JPH1120431A - タイヤ用滑り止め装置及びその製造方法 - Google Patents

タイヤ用滑り止め装置及びその製造方法

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JPH1120431A
JPH1120431A JP17456597A JP17456597A JPH1120431A JP H1120431 A JPH1120431 A JP H1120431A JP 17456597 A JP17456597 A JP 17456597A JP 17456597 A JP17456597 A JP 17456597A JP H1120431 A JPH1120431 A JP H1120431A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 タイヤ用滑り止め装置に関し、ブレードの
屈曲性を向上し得る構造、及びその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 滑り止め装置本体aの接地範囲を構成
する金属チェーンa1を構成後、該金属チェーンa1を
脱脂処理及び接着材塗布処理を施すことなくそのままブ
レード成形用の成形型d内に定置し、該成形型d内に充
填される未加硫ゴム1a’加硫成形することにより、ブ
レード1を被覆形成し、上記金属チェーンa1表面とゴ
ム材1aとを遊離状態とすることにより、ブレード1の
屈曲性を向上せしめる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はタイヤ用滑り止め
装置に関し、さらに詳しくは、滑り止め装置本体の接地
部分を金属チェーンにより構成し、この金属チェーンの
表面にゴム材又は合成樹脂材を被覆してブレードを構成
して成るタイヤ用滑り止め装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、タイヤの外周に巻回装着して使用
するタイヤ用滑り止め装置の中には、滑り止め装置本体
を金属製のチェーンにより構成したものがある。これら
の金属チェーンは、チェーンの連結パターンを亀甲型に
した亀甲チェーンや、略梯子型としたラダー型等があ
り、比較的安価に製造できる利点がある。しかし、上記
した如き金属チェーンは、金属製のチェーンが路面に対
して直接に接地すると同時に、チェーン同士も激しく接
触するために、走行中に発生する騒音が大きくなってし
まう。また、乾燥路面や凍結路面に対して硬質なチェー
ンが断続的に接触することから振動も激しく、さらに、
接地範囲のチェーンが比較的早く摩耗してしまうため、
乾燥路面走行に対する耐久性に問題があった。
【0003】そこで、本願出願人は、特願平8−940
40号のタイヤ用滑り止め装置のように、金属チェーン
の接地部分をゴム材により被覆してブレードを構成する
と共に、該ブレードの一部に金属チェーンの一部を露出
させることにより、ゴムブレードによる騒音及び振動の
低減効果と、金属チェーンの露出部分によるスパイク効
果とを、バランス良く発揮する装置を開発した。
【0004】上記したタイヤ用滑り止め装置は、接地部
分を構成する金属チェーンの表面にショットブラスト加
工を行なって脱脂処理を施した後、該金属チェーンの表
面にゴム,金属用の接着材を塗布して乾燥する。そし
て、上記金属チェーンを成形型内に定置し、該成形型内
ゴム材を充填して加硫成形することにより、上記金属チ
ェーンの接地部分に所定形状のブレードを構成してい
る。また、上記ブレードの表面には、金属チェーンを部
分的に突出させ、スパイクとして機能するように構成し
てある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、金属
チェーンの接地部分にブレードを構成して成るタイヤ用
滑り止め装置は、ブレードを構成する接地部分の金属チ
ェーンと、被覆ゴム材とを、強固に接着することによ
り、被覆ゴム材の破損,脱落を防止し、ブレードの耐久
性を高めるべきであるとの観点から、金属チェーンの表
