JPH1114991A - 液晶素子 - Google Patents

液晶素子

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JPH1114991A
JPH1114991A JP16468697A JP16468697A JPH1114991A JP H1114991 A JPH1114991 A JP H1114991A JP 16468697 A JP16468697 A JP 16468697A JP 16468697 A JP16468697 A JP 16468697A JP H1114991 A JPH1114991 A JP H1114991A
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JP
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liquid crystal
film
substrate
surface potential
uniaxial
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Application number
JP16468697A
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English (en)
Inventor
Ihachirou Gofuku
伊八郎 五福
Makoto Kojima
誠 小嶋
Etsuro Kishi
悦朗 貴志
Shuzo Kaneko
修三 金子
Katsutoshi Nakamura
勝利 中村
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】反電場効果の影響や画素間のクロストークを防
止する。 【解決手段】一方の基板2には、液晶分子に対して一軸
配向特性を有する配向制御膜10を形成し、他方の基板
3には、液晶分子に対して非一軸配向特性を有する膜7
を形成する。この膜7は、その膜厚方向にほとんど結晶
粒界を有さないと共にその膜面方向に複数の結晶粒界を
有する多結晶構造とする。これにより、膜7の膜厚方向
の体積抵抗率は低く、膜面方向の体積抵抗率は高くな
る。これらの体積抵抗率を所定範囲に設定することによ
り、反電場効果の影響や画素間のクロストークを防止で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶を用いた光学変
調素子に関し、コンピュータの端末ディスプレイ、ワー
ドプロセッサ、タイプライター、テレビ受像機、ビデオ
カメラのビューファインダー、プロジェクタのライトバ
ルブ、液晶プリンターのライトバルブ等に用いられる液
晶素子であって、特に、自発分極の作用を利用して駆動
する強誘電性液晶や反強誘電性液晶等のカイラルスメク
チック相を呈する液晶を用いて良好な表示特性を示す液
晶素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、種々の情報を表示するディス
プレイとしてCRTが知られているが、このCRTは、
動画出力を行うTVやVTRに、あるいはパソコンのモ
ニター等に広く用いられている。
【0003】しかしながら、このCRTは、その特性上
静止画像に対しては、フリッカや解像度不足による走査
縞などが視認性を低下させたり、焼きつきによる蛍光灯
の劣化が起ったりするという問題がある。また、最近で
は、CRTの発生する電磁波が人体に悪影響を与え、V
DT作業者の健康を害する恐れのあることが分かってい
る。さらに、このCRTは、その構造上、画面後方にス
ペースを必要とするため、オフィスや家庭の省スペース
化を阻害している。
【0004】このようなCRTの欠点を解決するディス
プレイとして液晶素子がある。そして、この液晶素子の
一つとしてツイステッド・ネマチック(twisted
nematic;TN)液晶を用いたものが知られて
おり、それは、エム・シャット(M.Schadt)と
ダブリュー・ヘルフリッヒ(W.Helfrich)著
の“アプライド・フィジックス・レターズ(Appli
ed PhysicsLetters)、第18巻、第
4号(1971年2月15日発行)、第127頁〜12
8頁”において示されている。
【0005】このTN液晶を用いた液晶素子の1つとし
て、コスト面で優位性を持つ単純マトリクスタイプのも
のがあるが、このタイプの液晶素子は、画素密度を高く
したものにあっては時分割駆動時にクロストークを発生
するため、画素密度が制限されていた。
【0006】近年、このような単純マトリクスタイプの
ものに対して、TFTといわれる液晶素子の開発が行わ
れている。このTFTは、一つ一つの画素にトランジス
タを作成するため、クロストークや応答速度の問題は解
決される反面、大面積になればなるほど不良画素が発生
し易くなって歩留りが低下するという問題がある。
【0007】近年、強誘電性液晶分子の屈折率異方性を
利用して偏光素子との組み合わせにより透過光線を制御
する型の表示素子が、クラーク(Clark)およびラ
ガーウオル(Lagerwall)により提案されてい
る(特開昭56−107216号公報、米国特許第43
67924号明細書等)。この強誘電性液晶は、一般に
特定の温度域において、カイラルスメクチックC相(S
mC*)またはH相(SmH*)を有し、この状態にお
いて、加えられる電界に応答して第1の光学的安定状態
と第2の光学的安定状態のいずれかを取り、かつ電界の
印加のないときはその状態を維持する性質(すなわち、
双安定性メモリー性)を有し、その上、自発分極により
反転スイッチングを行うため、非常に速い応答速度を示
す。更に視覚特性も優れていることから、特に、高速、
高精細、大画面の表示素子あるいはライトバルブとして
適していると考えられる。
【0008】また、同様に液晶分子の屈折率異方性と自
発分極を利用して表示素子を構成する技術として、反強
誘電性を示す液晶が知られている。この反強誘電性液晶
は、一般に特定の温度域において、カイラルスメクチッ
クCA相(SmCA*)を有し、この状態において無電
界時には平均的な光学安定状態はスメクチック層法線方
向になるが、電界印加によって平均的な光学安定状態が
層法線方向から傾く性質を有する。その上、反強誘電性
液晶の場合も自発分極と電界のカップリングによるスイ
ッチングを行うため、非常に速い応答速度を示し、高速
の表示素子、あるいはライトバルブとして期待されてい
る。
【0009】ところで、このような強誘電性液晶もしく
は反強誘電性液晶を用いた液晶素子においてコントラス
トを良好に保つには、欠陥のない配向状態を得ることが
必要である。そして、液晶配向状態を良好にするための
液晶素子としては、一対の基板を所定距離離間した位置
に配置して、それらの間に液晶を挟持すると共に、一方
の基板には、液晶分子に対して一軸配向特性を有するよ
うな配向制御膜を形成し、他方の基板には、液晶分子に
対して非一軸配向特性を有するような特性や種類等の異
なる配向制御膜を形成したものが、特開昭61−209
30号公報他に開示されている。この液晶素子によれ
ば、液晶の配向を一軸配向処理された基板側から高秩序
に制御することができ、良好な液晶配向状態を得やす
