JPH11199860A - 防曇コーティング液とその製造方法 - Google Patents

防曇コーティング液とその製造方法

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JPH11199860A
JPH11199860A JP10002344A JP234498A JPH11199860A JP H11199860 A JPH11199860 A JP H11199860A JP 10002344 A JP10002344 A JP 10002344A JP 234498 A JP234498 A JP 234498A JP H11199860 A JPH11199860 A JP H11199860A
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JP
Japan
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sol
integer
titania
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film
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Withdrawn
Application number
JP10002344A
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English (en)
Inventor
Ryuzo Kamimura
隆三 上村
Satoko Sugawara
聡子 菅原
Yasuaki Kai
康朗 甲斐
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 持続性を有する防曇性と優れた耐久性を満足
する防曇性被膜形成用コーティング液を提供することを
目的とする。 【解決手段】 上記目的を達成するため、本発明の防曇
コーティング液は、コーティング液中の全酸化物量に対
し、A)アナターゼ型チタニア粒子を1〜75重量%、
B)チタニアゾルを15〜85重量%、およびC)シリ
カゾル及び/又はアルミナゾルを10〜40重量%を含
有することを特徴とする。更にその防曇コーティング液
の製法において、チタンアルコキシドの加水分解時に、
チタンアルコキシド溶液に明細書中で説明した式I及び
/又は式IIのジオール化合物を配位子として加えるよう
に構成する。このように構成された本発明は、安定性に
優れた防曇コーティング液と、成膜形成後、高い触媒性
能と膜強度に優れた防曇膜を与える効果を奏する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス、ミラー等
の表面に防曇性被膜が形成され、かつその防曇性が長く
持続するコーティング液及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】無機ガラス等は、従来から透明基材とし
ての性質を活かして例えば窓ガラス、鏡面、眼鏡レンズ
などの物品に広く利用されている。しかしながら、これ
ら透明基材を用いた物品の欠点は、高温高湿の場所また
は温度や湿度差の大きい境界面などにおいて使用すると
物品の表面に結露を生じ、これに起因して物品の表面が
曇りを帯びることである。とくに透明基材のうちでも窓
ガラス、眼鏡レンズ、鏡などにおいて製品の表面が曇っ
たり、あるいは傷がつきやすいということは重大な問題
がある。従って各方面においてこれらの改良に関する要
望がなされており、これまでに透明基材をはじめとする
各種物品に対して防曇性、耐久性を付与しようとする試
みが種々提案されている。
【0003】基材表面の曇りを防止する方法として、ガ
ラス等の表面に親水性の被膜を形成することが行われて
いる。最も簡単な手段として、界面活性剤を表面に塗布
することで曇りを防ぐことができることは古くから知ら
れており、界面活性剤にポリアクリル酸やポリビニルア
ルコールなどの水溶性ポリマーを配合することでその効
果の持続性を上げる試みがなされている(例えば、特開
昭52−101680号公報等)。しかしながら、この
様な方法においては一時的に防曇性を付与するのみであ