面に対して、ゴム材を強固に接着せしめるための表面処
理を十分に行なっていた。即ち、従来のタイヤ用滑り止
め装置においては、金属チェーン表面にショットブラス
トをかけて脱脂処理を行ない、さらに、ゴムと金属用接
着材の塗布を行なった後、この金属チェーンにゴム材を
被覆成形してブレードを構成していた。上記したような
製造工程で製造したタイヤ用滑り止め装置は、金属チェ
ーンに対してゴム材を一体的、且つ強固に接着している
ため、強度の高いブレードを構成することができ、長期
使用にも上記ゴム材の破損を生じることがなく、要求さ
れる耐久性を十分に発揮し得るものであった。
【0006】しかし、上記した如く金属チェーンの表面
にゴム材を強固に接着して構成したブレードは、金属チ
ェーンとゴム材とが一体化し、金属チェーンの屈曲がゴ
ム材の変形応力によりかなり拘束されるため、ブレード
自体が硬く屈曲しずらくなる傾向にある。従って、上記
した如く構成したタイヤ用滑り止め装置は、タイヤの外
周に巻回して装着する際に、タイヤの接地面及び内外の
ショルダー部分に沿ってブレードを屈曲させながら正確
に密着させることが難しくなり、装着作業に手間取る場
合があった。さらに、上記した如き従来のタイヤ用滑り
止め装置においては、金属チェーン表面にショットブラ
スト工程、ゴムと金属用接着材の塗布工程を行なうと共
に、上記接着材塗布工程の後には乾燥工程が必要となる
ため、表面処理に必要な工程だけでもかなりの時間と手
間がかかっていた。
【0007】また、金属チェーンとゴム材とを組み合わ
せてものとしては、図11にて示す実開平8−3009
14号のタイヤ用滑り止め装置ように、クロスチェーン
100の各チェーン要素101の穴102に、ゴム紐1
03を蛇行状に挿通せしめることにより、クロスチェー
ン100が接地する際の騒音や衝撃を低減せしめるよう
に構成したものが開発されている。上記のタイヤ用滑り
止め装置のように、クロスチェーン100の各穴102
にゴム紐103を蛇行状に挿通せしめたものにおいて
は、ゴム紐103による緩衝効果により、接地時の騒音
や衝撃をある程度低減でき、さらに、クロスチェーン1
00の屈曲性も低下することもない。しかし、ゴム紐1
03の突出部分が路面に対して部分的に接触して早期に
摩耗して切断してしまうため、耐久性の点で問題があっ
た。
【0008】本発明の目的は、上記した如きタイヤ用滑
り止め装置に関し、ブレードの屈曲性を向上し得る構
造、及びその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために、本発明の製造方法は、タイヤ外周に巻回装着す
る滑り止め装置本体の少なくとも接地範囲を金属チェー
ンにより構成し、該金属チェーンをゴム材により所定形
状に被覆してブレードを構成したタイヤ用滑り止め装置
の製造方法であって、前記接地範囲の金属チェーンをそ
のままブレード成形用の成形型内に定置し、該成形型内
に未加硫ゴムを充填して加硫成形することにより、上記
金属チェーンにゴム材を被覆してブレードを構成したも
のである。
【0010】滑り止め装置本体を構成する金属チェーン
は、そのまま成形型内に定置される。尚、上記した、そ
のまま成形型内に定置するということは、製造されたま
まの金属チェーンを、脱脂処理及び接着剤塗布処理等、
ゴム材との接着力を高めるための表面処理を施すことな
く、ブレード成形用の成形型内に定置するということで
ある。
【0011】上記成形型の内部には、未加硫ゴムが充填
され、同成形型内にて加圧,加熱されながら所定形状に
加硫成形されることにより、上記金属チェーンの表面に
所定形状のゴム材層が被覆成形され、ブレードとして構
成される。上記ブレードは、金属チェーンの表面にゴム
材を所定形状に被覆成形することにより構成されるが、
脱脂処理及び接着剤塗布処理を施していない状態の金属
チェーン表面と、ゴム材層との界面は接着力が弱く、遊
離する状態にある。よって、上記ブレードを構成する金
属チェーンとゴム材層との間は、金属チェーンの屈曲に
伴って自由にずれるようになり、これにより、ブレード
