った。また、耐水性は耐水性の得
られる段階を言い、塗料を塗り付けた試験板を30分間
水中に浸漬させた時に、塗料の溶出が全くない段階のこ
とを示す。測定結果を示す数値は時間である。
【0075】
【表15】
【0076】
【発明の効果】この発明の塗料組成物は、常温以下、特
に低温あるいは高湿度条件下において、速乾性および初
期耐水性に優れることは勿論、高抗張力を有し、かつゴ
ム弾性を低下させることのないものを得ることができ
る。これは、強靭な塗膜物性(抗張力あるいは引張強
さ)を得た場合、著しいゴム弾性の低下という問題を解
決したものとなっている。また、この発明の塗料は製造
の安定性,貯蔵安定性,使用時の可使時間に問題のない
水系塗料となる。従って、低温ないし高湿度条件下にお
いては、使用,施工が困難であった弾性,抗張力にバラ
ンスの優れた塗料を提供することが可能となった。
【表13】
【手続補正書】
【提出日】平成10年7月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記課題を
解決するため、アニオン性合成樹脂エマルションにあ
って、エマルションを構成するモノマーの内、陰イオン
性を示すモノマーを除くモノマーの、水100グラムに
対する溶解度が0.01から1.50グラムである合成
樹脂エマルション、アミン官能基含有モノマーを少な
くとも20重量%含むモノマー混合物から形成されたポ
リマーを、のカルボキシル基の当量数に対してのア
ミン官能基の当量数の比を5〜80%にしたもの、本
質的に全ての多官能性アミンが非イオン性状態にある点
まで組成物のpHを上昇させるのに十分な量の揮発性塩
基、に含まれるカルボキシル基の当量数からに含
まれるアミン官能基の当量数を差し引いた数に対して5
%ないし500%となるエポキシ基数となるエポキシ樹
脂を含むことを要旨としている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】アニオン性合成樹脂エマルション、アミン
官能基モノマーを少なくとも20重量%含むモノマー混
合物から形成された水溶性または水分散性のポリマー、
本質的に全ての多官能アミンが非イオン性状態にある点
まで組成物のpHを上昇させるのに十分な量の揮発性塩
基を含む組成物として、例えば商品名 E−2706
(ローム アンド ハース社製)を例示できる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】本発明の塗料組成物はの揮発性塩基を必
要とする。使用される揮発性塩基のタイプと量は、この
組成物のpHをアミン含有ポリマーのアミン官能基が非
イオン化(脱プロトン化)される点まで、典型的には少
なくともpH5、好ましくはpH7〜9まで上昇させ
て、この速乾性塗料組成物中のアニオン的に安定化され
た合成樹脂エマルション、その他のアニオン性成分との
相互作用を避けるようにするのに十分なものでなければ
ならない。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】塗布後に、揮発性塩基は蒸発し、組成物の
pHを下げる。組成物のpHがアミン官能基のプロトン
化が起こり始める点まで下がると、アミン官能基は陽イ
オン性となる。この速やかな乾燥は、陰イオン的に安定
化されたエマルションポリマーの存在下でのアミン官能
基の陽イオン状態へのこの転化によって開始されると考
えられるが、この速乾性を生む正確な機構は確立されて
おらず、従って本発明者はその速乾性を正確な機構の理
論で束縛するものではない。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】本発明の塗料組成物には、としての揮発
性塩基で中和されたアニオン性界面活性剤を顔料分散剤
として含有することがある。この界面活性剤の添加量
は、顔料を分散するに足りる量であって、通常顔料に対
し、その有効成分で0.2〜1.0重量%である。揮発
性塩基ではなく、ナトリウム,カリウム等の金属塩で中
和された界面活性剤が広く知られているが、これらは塗
装後の塗料組成物のpHを速やかに低下させることを妨
げ、アミン官能基のプロトン化の開始が遅れ、結果、乾
燥性が損なわれるため好ましくない。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】本発明の水性塗料組成物は、顔料体積濃度
(PVC)が20%〜70%の範囲であり、典型的に
は、固形分の含有量を10〜70%の範囲とし、かつ、
塗料の粘度を50〜5,000ポイズとするように配合
される。また、一般に固形分濃度が高いほど速乾性は高
くなる。しかしながら、PVCが高くなると、ゴム弾性
を低下させる事になる為、好ましくは20%〜60%、
