JPH11102615A - 電極インキの製造方法及びそれを用いたセラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

電極インキの製造方法及びそれを用いたセラミック電子部品の製造方法

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JPH11102615A
JPH11102615A JP10212148A JP21214898A JPH11102615A JP H11102615 A JPH11102615 A JP H11102615A JP 10212148 A JP10212148 A JP 10212148A JP 21214898 A JP21214898 A JP 21214898A JP H11102615 A JPH11102615 A JP H11102615A
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electrode
ink
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種電子機器に用いられるセラミック電子部
品において、電極の薄層化、均一化は課題であり、従来
の分散方法で作成した電極インキでは、こうした薄層
化、均一化に限度があった。 【解決手段】 この課題を解決するために本発明は、混
合分散部3にダイヤモンド等の硬質材料を用いた高圧分
散機を電極インキの分散に用いることにより、従来問題
になっていたビーズ等の不純物の混入を防止でき、電極
粉末の形状を劣化させることにより均質に高分散化させ
た電極インキを製造する。またこうした電極インキを用
いることで、積層セラミックコンデンサ、角チップ抵抗
器を始めとする各種セラミック電子部品の高性能化、低
コスト化を実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種電子機器に用
いられる積層セラミックコンデンサや積層バリスタ、積
層圧電素子等のセラミック電子部品の内部電極等の電極
インキの製造方法に関するものであり、特に電極インキ
の高分散化により、各種セラミック電子部品の特性向上
や製品歩留り向上、コストダウンを目的とする電極イン
キの製造方法及びそれを用いたセラミック電子部品の製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】積層セラミックコンデンサを始めとする
積層セラミック電子部品は、より小型化、高容量化する
ために、そのセラミック層の薄層化と高積層化が求めら
れている。しかし300層や500層と高積層化した場
合、内蔵された内部電極の厚みに依存する積層不良が発
生しやすい。そのため、従来より内部電極の薄層化が望
まれていた。
【0003】しかし内部電極を薄層化すると、内部電極
が断線し易く、焼成後1μm未満の積層セラミックコン
デンサを高歩留りで作成することは難しかった。従来よ
りセラミック粉末の分散方法では、色々な手段が提案さ
れていた。例えば特開平7−153646号公報で提案
されたように、第一次混合分散にボールミル、第二次混
合分散にサンドミル、第三次混合分散に超音波分散手段
を用いようとするものが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしこうした従来の
分散方法では、ボールミルやサンドミルに用いる治具や
ビーズ(別名玉石)の材質が不純物として混入してしま
うことが問題になった。特に電極インキ中に含まれる電
極粉末は金属材料であるため、前記治具やビーズのセラ
ミック材料に比較して柔らかい。そのため、従来のこう
した分散を行うと、元々球状であった電極粉末が、フレ
ーク状(鱗片状)に変形したり、複数の金属粉末同士が
物理的に凝集体を作成してしまう等の課題が発生してい
た。
【0005】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明は、高圧分散機を電極インキの分散に用いるこ
とにより、従来問題になっていたビーズ等の不純物の混
入を防止でき、金属粉末の変形や凝集を防止しながらよ
り均質に高分散化させられ、より薄層化に対応する電極
インキを作成できるものである。またこの電極インキの
粘度を、最適化することで、インキジェット印刷、グラ
ビア印刷、スクリーン印刷等、それぞれ必要に応じた印
刷工法に対して適用できる電極インキの製造を実用化す
ることができるものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、有機溶剤もしくは水中に添加された平均粒径が0.
