JPH11209210A - アジ化化合物の薬害防止方法 - Google Patents

アジ化化合物の薬害防止方法

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JPH11209210A
JPH11209210A JP763998A JP763998A JPH11209210A JP H11209210 A JPH11209210 A JP H11209210A JP 763998 A JP763998 A JP 763998A JP 763998 A JP763998 A JP 763998A JP H11209210 A JPH11209210 A JP H11209210A
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azide
soil
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hydrogen
azide compound
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JP763998A
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Akira Arita
彰 有田
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Teijin Chemicals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アジ化水素または未分解のアジ化化合物が残
留し易い土壌に対して、アジ化化合物が土壌中で加水分
解してアジ化水素を発生し、くん蒸処理した後、土壌中
に残留するアジ化水素および未分解のアジ化化合物を短
期間に除去して、播種または定植した有用植物の薬害の
発生を防止する薬害防止方法を提供する。 【解決手段】 土壌1kgに、分解によりアジ化水素を
発生し得るアジ化化合物1ミリモルgを混和して、20
℃の条件下、1週間ビニ−ル被覆し、開放直後の土壌残
留アジドイオンが20ppm以上の土壌であって、該土
壌に分解によりアジ化水素を発生し得るアジ化化合物を
散布処理した後、かかる散布したアジ化化合物1モルに
対して、アジ化化合物またはアジ化水素の分解性化合物
を活性成分として含有する薬害防止剤を、その分解性化
合物が0.3〜2.2モルに相当する量開放1日以降播
種・定植以前に散布することを特徴とするアジ化化合物
の薬害防止方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分解によりアジ化
水素を発生し得るアジ化化合物を散布処理した土壌に対
して、アジ化化合物から発生するアジ化水素または未分
解のアジ化化合物によって起こる薬害を抑制または防止
する薬害防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、施設園芸、蔬菜栽培では集約的栽
培が行われ、そのような栽培に伴う連作による障害がし
ばしば見られている。連作によって良好な収穫が得られ
ない主な原因は土壌中の病害虫によるものであることか
ら、これらを防除でき、かつ省力化に繋がる雑草の防除
にも充分な効果を示す総合的な土壌処理剤が要望されて
いる。
【0003】既知のD−D剤(有効成分:1、3−ジク
ロルプロペン)は線虫には効果を示すが、菌、雑草には
効果がなく、CP剤(有効成分:トリクロロニトロメタ
ン)は菌には効果を示すが、線虫、雑草には効果が弱
く、ネマモール粒剤(有効成分:1、3−ジクロロイソ
プロピルエーテル)は線虫のみの効果であり、バスアミ
ド微粒剤(有効成分:3、5−ジメチルテトラヒドロ−
2H−1、3、5−チアジアジン−2−チオン)は線
虫、菌には効果を示すが、雑草には効果が弱く、しかも
土壌の水分により効果や薬害にバラツキが生じる等の欠
点がある。
【0004】また、アジ化塩例えばアジ化アルカリ金属
塩等は土壌中で加水分解してアジ化水素を発生し、これ
