JPH11166089A - 耐熱性樹脂組成物 - Google Patents

耐熱性樹脂組成物

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JPH11166089A
JPH11166089A JP27743198A JP27743198A JPH11166089A JP H11166089 A JPH11166089 A JP H11166089A JP 27743198 A JP27743198 A JP 27743198A JP 27743198 A JP27743198 A JP 27743198A JP H11166089 A JPH11166089 A JP H11166089A
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JP
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monomer
heat
resin composition
resistant resin
copolymer
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JP27743198A
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English (en)
Inventor
Kenichi Ueda
賢一 上田
Kazuchika Fujioka
和親 藤岡
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性などの光学特性、成形性に優れるとと
もに、耐熱性にも優れた耐熱性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 メタクリル酸エステル類単量体(A)と
マレイミド類単量体(B)とを共重合してなるマレイミ
ド系共重合体(1)と、芳香族ビニル類単量体(C)を
少なくとも85重量%含む単量体混合物を重合してなる
芳香族ビニル系重合体(2)とを互いに熱力学的に相溶
なものとして含む耐熱性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の重合体を混
合してなり、透明性などの外観に優れ、さらに、耐熱性
に優れた耐熱性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリスチレン(PS)系樹脂
に代表される芳香族ビニル系樹脂は、無色透明で、酸や
アルカリに強いなどの優れた特性を有している。なかで
も、一般用ポリスチレン樹脂(GPPS)は成形性に優
れ、また、低吸水性であるため、成形後の成形品におけ
る寸法精度も優れたものとなっている。加えて、GPP
Sは、無色である上にその透明度がガラスの値に近いた
め、ガラスに近い、優れた外観を備えた成形品を得るこ
とができるものであり、かつ、鮮明な着色をすることも
可能であるため、得られる成形品の外観をより美しいも
のとすることができる。このことから、GPPSなどの
芳香族ビニル系樹脂は、自動車部品、電気機器部品、装
飾用樹脂板、または雑貨品などの多くの分野で好適に用
いられている。
【0003】また、GPPSは、ゴムを配合することに
よってその耐衝撃性を向上させることができる。このよ
うにして得られる耐衝撃性ポリスチレン樹脂(HIP
S)は、GPPSと比較した場合、透明度では劣るが、
ゴム含有量の増加にともなって耐衝撃性を向上させるこ
とができるため、自動車部品や電気機器部品など幅広い
分野で好適に用いられている。
【0004】ところが、上記のような芳香族ビニル系樹
脂では、一般に耐熱性が低いため、例えば100℃以上
となる部分に対して用いることができないといった、使
用上の制限という問題点が生じている。
【0005】そこで、芳香族ビニル系樹脂の耐熱性を向
上させるための方法として、たとえば、α−メチルスチ
レン、メタクリル酸メチル、および無水マレイン酸を共
重合させる方法(特公昭45−31953号公報参照)
や、芳香族ビニル類単量体とマレイミド類単量体とを共
重合させる方法(特開昭61−278509号公報参
照)が知られている。
【0006】さらに、スチレンとアクリロニトリルとの