001以上3μm以下の金属粉末よりなるインキを、圧
力10kg/cm2以上で高圧分散した後、所定組成、
所定粘度に調整され、300℃以上1500℃以下の温
度で焼成される電極インキの製造方法であり、圧力10
kg/cm2以上で高圧分散することによって、従来問
題になった電極粉末の変形や凝集化を防止する焼成形の
電極インキを製造できるという作用を有する。
【0007】本発明の請求項2に記載の発明は、有機溶
剤もしくは水と、樹脂もしくは分散剤もしくは可塑剤が
添加された平均粒径が0.001以上3μm以下の金属
粉末よりなる電極インキを、圧力10kg/cm2以上
で高圧分散した後、樹脂を添加して所定粘度にし、30
0℃以上1500℃以下の温度で焼成される電極インキ
の製造方法であり、圧力10kg/cm2以上で高圧分
散することによって、従来問題になった電極粉末の変形
や凝集化を防止でき、分散後に樹脂を添加することで容
易に目的とする粘度の焼成形の電極インキを製造できる
という作用を有する。
【0008】本発明の請求項3に記載の発明は、有機溶
剤もしくは水と、平均粒径が0.001以上3μm以下
の金属粉末よりなる電極インキを、圧力10kg/cm
2以上で高圧分散した後、所定量の樹脂もしくは可塑剤
を添加して電極インキの粘度を10ポイズ以上300ポ
イズ以下に調整するスクリーン印刷用の電極インキの製
造方法であり、圧力10kg/cm2以上で高圧分散す
ることによって、従来問題になった電極粉末の変形や凝
集化を防止でき、粘度を10ポイズ以上300ポイズ以
下に調整することでスクリーン印刷に適した焼成形の電
極インキを製造できるという作用を有する。
【0009】本発明の請求項4に記載の発明は、有機溶
剤もしくは水と、平均粒径が0.001以上3μm以下
の金属粉末よりなる電極インキを、圧力10kg/cm
2以上で高圧分散した後、所定量の樹脂もしくは可塑剤
を添加して電極インキの粘度を1ポイズ以上10ポイズ
以下に調整するグラビア印刷用の電極インキの製造方法
であり、圧力10kg/cm2以上で高圧分散すること
によって、従来問題になった電極粉末の変形や凝集化を
防止でき、粘度を1ポイズ以上10ポイズ以下に調整す
ることでグラビア印刷に適した焼成形の電極インキを製
造できるという作用を有する。
【0010】本発明の請求項5に記載の発明は、有機溶
剤もしくは水と、平均粒径が0.001以上3μm以下
の金属粉末よりなる電極インキを圧力10kg/cm2
以上で高圧分散した後、所定量の樹脂もしくは可塑剤を
添加して電極インキの粘度を0.01ポイズ以上10ポ
イズ以下に調整するインキジェット用の電極インキの製
造方法であり、圧力10kg/cm2以上で高圧分散す
ることによって、従来問題になった電極粉末の変形や凝
集化を防止でき、粘度を0.01ポイズ以上10ポイズ
以下に調整することでインキジェット印刷に適した焼成
形の電極インキを製造できるという作用を有する。
【0011】本発明の請求項6に記載の発明は、電極イ
ンキを複数の塗出部分からそれぞれ圧力10kg/cm
2以上で互いに電極インキ同士を衝突させて分散させる
請求項1記載の電極インキの製造方法であり、更に電極
インキ同士を圧力10kg/cm2以上の高圧で衝突さ
せることによって、従来問題になった電極粉末の変形や
凝集化を防止できる高分散化した焼成形の電極インキを
製造できるという作用を有する。
【0012】本発明の請求項7に記載の発明は、電極イ
ンキを塗出部分から圧力10kg/cm2以上でダイヤ
モンド、セラミック、もしくは超硬金属面に衝突させて
分散させる請求項1記載の電極インキの製造方法であ
り、更に電極インキを圧力10kg/cm2以上の高圧
で硬質面に衝突させることによって、従来問題になった
ビーズ同士の摩耗に起因する不純物の混入や、電極粉末
の変形や凝集化を防止できる高分散化した焼成形の電極
インキを製造できるという作用を有する。
【0013】本発明の請求項8に記載の発明は、電極イ
ンキを開口径300μm以下のフィルターで濾過した
後、圧力10kg/cm2以上で高圧分散し、さらに開
口径10μm以下のフィルターで濾過した後、所定の粘
度、所定の組成に調整する請求項1記載の電極インキの
製造方法であり、開口径300μm以下のフィルターで
