JPH11108184A - ピストン - Google Patents
ピストンInfo
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- JPH11108184A JPH11108184A JP28762997A JP28762997A JPH11108184A JP H11108184 A JPH11108184 A JP H11108184A JP 28762997 A JP28762997 A JP 28762997A JP 28762997 A JP28762997 A JP 28762997A JP H11108184 A JPH11108184 A JP H11108184A
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- JP
- Japan
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- piston
- groove
- outer ring
- oil
- piston pin
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ピストンピンに作用するトルクを弾性リング
を介して外環部材に伝達することにより,摩擦トルクの
伝達を確実にすると共に,過大なトルクの伝達を防止す
る。 【解決手段】 ピストンピン72の内周面に環状に形成
された第2周溝75と,中空孔73に嵌入する外環支持
部材82の軸部である小径部33に形成された有端の第
1周溝85とに,弾性リングとしてのC形リング86が
嵌合している。コンロッドからピストンピン72に作用
するトルクは,C形リング86の摩擦力を介して外環支
持部材82に伝達され,外環部材27を傾斜させるの
で,例えば,ピストンリング溝12からオイル導入溝9
を経てオイル貯留溝8に貯留されているオイルがピスト
ン3の外周面7と外環部材27との間に吸い出される。
を介して外環部材に伝達することにより,摩擦トルクの
伝達を確実にすると共に,過大なトルクの伝達を防止す
る。 【解決手段】 ピストンピン72の内周面に環状に形成
された第2周溝75と,中空孔73に嵌入する外環支持
部材82の軸部である小径部33に形成された有端の第
1周溝85とに,弾性リングとしてのC形リング86が
嵌合している。コンロッドからピストンピン72に作用
するトルクは,C形リング86の摩擦力を介して外環支
持部材82に伝達され,外環部材27を傾斜させるの
で,例えば,ピストンリング溝12からオイル導入溝9
を経てオイル貯留溝8に貯留されているオイルがピスト
ン3の外周面7と外環部材27との間に吸い出される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は,例えばエンジン
に適用される,クラウン部とスカート部とを一体構成と
したピストンに関する。
に適用される,クラウン部とスカート部とを一体構成と
したピストンに関する。
【0002】
【従来の技術】シリンダ内でのピストンの作動によって
発生する騒音の一つにスラップ音がある。このスラップ
音は,ピストンがシリンダ内を往復運動するときに該ピ
ストンのスカート部がシリンダライナの壁面に衝突する
ことによって発生するものである。つまり,シリンダ内
をピストンが往復運動できるようにピストンとシリンダ
ライナの壁面との間には間隙が形成されている一方で,
燃焼室からのブローダウンを防止するため,ピストンに
形成されたピストンリング溝にはピストンリングが嵌入
しているので,ピストンとシリンダとの間には隙間が存
在している。したがって,ピストンがシリンダ内を往復
運動する時,ピストンは,上記隙間に相当する距離だけ
ピストン径方向,即ちスラスト方向に移動可能となるた
め,ピストンがシリンダライナ壁面に衝突してスラップ
音が発生する。
発生する騒音の一つにスラップ音がある。このスラップ
音は,ピストンがシリンダ内を往復運動するときに該ピ
ストンのスカート部がシリンダライナの壁面に衝突する
ことによって発生するものである。つまり,シリンダ内
をピストンが往復運動できるようにピストンとシリンダ
ライナの壁面との間には間隙が形成されている一方で,
燃焼室からのブローダウンを防止するため,ピストンに
形成されたピストンリング溝にはピストンリングが嵌入
しているので,ピストンとシリンダとの間には隙間が存
在している。したがって,ピストンがシリンダ内を往復
運動する時,ピストンは,上記隙間に相当する距離だけ
ピストン径方向,即ちスラスト方向に移動可能となるた
め,ピストンがシリンダライナ壁面に衝突してスラップ
音が発生する。
【0003】従来,このスラップ音を低減するため,ピ
ストン本体のスカート部外周に,ピストン本体に対して
回動可能に且つスラスト方向に相対移動可能となるよう
に,外環部材を配設すると共に,スカート部と外環部材
との間の形成される隙間にオイルを導入し,導入したオ
イルのダンピング作用によって,外環部材がピストン本
体のスカート部に衝突するのを緩和させて低騒音化を図
ったピストンが開発されている。本出願人は,スカート
部と外環部材との間の形成される隙間にオイルを供給す
るメカニズムとして,次のようなピストンを提案してい
る(特願平9−32588号参照)。即ち,ピストンが
往復運動をするときにピストンピンにはコンロッドから
の摩擦トルクが作用しており,ピストンが圧縮行程にあ
るときには,この摩擦トルクは,外環部材をその下端を
支点としてピストンから離れシリンダライナに接近する
方向に変位させようとするので,外環部材とピストンス
カート部との間に形成される隙間は拡大し,この隙間に
存在するオイルは負圧となる。この隙間に連通するオイ
ルの導入路を設け,更に導入路の先にオイル溜まりを設
けているので,オイル溜まりから導入路を通じてオイル
が吸い出されることになり,隙間に対するオイルの補充
が行われる。
ストン本体のスカート部外周に,ピストン本体に対して
回動可能に且つスラスト方向に相対移動可能となるよう
に,外環部材を配設すると共に,スカート部と外環部材
との間の形成される隙間にオイルを導入し,導入したオ
イルのダンピング作用によって,外環部材がピストン本
体のスカート部に衝突するのを緩和させて低騒音化を図
ったピストンが開発されている。本出願人は,スカート
部と外環部材との間の形成される隙間にオイルを供給す
るメカニズムとして,次のようなピストンを提案してい
る(特願平9−32588号参照)。即ち,ピストンが
往復運動をするときにピストンピンにはコンロッドから
の摩擦トルクが作用しており,ピストンが圧縮行程にあ
るときには,この摩擦トルクは,外環部材をその下端を
支点としてピストンから離れシリンダライナに接近する
方向に変位させようとするので,外環部材とピストンス
カート部との間に形成される隙間は拡大し,この隙間に
存在するオイルは負圧となる。この隙間に連通するオイ
ルの導入路を設け,更に導入路の先にオイル溜まりを設
けているので,オイル溜まりから導入路を通じてオイル
が吸い出されることになり,隙間に対するオイルの補充
が行われる。
【0004】上記のオイル供給メカニズムによれば,エ
ンジンの回転速度が,油圧が低く且つピストンに作用す
る慣性力が小さい低速回転領域であっても,隙間へのオ
イル供給は可能となり,スラップ音による騒音が軽減さ
れ,しかも,外環部材とスカート部との間に形成される
隙間の容積は非常に僅かな量であるので,導入路の先に
設けられるオイル溜まりへのオイルの供給は極少量で済
むという利点がある。オイル溜まりへ供給されるべきオ
イル量は,ピストンリングによってピストン下降行程中
に掻き落とされたオイルで賄うことができる程度であ
り,掻き落とされてピストンリング溝に貯留したオイル
は,ピストン上昇行程中にスカート部の外周面に形成さ
れたオイル導入溝を通じてオイル貯留溝に供給される。
ンジンの回転速度が,油圧が低く且つピストンに作用す
る慣性力が小さい低速回転領域であっても,隙間へのオ
イル供給は可能となり,スラップ音による騒音が軽減さ
れ,しかも,外環部材とスカート部との間に形成される
隙間の容積は非常に僅かな量であるので,導入路の先に
設けられるオイル溜まりへのオイルの供給は極少量で済
むという利点がある。オイル溜まりへ供給されるべきオ
イル量は,ピストンリングによってピストン下降行程中
に掻き落とされたオイルで賄うことができる程度であ
り,掻き落とされてピストンリング溝に貯留したオイル
は,ピストン上昇行程中にスカート部の外周面に形成さ
れたオイル導入溝を通じてオイル貯留溝に供給される。
【0005】図5〜図9は,上掲特願平9−32588
号に開示されたピストンに関する図である。図5はかか
るピストンの一例を示す分解斜視図である。図5を参照
すると,ピストンのピストン本体1は,複数のピストン
リング溝12を備えたクラウン部2と,ボス部13にピ
ストンピン22が挿入されるピストンピン孔4が形成さ
れたスカート部3とを有している。ピストンピン孔4に
挿入されたピストンピン22は,ピストンピン孔4の両
端近傍に形成されたリング溝25に嵌着されるスナップ
リング24によってピストンピン孔4内から抜け出さな
いように保持されている。外環部材27は,ピストン本
体1のスカート部3のスラスト側にのみ配設されてい
る。なお,外環部材を反スラスト側にも配置することに
よって,ピストンを両側オイルダンピング式ピストンと
してもよい。
号に開示されたピストンに関する図である。図5はかか
るピストンの一例を示す分解斜視図である。図5を参照
すると,ピストンのピストン本体1は,複数のピストン
リング溝12を備えたクラウン部2と,ボス部13にピ
ストンピン22が挿入されるピストンピン孔4が形成さ
れたスカート部3とを有している。ピストンピン孔4に