の屈曲性が確保される。
【0012】本発明の製造方法は、タイヤ外周に巻回装
着する滑り止め装置本体の少なくとも接地範囲を金属チ
ェーンにより構成し、該金属チェーンをゴム材により所
定形状に被覆してブレードを構成したタイヤ用滑り止め
装置の製造方法であって、前記接地範囲の金属チェーン
の表面に非接着処理を施した後、該金属チェーンをブレ
ード成形用の成形型内に定置し、該成形型内に未加硫ゴ
ムを充填して加硫成形することにより、上記金属チェー
ンにゴム材を被覆してブレードを構成することを特徴と
する。
【0013】上記したように、非接着処理を施した金属
チェーン表面と被覆ゴム材層との界面における接着力
は、前記した請求項1記載のもの場合よりもさらに弱
く、ブレードの被覆ゴム材は、金属チェーンの表面から
略完全に分離する。よって、上記ブレードを構成する金
属チェーンと被覆ゴム材との間は、金属チェーンの屈曲
に伴って自由にずれるようになり、ブレードの屈曲性が
向上する。
【0014】請求項3記載の発明は、タイヤ外周に巻回
装着する滑り止め装置本体の少なくとも接地範囲を金属
チェーンにより構成し、該金属チェーンをゴム材により
所定形状に被覆してブレードを構成したタイヤ用滑り止
め装置であって、前記接地範囲の金属チェーンと、該金
属チェーンの周囲に被覆するゴム材との間を非接着状態
として成るものである。上記した手段によれば、ブレー
ドを構成する金属チェーン被覆ゴム材との間が非接着状
態となるため、金属チェーンと被覆ゴム材との間が、金
属チェーンの屈曲に伴って自由にずれるようになり、ブ
レードの屈曲性が向上する。
【0015】請求項4記載の発明は、タイヤ外周に巻回
装着する滑り止め装置本体の少なくとも接地範囲を金属
チェーンにより構成し、該金属チェーンを合成樹脂材に
より所定形状に被覆してブレードを構成したタイヤ用滑
り止め装置であって、前記接地範囲の金属チェーンと、
該金属チェーンの周囲に被覆する合成樹脂材との間を非
接着状態として成るものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面に
基づいて説明する。図1乃至図6にて示すタイヤ用滑り
止め装置Aは、金属チェーンから成る内側外側両サイド
チェーンa2,a3と、これらサイドチェーンa2,a
3連結する多数のクロスチェーンa1とにより、略梯子
型の滑り止め装置本体aを構成し、同本体aの接地範
囲、即ち各クロスチェーンの中間部にゴム材1aを被覆
して、ブレード1を構成してなる。
【0017】上記滑り止め装置本体aは、金属チェーン
から構成した内側サイドチェーンa2と外側サイドチェ
ーンのa3とを所定間隔をおいて平行に配置すると共
に、これら両サイドチェーンa2,a3の間にクロスチ
ェーンa1を架けわたすと共に、該クロスチェーンa1
を上記両サイドチェーンa2,a3の長さ方向に定間隔
をおいて配設することにより略梯子形に構成してある。
【0018】図1及び図4にて示すように、上記各クロ
スチェーンa1のタイヤ接地面に対応する範囲には、ゴ
ム材1aを肉厚状に被覆してブレード1を構成してあ
る。即ち、ブレード1は、金属チェーンと、その表面に
被覆されるゴム材とにより構成されるものである。ブレ
ード1は、滑り止め装置本体aの接地範囲を構成するク
ロスチェーンa1における、少なくともタイヤ接地面の
幅と略同じ長さの範囲に、ゴム材1aを被覆して略円柱
形に構成してある。
【0019】ところで、上記したブレード1のゴム材1
aは、クロスチェーンa1の表面に対して、接着されて
いない状態、若しくは簡単に遊離してしまう程度の弱い
接着力により接着した状態で被覆してある。上記したよ
うにクロスチェーンa1の表面とゴム材1aとの間を、
非接着状態、若しくは簡単に遊離する状態にて接合する
ことにより、クロスチェーンa1とゴム材1aとの部材
間は、クロスチェーンa1の屈曲に伴って自由にずれ、
且つ、ゴム材1aもクロスチェーンa1から独立した形
で無理なく変形するようになり、その結果、ブレード1
自体が柔軟に屈曲するようになる。上記ブレード1は屈