共重合体であるAS樹脂は、ポリスチレン系樹脂の特徴
である透明性が維持され、かつ、耐熱性や耐衝撃性が改
善されたものとなっている。
【0007】また、ポリスチレン系樹脂の耐熱性を向上
させる他の方法としては、ポリスチレン樹脂と他の樹脂
とをポリマーブレンドする方法が知られている。たとえ
ば、ポリスチレンとポリフェニレンエーテル(PPE)
とを組み合わせて相溶させることによって、耐熱性が向
上したポリスチレン系樹脂が得られる。
【0008】さらに、特開昭63−89554号公報で
は、ポリスチレンと、シクロヘキシルメタクリレートを
含む共重合体との熱力学的に相溶性を有するポリマー混
合物が示されている。
【0009】これまで、マレイミド類単量体とメタクリ
ル酸メチルとを共重合してなるマレイミド系共重合体が
多く検討され、それをそのまま成形して光学材料に使用
されたり、ABS樹脂、MMA樹脂、塩化ビニル樹脂等
と混合した耐熱性組成物は開発されてきた。しかしなが
ら、上記マレイミド系共重合体がポリスチレンに代表さ
れる芳香族ビニルを85重量%以上含む芳香族ビニル系
重合体に相溶することは全く知られていなかった。
【0010】一方、マレイミド類単量体とメタクリル酸
メチルとを共重合してなる透明性、耐熱性に優れた樹脂
や、それからなる光学材料も知られている(特開昭61
−95001号公報、特開平1−215810号公報、
特開平7−161070号公報参照)。また、これらの
樹脂をメタクリル酸メチル樹脂にブレンドすることで、
耐熱性を改良する試みもなされている(特開昭61−1
62509号公報参照)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
各公報に記載された方法は、得られるポリスチレン系樹
脂の耐熱性については、ある程度向上されるものの、未
だ十分であるとは言い難く、すなわち高温下での安定性
が不十分であったり、また、その成形性も低下するとい
う問題点を有している。
【0012】また、上記ポリマーブレンド方法では、耐
熱性は向上するが、得られるポリスチレン系樹脂にPP
Eによる着色が生じる。このため該ポリスチレン系樹脂
は、光学用途など、無色かつ透明性を必要とするポリス
チレン系樹脂の用途分野には用いることができないとい
う問題点が生じている。
【0013】さらに、特開昭63−89554号公報に
記載の樹脂組成物では、透明性を有するものが得られる
が、耐熱性や熱安定性が不十分であるという問題を有し
ている。
【0014】その上、前記AS樹脂は、透明性や耐熱性
に優れるが、成形性が低く、加えて、若干の吸水性を有
するために、上記AS樹脂を用いた成形品の寸法精度が
劣るという問題点を有している。
【0015】本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的は、透明性などの外観に優
れ、優れた耐熱性を有する耐熱性樹脂組成物を提供する
ことである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の耐熱性樹脂組成
物は、以上の課題を解決するために、メタクリル酸エス
テル類単量体(A)とマレイミド類単量体(B)とを共
重合してなるマレイミド系共重合体(1)と、芳香族ビ
ニル類単量体(C)を少なくとも85重量%含む単量体
混合物を重合してなる芳香族ビニル系重合体(2)とを
含むことを特徴としている。上記マレイミド系共重合体
(1)と、芳香族ビニル系重合体(2)とが、互いに相
溶するものであることが好ましい。上記メタクリル酸エ
ステル類単量体(A)は、シクロヘキシル基を有するメ
タクリル酸エステル類単量体を含むことが望ましく、シ
クロヘキシル基を有するメタクリル酸エステル類単量体
のみを含むことが特に望ましい。
【0017】上記構成によれば、マレイミド系共重合体
(1)、特に、シクロヘキシル基を有するメタクリル酸
エステル単量体を含むメタクリル酸エステル類単量体
(A)と、マレイミド類単量体(B)とを共重合してな
るマレイミド系共重合体(1)を用いたことによって、
上記マレイミド系共重合体(1)と芳香族ビニル系重合
体(2)とが、互いに熱力学的に相溶するから、芳香族
ビニル系重合体(2)が有する高い透明性などの優れた
外観性および成形性を維持しながら、マレイミド系共重
合体(1)によって耐熱性を向上させることが可能とな