が生物活性を示し、土壌中の病害虫や雑草の防除に効果
を示すことが知られており(Can.J.Microbiol;vol 2
1.P565〜570、1975)、アジ化化合物による土壌くん蒸
処理は土壌病害虫、雑草の防除に有効な手段とされてい
る。しかしながら、アジ化化合物を含有する組成物を土
壌くん蒸剤として使用した場合、土壌中にアジ化水素お
よび未分解のアジ化化合物が残存し、これが有用植物の
薬害の原因となるため、3週間から4週間の放置期間を
設けてこれを十分に飛散させた後、有用植物を播種、植
え付ける必要があった。しかし、現在の農業経営におい
て、特に施設を利用した栽培では、長期間施設を利用せ
ず放置しておくことはコスト並びに作付け時期の遅れか
ら望ましくなく、短期間で残留するアジ化水素および未
分解のアジ化化合物を除去する必要がある。
【0005】この問題を解決する方法として、特開平9
−78065号公報において、分解によりアジ化水素を
発生し得るアジ化化合物を散布処理した土壌に対して、
そのアジ化化合物またはアジ化水素の分解性化合物を活
性成分として含有する薬害防止剤を散布することを特徴
とするアジ化化合物の薬害防止方法が提案されている。
具体的には、アジ化化合物を散布、被覆くん蒸処理し、
被覆を開放してその際薬害防止剤を散布し、土壌中に残
留するアジ化化合物およびアジ化水素を短期間で分解
し、有用植物の薬害の発生を防止している。
【0006】しかしながら、かかる方法においても、ア
ジドイオンが残留しやすい土壌の場合は、アジ化化合物
およびアジ化水素を短期間で分解、除去させるために
は、多量の薬害防止剤が必要であり、これを改善する方
法が求められている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、アジ
化水素または未分解のアジ化化合物が残留し易い土壌に
対して、アジ化化合物が土壌中で加水分解してアジ化水
素を発生し、くん蒸処理の目的を達成した後、土壌中に
残留するアジ化水素および未分解のアジ化化合物を短期
間に除去して、播種または定植した有用植物への薬害の
発生を防止する薬害防止方法を提供することにある。
【0008】本発明者はこの目的を達成せんとして鋭意
研究を重ねた結果、アジ化化合物を散布処理した特定の
土壌に対して、アジ化化合物またはアジ化水素の分解性
化合物、好ましくは亜硝酸化合物を活性成分として含有
する薬害防止剤を特定の期日内に特定量散布することで
アジ化化合物およびアジ化水素が効率よく除去され、前
記薬害の発生を防止することを見いだし、本発明に到達
した。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明によれ
ば、土壌1kgに、分解によりアジ化水素を発生し得る
アジ化化合物1ミリモルgを混和して、20℃の条件
下、1週間ビニ−ル被覆し、開放直後の土壌残留アジド
イオンが20ppm以上の土壌であって、該土壌に分解
によりアジ化水素を発生し得るアジ化化合物を散布処理
した後、かかる散布したアジ化化合物1モルに対して、
アジ化化合物またはアジ化水素の分解性化合物を活性成
分として含有する薬害防止剤を、その分解性化合物が
0.3〜2.2モルに相当する量開放1日以降播種・定
植以前に散布することを特徴とするアジ化化合物の薬害
防止方法が提供される。
【0010】本発明において使用される土壌は、土壌1
kgに、分解によりアジ化水素を発生し得るアジ化化合
物1ミリモルgを混和して、20℃の条件下、1週間ビ
ニ−ル被覆し、このビニ−ル被覆を開放した直後の土壌
残留アジドイオンが20ppm以上、好ましくは20〜
60ppm、より好ましくは25〜60ppmの土壌で
ある。ここでアジドイオン(N3 -)濃度は、高速液体ク
ロマトグラフィーを用いて測定され、この値は、土壌中
のアジ化化合物およびアジ化水素の総量を示すものであ
る。土壌は、粘土の含有量によつて砂土、砂壌土、壌
土、埴壌土、埴土等に分類することができ、また、生成
のプロセスによって、火山灰土壌、洪積層土壌、沖積層
土壌等に分類することができ、また、土壌型としてはポ
ドソル、カツ色森林土、赤色土および地下水型土壌等種