曲性に優れるため、装着状態においてはタイヤ外周面に
沿って自然と密着し、タイヤになじんだ状態で装着され
る。
【0020】上記したように、クロスチェーンa1とゴ
ム材1aとの間を分離させるには、製造したままのクロ
スチェーンa1の表面に、そのままゴム材1aを被覆成
形するか、若しくは、クロスチェーンa1の表面に非接
着処理を施した後にゴム材1aを被覆成形するが、その
非接着処理の詳細は後述する製造方法の説明にて行な
う。
【0021】また、上記ブレード1は、クロスチェーン
a1を構成する各チェーン要素a’の一部をゴム材1a
の表面から若干突出するように露出させてあり、その露
出部1bがブレード1の表面に突出するスパイクとして
機能するように構成してある。上記露出部1bはブレー
ド1の接地面と前後両側面に千鳥状に突出させ、同ブレ
ード1のタイヤ外周面側には設けていない。即ち、ゴム
材1a断面内におけるクロスチェーンa1の挿通位置を
円柱状のゴム材1aの軸芯よりも表面側へ偏移させた状
態で被覆を行っている(図3)。
【0022】尚、上記ブレード1は、その表面にクロス
チェーンa1の一部を千鳥状に露出させて構成したが、
同ブレードは、クロスチェーンa1にゴム材を全面的に
被覆して構成してもよい。この場合、ブレードのスパイ
ク効果は薄れるが、アスファルト路面が露出する乾燥路
面を走行している場合において生じる騒音を低減出来る
と共に、スパイクによる粉塵の発生も回避することがで
きる。
【0023】上記した如く構成したタイヤ用滑り止め装
置Aは、図2及び図3にて示すようにタイヤCの外周に
巻回装着し、両サイドチェーンa2,a3の両端部に設
けた接続金具2a,2bを接続した後、タイヤC外側に
掛止金具g1を介してゴムバンドから成る締め付け装置
gを掛止装着することにより、タイヤCの外周に巻回し
たタイヤ用滑り止め装置AをタイヤC外周面に対して締
め付けて装着する。
【0024】上記したタイヤ用滑り止め装置Aは、装置
本体aを略梯子形に構成したものであったが、本発明の
滑り止め装置は、装置本体の少なくとも接地範囲を金属
チェーンにより構成し、該金属チェーンにゴム材を被覆
してブレードを構成するものであればどのような形態で
あってもよい。例えば、本発明は、図7にて示すタイヤ
用滑り止め装置A2のように、装置本体の接地範囲を構
成する金属チェーンa1’のパターンを亀甲形に構成
し、この金属チェーンa1’に上記したものと同様なブ
レード1を形成したものであっても良い。また、ブレー
ドの形状も上記した形状に限定するものではなく、例え
ば断面四角形ものであっても、若しくは断面多角形のも
のであってもよい。さらに、装置本体の両サイドチェー
ンは、チェーンに限定するものではなく、チェーン以外
のもの、例えばロープやワイヤー等であってもよい。
尚、上記実施例のタイヤ用滑り止め装置Aは、ブレード
1の表面に露出する上記露出部1bを、ブレード1の接
地面と前後両側面に千鳥状に突出させたが、上記露出部
1bの配置は任意に変更してもよく、例えば、図10に
て示すブレード1’のように、露出部10bをブレード
1’の接地面と前後両側面、及びタイヤ外周面と接する
裏面側の4面に露出させてもよい。
【0025】次ぎに、上記したタイヤ用滑り止め装置A
の製造方法を説明する。金属チェーンからなる装置本体
aは、前記したように、略梯子形に構成した後、各クロ
スチェーンa1にゴム材1aを被覆形成して、ブレード
1を構成してなる。
【0026】上記装置本体aの各クロスチェーンa1
は、脱脂処理やゴムと金属用接着材処理等、ゴム材1a
との接着力を高めるための表面処理を何等施すことな
く、製造した状態のまま、ゴム材1aの被覆成形工程へ
移行する。尚、製造した状態のままのクロスチェーンa
1は、金属の地肌が直接露出する状態であっても、若し
くはメッキ処理を施した状態であってもよい。即ち、従
来の製造方法においては、クロスチェーンにゴム材を被
覆成形する前に、脱脂工程,ゴムと金属用接着材処理,
ゴム接着材の塗布工程を行なうことにより、クロスチェ
ーンの表面にゴム材を強固に接着させたが、本発明の製