濾過されることで、150μm以上の凝集体を除去した
状態で高圧分散できるため、高圧分散機を詰める心配が
無い。また高圧分散された後、開口径10μm以下のフ
ィルターで濾過することにより、電極インキ中の15μ
m以上の凝集体を除去することができるという作用を有
する。
【0014】本発明の請求項9に記載の発明は、電極イ
ンキを前後に複数の高圧分散部を有する高圧分散機を用
いていずれも圧力10kg/cm2以上で分散し、かつ
前方の高圧印加部の圧力に比べ後方の高圧印加部の圧力
が半分以下に設定された請求項1記載の電極インキの製
造方法であり、後方の圧力を低くすることで一種のバッ
クプレッシャを前方の高圧印加部にかけることができ、
こうして、分散の均一化、設備自体の長寿命化が可能に
なり、高特性の電極インキを安定して製造することがで
きるという作用を有する。
【0015】本発明の請求項10に記載の発明は、有機
溶剤もしくは水と、平均粒径が0.001以上3μm以
下の卑金属粉末が添加されてなる電極液を、圧力10k
g/cm2以上で高圧分散した後、所定組成もしくは所
定粘度に調整され、インキジェット印刷、グラビア印
刷、スクリーン印刷のいずれか一種類の印刷で第1のセ
ラミック生シートもしくは樹脂フィルムの上に印刷され
た後、前記第1のセラミック生シートもしくは第2のセ
ラミック生シートと共に所望枚数が積層され、切断、焼
成された後、外部電極を形成するセラミック電子部品の
製造方法であり、低粘度で電極インキを高分散した後、
所定組成もしくは所定粘度に調整することで、インキジ
ェット印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷等の印刷方
法に適した電極インキを製造することができ、更にこの
電極インキを、第1のセラミック生シートもしくは樹脂
フィルムの上に印刷された後、前記第1のセラミック生
シートもしくは第2のセラミック生シートと共に、必要
枚数が積層され、切断、焼成された後、外部電極を形成
することにより、セラミック電子部品を高歩留り、低コ
ストで製造することができるという作用を有する。
【0016】本発明の請求項11に記載の発明は、有機
溶剤もしくは水と、平均粒径が0.001以上3μm以
下の金属粉末が添加されてなる電極液を、圧力10kg
/cm2以上で高圧分散した後、所定組成もしくは所定
粘度に調整され、インキジェット印刷、グラビア印刷、
スクリーン印刷のいずれか一種類の印刷でセラミック基
板の上に印刷、焼成された後、抵抗体もしくはコンデン
サと接続される角チップ抵抗器もしくは抵抗体アレイを
形成するセラミック電子部品の製造方法であり、角チッ
プ抵抗器における抵抗体の両端に接続される電極部分に
本発明の抵抗体を用いることで、より高精度の印刷が可
能であり、製品の高特性化、低コスト化が実現できると
いう作用を有する。
【0017】(実施の形態1)図1は、高圧分散機を示
し、図1において、1は投入口であり、ここから電極イ
ンキを投入する。2は圧力部で、投入された電極インキ
を油圧ポンプ等を用いて圧力10kg/cm2以上(通
常は500kg/cm2や、1700kg/cm 2程度で
あり、こうしたものは目的とする用途に合わせることが
できる)の高圧状態にすることができる。ここで電極イ
ンキとは、有機溶剤もしくは水の中に金属粉末を分散さ
せたものであり、必要に応じて分散剤、沈殿防止剤等を
添加することもできる。3は混合分散部で、ここでは高
圧状態の電極インキを特殊な治具に吹き付けたり、複数
個のキャピラリーから高圧で噴出された電極インキ同士
をぶつけ合わせたりすることで、分散を行う場所であ
る。
【0018】圧力部において、電極インキは少なくとも
10kg/cm2以上の高圧力に昇圧させられる。この
分散時の圧力は、圧力部2(もしくは圧力部2と混合分
散部3の間)に圧力計を取り付けることでモニターする
ことができる。また混合分散部3の内部は、局所的にダ
イヤモンド製もしくはセラミック製もしくは超硬金属で
形成しておくことで、摩耗から守ることができる。こう
して10kg/cm2以上の高圧を印加した電極インキ
を混合分散部分に導入して、音速を超える速度で液同士
を(または液を所定治具に)衝突、分散させるものであ