挿入されたピストンピン22は,ピストンピン孔4の両
端近傍に形成されたリング溝25に嵌着されるスナップ
リング24によってピストンピン孔4内から抜け出さな
いように保持されている。外環部材27は,ピストン本
体1のスカート部3のスラスト側にのみ配設されてい
る。なお,外環部材を反スラスト側にも配置することに
よって,ピストンを両側オイルダンピング式ピストンと
してもよい。
【0006】外環部材27は,鋼板のような全体が弾性
を有する板状部材で形成されている。外環部材27は,
半円弧状本体28と,半円弧状本体28から両側に延び
て後述する外環支持部材に係合される腕部29とを有し
ている。外環部材27の弾性は,半円弧状本体28が円
弧を縮径する方向にばね性を備えるものである。外環支
持部材32は,中空孔23から抜け出ることがないの
で,ピストンピン22から脱落せず,外環部材27は外
環支持部材32に保持される。ピストン本体1と外環部
材27とをアッセンブリ品として扱うことが可能とな
り,シリンダライナへのピストンの挿入等の組立作業性
が改善される。
を有する板状部材で形成されている。外環部材27は,
半円弧状本体28と,半円弧状本体28から両側に延び
て後述する外環支持部材に係合される腕部29とを有し
ている。外環部材27の弾性は,半円弧状本体28が円
弧を縮径する方向にばね性を備えるものである。外環支
持部材32は,中空孔23から抜け出ることがないの
で,ピストンピン22から脱落せず,外環部材27は外
環支持部材32に保持される。ピストン本体1と外環部
材27とをアッセンブリ品として扱うことが可能とな
り,シリンダライナへのピストンの挿入等の組立作業性
が改善される。
【0007】ピストンピン22の両端部には,外環支持
部材32が配設されている。外環支持部材32は,ピス
トンピン22の中空孔23内に嵌入される小径部33
と,外環部材27の腕部29と係合する係合部35を有
する大径部34とを有している。外環支持部材32の小
径部33がピストンピン22の中空孔23内に嵌入した
状態では,大径部34の側面がピストンピン22の端面
に当接している。係合部35は,一対の対向する鍔部3
6,37によって形成される案内溝38を有している。
外環部材27は,腕部29が係合部35の案内溝38に
嵌入係合した状態では,ピストン本体1の径方向に相対
移動自在である。外環支持部材32の小径部33がピス
トンピン22の中空孔23内で回動することにより,外
環部材27は外環支持部材32と共にピストンピン22
の軸周りに回動自在でもある。
部材32が配設されている。外環支持部材32は,ピス
トンピン22の中空孔23内に嵌入される小径部33
と,外環部材27の腕部29と係合する係合部35を有
する大径部34とを有している。外環支持部材32の小
径部33がピストンピン22の中空孔23内に嵌入した
状態では,大径部34の側面がピストンピン22の端面
に当接している。係合部35は,一対の対向する鍔部3
6,37によって形成される案内溝38を有している。
外環部材27は,腕部29が係合部35の案内溝38に
嵌入係合した状態では,ピストン本体1の径方向に相対
移動自在である。外環支持部材32の小径部33がピス
トンピン22の中空孔23内で回動することにより,外
環部材27は外環支持部材32と共にピストンピン22
の軸周りに回動自在でもある。
【0008】腕部29の内側面には,補強部材30がプ
ロジェクション溶接等により取り付けられている。補強
部材30は,腕部29が係合部35に対して摺動接触す
る接触面積を増加させている。したがって,外環支持部
材32に対する腕部29の支持が安定すると共に,外環
部材27が外環支持部材32に対してピストン本体1の
径方向に摺動するときの摺動部の耐摩耗性が向上する。
ロジェクション溶接等により取り付けられている。補強
部材30は,腕部29が係合部35に対して摺動接触す
る接触面積を増加させている。したがって,外環支持部
材32に対する腕部29の支持が安定すると共に,外環
部材27が外環支持部材32に対してピストン本体1の
径方向に摺動するときの摺動部の耐摩耗性が向上する。
【0009】外環部材27は,ピストン本体1のピスト
ン軸(即ち,軸線)X−X及び周方向について対称形に
形成されている。即ち,外環部材27は,ピストン本体
1のピストン軸線X−Xに直交し且つピストンピン22
の軸線Y−Yを含む平面A−A,及びピストン本体1の
ピストン軸線X−Xを含み且つピストンピン22の軸線
Y−Yに直交する平面B−Bについて,対称形に形成さ
れている。したがって,外環部材27の上下及び左右方
向に注意を払うことなく外環部材27のピストン本体1
への組付けを行うことができ,組付け作業が簡素化され
る。また,外環部材27は,上下幅が狭くスカート部3
の肩部にのみ適用され,形状が簡素化されて製作上有利
であるばかりでなく,シリンダライナとの摩擦が軽減さ
れ,且つピストン全体の軽量化に寄与している。
ン軸(即ち,軸線)X−X及び周方向について対称形に
形成されている。即ち,外環部材27は,ピストン本体
1のピストン軸線X−Xに直交し且つピストンピン22
の軸線Y−Yを含む平面A−A,及びピストン本体1の
ピストン軸線X−Xを含み且つピストンピン22の軸線
Y−Yに直交する平面B−Bについて,対称形に形成さ
れている。したがって,外環部材27の上下及び左右方
向に注意を払うことなく外環部材27のピストン本体1
への組付けを行うことができ,組付け作業が簡素化され
る。また,外環部材27は,上下幅が狭くスカート部3
の肩部にのみ適用され,形状が簡素化されて製作上有利
であるばかりでなく,シリンダライナとの摩擦が軽減さ
れ,且つピストン全体の軽量化に寄与している。
【0010】ピストン本体1のスカート部3のスラスト
側には,外環部材27が嵌まり合う面を含む外周面7が
形成されている。図6(図5に示したピストンの矢視B
−Bで見た断面図)に示すように,スカート部3の外周
面7と外環部材27との間に形成される隙間14に導入
されるオイルは矢印で示すように図下方のクランク室
(図示せず)へ流れ出ていくものである。外周面7に
は,隙間14に臨むようにオイル貯留溝8が形成されて
いる。オイル貯留溝8は,ピストンピン22の軸線Y−
Yを含みピストンの軸線X−Xに直交する平面(A−A
で示す平面)よりもクラウン部2側で且つピストンリン
グ溝12よりもスカート部3側の位置において,外周面
7の周方向に延びて形成されている。オイル貯留溝8に
貯留されたオイルは,外環部材27とスカート部3との
隙間14に常に補給される。
側には,外環部材27が嵌まり合う面を含む外周面7が
形成されている。図6(図5に示したピストンの矢視B
−Bで見た断面図)に示すように,スカート部3の外周
面7と外環部材27との間に形成される隙間14に導入
されるオイルは矢印で示すように図下方のクランク室
(図示せず)へ流れ出ていくものである。外周面7に
は,隙間14に臨むようにオイル貯留溝8が形成されて
いる。オイル貯留溝8は,ピストンピン22の軸線Y−
Yを含みピストンの軸線X−Xに直交する平面(A−A
で示す平面)よりもクラウン部2側で且つピストンリン
グ溝12よりもスカート部3側の位置において,外周面
7の周方向に延びて形成されている。オイル貯留溝8に
貯留されたオイルは,外環部材27とスカート部3との
隙間14に常に補給される。
【0011】オイル貯留溝8へ供給されるオイルは,シ
リンダライナの表面に付着していたオイルが利用され
る。オイル貯留溝8と,オイル貯留溝8に最も近いピス
トンリング溝12との間のピストン本体1の表面上に
は,ピストン軸線X−Xと並行な方向に延びるオイル導
入溝9が形成されている。シリンダライナの表面に付着
していたオイルは,ピストン下降時にピストンリングに
よって掻き落とされて,ピストンリング溝12内に入り
込む。ピストンリング溝12内に溜められたオイルは,
オイル導入溝9を通じてオイル貯留溝8に供給される。
隙間14の容積は非常に僅かな量であるので,オイル貯
留溝8に供給されるべきオイル量は,ピストンリングに
よって下降行程で掻き落とされたオイルを利用すること
で賄うことができる程度の極少量で済む。なお,ピスト
ンは,図6に示すように,冷却空洞19を備えたピスト
ンである。
リンダライナの表面に付着していたオイルが利用され
る。オイル貯留溝8と,オイル貯留溝8に最も近いピス
トンリング溝12との間のピストン本体1の表面上に
は,ピストン軸線X−Xと並行な方向に延びるオイル導
入溝9が形成されている。シリンダライナの表面に付着
していたオイルは,ピストン下降時にピストンリングに
よって掻き落とされて,ピストンリング溝12内に入り
込む。ピストンリング溝12内に溜められたオイルは,
オイル導入溝9を通じてオイル貯留溝8に供給される。
隙間14の容積は非常に僅かな量であるので,オイル貯
留溝8に供給されるべきオイル量は,ピストンリングに
よって下降行程で掻き落とされたオイルを利用すること
で賄うことができる程度の極少量で済む。なお,ピスト
ンは,図6に示すように,冷却空洞19を備えたピスト
ンである。
【0012】ピストンピン22には,コンロッド51の
揺動運動に伴って,図8に示すような摩擦トルクTが作
用している。摩擦トルクTの向きや大きさは,図9の下
側のグラフに示すように上死点の前後のクランク角度範
囲αでは,コンロッド51の揺動方向が矢印γで示すよ
うに反時計方向であるから,ピストンピン22がコンロ
ッド51から受ける摩擦トルクTも反時計方向のトルク
である。摩擦トルクTは,圧縮上死点付近で最大値とな
る。従ってピストン本体1には,クランク角度範囲αで
は,全体として回転方向Dで示すように反時計方向への
力が作用する。
揺動運動に伴って,図8に示すような摩擦トルクTが作
