JPH11209011A - エレベーターの制御装置 - Google Patents

エレベーターの制御装置

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JPH11209011A
JPH11209011A JP10014702A JP1470298A JPH11209011A JP H11209011 A JPH11209011 A JP H11209011A JP 10014702 A JP10014702 A JP 10014702A JP 1470298 A JP1470298 A JP 1470298A JP H11209011 A JPH11209011 A JP H11209011A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エレベーターの乗り心地を改善できるエレベ
ーターの制御装置を提供する。 【解決手段】 独立した2つの巻線3a、3bを有する
多重巻線型誘導電動機3の各巻線に流れる電流を検出す
る電流検出器5a、5bにより検出される電流値の夫々
に所定の電流ゲイン値を乗算するゲイン乗算器66a、
66b、及び電流検出器5a、5bの零点を調整するた
めに所定のオフセット値を加算するオフセット加算器6
5a、65bを設ける。これにより、検出した電流の補
正をそのゲインとオフセットによって行い、各巻線3
a、3bに実際に流れる電流量を同一にすることができ
るので、エレベーターかごの振動を抑制し、乗り心地の
良い運転ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエレベーターの制御
装置に関し、特に多重巻線型もしくはタンデム型の誘導
電動機によりエレベーターを駆動するエレベーターの制
御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、建物の高層化が進み、エレベータ
ーをより高速化・大容量化することが必要となってきて
いる。つまり、速度300m/分を超える超高速エレベ
ーターにとどまらず、750m/分や1000m/分の
超々高速エレベーターと呼ばれる様なエレベーターが要
求され、また大量輸送が可能な2階建て構造のエレベー
ター(ダブルデッキエレベーター)の要求も高まってい
る。
【0003】エレベーターの駆動は、一般に誘導電動機
によって行われていて、その制御には主としてインバー
タ装置が用いられている。そこで上述したような高速・
大容量のエレベーターを駆動する場合に、誘導電動機が
大容量となり、当然インバータ装置も大容量化する必要
がある。大容量のインバータ装置を実現するには、 ア) インバータ装置を複数並列接続して使用する イ) 1つの大容量インバータ装置を使用する ことが考えられる。ところがイ)の方法では、インバー
タ装置の外形寸法が大きくなりすぎて装置の設置が困難
になることが多いため、小形のインバータ装置を複数台
並列接続するア)の方式を採用することが多い。
【0004】図8は上述のア)の方式を踏襲したエレベ
ーターの制御装置の従来例を示している。このエレベー
ターの制御装置の主な回路構成はコンバータ1と、並列
に接続された2台のインバータ2a、2bと、これらの
インバータ2a、2bから供給される電力によって駆動
される誘導電動機3とからなる。この誘導電動機3は独
立した2巻線3a、3bを有し、インバータ2a、2b
にこれらが個別に接続されている。2巻線誘導電動機3
の巻線構成は図9に示すようになっていて、A巻線3a
はUA、WA、VAの三相、B巻線3bはUB、WB、
VBの三相である。(なお、ここで図10に示すように
同一回転軸に縦に並んで配置されるタンデム型の誘導電
動機3−1、3−2それぞれを個別にA巻線3a、B巻
線3bで駆動する構成の場合も以下の説明は等しく適用
できる。) そして図8のエレベーター制御装置は誘導電動機3をベ
クトル制御する構成であり、Aインバータ2aを制御す
るA系統100aと、Bインバータ2bを制御するB系
統100bとの互いに独立した2系統から成り、エレベ
ーター運行制御を司るエレベーター制御用コンピュータ
100からこれらに個別に運転速度指令ωr1、ωr2が与
えられるようになっている。
【0005】A系統100aの制御回路は、外部から与
えられる速度指令ωr1と誘導電動機3に設けられた速度
検出器4からのエレベーター速度(ここではモータ速
度)ωoとの偏差に対して、速度制御器(ASR1)6
1によって電流検出値Is1を演算し、この電流指令値I
s1と誘導電動機3のA巻線3aに対する電流検出器5a