い。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
液晶素子においては、見かけ上、配向状態は良好である
ものの、スイッチングに非対称な特性が出たり、また
は、強誘電性液晶の良好な双安定性が阻害されることが
あり、いわゆるスイッチングのメモリ性が低減される場
合があった。
【0011】特にスイッチング特性の対称性は、駆動マ
ージンを広げる為にも重要であり、しかも長時間の駆動
が続いてもスイッチング特性の対称性を保たなくてはな
らない。
【0012】この他、特に強誘電性液晶あるいは反強誘
電性液晶を用いた液晶素子では、特に中間調表示を行う
上で、液晶自身が有する自発分極により誘起される反電
場効果が重大な問題となっている。即ち、自発分極に対
応して偏在する内部イオンが電界を形成すると考えられ
る原因により所望の中間調を不安定にし、また、外部か
ら与える印加電圧に対して光学応答においてヒステリシ
スを生ずる場合がある。これは、「黒状態」または「白
状態」を表示している際の液晶分子の自発分極の向きに
対してそれぞれ、各々の状態を安定化させる向きにイオ
ンの偏在が起き、この偏在の極性の違いにより、短い間
のリセット(「黒消去」)後に与える電圧Vwを等しく
印加した場合に於ても、前状態(「白」か「黒」)で液
晶部分に印加される電圧が異なるために起こると考えら
れている。
【0013】上記のような反電場効果による極端に不都
合な現象としては、例えば「黒状態」をリセット方向と
して、「白状態」を書き込もうとしても、所望の電圧レ
ベルにおいては、「白状態」がラッチできないものとな
り、「黒状態」に振り戻されしまうといういわゆるスイ
ッチング不良が起きてしまう。この現象は特に中間調を
画素レベルでは必要としない液晶素子においても致命的
な欠陥となってしまう。
【0014】上記のような反電場効果への対策として、
例えば特開昭63−121020号公報などにおいて、
強誘電性液晶素子を構成する配向制御膜を低インピーダ
ンス化すること、いわゆる反電場によるスイッチング不
良に対処する方法が開示されている。また、特開平2−
153321号公報においては、配向制御膜を低インピ
ーダンス化するための有機導電性膜の例が多種類にわた
り開示されている。更に特開昭64−49023号公報
においては、低インピーダンス化したショート防止のパ
ッシベーションに薄膜の配向層を形成することが開示さ
れているが、充分な解決がなされていないのが現状であ
る。
【0015】このように、カイラルスメクチック液晶を
用いた液晶素子の電気光学特性は、配向状態の制御や自
発分極Psに起因して発生する反電場に関して、また前
放置状態に起因して生じる閾値変化、光学応答不安定な
どについて、改善すべき課題を抱えており、この点にお
いては反強誘電性液晶素子も同様の問題がある。
【0016】そこで、本発明は、良好な配向状態を呈す
る液晶素子を提供することを目的とするものである。
【0017】また、本発明は、反電場効果の影響や画素
間のクロストークを充分に防止できる液晶素子を提供す
ることを目的とするものである。
【0018】さらに、本発明は、スイッチング閾値の非
対称特性を抑制することができる液晶素子を提供するこ
とを目的とするものである。
【0019】またさらに、本発明は、製造コストが低減
される液晶素子を提供することを目的とするものであ
る。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述事情に鑑
みなされたものであって、所定距離離間して配置される
一対の基板と、これら一対の基板の間に挟持される液晶
と、を備え、かつ、少なくとも一方の基板が液晶分子に
対して一軸配向特性を有する液晶素子において、一対の
基板の少なくとも一方に、その膜厚方向にほとんど結晶
粒界を有さないと共にその膜面方向に複数の結晶粒界を
有する多結晶構造とした膜を有する、ことを特徴とす
る。
【0021】本発明は、特に好ましくは、一方の基板が
液晶分子に対して一軸配向特性を有し、対向する他方の
基板が液晶分子に対して非一軸配向特性を有するもので
あり、少なくとも該非一軸配向特性を有する基板に、上
述したその膜厚方向にほとんど結晶粒界を有さないと共
にその膜面方向に複数の結晶粒界を有する多結晶構造と
した膜を設ける、ことを特徴とする。
【0022】この場合、前記多結晶構造の膜を導電性制
御不純物が添加された多結晶金属酸化物又は多結晶半導
体によって形成すると好ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図1乃至図6を参照して、
本発明の実施の形態について説明する。
【0024】図1は、本発明に係る液晶素子の好適な一
実施の形態を示す断面図である。同図に示す液晶素子1
は、所定距離離間して配置される一対の基板としての透
光性基材2,3を備えており、これらの透光性基材2,
3の間には液晶5が挟持されている。そして、一方の透
光性基材2は、液晶分子に対して一軸配向特性を有して
おり、他方の透光性基材3は、液晶分子に対して非一軸
配向特性を有している(以下、液晶分子に対して一軸配
向特性を有する側の透光性基材2を“一軸配向側基板
2”とし、液晶分子に対して非一軸配向特性を有する側
の透光性基材3を“非一軸配向側基板3”とする。ま
た、このように一軸配向側基板2と非一軸配向側基板3
とを有する構成を“非対称構成”とする)。本実施の形
態によれば、液晶素子を非対称構成にすると共に適正な
液晶材料(詳細は後述)を用いることにより、均一な配
向状態を実現している。
【0025】なお、本明細書における“一軸配向特性”
とは、液晶分子の一軸配向状態(例えば一軸水平配向状
態)を意味する。
【0026】ところで、この実施の形態においては、非
一軸配向側基板3の表面には、電極6と膜7とが形成さ
れており、膜7は、例えば液晶分子に対して非一軸配向
特性を有し(すなわち、液晶分子に対して一軸配向特性
を有さない)、非一軸配向膜として機能する。この膜7
は、その成膜条件の設定により、その膜厚方向に全く
(或は、ほとんど)結晶粒界を有さないと共にその膜面
方向に多数の結晶粒界を有する多結晶構造とする。この
ように、膜7は、その膜厚方向に結晶粒界が全く存在し
ない(或は、ほとんど存在しない)ように構成してお
り、該膜厚方向の抵抗(体積抵抗)が低く抑えられてい
る。また、膜7が、その膜面方向に多数の結晶粒界を有
する構造であるため、該膜面方向における抵抗(体積抵
抗)が高くできる。つまり、本実施の形態における膜7
は、膜厚方向と膜面方向で抵抗率異方性を示すこととな
る。
【0027】ここで、膜厚方向の抵抗が低くなる理由を
多結晶構造モデルで有名な「SETO モデル」を用い
て説明すると、「電流を担うキャリア(電子やホール)
の走行は、多結晶材料内では結晶粒界で作られるポテン
シャルバリアによって著しく阻害される」が、本実施の
形態のように膜厚方向に結晶粒界面が存在しなければ、
該膜厚方向に走行するキャリアは結晶粒界を通過せず、
結晶的な特性のみが現れるために抵抗が低くなるからで
ある。
【0028】なお、この非一軸配向側基板における膜7
としては、好ましくは多結晶金属酸化物又は多結晶半導
体によって形成されており、特に、導電性制御不純物が
添加された多結晶金属酸化物又は多結晶半導体によって
形成して、その導電性制御不純物によって導電性を制御