々の土壌が存在する。さらに、その土壌条件として、水
分含有量、土壌pH、有機物含有量等が、土壌をアジ化
化合物で散布処理した後のその土壌中に残留するアジ化
水素および未分解のアジ化化合物の残留量に影響する。
これらの土壌の中でも、火山灰土壌のように水分を多量
に含んでいる土壌、有機物の多い土壌、pHの高い土
壌、特にpH6.0〜7.0を有する土壌がアジ化水素
および未分解のアジ化化合物を残留し易い土壌である。
【0011】本発明において、上記条件を満たす土壌
に、分解によりアジ化水素を発生し得るアジ化化合物を
散布処理した後、散布したアジ化化合物1モルに対し
て、アジ化化合物またはアジ化水素の分解性化合物を活
性成分として含有する薬害防止剤を、その分解性化合物
が0.3〜2.2モルに相当する量開放1日以降播種・
定植以前に散布する方法が用いられる。
【0012】本発明で使用される分解によりアジ化水素
を発生し得るアジ化化合物としては、水の作用により分
解される化合物であればよく、例えばアジ化塩、特にア
ルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩が好ましく、具
体的にはアジ化ナトリウム、アジ化カリウム、アジ化カ
ルシウムおよびアジ化バリウム等が用いられ、特にアジ
化ナトリウムが好ましい。
【0013】かかるアジ化化合物を散布するに際して、
その形態としては固体粉末、分解によりアジ化水素を発
生し得るアジ化化合物および水溶性バインダーより実質
的になる水分解性組成物やアジ化化合物を水に溶解した
水溶液等が好ましく用いられ、特に前者の水分解性組成
物が取り扱い易く作業性に優れているためより好ましく
用いられる。
【0014】上記の水分解性組成物の一成分である固体
粉末は、アジ化化合物を安定的に希釈でき、かつ容易に
一定形状に成形する目的に用いられる。この固体粉末と
しては例えば鉱物質、植物質、合成品、半合成品または
天然品のいずれでもよく、鉱物質としてはクレー、炭酸
カルシウム、バーミキュライト、パーライト、タルク、
酸性白土、カオリン、ゼオライト等が挙げられ、植物質
としてはセルロース加水分解物、もみ殻、パルプ等が挙
げられ、またエチレン−酢酸ビニル共重合体の粉末等で
もよい。
【0015】水溶性バインダーは、固体粉末と共にアジ
化化合物を土壌処理剤として効果的に作用せしめると共
に組成物を良好な形態に成形する目的で用いられ、この
バインダーとしては、水溶性であり、かつ有機溶媒にも
溶解する高分子であるのが好ましい。
【0016】この水溶性バインダーは、20℃において
水1リットル当たり200〜3,000gの範囲、好ま
しくは300〜1,000gの範囲で溶解するものが適
当である。この範囲の水溶性バインダーを用いると、組
成物の調製に当り溶媒量が適量となり、また、適当な粘
度を維持することが容易で成形上の問題がない。
【0017】水溶性バインダーは、固体粉末およびアジ
化化合物を土壌処理剤として適する形態に成形する作用
と共に、土壌中に散布された後、水の作用によりその成
形物が崩壊し、アジ化水素の発生を促進する機能を有し
ている。この水溶性バインダーとしては、例えばデンプ
ン、デキストリン、アルギン酸ナトリウム、アラビアガ
ム、ゼラチン、リグニン、ヒドロキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、
ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリルアミド、
部分けん化ポリ酢酸ビニル、ポリエチレングリコール、
ポリビニルピロリドンおよびビニルピロリドン−酢酸ビ
ニル共重合体等が挙げられる。
【0018】これらのうちポリエチレングリコールが成
形性および防除性の両面から好ましい。特にポリエチレ
ングリコールのなかでも水に対する溶解度が200〜
3,000g/リットル、更に好ましくは300〜1,0
00g/リットルのものが好ましい。一般的には重量平
均分子量が1,000〜15,000のものが好ましい。
【0019】本発明において、好ましく用いられる上述