からの電流フィードバック値If1との偏差に対して、電
流制御器(ACR1)62aによってPWM変調器(P
WM1)63aへの制御指令を出力し、PWM変調器
(PWM1)63aでは搬送波回路64aからの搬送波
をこの制御指令により変調してゲート駆動信号を作成
し、インバータ2aを駆動する構成である。B系統も同
様に制御されインバータ2bを駆動する構成であり、こ
れらにより誘導電動機3を駆動する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、誘導電動機
の各巻線(A巻線3a、B巻線3b)のインピーダンス
が必ずしも同一でないため、誘導電動機の各巻線(A巻
線3a、B巻線3b)に流れる電流を必ずしも一致させ
ることはできない。つまり、誘導電動機3は独立した2
巻線を有しているが、電動機の製造精度や各巻線インピ
ーダンスのアンバランスによりA巻線3aとB巻線3b
に流れる電流量は、必ずしも一致するものではない。
【0007】またインバータ2a、2bから誘導電動機
3までの配線も厳密には各インバータで全く同一とする
ことができないため、電流検出器5a、5bによって検
出される電流値も全く同一値が検出されることはない。
【0008】このように誘導電動機3の各巻線に流れる
電流値が異なってしまう場合には、発生するトルクが各
巻線毎に異なり、トルクリップルとなりエレベーター乗
りかごの縦振動を発生する要因となってしまう。一般に
トルクTは、磁束Bと電流Iのベクトル積にて演算され
る。(式(1))
【0009】
【数1】 T=B×I(ベクトル積)・・・・・・・・・(1) ここで電流Iの値が所望の値でない場合、発生するトル
クも所望の値が得られないため、制御装置はこれを補正
する様に次の瞬間の制御電流指令を決定する。ここで、
同一の電流指令をA巻線3a、B巻線3bのそれぞれに
与えた場合、例えばA巻線3aには所望の電流が流れた
がB巻線3bには所望の電流が流れなかった場合には、
制御装置はB巻線3bへの電流指令を補正する様に制御
をかけるため、電流指令値Isを演算して各インバータ
2a、2bに与えるが、A巻線3a、B巻線3bに流れ
る電流がアンバランスであるので、今度はA巻線3aに
流れる電流が所望の値と一致しなくなってしまう。この
ように順次同様な制御となり、誘導電動機3にはトルク
リップルが生じ、エレベーターの乗り心地を悪化させて
しまう。
【0010】これを防ぐため従来では、各巻線に一定電
流を流し、各巻線のインピーダンスのアンバランス量を
測定し、そのアンバランス量を補正する提案がされてい
る(特願平9−75883号)。ところが、電流値を検
出する電流検出器の個体差により、たとえ各巻線間のイ
ンピーダンスのアンバランス量を補正しても、電流検出
器の出力に差異が有る場合には、前記と同様誘導電動機
3にはトルクリップルが生じ、エレベーターの乗り心地
を悪化させてしまう。
【0011】つまり通常の電流検出器では図11(a)
に示すような出力特性を持っているが、この特性に個体
差が存在する。個々の電流検出器において零点の調整及
びゲイン(図11の直線の傾き)の調整がされている
が、その調整は誤差を含んでいるため、電流検出器の出
力が全て同一となることはない。すなわち図11(b)
の如く零点や直線の傾きが僅かにずれてしまう。(図中
の鎖線や一点鎖線)。またこの電流検出器の検出誤差は
数%であるが、エレベーターかご駆動用の誘導電動機を
駆動するインバーター出力での誤差であるため、エレベ
ーターの乗り心地への影響が無視できない。
【0012】また電流検出器の出力は、周囲温度により
その特性が変化し、また経年変化による出力特性の変化
も無視できず問題となっていた。本発明はこのような従
来の問題点に鑑みてなされたもので、多重巻線型もしく
はタンデム型の誘導電動機の各巻線に対する駆動装置を
個別に独立した制御系によって制御し、各巻線に流れる
電流量を同一に制御することによってトルクリップルを
抑制し、エレベーターの乗り心地を改善できるエレベー
ターの制御装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、独立した複数の巻線を有する多重巻線型もしくはタ
ンデム型の誘導電動機と、この誘導電動機の前記複数の
巻線のそれぞれに接続された複数の駆動装置を有するエ
レベーターの制御装置において、誘導電動機の各巻線に
流れる電流を検出する電流検出手段と、電流検出手段に
より検出される電流値に所定の電流ゲイン値を乗算する
ゲイン乗算手段及び電流検出手段の零点を調整するため
に所定のオフセット値を加算するオフセット加算手段の