するようにする。
【0029】ここで、多結晶金属酸化膜としては、Zn
O、CdO、ZnCdOxの12族(IUPAC無機化
学命名法による族番号。以下同じ。)酸化膜、GeO
2 、SnO2 、GeSnOx、TiO2 、ZrO2 、T
iZrOxの4、14族酸化膜、等が好ましい。また、
多結晶半導体膜としては、Si、SiCの14族半導体
が好ましい。さらに、導電性制御不純物としては、例え
ば12族酸化物に対しn型不純物(ドナー:電子伝導を
高める不純物)として13族元素であるB、Al、G
a、Inが、p型不純物(アクセプター:ホール伝導を
高める不純物)として1、11族元素であるCu、A
g、Au、Liが用いられる。また、4、14族酸化物
ないしは半導体に対してn型不純物として15族元素で
あるP、As、Sb、Biが、p型不純物として13族
元素であるB、Al、Ga、Inが用いられる。このよ
うに膜7に導電性制御不純物を添加することで、表面電
位(後述するように、一軸配向側基板2や非一軸配向側
基板3の表面で検出される表面電位)の微細な制御が可
能となり、両表面電位の差(一軸配向側基板2の表面で
検出される表面電位と、非一軸配向側基板3の表面で検
出される表面電位との差)の絶対値を小さな値(100
mV以下、好ましくは50mV)に設定し易くなる。な
お、一軸配向側基板2の表面電位が正の場合にはドナー
を添加し、負の場合にはアクセプターを添加する。ま
た、不純物の添加濃度は、材料の種類及びその結晶化状
態(結晶欠陥密度の多寡)によって異なるが、おおよそ
の目安は材料中の自由電子ないしは自由正孔の濃度が1
11〜1014/cm3 程度となるように設定すれば良
い。多結晶材料を用いる場合、不純物の添加効率も考慮
して、好ましくは、1017〜1020/cm3 (母体の材
料に対して0.01%〜1%程度)が実際の添加量とな
る。不純物添加量に対する表面電位の変化量は、1桁増
やすにともない約50mVに相当する。
【0030】ところで、膜7における膜厚方向の抵抗
(体積抵抗)は104 〜108 Ωcm、特に104 〜1
7 Ωcmの範囲が好ましい。これにより、抵抗*容量
積で与えられる遅延時定数を小さくでき、高Psを有す
るカイラルスメクチック液晶に因る反電場効果の影響を
防止できる。また、膜7における膜面方向の抵抗(体積
抵抗)は106 〜109 Ωcmの範囲が好ましい。これ
により、画素間のクロストークを充分に防止できる。な
お、膜7の抵抗(体積抵抗)は、その材料を選択するこ
とにより調整すれば良い。
【0031】ところで、一軸配向側基板2は、上述のよ
うに、液晶分子に対して一軸配向特性を有しているが、
この一軸配向側基板2の表面に電極9を形成すると共
に、この電極9の表面に、液晶分子に対して一軸配向特
性を有する一軸配向膜(以下、“配向制御膜”とする)
10を形成するようにすると好ましい。この配向制御膜
10は、所定の処理(例えば、ラビング処理)を施すこ
とによって一軸配向特性を発現するものでも、そのよう
な処理を施さなくとも一軸配向特性を有しているもので
も良い。
【0032】所定の処理を施すことによって一軸配向特
性を発現するものの具体例としては、単独に用いても一
軸配向特性を示す配向膜となり得る高分子材料、好まし
くは有機高分子材料2種以上を混合して用いれば良い。
かかる配向制御膜10としては、有機高分子膜を一軸配
向処理したものが好適であり、有機高分子膜としては、
ポリイミド、ナイロン、ポリビニルアルコール等が挙げ
られる。
【0033】一軸配向特性を有する配向制御膜10とし
て、特に好ましくは下記一般式[P]で表される構造単
位を有するものが用いられる。
【0034】
【化1】 また、これらのポリイミドの具体的構造としては、たと
えば以下の繰り返し単位構造が挙げられる。
【0035】
【化2】
【0036】
【化3】 本発明では、好ましくは、用いる液晶材料の配向特性に
応じて、配向制御膜として一方の基板において上述した
ようなポリイミド等の有機材料からなる膜で一軸配向処
理したものを用い、他方の基板において、上述した酸化
物超微粒子等が母材中に分散されてなる膜(塗布膜)を
夫々用いることができる。
【0037】一方、電極6及び電極9の材料としては、
酸化錫や酸化インジウムの他、ITO(インジウム テ
ィン オキサイド)などの透明導電体が好ましく、また
透光性が要求されない素子を構成する場合では、Cr、
Al、Taなどの金属を用いれば良い。
【0038】次に、本発明で用いる液晶組成物について
説明する。
【0039】本発明に用いる液晶5としては、カイラル
スメクチック相を呈する液晶、特に強誘電性を示す液晶
もしくは反強誘電性を示す液晶など、自発分極の作用を
駆動に応用した液晶が好適であるが、ネマティック液晶
などを用いても良い。
【0040】例えば、カイラルスメクチック相を呈する
液晶(強誘電性を示す液晶もしくは反強誘電性を示す液
晶)としては、相転移系列として、高温側から低温側に
向かって等方相→SmA→SmC*→結晶相となる材料
であって、自発分極が30nC/cm2 (約30℃の温
度中)でチルト角が約24度のものが好ましい。
【0041】また、本発明の液晶素子において、表示の
際の輝度を向上すべく、液晶がSmC*相をとる際、そ
のスメクチック層が基板に対して垂直に並列するといっ
たブックシェルフ構造、或いは垂直に近いスメクチック
層傾きの構造をとる液晶材料を用いることが好ましい。
かかるスメクチック層構造をとる液晶材料として、例え
ば、中心核にフルオロカーボン末端部分及びハイドロカ
ーボン末端部分が結合した構造であって、スメクチック
相あるいは潜在的スメクチック相を示すフッ素含有液晶
性化合物を含有する組成物が挙げられる。かかるフッ素
含有化合物については、具体的には米国特許5,08
2,587号、米国特許5,262,082号、国際公
開WO93/22936号等に記載のフッ素含有化合物
を用いることができる。
【0042】更に具体的には、当核フッ素含有化合物で
あって、例えば上述したような降温下で等方相→SmA
→SmC*→結晶相といった相転移を示す(特にコレス
テリック相を呈さない)液晶材料が使用され得る。
【0043】尚、本実施の形態によれば、液晶素子を、
一方の基板2の片側のみを一軸配向処理した非対称構成
としているため、液晶(特に強誘電性あるいは反強誘電
性液晶)の特にSmAでの温度領域における配向が、一
方の基板2における一軸配向処理が施された表面からの
一軸分子成長として行われ、SmC*相において良好な
配向状態を得ることができる。特に、上述したコレステ
リック相を呈さない液晶を用いた場合には、降温下でI
(等方相)→SmAの相転移の際に良好に配向制御を行
うことにより、均一な配向状態を実現できる。
【0044】前記フッ素含有液晶化合物としては、フル
オロカーボン末端部分が、−D1−Cxa2xa−Xで表わ
される基、(但し、上記式中xaは1〜20であり、X
は−H又は−Fを表わし、D1は、−CO−O−(C
2ra−、−O−(CH2ra−、−(CH2ra−、
−O−SO2−、−SO2−、−SO2−(CH2ra−、
−O−(CH2ra−O−(CH2rb−、−(CH2
ra−N(Cpa2pa+1)−SO2−、又は−(CH2ra
−N(Cpa2pa+1)−CO−を表わす。ra及びrb
は、独立に1〜20であり、paは0〜4である。)、
