JPH1112324A - 塩化ビニル系重合体 - Google Patents

塩化ビニル系重合体

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JPH1112324A
JPH1112324A JP9166834A JP16683497A JPH1112324A JP H1112324 A JPH1112324 A JP H1112324A JP 9166834 A JP9166834 A JP 9166834A JP 16683497 A JP16683497 A JP 16683497A JP H1112324 A JPH1112324 A JP H1112324A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 貯蔵安定性が良く、ゲル化、溶融速度が速
く、かつ製造コストの安いペースト用塩化ビニル系重合
体の提供。 【解決手段】 塩化ビニル系単量体を乳化剤の存在下、
水性媒体中で水溶性重合開始剤を用いて重合した塩化ビ
ニル系重合体であって、該塩化ビニル系重合体100重
量部、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル42重量部から
なるプラスチゾルを3℃/分で室温から昇温させ、60
℃、90℃、120℃に到達した時点での該プラスチゾ
ル0.48mm厚さの光線透過率が、それぞれ3%以
下、10%以上、15%以上であることを特徴とする塩
化ビニル系重合体の提供。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はペースト用塩化ビニ
ル系重合体に関するものである。特に本発明は、貯蔵安
定性が良く、ゲル化、溶融速度の速いペースト用塩化ビ
ニル系重合体に関するものである。本発明によれば、壁
紙用等のペースト用に好適な塩化ビニル系重合体ラテッ
クスを容易に製造することができる。
【0002】
【従来の技術】ペースト用塩化ビニル系重合体は、可塑
剤、安定剤、各種添加剤等と共に混合され、オルガノゾ
ルあるいはプラスチゾル(以下、「ゾル」と記す。)と
される。得られたゾルは、コーティング、ディッピン
グ、回転成形等の方法で賦形され、加熱によりゲル化、
溶融されて各種製品となる。ゾルに要求される特性とし
ては、貯蔵安定性の観点から常温付近の温度でゾルの粘
度が上昇したり、ゲル化しないこと、又成形性の観点か
ら加熱時に速やかにゲル化、溶融することが求められて
いる。酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体のような共重合
塩化ビニル系重合体を用いるとゲル化、溶融速度を速く
することができるが、製造コストが高い、熱安定性を悪
くする等の問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、貯蔵安定性
が良く、ゲル化、溶融速度が速く、かつ、製造コストの
安いペースト用塩化ビニル系重合体の提供を目的とする
ものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、塩化ビニル系
単量体を乳化剤の存在下、水性媒体中で水溶性重合開始
剤を用いて重合した塩化ビニル系重合体であって、該塩
化ビニル系重合体100重量部、フタル酸ジ−2−エチ
ルヘキシル42重量部からなるプラスチゾルを3℃/分
で室温から昇温させ、60℃、90℃、120℃に到達
した時点での該プラスチゾル0.48mm厚さの光線透
過率が、それぞれ、3%以下、10%以上、15%以上
であることを特徴とする塩化ビニル系重合体に存する。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の塩化ビニル系重合体を用いたゾルは、貯
蔵安定性が良く、かつゲル化、溶融速度が速い(即ち、
成形性がよい。)という特徴を持つ。貯蔵安定性及び成
形性の面からみたゾルの望ましいゲル化パターンは、例
えばゾルを3℃/分で昇温させた場合、室温〜60℃の
範囲ではゲル化がほとんど進行せず、60〜90℃の範
囲でゲル化が事実上始まり、かつ始まると同時にある程
度まで一気にゲル化が進行し、120℃では更にゲル化
が進行して比較的均一なゲルになるというパターンであ
る。
【0006】室温でのゾルは、白く濁っており、光をほ
とんど通さないが、ゲル化が進行するにつれ透明になり
