JPH11124307A - 殺菌剤 - Google Patents

殺菌剤

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JPH11124307A
JPH11124307A JP28518697A JP28518697A JPH11124307A JP H11124307 A JPH11124307 A JP H11124307A JP 28518697 A JP28518697 A JP 28518697A JP 28518697 A JP28518697 A JP 28518697A JP H11124307 A JPH11124307 A JP H11124307A
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fungicide
prevention
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Hisao Kubota
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 取扱性および作業性が良好で、かつ、水に対
しても溶出しにくく屋外においてもその効果を良好に維
持し得る殺菌剤を提供すること。 【解決手段】 殺菌剤として、イソチアゾロン系化合物
とコレステロールとを含有させた。この殺菌剤は、皮膚
刺激性が弱く、取扱性および作業性が良好であり、ま
た、水に対する溶解度が比較的低いため、塗料や接着剤
に含有させて屋外建物に施工しても、有効成分であるイ
ソチアゾロン系化合物が雨水により溶出しにくく、その
効果を良好に持続することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、殺菌剤、詳しく
は、取扱性がよく、また屋外塗料用または屋外接着剤用
として有用な殺菌剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、製紙パルプ工場、冷却水循環工程
などの種々の産業用水、切削油などの金属加工用油剤、
カゼイン、澱粉糊、にかわ、紙用塗工液、表面サイズ
剤、塗料、接着剤、合成ゴムラテックス、印刷インキ、
セメント混和剤などの各種産業製品には、有害な微生物
が繁殖しやすく、生産性や品質の低下、悪臭の発生など
の原因となっている。そのため、これらの微生物の繁殖
の防除や殺菌のために数多くの殺菌剤が使用されてい
る。
【0003】これらの産業用品における有害微生物の発
生を抑制ないしは防除する薬剤の1つとしてイソチアゾ
ロン系化合物が知られている。このイソチアゾロン系化
合物は、防かび、防腐、防藻および防酵母において優れ
た効力を示し、前述したような分野における、工業用の
殺菌剤として広く使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、イソチアゾロ
ン系化合物は、皮膚刺激性が強いため、そのままでは取
り扱いにくく、取扱性および作業性があまり良好でな
い。また、水に対する溶解度が比較的高いため、イソチ
アゾロン系化合物を含有する殺菌剤を含む塗料や接着剤
などを屋外建物に施工しても、イソチアゾロン系化合物
が雨水により溶出されて流されてしまい、その効果が持
続できないという不具合がある。
【0005】そこで本発明は、このような事情に鑑みな
されたもので、取扱性および作業性が良好で、かつ、水
に対しても溶出しにくく屋外においてもその効果を良好
に維持し得る殺菌剤を提供することを、その目的として
いる。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の殺菌剤は、イソチアゾロン系化合物とコレ
ステロールとを含有している。また、この殺菌剤では、
イソチアゾロン系化合物がコレステロールによって包接
されていることが好ましい。
【0007】また、イソチアゾロン系化合物が、式
(1)
【0008】
【化3】
【0009】(式中、Yは水素原子または置換されてい
てもよい炭化水素基を、X1またはX2は、同一または
相異なって水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基を
示す。)、または式(2)
【0010】
【化4】
【0011】(式中、Yは前記と同意義を、A環は置換
されていてもよいベンゼン環を示す。)で表わされる化
合物であることが好ましい。また、式(1)および式
(2)において、式中、Yで示される置換されていても
よい炭化水素基が、メチル、n−ブチルまたはn−オク
チルであり、X1またはX2で示されるハロゲン原子が
塩素であることが好ましい。
【0012】また、このようなイソチアゾロン系化合物
が、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン
であることが好ましい。また、この殺菌剤は、屋外塗料
用または屋外接着剤用として好適に使用し得る。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明において、イソチアゾロン
系化合物は、式(1)
【0014】
【化5】
【0015】(式中、Yは水素原子または置換されてい
てもよい炭化水素基を、X1またはX2は、同一または
相異なって水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基を
示す。)、または式(2)
【0016】
【化6】
【0017】(式中、Yは前記と同意義を、A環は置換
されていてもよいベンゼン環を示す。)で表わされる。
式(1)および式(2)の式中、Yで示される置換され
ていてもよい炭化水素基の炭化水素基としては、例え
ば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロ
アルキル基およびアリール基などが挙げられる。好まし
くは、例えば、アルキル基およびシクロアルキル基が挙
げられる。より好ましくは、例えば、アルキル基が挙げ
られる。
【0018】Yで示されるアルキル基としては、例え
ば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、
ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチ
ル、sec−オクチル、tert−オクチル、ノニルお
よびデシルなどの炭素数1ないし10のアルキル基が挙
げられる。好ましくは、例えば、メチル、エチル、プロ
ピル、ブチルなどの炭素数1ないし4のアルキル基およ
びオクチルなどの炭素数8のアルキル基が挙げられる。
より好ましくは、例えば、メチル、n−ブチルおよびn
−オクチルなどが挙げられる。
【0019】Yで示されるアルケニル基としては、例え
ば、ビニル、アリル、イソプロペニル、1−プロペニ
ル、2−プロペニルおよび2−メチル−1−プロペニル
などの炭素数2ないし4のアルケニル基が挙げられる。
好ましくは、例えば、ビニル、アリルなどの炭素数2な
いし3のアルケニル基が挙げられる。Yで示されるアル
キニル基としては、例えば、エチニル、1−プロピニ
ル、2−プロピニル、ブチニルおよびペンチニルなどの
炭素数2ないし5のアルキニル基が挙げられる。好まし
くは、例えば、エチニルおよびプロピニルなどの炭素数
2ないし3のアルキニル基が挙げられる。
【0020】Yで示されるシクロアルキル基としては、
例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチ
ル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオク
チルなどの炭素数3ないし8のシクロアルキル基が挙げ
られる。好ましくは、例えば、シクロペンチルおよびシ
クロヘキシルなどの炭素数5ないし6のシクロアルキル
基が挙げられる。
【0021】Yで示されるアリール基としては、例え
ば、フェニル、ナフチル、アントリルおよびフェナルト
リルなどの炭素数6ないし14のアリール基が挙げられ
る。好ましくは、例えば、フェニルなどの炭素数6のア
リール基が挙げられる。Yで示される置換されていても
よい炭化水素基の置換基としては、例えば、ヒドロキシ
ル基、ハロゲン原子(例えば、塩素、フッ素、臭素およ
びヨウ素など)、シアノ基、アミノ基、カルボキシル
基、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロ
ポキシおよびブトキシなどの炭素数1ないし4のアルコ
キシ基など)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ
基など)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチ
ルチオ、プロピルチオ、ブチルチオなどの炭素数1ない
し4のアルキルチオ基など)およびアリールチオ基(例
えば、フェニルチオ基など)などが挙げられる。好まし
くは、例えば、ハロゲン原子およびアルコキシ基が挙げ
られる。これらの置換基は同一または相異なって1ない
し5個、好ましくは1ないし3個置換されていてもよ
い。
【0022】上記した、Yで示される置換されていても
よい炭化水素基のうち、置換されていない炭化水素基が
好ましく、その中でも、アルキル基、とりわけメチル、
エチル、プロピル、n−ブチルなどの炭素数1ないし4
のアルキル基およびn−オクチルなどの炭素数8のアル
キル基が好ましく、より好ましくは、例えば、メチル、
n−ブチルおよびn−オクチルが挙げられる。従って、
Yの好ましい例としては、水素原子、メチル、n−ブチ