用している。摩擦トルクTの向きや大きさは,図9の下
側のグラフに示すように上死点の前後のクランク角度範
囲αでは,コンロッド51の揺動方向が矢印γで示すよ
うに反時計方向であるから,ピストンピン22がコンロ
ッド51から受ける摩擦トルクTも反時計方向のトルク
である。摩擦トルクTは,圧縮上死点付近で最大値とな
る。従ってピストン本体1には,クランク角度範囲αで
は,全体として回転方向Dで示すように反時計方向への
力が作用する。
【0013】一方,ピストンピン22の横方向変位は,
図9の上側のグラフに示すように,概略下死点から上死
点までのクランク角度範囲βでは反スラスト側に生じて
いる。即ち,ピストンに作用する慣性力,コンロッドか
らの強制的な変位力,及び燃焼室内の空気の圧縮圧力等
の力のバランスによって,上死点へ向かう上昇中のピス
トンは,図8に矢印Eで示すように反スラスト側に向か
う横変位方向に押されて変位している。
図9の上側のグラフに示すように,概略下死点から上死
点までのクランク角度範囲βでは反スラスト側に生じて
いる。即ち,ピストンに作用する慣性力,コンロッドか
らの強制的な変位力,及び燃焼室内の空気の圧縮圧力等
の力のバランスによって,上死点へ向かう上昇中のピス
トンは,図8に矢印Eで示すように反スラスト側に向か
う横変位方向に押されて変位している。
【0014】クランク角度範囲αとクランク角度範囲β
とが重なる,ピストンが上死点前で上昇中のクランク角
度範囲では,ピストン本体1は,ピストンピン22を介
して働くコンロッド51の横方向押しつけ力によって反
スラスト側に変位するが,摩擦トルクTは横方向押しつ
け力に比して非常に小さいため,ピストン本体1を回動
させる力とはならない。
とが重なる,ピストンが上死点前で上昇中のクランク角
度範囲では,ピストン本体1は,ピストンピン22を介
して働くコンロッド51の横方向押しつけ力によって反
スラスト側に変位するが,摩擦トルクTは横方向押しつ
け力に比して非常に小さいため,ピストン本体1を回動
させる力とはならない。
【0015】外環部材27は,コンロッド51からの押
しつけ力は受けないが,ピストンピン22及び外環支持
部材32を介して働く摩擦トルクTを受けて,反時計方
向に回転しようとする。ピストン本体1は反スラスト側
に変位したままであるから,ピストン本体1のスラスト
側において,スカート部3とシリンダライナとの間に形
成された隙間の中で,外環部材27はその上端がシリン
ダライナに接し,その下端がスカート部3に接する方向
(矢印F)に回動する方向の力を受ける。したがって,
外環部材27とスカート部3の間の隙間14は,上端が
広くなる逆三角形の形で拡大形成され,隙間14内のオ
イルには負圧が作用する。
しつけ力は受けないが,ピストンピン22及び外環支持
部材32を介して働く摩擦トルクTを受けて,反時計方
向に回転しようとする。ピストン本体1は反スラスト側
に変位したままであるから,ピストン本体1のスラスト
側において,スカート部3とシリンダライナとの間に形
成された隙間の中で,外環部材27はその上端がシリン
ダライナに接し,その下端がスカート部3に接する方向
(矢印F)に回動する方向の力を受ける。したがって,
外環部材27とスカート部3の間の隙間14は,上端が
広くなる逆三角形の形で拡大形成され,隙間14内のオ
イルには負圧が作用する。
【0016】隙間14内のオイルに生じた負圧によっ
て,オイルは,オイル貯留溝8から隙間14に吸い出さ
れる。オイル貯留溝8の先にオイルの補給手段を設けて
おけば,補給手段からオイル貯留溝8にオイルが補給さ
れる。即ち,ピストン下降時にピストンリングによって
掻き落とされて,オイル貯留溝8に最も近いピストンリ
ング溝12内に入り込んでいたオイルは,前記負圧によ
って,オイル導入溝9を通じてオイル貯留溝8に供給さ
れる。
て,オイルは,オイル貯留溝8から隙間14に吸い出さ
れる。オイル貯留溝8の先にオイルの補給手段を設けて
おけば,補給手段からオイル貯留溝8にオイルが補給さ
れる。即ち,ピストン下降時にピストンリングによって
掻き落とされて,オイル貯留溝8に最も近いピストンリ
ング溝12内に入り込んでいたオイルは,前記負圧によ
って,オイル導入溝9を通じてオイル貯留溝8に供給さ
れる。
【0017】ピストンが下降行程に入ったとき,ピスト
ン本体1がスラスト側に移動してシリンダライナに衝突
しようとするが,隙間14内のオイルのダンピング作用
によって,上記移動は減衰されて衝突が緩和され,スラ
ップ音が軽減する。ピストンの下降行程時にスカート部
3がシリンダライナに対して特に強く衝突する領域は,
図7(ピストン1の外環部材27を取り外した状態を示
す正面図)にCで示すように,ピストンピン22の軸線
Y−Yを含みピストンの軸線X−Xに直交する平面から
みてクラウン部2寄りに隣接する領域,即ち,外環部材
27の中央部上方に対応する領域Cである。外周面7に
周方向に延びるように形成されたオイル貯留溝8は,領
域Cの直上方,即ち,クラウン部2側に位置しているの
で,領域Cは,オイル貯留溝8から補給されるオイルに
よって常に充分に満たされている。ピストン本体1のス
カート部3には,別のオイル供給構造としての複数のオ
イル導入孔10が形成されている。オイル導入孔10の
一端10aは,オイル貯留溝8に開口し,他端10bは
スカート部3の内側である裏面6に開口している。ピス
トンの冷却のためにクランク室内から跳ね上げられたオ
イルは,他端10bからオイル導入孔10に入り,オイ
ル貯留溝8への供給に備えてオイル導入孔10内に貯留
される。ピストンのスカート部3は肉厚であるので,オ
イル導入孔10内の容積は,オイル貯留溝8に供給すべ
きオイルを賄うのに十分な量である。ピストンのスカー
ト部3の厚さが薄く,隙間14に供給すべき量のオイル
をオイル導入孔10内のオイルのみで賄うことができな
い場合には,スカート部3の裏面側に,オイル導入孔1
0の他端10bの近傍にオイルを貯留させておくための
棚部15を溶接等の適宜の手段で取り付けることができ
る。
ン本体1がスラスト側に移動してシリンダライナに衝突
しようとするが,隙間14内のオイルのダンピング作用
によって,上記移動は減衰されて衝突が緩和され,スラ
ップ音が軽減する。ピストンの下降行程時にスカート部
3がシリンダライナに対して特に強く衝突する領域は,
図7(ピストン1の外環部材27を取り外した状態を示
す正面図)にCで示すように,ピストンピン22の軸線
Y−Yを含みピストンの軸線X−Xに直交する平面から
みてクラウン部2寄りに隣接する領域,即ち,外環部材
27の中央部上方に対応する領域Cである。外周面7に
周方向に延びるように形成されたオイル貯留溝8は,領
域Cの直上方,即ち,クラウン部2側に位置しているの
で,領域Cは,オイル貯留溝8から補給されるオイルに
よって常に充分に満たされている。ピストン本体1のス
カート部3には,別のオイル供給構造としての複数のオ
イル導入孔10が形成されている。オイル導入孔10の
一端10aは,オイル貯留溝8に開口し,他端10bは
スカート部3の内側である裏面6に開口している。ピス
トンの冷却のためにクランク室内から跳ね上げられたオ
イルは,他端10bからオイル導入孔10に入り,オイ
ル貯留溝8への供給に備えてオイル導入孔10内に貯留
される。ピストンのスカート部3は肉厚であるので,オ
イル導入孔10内の容積は,オイル貯留溝8に供給すべ
きオイルを賄うのに十分な量である。ピストンのスカー
ト部3の厚さが薄く,隙間14に供給すべき量のオイル
をオイル導入孔10内のオイルのみで賄うことができな
い場合には,スカート部3の裏面側に,オイル導入孔1
0の他端10bの近傍にオイルを貯留させておくための
棚部15を溶接等の適宜の手段で取り付けることができ
る。
【0018】ピストンリングによるオイル掻き取り作用
は,エンジンが低速運転状態であっても確実に生じ,掻
き取ったオイルは隙間14に供給される。したがって,
従来のような直接供給方式や,冷却空胴からの給油方式
のように,エンジンの低速回転のために隙間14へのオ
イル供給能力が低下することもなく,低速回転状態のエ
ンジンにおいても,スラップ音による騒音が軽減され
る。
は,エンジンが低速運転状態であっても確実に生じ,掻
き取ったオイルは隙間14に供給される。したがって,
従来のような直接供給方式や,冷却空胴からの給油方式
のように,エンジンの低速回転のために隙間14へのオ
イル供給能力が低下することもなく,低速回転状態のエ
ンジンにおいても,スラップ音による騒音が軽減され
る。
【0019】上記のピストンにおいて,コンロッド51
から外環部材27への摩擦トルクTは,外環支持部材3
2を介して作用している。即ち,外環支持部材32の小
径部33の周面と大径部34の側面とがピストンピン2
2と摩擦係合していることによって,摩擦トルクTが外
環部材27に作用しているので,摩擦トルクTの外環部
材27への伝達は必ずしも確実ではない。そこで,ピス
トンピン22から外環支持部材32へ摩擦トルクを伝達
する上で最も確実にする構造として,図10及び図11
に示すようなピストンピン22と外環支持部材32を一
体化した構造が考えられる。図10は,かかる一体化し
た構造のピストンピン42の端面図であり,図11は図
10に示したピストンピン42の矢視G−Gで見た断面
図である。ピストンピン42は,ピストンピン本体43
と,ピストンピン本体43の両端面45から突出形成さ
れた一対の鍔部46とから構成されている。一対の鍔部
46は,中空孔44の開口端縁の互いに対向した位置に
あり,それぞれ孔縁に接する弓状の形状を有している。
一対の鍔部46は,外環部材27の腕部29が係合する
係合部47を構成している。
から外環部材27への摩擦トルクTは,外環支持部材3
2を介して作用している。即ち,外環支持部材32の小