両方またはどちらか一方の手段とを具備したことを特徴
とする。
【0014】このような構成とすることにより、独立し
た少なくとも2巻線を有する誘導電動機の各巻線に流れ
る電流を検出し、検出した電流の補正をそのゲインとオ
フセットによって行い、各巻線に実際に流れる電流量を
同一にすることができるので、エレベーターかごの振動
を抑制し、乗り心地の良い運転ができる。
【0015】請求項2に記載の本発明は、請求項1に記
載のエレベーターの制御装置に、電流検出手段の出力調
整のための設定電流を流す電流設定手段と、電流ゲイン
値またはオフセット値を演算する演算手段とを更に設
け、電流設定手段により各巻線毎に別々に設定電流を流
し、演算手段により電流ゲイン値またはオフセット値を
演算することを特徴とする。
【0016】このような構成とすることにより、独立し
た少なくとも2巻線を有する誘導電動機の各巻線におい
て、各巻線毎に別々に電流を流して流れる電流を検出
し、検出した電流の補正をそのゲインとオフセットにて
行うことができる。これを各巻線の全てについて行うこ
とによって各巻線に実際に流れる電流量を同一にするこ
とができるので、エレベーターかごの振動を抑制し、乗
り心地の良い運転ができる。
【0017】請求項3に記載の本発明は、請求項1に記
載のエレベーターの制御装置に、電流検出手段の出力調
整のための設定電流を流す電流設定手段と、電流ゲイン
値またはオフセット値を演算する演算手段とを更に設
け、電流設定手段により各巻線に同時に設定電流を流
し、演算手段により電流ゲイン値またはオフセット値を
演算することを特徴とする。
【0018】このような構成とすることにより、独立し
た少なくとも2巻線を有する誘導電動機の各巻線におい
て、各巻線に同時に電流を流して流れる電流を検出し、
検出した電流の補正をそのゲインとオフセットにて行う
ことによって各巻線に実際に流れる電流量を同一にする
ことができるので、エレベーターかごの振動を抑制し、
乗り心地の良い運転ができる。
【0019】請求項4に記載の本発明は、独立した複数
の巻線を有する多重巻線型もしくはタンデム型の誘導電
動機と、この誘導電動機の前記複数の巻線のそれぞれに
接続された複数の駆動装置を有するエレベーターの制御
装置において、誘導電動機の各巻線に流れる電流を検出
する電流検出手段と、複数の巻線のうちの少なくとも1
つの巻線を除く巻線について、電流検出手段により検出
される電流値に所定の電流ゲイン値を乗算するゲイン乗
算手段及び電流検出手段の零点を調整するために所定の
オフセット値を加算するオフセット加算手段の両方また
はどちらか一方の手段とを具備したことを特徴とする。
【0020】このような構成とすることにより、独立し
た少なくとも2巻線を有する誘導電動機の各巻線に流れ
る電流を検出し、検出した電流の補正をそのゲインとオ
フセットにて行うことができるが、ここで基準とする巻
線電流の補正は行わないことにより、回路の単純化を図
ることができる。
【0021】請求項5に記載の本発明は、独立した複数
の巻線を有する多重巻線型もしくはタンデム型の誘導電
動機と、この誘導電動機の複数の巻線のそれぞれに接続
された複数の駆動装置を有するエレベーターの制御装置
において、誘導電動機の各巻線に流れる電流を検出する
電流検出手段と、電流検出手段により検出される電流値
に所定の電流ゲイン値を乗算するゲイン乗算手段及び電
流検出手段の零点を調整するために所定のオフセット値
を加算するオフセット加算手段の両方またはどちらか一
方の手段と、電流ゲイン値またはオフセット値を演算す
る演算手段と、電流検出手段により検出される各巻線の
電流の偏差を検出する電流偏差検出手段とを具備し、電
流偏差手段により検出される偏差が一定値を超えた場合
に演算手段により電流ゲイン値またはオフセット値を演
算することを特徴とする。
【0022】このように、独立した少なくとも2巻線を
有する誘導電動機の各巻線に流れる電流の偏差が一定値
を超えた場合に、電流検出器の電流ゲイン値またはオフ
セット値を演算することにより、常に各巻線に流れる電
流量を同一にすることができるため、エレベーターかご
の振動を抑制し、乗り心地の良い運転ができる。
【0023】請求項6に記載の本発明は、独立した複数
の巻線を有する多重巻線型もしくはタンデム型の誘導電
動機と、この誘導電動機の複数の巻線のそれぞれに接続
された複数の駆動装置を有するエレベーターの制御装置
において、誘導電動機の各巻線に流れる電流を検出する
電流検出手段と、この電流検出手段により検出される各
巻線の電流の偏差を検出する電流偏差検出手段と、この