り連続的な効果を期待することはできない。
【0004】また、特開昭55−154351号公報に
は、ガラス基材表面に、モリブデン酸化物とタングステ
ン酸化物のうちいずれか一種以上とリン酸化物とを含む
薄膜を物理蒸着、化学蒸着等で形成することにより優れ
た親水性薄膜を得る方法が提案されている。特開昭54
−105120号公報には、P2 Oを含むガラスに、P
2 O5 の液体または蒸気を接触させることにより親水性
を付与する方法が提案されている。特開昭53−584
92号公報には、スルホン酸型両性界面活性剤及び無機
塩あるいは酢酸塩を含む組成物を低級アルコール溶液を
用いて基材に塗布することにより密着性に優れた親水膜
を形成する方法が提案されている。しかし上記のいずれ
の方法においてもこれらの親水性膜では長期持続性に優
れた防曇性能を得ることは難しいという問題点があっ
た。
【0005】一方、ガラス上にチタニア膜を形成し、光
触媒の特性によって水や空気中の汚染物質あるいは臭気
物質を分解したり、表面に付着する汚染物質を分解して
清浄な表面を保とうとする試みが行なわれてきた(特開
昭63−97234、特開平2−223909、特開平
7−100378)。これらのチタニア膜に紫外線が照
射された後は、膜表面が清浄化されているため、優れた
親水性を示すことは周知のことである。また、チタニア
膜を形成する方法として、ゾルゲル法による特許も、多
数出願されている(特開平7−100378など)。
【0006】また、このようなチタニア膜をこのまま使
用すると、光が照射された後は親水性表面が得られる
が、光が照射されない状況が続くと、徐々にチタニア表
面に有機化合物が付着し親水性が失われてしまう。これ
を防止する方法としては、優れた親水性をもつ、シリカ
やアルミナなどの金属酸化物をチタニアと混合し、光が
照射されない状況が長時間続いても親水性が維持される
ようにすることが考えられる。
【0007】このような構成の膜によれば、親水性能の
持続性に優れ、かつ無機膜であるために耐久性もよい、
親水性あるいは防曇性ガラスやミラーを得ることができ
る。
【0008】チタニアにシリカやアルミナ等の金属酸化
物を添加した膜をガラス上に形成する方法としては、ゾ
ルゲル法が簡便である。この場合、チタンアルコキシド
を含む溶液を加水分解して得られたチタニアゾルにシリ
カやアルミナのゾルを添加して基板上に塗布し、焼成す
ることが考えられるが、通常のチタニアゾルはチタンア
ルコキシドを出発原料にし加水分解するため、加水分解
速度が非常に速く、上記のような混合ゾルにすると、混
合後短時間で白沈したり、ゲル化したりするので、透明
な膜の形成が困難である。また作製したコーティング液
を用いて目的とする基材にコーティング後焼成した場
合、焼成時の環境によってアナターゼの結晶化にバラツ
キが生じ、形成した光触媒膜の性能が安定しないという
問題がある。また一方、予めアナターゼ型結晶チタニア
微粒子を、バインダー成分を含む溶液に分散したコーテ
ィング液では、光触媒性能に優れた膜を得ようとした場
合、バインダー含有量を少なくする必要があり、その結
果膜強度に優れた防曇膜は得にくいという問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上の通り、従来の技
術においては、持続性を有する防曇性及び耐久性を同時
に満足する防曇性被膜形成用のコーティング液がなく、
これらを満足するコーティング液として光触媒チタニア
膜が考えられるが、コーティング液作製時の安定性、ま
た、得られる膜の強度に優れたものが必要である。本発
明は、かかる従来技術の欠点を解消しようとするもので
あり、防曇性に優れ、かつ耐久性に優れた防曇性被膜形
成用の防曇コーティング液及びその製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためになされたものであり、本発明の防曇コーテ
ィング液は、コーティング液中の全酸化物量に対し、
A)アナターゼ型チタニア粒子を1〜75重量%、B)
チタニアゾルを15〜85重量%、およびC)シリカゾ
ル及び/又はアルミナゾルを10〜40重量%を含有す
ることを特徴とする。ここで全酸化物量とは、本発明で
言及される全固形分と同義であり、アナターゼ型チタニ