造方法においては、上記した工程を全て省略することが
できる。
【0027】図8はタイヤ用滑り止め装置Aのクロスチ
ェーンa1にブレード1を成形する際に使用する成形型
dを示している。成形型dは、分割可能な上型d1と下
型d2とからなり、これら両型d1,d2の分割面に、
滑り止め装置本体aのクロスチェーンa1部分を嵌合し
て保持する保持凹部30と、上記保持凹部30内にて保
持したクロスチェーンa1に対してゴム材1aを被覆形
成するためのキャビティ40とを凹設してある。
【0028】上下両型d1,d2の分割面に凹設する保
持凹部30は、滑り止め装置本体aのクロスチェーンa
1全長と、該クロスチェーンa1の両端部を接続する両
サイドチェーンa2,a3の一部の範囲を嵌合して展開
状態にて保持する。上記保持凹部30は、平面視略O形
とI形とに角度を変えて交互に連結する各チェーン要素
a’を嵌入して保持するように、略小判型に形成した凹
部30aと、溝型に形成した30bとを滑り止め装置本
体aを構成するチェーン要素a’と同じ間隔をおいて交
互に形成することにより構成してある。
【0029】また、各凹部30a,30bは、下型d2
の場合、チェーン要素a’の下半部が収納される深さに
形成し、上型d1の場合、チェーン要素a’の上半部を
収納する深さに形成してある。したがって、下型d2の
凹部30a,30bにチェーン要素a’を嵌入した状態
において、各チェーン要素a’の下半部が上記凹部30
a,30b内に収納され、上半部が分割面から突出する
ことになる。
【0030】キャビティ40は、上記保持凹部30内に
嵌入して保持したクロスチェーンa1の周囲に、ゴム材
1aを略円柱型に被覆成形せしめるための凹部であり、
上型d1の分割面にゴム材1aの裏面側半部を成形する
略半円弧型の凹溝を形成すると共に、下型d2の分割面
には、ゴム材1aの表面側半部を成形する断面略半円弧
型の凹溝を形成してある。
【0031】上記キャビティ40は、クロスチェーンa
1を嵌入する上記保持凹部30と重なる形で凹設してあ
る。従って、キャビティ40内に設けられる凹部30
a,30bはキャビティ40内の空間と重なり合う部分
は形成されず、それ以外の部分がキャビティ40の両側
に形成されることになる(図8,図9)。
【0032】図9にて示すように、上記キャビティ40
の肉厚中心とクロスチェーンa1の軸芯とは一致してお
らず、Y1=Y2 及び Y1>Y3 の関係を保つこ
とにより、クロスチェーンa1を略円柱状に被覆するゴ
ム材1aの表面からチェーン要素a’の一部が露出して
幾分突出し、反対にゴム材1aの裏面側はチェーン要素
a’がすべて埋没するように構成してある。よって、上
記凹部30bはゴム材1aの表側半部を成形する下型d
2のキャビティ40内だけに形成され、上型d1のキャ
ビティ40内には形成されない。また、キャビティ40
の幅(X1)は、チェーン要素a’の幅(Y1+Y2)
よりも小さくし、ゴム材1aの両側面からチェーン要素
a’の両側部が突出するように構成してある。
【0033】製造時には、上記した如く構成した成形型
dの下型d2の保持凹部30内に、滑り止め装置本体a
のクロスチェーンa1部分を嵌入し、正確に展開状態に
て保持する(図8)。この際、滑り止め装置本体aは表
側を下へ向けた状態で保持凹部30内に嵌入する。
【0034】次いで、上記下型d2に上型d1を載せて
型閉する。これにより、下型d2の分割面より突出して
いたチェーンの上半部が、上型d2の保持凹部30内に
嵌合し、滑り止め装置本体aは上下両型d1,d2の保
持凹部30にて上下から保持され、完全に固定された状
態となる。
【0035】成形型dを型閉めしたならば、加圧/加熱
して可塑化した未加硫状態のゴム材料1a’を上型d1
に設けた注入口d4から、成形型dのキャビティ40内
に注入する(図9)。尚、被覆ゴム材1aとなる未加硫
ゴム材料1a’は、常温状態にて適当な形状に裁断し、
型閉めの前に、上記キャビティー40内に収納しておい
てもよい。キャビティ40内にゴム材料1a’を充填す
ると、キャビティ40内に収容されれた各チェーン要素
