JPH111322A - 酸化ビスマス粉およびその製造方法 - Google Patents

酸化ビスマス粉およびその製造方法

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JPH111322A
JPH111322A JP9167946A JP16794697A JPH111322A JP H111322 A JPH111322 A JP H111322A JP 9167946 A JP9167946 A JP 9167946A JP 16794697 A JP16794697 A JP 16794697A JP H111322 A JPH111322 A JP H111322A
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理子 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子材料の添加剤として用いる酸化ビスマス
粉の形状が板状であって、他の材料と十分均一に混合で
きる粒径その他の粉体特性を有していて、混合前の特別
な粉砕処理や長時間の混合処理を必要としない酸化ビス
マス粉およびその製造方法の提供。 【解決手段】 硝酸ビスマス水溶液と水酸化アルカリ水
溶液を反応させ、さらに過酸化水素水を添加した後、得
られた沈殿を洗浄、脱水、乾燥することを特徴とし、酸
化ビスマスの出発原料である硝酸ビスマスの濃度、反応
溶液の最終pH、反応溶液の温度等の反応条件を調整す
ることにより、酸化ビスマス粉の性状が板状であって、
平均粒径、比表面積、嵩密度、タップ密度等の粉体特性
を有するものが得られ、この酸化ビスマス粉を使用して
バリスタ組成物を作製したところ、そのα値が高く良好
なバリスタ特性を示した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バリスタやフェラ
イトマグネット、電池材料などの各種電子部品の製造時
に添加される酸化ビスマス粉およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】酸化ビスマス(Bi23 )はバリスタ
やフェライトマグネット、電池材料、圧電材料などの各
種電子部品の材料の添加剤として使用され、例えばZn
O系バリスタではZnOを主成分にBi23 、Co
O、MnO、Sb23 などの副成分が加えられてい
る。材料に添加された酸化ビスマスはその材料の他の成
分と結合(相互作用)する。その相互作用を利用するこ
とで、材料特性が制御される。酸化ビスマス粉の製法と
しては以下のような製法が知られている。 (1) 硝酸ビスマス水溶液に水酸化ナトリウムを加
え、pH、温度を調整し、酸化ビスマスの沈殿を得る方
法(特公昭47−11335)。 (2) 金属ビスマスを溶融後、酸化させる方法。 (3) 硝酸ビスマス水溶液にアンモニア水を加え水酸
化物の沈殿を得る。この沈殿を焙焼し酸化ビスマスとす
る方法。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記
(1)〜(3)の従来の方法では針状、塊状または粒状
の酸化ビスマス粉しか得られなかった。また、得られた
酸化ビスマス粉の平均粒径も10μm以上のものが大部
分であった。そのため、次のような欠点があった。
【0004】前述の電子材料の添加剤として用いる場
合、他の材料と湿式または乾式で混合するのであるが、
他の材料は微粉が使用されるため、他の材料に比較する
と酸化ビスマス粉は粗大であり、結果として、これらの
材料を十分に均一に混合することができない。
【0005】また、針状結晶の酸化ビスマス粉は、嵩高
である。そのため、同様にこれらの材料を十分に均一に
混合することができない。
