JPH1114998A - 液晶素子 - Google Patents

液晶素子

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JPH1114998A
JPH1114998A JP9164663A JP16466397A JPH1114998A JP H1114998 A JPH1114998 A JP H1114998A JP 9164663 A JP9164663 A JP 9164663A JP 16466397 A JP16466397 A JP 16466397A JP H1114998 A JPH1114998 A JP H1114998A
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liquid crystal
electrode
film
substrate
independently
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JP9164663A
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Ihachirou Gofuku
伊八郎 五福
Yasuhiro Ito
靖浩 伊藤
Etsuro Kishi
悦朗 貴志
Masahiro Terada
匡宏 寺田
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Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ヒステリシスを小さくして、書き込み不良や焼
きつきの発生を防止する。 【解決手段】パッシベーション膜7にその膜厚方向に電
圧を印加して観測されるインピーダンスと、その逆方向
に電圧を印加して観測されるインピーダンスとが異なる
場合において、異なる2つのインピーダンスの比をZ
ratio とした場合に、 |Zratio |≦t/((εL ・ρI )・(dI /d
L )) ここで、εL ;液晶5の誘電率、t;液晶素子1を駆動
する基本的なパルス間隔、ρI ;パッシベーション膜7
の体積抵抗率、dI ;パッシベーション膜7の膜厚、d
L ;液晶5の厚さ が成立するようにすると、ヒステリシスを小さくでき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶を用いた光学変
調素子に関し、コンピュータの端末ディスプレイ、ワー
ドプロセッサ、タイプライター、テレビ受像機、ビデオ
カメラのビューファインダー、プロジェクタのライトバ
ルブ、液晶プリンターのライトバルブ等に用いられる液
晶素子であって、特に、カイラルスメクチック相を呈す
る液晶(強誘電性や反強誘電性を示す液晶であって、自
発分極の作用を利用して駆動するもの)を用いて良好な
表示特性を示す液晶素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、種々の情報を表示するディス
プレイとしてCRTが知られているが、このCRTは、
動画出力を行うTVやVTRに、あるいはパソコンのモ
ニター等に広く用いられている。
【0003】しかしながら、このCRTは、その特性上
静止画像に対しては、フリッカや解像度不足による走査
縞などが視認性を低下させたり、焼きつきによる蛍光灯
の劣化が起ったりするという問題がある。また、最近で
は、CRTの発生する電磁波が人体に悪影響を与え、V
DT作業者の健康を害する恐れのあることが分かってい
る。さらに、このCRTは、その構造上、画面後方にス
ペースを必要とするため、オフィスや家庭の省スペース
化を阻害している。
【0004】このようなCRTの欠点を解決するディス
プレイとして液晶素子がある。そして、この液晶素子の
一つとしてツイステッド・ネマチック(twisted
nematic;TN)液晶を用いたものが知られて
おり、それは、エム・シャット(M.Schadt)と
ダブリュー・ヘルフリッヒ(W.Helfrich)著
の“アプライド・フィジックス・レターズ(Appli
ed PhysicsLetters)、第18巻、第
4号(1971年2月15日発行)、第127頁〜12
8頁”において示されている。
【0005】このTN液晶を用いた液晶素子の1つとし
て、コスト面で優位性を持つ単純マトリクスタイプのも
のがあるが、このタイプの液晶素子は、画素密度を高く
したものにあっては時分割駆動時にクロストークを発生
するため、画素密度が制限されていた。
【0006】近年、このような単純マトリクスタイプの
ものに対して、TFTといわれる液晶素子の開発が行わ
れている。このTFTは、一つ一つの画素にトランジス
タを作成するため、クロストークや応答速度の問題は解
決される反面、大面積になればなるほど不良画素が発生
し易くなって歩留りが低下するという問題がある。
【0007】これに対して、強誘電性液晶分子(強誘電
性を示す液晶分子)の屈折率異方性を利用して偏光素子
との組み合わせにより透過光線を制御する型の表示素子
が、クラーク(Clark)およびラガーウオル(La
gerwall)により提案されている(特開昭56−
107216号公報、米国特許第4367924号明細
書等)。この強誘電性液晶は、一般に特定の温度域にお
いて、カイラルスメクチックC相(SmC*)またはH
相(SmH*)を有し、この状態において、加えられる
電界に応答して第1の光学的安定状態と第2の光学的安
定状態のいずれかを取り、かつ電界の印加のないときは
その状態を維持する性質(すなわち、双安定性メモリー
性)を有し、その上、自発分極により反転スイッチング
を行うため、非常に速い応答速度を示す。更に視覚特性
も優れていることから、特に、高速、高精細、大画面の
表示素子あるいはライトバルブとして適していると考え
られる。
【0008】また、最近では、チャンダニ、竹添らによ
って、反強誘電性を示す液晶(以下、“反強誘電性液
晶”とする)を利用した液晶素子も提案されている(J
apanese Journal of Applie
d Physics 第27巻、1988年L729
頁)。この反強誘電性液晶は、強誘電性液晶と同様に、
液晶分子の屈折率異方性と自発分極を利用して表示素子
を構成するものである。また、この反強誘電性液晶は、
一般に特定の温度域において、カイラルスメクチックC
A相(SmCA*)を有し、この状態において無電界時
には平均的な光学安定状態はスメクチック層法線方向に
なるが、電界印加によって平均的な光学安定状態が層法
線方向から傾き、結局3つの安定状態を有するものであ
る。そして、この反強誘電性液晶を利用した液晶素子
は、上述のように自発分極を利用してスイッチングを行
うものであることから、非常に速い応答速度を示し、高
速の表示素子、あるいはライトバルブとして期待されて
いる。
【0009】ところで、このようなカイラルスメクチッ
ク相を呈する液晶(強誘電性液晶、及び反強誘電性液
晶)を利用した液晶素子においては、例えば“強誘電性
液晶の構造と物性(コロナ社、福田敦夫、竹添秀男著、
1990年)に記載されているように、カイラルスメク
チック液晶が2種類のシェブロン構造を呈するためにジ
グザグ状の配向欠陥が発生し、コントラストが著しく低
下してしまうという問題があった。
【0010】そこで、このような配向欠陥を防止するこ
とによりコントラストを良好に保つものとして、上記シ
ェブロン構造の替わりに、ブックシェルフ構造或はそれ
に近い層傾き角の小さな構造を用いた液晶素子が提案さ
れている(「次世代液晶ディスプレイと液晶材料;
(株)シーエムシー、福田敦夫編、1992年」)。な
お、“ブックシェルフ或はそれに近い構造”を現出する
液晶材料としては、パーフルオロエーテル側鎖を持つ液
晶性化合物(米国特許 5262082、国際出願特許
WO93/22396、1993年第4回強誘電液晶
国際会議 P46、Marc D.Radcliffe
ら)がある。この液晶は、電場等の外部場を用いなくて
も“ブックシェルフ或はそれに近い構造”を現出でき、
高速、高精細、大面積の液晶素子、表示装置に適してい
る。
【0011】このタイプの液晶素子は、特開昭61−2
0930号公報他にも開示されているように、所定距離
離間した位置に配置された一対の透明基板を備えてお
り、これら一対の基板間には液晶を挟持している。そし
て、一方の透明基板には、液晶分子に対して一軸配向特
性を有するような配向制御膜を形成し、他方の透明基板
には、液晶分子に対して非一軸配向特性を有するような
特性や種類等の異なる配向制御膜を形成している。この
液晶素子によれば、液晶の配向を一軸配向処理された基
板側から高秩序に制御することができ、良好な液晶配向
状態を得やすい。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
液晶素子においては、見かけ上、配向状態は良好である
ものの、スイッチングに非対称な特性が出たり、また
は、液晶の良好な双安定性が阻害されることがあり、い
わゆるスイッチングのメモリ性が低減される場合があっ
た。
【0013】特にスイッチング特性の対称性は、駆動マ
ージンを広げる為にも重要であり、しかも長時間の駆動
が続いてもスイッチング特性の対称性を保たなくてはな
らない。
【0014】このほか、特に強誘電性液晶あるいは反強
誘電性液晶を用いた液晶素子では、特に中間調表示を行
う上で、液晶自身が有する自発分極により誘起される反
電場効果が重大な問題となっている。即ち、自発分極に
対応して偏在する内部イオンが電界を形成すると考えら
れる原因により所望の中間調を不安定にし、また、外部
から与える印加電圧に対して光学応答においてヒステリ
シスを生ずる場合がある。これは、「黒状態」または
「白状態」を表示している際の液晶分子の自発分極の向
きに対してそれぞれ、各々の状態を安定化させる向きに
イオンの偏在が起き、この偏在の極性の違いにより、短
い間のリセット(「黒消去」)後に与える電圧Vwを等
しく印加した場合に於ても、前状態(「白」か「黒」)
で液晶部分に印加される電圧が異なるために起こると考
えられている。
【0015】上記のような反電場効果による極端に不都
合な現象としては、例えば「黒状態」をリセット方向と
して、「白状態」を書き込もうとしても、所望の電圧レ
ベルにおいては、「白状態」がラッチできないものとな
り、「黒状態」に振り戻されしまうといういわゆるスイ
ッチング不良が起きてしまう。この現象は特に中間調を
画素レベルでは必要としない液晶素子においても致命的
な欠陥となってしまう。
【0016】上記のような反電場効果への対策として、
