JPH11222473A - ポリアルコール類、その製造法及び用途 - Google Patents

ポリアルコール類、その製造法及び用途

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JPH11222473A
JPH11222473A JP31152298A JP31152298A JPH11222473A JP H11222473 A JPH11222473 A JP H11222473A JP 31152298 A JP31152298 A JP 31152298A JP 31152298 A JP31152298 A JP 31152298A JP H11222473 A JPH11222473 A JP H11222473A
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Japan
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acid
helicobacter pylori
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Application number
JP31152298A
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English (en)
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Shigetoshi Tsuboya
重利 坪谷
Yoshitaka Nakano
芳孝 中埜
Kouji Ikedou
孝治 池堂
Masafumi Nakao
雅文 中尾
Keiji Kamiyama
圭司 神山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ヘリコバクター属菌に対して特異的に強い抗菌
性を示す抗ヘリコバクター・ピロリ剤を提供する。 【解決手段】一般式(I) 【化1】 〔式中、R1は置換されていてもよいアミノ基を、R2
3、R4、R5及びR6はそれぞれ保護されていてもよい
水酸基を、R7は炭化水素基を示す〕で表される化合物
またはその塩を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリアルコール類、
その製造法および用途に関する。より詳しくは、本発明
は医薬、例えば、胃潰瘍,十二指腸潰瘍などの予防治療
剤として有用な生理活性作用を有する化合物およびそれ
を含んでなる抗ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter
pylori)剤に関する。
【0002】
【従来の技術】消化管内で有害な作用を及ぼす菌、例え
ばヘリコバクター・ピロリは、ヘリコバクター(Helico
bacter)属に属するグラム陰性の微好気性細菌であり、
胃炎、十二指腸潰瘍、胃潰瘍等の再発の大きな原因とな
る可能性が示唆されている。このヘリコバクター・ピロ
リの感染に起因する各種疾患の治療には、現在、ビスマ
ス製剤と抗生物質の二剤併用や、ビスマス製剤、メトロ
ニダゾール(米国特許第2,944,061号)及びテトラサイ
クリン(例えば米国特許第2,712,517号)もしくはアモ
キシシリン(米国特許第3,192,198号)の三剤併用等に
よる化学療法が行われている。プロトンポンプ阻害薬、
アモキシシリン及びクラリスロマイシンの三剤を併用す
ることが有効であることが見出されている(Gut 1995,
37巻(supplment 1):A365)(Gastroenterology 1
996, 110巻:A171)。これらビスマス製剤、抗生物
質及びメトロニダゾール等は、内服の形で投与されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】今後、より優れた抗ヘ
リコバクター・ピロリ剤(特に単剤として有効な医薬
品)の開発が待たれている。そこで本発明は、単剤で優
れた抗菌活性、特にヘリコバクター・ピロリなどのヘリ
コバクター属菌に対する強い抗菌活性を有し、副作用が
少なく臨床上優れた予防治療効果を発揮する新しい医薬
を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑み鋭意研究を重ねた結果、微生物培養液より単離さ
れた化合物HC−74がヘリコバクター・ピロリに代表
されるヘリコバクター属細菌に対して極めて特異的に、
かつ優れた抗菌作用を有することを見い出し、これらに
基づいてさらに鋭意研究を重ね本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明は、(1)一般式
【化4】 〔式中、R1は置換されていてもよいアミノ基を、R2
3、R4、R5及びR6はそれぞれ保護されていてもよい
水酸基を、R7は炭化水素基を示す〕で表される化合物
またはその塩、(2)R1がアシルアミノ基である第
(1)項記載の化合物、(3)アシルアミノ基が1ない
し複数個結合したアミノ酸残基で置換されたアミノ基で
ある第(2)項記載の化合物、(4)アミノ酸残基がα
−アミノ酸残基である第(3)項記載の化合物、(5)