径部33の周面と大径部34の側面とがピストンピン2
2と摩擦係合していることによって,摩擦トルクTが外
環部材27に作用しているので,摩擦トルクTの外環部
材27への伝達は必ずしも確実ではない。そこで,ピス
トンピン22から外環支持部材32へ摩擦トルクを伝達
する上で最も確実にする構造として,図10及び図11
に示すようなピストンピン22と外環支持部材32を一
体化した構造が考えられる。図10は,かかる一体化し
た構造のピストンピン42の端面図であり,図11は図
10に示したピストンピン42の矢視G−Gで見た断面
図である。ピストンピン42は,ピストンピン本体43
と,ピストンピン本体43の両端面45から突出形成さ
れた一対の鍔部46とから構成されている。一対の鍔部
46は,中空孔44の開口端縁の互いに対向した位置に
あり,それぞれ孔縁に接する弓状の形状を有している。
一対の鍔部46は,外環部材27の腕部29が係合する
係合部47を構成している。
【0020】外環支持部材とピストンピンとを一体化し
たピストンピン42は,係合部47と係合する外環部材
の回動範囲がピストンのスカート部によって限定されて
いるので,摩擦トルクTを受けても大きく回転すること
ができない。したがって,外環部材に作用する力が過大
になり,ピストンのスカート部に当接する力が大きくな
る虞がある。また,ピストンピンについてみると,コン
ロッドやピストンと摺動する部位が変化しないために,
偏摩耗を生じる虞がある。
たピストンピン42は,係合部47と係合する外環部材
の回動範囲がピストンのスカート部によって限定されて
いるので,摩擦トルクTを受けても大きく回転すること
ができない。したがって,外環部材に作用する力が過大
になり,ピストンのスカート部に当接する力が大きくな
る虞がある。また,ピストンピンについてみると,コン
ロッドやピストンと摺動する部位が変化しないために,
偏摩耗を生じる虞がある。
【0021】そこで,図5に示す構造を基本的に保持し
たまま,大きな摩擦トルクが作用しても外環部材に作用
する力が過大にならないようにすることができる構造と
して,図12及び図13に示すような,二重円筒構造の
ピストンが考えられる。図12は,かかる二重円筒構造
のピストンピン52の端面図であり,図13は図12に
示したピストンピン52の矢視H−Hで見た断面図であ
る。ピストンピン52は,外筒53と,外筒53の中空
孔54にぴったりと嵌合する内筒55とから成り,内筒
55は,外筒53の両端面57から突出する鍔部58を
有している。鍔部58は,図10及び図11に示したピ
ストンピン42の場合と同様に,内筒55の中空孔56
の孔縁に沿うように弓状に形成されており,外環部材2
7の腕部29が係合する係合部61を構成している。鍔
部58の外周には,外筒53の両端面57に対応して弧
状の溝59が形成されており,外筒53の両端におい
て,各対の鍔部58の弧状の溝59にそれぞれOリング
60を係合させることにより,内筒55と外筒53とが
摩擦係合し,コンロッド51から外筒53に作用する摩
擦トルクが,上記摩擦係合によって内筒55から外環部
材27に伝達される。
たまま,大きな摩擦トルクが作用しても外環部材に作用
する力が過大にならないようにすることができる構造と
して,図12及び図13に示すような,二重円筒構造の
ピストンが考えられる。図12は,かかる二重円筒構造
のピストンピン52の端面図であり,図13は図12に
示したピストンピン52の矢視H−Hで見た断面図であ
る。ピストンピン52は,外筒53と,外筒53の中空
孔54にぴったりと嵌合する内筒55とから成り,内筒
55は,外筒53の両端面57から突出する鍔部58を
有している。鍔部58は,図10及び図11に示したピ
ストンピン42の場合と同様に,内筒55の中空孔56
の孔縁に沿うように弓状に形成されており,外環部材2
7の腕部29が係合する係合部61を構成している。鍔
部58の外周には,外筒53の両端面57に対応して弧
状の溝59が形成されており,外筒53の両端におい
て,各対の鍔部58の弧状の溝59にそれぞれOリング
60を係合させることにより,内筒55と外筒53とが
摩擦係合し,コンロッド51から外筒53に作用する摩
擦トルクが,上記摩擦係合によって内筒55から外環部
材27に伝達される。
【0022】エンジン回転数に応じたピストンの騒音レ
ベルの変化について,従来のピストン,外環部材を備え
た図5〜図8に示したピストン,図10及び図11に示
した一体型のピストンピン42を有するピストン,及び
図12及び図13に示した二重円筒構造のピストンピン
を用いたピストンについて説明する。図14は,従来の
ピストンと図5〜図8に示した外環部材を有する低騒音
ピストンとについて騒音レベルを比較した結果を示すグ
ラフである。図14から分かるように,外環部材27を
有する低騒音ピストンの騒音レベルQ(実線)は,従来
の外環部材を有しないピストンの騒音レベルP(一点鎖
線)と比較して,殆どのエンジン回転数範囲においてピ
ストンのスラップ音を有効に低減させることができる。
また,図15は,従来のピストン,図10及び図11に
示した一体型ピストンピン42を備えた低騒音ピスト
ン,並びに図12及び図13に示した二重円筒構造のピ
ストンピンを用いたピストンについて騒音レベルを比較
した結果を示すグラフである。図15から分かるよう
に,一体型ピストンピン42を備えた低騒音ピストンの
騒音レベルR(実線)は,ピストンピン42に作用する
摩擦トルクTのすべてが外環部材の回転力として作用す
るために,従来の外環部材を有しないピストンと比較し
て,殆どのエンジン回転数範囲においてピストンのスラ
ップ音を大きく低減させた騒音低減効果が得られる。ま
た,二重円筒構造のピストンピンを用いたピストンの騒
音レベルS(破線)も,一体型ピストンピンを用いたピ
ストンと同程度に,ピストンのスラップ音を大幅に低減
させることができることが分かる。
ベルの変化について,従来のピストン,外環部材を備え
た図5〜図8に示したピストン,図10及び図11に示
した一体型のピストンピン42を有するピストン,及び
図12及び図13に示した二重円筒構造のピストンピン
を用いたピストンについて説明する。図14は,従来の
ピストンと図5〜図8に示した外環部材を有する低騒音
ピストンとについて騒音レベルを比較した結果を示すグ
ラフである。図14から分かるように,外環部材27を
有する低騒音ピストンの騒音レベルQ(実線)は,従来
の外環部材を有しないピストンの騒音レベルP(一点鎖
線)と比較して,殆どのエンジン回転数範囲においてピ
ストンのスラップ音を有効に低減させることができる。
また,図15は,従来のピストン,図10及び図11に
示した一体型ピストンピン42を備えた低騒音ピスト
ン,並びに図12及び図13に示した二重円筒構造のピ
ストンピンを用いたピストンについて騒音レベルを比較
した結果を示すグラフである。図15から分かるよう
に,一体型ピストンピン42を備えた低騒音ピストンの
騒音レベルR(実線)は,ピストンピン42に作用する
摩擦トルクTのすべてが外環部材の回転力として作用す
るために,従来の外環部材を有しないピストンと比較し
て,殆どのエンジン回転数範囲においてピストンのスラ
ップ音を大きく低減させた騒音低減効果が得られる。ま
た,二重円筒構造のピストンピンを用いたピストンの騒
音レベルS(破線)も,一体型ピストンピンを用いたピ
ストンと同程度に,ピストンのスラップ音を大幅に低減
させることができることが分かる。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】以上のように,一体型
構造のピストンピン42及び二重円型ピストンピン52
を用いたピストンによれば,従来のピストンは勿論のこ
と,本出願人が提案した外環部材を備えたピストン1と
比較しても,相当の騒音低減効果が得られるが,一体型
構造のピストンピン42については既に説明したような
問題点を有しており,二重円型ピストンピン52につい
ても,外環部材のための支持部の形状が制約されること
及び外筒53と内筒55との加工に高い精度が要求され
ること等の問題点を有している。したがって,コンロッ
ドからの過大な摩擦トルクは外環部材に伝達しないが,
一層簡単な構造で,コンロッドから外環部材に摩擦トル
クを伝達できるピストンピンを得ることについて解決す
べき課題がある。
構造のピストンピン42及び二重円型ピストンピン52
を用いたピストンによれば,従来のピストンは勿論のこ
と,本出願人が提案した外環部材を備えたピストン1と
比較しても,相当の騒音低減効果が得られるが,一体型
構造のピストンピン42については既に説明したような
問題点を有しており,二重円型ピストンピン52につい
ても,外環部材のための支持部の形状が制約されること
及び外筒53と内筒55との加工に高い精度が要求され
ること等の問題点を有している。したがって,コンロッ
ドからの過大な摩擦トルクは外環部材に伝達しないが,
一層簡単な構造で,コンロッドから外環部材に摩擦トル
クを伝達できるピストンピンを得ることについて解決す
べき課題がある。
【0024】
【課題を解決するための手段】この発明の目的は,上記
課題を解決することであり,外環支持部材とピストンピ
ンとの間の摩擦トルクの伝達を弾性リングの摩擦力によ
って行うことにより,ピストンピンと外環部材との支持
構造を簡単にすると共に,弾性リングの変形によって過
大な摩擦トルクを回避した低騒音ピストンを提供するこ
とである。
課題を解決することであり,外環支持部材とピストンピ
ンとの間の摩擦トルクの伝達を弾性リングの摩擦力によ
って行うことにより,ピストンピンと外環部材との支持
構造を簡単にすると共に,弾性リングの変形によって過
大な摩擦トルクを回避した低騒音ピストンを提供するこ
とである。