ルおよびn−オクチルが挙げられる。
【0023】前記式(1)で表わされるイソチアゾロン
系化合物において、X1およびX2で示されるハロゲン
原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素およびヨウ
素が挙げられる。好ましくは、例えば、塩素が挙げられ
る。X1およびX2で示される炭化水素基としては、Y
で示される炭化水素基として上記したものと同様のもの
を挙げることができ、好ましくは、例えば、アルキル
基、さらに好ましくは、例えば、メチル、エチル、プロ
ピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec
−ブチル、tert−ブチルなどの炭素数1ないし4の
アルキル基が挙げられる。また、X1およびX2は、2
価の炭化水素基で環形成されていてもよく、このような
2価の炭化水素基としては、例えば、メチレン、エチレ
ン、トリメチレンおよびテトラメチレンなどの炭素数1
ないし4の2価の低級炭化水素基が挙げられる。好まし
くは、例えば、トリメチレンが挙げられる。
【0024】X1およびX2の好ましい例としては、例
えば、ハロゲン原子および水素原子が挙げられ、好まし
い態様としては、例えば、X1およびX2ともにハロゲ
ン原子、X1およびX2のうち、いずれか一方がハロゲ
ン原子であって他方が水素原子、およびX1およびX2
ともに水素原子であることが挙げられる。また、トリメ
チレンで環形成されているものも、好ましい態様の1つ
である。
【0025】前記式(2)で表わされるイソチアゾロン
系化合物において、A環で表わされるベンゼン環の置換
基としては、Yで示される置換されていてもよい炭化水
素基の置換基として上記したものと同様のものを挙げる
ことができ、好ましくは、例えば、ハロゲン原子および
アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチ
ルなどの炭素数1ないし4のアルキル基など)が挙げら
れる。これらの置換基は、同一または相異なって1ない
し4個、好ましくは、1または2個置換してもよい。
【0026】このような式(1)および式(2)で表わ
されるイソチアゾロン系化合物の具体例としては、例え
ば、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3
−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、
2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、
4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾ
リン−3−オン、2−エチル−4−イソチアゾリン−3
−オン、4,5−ジクロロ−2−シクロヘキシル−4−
イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−エチル−
4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−t−
オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル
−4,5−トリメチレン−4−イソチアゾリン−3−オ
ン、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンおよびn
−ブチル−ベンゾイソチアゾリン−3−オンなどが挙げ
られる。好ましくは、5−クロロ−2−メチル−4−イ
ソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾ
リン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリ
ン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−
4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4,5−
トリメチレン−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2
−ベンゾイソチアゾリン−3−オンおよびn−ブチル−
ベンゾイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。よ
り好ましくは、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン
−3−オンが挙げられる。
【0027】これらイソチアゾロン系化合物は、単独ま
たは2種以上併用して用いてもよい。また、これらのイ
ソチアゾロン系化合物は、例えば、米国特許公報第37