【0006】十分に均一に混合するためには、他の材料
と同程度に粒径の小さい酸化ビスマス粉を使用すればよ
いが、そのためには、混合の前に粉砕処理が必要とな
る。
【0007】したがって本発明の目的は、電子材料の添
加剤として用いるのに適した板状の形状を持つ酸化ビス
マス粉であって、他の材料と十分均一に混合できる粒径
その他の粉体特性を有していて、混合前の特別な粉砕処
理や長時間の混合処理を必要としない酸化ビスマス粉お
よびその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記目的を達
成すべく鋭意研究した結果、硝酸ビスマス水溶液と水酸
化アルカリ水溶液を反応させ、さらに過酸化水素水を添
加した後、得られた沈殿を、洗浄、脱水、乾燥すること
で、電子材料の添加剤として十分に均一に混合すること
ができ、他の材料と同程度の粒径で、嵩高くなく、板状
で、長軸径a、短軸径b、厚みcが1≦a/b≦2、2
0≦a/c、10≦b/cを満たし、長軸径aが10μ
m以下、短軸径bが10μm以下、厚みcが0.5μm
以下であり、平均粒径が0.1〜10μmで、色がL*
85〜95、a* 0〜5、b* 10〜20であ
り、加熱減量が6重量%以下で、ナトリウム含有量がN
2O換算で0.025重量%以下であり、しかも前粉
砕が不要で、長時間の混合も不要な酸化ビスマス粉が得
られることを見いだし本発明に到達した。
【0009】すなわち本発明は第1に、結晶粒子の形状
が板状であることを特徴とする酸化ビスマス粉;第2
に、前記板状形状酸化ビスマス結晶粒子の長軸径a、短
軸径b、厚みcが相互に次式:1≦a/b≦2、20≦
a/c、10≦b/cを満たす関係を有していることを
特徴とする前記第1に記載の酸化ビスマス粉;第3に、
前記板状形状粒子の長軸径aが10μm以下、短軸径b
が10μm以下、厚みcが0.5μm以下であることを
特徴とする前記第1または第2のいずれかに記載の酸化
ビスマス粉;第4に、平均粒径が0.1〜10μmであ
ることを特徴とする前記第1〜第3のいずれかに記載の
酸化ビスマス粉;第5に、明度指数L*が85〜95、
色質指数のa*が0〜5、b*が10〜20で表示され
る色を有している粉末であることを特徴とする前記第1
〜第4のいずれかに記載の酸化ビスマス粉;第6に、加
熱減量が6重量%以下であることを特徴とする前記第1
〜第5のいずれかに記載の酸化ビスマス粉;第7に、比
表面積が2〜8m2 /gであることを特徴とする前記第
1〜第6のいずれかに記載の酸化ビスマス粉;第8に、
嵩密度が0.6〜1.0g/cm3 であることを特徴と
する前記第1〜第7のいずれかに記載の酸化ビスマス
粉;第9に、タップ密度が0.75〜1.5g/cm3
であることを特徴とする前記第1〜第8のいずれかに記
載の酸化ビスマス粉;第10に、ナトリウム含有量がN
2 O換算で0.025重量%以下であることを特徴と
する前記第1〜第9のいずれかに記載の酸化ビスマス
粉;第11に、硝酸ビスマス水溶液と水酸化アルカリ水
溶液を反応させ、さらに過酸化水素水を添加した後、得
られた沈殿を、洗浄、脱水、乾燥することを特徴とする
上記第1〜第10のいずれかに記載の酸化ビスマス粉の
製造方法;第12に、前記反応時の反応溶液の最終pH
を10.5〜12.5に調整することを特徴とする前記
第11記載の酸化ビスマス粉の製造方法;第13に、前
記反応時の反応溶液の温度が40〜60℃であることを
特徴とする前記第11または第12のいずれかに記載の
酸化ビスマス粉の製造方法;第14に、前記硝酸ビスマ
ス水溶液の硝酸ビスマスの濃度がBi換算で100〜2
50g/lであることを特徴とする前記第11〜第13
のいずれかに記載の酸化ビスマス粉の製造方法;第15
に、前記水酸化アルカリ水溶液が水酸化ナトリウム水溶