の水分解性組成物は、それ自体大気雰囲気中で安定であ
り安全である。しかしこの組成物を土中へ散布し土と混
和すると、土中の水分によりその成形物が崩壊し、アジ
化化合物は水と接触し分解してアジ化水素を発生する。
この際酸性土壌中においては、その酸性によりアジ化化
合物の分解は一層促進される。従って本発明の前記水分
解性組成物は、酸性土壌に対して有効であり、中性また
はアルカリ土壌に対しては、組成物自体を酸性処理する
かまたは土壌を酸性処理することが効果的である。この
組成物自体の酸性処理については、例えばこの組成物中
へ有機酸のようなアジ化化合物の加水分解剤を配合した
り、この組成物の成分である固体粉末を酸性白土のよう
な酸性の固体粉末にするという手段が挙げられる。
【0020】本発明に好ましく用いられる前記固体粉
末、分解によりアジ化水素を発生しうるアジ化化合物お
よび水溶性バインダーより実質的になる水分解性組成物
は、この組成物を成形して粒状で使用されることが特に
好ましい。
【0021】またこの水分解性組成物粒子の各成分の好
ましい割合(重量)は、組成物を100としたとき、固
体粉末30〜98、より好ましくは50〜90、アジ化
化合物1〜40、より好ましくは5〜30、および水溶
性バインダー0.1〜30、より好ましくは2〜20の
割合であり、この組成物粒子が土壌病害防除用土壌処理
剤として好ましく使用される。各成分の割合がこの範囲
内の組成物粒子は、アジ化化合物の加水分解が速やかに
起こり、土壌病害の防除効果に優れ、均一散布に必要な
良好な成形物が得られる。
【0022】また、前記土壌病害防除用土壌処理剤は、
平均粒径が100μm〜2,000μmの形態に成形さ
れた粒状の土壌処理剤であることが好ましい。この土壌
処理剤としての粒子の平均粒径は300μm〜1,50
0μmの範囲がより好ましい。このような平均粒径の土
壌処理剤は、散布中に土壌処理剤が飛散し難く、散布効
果が均一となり、目的部位への施用量のばらつきが少な
く、また作業者に対する被ばくの危険性も減少する。か
かる粒状の土壌処理剤は、前記100μm〜2,000
μmの平均粒径を有する粒状物であるのが好ましいが、
粒度分布はあまり広くないのが望ましく、シャープであ
るのが効果的である。
【0023】かかる粒状の土壌処理剤は、粒径が300
μmより小さい粒子および粒径が1,500μmより大
きい粒子の合計重量が、全粒子の合計重量に基づいて2
0%以下、好ましくは15%以下であるのが好ましい。
このように粒径が300μmより小さい粒子および粒径
が1,500μmより大きい粒子の合計量が20%以下
であると、粒子の散布効果が均一となり、局部的に防除
効果が不十分な部分が存在せず、また全体に亘って防除
活性も制御し易くなり望ましい。
【0024】かかる土壌処理剤の粒状物を構成する固体
粉末の平均粒径は10μm〜100μmの範囲が好まし
く、40μm〜80μmの範囲がより好ましい。
【0025】前記粒状の土壌処理剤の製法としては、特
に制限されないが、例えば固体粉末とアジ化化合物を混
合したものと、有機溶媒にバインダーを溶解したものと
を、ニーダーで練り合わせて押出成形または圧縮成形し
て粒状化する方法、あるいは固体粉末とアジ化化合物を
混合したものと、水にバインダーを溶解したものとを、
ニーダーで練り合わせて押出成形または圧縮成形して粒
状化し、これを乾燥して水分を除去する方法が用いられ
る。
【0026】この製法に使用する有機溶媒としては、ア
ジ化化合物に対して不活性なものであり、さらにバイン
ダーを溶解するものが好ましく、例えばエタノール、ブ
タノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケ
トン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化
水素が挙げられる。
【0027】かかる粒状の土壌処理剤は、固体のアジ化
化合物と固体粉末とがバインダーにより結合した粒状物
であり、大気雰囲気中ではアジ化化合物が分解されず保
存安定性がよく、しかも土壌中では土壌中の水分により
アジ化化合物が加水分解し、土壌病害の防除に優れた効