光を通すようになる。従って、光線透過率を測定するこ
とにより、ゲル化の程度を定量的に把握することができ
る。本発明の塩化ビニル系重合体は、該重合体100重
量部、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル42重量部から
なるプラスチゾルを3℃/分で室温から昇温させ、60
℃、90℃、120℃に到達した時点での該プラスチゾ
ル0.48mm厚さの光線透過率が、それぞれ、3%以
下、10%以上、15%以上であることを満足する塩化
ビニル系重合体である。
【0007】上記のゾルが60℃、90℃、120℃に
到達した時点での光線透過率の好ましい範囲は、それぞ
れ1%以下、13%以上、18%以上である。60℃に
到達した時点での光線透過率が3%を越える場合は、貯
蔵安定性が悪い虞があり、90℃に到達した時点での光
線透過率が10%未満の場合は、省エネルギー、高速成
形性の面から好ましくなく、120℃に到達した時点で
の光線透過率が15%未満の場合は、発泡成形性等の成
形性が劣る傾向にある。
【0008】本発明において対象となる塩化ビニル系重
合体を構成する塩化ビニル系単量体としては、塩化ビニ
ル単独が好ましいが、少量であれば(例えば、2重量%
以下)、塩化ビニルと共重合可能な他の単量体の混合物
を用いても良い。共重合可能な他の単量体としては、酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等
のビニルエステル類、メチルビニルエーテル、エチルビ
ニルエーテル、オクチルビニルエーテル、ラウリルビニ
ルエーテル等のビニルエーテル類、アクリル酸、メタク
リル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸やそのアルキ
ルエステル類、塩化ビニリデン、不飽和ニトリル等が挙
げられる。塩化ビニル系単量体は、これらの2種以上を
含んでいても良い。
【0009】本発明に用いられる乳化剤としては、高級
アルコール硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン
酸、高級脂肪酸等のアルカリ金属やアンモニウム塩等が
挙げられる。又アニオン系界面活性剤を用いることもで
きる。これらの界面活性剤は2種以上を併用することも
でき、又これらにノニオン系界面活性剤を併用すること
もできる。これらの乳化剤は、塩化ビニル系単量体に対
し、通常0.1〜3重量%、好ましくは0.3〜1.5
重量%となるように使用する。又乳化剤として、炭素数
10〜18の高級アルコールをさらに0.2〜2重量%
併用することも好ましい。
【0010】また重合開始剤としては、例えば過硫酸の
ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩や過酸化水
素等の水溶性の過酸化物が用いられる。又、これらの水
溶性過酸化物と水溶性還元剤、例えば亜硫酸ナトリウ
ム、ピロ亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ア
スコルビン酸、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシ
レート等からなる水溶性レドックス重合開始剤も用いら
れる。これらの重合開始剤は、塩化ビニル系単量体に対
し0.01〜0.5重量%、特に0.01〜0.2重量
%程度の量を用いるのが好ましい。重合反応系には、更
に重合度調整剤その他の助剤類を添加しても良い。重合
度調整剤としては、トリクロルエチレン、四塩化炭素、
2−メルカプトエタノール、オクチルメルカプタン等の
連鎖移動剤、フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリ
ル、テレフタル酸ジアリル、イソシアヌル酸トリアリ
ル、エチレングリコールジアクリレート、トリメチロー
ルプロパントリメタクリレート等の架橋剤が用いられ
る。他の助剤としては、例えばレドックス重合開始剤の
活性化剤として作用する塩化第二銅、硫酸第一鉄、硝酸
第二ニッケル等の水溶性遷移金属塩や燐酸一水素又は二
水素アルカリ金属塩、フタル酸水素カリウム、炭酸水素
ナトリウム等のpH調整剤等が挙げられる。
【0011】本発明の塩化ビニル系重合体を得るには、
各種の方法が可能であるが、特に好ましい方法は、塩化
ビニル系単量体を乳化剤の存在下、水性媒体中で水溶性