例えば特開昭63−121020号公報などにおいて、
強誘電性液晶素子を構成する配向制御膜を低インピーダ
ンス化すること、いわゆる反電場によるスイッチング不
良に対処する方法が開示されている。また、特開平2−
153321号公報においては、配向制御膜を低インピ
ーダンス化するための有機導電性膜の例が多種類にわた
り開示されている。更に特開昭64−49023号公報
においては、低インピーダンス化したショート防止のパ
ッシベーションに薄膜の配向層を形成することが開示さ
れているが、充分な解決がなされていないのが現状であ
る。
【0017】このように、カイラルスメクチック液晶を
用いた液晶素子の電気光学特性は、配向状態の制御や自
発分極Psに起因して発生する反電場に関して、また前
放置状態に起因して生じる閾値変化、光学応答不安定な
どについて、改善すべき課題を抱えており、この点にお
いては反強誘電性液晶素子も同様の問題がある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は上記事情を考慮
してなされたものであり、所定距離離間して配置される
一対の基板と、これら一対の基板の間に挟持される液晶
と、を備え、かつ、一方の基板が液晶分子に対して一軸
配向特性を有する液晶素子において、前記一対の基板の
少なくとも一方が、電極及び該電極の液晶側に設けられ
た該電極と電気的特性が異なる層からなり、かつ、該電
極と該電極と電気的特性が異なる層の間の一厚み方向に
電圧を印加して観測されるインピーダンスと、その逆方
向に電圧を印加して観測されるインピーダンスとが異な
り、
【0019】
【式2】 Zratio ≦t/((εL ・ρI )・(dI /dL )) ここで、Zratio ;前記電極と該電極の液晶側に設けら
れた該電極と電気的特性の異なる層に一膜厚方向に電圧
を印加して観測されるインピーダンスと、その逆方向に
電圧を印加して観測されるインピーダンスとの比 εL ;液晶の誘電率 t ;液晶素子を駆動する基本的なパルス間隔 ρI ;前記電極の液晶側に設けられた該電極と電気
的特性の異なる層の体積抵抗率 dI ;前記電極の液晶側に設けられた該電極と電気
的特性の異なる層の膜厚 dL ;前記液晶の厚さ が成立する、ようにしたものである。
【0020】本発明の液晶素子は、好ましくは、一方の
基板が液晶分子に対して一軸配向特性を有し、他方の基
板が液晶分子に対して非一軸配向特性を有するものであ
り、少なくとも非一軸配向特性を有する基板側に、上記
特性を有する電極及び該電極と電気的特性の異なる層の
構造を設けるものである。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図1乃至図10を参照し
て、本発明の一実施の形態について説明する。
【0022】本発明の一実施の形態に係る液晶素子は、
所定距離だけ離間して配置される一対の基板を備えてお
り、これらの間には液晶が挟持されている。また、好ま
しくは一方の基板は液晶分子に対して一軸配向特性を有
しており、他方の基板は液晶分子に対して非一軸配向特
性を有している(以下、このように一方の基板のみが液
晶分子に対して一軸配向特性を有する素子構成を“非対
称構成”と呼ぶ)。さらに、前記非一軸配向特性を有す
る基板は、電極及び該電極の液晶側に設けられ該電極と
は電気的特性の異なる層が形成されている。また、 * 前記非一軸配向特性を有する基板における電極と該
電極の液晶側に設けられた該電極と電気的特性の異なる
層の一膜厚方向に電圧を印加して観測されるインピーダ
ンスと、その逆方向に電圧を印加して観測されるインピ
ーダンスとの比をZratio とし、 * 液晶の誘電率をεL とし、 * 液晶素子を駆動する基本的なパルス間隔をtとし、 * 前記非一軸配向特性を有する基板における電極の液
晶側に設けられた該電極と電気的特性の異なる層の体積
抵抗率をρI とし、 * 前記非一軸配向特性を有する基板における電極の液
晶側に設けられた該電極と電気的特性の異なる層の膜厚
をdI とし、 * 液晶層の厚さをdL とした場合において、 Zratio ≦t/((εL ・ρI )・(dI /dL )) が成立するようにしている。
【0023】この場合、前記非一軸配向特性を有する基
板における電極と電気的特性の異なる層の体積抵抗率が
1×106 〜1×109 Ωcmであるようにすると、隣
接画素間のクロストークがなく高解像度を維持できる点
で好ましい。前記一軸配向特性を有する基板の表面に、
液晶分子に対して一軸配向特性を有する一軸配向膜を形
成するようにしてもよい。また、前記非一軸配向特性を
有する基板における電極の液晶側に設けられた該電極と
電気的特性の異なる層は、液晶に接し、液晶に対して非
一軸配向特性を有する層であることが好ましい。
【0024】図1は、本発明に係る液晶素子の一実施の
形態を示す断面図である。同図に示す液晶素子1は、所
定距離離間して配置される一対の基板2,3を備えてお
り、これらの基板2,3の間には液晶5が挟持されてい
る。このうち、一方の基板2(以下、“一軸配向側基板
2”とする)の表面には電極9が形成されており、この
電極9を覆うように、液晶分子に対して一軸配向特性を
有する一軸配向膜(以下、“配向制御膜”とする)10
が形成されている。また、他方の基板3(以下、“非一
軸配向側基板3”とする)の表面には電極6が形成され
ており、この電極6を覆うように、液晶分子に対して非
一軸配向特性を有する非一軸配向膜7が形成されてい
る。
【0025】かかる実施の形態では、好ましくは各基板
における成膜条件等を制御することで非一軸配向側基板
3側で電極6と電極6の液晶側に設けられた非一軸配向
膜7の間において上記インピーダンス特性が設定されて
いる。
【0026】なお、本明細書における“一軸配向特性”
とは、液晶分子の一軸配向状態(例えば一軸水平配向状
態)を意味する。
【0027】一軸配向側基板2及び非一軸配向側基板3
は、光を透過させる性質の材料(例えば、ガラス、プラ
スチック)等で形成している。
【0028】配向制御膜10は、一軸配向処理を施すこ
とによって一軸配向特性を発現するものでも、そのよう
な処理を施さなくとも一軸配向特性を有しているもので
も良い。
【0029】前者(所定の処理を施すことによって一軸
配向特性を発現するもの)の場合、材料としては、無機
物(一酸化珪素、二酸化珪素、酸化アルミニウム、ジル
コニア、フッ化マグネシウム、酸化セリウム、フッ化セ
リウム、シリコン窒化物、シリコン炭化物、ホウ素窒化
物など)や有機物(ポリビニルアルコール、ポリイミ
ド、ポリイミドアミド、ポリエステル、ポリアミド、ポ
リエステルイミド、ポリパラキシレン、ポリカーボネー
ト、ポリビニルアセタール、ポリビニルクロライド、ポ
リスチレン、ポリシロキサン、セルロース樹脂、メラミ
ン樹脂、ウレア樹脂、アクリル樹脂など)を用いれば良
く、このような材料を被膜化する方法としては、これら
の無機物や有機物を溶液状にして直接塗布する方法や、
蒸着方法、並びにスパッタリング方法を用いれば良い。
また、一軸配向処理としては、ビロード、布或は紙等の
繊維状のもので行うラビング処理が好ましい。
【0030】また、後者(処理を施さなくとも一軸配向
特性を有しているもの)の具体例としては、シリコン
(Si)の酸化膜や窒化膜を斜方蒸着した場合が挙げら
れる。この場合、斜方蒸着の条件を調整することによ
り、上述したラビング処理を施さなくとも一軸配向特性
を有する。
【0031】なお、自発分極Psのスイッチングに伴っ
て発生する反電場の大きさを抑制し、良好なスイッチン
グ性能を有する観点で、配向制御膜10の膜厚は200
Å以下(又は、100Å以下)が好ましい。
【0032】配向制御膜10としては、下式で表される
ポリイミドを用いれば良い。
【0033】
【化3】 また、これらのポリイミドの具体的構造としては、例え
ば以下の繰り返し単位構造が挙げられる。
【0034】
【化4】
【0035】
【化5】 また、非一軸配向膜7として、例えば、必要に応じて導
電性制御不純物が添加された多結晶金属酸化物膜、多結
晶半導体膜を用いることができる。具体的には、Zn
O、CdO、ZnCdOx等の12族(IUPAC無機
化学命名法による族番号。以下同じ。)元素の酸化物、
GeO2 、SnO2 、GeSnOx、TiO2 、ZrO
2 、TiZrOx等の4族、14族元素の酸化物あるい
はSi、SiCの14族の半導体に必要に応じて、導電
性制御不純物が添加されたものを用いる。ここで導電性
制御不純物としては、例えば12族酸化物に対しn型不
純物として13族元素であるB、Al、Ga、Inが、
p型不純物として1、11族元素であるCu、Ag、A
u、Liが用いられる。また、4、14族酸化物に対し
てn型不純物として15族元素であるP、As、Sb、
Liが、p型不純物として13族元素であるB、Al、
Ga、Inが用いられる。又、“上述した酸化物等の超
微粒子(12族、4族、14族の酸化物等の超微粒子)
にp型又はn型の導電性制御不純物を添加されたもの”
を所定の母材(酸化物溶融母材やシリカやシロキサンポ
リマー母材)中に分散させたものを、非一軸配向膜7と
して用いることができる。特に好ましくは、シリカある
いはシロキサンポリマー等の母材中にSb等の導電性制
御不純物をドープしたSnO2 の超微粒子を分散した塗
布型の膜を用いる。 なお、一軸配向側基板2の表面電
位が正の場合には非一軸配向膜7側にはドナー(n型不
純物)を添加し、負の場合にはアクセプター(p型不純
物)を添加する。また、不純物の添加濃度は、材料の種
類及びその結晶化状態(結晶欠陥密度の多寡)によって
異なるが、おおよその目安は材料中の自由電子ないしは
自由正孔の濃度が1×1011〜1×1014/cm3 程度
となるように設定すれば良い。このとき同時に表面電位
は100mV程度変えられる。多結晶材料を用いる場
合、不純物の添加効率も考慮して、好ましくは、1×1
017〜1×1020/cm3 (母体の材料に対して0.0
1%〜1%程度)が実際の添加量となる。不純物添加量
に対する表面電位の変化量は、1桁増やすにともない約
50mVに相当する。
【0036】このように非一軸配向膜7に導電性制御不
純物を添加した場合には、表面電位(一軸配向側基板2
や非一軸配向側基板3の表面で検出される表面電位)の
微細な制御が可能となり、両表面電位の差(一軸配向側
基板2の表面で検出される表面電位と、非一軸配向側基
板3の表面で検出される表面電位との差)の絶対値を小
さな値(100mV以下、好ましくは50mV)に設定
し易くなる。
【0037】また、非一軸配向膜7における膜面方向の