る。こうして高圧分散された電極インキは塗出口4から
排出される。
【0019】こうした装置としては、米国ゴーリン社製
の圧力式ホモジナイザー等を用いることができる。こう
した装置を用いることで電極インキに300kg/cm
2以上(装置仕様によっては3,000kg/cm2
上)の高圧を印加しながら分散させられる。なお電極イ
ンキへの不純物混入を避けながら分散機の長寿命化、分
散の安定化をするには、混合分散部分の材質には、ダイ
ヤモンド製もしくはセラミック製もしくは超硬金属製の
ものを用いることが望ましい。
【0020】金属粉末として、粒径0.5μmの金属粉
末を選び、これを溶剤中にバインダー樹脂と共に混合
し、これを電極インキとした。次にこの電極インキを高
圧分散した。なお分散時の圧力は混合分散部3に直接圧
力計を取り付けることで実測することができる。
【0021】なおこの分散には、図1に示すような高圧
分散機を用いた。図1において投入口1より、予備混練
の終了した電極インキを投入した。なお電極インキへの
不純物混入を避けながら分散機の長寿命化、分散の安定
化をするには、混合分散部分の材質には、ダイヤモンド
製もしくはセラミック製もしくは超硬金属製のものを用
いることが望ましい。なおこうした分散機としては、マ
イクロフルイダイザー、ナノマイザー等の名称で呼ばれ
るものもある。
【0022】比較のために従来の電極インキの分散方法
として、回転式のホモジナイザー、超音波式ホモジナイ
ザー、及びその他各種ミキサー、ボールミル、サンドミ
ル等を用いて実験したが、こうしたものでは、治具や分
散装置からの不純物の混入が観察された。こうした不純
物は、信頼性や容量の温度特性を劣化させる原因になる
が、高圧分散機によるものではこうした不純物元素の混
入は殆ど無かった。
【0023】また高圧分散機の場合、電極インキは高圧
下(空気に触れることなく)で液同士をぶつけたり、当
て板に打ち付けたりすることで分散するため、電極イン
キに各種分散剤を添加した状態で分散しても泡が発生し
にくいという利点もあった。
【0024】なお高圧式分散機の圧力は、10kg/c
2以上(特に200kg/cm2以上)が望ましい。5
kg/cm2以下では圧力が足りず分散効果も不十分で
あることが多い。分散圧力は250kg/cm2以上、
500kg/cm2以下が望ましい。こうした高圧分散
を行う場合、電極インキが50℃から80℃程度に自己
発熱し、電極インキのロット変動の原因になることがあ
る。そのため電極インキの発熱を最小限に抑える水冷機
構を付加することが望ましい。
【0025】また1000kg/cm2以上の分散が可
能な超高圧分散機や、3000kg/cm2程度の超超
高圧分散機を用いることもできる。また分散回数は、1
回に限る必要は無い。所定の電極インキを複数回、同じ
分散機で繰返し処理することにより、電極インキの品質
を安定化できる。また分散圧力が脈動する(圧力が規則
的に上下する)場合でも、複数回繰返して分散させるこ
とで、分散度合いを安定化できる。
【0026】(実施の形態2)実施の形態2では、図2
を用いて混合分散部3の構造について、詳しく説明す
る。図2は、図1の混合分散部の内部を示すものであ
る。電極インキは、5aや5bで示される複数の投入部
から矢印に示す方向に沿って高速で流入する。そして6
aで示した回収部で互いに合流し、ここで激しく混合、
分散、均一化されることになる。
【0027】このように、液同士を混合させることで、
金属粉末の変形、フレーク化(鱗片化)砕を防ぎなが
ら、電極インキを高分散化でき、更に不純物の混入を抑
えることができる。
【0028】比較のために、従来のボールミル法で作成
した電極インキと、実施の形態2で作成した電極インキ
を用いて、セラミック生シートの上に直接印刷し、これ
を複数枚数積層し、切断、焼成し、外部電極を形成して
積層セラミックコンデンサを作成した。しかし本実施の
形態の方が容量値が10%以上高かった。一方、従来の
ボールミルで作成した電極インキでは、容量値が10%
以上低かった。
【0029】そこで、これらのサンプルを樹脂埋めし、
断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、発明品では