1がL−ロイシン残基、L−グルタミン酸残基または
L−フェニルアラニン残基で置換されたアミノ基である
第(1)項記載の化合物、(6)R7がアルキル基であ
る第(1)項記載の化合物、(7)R7がC1-6アルキル
基である第(1)項記載の化合物、(8)R7がイソブ
チル基である第(1)項記載の化合物、(9)R2
3、R4、R5及びR6が水酸基である第(1)項記載の
化合物、(10)R1がアミノ基であり、R2、R3
4、R5及びR6が水酸基であり、R7がイソブチル基で
ある第(1)項記載の化合物、(11)第(1)項記載
の化合物を含有してなる医薬、(12)第(1)項記載
の化合物を含有することを特徴とする抗ヘリコバクター
・ピロリ剤、(13)ヘリコバクター・ピロリ感染疾患
予防治療剤である第(12)項記載の抗ヘリコバクター
・ピロリ剤、(14)ヘリコバクター・ピロリ感染疾患
が胃もしくは十二指腸潰瘍、胃炎または胃癌である第
(13)項記載の抗ヘリコバクター・ピロリ剤、(1
5)第(1)項記載の化合物とそれ以外の抗菌剤または
(及び)潰瘍治療剤とを組み合わせてなる抗ヘリコバク
ター・ピロリ剤、(16)式
【化5】 〔式中、R1は置換されていてもよいアミノ基を、R2
びR3はそれぞれ保護されていてもよい水酸基を示す〕
で表されるカルボン酸またはその塩あるいはその反応牲
誘導体と式
【化6】 〔式中、R4、R5及びR6は保護されていてもよい水酸
基を、R7は炭化水素基を示す〕で表される化合物また
はその塩とを反応させることを特徴とする第(1)項記
載の化合物の製造法、(17)アシネトバクター属に属
し第(10)項記載の化合物を生産する能力を有する微
生物を培地に培養し、培養液中に該化合物を生成蓄積せ
しめ、これを採取することを特徴とする第(10)項記
載の化合物の製造法、(18)微生物がアシネトバクタ
ー・エスピーHC−74株である第(17)項記載の製
造法、および(19)第(10)項記載の化合物の生産
能を有するアシネトバクター・エスピーHC−74に関
する。
【0005】R1で示される置換されていてもよいアミ
ノ基としては、例えば、アミノ基、アシルアミノ基、置
換されていてもよい炭化水素基で置換されたアミノ基等
が用いられる。R1の「アシルアミノ基」の「アシル
基」としては、下記で述べるアミノ酸残基が1個ないし
複数個連結したものであってもよい以外に、例えば置換
されていてもよいアルカノイル基、置換されていてもよ
いアロイル基、置換されていてもよい複素環カルボニル
基、置換されていてもよいカルバモイル基、置換されて
いてもよいチオカルバモイル基、置換されていてもよい
アルキルスルホニル基、置換されていてもよいアリール
スルホニル基、置換されていてもよいスルファモイル
基、置換されていてもよいアルコキシカルボニル基、置
換されていてもよいアリールオキシカルボニル基などが
挙げられる。これらの中では、例えば置換されていても
よいアルカノイル基、置換されていてもよいアロイル
基、置換されていてもよい複素環カルボニル基、置換さ
れていてもよいカルバモイル基、置換されていてもよい
チオカルバモイル基などが好ましく、特に置換されてい
てもよいカルバモイル基が好ましい。
【0006】該「置換されていてもよいアルカノイル
基」の「アルカノイル基」としては、例えばC1-20アル
カノイル基(例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニ
ル、イソプロピオニル、ブチリル、ペンタノイル、ヘキ
サノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、ノナノイル、
ラウロイル、ウンデカノイル、ミリストイル、パルミト
イル、ステアロイルなど)などが挙げられ、特にC1-6
アルカノイル基(例えば、ホルミル、アセチル、プロピ
オニル、イソプロピオニル、ブチリル、ペンタノイル、
ヘキサノイルなど)などが好ましい。該「置換されてい
てもよいアロイル基」の「アロイル基」としては、例え
ばC 7-16アロイル基(例えば、ベンゾイル、1−ナフト
イル、2−ナフトイルなど)などが挙げられる。該「置
換されていてもよい複素環カルボニル基」の「複素環カ
ルボニル基」としては、炭素原子以外にヘテロ原子(例
えば、窒素、酸素、硫黄など)を1ないし4個含む5ま
たは6員複素環カルボニル基(例えば、3−ピロリルカ
ルボニル、2−イミダゾリルカルボニル、1−ピラゾリ
ルカルボニル、3−イソチアゾリルカルボニル、3−イ
ソオキサゾリルカルボニル、ピラジニルカルボニル、2
−ピリミジニルカルボニル、3−ピラジニルカルボニ
ル、2−インドリジニルカルボニル、2−イソインドリ
ルカルボニル、1−インドリルカルボニル、2−フロイ
ル、2−テノイル、ニコチニル、イソニコチニル、モル
ホリノカルボニル、ピペリジノカルボニル、ピペラジノ
カルボニルなど)などが挙げられる。
【0007】該「置換されていてもよいアルキルスルホ
ニル基」の「アルキルスルホニル基」としては、例えば
1-20アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニ
ル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロ
ピルスルホニルなど)などが挙げられ、特にC1-6アル
キルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル、エチル
スルホニル、プロピルスルホニルなど)などが好まし
い。該「置換されていてもよいカルバモイル基」は、カ
ルバモイル基、モノ置換カルバモイル基、ジ置換カルバ
モイル基を含み、その置換基としては、例えばC1-6
ルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、ブチル、イソブチルなど)、C6-14アリール基
(例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチルな
ど)、C7-16アラルキル基(例えば、ベンジルなど)、
1-6アルカノイル基(例えば、アセチル、プロピオニ
ル、イソプロピオニル、ブチリルなど)、C7-16アロイ
ル基(例えば、ベンゾイル、1−ナフトイル、2−ナフ
トイルなど)、5または6員の複素環カルボニル基(例
えば、3−ピロリルカルボニル、2−イミダゾリルカル
ボニル、1−ピラゾリルカルボニル、3−イソチアゾリ
ルカルボニル、3−イソオキサゾリルカルボニル、ピラ
ジニルカルボニル、2−ピリミジニルカルボニル、3−
ピラジニルカルボニル、2−インドリジニルカルボニ
ル、2−イソインドリルカルボニル、1−インドリルカ
ルボニル、2−フロイル、2−テノイル、ニコチニル、
イソニコチニル、モルホリノカルボニル、ピペリジノカ
ルボニル、ピペラジノカルボニルなど)などが挙げられ
る。該「置換されていてもよいカルバモイル基」の好ま
しい例としては、例えばモノ−またはジ−C1-6アルカ
ノイル−カルバモイル基(例えば、アセチルカルバモイ
ルなど)などが挙げられる。
【0008】該「置換されていてもよいチオカルバモイ
ル基」は、チオカルバモイル基、モノ置換チオカルバモ
イル基、ジ置換チオカルバモイル基を含み、その置換基
としては、例えばC1-6アルキル基(例えば、メチル、
エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル
など)、C6-14アリール基(例えば、フェニル、1−ナ
フチル、2−ナフチルなど)、C7-16アラルキル基(例
えば、ベンジルなど)、C1-6アルカノイル基(例え
ば、アセチル、プロピオニル、イソプロピオニル、ブチ
リルなど)、C7-16アロイル基(例えば、ベンゾイル、
1−ナフトイル、2−ナフトイルなど)、5または6員
の複素環カルボニル基(例えば、3−ピロリルカルボニ
ル、2−イミダゾリルカルボニル、1−ピラゾリルカル
ボニル、3−イソチアゾリルカルボニル、3−イソオキ
サゾリルカルボニル、ピラジニルカルボニル、2−ピリ
ミジニルカルボニル、3−ピラジニルカルボニル、2−
インドリジニルカルボニル、2−イソインドリルカルボ
ニル、1−インドリルカルボニル、2−フロイル、2−
テノイル、ニコチニル、イソニコチニル、モルホリノカ
ルボニル、ピペリジノカルボニル、ピペラジノカルボニ
ルなど)などが挙げられる。該「置換されていてもよい
チオカルバモイル基」の好ましい例としては、例えばモ
ノ−またはジ−C1-6アルカノイル−チオカルバモイル
基(例えば、アセチルチオカルバモイルなど)などが挙
げられる。
【0009】該「置換されていてもよいアリールスルホ
ニル基」の「アリールスルホニル基」としては、例えば
6-14アリールスルホニル基(例えば、ベンゼンスルホ
ニル、1−ナフチルスルホニル、2−ナフチルスルホニ
ルなど)などが挙げられる。該「置換されていてもよい
スルファモイル基」は、スルファモイル基、モノ置換ス
ルファモイル基、ジ置換スルファモイル基などを含み、
その置換基としては、例えばC1-6アルキル基(例え
ば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソブチルなど)、C6-14アリール基(例えば、フ
ェニル、1−ナフチル、2−ナフチルなど)、C7-16
ラルキル基(例えば、ベンジルなど)などが挙げられ
る。該「置換されていてもよいアルコキシカルボニル
基」の「アルコキシカルボニル基」としては、例えばC
1-20アルコキシ−カルボニル基(例えば、メトキシカル
ボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、
イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソ
ブトキシカルボニルなど)などが挙げられ、例えばC
1-6アルコキシ−カルボニル基(例えば、メトキシカル
ボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニルな
ど)などが挙げられる。
【0010】該「置換されていてもよいアリールオキシ
カルボニル基」の「アリールオキシカルボニル基」と
は、C6-14アリールオキシ−カルボニル基(例えば、フ
ェノキシカルボニル、1−ナフチルオキシカルボニル、
2−ナフチルオキシカルボニルなど)などを示す。前記
の「置換されていてもよい炭化水素基」の「炭化水素
基」としては、例えば脂肪族炭化水素基または環状炭化
水素基が用いられる。該「脂肪族炭化水素基」として
は、例えば、炭素数1ないし20の脂肪族炭化水素基