体積抵抗率は1×106 〜1×109 Ωcmの範囲が好
ましい。これにより、画素間のクロストークを充分に防
止できる。なお、非一軸配向膜7の体積抵抗率は、その
材料を選択することにより調整すれば良い。
【0038】本発明では、用いる液晶材料の配向特性に
応じて、配向制御膜として一方の基板において上述した
ようなポリイミド等の有機材料から選択した膜で一軸配
向処理したものを用い、他方の基板において、上述した
酸化物超微粒子等が母材中に分散されてなる膜(塗布
膜)を夫々用いることができる。
【0039】ところで、電極6,9としては、ITO
(インジウム ティン オキサイド)などの透明導電体
が好ましい。また、電極6,9は、図2に示すように、
ストライプ形状のものを一定のピッチで多数形成すると
共に、電極6と電極9とが互いに交差するように形成し
ても良い。
【0040】次に、本発明で用いる液晶組成物について
説明する。
【0041】本発明に用いる液晶5としては、カイラル
スメクチック相を呈する液晶(すなわち、強誘電性を示
す液晶、あるいは反強誘電性を示す液晶などで、自発分
極の作用を駆動に応用した液晶)が好適であるが、ネマ
ティック液晶などを用いても良い。なお、カイラルスメ
クチック相を呈する液晶を用いた場合、その液晶厚は、
双安定性を確保する観点から5μm以下が好ましい。
【0042】例えば、カイラルスメクチック相を呈する
液晶としては、相転移系列として、高温側から低温側に
向かって等方相→SmA→SmC*→結晶相となる材料
であって、自発分極が30nC/cm2 (約30℃の温
度中)でチルト角が約24度のものが好ましい。
【0043】また、本発明の液晶素子において、表示の
際の輝度を向上すべく、液晶がSmC*相をとる際、そ
のスメクチック層が基板に対して垂直に並列するといっ
たブックシェルフ構造、或いは垂直に近いスメクチック
層傾きの構造をとる液晶材料を用いることが好ましい。
かかるスメクチック層構造をとる液晶材料として、例え
ば、中心核にフルオロカーボン末端部分及びハイドロカ
ーボン末端部分が結合した構造であって、スメクチック
相あるいは潜在的スメクチック相を示すフッ素含有液晶
性化合物を用いた組成物が挙げられる。かかるフッ素含
有化合物については、具体的には米国特許5,082,
587号、米国特許5,262,082号、国際公開W
O93/22936号等に記載のフッ素含有化合物を用
いることができる。
【0044】更に具体的には、当核フッ素含有化合物で
あって、例えば上述したような降温下で等方相→SmA
→SmC*→結晶相といった相転移を示す(特にコレス
テリック相を呈さない)液晶材料が使用され得る。
【0045】本実施の形態によれば、液晶素子を、一方
の基板2の片側のみを一軸配向処理した非対称構成とし
ているため、液晶(特に強誘電性あるいは反強誘電性液
晶)の特にSmAでの温度領域における配向が、一方の
基板2における一軸配向処理が施された表面からの一軸
分子成長として行われ、SmC*相において良好な配向
状態を得ることができる。特に、上述したコレステリッ
ク相を呈さない液晶を用いた場合には、降温下でI(等
方相)→SmAの相転移の際に良好に配向制御を行うこ
とにより、均一な配向状態を実現できる。
【0046】前記フッ素含有液晶化合物としては、フル
オロカーボン末端部分が、−D1−CxaF2xa−Xで表わ
される基、(但し、上記式中xaは1〜20であり、X
は−H又は−Fを表わし、D1は、−CO−O−(C
H2)ra−、−O−(CH2)ra−、−(CH2)ra−、
−O−SO2−、−SO2−、−SO2−(CH2)ra−、
−O−(CH2)ra−O−(CH2)rb−、−(CH2)
ra−N(CpaH2pa+1)−SO2−、又は−(CH2)ra
−N(CpaH2pa+1)−CO−を表わす。ra及びrb
は、独立に1〜20であり、paは0〜4である。)、
或いは、−D2−(CxbF2xb−O)za−CyaF2ya+1で
表わされる基、(但し、上記式中xbはそれぞれの(C
xbF2xb−O)に独立に1〜10であり、yaは、1〜
10であり、zaは1〜10であり、D2は、−CO−
O−CrcH2rc、−O−CrcH2rc−、−CrcH2rc−、
−O−(CsaH2sa−O)ta−CrdH2rd−、−O−SO
2−、−SO2−、−SO2−CrcH2rc−、−CrcH2rc
−N(CpbH2pb+1)−SO2−、−CrcH2rc−N(C
pbH2pb+1)−CO−、単結合から選ばれ、rc及びr
dはそれぞれ独立に1〜20であり、saはそれぞれの
(CsaH2sa−O)に独立に1〜10であり、taは1
〜6であり、pbは0〜4である。)であるような化合
物を用いることができる。
【0047】特に好ましくは、下記一般式(I)、或い
は(II)で表わされるフッ素含有液晶化合物を用いる
ことができる。
【0048】
【化6】 を表わす。
【0049】ga、ha、iaは独立に0〜3の整数
(但し、ga+ha+iaは少なくとも2である)を表
わす。
【0050】夫々のL1とL2は独立に、単結合、−CO
−O−、−O−CO−、−COS−、−S−CO−、−
CO−Se−、−Se−CO−、−CO−Te−、−T
e−CO−、−CH2CH2−、−CH=CH−、−C≡
C−、−CH=N−、−N=CH−、−CH2−O−、
−O−CH2−、−CO−又は−O−を表わす。
【0051】夫々のX1、Y1、Z1はA1、A2、A3の置
換基であり、独立に−H、−Cl、−F、−Br、−
I、−OH、−OCH3、−CH3、−CN、又は−NO
2を表わし、夫々のja、ma、naは独立に0〜4の
整数を表わす。
【0052】J1は、−CO−O−(CH2)ra−、−O
−(CH2)ra−、−(CH2)ra−、−O−SO2−、
−SO2−、−SO2−(CH2)ra−、−O−(CH2)
ra−O−(CH2)rb−、−(CH2)ra−N(CpaH
2pa+1)−SO2−、又は−(CH2)ra−N(CpaH
2pa+1)−CO−を表わす。ra及びrbは、独立に1
〜20であり、paは0〜4である。
【0053】R1は、−O−CqaH2qa−O−CqbH
2qb+1、−CqaH2qa−O−CqbH2qb+1、−CqaH2qa−
R3、−O−CqaH2qa−R3、−CO−O−CqaH2qa−
R3、又は−O−CO−CqaH2qa−R3を表わし、直鎖
状、分岐状のいずれであっても良い(但し、R3は、−
O−CO−CqbH2qb+1、−CO−O−CqbH2qb+1、−
H、−Cl、−F、−CF3、−NO2、−CNを表わ
し、qa及びqbは独立に1〜20である)。
【0054】R2はCxaF2xa−Xを表わす(Xは−H又
は−Fを表わし、xaは1〜20の整数である)。
【0055】
【化7】 を表わす。
【0056】gb、hb、ibはそれぞれ独立に0〜3
の整数(但し、gb+hb+ibは少なくとも2であ
る)を表わす。
【0057】夫々のL3、L4は独立に、単結合、−CO
−O−、−O−CO−、−CO−S−、−S−CO−、
−CO−Se−、−Se−CO−、−CO−Te−、−
Te−CO−、−(CH2CH2)ka−(kaは1〜
4)、−CH=CH−、−C≡C−、−CH=N−、−
N=CH−、−CH2−O−、−O−CH2−、−CO−
又は−O−を表わす。
【0058】夫々のX2、Y2、Z2はA4、A5、A6の置
換基であり、独立に−H、−Cl、−F、−Br、−
I、−OH、−OCH3、−CH3、−CF3、−O−C
F3、−CN、又は−NO2を表わし、夫々のjb、m
b、nbはそれぞれ0〜4の整数を表わす。
【0059】J2は、−CO−O−CrcH2rc−、−O−
CrcH2rc−、−CrcH2rc−、−O−(CsaH2sa−
O)ta−CrdH2rd−、−O−SO2−、−SO2−、−
SO2−CrcH2rc−、−CrcH2rc−N(CpbH2pb+1)
−SO2−、−CrcH2rc−N(CpbH2pb+1)−CO−
であり、rc及びrdは独立に1〜20であり、saは
それぞれの(CsaH2sa−O)に独立に1〜10であ
り、taは1〜6であり、pbは0〜4である。
【0060】R4は、−O−(CqcH2qc−O)wa−Cqd
H2qd+1、−(CqcH2qc−O)wa−CqdH2qd+1、−C
qcH2qc−R6、−O−CqcH2qc−R6、−CO−O−C
qcH2qc−R6、又は−O−CO−CqcH2qc−R6を表わ
し、直鎖状、分岐状のいずれであっても良い(但し、R
6は−O−CO−CqdH2qd+1、−CO−O−CqdH
2qd+1、−Cl、−F、−CF3、−NO2、−CN、又
は−Hを表わし、qc及びqdは独立に1〜20の整
数、waは1〜10の整数である)。
【0061】R5は、(CxbF2xb−O)za−CyaF
2ya+1で表わされる(但し、上記式中xbはそれぞれの
(CxbF2xb−O)に独立に1〜10であり、yaは1
〜10であり、zaは1〜10である)。
【0062】上記一般式(I)で表わされる化合物は、
特開平2−142753号公報、米国特許第5,08
2,587号に記載の方法によって得ることができる。
かかる化合物の具体例を以下に列挙する。
【0063】
【化8】
【0064】
【化9】
【0065】
【化10】
【0066】
【化11】
【0067】
【化12】
【0068】
【化13】
【0069】
【化14】
【0070】
【化15】
【0071】
【化16】
【0072】
【化17】
【0073】
【化18】
【0074】
【化19】 上記一般式(II)で表わされる化合物は、国際公開W
O93/22396、特表平7−506368号公報に
記載の方法によって得ることができる。かかる化合物の
具体例を以下に列挙する。
【0075】
【化20】
【0076】
【化21】
【0077】
【化22】
【0078】
【化23】
【0079】
【化24】 本発明の液晶素子で用いる液晶組成物では、上述したフ
ッ素含有液晶性化合物の他、フルオロカーボン鎖を持た
ない、いわゆるハイドロカーボンタイプの液晶性化合物
を配合することができる。その具体例として、以下の構
造のものが挙げられる。
【0080】
【化25】
【0081】
【化26】
【0082】
【化27】
【0083】
【化28】
【0084】
【化29】 また本発明で用いるカイラルスメクチック相を呈する液
晶組成物では、少なくとも一種の光学活性化合物を配合
することが必須となる。かかる光学活性化合物として
は、鎖状あるいは環状の光学活性部位を有する化合物の
中から上述したフッ素含有液晶性化合物等の他の液晶成
分との適合を考慮して、選択され得る。具体例を以下に
示す。
【0085】
【化30】