a’の隙間にゴム材料1a’が充填され、露出部以外の
部分が包まれた状態となる。
【0036】ゴム材料1a’の注入を終えた成形型d
は、加硫プレス装置内に移動し、上下から所定圧力にて
プレスしながら、所定温度にて所定時間加熱してゴム材
料1a’を加硫する。加硫工程を終えた成形型dは、上
下両型d1,d2を分割し、キャビティ40内にて成形
されたブレード1を脱型し、周囲に注入口d4により出
来た突出部や型閉め面に沿ってはみ出したバリを取り除
く。
【0037】脱型したクロスチェーンa1には、ゴム材
1aにより略円柱型に被覆され、ブレード1が構成され
る。また、ブレード1の表面及び両側面にはクロスチェ
ーンa1の一部が千鳥状に突出する。上記したように構
成されたブレード1は、クロスチェーンa1の表面に何
等の表面処理を施していないために、同クロスチェーン
a1とゴム材1aとの間の接着力は弱く、例えば、締め
付け装置gによる締め付け力や、走行時に受ける荷重に
より、両部材a1,1a間の接着は比較的簡単に剥がれ
る。よって、上記クロスチェーンa1と、ゴム材1aの
相互の接合面は、ブレード1の屈曲に伴って自由にずれ
るようになり、さらに、ゴム材1aもクロスチェーンa
1から独立し、無理なく弾性変形するようになる。
【0038】次ぎに、クロスチェーンa1の表面に非接
着処理を施す製造方法について説明する。この製造方法
は、前記したタイヤ用滑り止め装置Aの製造方法と同様
な工程であるが、略梯子形状に構成した滑り止め装置本
体aの各クロスチェーンa1の表面に、非接着処理を施
した後、ゴム材1aの被覆成形を行なう点を特徴とす
る。
【0039】非接着処理とは、成形型を用いて樹脂成形
する際に行なう離型処理等と同様な表面処理であり、ク
ロスチェーンa1の表面にシリコン系や、フッソ系等の
離型剤を塗布して、同クロスチェーンa1表面とゴム材
1aとの間に非接着性の皮膜を形成することにより、ク
ロスチェーンa1とゴム材1aとの間の接着を積極的に
防止し、製造後におけるクロスチェーンa1とゴム材1
aとの接合面を略完全に分離させるものである。尚、本
発明で用いる非接着処理とは、上記したものに限定する
ものではなく、クロスチェーンa1とゴム剤1aとを非
接着状態にすることのできるものであれば、既存のどの
ような方法を用いてもよい。上記したようにクロスチェ
ーンa1の表面に非接着処理を施した装置本体aは、前
記実施例と同様に、成形型d内に収め、ゴム材1aを充
填して加硫成形することにより、ブレード1を構成する
が、その製造工程は、前記実施例と共通するので説明及
び図面の開示は省略する。
【0040】上記した如くクロスチェーンa1の表面に
非接着処理を行なって構成したタイヤ用滑り止め装置の
ブレード1は、クロスチェーンa1とゴム材1aとの間
が略完全に分離するので、ブレード1の屈曲性を最初の
使用時からから充分に発揮することができる。ちなみ
に、前述したように、従来のタイヤ用滑り止め装置は、
クロスチェーンの表面にゴム材を強固に接着することに
よりブレードの強度を向上したものであった。これに反
して、本願のタイヤ用滑り止め装置Aは、クロスチェー
ンa1にゴム材1aを非接着状態で被覆することによ
り、ブレード1の屈曲性を向上せしめている。しかしな
がら、本願のタイヤ用滑り止め装置Aは、ブレード1の
屈曲性を向上せしめるために、強度面を犠牲にしたわけ
ではなく、クロスチェーンa1とゴム材1aとの接合面
を分離させたものでも、必要充分な強度を備えているこ
とをテストを繰り返すことにより確認することができ
た。
【0041】尚、上記した実施例は、クロスチェーンa
1にゴム材1aを被覆することによりブレード1を構成
したが、本発明のタイヤ用滑り止め装置は、クロスチェ
ーンa1の周囲に被覆する被覆材としてウレタン樹脂
等、比較的軟質な合成樹脂材を用いて構成してもよい
(図示せず)。この場合、接地範囲の金属チェーンとな
るクロスチェーンをそまままの状態、若しくは同クロス
チェーンの表面に非接着処理を施した後、該クロスチェ
ーンを前記したと同様にブレード成形用の成形型内に定