ア粒子、チタニアゾル、シリカゾル中のシリカ及びアル
ミナゾル中のアルミナの合計量である。
【0011】更に、本発明の防曇コーティング液の製造
方法は、チタンアルコキシドを含有する溶液に次式I:
【化3】 (式中、R1 はH又はCp H2p+1(式中、P は1〜5の
整数である)であり、R 2 はCq H2q+1(式中、q は1
〜5の整数である)であり、R3 はCr H2r(式中、r
は1〜3の整数である)であり、R4 はH又はCx H
2x+1(式中、x は1〜5の整数である)であり、R5 は
H又はCy 2H2y+1(式中、y は1〜5の整数である)
である)で表わされるジオール化合物又は次式II:
【化4】 (式中、R1 はH又はCp H2p+1(式中、P は1〜5の
整数である)であり、R 2 はCq H2q+1(式中、q は1
〜5の整数である)であり、R3 はCr H2r(式中、r
は1〜3の整数である)であり、R4 はH又はCx H
2x+1(式中、x は1〜5の整数である)であり、R5 は
H又はCy 2H2y+1(式中、y は1〜5の整数である)
である)で表わされるジオール化合物を、チタンアルコ
キシドとジオール化合物のモル比が1:1〜8の割合で
加えチタン錯体を形成し、得られたチタン錯体を加水分
解してチタニアゾルを得、次いで得られたチタニアゾル
に、各種金属酸化物の比率がアナターゼ型結晶チタニア
粒子を1〜75重量%、シリカ及びアルミナを10〜4
0重量%となるように、アナターゼ型結晶チタニア粒
子、及びシリカゾル及び/又はアルミナゾルを添加する
ことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について更に詳細に
説明する。本発明の特徴は、コーティング液中に微粒子
(例えば、粒子径7〜20nm)のアナターゼ型結晶チ
タニア粒子とチタニアゾルを含有させることにより、成
膜後焼成時においてチタニアゾルの結晶成長が、予め添
加分散してある微粒子のアナターゼ型結晶チタニア粒子
を核として結晶化が進むため、焼成後の膜中のアナター
ゼ型結晶チタニアの比率が安定的に高い比率で得られる
ことである。溶液中のアナターゼ型結晶チタニア含有量
は1〜75重量%であり、チタニアゾルの含有量は15
〜85重量%である。本発明のコーティング溶液中のア
ナターゼ型結晶粒子の含有量が、1重量%未満の場合、
成膜焼成時にチタニアゾルの結晶成長が十分進まず、焼
成後の光触媒性能が劣るため不都合である。一方、75
重量%を超えると、膜強度が低下し傷が付きやすくなる
ため不都合である。更に、本発明のコーティング溶液中
のチタニアゾルの含有量が15重量%未満の場合、膜強
度と光触媒性能の両立が困難となるため不都合である。
一方、85重量%を超えると、結晶成長が不十分な場合
や、膜強度が低下する場合が発生するため不都合であ
る。従って、本発明の溶液では、前記配合割合が採用さ
れる。
【0013】チタンアルコキシドを含む溶液からチタン
の錯体を形成するために添加する化合物としては、各種
のものが考えられるが、本発明者らは、上記式I又は式
IIで表されるジオール型の有機化合物を用いると、特に
コーティング液の安定性がよく、得られる防曇性被膜の
性状が優れていることを見いだした。
【0014】ジオール型の有機化合物の中でもより好ま
しいのは、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、
2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、
1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、
2,3−ブタンジオール、又は2−メチル−2,4−ペ
ンタンジオールであり、これらのジオール化合物を用い
ることにより得られるコーティング液の安定性と防曇性
被膜の性状は、極めて優れたものである。
【0015】上記ジオール型の有機化合物は単独で用い
てもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよ
い。
【0016】チタンアルコキシドとしては、一般的なも
のを使用することができるが、好ましくは、アルコキシ
炭素数が1から5までのチタンアルコキシドを用いるの