61488号、第3849430号、第3870795
号、第4067878号、第4150026号、第42
41214号、第3517022号、第3065123
号、第3761489号および第3849430号など
に記載の方法またはそれに準ずる方法によって製造する
ことができる。
【0028】本発明において、コレステロールとは、分
子式がC2746Oで表わされるステロイドの一種であ
り、本発明の殺菌剤は、イソチアゾロン系化合物と、こ
のコレステロールを含有するものである。イソチアゾロ
ン系化合物とコレステロールとを配合する割合は、例え
ば、イソチアゾロン系化合物に対して、コレステロール
がモル比で0.5〜6、より好ましくは1〜3の範囲が
好ましい。
【0029】さらに、本発明において、より優れた効果
を得るためには、この配合において、イソチアゾロン系
化合物がコレステロールによって包接されることが好ま
しい。このようなイソチアゾロン系化合物のコレステロ
ール包接化合物は、イソチアゾロン系化合物とコレステ
ロールとを適当な溶媒を用いて溶解し混合することによ
って容易に得ることができる。この際に、溶媒に対して
約1重量%以下の水を加えることによって、包接化を促
進させることもできる。また、具体的な調製方法として
は、例えば、飽和溶液法の直接法、溶剤法、乾燥法の噴
霧乾燥法、凍結乾燥法など公知の方法を用いることがで
きる。好ましくは、例えば、溶剤法が用いられる。
【0030】溶剤法には、例えば、濃縮法および沈殿法
があり、濃縮法では、例えば、イソチアゾロン系化合物
とコレステロールとを、上記した配合割合において、コ
レステロールに対して1〜1000重量倍、好ましくは
10〜500重量倍の溶媒中に加えて、5〜80℃、好
ましくは、15〜60℃で0.5〜24時間、好ましく
は、1〜10時間攪拌混合することによって、イソチア
ゾロン系化合物をコレステロールによって包接させる。
次いで、この溶液をエバポレーションによって除去し、
残ったイソチアゾロン系化合物のコレステロール包接化
合物を、例えば、水やメタノールなど、この包接化合物
に対して貧溶媒として作用する溶媒を用いて洗浄し、濾
過後、10〜60℃、好ましくは、20〜50℃で1〜
48時間減圧乾燥などの乾燥を行ない、イソチアゾロン
系化合物のコレステロール包接化合物の白色結晶を得
る。
【0031】また、沈殿法では、例えば、イソチアゾロ
ン系化合物とコレステロールとを、上記した配合割合に
おいて、コレステロールに対して1〜1000重量倍、
好ましくは10〜500重量倍の溶媒中に加えて、5〜
80℃、好ましくは、15〜60℃で0.5〜24時
間、好ましくは、1〜10時間攪拌混合することによっ
て、イソチアゾロン系化合物をコレステロールによって
包接させる。次いで、この溶液を10℃以下、好ましく
は、5℃以下に冷却して、イソチアゾロン系化合物のコ
レステロール包接化合物を沈殿させ、濾過後、10〜6
0℃、好ましくは、20〜50℃で1〜48時間減圧乾
燥などの乾燥を行ない、イソチアゾロン系化合物のコレ
ステロール包接化合物の白色結晶を得る。
【0032】このときに使用される溶媒としては、イソ
チアゾロン系化合物が溶解し、包接化を阻害しないもの
であれば特に限定されず、例えば、水、例えば、メタノ
ール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパ
ノール、n−ブタノール、tert−ブタノールなどの
アルコール系溶媒、例えば、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ブ
タンジオール、1,5−ペンタンジオール、エチレング
リコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノ
エチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレング
リコールモノメチルエーテルなどのグリコール系溶媒、
例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトンなどのケトン系溶媒、例えば、ジオキサン、
テトラヒドロフラン、エチルエーテルなどのエーテル系
溶媒、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチ
ルなどのエステル系溶媒、例えば、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、メチルナフタレン、ソルベントナフサな
どの芳香族系溶媒、例えば、四塩化炭素、クロロホル
ム、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、例
えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、
アセトニトリルなどの極性溶媒などが挙げられる。これ
らの溶媒は単独または2種以上併用して用いてもよい。
これら溶媒のうち、濃縮法では、例えば、ケトン系溶
媒、エステル系溶媒およびハロゲン化炭化水素系溶媒が
好ましく、例えば、アセトン、酢酸エチル、四塩化炭
素、クロロホルム、塩化メチレンがより好ましい。ま
た、沈殿法では、例えば、アルコール系溶媒が好まし
く、例えば、メタノールがより好ましい。
【0033】このようにして得られる本発明の殺菌剤
は、その使用目的に応じて、例えば、液剤(水懸濁剤お
よび油剤を含む。)、ペースト剤、粉剤、粒剤などの公
知の剤型に製剤化して使用することができる。好ましく
は、例えば、液剤が挙げられる。液剤として製剤化する
には、イソチアゾロン系化合物およびコレステロール、
あるいは、イソチアゾロン系化合物のコレステロール包
接化合物を、適宜溶剤に溶解すればよい。このときに使
用される溶媒としては、例えば、上記したイソチアゾロ
ン系化合物のコレステロール包接化合物を得るために使
用される溶媒を用いることができ、好ましくは、例え
ば、グリコール系溶媒、より好ましくは、例えば、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、プロピレング
リコール、ジプロピレングリコール、エチレングリコー
ルモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチル
エーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、
ジエチレングリコールモノエチルエーテルが用いられ
る。また、とりわけ、イソチアゾロン系化合物のコレス
テロール包接化合物は、水懸濁剤として製剤化するのが
好ましく、この製剤化は、例えば、イソチアゾロン系化
合物のコレステロール包接化合物を、得られる製剤に対
して1〜70重量%、好ましくは5〜50重量%の割合
となるように含有させて、攪拌して懸濁させればよい。
【0034】さらに、本発明の殺菌剤は、その使用目的
などにおいて公知の添加剤、例えば、他の殺菌剤、界面
活性剤、酸化防止剤などを添加してもよい。他の殺菌剤
としては、例えば、3−ヨード−2−プロピニル−ブチ
ル−カーバメイト、ジヨードメチル−p−トルイルスル
ホンおよびp−クロロフェニル−3−ヨードプロパルギ
ルフォルマールなどの有機ヨウ素系化合物、例えば、
4,5−ジクロロ−1,2−ジチオール−3−オンなど
のジチオール系化合物、例えば、3,3,4,4−テト
ラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド
などのチオフェン系化合物、例えば、テトラメチルチウ
ラムジスルフィドなどのチオカーバメート系化合物、例
えば、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリ
ルなどのニトリル系化合物、例えば、N−(フルオロジ
クロロメチルチオ)−フタルイミドおよびN−(フルオ
ロジクロロメチルチオ)−N,N’−ジメチル−N−フ
ェニル−スルファミドなどのハロアルキルチオ系化合
物、例えば、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メ
チルスルフォニル)ピリジンなどのピジリン系化合物、
例えば、ジンクピリチオンおよびナトリウムピリチオン
などのピリチオン系化合物、例えば、2−(4−チオシ
アノメチルチオ)ベンゾチアゾールなどのベンゾチアゾ
ール系化合物、例えば、2−メチルチオ−4−t−ブチ
ルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジン
などのトリアジン系化合物、例えば、メチル−2−ベン
ズイミダゾールカーバメイト、2−(4−チアゾリル)
−ベンズイミダゾールなどのイミダゾール系化合物など
を挙げることができる。これら殺菌剤は、単独または2
種以上併用して用いてもよい。また、これらの配合割合
は、その剤型および使用目的によって異なるが、例え
ば、液剤では、0.1〜80重量%、粉剤では、10〜
99.9重量%程度含有させることが好ましい。
【0035】また、界面活性剤としては、例えば、石鹸
類、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カ
チオン系界面活性剤、両イオン界面活性剤、高分子界面
活性剤など、公知の界面活性剤を挙げることができ、好
ましくは、ノニオン系界面活性剤およびアニオン系界面
活性剤が挙げられる。該ノニオン系界面活性剤として
は、例えば、ポリオキシアルキレンアリールフェニルエ
ーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、
