JPH1121664A - 相変化型光記録媒体の保護膜形成用スパッタリングターゲット材料およびその製造法 - Google Patents

相変化型光記録媒体の保護膜形成用スパッタリングターゲット材料およびその製造法

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JPH1121664A
JPH1121664A JP9187266A JP18726697A JPH1121664A JP H1121664 A JPH1121664 A JP H1121664A JP 9187266 A JP9187266 A JP 9187266A JP 18726697 A JP18726697 A JP 18726697A JP H1121664 A JPH1121664 A JP H1121664A
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Seiichi Kuno
誠一 久野
Kazumasa Tezuka
和正 手塚
Choju Nagata
長寿 永田
Yuichi Ishikawa
雄一 石川
Kazuhiro Senoo
和浩 妹尾
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Dowa Holdings Co Ltd
Original Assignee
Dowa Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 相変化型光記録媒体のZnS−SiO2 系保
護膜をスパッタリングによって成膜するためのターゲッ
ト材料として,プレスパッター時間を短縮し且つスパッ
ターレートを増進し,しかも高品質の保護膜が形成でき
るターゲット材料を得る。 【解決手段】 ZnSとSiO2 からなるスパッタリン
グターゲット材料であって,ZnSに対するZnO2-X
(0≦X<2)とZnCO3 の含有比率が,ESCAで
検出されるこれら化合物のピーク面積強度で評価したと
きに, (ZnO2-X +Zn(OH)2+ZnCO3 )/ZnSの
面積強度比≦1 である,相変化型光記録媒体の保護膜形成用スパッタリ
ングターゲット材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,相変化型光記録媒
体の保護膜をスパッタリングで成膜するさいのターゲッ
ト材料およびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】低融点金属薄膜を光ビームで可逆的な相
変態を行わせて情報の記録・再生・消去を行わせる相変
化型光記録媒体は,周知のように,例えばTe,Ge,
Sb等を含む低融点合金の記録膜の両面を耐熱性の誘電
体保護膜で覆ったうえ,一方の面に反射膜を形成した基
本構造を有し,強度変調した光ビームを照射することに
より,該金属膜の融点以上の加熱と冷却により該金属を
非晶質とする変態と,該非晶質状態から結晶化温度以上
融点以下の加熱と冷却により該金属を結晶化する変態と
を行わせることにより情報の記録や消去を行うものであ
るが,その保護膜としては,特開昭63−27672号
公報や特公平4−36164号公報に見られるように,
ZnSとSiO2 からなる誘電体薄膜をスパッタリング
で成膜することが知られている。また一部には,特開昭
60−21372に見られるようにZnSだけを用いた
ものもある。
【0003】このような光記録媒体(以下,光ディスク
と略称することがある)の保護膜に要求される性質とし
ては,レーザー光に対して無反射膜とするために屈折率
が2から3以内の範囲であること,熱伝導率が高いとそ
の分レーザーのパワーを上げる必要があるので熱伝導率
が低いこと,レーザーに対して光吸収しないこと,記録
膜の結晶化速度は保護膜と記録膜の表面張力が強いほど
結晶化速度が速くなる傾向があるので塗れ性が良いこ
と,記録膜と保護膜の熱膨張率の差が少ないこと,記録
膜の化学的安定性は両面にある保護膜の材質によって決
まるので保護膜の酸素拡散量が低いこと,耐湿性である
こと,保護膜自体の化学的安定性が良好であること等が
挙げられるが,ZnS−SiO2 系のものでは,これら
の諸性質をほとんど満たすことができるので該保護膜の
主流となっている。
【0004】このZnS−SiO2 系保護膜の形成には
スパッタリング技術が用いられ,対向式スパッター法が