重合開始剤を用いて重合するに際し、通常より高温で重
合することにより得られる。特にその重合反応温度が5
7〜80℃であることが好ましく、より好ましくは60
〜75℃である。重合反応温度が57℃未満では、60
℃、90℃に到達した時点での請求項1のブラスチゾル
の光線透過率が、請求項1の条件を満たされ難く、重合
反応温度が80℃を超えると得られる塩化ビニル系重合
体の重合度が低くなり過ぎ、機械的物性が低下するので
好ましくない。
【0012】更に上記の重合反応温度で得られた塩化ビ
ニル系重合体水性分散液を0℃以下での温度で速やかに
凍結させ、減圧下、水のみを昇華、分離させるいわゆる
凍結乾燥により乾燥処理を行うと、塩化ビニル系重合体
に熱エネルギーがかからず、塩化ビニル系重合体粒子同
士の融着がなく、粉砕工程も必要なく、得られるゾルの
ゲル化、溶融特性も優れている。しかし、この方法は生
産性が劣り、工業的には一般的でない。好ましい乾燥方
法としては、回転円盤、圧力ノズル、二流体ノズル等の
公知の噴霧乾燥装置を用いて110〜160℃の乾燥温
度で、塩化ビニル系重合体を乾燥させる。乾燥温度が1
10℃未満の場合は、乾燥に多大なエネルギーと時間を
要し、乾燥温度が160℃を超えると、塩化ビニル系重
合体同士の融着が起き、ゾルのゲル化、溶融特性が低下
し易い。
【0013】
【実施例】以下に実施例を示して本発明を具体的に説明
する。ここで行った評価方法は、次に示すとおりであ
る。 (1)光線透過率 ホットプレートを備えた試料台に、0.48mmの空間
を設けた2枚のガラス板を乗せ、底に熱電対をセットし
た。試料台上部にHe−Neガスレーザー(波長633
nm,日本電気株式会社製 商品名 GLS−536
0)及び光量調整用の偏光フィルターをセットし、試料
台下部にピンホトダイオード(浜松ホトニクス株式会社
製 商品名 S1190−03)をセットし、熱電対の
出力とピンホトダイオードの出力をパソコンに取り込め
るように、アンプ等のインターフェースをを接続した。
試料台を遮光フィルムで覆い、レーザー光源スイッチを
入れ、アンプを介したピンホトダイオード出力が15V
となるように偏光フィルターを回転させて光量を調節し
た後、遮光フィルムを外し、2枚のガラス板間に室温で
混合、脱気したゾル(塩化ビニル系重合体100重量
部、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル42重量部からな
る)を気泡が入らないようにセットした。再び遮光フィ
ルムで覆い、3℃/分で昇温して透過する光量を温度と
共にパソコンに取り込んだ。 (2)平均重合度 JIS K−6721の方法に準拠し、測定した。 (3)プラスチゾルのゲル化性評価 塩化ビニル系重合体100重量部とフタル酸ジ−2−エ
チルヘキシル70重量部を配合し、ケミスターラーを用
いて撹拌、混合しプラスチゾルを得た。このプラスチゾ
ルを真空脱泡し、25℃、RH50%雰囲気下に2時間
放置した。このプラスチゾルを直径20mmのガラス管
に所定量採取し、これを100℃の油浴中にて加熱しな
がら、トキメック(株)製のB8R型粘度計(#7ロー
ター使用)を用いて一定の時間間隔ごとに回転数10r
pmの粘度を測定した。ゲル化が進行するに従い著しい
粘度上昇を起こし、粘度の測定ができなくなるので、4
800ポイズ以上をゲル化とした。
【0014】<実施例1> 種子乳化重合 攪拌機を備えた内容積200リットルの重合槽に、温度
70℃の脱イオン水90kg、過硫酸カリウム10gお
よび無水重亜硫酸ナトリウム75gを入れ、20分間攪
拌して溶解させた。次いで、重合槽内を250mmHg
に減圧し、20分間70℃に保持した。次いで、重合槽
に塩化ビニル単量体60kgを仕込み、槽内温度を67
℃に調整した。塩化ビニル単量体の仕込み後、15分間
経過してから、予め溶解しておいた0.2%過硫酸カリ
ウム水溶液を10cc/分の割合で添加し、重合転化率
が15%に達したときに、別に溶解しておいたラウリル
硫酸ナトリウムの8%水溶液の添加を開始し、同水溶液
を20cc/分前後の速度で全ラウリル硫酸ナトリウム
添加量が300gになるまで添加した。槽内圧力が67
℃での塩化ビニル単量体の飽和圧力から2.0kg/c
m2降下したときに過硫酸カリウム水溶液の添加を停止
し重合反応を終了させ、未反応単量体を回収して重合体
分散液を得た。得られた分散液中の重合体粒子の平均粒
径は、0.48μmの単一分散粒子であった。