均一な厚みで内部電極が形成されていたが、ボールミル
で作成したものは、内部電極の厚みが不均一で、部分的
にボイド(孔)が形成されていたり、内部電極が途切れ
ている部分が観察された。このように、本実施の形態で
作成した電極インキの方が、同じニッケル量でも、容量
が高めにでることが判った。
【0030】なお、金属粉末の平均粒径は0.001以
上3μm以下が望ましい。0.0005μm以下の金属
粒子は比表面積が大きくなり過ぎ、インキ化しにくく、
自然発火等の危険性がある。また表面が酸化されやす
く、金属粒子の安定した保存が難しいため、コスト高に
なり易い。また4〜5μm以上の金属粉末を用いた場
合、積層セラミックコンデンサの場合、内部電極が厚く
なり過ぎるため、実用的ではない。特に積層セラミック
コンデンサ用の卑金属内部電極を本実施の形態で作成し
ようとする場合、粒径は0.001μm以上1μm以下
の範囲内が望ましく、300層以上の高積層化に対応す
る場合は0.5μm以下が望ましい。
【0031】(実施の形態3)実施の形態3では、図3
を用いて混合分散部の構造について、詳しく説明する。
図3は、図1の混合分散部の内部を示すものである。電
極インキは、5cで示される投入部から矢印に示す方向
に沿って高速で流入する。そして7で示した衝突面に激
しく衝突させられ、ここで混合、分散、均一化されるこ
とになる。
【0032】このように、液を衝突面7に高圧、高速で
衝突させることで、元々の金属粉末中に存在していた金
属粉末同士の凝集体であっても、ダメージを最小限にし
ながら、奇麗に分散、解すことができる。また同時に不
純物の混入も抑えることができる。
【0033】比較のために、従来のビーズミルにアルミ
ナビーズ及びジルコニアビーズを用いて、同じ金属粉末
(平均粒径0.5μm)を用いて、金属粉末の分散を行
ったが、層間ショートの原因になるような大きなフレー
クが多数発生した。
【0034】従来品の場合、元素分析を行うと、アルミ
ナビーズを用いたものでは多量のアルミナ元素が検出さ
れた。またジルコニアビーズを用いたものでも若干量の
ジルコニア元素が検出された。一方、本実施の形態の場
合、こうした元素は検出されなかった。特に実施の形態
3で用いた、衝突面7に、ダイヤモンドを用いたため、
例え、ダイヤモンドが不純物として検出されたとして
も、元素が炭素であるため、焼成時に揮散することが予
想され、各種セラミック電子部品を製造する際には、問
題にならない。
【0035】なお電極インキを分散させる場合、予め可
塑剤や分散剤を入れた状態で高圧分散することもでき
る。またこの時の溶剤は有機溶剤、水溶性有機溶剤、
水、アルコールあるいはこれらの混合溶剤であってもよ
い。また電極インキの中に、セラミック粉体の0.1〜
3重量%程度の樹脂を添加しておくことで、(電極イン
キの粘度を上げることなく)金属粉末の分散を安定化す
ることができる。こうした樹脂としては、ブチラール樹
脂、セルロース樹脂、アクリル樹脂がある。
【0036】(実施の形態4)実施の形態4では、本発
明で提案する高圧分散法を用いたスクリーン印刷に適し
た電極インキの製造方法について説明する。まず、卑金
属電極粉としてニッケル粉末(粒径0.4μm)60重
量部と、有機溶剤(エチレングリコールモノブチルエー
テルを使用)40重量部を混合し、ここに若干の分散剤
を添加し、回転架台で一晩攪拌混合し、電極液を作成し
た。
【0037】次にこの電極液を、開口部100μmのフ
ィルターで濾過し150μm以上の異物を除去した(試
しに開口径10μmのメンブランフィルターを用いて加
圧濾過してみたが、数滴透明な溶剤が出ただけですぐに
フィルターが詰まってしまった。このため、この電極液
に20〜40μm程度の凝集体がかなり残っていること
が予想された)。そして、図1に示す高圧分散機にセッ
トし、分散圧力400kg/cm2で、複数回分散し
た。なお、分散時にはかなり発熱したため、装置を冷却
した。こうして分散した電極液を、先ほどと同じ10μ
mのメンブランフィルターを用いて加圧濾過したとこ
ろ、圧力損失無く全量を濾過することができた。そのた
め、更に開口径の小さい5μmのメンブランフィルター
を用いて、問題なく全量を濾過することができた。最後