主流となっているが,このスパッタリングを行うターゲ
ット材料の特性としては,(1) スパッターレートが安定
するまでの時間(プレスパッター時間と呼ばれる)が短
いこと,(2) スパッターレートが大きいこと,(3) スパ
ッター時の投入パワーが大きくてもターゲットが割れな
いこと,(4) ターゲットからガスが発生しないこと等の
特性を有することが要望されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】光ディスクにおけるZ
nS−SiO2 系保護膜をスパッタリングで成膜するさ
いに,ターゲット材料に要求される前記(1) 〜(4) の特
性のうち,(1) や(2) の特性は,光ディスク1枚あたり
の製造時間を決める要因となるので特に重要である。し
かし,このターゲットの材料特性がスパッターレートや
膜質の安定性にどのように影響を及ぼすかについて,こ
れまで必ずしも十分な解明がなされていなかった。
【0006】したがって,光ディスクの生産性に大きく
影響する保護膜のプレスパッター時間を短縮し且つ高品
質のZnS−SiO2 系保護膜を再現性よく安定生産す
るには,該ターゲットの材料をどのように改質するか,
また,どのように製作するかについての指針が得られな
かった。
【0007】したがって本発明は,光ディスクのZnS
−SiO2 系保護膜形成用のスパッタリングターゲット
材料に要求される前記の諸性質,とりわけ前記の(1) と
(2)の性質を満足し,高品質の保護膜を安定してスパッ
タリング成膜できるターゲット材料を得ることを課題と
したものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは,ZnS−
SiO2 系ターゲットの材料特性とスパッター特性との
関係を解明すべく種々の試験研究を重ねてきたが,該タ
ーゲット材料中のZnSの一部が酸化, 水酸化または炭
酸化し,その酸化物であるZnO2 -X(0≦X<2),
水酸化物であるZn(OH)2, または炭酸物であるZn
CO3 が含まれるようになると,スパッターレートが低
下することが判明し,前記の課題を解決できることがわ
かった。
【0009】すなわち,本発明によれば,ZnSとSi
2 からなるスパッタリングターゲット材料であって,
ZnSに対するZnO2-X (0≦X<2), Zn(OH)2
,ZnCO3 の含有比率が,ESCAで検出されるこれ
ら化合物のピーク面積強度で評価したときに,(ZnO
2-X +Zn(OH)2+ZnCO3 )/ZnSの面積強度
比が1以下である,相変化型光記録媒体の保護膜形成用
スパッタリングターゲット材料を提供する。
【0010】また,このターゲット材料の製造法とし
て,ZnSの粉末とSiO2 の粉末を目標組成となるよ
うに混合してなる混合粉を加圧して焼成し,得られた焼
成品を所定寸法のターゲット材料に研削加工するにさい
し,相対湿度60%以下の大気雰囲気下または窒素もし
くはアルゴンガス雰囲気下で前記の研削加工を行うこと
を特徴とする表面酸素含有量および表面炭素含有量の少
ない相変化型光記録媒体の保護膜形成用スパッタリング
ターゲット材料の製造法を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明が対象とするターゲット材
料は,ZnS/SiO2 系の保護膜をスパッタリングで
成膜するためのものであり,したがって,目標とする保
護膜の組成に対応するZnSとSiO2 の組成を有する
ものであるが,代表的には,ZnS/SiO2 のモル比
が4若しくはその近傍のもの,すなわち,目標値とし
て,ZnSが80mol%,SiO2 が20mol%のZnS−
SiO2 系材料である。
【0012】本発明者らはZnS−SiO2 系ターゲッ
ト材料についてその材質特性とスパッタリング特性との
相関を調べてきたが,ターゲット表面に局在するZnO
2-X(0≦X<2),Zn(OH)2 および/またはZn
CO3 を低減すること,特にこれらが存在する深さを減
らすと,プレスパッター時間(スパッターレートが安定
するまでの時間)を低減できることがわかった。
【0013】スパッター特性に影響を与えるターゲット
材料の材質要因としては,ターゲット材料の空孔率,母
材中の各化合物単体の結晶サイズ若しくは凝集サイズ,
粒界偏析物等も考えられるが,スパッターレートやスパ
ッター安定に要する時間は,このような要因だけではな