置し、該成形型内にウレタン樹脂等の合成樹脂を射出す
ることにより、上記クロスチェーンに合成樹脂材を被覆
してブレードを構成することになる。上記した如く構成
したタイヤ用滑り止め装置にあっては、前記したように
ブレードの被覆材としてゴム材を使用したものと同様に
ブレードの屈曲性を向上することができる。
【0042】
【発明の効果】本発明は以上説明したように、滑り止め
装置本体の接地範囲を構成する金属チェーンを、脱脂処
理及び接着材塗布処理等を施すことなくそのままブレー
ド成形用の成形型内に定置し、該成形型内に充填される
未加硫ゴムを加圧,加熱しながら加硫成形することによ
り、ブレードを被覆形成するものであるから、上記ブレ
ードのゴム材層が、脱脂処理及びゴムと金属用接着の塗
布処理を施していない金属チェーン表面から簡単に遊離
し、上記金属チェーンとゴム材層との間が、金属チェー
ンの屈曲に伴って自由にずれるようになる。よって、従
来のように、金属チェーンの表面にゴム材層を強固に接
着してブレードを構成する製造方法と比較すると、ブレ
ードの耐久性を維持したまま、同ブレードの屈曲性を大
幅に向上することができ、その結果、タイヤ用滑り止め
装置をタイヤに装着する際の作業性が向上することがで
き、各ブレードをタイヤの外周面に沿って密着せしめ、
ずれや隙間の生じないように正確な状態で装着する作業
を円滑に行なうことができるようになる。また、従来の
ように金属チェーン表面に、脱脂処理,ゴムと金属用接
着材の塗布処理,ゴム接着材塗布を行ない、各工程の間
に乾燥を繰り返す製造方法と比較すると、製造工程を大
幅に簡略化することができ、これにより、製造コストの
低減を図ることができる。また、従来のものは、ブレー
ドをタイヤ外周面に沿って密着させるために、ブレード
の形状、即ち、成形型のキャビティ形状を、タイヤ外周
面に沿う形状に複雑に屈曲させる必要があったが、本発
明のブレードは、真っ直ぐな形状に形成しても、良好な
屈曲性によりタイヤ外周面に密着することが可能である
から、ブレードを成形する成形型の製造コストを低減す
ることもできる。
【0043】請求項2記載の製造方法においては、滑り
止め装置本体の接地範囲を構成する金属チェーンの表面
に非接着処理を施した後、該金属チェーンをブレード成
形用の成形型内に定置し、該成形型内に充填される未加
硫ゴムを加圧,加熱しながら加硫成形することにより、
ブレードを被覆形成するものであるから、上記した請求
項1記載の製造方法と同様な効果を奏すると共に、上記
非接着処理により、ブレードを構成する金属チェーンと
ゴム材層との間を、より完全に分離させ、ブレードの屈
曲性をさらに向上せしめることが可能となる。
【0044】請求項3記載のタイヤ用滑り止め装置は、
ブレードを構成する接地範囲の金属チェーンと、該金属
チェーンの周囲に被覆するゴム材との間を非接着状態と
して成るものであるから、従来のように、金属チェーン
の表面にゴム材層を強固に接着してブレードを構成した
ものと比較すると、ブレードの屈曲性を大幅に向上する
ことができる。その結果、滑り止め装置をタイヤに装着
する際の作業性を向上することができ、各ブレードをタ
イヤの外周面に沿って密着せしめ、ずれや隙間の生じな
いように正確な状態で装着する作業をスムースに実行で
きる。
【0045】請求項4記載のタイヤ用滑り止め装置は、
接地範囲の金属チェーンを合成樹脂材により所定形状に
被覆してブレードを構成し、上記ブレードの金属チェー
ンと、その周囲に被覆する合成樹脂材との間を非接着状
態として成るものであるから例えば、金属チェーンの表
面にゴム材層を強固に接着してブレードを構成した場合
と比較すると、ブレードの屈曲性を大幅に向上せしめ、
滑り止め装置をタイヤに装着する際の作業性を向上する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を実施したラダー形のタイヤ用滑り
止め装置を示す正面図。
【図2】 同滑り止め装置の装着状態を示す正面図。
【図3】 装着状態にある滑り止め装置の接地範囲を
一部切欠して示す正面図。