果を示す。
【0028】かかる土壌処理剤の施用方法としては、手
播きあるいは散粒機等、土壌に直接かつ均等に播く方法
であればよい。
【0029】一方、分解によりアジ化水素を発生し得る
アジ化化合物を含有する組成物として、アジ化化合物の
水溶液も好ましく使用することができる。アジ化化合物
の水溶液を使用する場合、アジ化化合物の濃度は5〜4
0重量%の範囲が好ましい。この濃度範囲のアジ化化合
物の水溶液は、アジ化化合物が拡散し易く、また、散布
時にバラツキがなく防除効果が十分となり好ましい。
【0030】アジ化化合物の水溶液は、中性およびアル
カリ性では安定であるが、酸性にするとアジ化化合物が
分解され易くなる。すなわち、アジ化化合物の水溶液は
中性またはアルカリ性であるのが適当であり、pHで表
して7〜12、好ましくは7〜11の範囲が適当であ
る。
【0031】このアジ化化合物の水溶液を土中へ散布す
る際、酸性土壌中においては、その酸性によりアジ化化
合物はすみやかに分解される。一方、中性またはアルカ
リ性土壌に対しては、土壌を酸性処理するかまたはアジ
化化合物の加水分解を促進させる化合物を散布すること
が効果的である。
【0032】アジ化化合物による散布処理は、アジ化化
合物を含有する組成物をアジ化化合物の量として10a
(土壌として約150トン)当り3〜20kg散布する
土壌処理方法が好ましく用いられる。
【0033】また、アジ化化合物の散布処理において、
アジ化化合物を含有する組成物中のアジ化化合物の含有
量は1〜40重量%が好ましい。この範囲内の組成物
は、投薬量が適当で、散布時のバラツキが少なくなる。
【0034】また散布処理において、アジ化化合物を含
有する組成物を散布した土壌をそのまま放置してもよい
が、シートにより被覆することが有利に採用される。被
覆する期間としては、散布後3〜10日の範囲が好まし
い。被覆することにより、アジ化化合物の分解により発
生したアジ化水素が空気中に揮散することなく、散布量
がそのまま土壌病害虫に有効に働くため好ましく用いら
れる。
【0035】本発明において、アジ化化合物またはアジ
化水素の分解性化合物を活性成分として含有する薬害防
止剤が使用される。この薬害防止剤に活性成分として含
有される分解性化合物は、アジ化化合物またはアジ化水
素を分解する化合物であればよく、なかでも亜硝酸化合
物が好ましく、特に水溶液中で亜硝酸イオンを発生する
亜硝酸アルカリ金属塩または亜硝酸アルカリ土類金属塩
がより好ましく、具体的には、亜硝酸ナトリウム、亜硝
酸カリウム、亜硝酸カルシウムおよび亜硝酸バリウム等
が使用される。
【0036】この亜硝酸化合物とアジ化水素およびアジ
化化合物とが反応することにより、窒素、酸化二窒素、
水等無毒な化合物に分解され後処理の必要がなく、この
点においても亜硝酸化合物を使用することが望ましい。
【0037】かかる薬害防止剤は、該分解性化合物を1
〜100重量%含有することが好ましい。この範囲の薬
害防止剤は、適当な投薬量となる。
【0038】かかる薬害防止剤の形態は特に限定され
ず、土壌に散布できる形態であればよく、粉状物、粒状
物が好ましく使用され、また分解性化合物を水や溶剤に
溶かした溶液も使用できる。
【0039】かかる薬害防止剤を粒状物の形態で使用す
る場合、固体粉末、分解性化合物および水溶液バインダ
ーより実質的になる粒状物が好ましく用いられる。
【0040】固体粉末は、分解性化合物を安定的に希釈
でき、かつ容易に成形されるために用いられる。この固
体粉末としては、例えば鉱物質、植物質、合成品、半合
成品または天然品のいずれでもよく、鉱物質としてはク
レー、炭酸カルシウム、バーミキュライト、パーライ
ト、タルク、酸性白土、カオリン、ゼオライト等が挙げ
られ、植物質としてはセルロース加水分解物、もみ殻、
パルプ等が挙げられ、またエチレン−酢酸ビニル共重合
体の粉末等でもよい。
【0041】水溶性バインダーは、固体粉末、分解性化
合物および水溶性バインダーから実質的になる薬害防止
剤の粒状物の成形を容易にし、かつ土壌中に散布された
後、水の作用により粒状物が崩壊し、分解性化合物とア