く,ZnO2-X ,Zn(OH)2および/またはZnCO
3 が大きく関与することが以下に示すように実験的に確
かめられた。
【0014】すなわち,目標組成であるZnS:80mo
l%,SiO2 :20mol%となるように,いずれも平均粒
径が3〜5μmのZnS原料粉とSiO2 原料粉を混合
し,この混合粉を加圧して焼結するさいに,焼結条件を
変えて,相対密度が90%と85%の焼結品を製造し,
両焼結品から4インチサイズの厚み5mmのターゲット
を試作し,Rfスパッター装置において,該ターゲット
を用いて入力パワー:0.3kW,Ar圧:1×10-3
Torrでスパッターしたところ,相対密度85%の方
がスパッターレートが良くなる結果が得られた。本来,
相対密度の高いターゲットの方がスパッターレートが高
くなる筈であるが,逆関係が生じた。
【0015】このため,両試料について,化学分析によ
る組成の違いや,X線解析による結晶構造の違い,ES
CAによる反応生成物等の点からその原因を調べた結
果,前2者には実質的な差異は見られないが,ZnO
2-X (過酸化亜鉛や化学量論量よりも酸素欠損したもの
も含む),Zn(OH)2 および/またはZnCO3
含有量が,相対密度85%のものよりも90%の方が多
いことが分かった。なお,以下の試験を含めESCAに
よる分析は,日本電子株式会社製のESCA装置を使用
し,印加電圧20kV,ビーム電流10mA,真空度3
×10-6Paで行った。
【0016】そこで,ZnO2-X ,Zn(OH)2,Zn
CO3 のトータル含有量とスパッターレートの関係を調
べたところ,図1の結果を得た。図1は,ZnSに対す
るZnO2-X (0≦X<2)とZnCO3 の含有比率
を,ESCAで検出されるZnS,ZnO2-X , Zn
(OH)2,ZnCO3 のピーク面積強度の比で評価し,
この比,すなわち(ZnO2-X +Zn(OH)2+ZnC
3 )/ZnSを横軸,スパッターレートを縦軸として
表したものである。図1の結果に見られるように,該比
が大きいと,すなわち,ZnO2-X ,Zn(OH)2,Z
nCO3 のトータル含有量が多くなるに従って顕著にス
パッターレートが低下することが分かった。また,Zn
2-X が多いと,二酸化炭素を吸着したり,ZnCO3
を生成したりしてスパッター時の昇温でガスを放出する
原因となることが分かった。このように,ターゲーット
中に存在するZnO2-X ,Zn(OH)2,ZnCO3
量によってスパッターレートが低下するので,スパッタ
ーレートの高いターゲットとするには,(ZnO2-X
ZnCO3 )/ZnSの面積強度比を小さくすること,
好ましくは該比を1以下とすることが必要である。
【0017】また,後述の図7に示すように,ターゲッ
ト表面に局在するZnO2 -X,Zn(OH)2,ZnCO
3 の層厚が表面から深くなるにつれ,プレスパッター時
間がながくなることが分かり,プレスパッター時間を短
くするには,表面からの酸化層もしくは炭酸塩化した層
の低減が必要であることが明らかとなった。すなわち,
このような酸化層もしくは水酸化または炭酸塩化した層
の厚みは,一般的なスパッター条件の入力パワー20W
/cm2 程度を想定すると(但し,図7の実験では4W
/cm2 程度であった) ,30μm以内,好ましくは2
0μm以内とすればプレスパッター時間を一般的に要求
されている10分以内とすることができる。なお,入力
パワーを大きくすればプレスパッター時間は小さくな
り,一般的にはT=A/Pwで近似できる。但し,T:
プレスパッター時間,Pw:入力パワー,A:装置特性
で定まる定数である。このようなことから,該面積強度
比が1となる厚みが30μm以内であることが好まし
い。
【0018】この系統の材料にZnO2-X が生成する要
因については,原料ZnS粉末としてZnOが存在しな
いか存在しても微量のZnS粉末を用いたとしても,原
料粉末中に含まれるSO4 が焼成段階で分解してZnO
2-X が生成することが確かめられた。また混合粉をホッ
トプレス法で加圧成形するさいに用いるカーボンモール
ドが,活性炭のように空気中の酸素を吸着する要因とな
り,焼結過程での酸素のドナーのような役割をし,Zn
Sを酸化させたり,Znの炭酸塩を生成する原因の1つ
となっていることもわかった。これらは,例えば,イオ
ウ(S)添加やH2S添加で還元すれば防ぐことができ
ることも分かった。もちろん,原料ZnS粉末としては