【0086】
【化31】
【0087】
【化32】
【0088】
【化33】
【0089】
【化34】
【0090】
【化35】
【0091】
【化36】
【0092】
【式3】
【0093】
【表1】
【0094】
【表2】
【0095】
【表3】
【0096】
【表4】
【0097】
【表5】
【0098】
【化37】
【0099】
【化38】
【0100】
【化39】 なお、上述したカイラルスメクチック液晶には、染料や
顔料や酸化防止剤や紫外線吸収剤等の添加物を含有させ
ても良い。
【0101】また、非一軸配向膜7における膜面方向の
体積抵抗率は1×106 〜1×109 Ωcmの範囲が好
ましい。これにより、画素間のクロストークを充分に防
止できる。なお、非一軸配向膜7の体積抵抗率は、その
材料を選択することにより調整すれば良い。
【0102】ところで、図1に示す実施の形態の液晶素
子における誘電緩和の時定数τは、液晶の容量CL と電
極6上に形成される非一軸配向膜7の抵抗RI との積で
表され、 τ≒CL ・RI となる。ここで、CL =εL ・(S/dL ),RI =
(dI /S)・ρI より、 τ=εL ・ρI ・(dI /dL ) となる。
【0103】一方、液晶素子1の各画素に情報を書き込
む場合において、印加電圧の基本的なパルス巾をtとす
ると、この時間t内に上記誘電緩和が行われている必要
があり、
【0104】
【式4】τ=εL ・ρI ・(dI /dL )≦t を満たす必要がある。
【0105】ところで、非一軸配向膜7の体積抵抗率ρ
I は一般に高いため、電極と接している部分において電
荷の出し入れに整流性が生じ、電圧印加の方向によって
異なるインピーダンス(Z+,Z−)を示すことがあ
る。つまり、非一軸配向膜7にその膜厚方向に電圧を印
加した場合、観測されるインピーダンスは電圧印加方向
に応じて異なる。そして、インピーダンスの大きい方に
おいてはスイッチングスピードが低下し、駆動マージン
も低下することとなる。
【0106】ここで、大きいインピーダンスの絶対値と
小さいインピーダンスの絶対値との比(以下、“インピ
ーダンス極性比”とする)Zratio を、
【0107】
【式5】Zratio =max(|Z−|/|Z+|,|Z
+|/|Z−|) と定義すると、|Z−|<|Z+|の場合にはZratio
=|Z+|/|Z−|となり、|Z−|>|Z+|の場
合にはZratio =|Z−|/|Z+|となる。そして、
インピーダンスの小さい方(すなわち、(dI /S)・
ρI )において、 τ=εL ・ρI ・(dI /dL )≦t を満たしている必要があり、インピーダンスの大きい方
(すなわち、Zratio ・(dI /S)・ρI )におい
て、 τ′=Zratio ・εL ・ρI ・(dI /dL )≦t を満足している必要がある。
【0108】つまり、インピーダンスの大小にかかわら
ず、
【0109】
【式6】 Zratio ≦t/((εL ・ρI )・(dI /dL )) を満足している必要があり、この式を満足する場合には
駆動マージンの低下が防止される。
【0110】つまり、スイッチング時の誘電緩和は、非
一軸配向膜の整流性のために一方は遅くなり易く、マー
ジンが低下するおそれがあるが、式*3に示す条件を満
たす限り、マージン低下は発生しない。
【0111】特に、隣接間抵抗として数10メガΩ以上
得られるように、非一軸配向膜7の体積抵抗率を1×1
06 〜1×109 Ωcmとするときは、パネル駆動パル
スとしてマイクロ秒前後の波形を用いる際に、値として
10〜100のインピーダンスの極性比が液晶の緩和時
定数に影響を与える大きさとなるため、インピーダンス
の極性比をなくすことがマージン確保に効果的になる。
【0112】なお、Z+とZ−との間に差がないときに
は、Zratio =1となり、式6と式4とは一致する。
【0113】次に、非一軸配向膜7等の膜の抵抗値を測
定する手段について、図3及び図4を参照して説明す
る。
【0114】図3は、膜の膜厚方向における抵抗値を測
定するための系を示した図であり、符号20は、測定対
象の膜であり、電極21と電極22との間に電流を流し
て測定を行うものである。ここで、一方の電極21は、
Alからなる直径1mmφの電極であり、他方の電極2
2は、ITOからなる電極である。
【0115】また、図4は、膜の膜面方向における抵抗
値を測定するための系を示した図であり、符号23は、
測定対象の膜であり、電極25と電極26との間に電流
を流して測定を行うものである。
【0116】ところで、本発明においては、特に図1に
示す実施の形態では非一軸配向膜7よりも基板側(例え
ば、非一軸配向膜7と電極6との間)に、所定の無機膜
を設けて、さらに耐圧を増加させても良い。これによ
り、素子の耐久性を増すことができる。
【0117】このような無機膜としては、ZnO、Sn
O2 、またはTaOxなどの種々のスパッタにより形成
した蒸着膜が適しており、例えば、酸素ガス、アルゴン
ガスなどのガス圧調整により、またはRFパワーの調整
により、その膜厚方向の抵抗率を1×104 〜1×10
8 Ωcmに制御した1000Å〜2000Åの膜厚程度
のものが最適に使用し得る。
【0118】なお、このような無機膜を設ける場合、膜
厚方向の体積抵抗の上限値は、非一軸配向膜7と同様
に、スイッチングの前状態を解除する必要から、約1×
108Ωcm程度が好ましい。
【0119】一方、下限値も上層の膜に対しても同様の
条件として、例えば導電性の異物などの混入により、液
晶部分がショート状態になったとしても、該蒸着膜の膜
厚方向に流れる電流を抑制することにより、ショート部
分またはその周辺に対して、画質上の欠陥を顕著にしな
いための条件により導出される。代表的な考え方の例と
して、セルの厚み程度の異物により、液晶部分に膜厚方
向に電気的なパスが生じた場合、前述した画素間におけ
る電圧降下率を1/100とするためには、この部分の
抵抗が給電部から画素端までの抵抗1kΩの100倍必
要である。ショート面積を2μm×2μmとし、無機膜
の厚みが1000Åであれば、ρmin ・1・10-5/
(2・10-4)2 ≧1・105 (Ω)(ρmin :抵抗の
下限値)より、ρmin ≧4・102 (Ωcm)であり、
例えば複数箇所でのパスを想定すると、約1×104 Ω
cm以上の体積抵抗率が求められる。
【0120】次に、上述した液晶素子1を用いて液晶表
示装置30を構成した場合について、図5及び図6を参
照して簡単に説明する。
【0121】図5は、液晶表示装置の全体構成を示すブ
ロック図であるが、この図に示すように、液晶素子1に
は情報線駆動回路405や走査線駆動回路404が接続
されており、これらの回路404,405には、駆動制
御回路411及びグラフィックコントローラ402が順
に接続されている。このうち、グラフィックコントロー
ラ402は、GCPU(中央演算処理装置)412、ホ
ストCPU413並びにVRAM414を有しており、
画像情報の管理や通信を司っている。また、GCPU4
12から駆動制御回路411へは画像情報やSYNC信
号が送信されるが、この画像情報は、図6に示すよう
に、走査線アドレス情報や表示情報からなっている。こ
のうち、走査線アドレス情報は走査線駆動回路404へ
送られ、表示情報は情報線駆動回路405へ送られるよ
うになっている。
【0122】さらに、走査線駆動回路404は、走査線
アドレス情報によって決まる電極9に走査信号を印加す
るようになっており、また情報線駆動回路405は情報
信号を印加するようになっている。なお、液晶素子1の
裏面には光源(不図示)が配置されていて、この光源に
よって液晶素子1を照明するようになっている。
【0123】液晶素子1が上述のように良好なスイッチ
ング特性を有することから、図5に示す液晶表示装置3
0は、優れた駆動特性を発揮し、高精細、高速、大面積
の表示装置となる。
【0124】次に、液晶素子1の駆動法について、図7
を参照して説明する。
【0125】上述した液晶素子1の駆動法としては、例
えば特開昭59−193426号公報、特開昭59−1
93427号公報、特開昭60−156046号公報、
特開昭60−156047号公報などに開示された駆動
法を適用すればよい。
【0126】図7は、電極に印加する各信号の波形を示
す波形図である。ここで、図7(a)中に符号SS で示す
信号は、選択された走査線に印加する選択走査波形を示
しており、符号SN で示す信号は、選択されていない非
選択走査波形を示している。また、符号IS で示す信号
は、選択された情報線に印加する選択情報信号(黒)を
示しており、符号IN で示す信号は、選択されていない
情報線に印加する非選択情報信号(白)を示している。
さらに、符号“IS −SS ”及び“IN −SS”は、選
択された走査線上の画素に印加される電圧波形を示して
おり、符号“IS −SS ”に示す電圧が印加された画素
は黒の表示状態をとり、符号“IN −SS ”に示す電圧
が印加された画素は白の表示状態をとるようになってい
る。
【0127】ここで、液晶素子1の駆動例について図8
及び図9を参照して具体的に説明する。
【0128】いま、6個の画素に、図8に示すような表
示を行わせる場合を考える。なお、これらの画素を構成
する情報線を符号I1 ,I2 で示し、走査線を符号S
1 ,S2 ,S3 で示すものとする。
【0129】図9は、図8に示す表示を行うための駆動
信号の波形を示す波形図であるが、図8に示す表示を行
うためには、 * 3本の走査線S1 ,S2 ,S3 には図示の順序で選
択走査信号SS を印加し、 * 走査線S1 に選択走査信号SS を印加しているとき
に、情報線I1 には非選択情報信号IN を印加すると共
に、情報線I2 には選択情報信号IS を印加し、 * 走査線S2 に選択走査信号SS を印加しているとき
に、情報線I1 及び情報線I2 には非選択情報信号IN
を共に印加し、 * 走査線S3 に選択走査信号SS を印加しているとき
に、情報線I1 及び情報線I2 には選択情報信号IS を
共に印加すれば良い。
【0130】ところで、図7に示す走査信号SS は、リ
セットパルス(パルス巾t1 )と書き込みパルス(パル
ス巾t2 )とからなるが、t1 =2t2 (すなわち、t
2 =Δtとした場合にt1 =2Δt)となるようにして
いる。なお、リセットパルスによって前表示状態がリセ
ットされる(本駆動例では白表示状態にリセットされ
る)ようになっている。
【0131】なお、駆動波形の各パラメータ(VS 、V
I 、並びに△tの値)は使用する液晶材料のスイッチン
グ特性によって決定される。