(例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基な
ど)などが挙げられる。該「環状炭化水素基」として
は、例えば炭素数3ないし20の環状炭化水素基(例え
ば、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール
基など)などが挙げられる。該「アルキル基」として
は、例えば、メチル、エチル、プロピル、2−プロピ
ル、1−エチルプロピル、ブチル、1−メチルプロピ
ル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、
1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、ペ
ンチル、3−メチルブチル、2,2−ジメチルプロピ
ル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルなどの直鎖状もしく
は分枝状のC1-10アルキル基などが用いられ、なかで
も、メチル、エチル、プロピル、2−プロピル、1−エ
チルプロピル、ブチル、1−メチルプロピル、2−メチ
ルプロピル、1,1−ジメチルエチル、1,1−ジメチ
ルブチル、2,2−ジメチルブチル、ペンチル、3−メ
チルブチル、2,2−ジメチルプロピル、ヘキシルなど
の直鎖状もしくは分枝状のC1-6アルキル基などが好ま
しい。
【0011】該「アルケニル基」としては、例えば、エ
テニル、2−プロペニル、1−メチルエテニル、ブテニ
ル、2−メチル−1−プロペニル、2−メチル−2−プ
ロペニル、1−メチル−2−プロペニル、2−ペンテニ
ル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、2−ヘキセニ
ル、3−ヘキセニル、5−ヘキセニルなどのC2-10アル
ケニル基などが用いられる。該「アルキニル基」として
は、例えば、エチニル、2−プロピニル、2−ブチン−
1−イル、3−ブチン−2−イル、1−ペンチン−3−
イル、3−ペンチン−1−イル、4−ペンチン−2−イ
ル、3−ヘキシン−1−イルなどのC2-10アルキニル基
などが用いられる。該「シクロアルキル基」としては、
例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチ
ル、シクロヘキシルなどのC3-10シクロアルキル基など
が用いられる。該「シクロアルケニル基」としては、例
えば、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキ
セニル、シクロヘキサジエニルなどのC3-10シクロアル
ケニル基などが用いられる。該「アリール基」として
は、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチルな
どのC6-14アリール基などが用いられる。
【0012】R1の「置換されていてもよい炭化水素
基」の「炭化水素基」および「アシルアミノ基」の「ア
シル基」において「アルカノイル基、アロイル基、複素
環カルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスル
ホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカ
ルボニル基」が有していてもよい置換基としては、本発
明の目的が達成される限り、特に限定されない。該置換
基としては、例えば、アミノ基、モノ−またはジ−C
1-6アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、エチル
アミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ジメチ
ルアミノ、ジエチルアミノなど)、モノ−またはジ−C
6-10アリールアミノ基(例えば、フェニルアミノ、ジフ
ェニルアミノなど)、モノ−またはジ−C7-11アラルキ
ルアミノ基(例えば、ベンジルアミノ、ジベンジルアミ
ノなど)、アジド基、ニトロ基、ハロゲン(例えば、フ
ッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、ヒドロキシル基、C
1-6アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロ
ポキシ、イソプロポキシ、ブトキシなど)、C6-10アリ
ールオキシ基(例えば、フェノキシ、1−ナフチルオキ
シ、2−ナフチルオキシなど)、C7-11アラルキルオキ
シ基(例えば、ベンジルオキシなど)、ホルミルオキシ
基、C1-6アルキル−カルボニルオキシ基(例えば、ア
セトキシ、プロピオニルオキシなど)、C6-10アリール
−カルボニルオキシ基(例えば、ベンゾイルオキシな
ど)、C7-11アラルキル−カルボニルオキシ基(例え
ば、ベンジルカルボニルオキシなど)、スルホニルオキ
シ基、C1-6アルキルスルホニルオキシ基(例えば、メ
チルスルホニルオキシなど)、メルカプト基、C1-6
ルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロ
ピルチオ、イソプロピルチオなど)、C6-10アリールチ
オ基(例えば、フェニルチオ、1−ナフチルチオ、2−
ナフチルチオなど)、C7-11アラルキルチオ基(例え