電流偏差検出手段により検出される偏差が一定値を超え
た場合に異常であることを検知する異常検出手段とを具
備したことを特徴とする。
【0024】このように、独立した少なくとも2巻線を
有する誘導電動機の各巻線に流れる電流の偏差が一定値
を超えた場合に、制御装置が異常であることを検知する
ことにより、エレベーターかごの異常振動を早期に検出
することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態について詳細に説明する。なお、以下の図面にお
いて同一符号は同一部分または対応部分を示す。
【0026】(第1の実施形態)図1は本発明の第1の
実施形態に係るエレベーターの制御装置の回路構成を示
す図である。主な回路構成は従来例と同様に、コンバー
タ1と、この直流側にフィルタコンデンサCを介して並
列に接続された2つのインバータ2a、2bと、これら
のインバータ2a、2bのそれぞれに個別に接続される
巻線3a、3bを有する多重巻線誘導電動機3とから成
る。
【0027】そしてインバータ2a、2bを制御する制
御回路は、Aインバータ2aを制御するA系統100a
と、Bインバータ2bを制御するB系統100bとの互
いに独立した2系統から成り、エレベーター運行制御を
司るエレベーター制御用コンピュータ100からこれら
に個別に運転速度指令ωr1、ωr2が与えられるようにな
っている。
【0028】A系統100aの制御回路は、外部(コン
ピュータ100)から与えられる速度指令ωr1と誘導電
動機3に設けられた速度検出器4からのエレベーター速
度ωoとの偏差に対して、速度制御器(ASR1)61
aによって電流指令値Is1を演算し、この電流指令値I
s1と、誘導電動機3のA巻線3aに対する電流検出器5
aからの電流フィードバック値If1にゲイン乗算回路
(GAINA)66aにて所定のゲイン値を乗じた値I
fc1と、オフセット加算回路(OFSA)65aにて加
算される所定のオフセット値Iof1との偏差に対して、
電流制御器(ACR1)62aによってPWM変調器
(PWM1)63aへの制御指令を出力し、PWM変調
器(PWM1)63aでは搬送波回路64aからの搬送
波をこの制御指令により変調してゲート駆動信号を作成
し、インバータ2aを駆動する構成である。
【0029】同様に、B系統100bの制御回路は、外
部から与えられる速度指令ωr2と誘導電動機3に設けら
れた速度検出器4からのエレベーター速度ωoとの偏差
に対して、速度制御器61b(ASR2)によって電流
指令値Is2を演算し、この電流指令値Is2と、誘導電動
機3のB巻線3bに対する電流検出器5bからの電流フ
ィードバック値If2にゲイン乗算回路(GAINB)6
6bにて所定のゲイン値を乗じた値Ifc2と、オフセッ
ト加算回路(OFSB)65bにて加算される所定のオ
フセット値Iof2との偏差に対して、電流制御器(AC
R2)62bによってPWM変調器63b(PWM2)
への制御指令を出力し、PWM変調器63b(PWM
2)では搬送波回路64bからの搬送波をこの制御指令
により変調してゲート駆動信号を作成し、インバータ2
bを駆動する構成である。
【0030】つまり、ゲイン乗算回路66a、66bと
オフセット加算回路65a、65bを設けているので、
誘導電動機3のA巻線3aに対する電流検出器5aから
の電流フィードバック値If1及び誘導電動機3のB巻線
3bに対する電流検出器5bからの電流フィードバック
値If2に電流検出器5a、5bの零点ずれの誤差やゲイ
ンずれ誤差が存在しても、その補正が可能となる。
【0031】その結果、A巻線3aとB巻線3bに実際
に流れる電流値を同一とすることができるため、誘導電
動機3にトルクリップルが発生せず、結果的に乗り心地
の良いエレベーターを提供できる。
【0032】(第2の実施形態)次に、本発明の第2の
実施形態に係るエレベーターの制御装置について、図2
及び図3を用いて説明する。
【0033】この第2の実施形態に係るエレベーターの
制御装置は、図1に示した第1の実施形態のエレベータ
ーの制御装置において、誘導電動機3のA巻線3aに対
する電流検出器5aからの電流フィードバック値If1及
び誘導電動機3のB巻線3bに対する電流検出器5bか
らの電流フィードバック値If2に電流検出器5a、5b
の零点ずれの誤差やゲインずれ誤差が存在した場合、誘
導電動機各巻線別々に、ある設定電流を流し、その誤差
を補正するマイクロコンピュータ70を備えたことを特
徴としている。
【0034】マイクロコンピュータ70は、図3のフロ
ーチャートに示す処理を周期的または技術者の指示によ