る。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について説明
すれば、以下の通りである。本発明の耐熱性樹脂組成物
は、メタクリル酸エステル類単量体(A)とマレイミド
類単量体(B)とを共重合してなるマレイミド系共重合
体(1)と、芳香族ビニル類単量体(C)を少なくとも
85重量%含む単量体混合物を重合してなる芳香族ビニ
ル系重合体(2)とを互いに混合したものである。
【0019】上記マレイミド系共重合体(1)の組成
は、メタクリル酸エステル類単量体(A)に由来する第
1部分が10〜95重量%、マレイミド類単量体(B)
に由来する第2部分が5〜90重量%であることが好ま
しく、さらに好ましくは、メタクリル酸エステル類単量
体(A)に由来する第1部分が40〜95重量%、マレ
イミド類単量体(B)に由来する第2部分が5〜60重
量%である。
【0020】芳香族ビニル系重合体(2)は、好ましく
は芳香族ビニル類単量体(C)を、90重量%以上含む
単量体混合物を重合してなるものであり、さらに望まし
くは芳香族ビニル類単量体(C)を、95重量%以上含
む単量体混合物を重合してなるものであり、さらに好ま
しくは、芳香族ビニル類単量体(C)を99重量%以上
含む単量体混合物を重合してなるものである。上記単量
体混合物に占める芳香族ビニル類単量体(A)の割合が
85重量%未満であれば、得られた芳香族ビニル系重合
体(2)とマレイミド系共重合体(1)との間での相溶
性が低下し、得られる耐熱性樹脂組成物の透明性や機械
特性が低下するので好ましくない。
【0021】本発明の耐熱性樹脂組成物が、高い全光線
透過率、低い濁度(Haze)、低い黄変度(YI)などの
優れた光学特性を発揮するためには、上記共重合体
(1)と重合体(2)とが互いに、熱力学的に相溶とな
ることが好ましい。
【0022】本発明において、上記共重合体(1)と重
合体(2)とが熱力学的に相溶することの確認は、得ら
れた耐熱性樹脂組成物のガラス転移点(Tg)を測定す
ることによって確認することができる。具体的には、共
重合体(1)および重合体(2)を混合することで得ら
れる2種類の各共重合体の混合物において、示差走査熱
量測定器によって測定されるガラス転移点が、1点のみ
観測されることによって、2種類の各共重合体は、互い
に熱力学的に相溶していことが確認される。または、混
合物からのフィルムや成形品が透明性を有することを目
視にて判別するか、全光線透過率や濁度などの光学的性
質を所定の方法にて測定することにより、2種類の各共
重合体は互いに熱力学的に相溶していることが確認され
る。本発明における耐熱性樹脂組成物を成形してなる3
mm厚の成形品で測定した全光線透過率は、好ましくは
80%以上、さらに好ましくは85%以上である。また
上記成形品で測定した濁度は、好ましくは5以下、さら
に好ましくは3以下である。
【0023】本発明において、上記重合体(2)の原料
として用いられる芳香族ビニル類単量体(C)として
は、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチ
ルスチレン、ビニルトルエン、クロルスチレンなどが挙
げられる。これら芳香族ビニル類単量体(C)の中で
も、入手が容易であり、また、上記共重合体(1)と重
合体(2)との相溶性などの観点から、スチレンが特に
好ましい。上記例示の芳香族ビニル類単量体(C)は一
種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合
して用いてもよい。
【0024】また、上記共重合体(1)の原料として用
いられるマレイミド類単量体(B)としては、たとえ
ば、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレ
イミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミ
ド、N−イソプロピルマレイミド、N−t−ブチルマレ
イミド、N−トリブロモフェニルマレイミド、N−ラウ
リルマレイミド、N−ベンジルマレイミドなどを挙げる
ことができる。
【0025】上記マレイミド類単量体(B)のなかで
も、得られる耐熱性樹脂の透明性、低着色性、耐熱性な