ZnOが微量のもの(例えばZnOが1%以下のもの)
を使用することか必要である。
【0019】更に,焼成品をターゲットに研削加工する
さいに,乾式で行う場合には,研削熱でZnO2-X ,Z
n(OH)2,ZnCO3 等の生成反応が進むこと,特に
環境の湿度が高いとそれらの生成反応が顕著に進むこと
が分かった。このため,ターゲットの研削を湿式で行っ
て研削熱を除去するか,乾式で行う場合には, 雰囲気環
境の除湿を行ったり二酸化炭素や酸素に触れないような
雰囲気制御を行う必要があることが分かった。
【0020】他方,ターゲット表面もしくは内部の残留
カーボンが多いと,成膜中のカーボン量も増え,このた
め保護膜の透過率が低下することが分かった。ESCA
で評価したターゲット中の残留カーボンを評価すると1
0at%程度となることがある。この原因には,ESC
Aでは軽元素に対する補正係数が大きいので,少量のカ
ーボンでも,他の元素よりも多めに評価されることが挙
げられる。ESCAでターゲット中の残留カーボン量を
評価し,成膜した保護膜の光透過率との相関を調べた結
果を図2に示したが,図2の結果から,保護膜の光透過
率を低減させないためには,ESCAでのターゲット中
の残留カーボン量は7at%以下が望ましいことがわか
る。
【0021】また,保護膜中にカーボンが取り込まれる
と,ZnSを酸化または炭酸塩化しやすくする可能性が
あり,光ディスク使用中のレーザーによる書き込み,消
去時に加わる熱で,このカーボンの存在によってZnS
が大気の酸素と反応して膜質劣化に寄与する可能性があ
る。
【0022】このようなことから,ターゲット中の残留
カーボン量の限界値は,ESCAで評価した場合に7a
t%以下であることが必要である。
【0023】
【実施例】
〔実施例1〕平均粒径3〜5μmのZnS粉末と同じく
平均粒径3〜5μmのSiO2 粉末をモル比で4対1の
割合で秤量し,それをV型混合機で,乾燥窒素雰囲気中
で混合した。この混合粉をカーボンモールドに入れた
後,ホットプレス装置を用いて1250〜1300℃に
て2〜5時間の範囲で焼結した。この時の昇圧条件は,
昇温開始前に最大プレス圧150kgf/cm2 で加圧
した。雰囲気は昇温前に一度ロータリーポンブで真空引
きを行い,10-2〜10-3Torr程度の真空度になっ
た後,Arガスを導入し,その後Arガスを500cc
/minでフローした。
【0024】焼結後,カーボンモールドからターゲット
を取り出し,ターゲット表面に付着したカーボンシート
をカッターで削り取り,平面研削機で所定の厚さまで削
り取った。この際,ターゲットの表面酸化を防ぐため
に,水冷でターゲットの研削面を冷却した。研削後,1
20℃にて真空乾燥を行った。
【0025】作製されたターゲットの相対密度は99%
であり,ESCAで評価した(ZnO2-X +Zn(OH)
2+ZnCO3 )/ZnSのピーク面積強度比(以下,
この比を「該化合物のESCA比」と略称する)は0.
1以下であった。
【0026】ターゲットの製造条件は前記同様とし,研
削を乾式(相対湿度85%)で行ったものは,該化合物
のESCA比は平均0.7程度であった。この比の違う
ターゲットを用いて,Ar:5×10-3Torr,Rf
パワー:0.3kW,基板とターゲット間距離:70m
mの条件でスパッターを行ったところ,2分後の成膜速
度(スパッターレート)は該比が0.7のものでは10
A/secであり,該比が0.1以下のものは14A/
secであった。
【0027】該比が異なるターゲットを用いて成膜され
た薄膜の屈折率を測定したところ,該比が0.2以下の
ターゲットを用いた薄膜の屈折率は2.1,該比が1.0
のターゲットを用いた薄膜の屈折率は2.0であった。
また,前者の屈折率2.1の薄膜について該化合物のE
SCA比を測定したとろ0.11であり,後者の屈折率
2.1のものは0.25であった。
【0028】〔実施例2〕平均粒径3〜5μmのZnS
粉末と平均粒径0.5μmの球状SiO2 粉末をモル比
で4対1の割合で秤量し,更にイオウを0.1wt%を
添加し,それを振動ボールミルで乾燥窒素雰囲気中で混
合した。この混合粉をカーボンモールドに入れた後,ホ
ットプレス装置を用いて1150〜1200℃にて2〜
5時間の範囲で焼結した。この時の昇圧条件は,昇温開
始前に最大プレス圧150kgf/cm2 で加圧した。
雰囲気は昇温前に一度ロータリーポンプで真空引きを行