ば、ベンジルチオなど)、ホスホノオキシ基、シアノ
基、カルバモイル基、モノ−またはジ−C1-6アルキル
カルバモイル基(例えば、メチルカルバモイル、エチル
カルバモイル、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバ
モイルなど)、モノ−またはジ−C6-10アリールカルバ
モイル基(例えば、フェニルカルバモイル、ジフェニル
カルバモイルなど)、モノ−またはジ−C7- 11アラルキ
ルカルバモイル基(例えば、ベンジルカルバモイル、ジ
ベンジルカルバモイルなど)、カルボキシル基、C1-6
アルコキシ−カルボニル基(例えば、メトキシカルボニ
ル、エトキシカルボニルなど)、C6-10アリールオキシ
−カルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル、1−
ナフチルオキシカルボニル、2−ナフチルオキシカルボ
ニルなど)、C7-11アラルキルオキシ−カルボニル基
(例えば、ベンジルオキシカルボニルなど)、ホルミル
基、C1-6アルキル−カルボニル基(例えば、アセチ
ル、プロピオニル、イソプロピオニル、ブチリル、ペン
タノイル、ヘキサノイルなど)、C6-10アリール−カル
ボニル基(例えば、ベンゾイル、1−ナフトイル、2−
ナフトイルなど)、C7-11アラルキル−カルボニル基
(例えば、ベンジルカルボニルなど)、スルホ基、C
1-6アルキルスルフィニル基(例えば、メチルスルフィ
ニル、エチルスルフィニルなど)、C6-10アリールスル
フィニル基(例えば、ベンゼンスルフィニル、1−ナフ
チルスルフィニル、2−ナフチルスルフィニルなど)、
1-6アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニ
ル、エチルスルホニルなど)、C6-10アリールスルホニ
ル基(例えば、ベンゼンスルホニル、1−ナフチルスル
ホニル、2−ナフチルスルホニルなど)、C1-6アルキル
基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、ブチル、イソブチル、sec−ブチルなど)、C2-6
ルケニル基(例えば、ビニル、アリル、2−ブテニルな
ど)、C2-6アルキニル基(例えば、エチニル、プロパル
ギルなど)、C3-6シクロアルキル基(例えば、シクロ
プロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキ
シルなど)、C3-6シクロアルケニル基(例えば、シク
ロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シ
クロヘキサジエニルなど)、C6-10アリール基(例え
ば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチルなど)、1
ないし3環式複素環基(例えば、窒素、酸素、硫黄から
選ばれたヘテロ原子を1ないし4個含む5または6員環
1ないし3個から形成される複素環基:ピリジル、ピラ
ジル、ピリミジル、キノリル、イソキノリル、インドリ
ル、イソインドリル、インダゾリル、ピリダジニル、イ
ミダゾリル、ピラゾリル、ピロリル、フリル、ベンゾフ
ラニル、チエニル、ベンゾチエニル、ベンズイミダゾリ
ル、キナゾリル、ピロリジニル、ピロリニル、イミダゾ
リジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリ
ニル、ピペリジル、ピペラジニル、インドリジル、イソ
インドリジル、モルホリニルなど)、1ないし3環式複
素環チオ基(例えば、前記の複素環基にチオ基が結合し
た基、具体的には、4−ピリジルチオ、2−ピリミジル
チオ、1,3,4−チアジアゾール−2−イルチオ、5−
テトラゾリルチオ、2−ベンゾチアゾリルチオ、8−キ
ノリルチオなど)などが用いられる。
【0013】これらの置換基は、前記「炭化水素基」お
よび「アルカノイル基、アロイル基、複素環カルボニル
基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ア
ルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基」
上に化学的に許容される範囲において置換され、この置
換基の数は1ないし5、好ましくは1ないし3個であ
る。ただし、置換基の数が2個以上の場合は同一または
異なっていてもよい。これらの置換基は、化学的に許さ
れるならば、さらに、アミノ基、モノ−またはジ−C
1-6アルキルアミノ基、ニトロ基、ハロゲン、ヒドロキ
シル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルキル−カルボニ
ルオキシ基、スルホニルオキシ基、C1-6アルキルスル
ホニルオキシ基、メルカプト基、C1-6アルキルチオ
基、ホスホノオキシ基、シアノ基、カルバモイル基、モ
ノ−またはジ−C1-6アルキルカルバモイル基、カルボ
キシル基、C1-6アルコキシ−カルボニル基、ホルミル
基、C1-6アルキル−カルボニル基、スルホ基、C1-6
ルキルスルフィニル基などから選ばれる1ないし3個の
置換基で置換されていてもよい。
【0014】また、R1は、式 Ra−Rb−RC−NH−