に5μmのメンブランフィルターを用いて複数回濾過し
た。
【0038】次に、この中にポリビニールブチラール樹
脂を有機溶剤に溶解し、同じく5μmのメンブランフィ
ルターを用いて加圧濾過した樹脂溶液を添加し、攪拌混
合した。こうして粘度を調整し、スクリーン印刷用の電
極インキを作成した。なおスクリーン印刷に適した電極
インキの粘度としては、粘度10ポイズ以上300ポイ
ズ以下が望ましい。5ポイズ以下の場合、インキが低粘
度すぎて、スクリーンメッシュからポトポト滴下、こぼ
れてしまい高精度の印刷を行うことができない。また、
粘度が500ポイズ以上の場合、厚み10μm以下のセ
ラミック生シート上に印刷する場合、スクリーン印刷後
にスクリーン版を持ち上げる際、インキの粘着力により
セラミック生シートが破れたり伸びたりする可能性が有
る。
【0039】比較のために、ボールミルを用いて同様に
電極インキを作成した。樹脂を添加して増粘する前の状
態の、電極液のままでボールミル処理し50μmのフィ
ルターで濾過した。次にここに3μm濾過したポリビニ
ールブチラール樹脂溶液を添加し、粘度を調整した。こ
うして作成したボールミル製の電極インキをスクリーン
印刷し、これを走査型電子顕微鏡で観察したところ、多
数のフレーク状に変形したニッケル粉末や凝集体が観察
された。一方、実施の形態4で高圧分散した電極液及び
スクリーン用電極インキを観察したところ、異常は無
く、ニッケル粉末は球形のままで変形は見られなかっ
た。
【0040】次にこれらの電極インキを用いて、厚み5
μmセラミック生シート上に印刷し、100層を積層
し、切断、焼成、外部電極を形成し、積層セラミックコ
ンデンサを作成した。従来のボールミルで作成したもの
は、ショート率が約60%と歩留りが低かった。一方、
高圧分散で作成した電極インキを用いたものは、ショー
ト率が5%以下と高歩留りを示した。これら試作した積
層セラミックコンデンサの断面を、走査型電子顕微鏡で
観察したところ、ボールミルで作成した内部電極には多
数の凝集体が有り、所々にボイド(孔)や欠陥が観察さ
れ、これがショートの主原因であることが判った。一
方、高圧分散したものはこうした凝集体は観察されず、
内部電極も均一な厚みであった。
【0041】(実施の形態5)実施の形態5では、本発
明で提案する高圧分散法により、グラビア印刷に適した
電極インキの製造方法について説明する。まず、卑金属
電極粉としてニッケル粉末(粒子径0.1μm)60重
量部と、有機溶剤(トルエンとエタノールの混合)40
重量部を混合し、ここに若干の分散剤を添加し、回転架
台で一晩攪拌混合し、電極液を作成した。次にこの電極
液を、開口部50μmのフィルターで濾過し、凝集物を
除去した。そして図1に示す高圧分散機にセットし、分
散圧力300kg/cm2で複数回高圧分散した。こう
して分散した電極液を開口部3μmのメンブランフィル
ターで数回濾過し、同様に3μmのメンブランフィルタ
ーで濾過した樹脂溶液を添加し、攪拌混合し、粘度調整
を行った。
【0042】なお、グラビア印刷に適した電極インキの
粘度としては、粘度0.1ポイズ以上10ポイズ以下が
望ましい。粘度が20ポイズ以上の場合、セラミック生
シート上に高速でグラビア印刷する場合、ピッキング
(印刷用語で、紙剥けと呼ばれるもの)が生じ易い。セ
ラミック生シートでピッキングが生じた場合、セラミッ
ク生シートに伸びや傷、ピンホール等を発生させる可能
性が有る。また粘度0.05ポイズ以下の場合、溶剤成
分が多すぎて、インキを自然放置しておくと、金属粉末
が沈殿し凝集してしまう恐れが有る。なお発明者らが特
開平8−130154号公報等で提案した、積層セラミ
ックコンデンサの製造方法において、実施の形態5のグ
ラビアインキを用いることで更に積層セラミックコンデ
ンサを低コストに製造することができる。
【0043】(実施の形態6)実施の形態6では、本発
明で提案する高圧分散法により、インキジェット印刷に
適した電極インキの製造方法について説明する。まず、
卑金属電極粉としては銀パラジウム合金粉末(粒子径
0.5μm)60重量部と、純水40重量部を混合し、
ここに若干の分散剤を添加し、回転架台で攪拌した後、
高圧分散機にセットし、分散圧力1000kg/cm2