或いは、−D2−(Cxb2xb−O)za−Cya2ya+1
表わされる基、(但し、上記式中xbはそれぞれの(C
xb2xb−O)に独立に1〜10であり、yaは、1〜
10であり、zaは1〜10であり、D2は、−CO−
O−Crc2rc、−O−Crc2rc−、−Crc2rc−、
−O−(Csa2sa−O)ta−Crd2rd−、−O−SO
2−、−SO2−、−SO2−Crc2rc−、−Crc2rc
−N(Cpb2pb+1)−SO2−、−Crc2rc−N(C
pb2pb+1)−CO−、単結合から選ばれ、rc及びr
dはそれぞれ独立に1〜20であり、saはそれぞれの
(Csa2sa−O)に独立に1〜10であり、taは1
〜6であり、pbは0〜4である。)であるような化合
物を用いることができる。
【0045】特に好ましくは、下記一般式(I)、或い
は(II)で表わされるフッ素含有液晶化合物を用いる
ことができる。
【0046】
【化4】 を表わす。
【0047】ga、ha、iaは独立に0〜3の整数
(但し、ga+ha+iaは少なくとも2である)を表
わす。
【0048】夫々のL1とL2は独立に、単結合、−CO
−O−、−O−CO−、−COS−、−S−CO−、−
CO−Se−、−Se−CO−、−CO−Te−、−T
e−CO−、−CH2CH2−、−CH=CH−、−C≡
C−、−CH=N−、−N=CH−、−CH2−O−、
−O−CH2−、−CO−又は−O−を表わす。
【0049】夫々のX1、Y1、Z1はA1、A2、A3の置
換基であり、独立に−H、−Cl、−F、−Br、−
I、−OH、−OCH3、−CH3、−CN、又は−NO
2を表わし、夫々のja、ma、naは独立に0〜4の
整数を表わす。
【0050】J1は、−CO−O−(CH2ra−、−O
−(CH2ra−、−(CH2ra−、−O−SO2−、
−SO2−、−SO2−(CH2ra−、−O−(CH2
ra−O−(CH2rb−、−(CH2ra−N(Cpa
2pa+1)−SO2−、又は−(CH2ra−N(Cpa
2pa+1)−CO−を表わす。ra及びrbは、独立に1
〜20であり、paは0〜4である。
【0051】R1は、−O−Cqa2qa−O−Cqb
2qb+1、−Cqa2qa−O−Cqb2qb+1、−Cqa2qa
3、−O−Cqa2qa−R3、−CO−O−Cqa2qa
3、又は−O−CO−Cqa2qa−R3を表わし、直鎖
状、分岐状のいずれであっても良い(但し、R3は、−
O−CO−Cqb2qb+1、−CO−O−Cqb2qb+1、−
H、−Cl、−F、−CF3、−NO2、−CNを表わ
し、qa及びqbは独立に1〜20である)。
【0052】R2はCxa2xa−Xを表わす(Xは−H又
は−Fを表わし、xaは1〜20の整数である)。
【0053】
【化5】 を表わす。
【0054】gb、hb、ibはそれぞれ独立に0〜3
の整数(但し、gb+hb+ibは少なくとも2であ
る)を表わす。
【0055】夫々のL3、L4は独立に、単結合、−CO
−O−、−O−CO−、−CO−S−、−S−CO−、
−CO−Se−、−Se−CO−、−CO−Te−、−
Te−CO−、−(CH2CH2ka−(kaは1〜
4)、−CH=CH−、−C≡C−、−CH=N−、−
N=CH−、−CH2−O−、−O−CH2−、−CO−
又は−O−を表わす。
【0056】夫々のX2、Y2、Z2はA4、A5、A6の置
換基であり、独立に−H、−Cl、−F、−Br、−
I、−OH、−OCH3、−CH3、−CF3、−O−C
3、−CN、又は−NO2を表わし、夫々のjb、m
b、nbはそれぞれ0〜4の整数を表わす。
【0057】J2は、−CO−O−Crc2rc−、−O−
rc2rc−、−Crc2rc−、−O−(Csa2sa
O)ta−Crd2rd−、−O−SO2−、−SO2−、−
SO2−Crc2rc−、−Crc2rc−N(Cpb2pb+1
−SO2−、−Crc2rc−N(Cpb2pb+1)−CO−
であり、rc及びrdは独立に1〜20であり、saは
それぞれの(Csa2sa−O)に独立に1〜10であ
り、taは1〜6であり、pbは0〜4である。
【0058】R4は、−O−(Cqc2qc−O)wa−Cqd
2qd+1、−(Cqc2qc−O)wa−Cqd2qd+1、−C
qc2qc−R6、−O−Cqc2qc−R6、−CO−O−C
qc2qc−R6、又は−O−CO−Cqc2qc−R6を表わ
し、直鎖状、分岐状のいずれであっても良い(但し、R
6は−O−CO−Cqd2qd+1、−CO−O−Cqd
2qd+1、−Cl、−F、−CF3、−NO2、−CN、又
は−Hを表わし、qc及びqdは独立に1〜20の整
数、waは1〜10の整数である)。
【0059】R5は、(Cxb2xb−O)za−Cya
2ya+1で表わされる(但し、上記式中xbはそれぞれの
(Cxb2xb−O)に独立に1〜10であり、yaは1
〜10であり、zaは1〜10である)。
【0060】上記一般式(I)で表わされる化合物は、
特開平2−142753号公報、米国特許第5,08
2,587号に記載の方法によって得ることができる。
かかる化合物の具体例を以下に列挙する。
【0061】
【化6】
【0062】
【化7】
【0063】
【化8】
【0064】
【化9】
【0065】
【化10】
【0066】
【化11】
【0067】
【化12】
【0068】
【化13】
【0069】
【化14】
【0070】
【化15】
【0071】
【化16】
【0072】
【化17】 上記一般式(II)で表わされる化合物は、国際公開W
O93/22396、特表平7−506368号公報に
記載の方法によって得ることができる。かかる化合物の
具体例を以下に列挙する。
【0073】
【化18】
【0074】
【化19】
【0075】
【化20】
【0076】
【化21】
【0077】
【化22】 ところで、本発明の液晶素子1においては、配向制御膜
10、膜7、及び夫々の基板2,3における他の構成要
素(例えば透明電極、ショート防止膜、その他の機能
膜)の材料の選択及び種類を調整することにより、一軸
配向側基板2の表面で検出される表面電位(正確には、
配向制御膜10に生じる表面電位)と、非一軸配向側基
板3の表面で検出される表面電位(正確には、膜7に生
じる表面電位)との差の絶対値を100mV未満、好ま
しくは50mV未満、より好ましくは30mV未満で両
表面電位を実質的に等しくしている。また、同様に、配
向制御膜10並びに膜7等の材料を調整することによ
り、両基板2,3での表面電位の極性を同極性としてい
る。
【0078】一般に、表面電位差の絶対値が大きい場合
(具体的には、100mV〜200mVの場合)には、
駆動マージンに対して影響を及ぼすスイッチングの非対
称特性が発現する傾向にあり、該絶対値が250mVを
超えるような素子では、多くの場合スイッチング不良が
発生し双安定ポテンシャルの崩れが認められるが、表面
電位差の絶対値が小さい場合(例えば、表面電位差の絶
対値が50mVより小さい場合、或いは、表面電位極性
が両基板2,3において同様であって表面電位差の絶対
値が50〜100mVである場合)には、スイッチング
閾値の非対称特性を抑制することができる。また、放置
時における液晶分子のダイポールに対する基板表面の影
響を抑制し、経時単安定化を防止することができる。特
に、両基板2,3での表面電位の差の絶対値を30mV