【0132】図10は、バイアス比VI /(VI +V
S )を一定に保ちながら駆動電圧(VS +VI )を変化
させたときの、駆動電圧(VS +VI )と透過率Tとの
関係(すなわち、V−T特性)を示す図である。ここで
は、Δt=50μsec、バイアス比VI /(VI +V
S )は固定している。
【0133】そして、図10の右側は、前表示状態が黒
の画素に“IN −SS の波形(図7参照)”を印加した
場合のV−T特性を示しており、 0 ≦VS +VI ≦V2 ;白リセットがされず、黒
(前表示状態)が保持される範囲 V2 ≦VS +VI ≦V3 ;黒(前表示状態)が白リ
セットされ、かつ、白保持される範囲 V3 ≦VS +VI ;黒(前表示状態)が白リ
セットされ、黒書き込みされる範囲 であることを示している。
【0134】また、図10の左側は、前表示状態が白の
画素に“IS −SS の波形(図7参照)”を印加した場
合のV−T特性を示しており、 0 ≦VS +VI ≦V1 ;白(前表示状態)が保持
される範囲 V1 ≦VS +VI ;白(前表示状態)がリセ
ットされ、白保持できない範囲 であることを示している。なお、上述したV1 を“実駆
動閾値電圧”と呼ぶ。
【0135】つまり、上記〜をまとめると、IN −
SS の波形を印加した場合に適正に白書き込み(白保
持)が行なわれ(上記参照))、かつ、IS −SS の
波形を印加した場合に適正に黒書き込みが行われる(上
記参照)ようにするためには、V2 <V1 <V3 のと
き、 V1 ≦VS +VI ≦V3 でなければならない。
【0136】ここで、V3 (以下、“クロストーク電
圧”と呼ぶ)は、図7に示す波形“IN −SS ”のVB 1
によって黒書き込みが行われてしまう電圧値(上記参
照)であって、カイラルスメクチック液晶素子を駆動す
る場合一般的に存在すると言ってよい。そして、このク
ロストーク電圧V3 が大きい方が、駆動の上から好まし
い。
【0137】なお、このクロストーク電圧V3 を大きく
するにはバイアス比を大きくすれば良いが、バイアス比
を増すことは情報信号の振幅を大きくすることを意味
し、画質的にはちらつきの増大、コントラストの低下を
招き好ましくない。我々の検討でバイアス比1/3〜1
/4程度が実用的であった。
【0138】いま、△V(以下、“電圧マージンパラメ
ータと呼ぶ”)を、 △V=(V3 −V1 )/(V3 +V1 ) と定義すると、この電圧マージンパラメータ△Vは、マ
トリクス駆動可能な電圧幅のパラメータとなり、このパ
ラメータ△Vは大きい程良く、このパラメータΔVは液
晶材料のスイッチング特性及び素子構成に強く依存す
る。
【0139】なお、以上においては、電圧を変化させる
ことによって液晶のスイッチングを行っているが、電圧
を一定の状態で電圧印加時間Δtを変化させることによ
って該スイッチングを行うようにしてもよい。その場合
には、 M2=(Δt2 −Δt1 )/(Δt2 +Δt1 ) ここで、Δt1 (電圧印加時間閾値)は、上記実駆動閾
値電圧V1 に相当するもの、Δt2 (電圧印加時間クロ
ストーク値)は、上記クロストーク電圧V3 に相当する
もの。で定義する電圧印加時間マージンパラメータ(M
2)は、大きい程良い。
【0140】なお、上記電圧マージンパラメータ△V並
びに電圧印加時間マージンパラメータM2は、液晶素子
に固有のものであって、液晶材料や液晶素子の構成に応
じて異なる。また、これらのパラメータ△V,M2は、
環境温度に応じて変化する。したがって、液晶素子の駆
動条件は、液晶材料、液晶素子の構成、環境温度に応じ
て最適化する必要がある。
【0141】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例に沿って更に
詳細に説明する。 (実施例1)まず、本発明の実施例1について、図11
乃至図14を参照して説明する。
【0142】本実施例においては、図1に示す構造の液
晶素子であって非一軸配向膜7の形成方法等が相違する
2種類の液晶素子(以下、“液晶素子1A”並びに“液
晶素子1B”とする)を作成して、これら2種類の液晶
素子1A,1Bの特性を比較すると共に、非一軸配向膜
7の形成方法等が相違する2種類の試料1LA,1LB
(以下、“評価用試料1LA,1LB”とする)を作成
して、非一軸配向膜7の評価を行った。
【0143】まず、液晶素子1A,1Bについて説明す
る。
【0144】液晶素子1A,1Bの具体的構造は、図1
に示す液晶素子1と同様である。すなわち、液晶素子1
A,1Bは、所定距離だけ離間した位置に配置される一
軸配向側基板(基板)2及び非一軸配向側基板(基板)
3を備えており、これらの基板2,3の間には液晶5が
挟持されている。また、一軸配向側基板2の表面には電
極9や配向制御膜10が形成されており、配向制御膜1
0には、液晶5を一軸配向させるべく処理がなされてい
る。さらに、非一軸配向側基板3の表面には電極6や非
一軸配向膜7が形成されており、液晶分子に対して非一
軸配向特性を有するようになっている。
【0145】次に、液晶素子1Aの製造方法について説
明する。
【0146】まず、一般的なDCスパッタ装置とITO
(インジウム ティン オキサイド)のターゲットとを
用い、基板2,3の表面にITO膜をスパッタリング形
成した。なお、このスパッタリングにおいては、スパッ
タ装置のパワーを1W/cm2 とし、スパッタガスには
ArとO2 の混合ガス(Ar:90SCCM,O2 :1
0SCCM)を用い、放電時間を2.5分間として、I
TO膜の膜厚が700Åになるようにした。そして、こ
のITO膜を、通常の湿式エッチング法によって所望の
形状にパターニングし、電極6,9を作成した。
【0147】次に、一方の基板(一軸配向側基板)2の
表面には、ポリアミック酸(東レ社製、LP−64)
を、2700rpm,20秒の条件でスピンコートし、
これを200℃で60分間焼成して、厚さ50Åの配向
制御膜(ポリイミド膜)10を形成した。その後、この
配向制御膜10に、回転数1000rpm、押し込み量
0.4mm、送りスピード5mm/sec、片方向3回
のラビング処理を施した。
【0148】また、他方の基板(非一軸配向側基板)3
の表面には、溶液(SiOxの重合体にラダー型のポリ
シロキサンを重合比で40%混合したシリコン酸化物母
材中に、粒径が約100ÅのSnOxの酸化物超微粒子
を分散した溶液)を、1000rpm,10秒の条件で
スピンコートし、これを200℃で60分間焼成して、
厚さ2000Åの非一軸配向膜7を形成した。
【0149】次に、一軸処理側基板2の配向制御膜10
表面には、2.2μm径のSiO2微粒子を含有させた
溶液をスピンコート法によって塗布し、これを加熱し
て、SiO2 微粒子を配向制御膜10の表面に分散固着
させた。さらに、粒径約5μmの接着粒子(エポキシ樹
脂粒子)を含有させた溶液をスピンコート法によって塗
布し、同じく加熱してエポキシ樹脂粒子を分散固着させ
た。
【0150】また、印刷機を用いて、非一軸処理側基板
3の所望の位置にシール剤を塗布し、これを90℃で5
分間プリベークした。
【0151】さらに、基板2と基板3とを、プレス機を
用いて50gf/cm2 の圧力で圧着し、同じ圧力をエ
アークッションにて加えた状態で、110℃、90分間
の加熱を行ない、シール剤を硬化させ、これら2枚の基
板2,3を貼り合わせた。
【0152】このあと上記作業でできあがった空素子
を、通常のロードロック式の真空室内に入れ、1×10
-5Torrまで真空引きしたあと、1×10-2Torr
の真空中で95℃に加熱した液晶貯留槽に注入口をつけ
るように浸し、液晶を空素子内に注入した。
【0153】次に、液晶素子1Bの製造方法について説
明する。
【0154】基板2,3の表面には、上述と同様の方法
で電極6,9を形成した。また、一方の基板(一軸配向
側基板)2の表面には、上述と同様の方法で配向制御膜
(ポリイミド膜)10を形成すると共に、その配向制御
膜10の表面にはラビング処理を施した。
【0155】次に、他方の基板(非一軸配向側基板)3
の表面には、所定の溶液(SiOxの重合体からなるシ
リコン酸化物母材中に、SnOxの酸化物超微粒子を分
散させた溶液、すなわち、液晶素子1Aの場合と異なり
ラダー型ポリシロキサンを混ぜていないもの)を、10
00rpm,10秒の条件でスピンコートし、これを2
00℃で60分間焼成して、厚さ2000Åの非一軸配
向膜7を形成した。
【0156】さらに、上述と同様の方法で、SiO2 微
粒子並びに接着粒子の分散固着、及びシール剤の塗布等
を行った後に、2枚の基板2,3を貼り合わせ、液晶注
入を行った。
【0157】次に、非一軸配向膜7の評価を行うための
評価用試料1LA,1LBについて説明する。
【0158】図11は、評価用試料の具体的構造を示す
断面図であるが、この図に示すように、評価用試料1L
A,1LBは基板3を1枚のみ備えており、この基板3
の表面には、パターニングをしない状態のITO膜50
が形成されている。また、このITO膜50の表面には
素子1A及び1Bで作成した非一軸配向膜7と同様の膜
17が形成されており、この膜17の表面にはオーミッ
クコンタクト層51が形成されている。さらに、このオ
ーミックコンタクト層51の表面には、直径が1mmφで
Al製のオーミック電極52が複数形成されている。ま
た、基板3の端部においては、リード線53がITO膜
50に接続されている。
【0159】ここで、評価用試料1LAの製造方法につ
いて説明する。
【0160】まず、液晶素子1A,1Bの場合と同様の
方法で基板3の表面にITO膜50を形成した。なお、
このITO膜50のパターニングは行わず、ITO膜5
0の表面には、液晶素子1Aにおける非一軸配向膜7の
場合と同様に膜17を形成した。
【0161】そして、このように膜17を形成した後、
膜17(非一軸配向膜7)と同様の材料を用いSnOx
超微粒子の濃度を高めて体積抵抗率が1×104 Ωcm
程度の値を取るように処方を変更した膜形成用の溶液
を、膜17の表面にスピンコートして、オーミックコン
タクト層51を形成した。なお、スピン条件は、150
0rpm、10secとして、膜厚が約500Åになる
ようにした。さらに、このオーミックコンタクト層51
の表面にはオーミック電極52を、通常の抵抗加熱型の
蒸着機によって形成した。その後、リード線53をIT
O膜50に超音波はんだで接合した。
【0162】次に、評価用試料1LBの製造方法につい
て説明する。
【0163】評価用試料1LBにおいても、試料1LA
と同様の方法でITO膜50を形成し、このITO膜5