【0025】なお,リングを用いてピストンピンの抜止
めを図ったピストンの構造としては,例えば,実開昭5
9−94656号公報,又は実開平4−82452号公
報に開示されたものがある。実開昭59−94656号
公報に開示されたものは,スナップリングが大径リング
部に小径リング部を軸方向に若干ずらして同軸上に一体
成形して構成され,このスナップリングの大径リング部
をピストン側に係止し,小径リング部をピストンピンの
一端に回動自在に係止してこのピストンピンの抜け止め
を行うピストンピン止めであり,実開平4−82452
号公報に開示されたものは,ピストンピンの外周とピス
トンピンが嵌合するピストンピンボス孔との間のピンク
リアランスをシールするOリングを,ピストンピンの両
端部外周とピストンピンボス孔との間に介設した2サイ
クルエンジンのピストン,或いは,ピストンピンの両端
部内周に螺合してピストンピンをピストンに対して軸方
向に係止する係止部材を設け,この係止部材とピストン
ピンボス孔との間にOリングを介設した2サイクルエン
ジンのピストンである。
めを図ったピストンの構造としては,例えば,実開昭5
9−94656号公報,又は実開平4−82452号公
報に開示されたものがある。実開昭59−94656号
公報に開示されたものは,スナップリングが大径リング
部に小径リング部を軸方向に若干ずらして同軸上に一体
成形して構成され,このスナップリングの大径リング部
をピストン側に係止し,小径リング部をピストンピンの
一端に回動自在に係止してこのピストンピンの抜け止め
を行うピストンピン止めであり,実開平4−82452
号公報に開示されたものは,ピストンピンの外周とピス
トンピンが嵌合するピストンピンボス孔との間のピンク
リアランスをシールするOリングを,ピストンピンの両
端部外周とピストンピンボス孔との間に介設した2サイ
クルエンジンのピストン,或いは,ピストンピンの両端
部内周に螺合してピストンピンをピストンに対して軸方
向に係止する係止部材を設け,この係止部材とピストン
ピンボス孔との間にOリングを介設した2サイクルエン
ジンのピストンである。
【0026】この発明は,ピストンリング溝を備えたク
ラウン部とピストンピンを挿通するピストンピン孔が形
成されたボス部を備えたスカート部とから構成したピス
トン本体,前記スカート部の少なくともスラスト側に配
設され且つ前記スカート部との間に隙間を形成している
外環部材,及び前記外環部材を前記ピストンピンの軸回
りに回動自在に且つ前記ピストン本体に対して径方向に
相対移動自在に支持するため前記ピストンピンの両端部
に取り付けられた外環支持部材を具備し,前記外環支持
部材は前記ピストンピンに形成された中空孔に回動自在
に嵌入する軸部を有し,前記外環支持部材の前記軸部の
外周面と前記ピストンピンの前記中空孔の内周面との間
には前記両周面に摩擦係合する弾性リングが介装されて
いることから成るピストンに関する。
ラウン部とピストンピンを挿通するピストンピン孔が形
成されたボス部を備えたスカート部とから構成したピス
トン本体,前記スカート部の少なくともスラスト側に配
設され且つ前記スカート部との間に隙間を形成している
外環部材,及び前記外環部材を前記ピストンピンの軸回
りに回動自在に且つ前記ピストン本体に対して径方向に
相対移動自在に支持するため前記ピストンピンの両端部
に取り付けられた外環支持部材を具備し,前記外環支持
部材は前記ピストンピンに形成された中空孔に回動自在
に嵌入する軸部を有し,前記外環支持部材の前記軸部の
外周面と前記ピストンピンの前記中空孔の内周面との間
には前記両周面に摩擦係合する弾性リングが介装されて
いることから成るピストンに関する。
【0027】この発明によるピストンは,以上のように
構成されているので,上死点前のクランク角度範囲にあ
っては,コンロッドからの摩擦トルクによるピストンピ
ンの回動によって,外環部材はその下端を支点としてピ
ストンから離れシリンダライナに接近するように変位す
る。外環部材とピストンスカート部との間に形成される
隙間は拡大しようとするため,隙間に存在するオイルは
負圧となり,外部からオイルが補給される。この際,ピ
ストンピンから外環部材へのトルクの伝達は,ピストン
ピンの中空孔の内周面と外環支持部材の軸部の外周面と
の間に設けられ且つ金属に対しても大きな摩擦係数を有
する弾性リングを介して行われるので,外環部材は確実
にピストンピンの軸回りに回動することになる。また,
ピストンピンから伝達されるトルクが過大になると弾性
リングがピストンピンの中空孔の内周面又は外環支持部
材の軸部の外周面に対して周方向に変形することができ
るので,外環部材がピストンのスカート部に対して過大
な力を作用させることもない。上死点後のクランク角度
範囲では,ピストンがシリンダライナに衝突しようとす
るが,外環部材とピストンスカート部との間の隙間に存
在するオイルの緩衝作用により,ピストンのシリンダラ
イナに対する衝撃が緩和され,スラップ音も減少する。
エンジンの回転速度が,油圧が低く且つピストンに作用
する慣性力が小さい低速回転領域であっても,隙間への
オイル供給は可能となり,スラップ音による騒音が軽減
される。
構成されているので,上死点前のクランク角度範囲にあ
っては,コンロッドからの摩擦トルクによるピストンピ
ンの回動によって,外環部材はその下端を支点としてピ
ストンから離れシリンダライナに接近するように変位す
る。外環部材とピストンスカート部との間に形成される
隙間は拡大しようとするため,隙間に存在するオイルは
負圧となり,外部からオイルが補給される。この際,ピ
ストンピンから外環部材へのトルクの伝達は,ピストン
ピンの中空孔の内周面と外環支持部材の軸部の外周面と
の間に設けられ且つ金属に対しても大きな摩擦係数を有
する弾性リングを介して行われるので,外環部材は確実
にピストンピンの軸回りに回動することになる。また,
ピストンピンから伝達されるトルクが過大になると弾性
リングがピストンピンの中空孔の内周面又は外環支持部
材の軸部の外周面に対して周方向に変形することができ
るので,外環部材がピストンのスカート部に対して過大
な力を作用させることもない。上死点後のクランク角度
範囲では,ピストンがシリンダライナに衝突しようとす
るが,外環部材とピストンスカート部との間の隙間に存
在するオイルの緩衝作用により,ピストンのシリンダラ
イナに対する衝撃が緩和され,スラップ音も減少する。
エンジンの回転速度が,油圧が低く且つピストンに作用
する慣性力が小さい低速回転領域であっても,隙間への
オイル供給は可能となり,スラップ音による騒音が軽減
される。
【0028】また,このピストンにおいて,前記弾性リ
ングは,外環支持部材の軸部の外周面に形成された第1
周溝と,第1周溝に対応してピストンピンの中空孔の内
周面に形成された第2周溝とに嵌合している。このよう
な構造であると,外環支持部材とピストンピンとは,弾
性リングの外側又は内側が部分的に嵌合することにより
互いに位置決めされ,位置決め作業が確実に行われると
共に,位置決め後には外環支持部材がピストンの横方向
に盲動変位することがない。
ングは,外環支持部材の軸部の外周面に形成された第1
周溝と,第1周溝に対応してピストンピンの中空孔の内
周面に形成された第2周溝とに嵌合している。このよう
な構造であると,外環支持部材とピストンピンとは,弾
性リングの外側又は内側が部分的に嵌合することにより
互いに位置決めされ,位置決め作業が確実に行われると
共に,位置決め後には外環支持部材がピストンの横方向
に盲動変位することがない。
【0029】また,このピストンにおいて,前記第1周
溝及び前記第2周溝の一方は環状溝であるが他方は有端
溝であり,前記弾性リングは有端溝の各溝端に対向する
端部を有するC形リングである。このように構成する
と,C形リングは,外環支持部材の軸部の外周面又はピ
ストンピンの中空孔の内周面のいずれか一方に形成され
ている有端溝に端部を対向させた状態で係止すると共
に,外環支持部材の軸部の外周面又はピストンピンの中
空孔の内周面の他方に形成された環状溝に嵌合する。C
形リングは,有端溝内においては,周方向に変位するこ
とがない。
溝及び前記第2周溝の一方は環状溝であるが他方は有端
溝であり,前記弾性リングは有端溝の各溝端に対向する
端部を有するC形リングである。このように構成する
と,C形リングは,外環支持部材の軸部の外周面又はピ
ストンピンの中空孔の内周面のいずれか一方に形成され
ている有端溝に端部を対向させた状態で係止すると共
に,外環支持部材の軸部の外周面又はピストンピンの中
空孔の内周面の他方に形成された環状溝に嵌合する。C
形リングは,有端溝内においては,周方向に変位するこ
とがない。
【0030】また,このピストンにおいて,前記第1周
溝が有端溝であり且つ前記第2周溝が環状溝である。こ
のように構成すると,C形リングは外環支持部材の軸部
の外周面に形成された有端溝としての第1周溝に係合さ
れる。外環支持部材の軸部は,C形リングを第1周溝に
係合させた状態で,C形リングが中空孔に形成された環
状溝としての第2周溝に係合されるまで,ピストンピン
の中空孔に嵌入されるので,外環支持部材のピストンピ
ンへの組付けが一層容易に行われる。
溝が有端溝であり且つ前記第2周溝が環状溝である。こ
のように構成すると,C形リングは外環支持部材の軸部
の外周面に形成された有端溝としての第1周溝に係合さ
れる。外環支持部材の軸部は,C形リングを第1周溝に
係合させた状態で,C形リングが中空孔に形成された環
状溝としての第2周溝に係合されるまで,ピストンピン
の中空孔に嵌入されるので,外環支持部材のピストンピ
ンへの組付けが一層容易に行われる。
【0031】また,このピストンにおいて,前記C形リ
ングは,径方向の厚み寸法よりも大きな寸法の軸方向の