〔Raは水素原子または置換されていてもよいアミノ酸
残基を、RbおよびRcは同一または異なって結合手、置
換されていてもよいアミノ酸残基またはY−Rd−(Rd
は置換されていてもよいアミノ酸残基からイミノ基を除
いた基を、Yは−O−、−S−または−NRe−(Re
水素原子または低級アルキル基を示す)を示す)〕で表
わされる基で例示することもできる。ここで、Ra、Rb
およびRcで示される「アミノ酸残基」およびRdで示さ
れる「アミノ酸残基からイミノ基を除いた基」における
アミノ酸とは、カルボン酸の母体構造の水素原子の少な
くとも1つがアミノ基に置換された基を総称するもので
あり、炭素数2ないし20の母体構造を有するα−、β
−、γ−またはδ−アミノ酸等が挙げられる。このよう
なアミノ酸の例としては、α−アミノ酸が好ましく、例
えば、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラ
ギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリ
シン、ヒスチジン、ロイシン、イソロイシン、リジン、
メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、ト
レオニン、トリプトファン、チロシン、バリン等のアミ
ノ酸やその他、ノルバリン、ノルロイシン、2−アミノ
アジピン酸、2−アミノ酪酸、2−アミノイソ酪酸、1
−アミノシクロプロパンカルボン酸、1−アミノシクロ
ペンタンカルボン酸、1−アミノシクロヘキサンカルボ
ン酸、チロニン、オルニチン、ヒドロキシプロリン、ヒ
ドロキシリジン、(2−ナフチル)アラニン、アザグリ
シン等のアミノ酸等が例示され、なかでも、ロイシン、
グルタミン酸、フェニルアラニンなどが好ましい。
【0015】また、ここにおけるアミノ酸としては環状
イミノ酸も含まれる。「環状イミノ酸」としては、シク
ロアルカンカルボン酸またはシクロアルケンカルボン酸
のメチレン基の少なくとも1つがイミノ基に置換された
ものが挙げられ、具体的にはプロリン、ヒドロキシプロ
リン、3,4−デヒドロプロリン、ピペコリン酸、アジ
リジンカルボン酸、2−アゼチジンカルボン酸等が挙げ
られ、例えば、プロリン、ヒドロキシプロリンまたはピ
ペコリン酸等が好ましい。上記α−アミノ酸は、L−
体、D−体またはラセミ体のいずれであってもよいが、
特に、L−体が好ましい。本明細書におけるアミノ酸残
基は、一般にペプチド化学で用いられているアミノ酸残
基であってよく、前記アミノ酸より導かれるもの等が用
いられる。Rdで示される「アミノ酸残基からイミノ基
(−NH−)を除いた基」としては、前記したアミノ酸
残基よりイミノ基を除いたアシル基等が用いられ、例え
ば、直鎖状または分岐鎖状のC1-10アルキル基(例え
ば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチ
ル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、1
−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチ
ル、オクチル、デシル等)、C2-10アルケニル基(例え
ば、ビニル、アリル、イソプロペニル、1−プロペニ
ル、2−メチル−1−プロペニル、1−、2−または3
−ブテニル、2−エチル−1−ブテニル、3−メチル−
2−ブテニル、1−、2−、3−または4−ペンテニ
ル、4−メチル−3−ペンテニル、1−、2−、3−、
4−または5−ヘキセニル、その他特定の位置に二重結
合を有するヘプテニル、オクテニル、デセニル等)、C
7-20アラルキル基(例えば、ベンジル、フェネチル、3
−フェニルプロピル、1−ナフチルメチル、2−ナフチ
ルメチル、9−フルオレニルメチル等)、C3-7シクロ
アルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シ
クロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等)、
3-7シクロアルケニル(例えば、2−シクロペンテン
−1−イル、3−シクロペンテン−1−イル、2−シク
ロヘキセン−1−イル、3−シクロヘキセン−1−イル
等)、C6-15アリール(例えば、フェニル、ナフチル、
アントリル、フェナントリル、アセナフチレニル、フル
オレニル等)、C3-20単環式もしくは縮合多環式複素環
アラルキル基(例えば、4−イミダゾリルメチル、3−
ピリジルメチル、4−チアゾリルメチル、3−インドリ
ルメチル、3−キノリルメチル等)等を母体構造として
有するカルボン酸より導かれるアシル基等が挙げられ
る。
【0016】これらのアミノ酸残基およびアミノ酸残基
がイミノ基を除いた基は、それぞれ適当な位置に置換基
を1個以上好ましくは1ないし3個有していてもよく、
それらの置換基としては、例えば、アミノ基、アシル置
換アミノ基、グアニジノ基、アシルグアニジノ基、アシ
ルアミジノ基、アミジノ基、アシル基、カルバモイル
基、N−モノ−またはジ−低級アルキルカルバモイル
基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニルオキシ
基、ヒドロキシル基、アシルヒドロキシル基、低級アル