0の表面には、液晶素子1Bにおける非一軸配向膜7と
同様に膜17を形成した。その他の構成並びに製造方法
は、上述した試料1LAと同様である。
【0164】次に、評価用試料1LA,1LBを用いて
行う電極上に形成された膜(非一軸配向膜)の評価方法
について説明する。
【0165】図12は、膜17(素子における非一軸配
向膜)の評価方法を説明するための模式図であるが、こ
の膜の評価を行うに際しては、この図に示すように、リ
ード線53を接地すると共に、オーミック電極52にイ
ンピーダンス測定器60を接続した。そして、オーミッ
ク電極52に+500mVのDC電圧を印加した場合の
インピーダンスZ+と、オーミック電極52に−500
mVのDC電圧を印加した場合のインピーダンスZ−
と、をそれぞれ測定した。その結果、インピーダンス極
性比Zratio は、評価用試料1LAにおいてはほぼ
“5”となり、評価用試料1LBにおいておよそ30と
なった。これにより、試料1LAと試料1LBとでは、
膜17の電荷を出入りさせる能力が異なることが分かっ
た。
【0166】次に、上述の方法で作成した液晶素子1
A,1Bについて1画素の特性を調べた。
【0167】図13は、液晶素子の特性を調べる様子を
説明するための模式図であるが、1画素の特性を調べる
に際しては、この図に示すように、非一軸処理側基板3
(正確には、その電極6)を接地し、一軸処理側基板2
(正確には、その電極9)側に信号電圧を印加した。
【0168】そして、書き込み信号電圧を変化させた場
合、該電圧と光透過率との関係(V―T特性)は図14
に示すようになった。
【0169】ここで、同図に示す矢印の行きと帰りの違
いはヒステリシスと呼ばれる量で、理想的には「0」と
なることが望ましいが、実用上は駆動電圧の5%以下程
度であれば良い。また、実線U1と破線U2は黒リセッ
卜時に液晶分子の自発分極がどちらを向いているかを示
し、例えばPsが負の場合、非一軸配向側を向くときが
U1、一軸配向側を向くときがU2である。このU1と
U2の夫々の状態を黒状態とした場合の互いの電圧閾値
のずれ量が、理想的にはやはり「0」となることが望ま
しく、このとき対称性が得られたという。これに対し閾
値ずれ量が非対称性とも呼ばれ、その値は実用的にはプ
ラスマイナス1V程度以下であれば双安定ポテンシャル
が極端に乱されることがなく、書き込み不良や焼きつき
などの経時変化が抑制される。
【0170】そして、液晶素子1Aの場合は、ヒステリ
シスは0.6V、非対称性は約0.2Vに低く抑えられ
ていることが分かった。また、他方の液晶素子1Bの場
合は、非対称性は0.3〜0.4Vで素子1Aとほとん
ど変わらないが、ヒステリシスは1.2Vと増加してい
ることが分かった。
【0171】ここで、式 Zratio ≦t/((εL ・ρI )・(dI /dL )) について考察する。
【0172】本実施例の場合、t=10〜20μsec
であり、素子1A,1Bにおける非一軸配向膜7の膜厚
dI =2000Åであり、液晶層の厚さdL =2μm=
20000Åであり、液晶の誘電率εL =1×10-12
(比誘電率がおよそ10)であり、膜の体積抵抗率ρI
=1×107 Ωcmであるため、上式の右辺は10〜2
0となる。そして、液晶素子1Aの場合は、左辺(Z
ratio の実測値)は5であって上式を満足しており、液
晶素子1Bの場合は、左辺(Zratio の実測値)は30
であって上式を満足していない。したがって、本実施例
によれば、上式を満たす場合(評価用試料1LA、すな
わち液晶素子1Aの場合)にはヒステリシスは小さくな
り、上式を満たさない場合(評価用試料1LB、すなわ
ち液晶素子1Bの場合)にはヒステリシスは大きくなる
ことから、上式を満たす限り適正であることが分かる。
【0173】さらに、作成した液晶素子1Aを駆動する
と、残像は見えず、速い応答性が得られることを確認し
た。また、この液晶素子1Aでは、ちらつきや不良表示
領域の成長などは見られず、極めてよい双安定性が得ら
れ、焼き付きや単安定性の進行などが充分抑制され、高
い信頼性が得られることを確認した。
【0174】これに対して、もう一方の液晶素子1Bを
駆動すると、残像や不良表示領域の成長や焼きつきが多
少観察された。
【0175】一方、上述した電圧印加時間マージンパラ
メータM2(=(Δt2 −Δt1 )/(Δt2 +Δt
1 ))は、液晶素子1Bにおいてはインピーダンスの大
きい側の極性の電圧印加をリセットとした場合で0.0
5〜0.1の低下があったにもかかわらず、液晶素子1
Aにおいては(インピーダンスの大きい側の極性の電圧
及びインピーダンスの小さい側の極性の電圧)いずれを
リセットとした場合においても等しくおよそ0.25で
あった。この際、駆動電圧のピーク値として上下の基板
の電極間に20Vの電圧をかけても、液晶素子1A,1
Bともにショートの起こる画素は、見られず、マージン
改善の結果ショート防止機能が低下するというトレード
オフはなかった。 (実施例2)次に、本発明の実施例2について、図15
を参照して説明する。
【0176】本実施例においては、図15に示す非対称
構造の液晶素子であって非一軸配向側の基板における膜
の形成方法等が相違する2種類の液晶素子(以下、“液
晶素子2A”並びに“液晶素子2B”とする)を作成し
て、これら2種類の液晶素子2A,2Bの特性を比較す
ると共に、非一軸基板側の膜の形成方法等が相違する2
種類の試料2LA,2LB(以下、“評価用試料2L
A,2LB”とする)を作成して、膜の評価を行った。
【0177】図15は、本実施例にて作成した液晶素子
2A,2Bの具体的構造を示す断面図であるが、同図に
示すように、液晶素子2A,2Bにおいては、非一軸配
向側基板3には2つの層7a,7b(以下、基板3側の
層7aを“下部層7a”とし、液晶5側の層(非一軸配
向膜)7bを“上部層7b”とする)にて構成されてい
る。それ以外の構成は、上述した液晶素子1と同様であ
る。
【0178】次に、液晶素子2Aの製造方法について説
明する。
【0179】まず、実施例1と同様の装置及び同様の条
件で、基板2,3の表面にITO膜をスパッタリング
し、このITO膜をパターニングして、電極6,9を作
成した。
【0180】次に、一方の基板(一軸配向側基板)2の
表面には、下記構造式のポリイミドをNMP,nBCの
混合液(2:1)で0.8wt%に希釈した溶液を、3
000rpm,20秒の条件でスピンコートし、これを
200℃で60分間焼成して、厚さ50Åの配向制御膜
(ポリイミド膜)10を形成した。
【0181】
【化40】 その後、この配向制御膜10に、回転数1000rp
m、押し込み量0.4mm、送りスピード10mm/s
ec、片方向4回のラビング処理を施した。
【0182】また、他方の基板(非一軸配向側基板)3
の表面には、通常のRFスパッタ装置とZnO(100
%)のターゲットとを用いて、ZnO膜よりなる下部層
7aを2000Åの厚さに形成した。なお、パワーを5
W/cm2 とし、基板加熱温度を200℃とした。ま
た、スパッタガスにはArとO2 の混合ガス(Ar:9
0SCCM,O2 :10SCCM)を用い、圧力を3m
Torrとし、放電時間を2分間とした。
【0183】次に、この下部層7aの表面に、溶液(ラ
ダー型のポリシロキサンの母材中に、粒径が約100Å
のSnOxの酸化物超微粒子を分散した溶液)を、10
00rpm,10秒の条件で2500Åの厚さにスピン
コートし、これを200℃で60分間焼成して、上部層
7bを形成した。
【0184】さらに、実施例1と同様の方法で、SiO
2 微粒子並びにV接着粒子(エポキシ樹脂粒子)の分散
固着、及びシール剤の塗布等を行った後に、2枚の基板
2,3を貼り合わせ、液晶注入を行った。
【0185】次に、液晶素子2Bの製造方法について説
明する。
【0186】基板2,3の表面には、上述と同様の方法
で電極6,9を形成した。また、一方の基板(一軸配向
側基板)2の表面には、上述と同様の方法で配向制御膜
(ポリイミド膜)10を形成すると共に、その配向制御
膜10の表面にはラビング処理を施した。さらに、他方
の基板(非一軸配向側基板)3の表面には、上述と同様
の方法で下部層7aを形成した。
【0187】次に、この下部層7aの表面に、溶液(S
iOxの重合体にラダー型のポリシロキサンを重合比で
40%混合したシリコン酸化物母材中に、粒径が約10
0ÅのSnOxの酸化物超微粒子を分散した溶液)を、
1000rpm,10秒の条件でスピンコートし、これ
を200℃で60分間焼成して、厚さ1500Åの上部
層7bを形成した。
【0188】さらに、実施例1と同様の方法で、SiO
2 微粒子並びに接着粒子の分散固着、及びシール剤の塗
布等を行った後に、2枚の基板2,3を貼り合わせ、液
晶注入を行った。
【0189】次に、液晶素子2A,2Bにおける基板3
側の下部層7a、上部層7bの評価を行うための評価用
試料2LA,2LBについて説明する。
【0190】評価用試料2LA,2LBについては、上
述した液晶素子2A,2Bと同様に、下部層7a及び上
部層7bの2層で構成することとした。それ以外の構成
(すなわち、ITO膜50、オーミックコンタクト層5
1、オーミック電極52及びリード線53)は、上述し
た実施例1における評価用試料1LA,1LB(図15
参照)と同様である。
【0191】次に、下部層7a、上部層7bの評価を行
うための評価用試料2LA,2LBの製造方法について
説明する。
【0192】評価用試料2LAにおいては、下部層7a
及び上部層7bは、上述した液晶素子2Aと同様の方法
で形成した。また、他方の評価用試料2LBにおいて
は、下部層7a及び上部層7bは、上述した液晶素子2
Bと同様の方法で形成した。それ以外の製造方法(すな
わち、ITO膜50、オーミックコンタクト層51、オ
ーミック電極52及びリード線53の製造方法)は、上
述した実施例1における評価用試料1LA,1LBと同
様である。
【0193】次に、評価用試料2LA,2LBを用いて
行う膜の評価方法について説明する。
【0194】膜(下部層7a及び上部層7b)の評価
は、実施例1と同様に、図12に示す方法により行っ
た。その結果、インピーダンス極性比Zratio は、評価
用試料2LAにおいてはほぼ“1”となり、評価用試料
2LBにおいておよそ30となった。これにより、試料
2LAと試料2LBとでは、膜(下部層7a及び上部層
7b)の電荷を出入りさせる能力が異なることが分かっ
た。
【0195】次に、上述の方法で作成した液晶素子2
A,2Bについて1画素の特性を、実施例1と同様の方
法で調べた。その結果、いずれの液晶素子2A,2Bに