どの観点より、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘ
キシルマレイミドが好ましく、N−シクロヘキシルマレ
イミドが特に好ましい。N−シクロヘキシルマレイミド
を用いることで、上記共重合体(1)と重合体(2)と
が互いに相溶する組成範囲が広くなり、これによって、
得られる耐熱性樹脂組成物の透明性、低着色性、耐熱性
がより一層優れたものとなる。
【0026】また、N−トリブロモフェニルマレイミド
をマレイミド類単量体として用いると、透明性および耐
熱性と合わせて、得られる耐熱性樹脂組成物に対して難
燃性を付与することができる。上記例示のマレイミド類
単量体(B)は、一種類のみを用いてもよく、また、二
種類以上を適宜混合して用いてもよい。
【0027】前記メタクリル酸エステル類単量体(A)
としては、炭素数1〜18のアルキル基、シクロヘキシ
ル基、およびベンジル基のうちのいずれかを有するメタ
クリル酸エステルが好適である。上記メタクリル酸エス
テルとしては、具体的には、メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸
イソプロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソ
ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸アミ
ル、メタクリル酸イソアミル、メタクリル酸オクチル、
メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸デシ
ル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸シクロヘキシ
ル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2−フェノキ
シエチル、メタクリル酸3−フェニルプロピル、メタク
リル酸2−ヒドロキシエチルなどが挙げられる。
【0028】これらメタクリル酸エステルは、一種類の
みを用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用
いてもよいが、これらのうち、メタクリル酸シクロヘキ
シルを含むことが、上記共重合体(1)と重合体(2)
とが互いに相溶する相溶性を高めることができることか
ら好ましい。
【0029】さらには、マレイミド系共重合体(1)に
おいては、メタクリル酸シクロヘキシルと、N−シクロ
ヘキシルマレイミドとの合計が、30重量%以上の範囲
内、好ましくは60重量%以上の範囲内、さらに好まし
くは80重量%以上の範囲内であることが、上記共重合
体(1)と重合体(2)との間での相溶性、および得ら
れる耐熱性樹脂組成物の耐熱性を、さらに高めるために
は好ましい。
【0030】マレイミド系共重合体(1)においては、
さらに、必要に応じて用いられる他の単量体(D)、す
なわち、上記2種類の単量体(メタクリル酸エステル類
単量体(A)およびマレイミド類単量体(B))と共重
合可能であり、上記2種類の単量体とは異なる他の単量
体(D)を用いることができる。
【0031】このような他の単量体(D)としては、た
とえば、不飽和ニトリル類;アクリル酸エステル類;オ
レフィン類;ジエン類;ビニルエーテル類;ビニルエス
テル類;フッ化ビニル類;プロピオン酸アリルなどの飽
和脂肪酸モノカルボン酸のアリルエステル類またはメタ
クリルエステル類;多価(メタ)アクリレート類;多価
アリレート類;グリシジル化合物;不飽和カルボン酸類
等が特に好ましい。
【0032】上記不飽和ニトリル類としてはアクリロニ
トリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、フ
ェニルアクリロニトリルなどを挙げることができる。ア
クリル酸エステル類としては、炭素数1〜18のアルキ
ル基、シクロヘキシル基、およびベンジル基からなる群
から選ばれる少なくとも一つを有するアクリル酸エステ
ルが好適である。
【0033】上記の不飽和カルボン酸類としては、アク
リル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマ
ル酸、あるいは、それらの半エステル化合物や無水物な
どを挙げることができる。これら他の単量体(D)とし