以下として、両表面電位を実質的に等しくした場合に
は、スイッチングの対称性が安定的に保たれる。
【0079】ここで、本明細書にて使用している“表面
電位”なる文言の意味、その表面電位の測定方法、並び
に表面電位に起因する作用について詳述する。
【0080】本明細書にて使用している“表面電位”
は、膜自身の極性による電位、下地膜間のキャリアー移
動に伴う電気二重層的電位、膜中に含まれるイオン性分
子による電位等によって膜表面に誘起されている複号的
な電位を意味する。
【0081】この表面電位の測定については、例えば、
伊東、岩本(東工大)からの報告(静電気学会誌17,
5 p352−358(1993),Journal
ofElectrostatics 33 p147−
158(1994)等)がある。この報告はポリイミド
に関するものであり、この報告において、伊東らは、
「ポリイミド膜において下地の金属膜の種類によって表
面電位が大きく変化し、その変化の方向と量が金属膜の
仕事関数と対応している点、及び表面電位がポリイミド
の膜厚によって変化しキャリアーのトンネル限界である
5nm程度で飽和する点等からポリイミド膜における表
面電位の発生原因は主に電極間とのキャリアー移動によ
る電気二重層である」と結論している。
【0082】表面電位の測定方法としては、容量性の方
式として振動容量型、セクター型、抵抗性の方式として
焦電型が知られているが、本実施の形態においては、ト
レック(株)社製の振動容量型表面電位計(320B
型)を用いて表面電位の測定を行なった。
【0083】ここで、本発明者らの実験によれば、表面
電位の測定値は表面に吸着する極性分子によって大きく
変化することが分かっている。大気雰囲気中では主に水
分子の影響を受けやすく、特に吸湿性の高い材料では、
真空雰囲気中での測定値と大気雰囲気中での測定値とが
大きく異なる場合がある。ところで、液晶素子を作成す
る場合には液晶注入を真空加熱下で行なうが、この真空
加熱によって、表面の吸着水分子が脱離され、場合によ
って液晶成分中の分子が吸着固定化されて、新たな表面
電位を発現していると考えられる。したがって、本実施
の形態においては、表面電位の測定は、素子の液晶注入
環境と同等の雰囲気下で行っている。
【0084】図2は、本実施の形態にて使用する振動容
量型の表面電位計(トレック(株)社製の振動容量型
(320B型))を示したものである。
【0085】この表面電位計20は、真空チャンバー2
1を備えており、真空排気系22によってチャンバー2
1内を真空排気すると共に、ガス導入系23によってド
ライ窒素等のガスを充填できるようになっている。
【0086】また、チャンバー21の内部には、試料を
載置するための基板試料加熱台25が配置されている
が、この基板試料加熱台25は、真空チャンバー外に設
置された温度制御装置26に接続されて試料を所定の温
度に加熱するようになっている。
【0087】さらに、符号27は、表面電位が測定され
る試料を示している。この試料27は、配向制御膜等に
使用する各種候補材料であるが、実際の液晶素子と同一
条件にするために、基板29の表面に電極30を形成す
ると共に、該電極30の表面に試料27を形成してい
る。
【0088】また、符号31は、表面電位を測定するた
めのプローブであって、このプローブ31は、プリアン
プ、振動子32、及び振動子32に取り付けたセンサー
電極33によって構成されている。そして、振動子32
は、センサー電極33を振動させることによって試料2
7−電極33間の容量を変調させるようになっており、
真空チャンバー外に設置される表面電位測定制御装置3
5に接続されている。
【0089】一方、振動子32並びにセンサー電極33
は二軸距離変位装置36に取り付けられており、この二
軸距離変位装置36によって、試料27とセンサー電極
33との間隔を0.5〜5mm程度の適当な距離に保持
すると共に、センサー電極33を試料面に沿って移動で
きるようになっている。
【0090】また一方、符号37は液晶、符号39は液
晶37を入れるための容器、符号50は液晶37を加熱
し蒸発させるための試料加熱台であって、この試料加熱
台50は、上述の基板試料加熱台25と同様に温度制御
装置26に接続されている。そして、これらによってチ
ャンバー21に液晶雰囲気を作り出し、試料面に液晶成
分分子を暴露、吸着させるようになっている。
【0091】そして、表面電位を測定する条件は、本発
明における標準液晶注入条件に従ったものとし、例え
ば、チャンバー内の真空度を10-1〜10-3Torrと
し、80〜100℃の温度まで試料を15分〜2時間加
熱し、その後室温まで冷却して測定を行った。
【0092】また、表面電位の測定に際しては、二軸距
離変位装置36によってセンサー電極33を試料面に沿
って移動させることにより、試料27によって被覆され
ずに露出されている電極部(電極露出部)の表面電位
と、試料27の表面電位とをそれぞれ測定し、測定結果
としては、後者(試料27の表面電位)から前者(電極
露出部の表面電位)を差し引いた値を用いた。
【0093】なお、本発明者によれば、表面電位は、試
料(配向制御膜や非一軸配向側の基板における膜)の材
料に応じて凡そ+500〜−500mVの範囲で大きく
異なることが明らかになった。
【0094】ところで、非対称構成の液晶素子の場合、
一軸配向側基板の表面電位と非一軸配向側基板の表面電
位との間に差があり、この表面電位の差に起因して内部
電位が生じるが、この内部電位の概念について、図3を
参照して説明する。
【0095】同図において、符号61及び62は透光性
基材であり、一方の透光性基材61には、一軸配向特性
を有する層63が形成され、他方の透光性基材62に
は、非一軸配向特性を有する層64が形成されている。
なお、これらの基材61,62は所定距離離間して配置
されているが、それらの間には液晶は配置されていな
い。この場合、両層63,64には表面電位65,66
が生じ、これに対応して内部電位67が発生する。上述
した表面電位の測定結果によれば、内部電圧の値は最大
±1Vにも達することが認められている。
【0096】この内部電圧の存在は、実効的にはセルの
上下電極(不図示)間にDCオフセット電圧が定常的に
印加されているのと同様であると考えられる。そこで、
この内部電圧のスイッチング閾値に対する影響を実験的
に検証するために、対称構成のセル(例えば、両基材に
同一材料からなる配向制御膜を形成し、該配向制御膜に
同一処理を施したものであり、表面電位差はゼロのも
の)を作成し、該セルの上下電極間にDCオフセット電
圧を重畳しスイッチング閾値の変化を測定したところ、
DCオフセット電圧±50mV〜±百数十mV程度で閾
値の変化が発生することが確認された。
【0097】ここで、両基板の表面電位差(絶対値)と
スイッチング閾値の非対称特性とについて説明する。
【0098】両基板の表面電位差(絶対値)が小さい場
合(例えば、表面電位差の絶対値が50mVより小さい
場合、或いは、表面電位極性が両基板において同様であ
って表面電位差の絶対値が50〜100mVである場
合)には、両基板表面における表面電位特性にかかわら
ずスイッチングの非対称特性が殆ど発現しない場合が多
く、この場合には、スイッチング非対称性を示すスイッ
チング閾値差の絶対値は、1.0V以下(閾値差−1.