い,10-2〜10-3Torr程度の真空度になった後,
Arガスを導入し,その後Arガスを500cc/mi
nでフローした。
【0029】焼結後,カーボンモールドからターゲット
を取り出し,ターゲット表面に付着したカーボンシート
をカッターで削り取り,平均研削機で所定の厚さまで削
り取った。この際,ターゲットの表面酸化を防ぐため
に,乾燥窒素雰囲気の乾式でターゲットの研削を行っ
た。作製されたターゲットの相対密度は97%であり,
該化合物のESCA比は0.1以下であった。
【0030】このターゲットを用いて,Ar:5×10
-3Torr,Rfパワー:0.3kw,基板とターゲッ
ト間距離:70mmの条件でスパッターを行ったとこ
ろ,10分後の成膜速度(スパッターレート)は,14
A/secであった。
【0031】〔実施例3〕平均粒径3〜5μmのZnS
粉末と同じく平均粒径3〜5μmのSiO2 粉末をモル
比で4対1の割合で秤量し,振動ボールミルで乾燥窒素
雰囲気中で混合した。この混合粉をカーボンモールドに
入れた後,ホットプレス装置を用いて1150〜135
0℃にて2〜5時間の範囲とし,昇圧は昇温開始前に最
大プレス圧0〜150kgf/cm2 で加圧した。雰囲
気は昇温前に一度ロータリーポンプで真空引きを行い,
10-2〜10-3Torr程度の真空度になった後,Ar
ガスを導入し,その後Arガスを500cc/minで
フローした。
【0032】焼結の後はカーボンモールドから焼結品を
取り出し,その表面に付着したカーボンシートをカッタ
ーで削り取り,さらに平面研削機を用いてカーボンのコ
ンタミを受けている範囲で所定の厚さまで削り取った。
この際,ターゲットの表面酸化を防ぐために,乾燥窒素
雰囲気の乾式でターゲットの研削を行った。
【0033】作製されたターゲットは相対密度85〜9
9%の範囲であった。またいずれのターゲットも表面の
残留カーボンは0.1%〜測定限界以下の範囲にあっ
た。
【0034】ターゲットに研削するさいに,相対湿度が
40〜80%の大気雰囲気に代えた以外は,前記同様に
して乾式研削を行った。得られたターゲットの該化合物
のESCA比と前記相対湿度との関係を調べた結果を図
3に示した。
【0035】図3の結果から,研削時の相対湿度が高い
と該化合物のESCA比が大きくなり,相対湿度60%
以下とするのがよいことがわかる。
【0036】該比の異なるターゲットを用いて,Ar:
5×10-3Torr,Rfパワー:0.3kW,基板と
ターゲット間距離:70mmの条件でスパッターを行な
い,該比と10分後の成膜速度(スパッターレート)と
の関係を調べた結果を図1に示した。図1から該化合物
のESCA比を1以下とすれば良好なスパッターレート
が得られることがわかる。
【0037】また,該比の異なるターゲットを用いて成
膜された薄膜の該化合物のESCA比を測定し,両者の
関係を図4に示した。この結果から,膜中のZnOまた
はZnCO3 の量はターゲット中のものより全体的に減
少しているが,ターゲットに含有する量に比例して膜中
に含有する量も増えていることが分かる。さらに,ES
CAで測定したターゲット中のカーボン量と膜中のカー
ボン量の関係を図5に示したが,膜中のカーボン量はタ
ーゲット中のカーボン量が多いほど増えることが分か
る。
【0038】〔実施列4〕実施例3と同条件で試作した
相対密度の異なるターゲット(該化合物のESCA比も
異なる)を用いてスパッタリングし,初期のスパッター
レートが飽和安定するまでの時間と,飽和したスパッタ
ーレートの値に及ぼすターゲット相対密度の関係を調べ
た結果,図6の結果を得た。図6に見られように,相対
密度が高いものほどスパッターレートが高くなるが,相
対密度が同じでも該化合物のESCA比が小さい方がス
パッターレートが一層改善されることが分かる。
【0039】〔実施例5〕実施例3と同条件で作製した
ターゲットについて,該化合物のESCA比を測定する
さいに,ESCAで20μm程度の深さまでエッチング
しながら表面からの深さ方向と該比の関係を調べ,該比
が1となる深さ(μm)と,そのターゲットの飽和安定
時間との関係を調べた結果を図7に示した。図7から,
スパッターレートがすぐに立ち上がるものほど,該比が
1となる深さが浅くて,安定するまでの時間が短いこと
がわかる。したがって,該比が1となる厚みが薄いほど
よく,具体的には該比が1以上となる厚みが30μm以