【図4】 同滑り止め装置の接地範囲を示す斜視図。
【図5】 ブレードの端部を示す縦断正面図。
【図6】 同滑り止め装置の装着状態を示す斜視図。
【図7】 本発明を実施した亀甲形のタイヤ用滑り止
め装置を示す正面図。
【図8】 成形型を示す斜視図。
【図9】 同成形型の閉型状態を示す縦断面図。
【図10】 (a)は露出部を前後,表裏の4面に設
けたブレードを示す縦断面図、(b)は、(a)のX-X
線断面図である。
【図11】 チェーンにゴム紐を蛇行状に挿通せしめ
たタイヤ用すべ止め装置を一部省略して示す正面図。
【符号の説明】
A・・・タイヤ用滑り止め装置 a・・・滑り止め装置本体 a1・・・クロスチェーン d・・・成形型 d1・・・上型 d2・・・下型 1・・・ブレード 1a・・・ゴム材 1a’・・・ゴム材料(未加硫)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タイヤ外周に巻回装着する滑り止め装
    置本体の少なくとも接地範囲を金属チェーンにより構成
    し、該金属チェーンをゴム材により所定形状に被覆して
    ブレードを構成したタイヤ用滑り止め装置の製造方法で
    あって、前記接地範囲の金属チェーンをそのままブレー
    ド成形用の成形型内に定置し、該成形型内に未加硫ゴム
    を充填して加硫成形することにより、上記金属チェーン
    にゴム材を被覆してブレードを構成することを特徴とす
    るタイヤ用滑り止め装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 タイヤ外周に巻回装着する滑り止め装
    置本体の少なくとも接地範囲を金属チェーンにより構成
    し、該金属チェーンをゴム材により所定形状に被覆して
    ブレードを構成したタイヤ用滑り止め装置の製造方法で
    あって、前記接地範囲の金属チェーンの表面に非接着処
    理を施した後、該金属チェーンをブレード成形用の成形
    型内に定置し、該成形型内に未加硫ゴムを充填して加硫
    成形することにより、上記金属チェーンにゴム材を被覆
    してブレードを構成することを特徴とするタイヤ用滑り
    止め装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 タイヤ外周に巻回装着する滑り止め装
    置本体の少なくとも接地範囲を金属チェーンにより構成
    し、該金属チェーンをゴム材により所定形状に被覆して
    ブレードを構成したタイヤ用滑り止め装置であって、前
    記接地範囲の金属チェーンと、該金属チェーンの周囲に
    被覆するゴム材との間を非接着状態として成るタイヤ用
    滑り止め装置。
  4. 【請求項4】 タイヤ外周に巻回装着する滑り止め装
    置本体の少なくとも接地範囲を金属チェーンにより構成
    し、該金属チェーンを合成樹脂材により所定形状に被覆
    してブレードを構成したタイヤ用滑り止め装置であっ
    て、前記接地範囲の金属チェーンと、該金属チェーンの
    周囲に被覆する合成樹脂材との間を非接着状態として成
    るタイヤ用滑り止め装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003054231A (ja) * 2001-08-17 2003-02-26 Fec Chain:Kk 金属タイヤチェーン
DE102024120909A1 (de) * 2024-07-23 2026-01-29 Rud Ketten Rieger & Dietz Gmbh U. Co. Kg Laufnetz, Gleitschutzvorrichtung und Laufnetzelement mit wenigstens einem von einem Kunststoffkörper umspritzten Laufnetzelement

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