り突発的に行い、ゲイン乗算回路66a、66bとオフ
セット加算回路65a、65bの設定値即ち電流ゲイン
値及びオフセット値を決定し、電流指令値Is1、Is2を
調整させる働きをする。
【0035】図3に示すように、まず電流制御器61
a、61bに対して、零電流指令値を指示し(ステップ
S11)、電流検出器5a、5bのフィードバック値を
読みとる(ステップS12)。ここで、電流指令値
Is1、Is2は“0”であるため、電流検出器5a、5b
のフィードバック値If1、If2も“0”でなければなら
ないが、電流検出器5a、5bの零点ずれ誤差が有る場
合には、フィードバック値If1、If2を“0”にするた
めの補正値をオフセット加算回路65a、または65b
に設定する(ステップS13)。
【0036】例えばA巻線3aの電流検出器5aからの
フィードバック値は“0”であったが、B巻線3bの電
流検出器5bからのフィードバック値If2が“If2=
1”であった場合、オフセット加算回路65bに“I
of2=−1”を設定することにより、“If2+Iof2=
0”となり、零点の補正を行うことができる。
【0037】次に巻線間の影響がないようにするため、
電流制御器61aのみに対して、一定電流指令値Is1を
指示し(ステップ14)、電流検出器5aのフィードバ
ック値If1を読みとる(ステップS15)。ここで、電
流指令値Is1と零点から求められる電流検出器5aの入
出力特性の理想値と、フィードバック値If1と零点から
求められる実際の電流検出器5aの入出力特性を比較
し、ゲイン乗算回路66aの設定を行う(ステップS1
6)。例えば電流指令値Is1がIs1=10Aであると
き、電流検出器5aからのフィードバック値If1がIf1
=9.95Aであったとする。この時ゲイン乗算回路6
6aにGaina=1.005を設定すると、Ifc1=
If1×Gaina=10Aとなり、ゲインの補正を行う
ことができる。
【0038】次にB巻線3bにも上記A巻線3aと同様
にして、一定電流指令値Is2を指示し、電流検出器5b
のフィードバック値を読みとる。ここで、電流指令値I
s2と零点から求められる電流検出器5bの入出力特性の
理想値と、フィードバック値If2と零点から求められる
実際の電流検出器5bの入出力特性を比較し、ゲイン乗
算回路66bの設定を行う。こうして、すべての巻線の
ゲイン乗算回路の設定を行う(ステップS17、及びス
テップS18)。
【0039】このようにして、第2の実施形態において
は、他の巻線へ電流を流したことによる影響が全く無い
状態での電流検出器の零点及びゲインのずれ誤差を補正
することが可能であるため、各巻線に正確に同一電流を
流すことができ、トルクリップルを抑制できてエレベー
ターかごの振動発生を効果的に防止することができ、エ
レベーターの乗り心地の一層の改善を図ることができ
る。
【0040】また、2系統のインバータのうち一方が故
障したとき、もう一方の系統のインバータで運転するこ
ともあり得るので、このような場合には、この実施形態
におけるように、他の巻線へ電流を流したことによる影
響が全く無い状態での各巻線についての電流検出器の零
点及びゲインのずれ誤差を補正しておくことが有益であ
る。
【0041】(第3の実施形態)次に、本発明の第3の
実施形態に係るエレベーターの制御装置について、図2
及び図4を用いて説明する。この第3の実施形態のエレ
ベーターの制御装置は、第1の実施形態のエレベーター
の制御装置において、誘導電動機の各巻線に、同時にあ
る設定電流を流し、その誤差を補正するマイクロコンピ
ュータ70を備えたことを特徴としている。
【0042】図2に示すマイクロコンピュータ70は、
図4のフローチャートに示す処理を周期的または技術者
の指示により突発的に行い、ゲイン乗算回路66a、6
6bとオフセット加算回路65a、65bの設定値即ち
電流ゲイン値及びオフセット値を決定し、電流指令値I
s1、Is2を調整させる働きをする。
【0043】まず電流制御器61a、61bに対して、
零電流指令値を指示し(ステップS21)、電流検出器
5a、5bのフィードバック値If1、If2を読みとる
(ステップS22)。ここで、電流指令値Is1、Is2は
“0”であるため、電流検出器5a、5bのフィードバ
ック値If1、If2は“0”でなければならないが、電流
検出器5a、5bの零点ずれ誤差が有る場合には、フィ
ードバック値を“0”にするための補正値(オフセット
値)をオフセット加算回路65a、または65bに設定
する(ステップS23)。設定方法は第2の実施形態と
同じであるため、ここでは省略する次に実際のインバー