長さを有する幅広C形リングである。C形リングを幅広
C形リングとすることにより,ピストンピンから外環支
持部材への摩擦トルクの伝達が一層確実になる。第1周
溝及び第2周溝の幅の寸法は,幅広C形リングの幅に合
わせたものとされる。
ングは,径方向の厚み寸法よりも大きな寸法の軸方向の
長さを有する幅広C形リングである。C形リングを幅広
C形リングとすることにより,ピストンピンから外環支
持部材への摩擦トルクの伝達が一層確実になる。第1周
溝及び第2周溝の幅の寸法は,幅広C形リングの幅に合
わせたものとされる。
【0032】また,このピストンにおいて,前記スカー
ト部の外周面には,隙間に供給されるオイルを貯留する
オイル貯留溝が形成され,更にオイル貯留溝と前記ピス
トンリング溝とを接続するオイル導入溝が形成される。
隙間に連通するオイルの導入路を設け,さらに導入路の
先にオイル溜まりを設けておけば,オイル溜まりから導
入路を通じてオイルが吸い出されることになり,隙間に
対するオイルの補充が行われる。オイル溜まりへ供給さ
れるべきオイルは,量的にはピストンリングによってピ
ストン下降行程中に掻き落とされたオイルを利用するこ
とで賄うことができる程度である。掻き落とされてピス
トンリング溝に貯留したオイルは,ピストン上昇行程中
にスカート部の外周面に形成されたオイル導入溝を通じ
てオイル貯留溝に供給される。外環部材とスカート部と
の間に形成される隙間の体積は非常に僅かな量であるの
で,オイル溜まりへのオイルの供給は極少量で済む。
ト部の外周面には,隙間に供給されるオイルを貯留する
オイル貯留溝が形成され,更にオイル貯留溝と前記ピス
トンリング溝とを接続するオイル導入溝が形成される。
隙間に連通するオイルの導入路を設け,さらに導入路の
先にオイル溜まりを設けておけば,オイル溜まりから導
入路を通じてオイルが吸い出されることになり,隙間に
対するオイルの補充が行われる。オイル溜まりへ供給さ
れるべきオイルは,量的にはピストンリングによってピ
ストン下降行程中に掻き落とされたオイルを利用するこ
とで賄うことができる程度である。掻き落とされてピス
トンリング溝に貯留したオイルは,ピストン上昇行程中
にスカート部の外周面に形成されたオイル導入溝を通じ
てオイル貯留溝に供給される。外環部材とスカート部と
の間に形成される隙間の体積は非常に僅かな量であるの
で,オイル溜まりへのオイルの供給は極少量で済む。
【0033】また,このピストンにおいて,前記スカー
ト部にはオイル貯留溝とスカート部の裏面とを連通する
オイル導入孔が形成されている。エンジンの運転に伴
い,ピストンを冷却するためにコンロッドやクランクシ
ャフトによってピストンの裏面に向かって跳ね上げられ
たオイルは,オイル導入孔に供給される。オイル導入孔
に供給されたオイルは,ピストン上昇行程中にスカート
部の外周面に形成されたオイル導入溝を通じて供給され
る。ピストンのスカート部の厚さが厚ければ,前記オイ
ル導入孔は長くなるので,前記隙間に供給すべき量のオ
イルをオイル導入孔内のオイルで賄うことができる。
ト部にはオイル貯留溝とスカート部の裏面とを連通する
オイル導入孔が形成されている。エンジンの運転に伴
い,ピストンを冷却するためにコンロッドやクランクシ
ャフトによってピストンの裏面に向かって跳ね上げられ
たオイルは,オイル導入孔に供給される。オイル導入孔
に供給されたオイルは,ピストン上昇行程中にスカート
部の外周面に形成されたオイル導入溝を通じて供給され
る。ピストンのスカート部の厚さが厚ければ,前記オイ
ル導入孔は長くなるので,前記隙間に供給すべき量のオ
イルをオイル導入孔内のオイルで賄うことができる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下,添付図面を参照しつつ,こ
の発明によるピストンの実施例を説明する。図1はこの
発明によるピストンの一実施例を示す分解斜視図,図2
は図1に示したピストンに用いられるピストンピンの側
面断面図,図3は図1に示したピストンに用いられる外
環支持部材の側面図である。
の発明によるピストンの実施例を説明する。図1はこの
発明によるピストンの一実施例を示す分解斜視図,図2
は図1に示したピストンに用いられるピストンピンの側
面断面図,図3は図1に示したピストンに用いられる外
環支持部材の側面図である。
【0035】図1に示したこの発明によるピストンは,
ピストンピンと外環支持部材との連結構造を除き,基本
的に図5〜図8に示した,本出願人によって先に出願し
たピストンと同様の構造を有している。したがって,図
1に示した構成要素及び部位において,図5〜図8に示
したピストンの構成要素及び部位と同じ構造を有し同じ
機能を有するものについては,同じ符号を付してあるの
で,基本的に再度の詳細な説明を省略する。
ピストンピンと外環支持部材との連結構造を除き,基本
的に図5〜図8に示した,本出願人によって先に出願し
たピストンと同様の構造を有している。したがって,図
1に示した構成要素及び部位において,図5〜図8に示
したピストンの構成要素及び部位と同じ構造を有し同じ
機能を有するものについては,同じ符号を付してあるの
で,基本的に再度の詳細な説明を省略する。
【0036】ピストン本体71は,図5〜図8に示した
ように,複数のピストンリング溝12を備えたクラウン
部2と,ボス部13にピストンピン72が挿入されるピ
ストンピン孔4が形成されたスカート部3とを有してい
る。ピストンピン孔4に挿入されたピストンピン72
は,ピストンピン孔4の両端近傍に形成されたリング溝
25に嵌着されるスナップリング24によってピストン
ピン孔4内から抜け出さないように保持される。
ように,複数のピストンリング溝12を備えたクラウン
部2と,ボス部13にピストンピン72が挿入されるピ
ストンピン孔4が形成されたスカート部3とを有してい
る。ピストンピン孔4に挿入されたピストンピン72
は,ピストンピン孔4の両端近傍に形成されたリング溝
25に嵌着されるスナップリング24によってピストン
ピン孔4内から抜け出さないように保持される。
【0037】ピストンピン72の両端部には,外環支持
部材82が配設されている。外環支持部材82は,図1
に示したピストンピン22に嵌入される外環支持部材3
2と同様に,ピストンピン72の中空孔73内に嵌入さ
れる小径部33と,外環部材27の腕部29と係合する
係合部35を有する大径部34とを有している。小径部
33は,この発明によるピストンを構成するピストンピ
ンの中空孔に嵌入する軸部である。小径部33が中空孔
23内に嵌入した状態では,大径部34の側面がピスト
ンピン22の端面に当接している。係合部35は,一対
の対向する鍔部36,37によって形成される案内溝3
8を有している。外環部材27は,腕部29が係合部3
5の案内溝38に嵌入係合した状態では,ピストン本体
71の径方向に相対移動自在である。小径部33がピス
トンピン22の中空孔23内で回動することにより,外
環部材27は,外環支持部材32と共にピストンピン2
2の軸周りに回動自在でもある。
部材82が配設されている。外環支持部材82は,図1
に示したピストンピン22に嵌入される外環支持部材3
2と同様に,ピストンピン72の中空孔73内に嵌入さ
れる小径部33と,外環部材27の腕部29と係合する
係合部35を有する大径部34とを有している。小径部
33は,この発明によるピストンを構成するピストンピ
ンの中空孔に嵌入する軸部である。小径部33が中空孔
23内に嵌入した状態では,大径部34の側面がピスト
ンピン22の端面に当接している。係合部35は,一対
の対向する鍔部36,37によって形成される案内溝3
8を有している。外環部材27は,腕部29が係合部3
5の案内溝38に嵌入係合した状態では,ピストン本体
71の径方向に相対移動自在である。小径部33がピス
トンピン22の中空孔23内で回動することにより,外
環部材27は,外環支持部材32と共にピストンピン2
2の軸周りに回動自在でもある。
【0038】外環部材27は,その半円弧状本体28が
円弧を縮径する方向にばね性を有している。外環支持部
材82は,外環部材27の半円弧状本体28が自身の円
弧を縮径させようとするばね性により,ピストンピン7
2の端部に当接するように付勢される。外環支持部材8
2は,中空孔73から抜け出ることがないので,ピスト
ンピン72から脱落せず,外環部材27は外環支持部材
82に保持される。ピストン本体71と外環部材27と
をアッセンブリ品として扱うことが可能となり,シリン
ダライナへのピストンの挿入等の組立作業性が改善され
る。
円弧を縮径する方向にばね性を有している。外環支持部
材82は,外環部材27の半円弧状本体28が自身の円
弧を縮径させようとするばね性により,ピストンピン7
2の端部に当接するように付勢される。外環支持部材8
2は,中空孔73から抜け出ることがないので,ピスト
ンピン72から脱落せず,外環部材27は外環支持部材
82に保持される。ピストン本体71と外環部材27と
をアッセンブリ品として扱うことが可能となり,シリン
ダライナへのピストンの挿入等の組立作業性が改善され
る。
【0039】ピストンピン72の中空孔73の内周面7
4と外環支持部材82の小径部33の外周面84との間
には,内周面74と外周面84とに対して摩擦係合する
弾性リングとしてのC形リング86が介装されている。
C形リング86の内側部分は外環支持部材82の小径部
33の外周面84に形成された第1周溝85に嵌合し,
C形リング86の外側部分はピストンピン72の中空孔
73の内周面74に形成された第2周溝75とに嵌合し
ている。
4と外環支持部材82の小径部33の外周面84との間
には,内周面74と外周面84とに対して摩擦係合する
弾性リングとしてのC形リング86が介装されている。
C形リング86の内側部分は外環支持部材82の小径部