酸化エチレンと酸化プロピレンとのブロック共重合物な
どが挙げられる。
【0036】該アニオン系界面活性剤としては、例え
ば、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩、アルキルナフ
タレンスルホン酸金属塩、ポリカルボン酸型界面活性
剤、ジアルキルスルホコハク酸エステル金属塩、ポリオ
キシエチレンジスチレン化フェニルエーテルサルフェー
トアンモニウム塩、リグニンスルホン酸金属塩などが挙
げられ、これら金属塩としてはナトリウム塩、カリウム
塩、マグネシウム塩などが挙げられる。
【0037】また、酸化防止剤としては、例えば、2,
6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’
−メチレンビス[4−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル]などのフェノール系酸化防止剤、アルキルジフェニ
ルアミン、N,N’−ジ−s−ブチル−p−フェニレン
ジアミンなどのアミン系酸化防止剤などが挙げられる。
これら、界面活性剤および酸化防止剤は、例えば、液剤
の場合には、液剤100重量部に対して0.1〜5重量
部添加される。
【0038】このようにして得られる本発明の殺菌剤
は、皮膚刺激性が弱く、取扱性および作業性が良好であ
り、例えば、製紙パルプ工場、冷却水循環工程などの産
業用水のスライムコントロール、殺菌洗浄などに利用で
きると共に、切削油などの金属加工用油剤、カゼイン、
澱粉糊、にかわ、紙用塗工液、表面サイズ剤、塗料、接
着剤、合成ゴムラテックス、印刷インキ、セメント混和
剤などにおける防かび、防腐、防藻および防酵母などに
適用でき、工業用殺菌剤として有効に利用できる。ま
た、水に対する溶解度が比較的低いため、屋外用の塗料
や接着剤に含有させて屋外建物に施工しても、有効成分
であるイソチアゾロン系化合物が雨水により溶出しにく
く、殺菌剤としての効果を良好に持続することができ
る。
【0039】なお、本発明の殺菌剤は、その適用対象に
応じて添加量を適宜決定すればよいが、約0.005〜
20%、好ましくは0.01〜5%程度の有効成分濃度
として作用させることが好ましい。
【0040】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の殺菌剤は、
皮膚刺激性が弱く、取扱性および作業性が良好であり、
また、水に対する溶解度が比較的低いため、塗料や接着
剤に含有させて屋外建物に施工しても、有効成分である
イソチアゾロン系化合物が雨水により溶出しにくく、殺
菌剤としての効果を良好に持続することができる。
【0041】
【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明をより具体的に
説明する。 実施例1 コレステロール2.0gと2−n−オクチル−4−イソ
チアゾリン−3−オン(以下、OITと称する。)0.
37gとにクロロホルム30mlを加え、室温で2時間
攪拌した。次いでエバポレーションによって溶媒を除去
し、メタノール50mlで洗浄した後、40℃で24時
間減圧乾燥し、イソチアゾロン系化合物のコレステロー
ル包接化合物の粉末(白色結晶)2.0g(収率84
%)を得た。この粉末を液体クロマトグラフィーで定量
して、OITの含有率を求めた。OITの含有率は、1
4.0重量%であった。
【0042】また、包接化を確認するために、粉末X線
解析および赤外吸収スペクトルを測定するとともに、溶
解度を調べた。なお、溶解度は、粉末1gを水20ml
に加えて、毎分200回の振とうを2時間与えた後、メ
ンブレンフィルタで濾過し、濾液を液体クロマトグラフ
ィーで定量することにより求めた。赤外吸収スペクトル
を図1に示すとともに、粉末X線のデータおよび溶解度
を下記に示す。 粉末X線データ:面間隔(Å) 23.860(I/Io;100)、1
6.980(I/Io;47) 、6.267(I/Io;47)、5.771(I/Io;57)、
5.260(I/Io;47) 溶解度:78ppm 実施例2 コレステロール2.0gとOIT0.37gにメタノー
ル100gを加え、50℃で溶解させた。その後、室温
で2時間攪拌し、さらに5℃で2時間攪拌した。生じた
沈殿を吸引濾過した後、40℃で24時間減圧乾燥し、
イソチアゾロン系化合物のコレステロール包接化合物の
粉末(白色結晶)1.5g(収率63%)を得た。この
粉末を液体クロマトグラフィーで定量して、OITの含
有率を求めた。OITの含有率は、14.8重量%であ
った。
【0043】また、包接化を確認するために、実施例1
と同様の操作によって溶解度を調べた。結果を下記に示
す。 溶解度:104ppm 比較例1 比較例として、OITのプロピレングリコール溶液(O