タ動作と同様に、電流制御器61a,61bの両方に対
して同時に、一定電流指令値Is1、Is2を指示し(ステ
ップS24)、電流検出器5a,5bのフィードバック
値If1、If2を読み取る(ステップS25)。ここで、
電流指令値Is1、Is2と零点から求められる電流検出器
5a,5bの入出力特性の理想値と、フィードバック値
If1、If2と零点から求められる実際の電流検出器5
a、5bの入出力特性を比較し、ゲイン乗算回路66
a、66bの電流ゲイン値の設定を行う(ステップS2
6)。設定方法は第2の実施の形態と同じであるため、
ここでは省略する。
【0044】このようにして第3の実施形態のエレベー
ターの制御装置では、実際にインバータを駆動している
時と同じ状態で電流検出器の零点及びゲインのずれ誤差
を補正することが可能であり、また一度に零点及びゲイ
ンのずれ誤差を補正できるので、各巻激に正確に同一電
流を流すことができ、トルクリップルを抑制できてエレ
ベーターかごの振動発生を効果的に防止することがで
き、エレベーターの乗り心地の一層の改善を図ることが
できる。
【0045】(第4の実施形態)次に、本発明の第4の
実施形態に係るエレベーターの制御装置について、図5
を用いて説明する。この第4の実施形態のエレベーター
の制御装置は、第1の実施形態のエレベータの制御装置
において、A巻線3aの電流検出器5aについてのオフ
セット加算回路65aとゲイン乗算回路66aを設け
ず、B巻線3bの電流検出器5bについてのオフセット
加算回路65bとゲイン乗算回路66bのみを設けたこ
とを特徴としている。
【0046】電流検出器は一般に、零点及びゲインはそ
の個体として調整されているため、1つの巻線を有する
誘導電動機を駆動するインバータ装置では、零点及びゲ
インの補正を行っていない。複数のインバータにて多重
巻線誘導電動機を駆動するエレベーター制御装置では、
A巻線3aの電流検出器5aの零点及びゲインの補正機
能を設けず、B巻線3bの電流検出器5bのフィードバ
ック値のみ零点及びゲイン補正機能を有することで、即
ちA巻線3aの電流検出器5aの零点及びゲインを基準
としてB巻線3bの電流検出器5bのフィードバック値
の零点及びゲイン補正を行うことで、回路を単純化でき
るとともに、各巻線に正確に同一電流を流すことがで
き、トルクリップルを抑制でき、エレベーターかごの振
動発生を効果的に防止することができ、エレベーターの
乗り心地の一層の改善を図ることができる。
【0047】なお、3つ以上の巻線がある場合には、1
つの巻線については、電流検出器の零点及びゲインの補
正機能を設けず、残りの巻線について、電流検出器の零
点及びゲインの補正機能を設けることとすればよい。
【0048】(第5の実施形態)次に、本発明の第5の
実施形態に係るエレベーターの制御装置について、図6
を用いて説明する。この実施の形態のエレベーター制御
装置は、第2及び第3の実施形態のエレベータの制御装
置において、さらにA巻線3aの電流検出器5aのフィ
ードバック値とB巻線3bの電流検出器5bのフィード
バック値の偏差をとり、その偏差が一定値以上であると
きに電流検出器5a、5bの零点及びゲイン補正を行う
マイクロコンピュータ70を備えた点を特徴としてい
る。
【0049】図2に示すマイクロコンピュータ70は、
図6のフローチャートに示す処理を周期的に行い、ゲイ
ン乗算回路66a、66bとオフセット加算回路65
a、65bの設定値を決定し、電流指令値Is1、Is2を
調整させる働きをする。
【0050】まず電流検出器5a、5bのフィードバッ
ク値If1、If2を読みとる(ステップS31)。ここ
で、電流指令値Is1、Is2は同一指令であるため、電流
検出器5a、5bのフィードバック値If1、If2が同一
でなければならないが、電流検出器5a、5bのフィー
ドバック値If1、If2の偏差を取り、一定値“X”を超
えたかどうかの判断で(ステップS32)、超えている
場合に、電流検出器5a、5bのオフセット加算回路6
5a、または65bに補正値を設定する(ステップS3
3)。また電流検出器5a、5bのゲイン乗算回路66
aまたは66bの設定を行う(ステップS34)。
【0051】このようにして第5の実施形態のエレベー
ターの制御装置では、電流検出器の経年変化等による零
点及びゲインのずれ誤差を補正することが可能であるた
め、各巻線に正確に同一電流を流すことができ、トルク
リップルを抑制できてエレベーターかごの振動発生を効
果的に防止することができ、エレベーターの乗り心地の
一層の改善を図ることができる。
【0052】なお、3つ以上の巻線がある場合には、例