0〜1.0V)のレベルにある。逆に、表面電位差の絶
対値が大きい場合(具体的には、100mV〜200m
Vの場合)にはスイッチングの非対称特性が発現する傾
向にある。特に、表面電位差の絶対値が250mVを超
えるような素子では、多くの場合スイッチング不良が発
生し双安定ポテンシャルの崩れが認められた。なお、表
面電位差の極性とスイッチング閾値の非対称特性の方向
はほぼ一致していた。
【0099】上述したように、本発明によれば、一軸配
向側基板2の表面で検出される表面電位と、非一軸配向
側基板3の表面で検出される表面電位との差の絶対値が
100mVよりも小さくなるようにすることで、スイッ
チング閾値の非対称特性を抑制することができる。
【0100】図4(a)〜(d)を参照して本発明にお
いて特に望ましい構成を説明する。
【0101】同図(a)に示す液晶素子は、一方の透光
性基材61に、一軸配向特性を有する層63を形成し、
他方の透光性基材62に、非一軸配向特性を有する層6
4を形成した液晶素子であって、各層63,64内に発
生する表面電位65、66が同極性であって、かつその
差に相当する内部電位67が50mV未満(絶対値)で
ある素子である。また、同図(b)に示す液晶素子は、
各層63,64内に発生する表面電位65、66が異な
る極性であって、かつ、その差に相当する内部電位67
が50mV未満(絶対値)である素子である。さらに、
同図(c)に示す液晶素子は、一方の透光性基材61と
層63との間にショート防止層等の付加膜68を設けた
素子であって、その内部電位67が50mV(絶対値)
より小さい素子である。またさらに、同図(d)に示す
液晶素子は、表面電位65、66の差の絶対値が50m
V以下となる素子である。
【0102】このように、本発明の液晶素子の構成で
は、液晶分子に対して一軸配向特性を有する層の表面
と、液晶分子に対して非一軸性配向特性を有する層の表
面との間に、適切な表面の性質の関係を保つようにする
ことが、配向後の強誘電性液晶又は反強誘電性液晶のス
イッチングに関して均等な双安定ポテンシャルを与える
ために重要である。
【0103】さらに、透光性基材61,62の液晶側界
面における特性の尺度として、カイラルスメクチック液
晶、特に強誘電性液晶または反強誘電性液晶を用いた場
合、特に強誘電性液晶の場合SmA→SmC*転移時に
その自発分極の向きが、基材側を向く傾向か(アウトワ
ード性)、あるいは液晶のバルク(液晶層中央)側を向
くか(インワード性)の性質も重要である。かかる性質
は、それぞれの基材の液晶側界面の表面電位極性に強く
相関すると認識されている。つまり、これらのアウトワ
ード性、またはインワード性を調整することにより、ス
イッチングの対称性が確保され、スイッチングの双安定
ポテンシャルを安定均等化させることが可能になる。
【0104】その結果、例えば、配向欠陥、またはスペ
ーサや他の段差(たとえば画素間段差)のような異物欠
陥部からの欠陥ドメインの発生などを抑えることがで
き、良好なメモリ特性またはマージン特性を実現するこ
とが可能になる。
【0105】次に、上述した表面電位極性について説明
する。
【0106】表面電位極性とは、一般に有機膜や無機膜
と金属との接触で発生する接触帯電や、または、膜質中
に存在するイオン等が分布する電荷として表面に電位を
発生させることが原因で見えてくるものと考えられる。
【0107】本発明においては、一軸配向側基板2の表
面で検出される表面電位極性、及び非一軸配向側基板3
の表面で検出される表面電位極性の2つの極性の大小ま
たは、方向の関係によりカイラルスメクチック液晶であ
る反強誘電性または強誘電性液晶のダイポールが影響を
受けること、更に液晶のスイッチング特性が変動するこ
とは必至である。従って、本発明の液晶素子では、この
様な表面電位極性自体の関係を適切に制御することによ
って、好ましくは、特に表面電位極性を同様にすること
で液晶の配向状態並びにスイッチング特性等を改善する
ことができる。
【0108】本発明に係る液晶素子1(図1に示す構
造)では、膜7の膜厚方向の抵抗(体積抵抗)を104
〜108 Ωcmの範囲としているが、かかる抵抗値の好
ましい範囲について詳述する。
【0109】上限値(108 Ωcm)は、表示の前状態
が電気的に解除(リセット)されるかどうかの時定数条
件により規定される。つまり、双安定性を有する強誘電
性液晶の駆動においては、通常、所望の画素状態を決定
する前においてリセット信号(一般的には『黒』状態に
そろえるための)を入力するが、マトリクス駆動した場
合に画質に影響を与えないためには、このリセット信号
は、せいぜい100μsec程度の巾以内にするのが好
ましい。このような巾内(100μsec以内)で前状
態が電気的に解除(リセット)されるためには、膜7に
おける膜厚方向の抵抗(体積抵抗)は、約108 Ωcm
以下であることが必要となる。
【0110】これを数式的に説明すると以下のようにな
る。
【0111】等価回路的時定数γは、(C1c+Ca)
*R1c*Ra/(R1c+Ra) C1c;液晶の容量、 Ca ;非一軸配向側の基板における膜(膜7)の容
量、 R1c;液晶の抵抗、 Ra ;非一軸配向側の基板における膜(膜7)の抵抗 であり、この式において、(C1c+Ca)≒Ca、R
a《R1cとすると、 γ≒CaRa=εa ε0 ρa (ρa ;非一軸配向側の基板における膜の抵抗率) となる。
【0112】ところで、時定数γは、上述のように10
0μsecより小さくなければならないから、 εa ε0 ρa <100μsec となる。
【0113】そして、液晶膜厚;2μm、非一軸配向側
の基板における膜(膜7)の厚み;1000Å、液晶誘
電率;6、非一軸配向側の基板における膜(膜7)の誘
電率εa ;10とすると、ρ<108 Ωcmであること
が概算される。
【0114】一方の下限値(104 Ωcm)は、液晶素
子をマトリクス構成とした場合において、隣接する画素
に電流が流れて電圧降下が起きることを防止する観点、
並びにライン間クロストークを防止する観点から決定さ
れたものである。
【0115】例えば、1000*1000画素のマトリ
クスを形成した場合において、使用する電極ストライプ
のシート抵抗を約1Ω/□とすれば、給電点から100
0画素目までの抵抗値は約1kΩである。実際に現在の
透明電極形成技術においては、この程度のものが得られ
る。これに対し、隣接する電極ストライプ間をストライ
プ巾の約1割とすると、隣接ストライプ電極への電流方
向としては、非一軸配向側の基板における膜(膜7)の
シート抵抗の1/10000の抵抗値となり、1000
番目画素での電圧降下率を100分の1以下に保とうと
するとストライプ電極間のシート抵抗としては106
大きい必要がある。すなわち、上記膜のシート抵抗は1
9 Ω/□程度必要であり、例えば500Å膜厚の膜抵
抗率としては、5*103 Ωcm以上であり、好ましく
は104 Ωcm以上に形成する。
【0116】次に、膜7等の膜の抵抗(体積抵抗)を測
定する手段について、図5及び図6を参照して説明す
る。
【0117】図5は、膜の膜厚方向における抵抗(体積
抵抗)を測定するための系を示した図であり、符号71
は、測定対象の膜であり、電極72と電極73との間に
電流を流して測定を行うものである。ここで、一方の電
極72は、Alからなる直径1mmφの電極であり、他
方の電極73は、ITOからなる電極である。
【0118】また、図6は、膜の膜面方向における抵抗
(体積抵抗)を測定するための系を示した図であり、符
号74は、測定対象の膜であり、電極75と電極76と
の間に電流を流して測定を行うものである。
【0119】ところで、本発明においては、膜7よりも
基板側(例えば、膜7と電極6との間)に、所定の無機
膜を設けて、さらに耐圧を増加させても良い。これによ
り、素子の耐久性を増すことができる。
【0120】このような無機膜としては、ZnO、Sn
2 、またはTaOxなどの種々のスパッタにより形成
した蒸着膜が適しており、例えば、酸素ガス、アルゴン
ガスなどのガス圧調整により、またはRFパワーの調整