ジ化化合物およびアジ化水素とを接触させる機能を有し
ている。この水溶性バインダーとしては、例えばデンプ
ン、デキストリン、アルギン酸ナトリウム、アラビアガ
ム、ゼラチン、リグニン、ヒドロキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、
ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリルアミド、
部分けん化ポリ酢酸ビニル、ポリエチレングリコール、
ポリビニルピロリドンおよびビニルピロリドン−酢酸ビ
ニル共重合体等が挙げられ、中でもポリエチレングリコ
ールが好ましい。
【0042】薬害防止剤の散布量および散布時期として
は、散布したアジ化化合物1モルに対して、分解性化合
物を活性成分として含有する薬害防止剤を、その分解性
化合物が0.3〜2.2モル、好ましくは0.5〜2モル
に相当する量、開放1日以降、好ましくは開放5日以
降、より好ましくは開放10日以降、播種・定植以前、
好ましくは播種・定植より2日前までに散布することが
必要である。
【0043】アジ化化合物の分解、アジ化水素の揮散
は、くん蒸、被覆開放後においても時間が経過すればす
るほど進むため、土壌中の残留アジドイオンは徐々に少
なくなる。そのため、アジ化化合物またはアジ化水素の
分解性化合物を活性成分として含有する薬害防止剤を同
じ量使用しても、くん蒸、被覆開放からの時間が経過し
ている方がより効果的である。
【0044】しかしながら、薬害防止剤による処理がく
ん蒸、開放からの時間が経てば経つほど、すなわち、播
種・定植までの時間が短くなるほど、薬害防止剤が土壌
中に残り、有用植物に対して薬害を発生させることがあ
る。
【0045】したがって、本発明においては、上述した
ようにアジ化水素およびアジ化化合物を残留し易い特定
の土壌に、上記薬害防止剤の所定量を所定時期内に散布
することが必須であり、この範囲を外れると、アジ化水
素またはアジ化化合物が土壌中に残存し、播種・定植し
た有用植物に対して薬害を起こしたりあるいは過剰の薬
害防止剤が残存し、播種・定植した有用植物に対して薬
害を起こしたりするため好ましくない。
【0046】本発明の薬害防止方法において、通常アジ
化化合物を散布してくん蒸処理後、アジ化化合物または
アジ化水素の分解性化合物を活性成分として含有する薬
害防止剤を散布するが、その他にアジ化化合物を散布す
る前あるいは同時に、アジ化化合物によるくん蒸処理後
に分解性化合物がアジ化化合物またはアジ化水素を分解
するように遅効性の形態にした薬害防止剤を散布するこ
とも可能である。このように、分解性化合物を遅効性の
形態とする方法としては、分解性化合物をマイクロカプ
セル化する方法、サイクロデキストリンを使用して製剤
化する方法、製剤化において比較的難溶性のバインダー
を使用する方法等種々の方法で実施可能である。また、
これらの技術を利用してアジ化化合物と分解性化合物を
共に含む製剤を作ることも可能である。
【0047】有用植物の播種・定植時に土壌中にアジド
イオンが5ppm以上残存しているとほぼ薬害が発生
し、3ppm以下であればほとんど薬害は発生しない。
本発明の薬害防止方法を実施することにより、アジドイ
オンが残存し易い土壌であっても、被覆くん蒸処理後の
被覆開放から2週間程度の短期間で、アジ化化合物およ
びアジ化水素は分解性化合物により分解される等して、
有用植物に対して薬害を起こさないレベルにまで低減さ
れ、有用植物の播種・定植を実施することができる。
【0048】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明を詳述する。
【0049】[実施例1]アジ化ナトリウム(東洋化成
(株)製)250部に、タルク(日本タルク(株)製)
700部を加えて混合してニーダー(不二パウダル
(株)製DHJ−10型)に入れ、これに水200部に
ポリエチレングリコール(重量平均分子量7,500、
和光純薬工業(株)製)50部を溶解した溶液を添加し
ながらニーダーで練り合わせた。次に、穴直径0.8m