33の外周面84に形成された第1周溝85に嵌合し,
C形リング86の外側部分はピストンピン72の中空孔
73の内周面74に形成された第2周溝75とに嵌合し
ている。
【0040】内周面74に形成された第2周溝75は環
状溝であるが,外周面84に形成された第1周溝85は
環状ではなく,溝が途切れている有端溝である。C形リ
ング86の各端部は,有端溝の各溝端に当接している。
このように構成すると,C形リング86は,第1周溝8
5にぴったりと嵌合した状態となるので,周方向に相対
的に回動することがない。C形リング86は,外環支持
部材82の第1周溝85に嵌合した状態で,ピストンピ
ン72の中空孔73内に嵌入される。外環支持部材82
をピストンピン72の中空孔73内に嵌入終了した位置
で,C形リング86は,ピストンピン72の中空孔73
の内周面74に形成された第2周溝75に対して,張っ
た状態で嵌合する。
状溝であるが,外周面84に形成された第1周溝85は
環状ではなく,溝が途切れている有端溝である。C形リ
ング86の各端部は,有端溝の各溝端に当接している。
このように構成すると,C形リング86は,第1周溝8
5にぴったりと嵌合した状態となるので,周方向に相対
的に回動することがない。C形リング86は,外環支持
部材82の第1周溝85に嵌合した状態で,ピストンピ
ン72の中空孔73内に嵌入される。外環支持部材82
をピストンピン72の中空孔73内に嵌入終了した位置
で,C形リング86は,ピストンピン72の中空孔73
の内周面74に形成された第2周溝75に対して,張っ
た状態で嵌合する。
【0041】コンロッドからピストンピン72にトルク
が作用してピストンピン72が回転するときに,このト
ルクは,ピストンピン72の中空孔73の内周面74と
外環支持部材82の小径部33の外周面84との間に設
けられたC形リング86を介して外環支持部材82に伝
達される。C形リング86は,外環支持部材82に対し
て回り止め状態であるため,相対回転できず,C形リン
グ86に生じる摩擦力はすべて外環支持部材82に伝達
される。C形リング86は弾性リングであり,金属に対
しても大きな摩擦係数を有しているので,ピストンピン
72から確実にトルクが伝達される。また,ピストンピ
ン72から伝達されるトルクが過大になると,C形リン
グ86の中空孔73の内周面74に沿っての変形量が大
きくなって吸収するので,外環部材27がピストン本体
71のスカート部3に対して過大な力を作用させること
もない。
が作用してピストンピン72が回転するときに,このト
ルクは,ピストンピン72の中空孔73の内周面74と
外環支持部材82の小径部33の外周面84との間に設
けられたC形リング86を介して外環支持部材82に伝
達される。C形リング86は,外環支持部材82に対し
て回り止め状態であるため,相対回転できず,C形リン
グ86に生じる摩擦力はすべて外環支持部材82に伝達
される。C形リング86は弾性リングであり,金属に対
しても大きな摩擦係数を有しているので,ピストンピン
72から確実にトルクが伝達される。また,ピストンピ
ン72から伝達されるトルクが過大になると,C形リン
グ86の中空孔73の内周面74に沿っての変形量が大
きくなって吸収するので,外環部材27がピストン本体
71のスカート部3に対して過大な力を作用させること
もない。
【0042】上死点前のクランク角度範囲にあっては,
コンロッドからの摩擦トルクによるピストンピン72の
回動によって,外環部材27はその下端を支点としてピ
ストン本体71から離れシリンダライナに接近するよう
に変位する。外環部材27とピストンスカート部3との
間に形成される隙間14(図6)は拡大しようとするた
め,隙間に存在するオイルは負圧となり,外部からオイ
ルが補給される。上死点後のクランク角度範囲では,ピ
ストンがシリンダライナに衝突しようとするが,外環部
材27とピストンスカート部3との間の隙間14に存在
するオイルの緩衝作用により,ピストンのシリンダライ
ナに対する衝撃が緩和され,スラップ音も減少する。エ
ンジンの運転が,油圧が低く且つピストンに作用する慣
性力が小さいエンジンの低速回転領域での運転であって
も,隙間へのオイル供給は可能となり,スラップ音によ
る騒音が軽減される。
コンロッドからの摩擦トルクによるピストンピン72の
回動によって,外環部材27はその下端を支点としてピ
ストン本体71から離れシリンダライナに接近するよう
に変位する。外環部材27とピストンスカート部3との
間に形成される隙間14(図6)は拡大しようとするた
め,隙間に存在するオイルは負圧となり,外部からオイ
ルが補給される。上死点後のクランク角度範囲では,ピ
ストンがシリンダライナに衝突しようとするが,外環部
材27とピストンスカート部3との間の隙間14に存在
するオイルの緩衝作用により,ピストンのシリンダライ
ナに対する衝撃が緩和され,スラップ音も減少する。エ
ンジンの運転が,油圧が低く且つピストンに作用する慣
性力が小さいエンジンの低速回転領域での運転であって
も,隙間へのオイル供給は可能となり,スラップ音によ
る騒音が軽減される。
【0043】この実施例では,図示の弾性リングは径方
向の厚さと軸方向の幅とは同じ程度の寸法を有するC形
リング86としたが,径方向の厚み寸法よりも大きな寸
法の軸方向の長さを有する幅広C形リングとすることも
できる。図4には,幅広C形リング89を用いたピスト
ンのピストンピン76と外環支持部材87との連結構造
の分解斜視図が示されている。幅広C形リング89は,
内側部分を外環支持部材87の第1周溝としての幅広の
有端溝88に嵌合し,外側部分をピストンピン76の第
2周溝としての幅広の環状溝77に嵌合している。幅広
C形リング89は,外環支持部材87に対して周方向に
相対移動せず,またピストンピン76の環状溝77に対
して摩擦係合している。幅広C形リング89の嵌合幅が
広いため,外環支持部材87とピストンピン76とに対
する係合がより確実となり,ピストンピン76から外環
支持部材87への摩擦トルクの伝達も一層確実になる。
また,オイル導入方法は,上記のように,シリンダライ
ナ表面に付着したオイルを掻き取る方法や,ピストンの
裏面6に撥ね上げられたものの一部を利用する方法に代
えて,従来方法のようにクランク軸からコンロッドを経
てピストンピンに設けた油路,或いはピストンクラウン
部の冷却空洞19を利用する方法としてもよい。ピスト
ンは,外環部材27をピストン本体71のスカート部3
のスラスト側のみに配設した片側オイルダンピング式ピ
ストンとする以外に,外環部材27をピストン本体71
の反スラスト側にも配設した両側オイルダンピング式ピ
ストンとすることもできる。
向の厚さと軸方向の幅とは同じ程度の寸法を有するC形
リング86としたが,径方向の厚み寸法よりも大きな寸
法の軸方向の長さを有する幅広C形リングとすることも
できる。図4には,幅広C形リング89を用いたピスト
ンのピストンピン76と外環支持部材87との連結構造
の分解斜視図が示されている。幅広C形リング89は,
内側部分を外環支持部材87の第1周溝としての幅広の
有端溝88に嵌合し,外側部分をピストンピン76の第
2周溝としての幅広の環状溝77に嵌合している。幅広
C形リング89は,外環支持部材87に対して周方向に
相対移動せず,またピストンピン76の環状溝77に対
して摩擦係合している。幅広C形リング89の嵌合幅が
広いため,外環支持部材87とピストンピン76とに対
する係合がより確実となり,ピストンピン76から外環
支持部材87への摩擦トルクの伝達も一層確実になる。
また,オイル導入方法は,上記のように,シリンダライ
ナ表面に付着したオイルを掻き取る方法や,ピストンの
裏面6に撥ね上げられたものの一部を利用する方法に代
えて,従来方法のようにクランク軸からコンロッドを経
てピストンピンに設けた油路,或いはピストンクラウン
部の冷却空洞19を利用する方法としてもよい。ピスト
ンは,外環部材27をピストン本体71のスカート部3
のスラスト側のみに配設した片側オイルダンピング式ピ
ストンとする以外に,外環部材27をピストン本体71
の反スラスト側にも配設した両側オイルダンピング式ピ
ストンとすることもできる。
【0044】
【発明の効果】この発明は,以上のように構成されてい
るので,次のような効果を奏する。即ち,外環支持部材
とピストンピンとは,弾性リングを介在させており,コ
ンロッドからピストンピンに作用する回転トルクが弾性
リングを介して確実に外環部材に伝達されるので,外環
部材とピストンスカート部との間の隙間にオイル吸い込
み作用が確実に働く。この隙間へのオイルの供給が確実
になれば,ピストン下降中に生じる可能性があるスラッ
プ音が一体型のピストンピンや二重円筒型のピストンピ
ンと同様の騒音低減効果を得ることができる。また,ピ
ストンピンを外環支持部材と一体化した構造では外環部
材は大きな力をピストンに与えることがあるが,この発
明によるピストンではピストンピンから外環部材に伝達
される摩擦トルクは,弾性リングの変形によって過大な
トルクとなることがない。したがって,外環部材からピ
ストン本体に対して損傷を与えるような大きな力を作用
させることがない。また,二重管型のピストンピンの構
造のように,内外の管部材を高精度に製作する必要もな
いので,ピストンピンと外環支持部材の構造が複雑にな
らず,ピストンの製造コストの低減に寄与する。
るので,次のような効果を奏する。即ち,外環支持部材
とピストンピンとは,弾性リングを介在させており,コ
ンロッドからピストンピンに作用する回転トルクが弾性
リングを介して確実に外環部材に伝達されるので,外環
部材とピストンスカート部との間の隙間にオイル吸い込
み作用が確実に働く。この隙間へのオイルの供給が確実
になれば,ピストン下降中に生じる可能性があるスラッ