液であることを特徴とする前記第11〜第14のいずれ
かに記載の酸化ビスマス粉の製造方法を提供するもので
ある。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法は、硝酸ビスマ
ス水溶液と水酸化アルカリ水溶液を反応させ、さらに過
酸化水素水を添加した後、得られた沈殿を、洗浄、脱
水、乾燥して酸化ビスマス粉を得るものである。
【0011】酸化ビスマスの出発原料としては、硝酸ビ
スマス水溶液が好ましく、水酸化アルカリ水溶液を作製
する水酸化アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム等が使用可能である。特に、経済性の面から
水酸化ナトリウムが好ましい。
【0012】反応時の反応溶液の最終pHは、10.5
〜12.5が好ましい。板状の酸化ビスマスを得るには
反応時の反応溶液のpHが低いほうが好ましいのである
が、pHが低いと酸化ビスマスの生成速度が遅く、反応
効率が低い上、未反応のNO3 -イオン(硝酸基)が残る
ため、酸化ビスマスの含有量が低くなり、実用的でな
い。しかも、pHが低いとナトリウム塩が取り込まれや
すくなり、Na2 O含有量が高くなるので、pHは1
0.5以上が好ましい。
【0013】一方、酸化ビスマスの生成速度を上げるに
は、反応時の反応溶液のpHが高いほうが好ましい。し
かし、pHが高くなると、酸化ビスマスの結晶成長が進
み針状結晶となる。そこで、板状結晶を得るにはpH1
2.5以下が好ましい。
【0014】反応時の反応溶液の温度は、30〜70
℃、さらに40〜60℃が好ましい。温度は高いほど酸
化反応が進むが、反応温度が高いと酸化ビスマスの結晶
成長が進み、酸化ビスマスは針状結晶となる。一方、反
応温度が低いと酸化反応が十分進行しないと考えられ
る。そこで、好ましい反応温度は40〜60℃である。
【0015】硝酸ビスマス水溶液の硝酸ビスマスの濃度
はBi換算で100〜250g/lであることが好まし
い。硝酸ビスマスの濃度がBi換算で100g/l未満
では、硝酸ビスマスの加水分解が生じると考えられ、生
産効率が低下するため好ましくない。一方250g/l
を越えると、凝集した粒子が増えるため250g/l以
下とする。
【0016】なお硝酸ビスマス水溶液に水酸化アルカリ
水溶液を添加する速さは、最終のpHを越えない程度の
速さとする。添加する速度が速すぎると、酸化ビスマス
が微粉になり過ぎて凝集してしまい、一方、添加する速
度が遅すぎると、酸化ビスマスの粒子の成長が進み、粒
径が大きくなり好ましくない。
【0017】硝酸ビスマス水溶液と水酸化アルカリ水溶
液を反応させた後、そのまま放置すると、徐々に酸化ビ
スマスの結晶化が進行する。そのため、酸化ビスマスの
粒径が大きくなる。さらに、酸化ビスマスが、針状結晶
となる。
【0018】そこで、硝酸ビスマス水溶液と水酸化アル
カリを反応させた後、好ましくは10分以内に反応停止
剤として、過酸化水素水を添加する。添加量は僅かでよ
く、例えば、30%過酸化水素水では、反応させる硝酸
ビスマスのBi重量100に対して0.5〜5重量あれ
ば十分である。過酸化水素水の添加により、酸化ビスマ
スの生成および結晶化反応の進行が停止し、またpHも
安定化する。以上の反応の全般にわたって、反応溶液を
撹拌する。
【0019】得られた酸化ビスマスの沈殿を、反応水溶
液と分離し、洗浄、脱水する。分離、洗浄、脱水方法
は、通常の方法で行う。例えば、ブフナー漏斗、ヌッチ
ェ等による濾過、回転ドラム式脱水機、フィルタープレ
ス等が使用可能である。
【0020】次に得られた脱水後の酸化ビスマスを乾燥
する。乾燥は、通常の方法で行う。例えば、加熱乾燥機
による乾燥、真空乾燥機による真空乾燥等が使用可能で