により、その膜厚方向の抵抗率を104 〜108 Ωcm
に制御した1000Å〜2000Åの膜厚程度のものが
最適に使用し得る。
【0121】なお、このような無機膜を設ける場合、膜
厚方向の抵抗(体積抵抗)の上限値は、膜7と同様に、
スイッチングの前状態を解除する必要から、約108 Ω
cm程度が好ましい。
【0122】一方、下限値も上層の膜に対しても同様の
条件として、例えば導電性の異物などの混入により、液
晶部分がショート状態になったとしても、該蒸着膜の膜
厚方向に流れる電流を抑制することにより、ショート部
分またはその周辺に対して、画質上の欠陥を顕著にしな
いための条件により導出される。代表的な考え方の例と
して、セルの厚み程度の異物により、液晶部分に膜厚方
向に電気的なパスが生じた場合、前述した画素間におけ
る電圧降下率を1/100とするためには、この部分の
抵抗が給電部から画素端までの抵抗1kΩの100倍必
要である。ショート面積を2μm*2μmとし、無機膜
の厚みが1000Åであれば、ρmin *1*10-5
(2*10-42 ≧1*105 (Ω)(ρmin :抵抗の
下限値)より、ρmin ≧4*102 (Ωcm)であり、
例えば複数箇所でのパスを想定すると、約104 Ωcm
以上の抵抗(体積抵抗)が求められる。
【0123】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例に沿って更に
詳細に説明する。 (実施例1)まず、本発明の実施例1について、図7及
び図8を参照して説明する。
【0124】本実施例においては、図1に示した構成の
液晶素子を作成した。すなわち、該液晶素子1は、所定
距離だけ離間した位置に配置される一軸配向側基板2及
び非一軸配向側基板3を備えており、これらの基板2,
3の間には液晶5が挟持されている。また、一軸配向側
基板2の表面には電極9や配向制御膜10が形成されて
おり、配向制御膜10には、液晶5を一軸配向させるべ
く処理がなされている。さらに、非一軸配向側基板3の
表面には電極6や膜7が形成されており、液晶分子に対
して非一軸配向特性を有するようになっている。
【0125】次に、液晶素子1の製造方法について説明
する。
【0126】まず、一般的なDCスパッタ装置とITO
(インジウム ティン オキサイド)のターゲットとを
用い、基板2,3の表面にITO膜をスパッタリングす
る。なお、このスパッタリングにおいては、スパッタ装
置のパワーを1W/cm2 とし、スパッタガスにはAr
とO2 の混合ガス(Ar:90SCCM,O2 :10S
CCM)を用い、放電時間を2.5分間とし、ITO膜
の膜厚を700Åとした。そして、通常の湿式エッチン
グ法によってITO膜を所望の形状にパターニングし、
電極6,9を作成した。
【0127】次に、一方の基板(一軸配向側基板)2の
表面には、蟻酸で希釈(0.2wt%)したナイロン
を、3000rpm,20秒の条件でスピンコートし、
これを180℃で60分間焼成して、厚さ50Åの配向
制御膜(ナイロン膜)10を形成した。その後、この配
向制御膜10に、回転数1000rpm、押し込み量
0.3mm、送りスピード5mm/sec、片方向3回
のラビング処理を施した。
【0128】また、他方の基板(非一軸配向側基板)3
の表面には、通常のRFスパッタ装置を用いて、Alド
ープのZnO膜よりなる膜7を1000Åの厚さに形成
した。なお、ターゲットには、ZnO:95.5%にA
23 :0.5%を含有したものを用い、パワーを5
W/cm2 とし、基板加熱温度を200℃とした。ま
た、スパッタガスにはArとO2 の混合ガス(Ar:9
0SCCM,O2 :10SCCM)を用い、圧力を3m
Torrとし、放電時間を2分間とした。
【0129】当該基板3について断面TEM(透過型電
子顕微鏡)を用いて観察したところ、膜7については膜
厚方向にほとんど結晶粒界を有さず、一方膜面方向に複
数の結晶粒界を有する多結晶構造であった。
【0130】次に、一軸処理側基板2の配向制御膜10
表面には、2.2μm径のSiO2微粒子を含有させた
溶液をスピンコート法によって塗布し、これを加熱し
て、SiO2 微粒子を配向制御膜10の表面に分散固着
させた。さらに、接着粒子(粒径約5μmのエポキシ樹
脂からなる粒子)を含有させた溶液をスピンコート法に
よって塗布し、同じく加熱して接着粒子を分散固着させ
た。
【0131】また、印刷機を用いて、非一軸処理側基板
3の所望の位置にシール剤を塗布し、これを90℃で5
分間プリベークした。
【0132】さらに、基板2と基板3とを、プレス機を
用いて50gf/cm2 の圧力で圧着し、同じ圧力をエ
アークッションにて加えた状態で、110℃、90分間
の加熱を行ない、シール剤を硬化させ、これら2枚の基
板2,3を貼り合わせ空セルを作成した。
【0133】このあと上記作業でできあがった空セル
を、通常のロードロック式の真空室内に入れ、10-3
orrまで真空引きしたあと、同様に真空中で95℃に
加熱した液晶貯留槽に注入口をつけるように浸し、液晶
を空セル内に注入した。
【0134】以上のプロセスで形成した液晶素子につい
て、まず1画素の特性を図7に示すように非一軸処理側
基板3(正確には、その電極6)を接地し、一軸処理側
基板2(正確には、その電極9)側に信号電圧を印加し
て調べた。
【0135】かかる素子の評価における、書き込み信号
電圧印加時の光の透過率を、電圧を変化させてみたとき
の関係(V―T特性)を図8に示す。同図に示す矢印の
行きと帰りの違いはヒステリシスと呼ばれる量で、理想
的には「0」となることが望ましいが、実用上は駆動電
圧の5%以下程度であれば良い。
【0136】また実線U1と破線U2は黒リセッ卜時に
液晶分子の自発分極がどちらを向いているかを示し、例
えばPsが負の場合、非一軸配向側を向くときがU1、
一軸配向側を向くときがU2である。このU1とU2の
夫々の状態を黒状態とした場合の互いの電圧閾値のずれ
量が、理想的にはやはり「0」となることが望ましく、
このとき対称性が得られたという。これに対し閾値ずれ
量が非対称性とも呼ばれ、その値は実用的にはプラスマ
イナス1V程度以下であれば双安定ポテンシャルが極端
に乱されることがなく、書き込み不良や焼きつきなどの
経時変化が抑制される。
【0137】図8による本発明の実施例の液晶素子のV
―T特性では、ヒステリシスは0.8V、非対称性は
0.3〜0.4Vに抑えられており、必要な範囲内に充
分おさまっている。
【0138】さらに、作成した液晶素子を駆動すると、
残像は見えず、速い応答性が得られることを確認した。
また、この液晶素子では、ちらつきや不良表示領域の成
長などは見られず、極めてよい双安定性が得られ、焼き
付きや単安定性の進行などが充分抑制され、高い信頼性
が得られることを確認した。さらに、駆動電圧に対して
もマージンが充分にあった。 (実施例2)次に、実施例2について図9を参照して説
明する。
【0139】まず、一般的なDCスパッタ装置とITO
(インジウム ティン オキサイド)のターゲットとを
用い、基板2,3の表面にITO膜をスパッタリングす
る。なお、このスパッタリングにおいては、スパッタ装
置のパワーを1W/cm2 とし、スパッタガスにはAr
とO2 の混合ガス(Ar:90SCCM,O2 :10S
CCM)を用い、放電時間を2.5分間とし、ITO膜
の膜厚を700Åとした。そして、通常の湿式エッチン
グ法によってITO膜を所望の形状にパターニングし、
電極6,9を作成した。
【0140】次に、一方の基板(一軸配向側基板)2の
表面には、蟻酸で希釈(0.2wt%)したナイロン
を、3000rpm,20秒の条件でスピンコートし、
これを180℃で60分間焼成して、厚さ50Åの配向
制御膜(ナイロン膜)10を形成した。その後、この配
向制御膜10に、回転数1000rpm、押し込み量
0.3mm、送りスピード5mm/sec、片方向3回
のラビング処理を施した。また、通常のロードロック式
の平行平板型RFプラズマCVD装置を用い、他方の基
板(非一軸配向側基板)3の表面には、n型多結晶Si
C:Hよりなる膜7を2000Åの厚さに形成した。な