で複数回高圧分散した。こうして分散した電極液を開口
部5μmのメンブランフィルターで複数回濾過し、同様
に1μmのメンブランフィルターで濾過した樹脂溶液を
少量加え、粘度0.01ポイズ以上10ポイズ以下にな
るようにした。こうして作成したインキジェット用電極
インキを市販のインキジェットプリンターのインキカー
トリッジに入れた。
【0044】次にこのプリンターをパソコンに接続し、
内蔵ソフトで積層セラミックコンデンサの内部電極パタ
ーンを印字した。またプリンターには、紙の代わりに、
セラミック生シートをセットした。こうして、セラミッ
ク生シートの上に、多数の積層セラミックコンデンサの
内部電極パターンを印刷することが出来た。こうしてイ
ンキジェットで電極インキの印字されたセラミック生シ
ートを300枚積層し、切断、焼成した後、外部電極を
形成し、積層セラミックコンデンサを形成することがで
きた。このように、内部電極等の印刷にインキジェット
を用いることにより、パソコンからのデータでオンデマ
ンド(必要な時に必要なだけ瞬時に)で、所定の電極パ
ターンを得ることができる。こうして短期間に各種セラ
ミック電子部品を製造することが出来る。
【0045】なお、図1に示す高圧分散機において、混
合分散部3を複数個にすることもできる。こうすること
で、塗出口4からの液の塗出時の脈流を防止でき、均一
な圧力での均一分散を行える。またこのとき、前方の
(投入口1に近い方の)圧力印加部分に比べ、後方の
(塗出口4に近い方)圧力印加部分の設定圧力を下目に
しておくことで、一種のバックプレッシャーを前記前方
の圧力印加部分にかけられ、設備の長寿命化を行うこと
ができる。
【0046】なお、積層セラミック電子部品としては、
コンデンサ以外に、角チップ抵抗器や各種ノイズフィル
ターが有る。例えば本発明では提案する電極インキを、
発明者らが特開平7−211507号公報や特開平8−
102401号公報、特開平8−102402号公報、
特開平8−102403号公報等で提案した角チップ抵
抗器の抵抗体に接続される複数の電極の形成に用いるこ
とができる。
【0047】なお、本発明において、金属材料として
は、タングステン、銅、ニッケル、アルミ、パラジウ
ム、白金等を単体粉もしくは合金粉として用いることが
できる。また本電極インキは300℃以上で焼成するこ
とが望ましい。200℃〜300℃程度で焼成するには
0.001μm未満の超微粉末を用いることで可能であ
るが抵抗値が高くなってしまう。また1600℃以上の
高温に耐えるセラミック材料は限定され、コスト高にな
る。
【0048】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、電極イン
キを高圧分散することで、金属粉末の変形を抑えなが
ら、高分散でき、積層セラミック電子部品の内部電極を
一段と薄層、均一化でき、セラミック電子部品の低コス
ト化、高性能化にも対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による高圧分散機の概念
【図2】本発明の実施の形態2による分散部分の概念図
【図3】本発明の実施の形態3による分散部分の概念図
【符号の説明】
1 投入口 2 圧力部 3 混合分散部 4 塗出口 5a,5b,5c 投入部 6a,6b,6c 回収部 7 衝突面

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機溶剤もしくは水中に添加された平均
    粒径が0.001以上3μm以下の金属粉末よりなるイ
    ンキを、圧力10kg/cm2以上で高圧分散した後、
    所定組成、所定粘度に調整され、300℃以上1500
    ℃以下の温度で焼成される電極インキの製造方法。
  2. 【請求項2】 有機溶剤もしくは水と、樹脂もしくは分
    散剤もしくは可塑剤が添加された平均粒径が0.001
    以上3μm以下の金属粉末よりなる電極インキを、圧力
    10kg/cm2以上で高圧分散した後、樹脂を添加し
    て所定粘度にし、300℃以上1500℃以下の温度で
    焼成される電極インキの製造方法。
  3. 【請求項3】 有機溶剤もしくは水と、平均粒径が0.