ある。乾燥温度は、水の沸点である100℃以上が好ま
しい。乾燥温度が高いとエネルギーを消費するので経済
性の面から、200℃以下が好ましい。乾燥は酸化ビス
マスへの付着水を除去するために行うので、乾燥時間
は、加熱減量が少なくとも6重量%以下になるように適
宜設定する。
【0021】本発明で得られた酸化ビスマス粉の不純物
や物理特性は次のようになる。酸化ビスマス粉の粒子形
状は、板状が好ましい。すなわち、板状の酸化ビスマス
粉をセラミックス粉等の材料と混合すると、セラミック
ス粉等の材料の表面に酸化ビスマス粉が貼り付いたよう
になる。そのため、混合するセラミックス粉等が粒状、
塊状であっても、その周囲に酸化ビスマスが入り込みや
すいのである。
【0022】酸化ビスマス粉が板状とは、次のように定
義される。
【0023】酸化ビスマス粉の粒子の走査電子顕微鏡写
真の観察において、1個の粒子のうち1つの平面として
観察される最大面積を占める面を最大面とする。また、
此の最大面とほぼ対向するであろう、最大面とほぼ同程
度の面積を有するであろう面を対向面とする。これらの
最大面と対向面の距離を、厚みとする。この厚みは、最
大面と対向面の周囲を接続する端面の厚み方向の長さか
ら読みとる。
【0024】この最大面の端から端までのうち最大の長
さを長軸径aとし、同様に長軸径aに直交する最大の長
さを短軸径bとし、また厚みをcとすると、本発明の板
状酸化ビスマス粉は上記a、b、cが次の条件を満たす
粒子群からなる粉末であると定義することができる。
【0025】 1≦a/b≦2 20≦a/c 10≦b/c さらに、本発明の酸化ビスマス粉の好ましいものは上記
で定義した、長軸径a、短軸径b、厚みcが、次のよう
な条件を満たすものであると言うことができる。
【0026】 a≦10μm b≦10μm c≦0.5μm このような定義に当てはまる板状の粒子形状を有する酸
化ビスマス粉は本発明方法では容易に製造できるが、従
来公知の他の方法によっては容易に製造できない。
【0027】酸化ビスマス粉の粒径は、平均粒径で0.
1〜10μmが好ましい。すなわち最近のセラミックス
粉等は、微細化傾向にあり、そのほとんどが10μm以
下であるため、同程度または同程度以下の粒径の酸化ビ
スマスであれば、セラミックス粉等と均一に混合する。
しかし、0.1μm以下のあまり微細な粉は、凝集した
り、作業中に飛散しやすいため好ましくない。酸化ビス
マス粉の粒径は、より好ましくは、平均粒径2〜5μm
がよい。
【0028】さらに、上記好ましい平均粒径に関連して
酸化ビスマス粉の好ましい比表面積は2〜8m2 /g、
また酸化ビスマス粉の好ましい嵩密度は0.6〜1.0
g/cm3 、酸化ビスマス粉の好ましいタップ密度は
0.75〜1.5g/cm3 である。
【0029】酸化ビスマス粉中不純物の含有量は、用い
る用途により、特定の量以下となることが必要である。
すなわち、酸化ビスマス粉中のナトリウム等のアルカリ
金属は、酸化ビスマス粉を電子部品等の材料に使用する
際、電子部品の特性に不具合を生じさせることがある。
そのため、酸化ビスマス中のこれらのアルカリ金属の含
有量は、不具合が生じない程度に低いほうが好ましく、
例えば、ナトリウム含有量はNa2 O換算で0.025
重量%以下が好ましい。
【0030】酸化ビスマス粉の加熱減量(Ig.los
s)は6重量%以下が好ましい。
【0031】酸化ビスマス粉にはNO3 -やOH- などの
イオンが残留すると考えられる。これらのイオンは、湿
式混合時に適度な分散効果を示すと考えられるため、用
途特性上問題にならないときは、これらのイオンが含ま
れているほうが好ましい場合もある。
【0032】加熱減量が6重量%以下では残留している
NO3 -やOH- などのイオンが、湿式混合時に適度な分