て例示した化合物は、一種類のみを用いてもよく、ま
た、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。
【0034】本発明において、上記マレイミド系共重合
体(1)の原料として用いられる全ての単量体成分(以
下、全単量体成分とする)に含まれる他の単量体(D)
の割合は、得られる耐熱性樹脂組成物に必要とされる物
性を阻害しない範囲内であれば、特に限定されるもので
はないが、30重量%以下が好ましく、さらに20重量
%以下がより好ましい。
【0035】また、全単量体成分に占めるマレイミド類
単量体(B)の割合は、5重量%〜90重量%の範囲内
が好ましく、10重量%〜80重量%の範囲内がより好
ましく、20重量%〜60重量%の範囲内がさらに好ま
しい。マレイミド類単量体(B)の割合が、5重量%未
満であると、耐熱性の十分な向上効果を得ることができ
ないので好ましくない。一方、マレイミド類単量体
(B)の割合が90重量%を越えると、得られる共重合
体(1)の機械的強度や成形性が低下するとともに、共
重合体(1)と重合体(2)との相溶性が低下するた
め、透明性などの光学特性や機械的強度、成形性に優れ
た耐熱性樹脂組成物を得ることができない。
【0036】なお、前記単量体混合物に必要に応じて含
まれる上記芳香族ビニル類単量体(C)以外の単量体と
しては、特に限定されるものではなく、たとえば、前記
例示の単量体(D)と同様の単量体を用いることができ
る。
【0037】上記共重合体(1)および重合体(2)の
各製造方法は、特に限定されるものではなく、たとえ
ば、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法および乳化重
合法などといった方法を用いることができる。しかし、
懸濁重合や乳化重合を用いた場合、共重合体(1)と重
合体(2)とを溶融混合すると、各耐熱性樹脂組成物の
相溶性が低下することもあり好ましくない。
【0038】上記溶液重合法に用いられる溶媒として
は、具体的には、たとえば、トルエン、キシレン、エチ
ルベンゼン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケ
トンなどの有機溶媒が挙げられるが特に限定されるもの
ではない。さらに、上記の重合反応に用いられる重合開
始剤としては、具体的には、たとえば、クメンハイドロ
パーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパー
オキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウロイ
ルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブ
チルパーオキシイソプロピルカーボネート、t-アミルパ
ーオキシ−2-エチルヘキサノエートなどの有機過酸化
物;2,2−アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化
合物;などのラジカル重合開始剤が挙げられる。これら
重合開始剤は、1種類のみを用いてもよく、適宜2種類
以上を併用してもよい。なお、重合開始剤の使用量は、
用いる単量体の組み合わせや、反応条件などに応じて適
宜設定すればよく、特に限定されるものではない。
【0039】また、上記共重合体(1)および重合体
(2)を製造する際の他の製造条件、たとえば、反応温
度や反応時間などは用いる単量体の種類などに応じて適
宜設定されればよく、特に限定されるものではない。ま
た、上記の重合反応に際しては、各々、必要に応じてア
ルキルメルカプタンやα−メチルスチレンダイマーなど
の連鎖移動剤、ヒンダードアミン系やベンゾトリアゾー
ル系の耐候性安定剤、ヒンダードフェノール系の酸化防
止剤、分子量調整剤、可塑剤、熱安定剤、光安定剤など
の添加剤を加えてもよい。
【0040】また、共重合体(1)の製法として溶液重
合を採用した場合、反応溶液(重合液)から上記共重合
体(1)を取り出す方法は特に限定されず、たとえば、
(i)反応溶液をベント付き2軸押出機などのいわゆる
揮発分分離除去装置に導入し、反応溶液から揮発分を除
去することにより重合体と、未反応の単量体および溶媒
とを分離する方法や、(ii)上記重合体(たとえば、上