コキシ基、フェノキシ基、メルカプト基、アシルメルカ
プト基、低級アルキルチオ基、フェニルチオ基、スルホ
基、シアノ基、アジド基、ニトロ基、ニトロソ基、ハロ
ゲン原子等が挙げられる。ここにおいてアシル置換アミ
ノ基、アシルグアニジノ基、アシルアミジノ基、アシル
ヒドロキシル基およびアシルメルカプト基における置換
基としての「アシル基」としては、前記したR1の「ア
シルアミノ基」の「アシル基」と同様なものが挙げられ
る。
【0017】「低級アルキルカルバモイル基」の低級ア
ルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、イソブチルなどのC1-6
ルキル基が挙げられる。「低級アルコキシカルボニルオ
キシ基」としては、例えば、メトキシカルボニルオキ
シ、エトキシカルボニルオキシ、プロポキシカルボニル
オキシ、イソプロポキシカルボニルオキシ、ブトキシカ
ルボニルオキシ、イソブトキシカルボニルオキシ等のC
1-6アルコキシ−カルボニルオキシ基等が挙げられる。
「低級アルコキシ基」としては、例えば、メトキシ、エ
トキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソ
ブトキシ等のC1-6アルコキシ基等が挙げられる。
「低級アルキルチオ基」としては、例えば、メチルチ
オ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ等の
1-6アルキルチオ基等が挙げられる。Reで示される低
級アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロ
ピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルなど
のC1-6アルキル基などが挙げられる。上記した中で
も、Raとしては、ロイシン残基、グルタミン酸残基、
フェニルアラニン残基などのα−アミノ酸残基などが好
ましく、特にL−体が好適である。RbおよびRcとして
は、結合手が好ましい。
【0018】また、R1としては、アミノ基または式 NH2−CH(R8)−CONH− (式中、R8はカルボキシル基で置換されていてもよい
1-6アルキル基またはC7-16アラルキル基を示す。)
で表される基なども好ましい。R8で示されるC1-6アル
キル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、
イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、ter
t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t
ert−ペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソ
ヘキシルなどの直鎖状もしくは分岐状のC1-6アルキル
基が用いられる。R8で示されるC7-16アラルキル基と
しては、例えば、ベンジル基、1−ナフチルメチル基、
2−ナフチルメチル基などが好ましく、特にベンジル基
が好ましい。R8としては、例えば、イソプロピル基、
カルボキシルエチル基、ベンジル基などが好ましい。
【0019】R2、R3、R4、R5及びR6で示される
「保護されていてもよい水酸基」の保護基としては、例
えば、メトキシメチル、ベンジルオキシメチル、tert−
ブトキシメチル、2−メトキシエトキシメチル、2−
(トリメチルシリル)エトキシメチル、メチルチオメチ
ル、2−テトラヒドロピラニル、4−メトキシ−4−テ
トラヒドロピラニル、2−テトラヒドロピラニル、ベン
ジル、p−メトキシベンジル、p−ニトロベンジル、o
−ニトロベンジル、2,6−ジクロルベンジル、トリチ
ル等のエーテルを形成するタイプの保護基;例えば、ト
リメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピル
シリル、イソプロピルジメチルシリル、ジエチルイソプ
ロピルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、tert−ブ
チルジフェニルシリル、トリベンジルシリル、トリフェ
ニルシリル、メチルジフェニルシリル等のシリルエーテ
ルを形成するタイプの保護基;例えば、ホルミル、アセ
チル、クロロアセチル、ジクロロアセチル、トリクロロ
アセチル、ピバロイル、ベンゾイル、ベンジルオキシカ
ルボニル、2−ブロモベンジルオキシカルボニル等のエ
ステルを形成するタイプの保護基等が挙げられる。ま
た、R3、R4、R5、R6の中の任意の2つの水酸基より
形成されるメチレンアセタール、エチリデンアセター
ル、4−メトキシフェニルエチリデンアセタール、ベン
ジリデンアセタール、2,2,2−トリクロロエチリデン
アセタールなどの環状アセタール、イソプロピリデンケ
タール、シクロペンチリデンケタール、シクロヘキシリ
デンケタール、シクロヘプチリデンケタール、1−フェ
ニルエチリデンケタール、2,4−ジメトキシベンジリ
デンケタールなどの環状ケタール、およびメトキシメチ
レンアセタール、エトキシメチレンアセタールなどの環
状オルトエステルなどの保護基も挙げられる。R2
3、R4、R5及びR6としては、水酸基が好ましい。R