がよい。具体的に例を挙げるならば、チタニウムメトキ
シド、チタニウムエトキシド、チタニウムn−プロポキ
シド、チタニウムiso −プロポキシド、チタニウムn−
ブトキシド、チタニウムiso −ブトキシド、チタニウム
sec −ブトキシド等があるが、この例に限定されるもの
ではない。
【0017】また、上記チタンアルコキシドは単独で用
いてもよいし、2種類以上を混合して使用してもよい。
【0018】チタンアルコキシドは、有機溶媒に溶解し
て使用するが、用いる有機溶媒としては、チタンアルコ
キシドと加えるジオール型の有機化合物の双方を溶解す
るものであれば、如何なる溶剤でも用いることができ
る。具体的には、例えば、メタノール、エタノール、プ
ロピルアルコール等の1級アルコール、イソプロピルア
ルコール等の2級アルコール、ターシャルブタノール等
の3級アルコール、アセトン、メチルエチルケトン等の
ケトン類、エーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、クロロホルム、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサ
ン等の脂肪族、芳香族、脂環式の炭化水素等の一般的な
溶媒が挙げられ、これらを単独で、または混合して用い
ることができる。
【0019】チタンアルコキシドを含む溶液にジオール
型の有機化合物を加えた後、20℃〜80℃で攪拌を行
なうことによってチタンの錯体が形成される。
【0020】チタンアルコキシドに対するジオール型の
有機化合物の添加量は、モル比で1:1〜8となるよう
にするのがよい。チタンアルコキシドに対するジオール
化合物の量が1:1未満では、形成されるチタニアゾル
の安定性が不足する。一方チタンアルコキシドに対する
ジオール化合物の量が1:8を超えると、親水性被膜を
形成した後の焼成で、有機化合物が分解することによっ
て生じる空孔が多すぎて膜の耐磨耗性が不十分になる。
【0021】チタン錯体を形成した後に、加水分解処理
を行なう。加水分解処理は、水を添加して行なう。水の
添加量としては、チタンアルコキシドの当モルから4倍
モル程度が好ましい。水の添加量が少なすぎると加水分
解が十分に進まず、多すぎると得られるチタニアゾル液
の安定性が悪くなる。
【0022】加水分解を進める際、チタン錯体を安定化
するために、溶液を酸性にすることがより好ましい。酸
性にするために加えるのは、一般的には、塩酸、硝酸、
硫酸、酢酸などの酸が考えられるが、これに限られるも
のではない。
【0023】水を加えた後、チタン錯体溶液を、20℃
〜80℃で攪拌することによって加水分解を進め、チタ
ニアゾルが得られる。
【0024】以上の様に、本発明ではチタンアルコキシ
ドの、−0(R)の部分が加水分解されるが、予め配位
子(ジオール化合物)を添加することにより、全てTi
O2に変わるのではなく、部分的に−0(R)及び配位
子を有するチタンのゾル状物質、すなわち本発明におけ
るチタニアゾルになると考えられる。
【0025】上記チタニアゾルにアナターゼ型結晶チタ
ニア粒子を添加する。アナターゼ型結晶チタニア粒子は
市販されているものから選択して使用できるが、粒径が
細かいものが望ましく、粒径7〜20nmが特に望まし
く、例えば石原産業市販のものが利用できる。石原産業
製品番号ST−01は平均粒径7nmであり、ST−2
1は平均粒径20nmである。次に上記のチタニアゾル
に、シリカゾルとアルミナゾルのいずれか一方、あるい
は両方を加えることによって、親水性被膜形成用コーテ
ィング液が得られる。シリカゾルとアルミナゾルの合計
の添加量としては、上記チタニアゾルと結晶チタニア粒
子をチタニアとして90〜60重量%に対し、シリカと
アルミナとして合わせて10〜40重量%となるように
するのがよい。上記シリカゾル及びアルミナゾルの添加
量は、本発明の防曇コーティング液の全固形分中で10
〜40重量%を占める。シリカゾルとアルミナゾルの添
加量が、上記下限値よりも少ない場合、得られる親水性
被膜に光が照射されない場合の防曇性の維持性が不足す
る。一方、上記上限値よりも多いと得られる親水性被膜
の表面に汚染物質が付着した場合の光分解性が不足す
る。
【0026】加えるシリカゾルやアルミナゾルとして