えばステップS32において、各巻線間のフィードバッ
ク値の偏差を取り、その偏差のうちの1つでも一定値
“X”を超えている場合に、ステップS33〜ステップ
S34の処理を行うこととすればよい。
【0053】(第6の実施形態)次に、本発明の第6の
実施形態に係るエレベーターの制御装置について、図6
を用いて説明する。この第6の実施形態のエレベーター
の制御装置は、第1の実施形態のエレベータ制御装置に
おいて、さらにA巻線3aの電流検出器5aのフィード
バック値If1とB巻線3bの電流検出器5bのフィード
バック値If2の偏差をとり、その偏差が一定値以上であ
るときに、異常電流が流れたものと判断し、異常インバ
ータの動作を停止させる機能を有するマイクロコンピュ
ータ100を備えた点を特徴としている。
【0054】図1に示すマイクロコンピュータ100
は、図7のフローチャートに示す処理を周期的に行い、
異常インバータの動作を停止させる機能を有する。図7
に示すように、まず電流検出器5a、5bのフィードバ
ック値If1、If2を読みとる(ステップS41)。ここ
で、電流指令値Is1、Is2は同一指令であるため、電流
検出器5a、5bのフィードバック値If1、If2が同一
でなければならないが、電流検出器5a、5bのフィー
ドバック値If1、If2の偏差を取り、一定値“Y”を超
えている場合(ステップS42)、A系統インバータと
B系統インバータのどちらが異常かを判定する。
【0055】まず電流指令値Is1と電流検出器5aのフ
ィードバック値If1との偏差を演算し、一定値“Z”を
超えているか判定する(ステップS43)。ここで偏差
が一定値“Z”を超えている場合、A系統のインバータ
が異常であると判断し、以降速度指令ωr1を出力せずA
系統インバータの動作を停止させる(ステップS4
4)。
【0056】また電流指令値Is2と電流検出器5bのフ
ィードバック値If2との偏差を演算し、一定値“Z”を
超えているか判定する(ステップS45)。ここで偏差
が一定値“Z”を超えている場合、B系統のインバータ
が異常であると判断し、以降速度指令ωr2を出力せずB
系統インバータの動作を停止させる(ステップS4
6)。
【0057】このようにして第6の実施形態のエレベー
ターの制御装置では、電流検出器5a、5bのフィード
バック値If1、If2から各インバータ装置の異常を検出
することができ、エレベーターの異常振動を早期に検出
することができる。
【0058】また、3つ以上の巻線がある場合には、例
えばステップS42において、各巻線間のフィードバッ
ク値の偏差を取り、その偏差のうちの1つでも一定値
“Y”を超えている場合に異常と判断し、ステップS4
3〜ステップS46と同じように各系統毎の異常を判断
して異常である系統のインバータを停止させることとす
ればよい。
【0059】なお、本発明は上記の各実施形態に示した
ように誘導電動機3の並列巻線数を2巻線とした場合に
限らず、3巻線以上の多重巻線誘導電動機にも広く適用
することができる。また図10に示したようなタンデム
型誘導電動機の各巻線の電流制御にも等しく適用するこ
とができる。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るエレ
ベーターの制御装置によれば、各巻線に流れる電流量を
同一にすることができることによりエレベーターかごの
振動を抑制し、乗り心地の良い運転ができる。更に、各
巻線に流れる電流の偏差が一定値を超えた場合に、制御
装置の異常を判断するようにすれば、エレベーターかご
の異常振動を早期に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るエレベーターの制御装置の第1
及び第6の実施形態の回路構成を示すブロック図。
【図2】 本発明に係るエレベーターの制御装置の第
2、第3及び第5の実施形態の回路構成を示すブロック
図。
【図3】 第2の実施形態における処理の手順を示すフ
ローチャート。
【図4】 第3の実施形態における処理の手順を示すフ
ローチャート。
【図5】 本発明に係るエレベーターの制御装置の第4
の実施形態の回路構成を示すブロック図。
【図6】 第5の実施形態における処理の手順を示すフ
ローチャート。
【図7】 第6の実施形態における処理の手順を示すフ
ローチャート。
【図8】 エレベーターの制御装置の従来例の回路構成
を示すブロック図。
【図9】 一般的な2重巻線誘導電動機の回路図。
【図10】 一般的なタンデム型誘導電動機の回路図。
【図11】 電流検出器の入出力特性を示す図。
【符号の説明】