記芳香族ビニル系重合体)を溶解しない溶剤(貧溶媒)
に反応溶液を投入して、上記重合体を沈澱(析出)させ
た後、得られた沈澱物、つまり、上記重合体を濾別して
乾燥する方法など、種々の方法を採用することができ
る。これらの方法のなかでも、上記(i)の方法が簡便
であり、また、工業的にも有利であることから好まし
い。
【0041】本発明にかかる耐熱性樹脂組成物は、上記
共重合体(1)と重合体(2)とを混合することによっ
て容易に得ることができる。上記耐熱性樹脂組成物にお
ける共重合体(1)と重合体(2)との配合比(重量
比)は、1/99から99/1までの範囲が好ましく、
5/95から95/5までの範囲がより好ましい。
【0042】さらに、上記耐熱性樹脂組成物では、共重
合体(1)と重合体(2)とを混合後の樹脂組成物にお
いて、ガラス転移点(Tg)が110℃以上、好ましく
は115℃以上となるように、共重合体(1)の組成、
および共重合体(1)と重合体(2)との配合比(重量
比)を調節することが望ましい。
【0043】本発明において、上記共重合体(1)と重
合体(2)との混合方法としては特に限定されず、例え
ば、共重合体(1)と重合体(2)とをオムニミキサー
などの混合機でプレブレンドした後、得られた混合物を
押出混練することによって容易に得ることができる。上
記押出混練に用いられる混練機としては、特に限定され
るものではなく、例えば、単軸押出機、二軸押出機など
の押出機;加圧ニーダーなど、従来公知の種々の混練機
を用いることができる。
【0044】本発明の耐熱性樹脂組成物は、押出成形、
圧縮成形、ブロー成形、射出成形、延伸成形等の成形法
を用い、種々の形状にすることができる。例えば、押出
混練によって得られた上記共重合体(1)と重合体
(2)とからなる本発明の耐熱性樹脂組成物を、射出成
形機を用いて成形することにより、板状成形品などの種
々の成形品を得ることができる。
【0045】また、上記共重合体(1)と重合体(2)
とを、押出機に供給し、溶融可塑後、ダイ等より押し出
し延伸して、フィルムとすることも可能である。この様
にして、本発明の耐熱性樹脂組成物を利用して、所望に
より、透明性を有し、かつ、耐熱性に優れたフィルムを
作製することが可能となる。また、本発明の耐熱性樹脂
組成物は、例えばポリスチレンのような他の樹脂と積層
した積層フィルムとすることも可能である。
【0046】本発明の耐熱性樹脂組成物は、必要に応じ
て、ヒンダードフェノール系、リン系、イオウ系の酸化
防止剤や安定剤;ガラス繊維あるいは炭素繊維などの補
強材;フェニルサリチレート、2(2’−ヒドロキシ−
5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−ヒドロ
キシベンゾフェノンなどの紫外線吸収剤;トリス(ジブ
ロムプロピル)ホスフェート、トリフェニルホスフェー
ト、トリアリルホスフェート、四臭化エチレン、酸化ア
ンチモン、ジンクボレートなどの難燃剤;アニオン系、
カチオン系、非イオン系、両性系の界面活性剤などの帯
電防止剤;および、無機顔料、有機顔料、染料などの着
色剤などを含んでいてもよい。
【0047】また、本発明の耐熱性樹脂組成物は、上記
共重合体(1)および重合体(2)以外の第3の成分と
して、ゴム質の重合体を含んでいてもよい。たとえば、
上記重合体(2)として、ポリブタジエン系ゴムを配合
した耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)を用いてもよ
い。さらに、上記共重合体(1)および重合体(2)以
外の第3の成分としては、ポリフェニレンエーテルなど
のエンジニアリングプラスチックをさらに含んでもよ
い。
【0048】本発明にかかる耐熱性樹脂組成物は、以上
のように、透明性などの光学特性や耐熱性、成形性に優
れている。このため、本発明の耐熱性樹脂組成物は、成
形後の耐熱性成形品における寸法精度にも優れ、高い透
明性などの光学特性や耐熱性、成形性などの物性が要求
される用途分野に好適に用いることができる。
【0049】上記耐熱性樹脂組成物は、高い透明性と優
れた耐熱性等の両立が必要な分野に対し、特に好ましく
用いることができる。例えば、上記耐熱性樹脂組成物
は、高い寸法精度や透明性、耐熱性などが要求される、