IT含量約45重量%)を調製した。なお、実施例1と
同様の操作による溶解度は下記の通りであった。 溶解度:627ppm 抗菌力測定 グルコース寒天培地を用いた倍数希釈法(1000〜
2.0μg/ml、10段階希釈)で、細菌は33℃、
18時間、かびおよび酵母は28℃、3日間培養し、最
小発育阻止濃度(MIC、μg/ml)を求めた。
【0044】試料は、実施例1のOITのコレステロー
ル包接化合物と、比較例1のOITを用い、いずれもO
ITが8重量%となるように調製した。なお、供試菌は
以下の通りである。 No.1:バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis、枯草
菌、グラム陽性菌) No.2:スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcu
s aureus、黄色ぶどう球菌、グラム陽性菌) No.3:エシュリアヒア・コリー(Escheriachia coli、大
腸菌、グラム陰性菌) No.4:シュードモナス・エルギノーサ(Pseudomonas aer
uginosa 、緑膿菌、グラム陰性菌) No.5:セラチア・マルセッセンス(Serratia marcescen
s、霊菌、グラム陰性菌) No.6:アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger、黒
かび) No.7:ペニシリウム・シトリナム(Penicillium citrinu
m 、青かび) No.8:クラドスポリウム・クラドスポリオイデス(Clado
sporium cladosporioides クロカワかび) No.9:ムコール・スピネッセンス(Mucor spinescens 、
毛かび) No.10 :ロドトルラ・ルブラ(Rhodotorula rubra、赤色
酵母) No.11 :サッカロマイセス・セレビシアエ(Saccharomyc
es cerevisiae 、白色酵母) これらの菌に対する抗菌力は、最小発育阻止濃度(MI
C、μg/ml)で表1の通りであった。
【0045】
【表1】
【0046】この結果から、コレステロールによって包
接化されたOITは、包接化されていないOITと同等
の抗菌力を有することがわかる。 塗料からの溶出試験 水性リシン塗料各100gに、実施例1のOITのコレ
ステロール包接化合物および比較例1のOITを、OI
Tが塗料中に0.15重量%含有されるようにそれぞれ
配合した。
【0047】次に、JIS Z 2911(1992)
に準じ、3cm×3cmの濾紙に、調製された各塗料を
約0.5g塗布して1日乾燥後、100mlの水中に入
れて3日間振とうした。その後、水中のOITを液体ク
ロマトグラフィーで定量し、水中に溶出したOITの溶
出率を求めた。その結果、溶出率はOITの全量に対し
て、実施例1では、30重量%、比較例1では、80重
量%であった。このことより、コレステロールによって
包接化されたOITは、水によって溶出しにくいことが
わかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の赤外吸収スペクトルである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イソチアゾロン系化合物とコレステロー
    ルとを含有する殺菌剤。
  2. 【請求項2】 イソチアゾロン系化合物がコレステロー
    ルによって包接されている請求項1に記載の殺菌剤。
  3. 【請求項3】 イソチアゾロン系化合物が、式(1) 【化1】 (式中、Yは水素原子または置換されていてもよい炭化
    水素基を、X1またはX2は、同一または相異なって水
    素原子、ハロゲン原子または炭化水素基を示す。)、ま
    たは式(2) 【化2】 (式中、Yは前記と同意義を、A環は置換されていても
    よいベンゼン環を示す。)で表わされる化合物である請
    求項1または2に記載の殺菌剤。
  4. 【請求項4】 式(1)および式(2)の式中、Yで示
    される置換されていてもよい炭化水素基が、メチル、n
    −ブチルまたはn−オクチルであり、X1またはX2で
    示されるハロゲン原子が塩素である請求項3に記載の殺
    菌剤。
  5. 【請求項5】 イソチアゾロン系化合物が、2−n−オ
    クチル−4−イソチアゾリン−3−オンである請求項1
    ないし4のいずれかに記載の殺菌剤。
  6. 【請求項6】 屋外塗料用または屋外接着剤用として使
    用される請求項1ないし5のいずれかに記載の殺菌剤。
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