内であればよい。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように,本発明によると光
ディスクの保護膜をスパッタリングによって成膜するた
めのターゲット材料として,プレスパッター時間を短縮
し且つスパッターレートを増進し,しかも高品質のZn
S−SiO2 系保護膜が形成できるターゲット材料が提
供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】ターゲット材料の(ZnO2-X +Zn(OH)2
+ZnCO3 )/ZnSのESCA面積強度比とスパッ
ターレートとの関係を示す図である。
【図2】ターゲット材料のESCAで評価したカーボン
量と成膜した薄膜の光透過率との関係を示す図である。
【図3】ターゲット材料研削時の大気中の相対湿度とタ
ーゲット材料の(ZnO2-X +Zn(OH)2+ZnCO
3 )/ZnSのESCA面積強度比との関係を示す図で
ある。
【図4】ターゲット材料の(ZnO2-X +Zn(OH)2
+ZnCO3 )/ZnSのESCA面積強度比と,成膜
した薄膜の(ZnO2-X +Zn(OH)2+ZnCO3
/ZnSのESCA面積強度比との関係を示す図であ
る。
【図5】ターゲット材料のESCAで評価したカーボン
量と成膜した薄膜の同カーボン量の関係を示す図であ
る。
【図6】ターゲット材料の相対密度が,初期のスパッタ
ーレートが飽和安定するまでの時間および飽和したスパ
ッターレートの値に及ぼす影響を示す図である。
【図7】ターゲット材料の(ZnO2-X +Zn(OH)2
+ZnCO3 )/ZnSのESCA面積強度比の深さと
スパッタリングの飽和安定化時間との関係図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 雄一 東京都千代田区丸の内1丁目8番2号 同 和鉱業株式会社内 (72)発明者 妹尾 和浩 東京都千代田区丸の内1丁目8番2号 同 和鉱業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ZnSとSiO2 からなるスパッタリン
    グターゲット材料であって,ZnSに対するZnO2-X
    (0≦X<2),Zn(OH)2 ,ZnCO3の含有比率
    が,ESCAで検出されるこれら化合物のピーク面積強
    度で評価したときに, (ZnO2-X +Zn(OH)2+ZnCO3 )/ZnSの
    面積強度比≦1 である,相変化型光記録媒体の保護膜形成用スパッタリ
    ングターゲット材料。
  2. 【請求項2】 (ZnO2-X +Zn(OH)2+ZnCO
    3 )/ZnSの面積強度比が1となるターゲット表面か
    らの深さが30μm以内である請求項1に記載のターゲ
    ット材料。
  3. 【請求項3】 ESCAで評価されたカーボン量が7a
    t%以下である請求項1または2に記載のターゲット材
    料。
  4. 【請求項4】 ZnSの粉末とSiO2 の粉末を目標組
    成となるように混合してなる混合粉を加圧して焼成し,
    得られた焼成品を所定寸法のターゲット材料に研削加工
    するにさいし,相対湿度60%以下の大気雰囲気下また
    は窒素もしくはアルゴンガス雰囲気下で前記の研削加工
    を行うことを特徴とする表面酸素含有量および表面炭素
    含有量の少ない相変化型光記録媒体の保護膜形成用スパ
    ッタリングターゲット材料の製造法。
  5. 【請求項5】 表面酸素含有量および表面炭素含有量
    は,ESCAで検出されるピーク面積強度で評価したと
    きに, (ZnO2-X +Zn(OH)2+ZnCO3 )/ZnSの
    面積強度比≦1 の関係を満足する量である請求項4に記載の製造法。
  6. 【請求項6】 焼成を還元剤の存在下で行う請求項4に
    記載の製造法。
  7. 【請求項7】 混合粉の目標組成は,ZnS/SiO2
    のモル比が4または4近傍の組成である請求項4,5ま
    たは6に記載の製造法。
JP9187266A 1997-06-30 1997-06-30 相変化型光記録媒体の保護膜形成用スパッタリングターゲット材料およびその製造法 Pending JPH1121664A (ja)

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