【0015】播種乳化重合 攪拌機を備えた内容積200リットルの重合槽に、種子
重合体として、上記の重合体4.5kg(固形分換
算)、脱イオン水80kgおよび無水重亜硫酸ナトリウ
ム50gを仕込んだ。重合槽内を250mmHgに減圧
し、塩化ビニル単量体75.5kgを仕込み、槽内温度
を67℃に調整した。その後、過硫酸カリウムの0.2
%水溶液を40cc/分の割合で15分間添加し、、以
後は一定の重合速度を保つように、その添加速度を制御
しながら連続的に添加した。重合転化率が10%に達し
たときから重合終了までラウリル硫酸ナトリウムの8%
水溶液を0.7リットル/時間の割合で連続的に添加し
た(全ラウリル硫酸ナトリウム添加量は400gであっ
た。)。槽内圧力が67℃での塩化ビニル単量体の飽和
圧力より1.0kg/cm2降下したところで重合を停
止し、未反応単量体を回収した。得られた分散液中の塩
化ビニル重合体粒子の平均粒径は、1.2μmであっ
た。この分散液を回転円盤式噴霧乾燥機にて、入口温度
120℃、出口温度52℃の条件で乾燥、粉砕して塩化
ビニル系重合体を得、評価を行った。評価結果を表1に
示す。
【0016】<実施例2>初期に加える過硫酸カリウム
量を1gとした他は実施例1と同様にして種子乳化重合
を行い、平均粒子径0.7μmの単一分散塩化ビニル重
合体分散液を得た。これを実施例1と同様に乾燥、粉砕
して塩化ビニル重合体を得、評価を行った。評価結果を
表1に示す。
【0017】<実施例3>攪拌機及び乳化機(マントン
ゴーリン式高圧ホモジナイザー:圧力130kg/cm
2G)を備えた容積200リットルの予備重合槽に、脱
イオン水50kg、ラウロイルペルオキシド70g、ラ
ウリルアルコール100gを入れ、20分間攪拌して溶
解させた。次いで、重合槽内を250mmHgに減圧し
た後、塩化ビニル単量体20kgを仕込み、均一に攪拌
しながら35℃に保持した。次いで、この予備重合槽内
の内容液を乳化機を用いて微細液滴に分散させながら、
予め脱イオン水50kgを添加後脱気しておいた攪拌機
を備えた容積200リットルの重合槽に移送した。該内
容液の移送終了後、重合槽の温度を67℃に昇温して攪
拌下重合を開始した。重合転化率が10%に達したとき
から塩化ビニル単量体50kgを15kg/時間の速度
で添加した。重合転化率が15%に達したときに、別に
溶解しておいたラウリル硫酸ナトリウムの8%水溶液の
添加を開始し、同水溶液を10cc/分前後の速度で全
ラウリル硫酸ナトリウムが300gになるまで添加し
た。その後は、実施例1と同様にして塩化ビニル重合体
を得、これを用いて評価を行った。評価結果を表1に示
す。なお分散液中の重合体粒子は、平均粒径1.0μm
の連続分布粒子であった。
【0018】<比較例1〜3>以下の市販品を用い評価
を行った。評価結果を表1に示す。 比較例1:鐘淵工業株式会社製 「PSL684」 比較例2:東ソー株式会社製 「R241」 比較例3:三菱化学株式会社製 「P452」
【0019】
【表1】
【0020】
【発明の効果】本発明の塩化ビニル系重合体は、ゾルの
貯蔵安定性が良く、かつゲル化、溶融速度が速いので、
発泡用その他のペーストゾルに好適に用いることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡部 吉家 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社四日市総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系単量体を乳化剤の存在下、
    水性媒体中で水溶性重合開始剤を用いて重合した塩化ビ
    ニル系重合体であって、該塩化ビニル系重合体100重
    量部、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル42重量部から
    なるプラスチゾルを3℃/分で室温から昇温させ、60
    ℃、90℃、120℃に到達した時点での該プラスチゾ
    ル0.48mm厚さの光線透過率が、それぞれ、3%以
    下、10%以上、15%以上であることを特徴とする塩
    化ビニル系重合体。
  2. 【請求項2】 重合温度が60〜75℃であることを特
    徴とする請求項1に記載の塩化ビニル系重合体。
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