1…コンバータ 2a、2b…インバータ 3…誘導電動機 3a、3b…巻線 4…速度検出器 5a、5b…電流検出器 61a、61b…速度制御器 62a、62b…電流制御器 63a、63b…PWM変調器 64a、64b…搬送波回路 65a、65b…オフセット加算回路 66a、66b…ゲイン乗算回路 70…マイクロコンピュータ 100…エレベーター制御用コンピュータ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】独立した複数の巻線を有する多重巻線型も
    しくはタンデム型の誘導電動機と、この誘導電動機の前
    記複数の巻線のそれぞれに接続された複数の駆動装置を
    有するエレベーターの制御装置において、前記誘導電動
    機の各巻線に流れる電流を検出する電流検出手段と、前
    記電流検出手段により検出される電流値に所定の電流ゲ
    イン値を乗算するゲイン乗算手段及び前記電流検出手段
    の零点を調整するために所定のオフセット値を加算する
    オフセット加算手段の両方またはどちらか一方の手段と
    を具備したことを特徴とするエレベーターの制御装置。
  2. 【請求項2】前記電流検出手段の出力調整のための設定
    電流を流す電流設定手段と、電流ゲイン値またはオフセ
    ット値を演算する演算手段とを更に具備し、前記電流設
    定手段により各巻線毎に別々に設定電流を流し、前記演
    算手段により電流ゲイン値またはオフセット値を演算す
    ることを特徴とする請求項1に記載のエレベーターの制
    御装置。
  3. 【請求項3】前記電流検出手段の出力調整のための設定
    電流を流す電流設定手段と、電流ゲイン値またはオフセ
    ット値を演算する演算手段とを更に具備し、前記電流設
    定手段により各巻線に同時に設定電流を流し、前記演算
    手段により電流ゲイン値またはオフセット値を演算する
    ことを特徴とする請求項1に記載のエレベーターの制御
    装置。
  4. 【請求項4】独立した複数の巻線を有する多重巻線型も
    しくはタンデム型の誘導電動機と、この誘導電動機の前
    記複数の巻線のそれぞれに接続された複数の駆動装置を
    有するエレベーターの制御装置において、前記誘導電動
    機の各巻線に流れる電流を検出する電流検出手段と、前
    記複数の巻線のうちの少なくとも1つの巻線を除く巻線
    について、前記電流検出手段により検出される電流値に
    所定の電流ゲイン値を乗算するゲイン乗算手段及び前記
    電流検出手段の零点を調整するために所定のオフセット
    値を加算するオフセット加算手段の両方またはどちらか
    一方の手段とを具備したことを特徴とするエレベーター
    の制御装置。
  5. 【請求項5】独立した複数の巻線を有する多重巻線型も
    しくはタンデム型の誘導電動機と、この誘導電動機の前
    記複数の巻線のそれぞれに接続された複数の駆動装置を
    有するエレベーターの制御装置において、前記誘導電動
    機の各巻線に流れる電流を検出する電流検出手段と、前
    記電流検出手段により検出される電流値に所定の電流ゲ
    イン値を乗算するゲイン乗算手段及び前記電流検出手段
    の零点を調整するために所定のオフセット値を加算する
    オフセット加算手段の両方またはどちらか一方の手段
    と、電流ゲイン値またはオフセット値を演算する演算手
    段と、前記電流検出手段により検出される各巻線の電流
    の偏差を検出する電流偏差検出手段とを具備し、前記電
    流偏差手段により検出される偏差が一定値を超えた場合
    に前記演算手段により電流ゲイン値またはオフセット値
    を演算することを特徴とするエレベーターの制御装置。
  6. 【請求項6】独立した複数の巻線を有する多重巻線型も
    しくはタンデム型の誘導電動機と、この誘導電動機の前
    記複数の巻線のそれぞれに接続された複数の駆動装置を
    有するエレベーターの制御装置において、前記誘導電動
    機の各巻線に流れる電流を検出する電流検出手段と、こ
    の電流検出手段により検出される各巻線の電流の偏差を
    検出する電流偏差検出手段と、この電流偏差検出手段に
    より検出される偏差が一定値を超えた場合に異常である
    ことを検知する異常検出手段とを具備したことを特徴と
    するエレベーターの制御装置。
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