散効果を示すが、加熱減量が6重量%を越えると残留し
ているNO3 -やOH- などのイオンが多くなるため、こ
れらのイオンが多いと電子部品等の材料の特性上好まし
くない。そこで、NO3-やOH- についてはその用途に
より沈殿の洗浄度合を適宜選定し所定のイオン量とする
ように調整する。
【0033】得られた酸化ビスマス粉を使用し、バリス
タ組成物を作製した。すなわち、バリスタの標準組成、
例えば、mol%で、ZnO 98.0、Bi23
0.5、Sb23 0.5、MnO2 0.5、Co
O 0.5を湿式で混合し、この混合物を乾燥、成形、
焼成し、ペレット状のバリスタ組成物を得る。このバリ
スタ組成物のα値(電圧非直線指数)を測定する。この
α値が1より大きく、値が大きいバリスタほど、そのバ
リスタの特性は良好となる。
【0034】得られた酸化ビスマス粉を使用したバリス
タ組成物の特性は良好なものである。
【0035】これらの良好な酸化ビスマス粉は、針状や
塊状の粒径の大きい粉末が黄色の粉末であるのに対し、
赤みがかった白色を呈する。すなわち粉末の形状や粒度
により光の反射度合いが変わるためであると考えられる
ことから、本発明の粉末の好ましいものを規定するため
色の測定を行ったところ、明度指数L*が85〜95、
色質指数のa*が0〜5、b*が10〜20の範囲の色
であることがわかった。すなわち、明度指数L*および
色質指数のa*、b*が上記の範囲にあるものは本発明
の酸化ビスマスであると判定することができる。
【0036】さらに、得られた酸化ビスマス粉を使用し
電池用亜鉛粉を作製したところ良好な特性を示した。
【0037】
【実施例1】Bi濃度を150g/lに調整した硝酸ビ
スマス水溶液1lを撹拌する。そこに水酸化ナトリウム
の24重量%水溶液を滴下した。反応溶液の温度は反応
熱で上昇する。そこで45℃を越えないように水酸化ナ
トリウム水溶液の添加速度を調整し、反応溶液の温度を
45℃に保った。水酸化ナトリウム水溶液は、反応溶液
のpHが10.5になるまで、Bi1当量に対して水酸
化ナトリウム約3当量分を40分かけて添加した。これ
を最終pHとする。最終pHに達した時点で30%過酸
化水素水を1.2ml添加し、反応を終了させた。
【0038】得られた沈殿を洗浄、濾過し、150℃で
12時間乾燥し、酸化ビスマス粉を得た。
【0039】得られた酸化ビスマス粉について、倍率5
000倍の走査電子顕微鏡(SEM)写真を撮影した。
このSEM写真の観察により、酸化ビスマス粉は板状晶
であった。
【0040】得られた酸化ビスマス粉について、平均粒
径を測定した。この測定は、レーザー回折・散乱法で行
い、50%累積粒径(D50)を平均粒径とした。測定に
は島津製作所製SALD−1100を使用し、試料を
0.2%ヘキサメタリン酸ソーダ水溶液中に超音波分散
(30秒間)させて測定した。測定の結果、酸化ビスマ
スの平均粒径(D50)は3.0μmであった。
【0041】得られた酸化ビスマス粉について、日本電
色工業製Z−300A色差計を用いて色を測定した。測
定は粉末反応法により、標準サンプルはL* 97.3
9、a* −0.13、b* 0.36のものを用い
た。測定した結果、L* 91.47、a* 0.4
0、b* 15.27であった。
【0042】得られた酸化ビスマス粉について、加熱減
量を測定した。加熱は700℃で2時間行った。加熱減
量は100×(加熱前の重量−加熱後の重量)/加熱前
の重量%で算出した。得られた酸化ビスマスの加熱減量
は3.6%であった。
【0043】得られた酸化ビスマス粉について、比表面
積を測定した。この測定は、BET(1点法)で行っ
た。測定には湯浅アイオニクス製のMONOSORBを
使用した。測定の結果、酸化ビスマスの比表面積は7.