は、金属アルコキシドから作製した様な、オリゴマー・
プレポリマータイプのものを用いることも可能であり、
シリカやアルミナのコロイド粒子が分散したコロイド溶
液を使用してもよい。また、シリカゾルあるいはアルミ
ナゾルとして市販されているものを用いることもでき
る。具体的には例えばシリカゾルとしては商品名スーパ
ーセラ(大八化学工業所製)、商品名セラミカ(日板研
究所製)、商品名HAS(コルコート社製)、商品名コ
ルコート6P(コルコート社製)、商品名アトロンSi
N−500(日本曹達(株)製)、商品名CGS−D1
−0600(チッソ(株)製)、商品名スノーテックス
(日産化学工業(株)製)、アルミナゾルとしては、商
品名アルミナゾル−100、アルミナゾル−200、ア
ルミナゾル−520(日産化学工業(株)製)、商品名
カタロイドAS−3(触媒化成工業(株)製)などを用
いることができる。
【0027】また、加えるシリカゾルやアルミナゾル
は、酸性のもの、あるいは酸性で安定なものを用いるこ
とが好ましい。本発明で用いるチタニアゾルは酸性域で
安定なため、溶液の安定性を確保するために、加える金
属酸化物ゾルも酸性域で安定であることが好ましい。
【0028】コロイド粒子系の金属酸化物を用いる場
合、コロイド粒子の粒子径としては、シリカならば3〜
20nm、アルミナならば5〜20nmであるのが好ま
しい。上記下限値よりも小さなコロイド粒子は、現実に
得られにくく、上記上限値よりも大きいと得られる親水
性被膜の透明性が低くなる。
【0029】さらに、使用する金属酸化物ゾルは、水系
ではなく有機溶媒系であることがより好ましい。市販さ
れているものでは、例えばシリカゾルでは商品名MA−
ST−MやIPA−STやIPA−XS(全て、日産化
学工業(株)製)などがある。有機溶媒系の金属酸化物
ゾルを用いることによって、よりポットライフの長い安
定したコーティング溶液が得られる。もちろん、水系の
ものを使用しても問題なく親水性被膜を形成することが
できるが、24時間程度でゲル化が生じるため、コーテ
ィング液の調整後短時間で膜形成を行なう必要がある。
コーティング液中の水分含有量は5重量%以下とする
と、ゲル化しにくく扱いが容易である。
【0030】親水性コーティング液は、必要に応じて溶
媒で希釈して用いることができる。希釈に使用する溶媒
としては、コーティング液中に含まれる金属酸化物ゾル
が溶解するものであれば如何なる溶剤でもよいが、例え
ば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール等の
1級アルコール、イソプロピルアルコール等の2級アル
コール、ターシャルブタノール等の3級アルコール、ア
セトン、メチルエチルケトン等のケトン類、エーテル
類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ペ
ンタン、ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族、芳香
族、脂環式の炭化水素等の一般的な溶媒が挙げられ、こ
れらを単独で、または混合して用いることができる。
【0031】こうして得られたコーティング液を基板表
面に塗布し、焼成処理を行なう事によって、親水性と耐
久性に優れた親水性被膜を形成することができる。
【0032】使用する基板としては、金属、ガラス、樹
脂等の無機や有機の材料があげられる。また、透明基
材、不透明基材、あるいは透明基材の片面にミラー処理
された鏡体であっても使用することができる。
【0033】基板上に親水性被膜形成用のコーティング
液を塗布する方法としては、浸漬引き上げ法(ディッピ
ング法)、スプレー法、フローコート法、スピンコート
法、ロールコート法などの既知の塗布手段が適宜採用で
きる。
【0034】塗布後、140〜850℃で焼成すること
によって親水性被膜が得られる。140℃より低温では
膜硬度が不足するし、850℃より高温ではチタニアが
ルチル型に相転移しやすく充分な光触媒性が得られにく
くなる。
【0035】該親水性被膜の膜厚としては、20nm〜
300nmが好ましい。20nmより薄すぎると親水性
能が不足し、300nmより厚すぎると焼成時のクラッ
クなどが発生しやすく、透明な膜が得られにくくなる。
【0036】基板上に金属酸化物膜からなる第1層を形