mのスクリーンを付けた押出造粒機(不二パウダル
(株)製DG−L1型)で押し出し、さらに整粒機(不
二パウダル(株)製球形整粒機QJ−230型)で整粒
し、平均粒径1,000μmの粒剤を得た。この粒剤を
乾燥機(不二パウダル(株)製流動乾燥機2F型)で乾
燥して、アジ化ナトリウムを25重量%含有する粒剤
1,000gを得た。この粒剤を土壌(蒜山地方の黒色
火山灰土、pH6.0)1.0kgにアジ化ナトリウムと
して1.0ミリモルgを十分に混和し、20℃で7日間
被覆くん蒸処理した後、被覆を取り外し開放して、薬害
防止剤である亜硝酸ナトリウム粉を表1に示した所定
量、所定時期に散布、混和した。そして、開放から14
日後にトマトをそれぞれの土壌に定植した。
【0050】くん蒸の効果は、アジ化ナトリウムを含有
する粒剤を散布する際、フザリウム菌付着エン麦を10
粒土壌中に埋設し、7日間被覆くん蒸処理した後に取り
出し、選択培地にて培養し、フザリウム菌の菌糸の伸び
を目視で確認し生死の判別をして、下記式により算出し
た殺菌率により判定した。
【0051】
【数1】
【0052】薬害の有無は、トマトを定植してから10
日後の状態が、 ○;薬害症状のみられないもの ×;草重、根重の重量が不十分であるなど生育が抑制さ
れているもの で判定した。また、土壌中のアジドイオン(N3 -)濃度
は、高速液体クロマトグラフィーを用いて測定した。開
放時のアジドイオン濃度は、亜硝酸ナトリウム粉を散布
する前に測定した値であり、定植時のアジドイオン濃度
は、開放から14日後でトマトを定植する前に測定した
値である。
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】本発明の薬害防止方法は、アジ化化合物
およびアジ化水素を残留し易い特定の土壌において、残
留アジ化化合物およびアジ化水素を短期間に除くことが
できることから、薬害の発生もなく早期に有用植物を播
種、定植でき圃場、施設での効率的栽培ができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 土壌1kgに、分解によりアジ化水素を
    発生し得るアジ化化合物1ミリモルgを混和して、20
    ℃の条件下、1週間ビニ−ル被覆し、開放直後の土壌残
    留アジドイオンが20ppm以上の土壌であって、該土
    壌に分解によりアジ化水素を発生し得るアジ化化合物を
    散布処理した後、かかる散布したアジ化化合物1モルに
    対して、アジ化化合物またはアジ化水素の分解性化合物
    を活性成分として含有する薬害防止剤を、その分解性化
    合物が0.3〜2.2モルに相当する量開放1日以降播
    種・定植以前に散布することを特徴とするアジ化化合物
    の薬害防止方法。
  2. 【請求項2】 分解性化合物が、亜硝酸化合物である請
    求項1記載の薬害防止方法。
  3. 【請求項3】 亜硝酸化合物が、亜硝酸アルカリ金属塩
    または亜硝酸アルカリ土類金属塩である請求項2記載の
    薬害防止方法。
  4. 【請求項4】 アジ化化合物が、アジ化アルカリ金属塩
    またはアジ化アルカリ土類金属塩である請求項1記載の
    薬害防止方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6852341B2 (en) 2000-10-10 2005-02-08 Auburn University Azide method and composition for controlling deleterious organisms and for stimulating beneficial organisms
US6932985B2 (en) 2000-10-10 2005-08-23 Auburn University Azide method and composition for controlling deleterious organisms

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