0m2 /gであった。
【0044】得られた酸化ビスマス粉について、嵩密度
を測定した。この測定は、JISK5101により測定
した。測定の結果、酸化ビスマスの嵩密度は0.67g
/cm3 であった。
【0045】得られた酸化ビスマス粉について、タップ
密度を測定した。測定の結果、酸化ビスマスのタップ密
度は0.92g/cm3 であった。
【0046】得られた酸化ビスマス粉について、不純物
元素の含有量の分析を行った。
【0047】得られた酸化ビスマス中のナトリウムの含
有量は、原子吸光法により、Na2O換算で0.015
重量%となった。
【0048】
【実施例2】実施例1で得られた酸化ビスマス粉を使用
し、バリスタ組成物を作製した。
【0049】すなわちmol%で、、ZnO 98.
0、Bi23 0.5、Sb230.5、MnO2
0.5、CoO 0.5を湿式で混合した。この混合
物を乾燥、成形、焼成し、ペレット状のバリスタ組成物
を得た。このバリスタ組成物のα値(電圧非直線指数)
を測定した。測定したα値を表1に示した。また、実施
例1で測定した酸化ビスマス粉の測定データも合わせて
表1に示した。
【0050】表1に示すように、得られた酸化ビスマス
粉を使用したバリスタ組成物の特性は良好なものであっ
た。
【0051】
【実施例3】最終pHを11.0に変更した以外は実施
例1と同様の条件で酸化ビスマス粉を作製した。得られ
た酸化ビスマス粉について、実施例1と同様SEM写真
を撮影し、また得られた酸化ビスマス粉についても、実
施例2と同様にバリスタ特性を測定した。
【0052】
【実施例4】最終pHを12.0に変更した以外は実施
例1と同様の条件で酸化ビスマス粉を作製した。得られ
た酸化ビスマス粉について、実施例1と同様SEM写真
を撮影し、また得られた酸化ビスマス粉についても、実
施例2と同様にバリスタ特性を測定した。
【0053】
【比較例1】最終pHを13.0に変更した以外は実施
例1と同様の条件で酸化ビスマス粉を作製した。得られ
た酸化ビスマス粉について、実施例1と同様SEM写真
を撮影し、また得られた酸化ビスマス粉についても、実
施例2と同様にバリスタ特性を測定した。測定したα値
を表1に示した。
【0054】
【表1】
【0055】
【実施例5】Bi1当量に対して水酸化ナトリウム約3
当量分を12分かけて添加した以外は、最終pHを1
0.5および他の条件を実施例1と同様にして酸化ビス
マス粉を作製し、得られた酸化ビスマス粉についてSE
M写真を撮影し、実施例2と同様にバリスタ特性を測定
した。結果を表2に示す。色はL* 91.47、a*
1.73、b* 14.56であった。
【0056】この板状晶について、SEM写真の観察に
より、実施の形態で定義した長軸径a、短軸径b、厚み
cを決定した。各値は、SEM写真から任意に10個の
粒子を選択し、各粒子のa、b、cを測定し、その平均
値とした。長軸径a 6.23±3.93μm、短軸径
b 3.65±2.51μm、厚みc 0.31±0.