光学用部品、自動車部品、電気機器部品などといった素
材などに好適に用いることができる。
【0050】
【実施例】本発明の各実施例を、実施例、比較例および
参考例として説明すれば以下の通りである。以下、実施
例、比較例および参考例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるもの
ではない。なお、以下の各実施例、各比較例および参考
例において、「部」の記載は、「重量部」を示し、
「%」の記載は、「重量%」を示す。
【0051】〔実施例1〕メタクリル酸メチル30部、
メタクリル酸シクロヘキシル15部、N−シクロヘキシ
ルマレイミド5部、トルエン50部、および開始剤とし
てt-アミルパーオキシ−2-エチルヘキサノエート0.0
5部を用いて溶液重合を行った後、得られた重合液の一
部をメチルエチルケトンに溶解した溶解液をメタノール
中に滴下して析出した白色固体を吸引ろ過後、乾燥し
て、マレイミド系共重合体(1)としての共重合体(1
−1)を得た。この共重合体(1−1)の組成比、およ
びガラス転移温度を表1に示した。
【0052】続いて、重合体(2)としてのポリスチレ
ン(商品名:エスチレンG−20、新日鐵化学製)と、
上記共重合体(1−1)を、1:1の重量比でメチルエ
チルケトンに溶解し、その溶解液をメタノール中に滴下
して析出した白色固体を吸引ろ過後、乾燥して、本発明
の耐熱性樹脂組成物(1)を得た。
【0053】この耐熱性樹脂組成物(1)について、下
記のDSC測定により、ガラス転移温度(Tg)を測定
し、このガラス転移温度が一点のみ観測されることによ
って共重合体(1−1)と重合体(2)との相溶性を評
価するとともに、ガラス転移温度の具体的な数値から該
耐熱性樹脂組成物の耐熱性とを評価した。その結果を表
1に示した。
【0054】また、上記耐熱性樹脂組成物(1)のメチ
ルエチルケトンの溶解液を、ガラスプレート上に、均一
な厚さとなるように載せた後、乾燥させて、キャストフ
ィルムを作成し、そのキャストフィルムにより得られた
成形品の透明性および外観を評価した。その結果を表1
に示した。
【0055】下記表中では、CHMAはメタクリル酸シ
クロヘキシルを、MMAはメタクリル酸メチルを、CH
MIはN-シクロヘキシルマレイミドを、PMIはN-フェ
ニルマレイミドを、STはスチレンを示す。また、上記
表中の開始剤としては、t-アミルパーオキシ−2-エチル
ヘキサノエートを用いた。
【0056】
【表1】
【0057】ガラス転移温度(Tg) ガラス転移温度は、示差走査熱量測定器(理学電気
(株)製、商品名:DSC−8203)を用い、窒素ガ
ス雰囲気下、α−アルミナをリファレンスとして用い
て、常温より220℃まで昇温速度10℃/分で測定し
たDSC(Differential Scanning Calorimetry )曲線
から中点法にて算出された。
【0058】共重合体組成 マレイミド含有量を、元素分析の窒素の含有量より算出
し、メタクリル酸メチルと、メタクリル酸シクロヘキシ
ルとの組成比を、1H-NMRによるアルキルエステル部を示
すプロトンのシグナルピークの面積比より算出した。
【0059】〔実施例2〜8〕上記実施例1におけるマ
レイミド系共重合体(1)を得るための仕込組成として
の各単量体量を、表1に示した仕込組成に代えることに
より、各マレイミド系共重合体(2)〜(8)をそれぞ
れ作成し、それら各マレイミド系共重合体(2)〜
(8)を用いて、実施例1と同様にして、各耐熱性樹脂
組成物(2)〜(8)を得た。それらを実施例1と同様
に測定し、それらの結果を表1に合わせて示した。
【0060】〔比較例1〜4〕上記実施例1におけるマ
レイミド系共重合体(1)を得るための各単量体量を、
表1に示した仕込組成に代えることにより、それぞれ各
比較共重合体(1)〜(4)を作成し、それら各比較共
重合体(1)〜(4)を用いて、実施例1と同様にし
て、各比較樹脂組成物(1)〜(4)を得た。それらに
ついて、実施例1と同様に測定し、それらの結果を表1
に合わせて示した。
【0061】このように表1に示した結果から明らかな
ように、実施例1〜8の耐熱性樹脂組成物は、比較例1
〜4の樹脂組成物と比較して、ポリスチレン系樹脂の有
する透明性などの光学特性および成形性を維持しつつ、
耐熱性が向上したものとなっていることが判る。