成し、その上に第2層として該親水性被膜を形成した2
層構成としてもよい。第1層の金属酸化物としては、例
えばシリカなどを用いることができる。
【0037】チタニアの光触媒特性によって汚れを分解
するための光源としては、400nm以下の紫外線を含
むものが良く、例えば太陽光、水銀灯、蛍光灯、ハロゲ
ンランプ、ショートアークキセノン光、レーザー光等が
ある。本発明では、親水性被膜を形成した部分に直接光
が照射されるように光源を設けてもよいが、通常は特別
に光源を要せず、例えば室温の蛍光灯や太陽などの自然
光によって充分に性能を得ることができる。
【0038】以上のように本発明によれば、チタニアゾ
ルとしてチタン錯体を形成してから加水分解したものを
用いることによって、液の安定性が高くなり、また、こ
れにより形成される親水性被膜も親水特性の非常に優れ
たものを得ることができる。
【0039】チタニアゾルの安定性を高めるために、ジ
エタノールアミンなどのアミン系有機化合物や、エチレ
ングリコールを配位子として用い、チタンの錯体を形成
する方法は一般的である。
【0040】しかし、アミン系の配位子は塩基性域で安
定であるのに対して、シリカゾルやアルミナゾルは一般
的に酸性安定のものが多く、これらの添加によってゲル
化が生じ、透明な親水性被膜を形成することが出来な
い。また、エチレングリコールを配位子とすると、これ
は酸性安定のため、シリカやアルミナを添加しても透明
な親水性被膜が形成できるが、得られた被膜の光触媒性
能は必ずしも良くない。本発明によるジオール型の有機
化合物以外のもの、例えば2−(2−メトキシエトキ
シ)エタノールのような配位子を用いた場合でも、透明
な親水性被膜は形成できたが、光触媒性能は劣ったもの
であった。
【0041】従って本発明では、特に次式I:
【化5】 (式中、R1 はH又はCp H2p+1(式中、P は1〜5の
整数である)であり、R 2 はCq H2q+1(式中、q は1
〜5の整数である)であり、R3 はCr H2r(式中、r
は1〜3の整数である)であり、R4 はH又はCx H
2x+1(式中、x は1〜5の整数である)であり、R5 は
H又はCy 2H2y+1(式中、y は1〜5の整数である)
である)で表わされるジオール化合物又は次式II:
【化6】 (式中、R1 はH又はCp H2p+1(式中、P は1〜5の
整数である)であり、R 2 はCq H2q+1(式中、q は1
〜5の整数である)であり、R3 はCr H2r(式中、r
は1〜3の整数である)であり、R4 はH又はCx H
2x+1(式中、x は1〜5の整数である)であり、R5 は
H又はCy 2H2y+1(式中、y は1〜5の整数である)
である)で表わされるジオール型の有機化合物を配位子
とした場合にコーティング液の安定性と、得られる親水
性被膜の光触媒性能が共に優れることを見いだしたもの
である。
【0042】以下本発明を、実施例により詳しく説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0043】
【実施例】実施例1〜14 実施例1〜14について表1にまとめて示す。表中の固
形分比は、500℃×20分焼成した後の固形分比であ
る。チタンのアルコキシドとしてチタニウムテトライソ
プロポキシドをエタノールに0.5mol/Lとなるよ
うに溶解した。これに、表1の実施例1〜14に示すジ
オール化合物である各種配位子をチタニア1モルに対し
1〜8モルになるよう加え1.5時間還流した。室温ま
で冷却し、この中に70%硝酸を5g添加した後、水を
0.5mol/L滴下し、1.5時間の還流を行ない、
チタニアゾルを得た。
【0044】上述のようにして得られたチタニアゾル溶
液に対し各固形分比が実施例1〜14で記載した割合に
なるようにアナターゼ結晶チタニア粒子(石原産業:S
T−01/粒径7nm、ST−21/粒径20nm)と
シリカゾル(商品名IPA−S、日産化学工業、粒子径
8〜11nm)及び/又はコロイド粒子分散型のアルミ
ナゾル(商品名アルミナゾル−520:日産化学工業
(株)製、粒子系10〜20nm)を添加し、全固形分
濃度が1.2%となるように1−ブタノールで希釈混合
し調製した。
【0045】大きさ100mm×100mm、厚さ1.