プ音が一体型のピストンピンや二重円筒型のピストンピ
ンと同様の騒音低減効果を得ることができる。また,ピ
ストンピンを外環支持部材と一体化した構造では外環部
材は大きな力をピストンに与えることがあるが,この発
明によるピストンではピストンピンから外環部材に伝達
される摩擦トルクは,弾性リングの変形によって過大な
トルクとなることがない。したがって,外環部材からピ
ストン本体に対して損傷を与えるような大きな力を作用
させることがない。また,二重管型のピストンピンの構
造のように,内外の管部材を高精度に製作する必要もな
いので,ピストンピンと外環支持部材の構造が複雑にな
らず,ピストンの製造コストの低減に寄与する。
【0045】更に,この発明によるピストンによれば,
弾性リングは,ピストンピンと外環支持部材との間の誤
差をある程度吸収することができるので,ピストンピン
と外環支持部材との嵌合精度を厳しくする必要はない。
更にまた,ピストンピンの内周面と外環支持部材の軸部
の外周面との間に互いに整合する溝を用いて,その溝に
弾性リングを嵌めることにより,外環支持部材をピスト
ンピンに対して容易に組み付けることができると共に,
外環支持部材のピストンピンに対する位置決めが確実に
行われ,位置決め後には外環支持部材がピストンピンに
対して脱落したり軸方向に盲動変位することもない。
弾性リングは,ピストンピンと外環支持部材との間の誤
差をある程度吸収することができるので,ピストンピン
と外環支持部材との嵌合精度を厳しくする必要はない。
更にまた,ピストンピンの内周面と外環支持部材の軸部
の外周面との間に互いに整合する溝を用いて,その溝に
弾性リングを嵌めることにより,外環支持部材をピスト
ンピンに対して容易に組み付けることができると共に,
外環支持部材のピストンピンに対する位置決めが確実に
行われ,位置決め後には外環支持部材がピストンピンに
対して脱落したり軸方向に盲動変位することもない。
【図1】この発明によるピストンの一実施例を示す分解
斜視図である。
斜視図である。
【図2】図1に示されたピストンに用いられるピストン
ピンの側面断面図である。
ピンの側面断面図である。
【図3】図1に示されたピストンに用いられる外環支持
部材の側面図である。
部材の側面図である。
【図4】この発明によるピストンの別の実施例であり,
ピストンピンと外環支持部材との連結構造の分解斜視図
である。
ピストンピンと外環支持部材との連結構造の分解斜視図
である。
【図5】先願発明にかかるピストンの一例を示す分解斜
視図である。
視図である。
【図6】図5に示したピストンの部分断面図である。
【図7】図5に示されたピストンの,外環部材を取り除
いた状態で示す正面図である。
いた状態で示す正面図である。
【図8】上死点へ向かうピストンに作用する力の状態を
示す概略図である。
示す概略図である。
【図9】ピストンに作用するトルクと横方向変位を示す
グラフである。
グラフである。
【図10】ピストンに用いられる一体化した構造のピス
トンピンの端面図である。
トンピンの端面図である。
【図11】図10に示したピストンピンの矢視G−Gで
見た断面図である。
見た断面図である。
【図12】ピストンに用いられる二重円筒構造のピスト
ンピンの端面図である。
ンピンの端面図である。
【図13】図12に示したピストンピンの矢視H−Hで
見た断面図である。
見た断面図である。
【図14】図5〜図8に示したピストンの静音化効果を
示すグラフである。
示すグラフである。
【図15】図10及び図11,並びに図12及び図13
に示したピストンピンを備えたピストンピンの静音化効
果を示すグラフである。
に示したピストンピンを備えたピストンピンの静音化効
果を示すグラフである。
1,71 ピストン本体 2 クラウン部 3 スカート部 4 ピストンピン孔 6 裏面 7 外周面 8 オイル貯留溝 9 オイル導入溝 10 オイル導入孔 12 ピストンリング溝 13 ボス部 14 隙間 22 ピストンピン 27 外環部材 33 小径部(軸部) 72 ピストンピン 73 中空孔 74 内周面 75 第2周溝(環状溝) 76 ピストンピン 77 第2周溝(幅広の環状溝) 82 外環支持部材 84 外周面 85 第1周溝(有端溝) 86 C形リング 87 外環支持部材 88 第1周溝(幅広の有端溝) 89 幅広C形リング
Claims (8)
- 【請求項1】 ピストンリング溝を備えたクラウン部と
ピストンピンを挿通するピストンピン孔が形成されたボ
ス部を備えたスカート部とから構成したピストン本体,
前記スカート部の少なくともスラスト側に配設され且つ
前記スカート部との間に隙間を形成している外環部材,
及び前記外環部材を前記ピストンピンの軸回りに回動自
在に且つ前記ピストン本体に対して径方向に相対移動自
在に支持するため前記ピストンピンの両端部に取り付け
られた外環支持部材を具備し,前記外環支持部材は前記
ピストンピンに形成された中空孔に回動自在に嵌入する
軸部を有し,前記外環支持部材の前記軸部の外周面と前
記ピストンピンの前記中空孔の内周面との間には前記両
周面に摩擦係合する弾性リングが介装されていることか
ら成るピストン。 - 【請求項2】 前記弾性リングは,前記外環支持部材の
前記軸部の前記外周面に形成された第1周溝と,前記第
1周溝に対応して前記ピストンピンの前記中空孔の前記
内周面に形成された第2周溝とに嵌合していることから
成る請求項1に記載のピストン。 - 【請求項3】 前記第1周溝及び前記第2周溝の一方は
環状溝であるが他方は有端溝であり,前記弾性リングは
前記有端溝の各溝端に当接する端部を有するC形リング
であることから成る請求項2に記載のピストン。 - 【請求項4】 前記第1周溝が前記有端溝であり且つ前
記第2周溝が前記環状溝であることから成る請求項3に
記載のピストン。 - 【請求項5】 前記C形リングは,径方向の厚み寸法よ
りも大きな寸法の軸方向の長さを有する幅広C形リング
であることから成る請求項3又は4に記載のピストン。 - 【請求項6】 前記スカート部の外周面には,前記隙間
に供給されるオイルを貯留するオイル貯留溝が形成され
ていることから成る請求項1〜5のいずれか1項に記載
のピストン。 - 【請求項7】 前記オイル貯留溝と前記ピストンリング
溝とを接続するオイル導入溝が形成されていることから
成る請求項6に記載のピストン。 - 【請求項8】 前記スカート部には前記オイル貯留溝と
前記スカート部の裏面とを連通するオイル導入孔が形成
されていることから成る請求項6又は7に記載のピスト
ン。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28762997A JPH11108184A (ja) | 1997-10-06 | 1997-10-06 | ピストン |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28762997A JPH11108184A (ja) | 1997-10-06 | 1997-10-06 | ピストン |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11108184A true JPH11108184A (ja) | 1999-04-20 |
Family
ID=17719720
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP28762997A Pending JPH11108184A (ja) | 1997-10-06 | 1997-10-06 | ピストン |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11108184A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2009071260A1 (en) * | 2007-12-07 | 2009-06-11 | Mahle International Gmbh | Cooling gallery insert for a piston |
| JP2011080474A (ja) * | 2000-03-23 | 2011-04-21 | Pivotal Engineering Ltd | 内燃機関のためのピストン |
| CN117020623A (zh) * | 2023-10-09 | 2023-11-10 | 泰州市华威动力机械有限公司 | 一种发动机活塞销卡环压装设备 |
-
1997
- 1997-10-06 JP JP28762997A patent/JPH11108184A/ja active Pending
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2011080474A (ja) * | 2000-03-23 | 2011-04-21 | Pivotal Engineering Ltd | 内燃機関のためのピストン |
| WO2009071260A1 (en) * | 2007-12-07 | 2009-06-11 | Mahle International Gmbh | Cooling gallery insert for a piston |
| CN117020623A (zh) * | 2023-10-09 | 2023-11-10 | 泰州市华威动力机械有限公司 | 一种发动机活塞销卡环压装设备 |
| CN117020623B (zh) * | 2023-10-09 | 2023-12-08 | 泰州市华威动力机械有限公司 | 一种发动机活塞销卡环压装设备 |
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