12μmであった。測定したSEM写真を図4に示す。
【0057】
【比較例2】最終pHを12.5とし、過酸化水素水を
使用しなかった以外は実施例5と同様にして酸化ビスマ
ス粉を作製し、得られた酸化ビスマス粉についてSEM
写真を撮影し、実施例2と同様にバリスタ特性を測定し
た。結果を表2に示す。色はL* 95.05、a*
−4.52、b* 24.95であった。測定したSE
M写真を図5に示す。
【0058】
【表2】
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、従来の方法では酸
化ビスマスの形状が針状、塊状または粒状のものしか得
られず、得られた酸化ビスマス粉の平均粒径も10μm
以上のものが大部分であったため、他の材料と十分均一
に混合できなかったのに対し、本発明の方法では、硝酸
ビスマス溶液と水酸化アルカリ水溶液をpH、温度の調
整下において、反応させ、さらに過酸化水素水を添加し
た後、沈殿を採取するので、酸化ビスマス粉の形状が板
状であって、他の材料と十分均一に混合できる粒径、比
表面積、嵩密度その他の粉体特性を有していて、混合前
の特別な粉砕処理や長時間の混合処理を必要とせず、例
えば得られた酸化ビスマス粉を使用してバリスタ組成物
を作製したところ、この組成物のα値が高くバリスタ特
性が良好であった。また、得られた酸化ビスマス粉を使
用し電池用亜鉛粉を作製したところ良好な特性を示し
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例と比較例で作製された酸化ビスマス粉の
各サンプルにおける比表面積、平均粒径を示すグラフで
ある。
【図2】実施例と比較例で作製された酸化ビスマス粉の
各サンプルにおける嵩密度、タップ密度を示すグラフで
ある。
【図3】実施例と比較例で作製された酸化ビスマス粉の
各サンプルを用いてバリスタ組成物にした際のα値を示
すグラフである。
【図4】実施例5で作製された酸化ビスマス粉のSEM
写真である。
【図5】比較例2で作製された酸化ビスマス粉のSEM
写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 理子 東京都千代田区丸の内1丁目8番2号 同 和鉱業株式会社内 (72)発明者 内野 重利 東京都千代田区丸の内1丁目8番2号 同 和ハイテック株式会社内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶粒子の形状が板状であることを特徴
    とする酸化ビスマス粉。
  2. 【請求項2】 前記板状形状酸化ビスマス結晶粒子の長
    軸径a、短軸径b、厚みcが相互に次式 1≦a/b≦2、 20≦a/c、 10≦b/c を満たす関係を有していることを特徴とする請求項1に
    記載の酸化ビスマス粉。
  3. 【請求項3】 前記板状形状粒子の長軸径aが10μm
    以下、短軸径bが10μm以下、厚みcが0.5μm以
    下であることを特徴とする請求項1または2のいずれか
    に記載の酸化ビスマス粉。
  4. 【請求項4】 平均粒径が0.1〜10μmであること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の酸化ビス
    マス粉。
  5. 【請求項5】 明度指数L*が85〜95、色質指数の
    a*が0〜5、b*が10〜20で表示される色を有し
    ている粉末であることを特徴とする請求項1〜4のいず
    れかに記載の酸化ビスマス粉。
  6. 【請求項6】 加熱減量が6重量%以下であることを特
    徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の酸化ビスマス
    粉。
  7. 【請求項7】 比表面積が2〜8m2 /gであることを
    特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の酸化ビスマ
    ス粉。
  8. 【請求項8】 嵩密度が0.6〜1.0g/cm3 であ
    ることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の酸
    化ビスマス粉。
  9. 【請求項9】 タップ密度が0.75〜1.5g/cm
    3 であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記
    載の酸化ビスマス粉。
  10. 【請求項10】 ナトリウム含有量がNa2 O換算で
    0.025重量%以下であることを特徴とする請求項1
    〜9のいずれかに記載の酸化ビスマス粉。
  11. 【請求項11】 硝酸ビスマス水溶液と水酸化アルカリ
    水溶液を反応させ、さらに過酸化水素水を添加した後、
    得られた沈殿を、洗浄、脱水、乾燥することを特徴とす
    る請求項1〜10のいずれかに記載の酸化ビスマス粉の
    製造方法。
  12. 【請求項12】 前記反応時の反応溶液の最終pHを1
    0.5〜12.5に調整することを特徴とする請求項1
    1記載の酸化ビスマス粉の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記反応時の反応溶液の温度が40〜
    60℃であることを特徴とする請求項11または12の
    いずれかに記載の酸化ビスマス粉の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記硝酸ビスマス水溶液の硝酸ビスマ
    スの濃度がBi換算で100〜250g/lであること
    を特徴とする請求項11〜13のいずれかに記載の酸化
    ビスマス粉の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記水酸化アルカリ水溶液が水酸化ナ
    トリウム水溶液であることを特徴とする請求項11〜1
    4のいずれかに記載の酸化ビスマス粉の製造方法。
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