    001以上3μm以下の金属粉末よりなる電極インキ
    を、圧力10kg/cm2以上で高圧分散した後、所定
    量の樹脂もしくは可塑剤を添加して電極インキの粘度を
    10ポイズ以上300ポイズ以下に調整するスクリーン
    印刷用の電極インキの製造方法。
  4. 【請求項4】 有機溶剤もしくは水と、平均粒径が0.
    001以上3μm以下の金属粉末よりなる電極インキ
    を、圧力10kg/cm2以上で高圧分散した後、所定
    量の樹脂もしくは可塑剤を添加して電極インキの粘度を
    1ポイズ以上10ポイズ以下に調整するグラビア印刷用
    の電極インキの製造方法。
  5. 【請求項5】 有機溶剤もしくは水と、平均粒径が0.
    001以上3μm以下の金属粉末よりなる電極インキを
    圧力10kg/cm2以上で高圧分散した後、所定量の
    樹脂もしくは可塑剤を添加して電極インキの粘度を0.
    01ポイズ以上10ポイズ以下に調整するインキジェッ
    ト用の電極インキの製造方法。
  6. 【請求項6】 電極インキを複数の塗出部分からそれぞ
    れ圧力10kg/cm 2以上で互いに電極インキ同士を
    衝突させて分散させる請求項1記載の電極インキの製造
    方法。
  7. 【請求項7】 電極インキを塗出部分から圧力10kg
    /cm2以上でダイヤモンド、セラミック、もしくは超
    硬金属面に衝突させて分散させる請求項1記載の電極イ
    ンキの製造方法。
  8. 【請求項8】 電極インキを開口径300μm以下のフ
    ィルターで濾過した後、圧力10kg/cm2以上で高
    圧分散し、さらに開口径10μm以下のフィルターで濾
    過した後、所定の粘度、所定の組成に調整する請求項1
    記載の電極インキの製造方法。
  9. 【請求項9】 電極インキを前後に複数の高圧分散部を
    有する高圧分散機を用いていずれも圧力10kg/cm
    2以上で分散し、かつ前方の高圧印加部の圧力に比べ後
    方の高圧印加部の圧力が半分以下に設定された請求項1
    記載の電極インキの製造方法。
  10. 【請求項10】 有機溶剤もしくは水と、平均粒径が
    0.001以上3μm以下の卑金属粉末が添加されてな
    る電極液を、圧力10kg/cm2以上で高圧分散した
    後、所定組成もしくは所定粘度に調整され、インキジェ
    ット印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷のいずれか一
    種類の印刷で第1のセラミック生シートもしくは樹脂フ
    ィルムの上に印刷された後、前記第1のセラミック生シ
    ートもしくは第2のセラミック生シートと共に所望枚数
    が積層され、切断、焼成された後、外部電極を形成する
    セラミック電子部品の製造方法。
  11. 【請求項11】 有機溶剤もしくは水と、平均粒径が
    0.001以上3μm以下の金属粉末が添加されてなる
    電極液を、圧力10kg/cm2以上で高圧分散した
    後、所定組成もしくは所定粘度に調整され、インキジェ
    ット印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷のいずれか一
    種類の印刷でセラミック基板の上に印刷、焼成された
    後、抵抗体もしくはコンデンサと接続される角チップ抵
    抗器もしくは抵抗体アレイを形成するセラミック電子部
    品の製造方法。
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