【0062】次に、本発明の耐熱性樹脂組成物における
相溶性をより明確にするために、該耐熱性樹脂組成物の
光学的性質を測定し、参考例として以下に示す。なお、
以下の参考例では、光学的性質として全光線透過率およ
び濁度(Haze)を用いたが、これらは、ASTM
D1003に準じて測定された。
【0063】〔参考例〕実施例2で得られた重合液を、
シリンダー温度240℃にてコントロールしたベント付
きの30mφの2軸押出機に供給し、ベント口より真空
脱気し、押し出されたストランドをペレット化して、マ
レイミド系共重合体(1)としての共重合体(1−2)
を得た。
【0064】続いて、上記共重合体(1−2)30部
と、重合体(2)としてのポリスチレン(商品名:エス
チレンG−20、新日鐵化学製)70部とをオムニミキ
サーにて混合した後、シリンダー温度240℃にコント
ロールした30mmφの2軸押出機を用いて溶融混練
し、本発明の耐熱性樹脂組成物(9)を得た。
【0065】この耐熱性樹脂組成物(9)をシリンダー
温度240℃、金型温度60℃にてコントロールした射
出成形機を用いて成形し、各物性(光学的性質)測定用
の試験片(50×50×3mm)を得た。この試験片の
全光線透過率は90.0、濁度(Haze)は1.8で
あった。
【0066】このように、本発明の耐熱性樹脂組成物
は、高い全光線透過率および低い濁度を有する光学的性
質に優れた相溶性の高いものであることが判る。
【0067】
【発明の効果】本発明の耐熱性樹脂組成物は、以上のよ
うに、メタクリル酸エステル類単量体(A)とマレイミ
ド類単量体(B)とを共重合してなるマレイミド系共重
合体(1)と、芳香族ビニル類単量体(C)を少なくと
も85重量%含む単量体混合物を重合してなる芳香族ビ
ニル系重合体(2)とを含む構成である。
【0068】それゆえ、上記構成では、芳香族ビニル系
重合体(2)が有する高い透明性などの光学特性を維持
しながら、マレイミド系共重合体(1)によって、耐熱
性、成形性を向上させることができるとともに、芳香族
ビニル系重合体(2)による低吸水性に起因する高い寸
法精度を有する耐熱性樹脂組成物を提供することができ
る。
【0069】加えて、上記マレイミド系共重合体(1)
と芳香族ビニル系重合体(2)とは互いに熱力学的に相
溶であるため、透明性に優れ、より光学特性に優れた耐
熱性樹脂組成物を提供することができる。
【0070】上記構成では、特に、メタクリル酸エステ
ル類単量体(A)がシクロヘキシル基を有するメタクリ
ル酸エステル類単量体を含むことで、上記マレイミド系
共重合体(1)と芳香族ビニル系重合体(2)とが、よ
り一層互いに相溶し、さらに透明性、低着色性、耐熱性
に優れた耐熱性樹脂組成物を得ることができる。
【0071】この結果、上記構成では、優れた光学特
性、耐熱性、成形性を実現した耐熱性樹脂組成物とする
ことができる。したがって、本発明の耐熱性樹脂組成物
は、高い寸法精度、透明性、耐熱性などが要求される、
光学用部品、自動車部品、電気機器部品といった素材と
して好適に用いられるという効果を奏する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メタクリル酸エステル類単量体(A)とマ
    レイミド類単量体(B)とを共重合してなるマレイミド
    系共重合体(1)と、 芳香族ビニル類単量体(C)を少なくとも85重量%含
    む単量体混合物を重合してなる芳香族ビニル系重合体
    (2)とを含むことを特徴とする耐熱性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】マレイミド系共重合体(1)と、芳香族ビ
    ニル系重合体(2)とが、互いに相溶するものであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の耐熱性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】メタクリル酸エステル類単量体(A)が、
    シクロヘキシル基を有するメタクリル酸エステル類単量
    体を含むことを特徴とする請求項1または2記載の耐熱
    性樹脂組成物。
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