最も好ましくは25%〜45%である。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正内容】
【0056】サンプルNO.11〜13を5℃、80%
RHの環境下で、ガラス板上に5ミルのアプリケータを
用いて塗布後、指でこすり、フィルムの皮張り及び乾燥
完了までの時間を測定した。結果は以下の通りであっ
た。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正内容】
【0058】単量体混合物1とこれに続くサンプルN
O.1〜4の乳化重合体を調整した時と同様の方法によ
り、表5に示した組成のエマルションを合成した。得ら
れたエマルションを22〜23℃、60%RHの環境下
で、ガラス板上に5ミルのアプリケータを用いて塗布
後、指でこすり、フィルムの皮張り及び乾燥完了までの
時間を測定した。結果を表6に示す。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0066
【補正方法】変更
【補正内容】
【0066】硬化剤添加による伸び,引張強さの測定で
は、硬化剤を塗料に添加,混合した後、離型紙上に厚み
2mmとなるように塗り付け、20℃,65%RH条件
下にて7日間養生した後、ダンベル状3号形の打ち抜き
型により試験体を切り取り、伸び試験に供した。試験方
法は、JIS A6021「屋根用塗膜防水材」の5.
4引張性能に準じた。引張強さはダンベル状3号型に打
ち抜いた時の厚みと巾をマイクロメーターにより測定し
ておき、伸び試験を行った時に最大の引張強さを示す値
をもとに換算した。硬化剤の添加量は、乳化重合体サン
プルに対する重量比であり、乳化重合体サンプルは、ア
ミン官能基含有モノマーを含むポリマーおよび揮発性塩
基を含んだもののことを言う。そして、エポキシ樹脂に
はグリセロールポリグリシジルエーテル(グリセリンジ
グリシジルエーテル)を用いた。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0073
【補正方法】変更
【補正内容】
【0073】可使時間の測定については、硬化剤を添加
混合後、ポリエチレン製容器中に密封し、室温下に置
き、一定時間ごとに粘度を測定し、タイルガン(エアー
スプレーガンの一種)および圧送機械を用いて吹付け塗
装を行った際に、作業性に問題が無いかどうかをチェッ
クした。尚、粘度変化が硬化剤添加直後に比べ、20%
以上生じた時を一つの目安とした。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 133/14 C09D 133/14

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アニオン性合成樹脂エマルションにあ
    って、エマルションを構成するモノマーの内、陰イオン
    性を示すモノマーを除くモノマーの、水100グラムに
    対する溶解度が0.01から1.50グラムである合成
    樹脂エマルション、アミン官能基含有モノマーを少な
    くとも20重量%含むモノマー混合物から形成されたポ
    リマーを、のカルボキシル基の当量数に対してのア
    ミン官能基の当量数の比を5〜80%にしたもの、本
    質的に全ての多官能性アミンが非イオン性状態にある点
    まで組成物のPHを上昇させるのに十分な量の揮発性塩
    基、に含まれるカルボキシル基の当量数からに含
    まれるアミン官能基の当量数を差し引いた数に対して5
    %ないし500%となるエポキシ基数となるエポキシ樹
    脂を含むことを特徴とする塗料組成物。
  2. 【請求項2】 塗料中に更に揮発性塩基で中和された
    アニオン性顔料分散剤を含むことを特徴とする特許請求
    項1記載の塗料組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10662337B2 (en) 2017-10-05 2020-05-26 Rohm And Haas Company Traffic paint formulation
JP2020117704A (ja) * 2019-01-22 2020-08-06 東亞合成株式会社 防水材組成物、防水工法及び防水皮膜
JP2020117703A (ja) * 2019-01-22 2020-08-06 東亞合成株式会社 塗料組成物、塗装工法及び塗装皮膜

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JP2020117704A (ja) * 2019-01-22 2020-08-06 東亞合成株式会社 防水材組成物、防水工法及び防水皮膜
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