お、周波数を13.56MHzとし、基板加熱温度を2
00℃とし、パワーを300mW/cm2 とした。ま
た、導入ガスとしてシラン(SiH4 ):40SCC
M,イソブタン(iC410):300SCCM,水素
希釈0.1%ホスフィン(PH3 /H2 :0.1%):
10SCCMの混合ガスを用い、圧力を0.2Torr
とし、放電時間を30分とした。
【0141】当該基板3について断面TEM(透過型電
子顕微鏡)を用いて観察したところ、膜7の断面につい
ては膜厚方向にほとんど結晶粒界を有さず、一方膜面方
向に複数の結晶粒界を有する多結晶構造であった。
【0142】次に、一軸処理側基板2の配向制御膜10
表面には、2.2μm径のSiO2微粒子を含有させた
溶液をスピンコート法によって塗布し、これを加熱し
て、SiO2 微粒子を配向制御膜10の表面に分散固着
させた。さらに、接着粒子(粒径約5μmのエポキシ樹
脂からなる粒子)を含有させた溶液をスピンコート法に
よって塗布し、同じく加熱して接着粒子を分散固着させ
た。
【0143】また、印刷機を用いて、非一軸処理側基板
3の所望の位置にシール剤を塗布し、これを90℃で5
分間プリベークした。
【0144】さらに、基板2と基板3とを、プレス機を
用いて50gf/cm2 の圧力で圧着し、同じ圧力をエ
アークッションにて加えた状態で、110℃、90分間
の加熱を行ない、シール剤を硬化させ、これら2枚の基
板2,3を貼り合わせ空セルを作成した。
【0145】このあと上記作業でできあがった空セル
を、通常のロードロック式の真空室内に入れ、10-3
orrまで真空引きしたあと、同様に真空中で95℃に
加熱した液晶貯留槽に注入口をつけるように浸し、液晶
を空セル内に注入した。
【0146】図9は、上述のようにして作成した液晶素
子のV―T特性を示す図であるが、この図より、ヒステ
リシスは0.8V、非対称性は0.3〜0.4Vに抑え
られており、必要な範囲内に充分おさまっている。
【0147】また、作成した液晶素子を駆動すると、残
像は見えず、速い応答性が得られる。また、この液晶素
子では、ちらつきや不良表示領域の成長などは見られ
ず、極めてよい双安定性が得られ、焼き付きや単安定性
の進行などが充分抑制され、高い信頼性が得られる。さ
らに、駆動電圧に対してもマージンが充分にあった。
【0148】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
良好な配向状態を得ることができると共に、反電場効果
の影響や画素間のクロストークを充分に防止でき、スイ
ッチング閾値の非対称特性を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液晶素子の一実施の形態を示す断
面図。
【図2】振動容量型の表面電位計の全体構成を示す模式
図。
【図3】液晶素子における内部電位の概念を説明するた
めの模式図。
【図4】本発明の液晶素子における内部電位の状態の例
を説明するための模式図。
【図5】非一軸配向側の基板における膜の膜厚方向の抵
抗(体積抵抗)測定系を示す説明図。
【図6】非一軸配向側の基板における膜の膜面方向の抵
抗(体積抵抗)測定系を示す説明図。
【図7】表面電位の測定系を示す断面図。
【図8】本発明の実施例における液晶素子についての、
ヒステリシス及びスイッチングの非対称性を示す線図。
【図9】本発明の他の実施例における液晶素子について
の、ヒステリシス及びスイッチングの非対称性を示す線
図。
【符号の説明】
1 液晶素子 2 一軸配向側基板(基板) 3 非一軸配向側基板(基板) 5 液晶 7 膜 10 配向制御膜(一軸配向膜)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金子 修三 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 中村 勝利 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定距離離間して配置される一対の基板
    と、これら一対の基板の間に挟持される液晶と、を備
    え、かつ、少なくとも一方の基板が液晶分子に対して一
    軸配向特性を有する液晶素子において、 一対の基板の少なくとも一方に、その膜厚方向にほとん
    ど結晶粒界を有さないと共にその膜面方向に複数の結晶
    粒界を有する多結晶構造とした膜を有する、ことを特徴
    とする液晶素子。
  2. 【請求項2】 一方の基板が液晶分子に対して一軸配向
    特性を有し、他方の基板が液晶分子に対して非一軸配向
    特性を有するものであり、少なくとも該非一軸配向特性
    を有する基板が、前記多結晶構造の膜を有する、請求項
    1記載の液晶素子。
  3. 【請求項3】 前記非一軸配向特性を有する基板におけ
    る前記膜が、導電性制御不純物が添加された多結晶金属
    酸化物又は多結晶半導体によって形成されている、 ことを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶素子。
  4. 【請求項4】 前記一軸配向特性を有する側の基板の表
    面で検出される表面電位と、前記非一軸配向特性を有す
    る側の基板の表面で検出される表面電位との差の絶対値
    が100mVより小さい、 ことを特徴とする請求項2記載の液晶素子。
  5. 【請求項5】 前記一軸配向特性を有する側の基板の表
    面で検出される表面電位と、前記非一軸配向特性を有す
    る側の基板の表面で検出される表面電位との差の絶対値
    が50mVより小さい、 ことを特徴とする請求項4に記載の液晶素子。
  6. 【請求項6】 前記一軸配向特性を有する側の基板の表
    面で検出される表面電位と、前記非一軸配向特性を有す
    る側の基板の表面で検出される表面電位との差の絶対値
    が30mVより小さい、 ことを特徴とする請求項4に記載の液晶素子。
  7. 【請求項7】 前記一軸配向特性を有する側の基板の表
    面で検出される表面電位と、前記非一軸配向特性を有す
    る側の基板の表面で検出される表面電位とが、実質的に
    等しい、 ことを特徴とする請求項4に記載の液晶素子。
  8. 【請求項8】 前記非一軸配向特性を有する側の基板の
    表面で検出される表面電位極性と、前記一軸配向特性を
    有する側の基板の表面で検出される表面電位極性と、が
    同極性である、 ことを特徴とする請求項4乃至7のいずれか1項に記載
    の液晶素子。
  9. 【請求項9】 前記非一軸配向特性を有する基板におけ
    る前記膜は、膜厚方向の体積抵抗を104 〜107 Ωc
    mとし、膜面方向の体積抵抗を106 〜109 Ωcmと
    した、 ことを特徴とする請求項2記載の液晶素子。
  10. 【請求項10】 前記液晶が、カイラルスメクチック相
    を呈する液晶である、 ことを特徴とする請求項1又は2記載の液晶素子。
  11. 【請求項11】 前記液晶が、コレステリック相を呈さ
    ない液晶である、 ことを特徴とする請求項10に記載の液晶素子。
  12. 【請求項12】 前記液晶が、中心核にフルオロカーボ
    ン末端部分及びハイドロカーボン末端部分が結合した構
    造からなるスメクチック相あるいは潜在的スメクチック
    相を示すフッ素含有化合物を少なくとも一種含む液晶組
    成物である、 ことを特徴とする請求項11に記載の液晶素子。
  13. 【請求項13】 前記液晶が、強誘電性を示す液晶であ
    る、 ことを特徴とする請求項10に記載の液晶素子。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1143289A3 (en) * 2000-04-07 2007-03-07 Canon Kabushiki Kaisha Chiral smectic liquid crystal device

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