おいても非対称性は0.3〜0.4Vで大きな差はなか
ったが、ヒステリシスは液晶素子2Aの方が0.5Vで
あるのに対し、液晶素子2Bの方は1.2Vと大きく劣
ることが分かった。
【0196】ここで、式 Zratio ≦t/((εL ・ρI )・(dI /dL )) について考察する。
【0197】本実施例の場合、t=10〜20μsec
であり、膜厚dI =4500Å(素子2A)、4000
Å(素子2B)であり、液晶層の厚さdL =2μm=2
0000Åであり、液晶の誘電率εL =1×10-12
(比誘電率がおよそ10)であり、膜の体積抵抗率ρI
=1×107 Ωcmであるため、上式の右辺は4.4〜
8.9(素子2A)、5〜10(素子2B)となる。そ
して、液晶素子2Aの場合は、左辺(Zratio の実測
値)は1であって上式を満足しており、液晶素子2Bの
場合は、左辺(Zratio の実測値)は30であって上式
を満足していない。したがって、本実施例によれば、上
式を満たす場合(評価用試料2LA、すなわち液晶素子
2Aの場合)にはヒステリシスは小さくなり、上式を満
たさない場合(評価用試料2LB、すなわち液晶素子2
Bの場合)にはヒステリシスは大きくなることから、上
式を満たす限り適正であることが分かる。
【0198】さらに、作成した液晶素子2Aを駆動する
と、実施例1における液晶素子1Aと同様の効果が得ら
れたが、もう一方の液晶素子2Bを駆動すると、残像や
不良表示領域の成長や焼きつきが多少観察された。
【0199】一方、上述した電圧印加時間マージンパラ
メータM2(=(Δt2 −Δt1 )/(Δt2 +Δt
1 ))は、液晶素子2Bにおいてはインピーダンスの大
きい側の極性の電圧印加をリセットとした場合0.05
〜0.1の低下があったにもかかわらず、液晶素子2A
においてはインピーダンスの大きい側の極性の電圧及び
インピーダンスの小さい側の極性の電圧のいずれをリセ
ットとした場合においても等しくおよそ0.25であっ
た。この際、駆動電圧のピーク値として上下の基板の電
極間に20Vの電圧をかけても、液晶素子2A,2Bと
もにショートの起こる画素は、見られず、マージン改善
の結果ショート防止機能が低下するというトレードオフ
はなかった。 (実施例3)さらに、本発明の実施例3について、図1
6を参照して説明する。
【0200】本実施例においては、図16に示す非対称
構成の素子において非一軸配向側の基板3における非一
軸配向膜7の形成方法等が相違する2種類の液晶素子
(以下、“液晶素子3A”並びに“液晶素子3B”とす
る)を作成して、これら2種類の液晶素子3A,3Bの
特性を比較すると共に、膜17の形成方法等が相違する
2種類の試料3LA,3LB(以下、“評価用試料3L
A,3LB”とする)を作成して、膜17の評価を行っ
た。
【0201】図16は、本実施例にて作成した液晶素子
3A,3Bの具体的構造を示す断面図であるが、同図に
示すように、液晶素子3A,3Bは、上述した液晶素子
1と同様の構造をしている。
【0202】次に、液晶素子3Aの製造方法について説
明する。
【0203】まず、実施例1及び実施例2と同様の装置
及び同様の条件で、基板2,3の表面にITO膜をスパ
ッタリングし、このITO膜をパターニングして、電極
6,9を作成した。
【0204】次に、一方の基板(一軸配向側基板)2の
表面には、所定の溶液(ナイロンを蟻酸で0.2wt%
に希釈した溶液)を、3000rpm,20秒の条件で
スピンコートし、これを180℃で60分間焼成して、
厚さ50Åの配向制御膜(ナイロン膜)10を形成し
た。その後、この配向制御膜10に、回転数1000r
pm、押し込み量0.3mm、送りスピード5mm/s
ec、片方向3回のラビング処理を施した。
【0205】また、他方の基板(非一軸配向側基板)3
の表面には、溶液(SiOxの重合体とラダー型のポリ
シロキサンとを2:8の比率で混合した母材中に、粒径
が約100ÅのSnOxの酸化物超微粒子を分散した溶
液)を、1000rpm,10秒の条件でスピンコート
し、これを200℃で60分間焼成して、厚さが220
0Åの非一軸配向膜7を形成した。
【0206】さらに、実施例1、2と同様の方法で、S
iO2 微粒子並びに接着粒子の分散固着、及びシール剤
の塗布等を行った後に、2枚の基板2,3を貼り合わ
せ、液晶注入を行った。
【0207】次に、液晶素子3Bの製造方法について説
明する。
【0208】基板2,3の表面には、上述と同様の方法
で電極6,9を形成した。また、一方の基板(一軸配向
側基板)2の表面には、上述と同様の方法で配向制御膜
(ポリイミド膜)10を形成すると共に、その配向制御
膜10の表面にはラビング処理を施した。
【0209】さらに、他方の基板(非一軸配向側基板)
3の表面には、通常のRFスパッタ装置と、ZnO(9
5.5%)にAl2 O3 (0.5%)を混ぜたターゲッ
トとを用いて、AlドープされたZnO膜よりなる非一
軸配向膜7を2000Åの厚さに形成した。なお、パワ
ーを5W/cm2 とし、基板加熱温度を200℃とし
た。また、スパッタガスにはArとO2 の混合ガス(A
r:90SCCM,O2:10SCCM)を用い、圧力
を3mTorrとし、放電時間を4分間とした。
【0210】さらに、実施例1、2と同様の方法で、S
iO2 微粒子並びに接着粒子の分散固着、及びシール剤
の塗布等を行った後に、2枚の基板2,3を貼り合わ
せ、液晶注入を行った。
【0211】次に、膜17の評価を行うための評価用試
料3LA,3LBの製造方法について説明する。
【0212】本実施例にて作成した評価用試料3LA,
3LBは、実施例1の評価用試料1LA,1LB(図1
2参照)とは膜17の形成方法のみを異ならせ、他の部
材(すなわち、ITO膜50、オーミックコンタクト層
51、オーミック電極52及びリード線53)の構成並
びに製造方法は同じとした。すなわち、評価用試料3L
Aにおいては、上述した液晶素子3Aと同様の方法で膜
17を形成し、他方の評価用試料3LBにおいては、上
述した液晶素子3Bと同様の方法で膜17を形成した。
【0213】次に、評価用試料3LA,3LBを用いて
行う非一軸配向膜の評価について説明する。
【0214】非一軸配向膜の評価は、実施例1と同様
に、図12に示す方法により行った。その結果、インピ
ーダンス極性比Zratio は、評価用試料3LAにおいて
はほぼ“1”となり、評価用試料3LBにおいておよそ
10となった。これにより、試料3LAと試料3LBと
では、非一軸配向膜7の電荷を出入りさせる能力が異な
ることが分かった。
【0215】次に、上述の方法で作成した液晶素子3
A,3Bについて1画素の特性を、実施例1と同様の方
法で調べた。その結果、液晶素子3Aが0.1Vで液晶
素子3Bが0.3〜0.4Vであり、液晶素子3Bの方
が少し劣ることが分かった。また、ヒステリシスは液晶
素子3Aの方が0.5Vであるのに対し、液晶素子3B
の方は0.8Vと劣ることが分かった。
【0216】ここで、式 Zratio ≦t/((εL ・ρI )・(dI /dL )) について考察する。
【0217】本実施例の場合、非一軸配向膜の体積抵抗
率ρI =3×107 Ωcmであって上記実施例1及び2
とは異なり、又、t=10〜20μsec、dI =22
00Å(素子3A)、2000Å(素子3B)、dL =
20000Å、εL =1.0×10-12 であった。上式
の右辺は3〜6(素子3A)、3.3〜6.7(素子3
B)となる。そして、液晶素子3Aの場合は、左辺(Z
ratio の実測値)は1であって上式を満足しており、液
晶素子3Bの場合は、左辺(Zratio の実測値)は10
であって上式を満足していない。したがって、本実施例
によれば、上式を満たす場合(評価用試料3LA、すな
わち液晶素子3Aの場合)にはヒステリシスは小さくな
り、上式を満たさない場合(評価用試料3LB、すなわ
ち液晶素子3Bの場合)にはヒステリシスは大きくなる
ことから、上式を満たす限り適正であることが分かる。
【0218】さらに、作成した液晶素子3Aを駆動する
と、実施例1における液晶素子1Aと同様の効果が得ら
れたが、もう一方の液晶素子3Bを駆動すると、残像や
不良表示領域の成長や焼きつきが多少観察された。
【0219】一方、上述した電圧印加時間マージンパラ
メータM2(=(Δt2 −Δt1 )/(Δt2 +Δt
1 ))は、液晶素子3Bにおいてはインピーダンスの大
きい側のリセットで0.05の低下があったにもかかわ
らず、液晶素子3Aにおいてはどちら側(インピーダン
スの大きい側及びインピーダンスの小さい側)からのリ
セットに対しても等しくおよそ0.25であった。この
際、駆動電圧のピーク値として上下の基板の電極間に2
0Vの電圧をかけても、液晶素子3A,3Bともにショ
ートの起こる画素は、見られず、マージン改善の結果シ
ョート防止機能が低下するというトレードオフはなかっ
た。
【0220】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
所定距離離間して配置される一対の基板と、これら一対
の基板の間に挟持される液晶と、を備え、かつ、一方の
基板が液晶分子に対して一軸配向特性を有し、他方の基
板が液晶分子に対して非一軸配向特性を有する液晶素子
において、前記非一軸配向特性を有する基板は、電極及
び該電極の液晶側に設けられた該電極と電気的特性の異
なる層からなり、かつ、該電極と該電極と電気的特性が
異なる層の間の一厚み方向に電圧を印加して観測される
インピーダンスと、その逆方向に電圧を印加して観測さ
れるインピーダンスとが異なり、
【0221】
【式7】 Zratio ≦t/((εL ・ρI )・(dI /dL )) ここで、Zratio ;前記電極と該電極の液晶側に設けら
れた該電極と電気的特性の異なる層に一膜厚方向に電圧
を印加して観測されるインピーダンスと、その逆方向に
電圧を印加して観測されるインピーダンスとの比 εL ;液晶の誘電率 t ;液晶素子を駆動する基本的なパルス間隔 ρI ;前記電極の液晶側に設けられた該電極と電気
的特性の異なる層の体積抵抗率 dI ;前記電極の液晶側に設けられた該電極と電気
的特性の異なる層の膜厚 dL ;前記液晶の厚さ とすることにより、ヒステリシスを小さくして、書き込
み不良や焼きつきを防止することができる。また、残像
を抑えて、速い応答性を得ることができ、ちらつきや不
良表示領域の成長を防止できる。さらに、ショートの発
生を防止した上で駆動マージンを向上させることができ
る。
【0222】また、前記電極の液晶側に設けられた該電
極と電気的特性の異なる層の体積抵抗率が1×106 〜