9mmのクリアフロートガラス基板を中性洗剤、水、エ
タノールで順次洗浄、乾燥し後、厚さ80nmのシリカ
の被膜を形成したものを被膜用基板とした。
【0046】被膜用基板に上記塗布溶液をスピンコーテ
ィング法により、1000rpm/分の条件でコーティ
ングし、風乾後600℃で10分焼成した。
【0047】比較例1〜11 チタンのアルコキシドとしてチタニウムテトライソプロ
ポキシドをエタノールに0.5mol/Lとなるように
溶解した。得られた溶液に表1の比較例1〜11に示す
各種配位子を0.5mol/L加えて1.5時間還流し
た。室温まで冷却し、この中に70%硝酸を5g添加し
た後、水を0.5mol/L滴下し、1.5時間の還流
を行ない、チタニアゾルを得た。
【0048】上述のようにして得られたチタニアゾル溶
液に対し各固形分比が比較例1〜11で記載した割合に
なるようにアナターゼ結晶チタニア粒子を加えた。比較
例1〜10に於ては、粒径7nm(石原産業:ST−0
1)のアナターゼ結晶チタニア微粒子を添加し、比較例
11では粒径50nm(石原産業:ST−41)のアナ
ターゼ結晶チタニア微粒子を添加した。その他シリカゾ
ル(商品名IPA−S、日産化学工業、粒子径8〜11
nm)及びコロイド粒子分散型のアルミナゾル(商品名
アルミナゾル−520:日産化学工業(株)製、粒子系
10〜20nm)を添加し、全固形分濃度が1.2%と
なるように1−ブタノールで希釈混合し調製した。
【0049】
【表1】
【0050】(評価)実施例1〜14及び比較例1〜1
1のコーティング液についての評価結果を表2に示す。
評価は液調整時の分散状態、ガラス基板に塗布焼成後の
初期接触角と呼気による曇り試験、オレイン酸コーティ
ング時のキセノンランプ照射(0.5mW/cm2 )1
2時間後の接触角と呼気による曇り試験、また綿布に工
業用試験ダスト8種を付着させ20回擦った時の傷つき
性を評価した。
【0051】
【表2】
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の防曇コー
ティング液は、コーティング液中の全酸化物量に対し、
A)アナターゼ型チタニア粒子を1〜75重量%、B)
チタニアゾルを15〜85重量%、およびC)シリカゾ
ル及び/又はアルミナゾルを10〜40重量%を含有す
るように構成されるものであり、更にその製法において
チタンアルコキシドの加水分解時に、チタンアルコキシ
ド溶液に前記式I及び/又は式IIのジオール型有機化合
物を配位子として加えるように構成したものであるか
ら、安定性に優れた防曇コーティング液と、成膜形式
後、高い触媒性能と膜強度に優れた防曇膜を与える効果
を奏する。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コーティング液中の全酸化物量に対し、 A)アナターゼ型チタニア粒子を1〜75重量%、 B)チタニアゾルを15〜85重量%、および C)シリカゾル及び/又はアルミナゾルを10〜40重
    量% を含有することを特徴とする防曇コーティング液。
  2. 【請求項2】 コーティング液中のアナターゼ型結晶チ
    タニアの粒子径が、7〜20nmであることを特徴とす
    る、請求項1記載の防曇コーティング液。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の防曇コーティング液の
    製造方法であって、チタンアルコキシドを含有する溶液
    に次式I: 【化1】 (式中、R1 はH又はCp H2p+1(式中、P は1〜5の
    整数である)であり、R 2 はCq H2q+1(式中、q は1
    〜5の整数である)であり、R3 はCr H2r(式中、r
    は1〜3の整数である)であり、R4 はH又はCx H
    2x+1(式中、x は1〜5の整数である)であり、R5 は
    H又はCy 2H2y+1(式中、y は1〜5の整数である)
    である)で表わされるジオール化合物又は次式II: 【化2】 (式中、R1 はH又はCp H2p+1(式中、P は1〜5の
    整数である)であり、R 2 はCq H2q+1(式中、q は1
    〜5の整数である)であり、R3 はCr H2r(式中、r
    は1〜3の整数である)であり、R4 はH又はCx H
    2x+1(式中、x は1〜5の整数である)であり、R5 は
    H又はCy 2H2y+1(式中、y は1〜5の整数である)
    である)で表わされるジオール化合物を、チタンアルコ
    キシドとジオール化合物のモル比が1:1〜8の割合で
    加えチタン錯体を形成し、得られたチタン錯体を加水分
    解してチタニアゾルを得、次いで得られたチタニアゾル
    に、各種金属酸化物の比率がアナターゼ型結晶チタニア
    粒子を1〜75重量%、シリカ及び/又はアルミナを1
    0〜40重量%となるように、アナターゼ型結晶チタニ
    ア粒子、及びシリカゾル及び/又はアルミナゾルを添加
    することを特徴とする、前記防曇コーティング液の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 ジオール化合物が、2−エチル−1,3
    −ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3
    −ペンタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3
    −ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2−メチ
    ル−2,4−ペンタンジオールのいずれかであるか、又
    はそれらの混合物であることを特徴とする請求項3記載
    の製造方法。
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