1×109 Ωcmであるようにした場合には、隣接画素
間のクロストークの発生を防止でき、高解像度を維持で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液晶素子の一実施の形態を示す断
面図。
【図2】電極の形状等を示す模式図。
【図3】非一軸配向膜の膜厚方向の体積抵抗測定系を示
す説明図。
【図4】非一軸配向膜の膜面方向の体積抵抗測定系を示
す説明図。
【図5】液晶素子を組み込んだ液晶表示装置の全体構成
を示すブロック図。
【図6】本発明に係る液晶素子とグラフィックコントロ
ーラとの間の画像情報通信状態を示すタイミングチャー
ト図。
【図7】電極に印加する各信号の波形を示す波形図。
【図8】表示状態の一例を示す模式図。
【図9】図8に示す表示を行うための駆動信号の波形
図。
【図10】駆動電圧と透過率との関係(すなわち、V−
T特性)を示す図。
【図11】評価用試料の具体的構造を示す断面図。
【図12】非一軸配向膜の評価方法を説明するための模
式図。
【図13】液晶素子の特性を調べる様子を説明するため
の模式図。
【図14】液晶素子におけるヒステリシス及びスイッチ
ングの非対称性を説明するための図。
【図15】実施例2にて作成した液晶素子2A,2Bの
具体的構造を示す断面図。
【図16】実施例3にて作成した液晶素子2A,2Bの
具体的構造を示す断面図。
【符号の説明】
1 液晶素子 2 一軸配向側基板(基板) 3 非一軸配向側基板(基板) 5 液晶 7 非一軸配向膜 10 配向制御膜(一軸配向膜)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺田 匡宏 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定距離離間して配置される一対の基板
    と、これら一対の基板の間に挟持される液晶と、を備
    え、かつ、一方の基板が液晶分子に対して一軸配向特性
    を有する液晶素子において、 前記一対の基板の少なくとも一方が、電極及び該電極の
    液晶側に設けられた該電極と電気的特性が異なる層から
    なり、かつ、 該電極と該電極と電気的特性が異なる層の間の一厚み方
    向に電圧を印加して観測されるインピーダンスと、その
    逆方向に電圧を印加して観測されるインピーダンスとが
    異なり、 【式1】 Zratio ≦t/((εL ・ρI )・(dI /dL )) ここで、Zratio ;前記電極と該電極の液晶側に設けら
    れた該電極と電気的特性の異なる層に一膜厚方向に電圧
    を印加して観測されるインピーダンスと、その逆方向に
    電圧を印加して観測されるインピーダンスとの比 εL ;液晶の誘電率 t ;液晶素子を駆動する基本的なパルス間隔 ρI ;前記電極の液晶側に設けられた該電極と電気
    的特性の異なる層の体積抵抗率 dI ;前記電極の液晶側に設けられた該電極と電気
    的特性の異なる層の膜厚 dL ;前記液晶の厚さ が成立する、 ことを特徴とする液晶素子。
  2. 【請求項2】 前記一対の基板のうち一方が液晶分子に
    対して一軸配向特性を有し、他方の基板が液晶分子に対
    して非一軸配向特性を有するものであり、少なくとも該
    非一軸配向特性を有する基板が前記インピーダンス特性
    を持つ電極と、該電極と電気的特性の異なる層とを有す
    る請求項1記載の液晶素子。
  3. 【請求項3】 前記電極の液晶側に設けられた該電極と
    電気的特性の異なる層の体積抵抗率が1×106 〜1×
    109 Ωcmである、ことを特徴とする請求項1に記載
    の液晶素子。
  4. 【請求項4】 前記電極の液晶側に設けられた該電極と
    電気的特性の異なる層を、導電性制御不純物が添加され
    た多結晶金属酸化物又は多結晶半導体によって形成し
    た、 ことを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶素子。
  5. 【請求項5】 前記非一軸配向特性を有する基板におい
    て電極の液晶側に設けられた該電極と電気的特性の異な
    る層を、絶縁性材料中に導電性制御不純物が添加された
    微粒子を分散させて形成した、 ことを特徴とする請求項2に記載の液晶素子。
  6. 【請求項6】 前記液晶が、フルオロカーボン末端鎖及
    び炭化水素末端鎖からなり、該両末端鎖が中心核によっ
    て結合され、スメクチック中間相または潜在的スメクチ
    ック中間相を持つフッ素含有液晶化合物を含有するカイ
    ラルスメクチック液晶である、 ことを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶素子。
  7. 【請求項7】 前記フッ素含有液晶化合物が、以下の一
    般式(I)で表される、ことを特徴とする請求項6に記
    載の液晶素子。 【化1】 を表わす。ga、ha、iaは独立に0〜3の整数(但
    し、ga+ha+iaは少なくとも2である)を表わ
    す。夫々のL1とL2は独立に、単結合、−CO−O
    −、−O−CO−、−COS−、−S−CO−、−CO
    −Se−、−Se−CO−、−CO−Te−、−Te−
    CO−、−CH2CH2−、−CH=CH−、−C≡C
    −、−CH=N−、−N=CH−、−CH2−O−、−
    O−CH2−、−CO−又は−O−を表わす。夫々のX
    1、Y1、Z1はA1、A2、A3の置換基であり、独
    立に−H、−Cl、−F、−Br、−I、−OH、−O
    CH3、−CH3、−CN、又は−NO2を表わし、夫
    々のja、ma、naは独立に0〜4の整数を表わす。
    J1は、−CO−O−(CH2)ra−、−O−(CH
    2)ra−、−(CH2)ra−、−O−SO2−、−
    SO2−、−SO2−(CH2)ra−、−O−(CH
    2)ra−O−(CH2)rb−、−(CH2)ra−
    N(CpaH2pa+1)−SO2−、又は−(C
    H2)ra−N(CpaH2pa+1)−CO−を表わ
    す。ra及びrbは、独立に1〜20であり、paは0
    〜4である。R1は、−O−CqaH2qa−O−C
    qbH2qb+1、−CqaH2qa−O−CqbH
    2qb+1、−CqaH2qa−R3、−O−CqaH
    2qa−R3、−CO−O−CqaH2qa−R3、又
    は−O−CO−CqaH2qa−R3を表わし、直鎖
    状、分岐状のいずれであっても良い(但し、R3は、−
    O−CO−CqbH2qb+1、−CO−O−CqbH
    2qb+1、−H、−Cl、−F、−CF3、−N
    O2、−CNを表わし、qa及びqbは独立に1〜20
    である)。R2はCxaF2xa−Xを表わす(Xは−
    H又は−Fを表わし、xaは1〜20の整数である)。
  8. 【請求項8】 前記フッ素含有液晶化合物が、以下の一
    般式(II)で表される、ことを特徴とする請求項6に記
    載の液晶素子。 【化2】 を表わす。gb、hb、ibはそれぞれ独立に0〜3の
    整数(但し、gb+hb+ibは少なくとも2である)
    を表わす。夫々のL3、L4は独立に、単結合、−CO
    −O−、−O−CO−、−CO−S−、−S−CO−、
    −CO−Se−、−Se−CO−、−CO−Te−、−
    Te−CO−、−(CH2CH2)ka−(kaは1〜
    4)、−CH=CH−、−C≡C−、−CH=N−、−
    N=CH−、−CH2−O−、−O−CH2−、−CO
    −又は−O−を表わす。夫々のX2、Y2、Z2は
    A4、A5、A6の置換基であり、独立に−H、−C
    l、−F、−Br、−I、−OH、−OCH3、−CH
    3、−CF3、−O−CF3、−CN、又は−NO2を
    表わし、夫々のjb、mb、nbはそれぞれ0〜4の整
    数を表わす。J2は、−CO−O−CrcH2rc−、
    −O−CrcH2rc−、−CrcH2rc−、−O−
    (CsaH2sa−O)ta−CrdH2rd−、−O
    −SO2−、−SO2−、−SO2−CrcH
    2rc−、−CrcH2rc−N(C
    pbH2pb+1)−SO2−、−CrcH2rc−N
    (CpbH2pb+1)−CO−であり、rc及びrd
    は独立に1〜20であり、saはそれぞれの(CsaH
    2sa−O)に独立に1〜10であり、taは1〜6で
    あり、pbは0〜4である。R4は、−O−(CqcH
    2qc−O)wa−CqdH2qd+1、−(CqcH
    2qc−O)wa−CqdH2qd+1、−CqcH
    2qc−R6、−O−CqcH2qc−R6、−CO−
    O−CqcH2qc−R6、又は−O−CO−CqcH
    2qc−R6を表わし、直鎖状、分岐状のいずれであっ
    ても良い(但し、R6は−O−CO−CqdH
    2qd+1、−CO−O−CqdH2qd+1、−C
    l、−F、−CF3、−NO2、−CN、又は−Hを表
    わし、qc及びqdは独立に1〜20の整数、waは1
    〜10の整数である)。R5は、(CxbF2xb−
    O)za−CyaF2ya+1で表わされる(但し、上
    記式中xbはそれぞれの(CxbF2xb−O)に独立
    に1〜10であり、yaは1〜10であり、zaは1〜
    10である)。
  9. 【請求項9】 前記カイラルスメクチック液晶が、強誘
    電性を示す液晶である、ことを特徴とする請求項6乃至
    8のいずれか1項に記載の液晶素子。
  10. 【請求項10】 前記一般式(II)で表される化合物が
    フェニルピリミジンコアからなる化合物である、ことを
    特徴とする請求項8記載の液晶素子。
  11. 【請求項11】 前記一軸配向特性を有する基板はその
    表面に、液晶分子に対して一軸配向特性を有する一軸配
    向膜を有するものである、ことを特徴とする請求項1記
    載の液晶素子。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007033588A (ja) * 2005-07-25 2007-02-08 Sony Corp 液晶表示素子および液晶プロジェクタ

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