7で示される炭化水素基は、前記R1で示される「置換さ
れていてもよい炭化水素基で置換されたアミノ基」にお
ける「炭化水素基」と同意義を有する。R7で示される
炭化水素基としては、直鎖状もしくは分岐状のC1-6
ルキル基が好ましく、特に、イソブチル基が好適であ
る。本発明の化合物(I)として、例えば、(i)R1
がアミノ基または式 NH2−CH(R8)−CONH− (式中、R8は前記と同意義を示す。)で表される基で
あり、R2、R3、R4、R5及びR6が水酸基であり、R7
が直鎖状もしくは分岐状のC1-6アルキル基である化合
物(I)、(ii)R1がL−ロイシン残基、L−グルタ
ミン酸残基またはL−フェニルアラニン残基で置換され
ていてもよいアミノ基であり、R2、R3、R4、R5及び
6が水酸基であり、R7が直鎖状もしくは分岐状のC
1-6アルキル基である化合物(I)、(iii)R1がアミ
ノ基であり、R2、R3、R4、R5及びR6が水酸基であ
り、R7がイソブチル基である化合物(I)などが好ま
しい。
【0020】本発明における化合物の製造法を以下に述
べる。本発明の化合物(I)またはその塩は、例えば、
式(II)
【化7】 〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表されるカル
ボン酸またはその塩あるいはその反応性誘導体と式(II
I)
【化8】 〔式中、記号は前記と同意義を示す。〕で表される化合
物またはその塩とを反応させることにより製造すること
ができる。
【0021】上記反応におけるカルボン酸の反応性誘導
体は、例えば 酸ハロゲン化物法、アジド法、混合酸無
水物法(“他の酸”として塩化イソブチルオキシカルボ
ニルや塩化ピバル酸等が用いられる)、対称酸無水物
法、さらには縮合剤としてN,N'−カルボジイミダゾー
ル、N,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N'
−ジイソプロピルカルボジイミド、1−エチル−3−
(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、N−
エトキシカルボニル−2−エトキシ−1,2−ジヒドロ
キノリン、ジエチル ホスホロシアニダート、ジフェニ
ル ホスホリルアジド、2−(1H−ベンゾトリアゾー
ル−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウ
ム・テトラフルオロボレイト、2−(1H−ベンゾトリ
アゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウ
ロニウム・ヘキサフルオロホスフェート、ベンゾトリア
ゾール−1−イル−オキシ−トリス(ジメチルアミノ)
ホスホニウム・ヘキサフルオロホスフェート、ベンゾト
リアゾール−1−イル−オキシ−トリス−ピロリジノ−
ホスホニウム・ヘキサフルオロホスフェート、ブロモ−
トリス−ピロリジノ−ホスホニウム・ヘキサフルオロホ
スフェート、2−(5−ノルボルネン−2,3−ジカル
ボキシイミド)−テトラメチルウロニウム テトラフル
オロボレイト等を用いる方法、また4−ジメチルアミノ
ピリジン、3−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−4−オ
キソ−1,2,3−ベンゾトリアゾール、N−ヒドロキシ
こはく酸イミド、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−
2,3−ジカルボキシイミド、1−ヒドロキシベンゾト
リアゾール等の存在下に上記縮合剤を作用させる方法、
もしくはこれらを用いた活性エステル法等を用いること
により、製造することができる。
【0022】上記の反応は、通常、溶媒中で、式(II)
で表わされる化合物(II)に対して式(III)で表わさ
れる化合物(III)を約0.5ないし約10モル当量用い
て行われる。溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素類、例えば、ジクロロ
メタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、例え
ば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の飽和炭化
水素類、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等のエーテル類、例えば、アセトニトリ
ル等のニトリル類、例えば、ジメチルスルホキシド等の
スルホキシド類、例えば、N,N−ジメチルホルムアミ
ド等の酸アミド類、例えば、酢酸エチル等のエステル類
等または水が用いられる。これらの溶媒は単独で用いる
こともできるし、また必要に応じて二種またはそれ以上
の多種類を適当な割合、例えば、1:1ないし1:10
の割合で混合して用いてもよい。反応温度は、通常約−
80ないし約100℃、好ましくは約−50ないし約5
0℃程度である。反応時間は、約1ないし約96時間、
好ましくは約1ないし約72時間程度である。
【0023】式(II)で示される化合物は、例えば、Ho
ppe-Seyler's Z. Physiol. Chem.1970年,351
巻,839頁に記載された方法に準じて合成できる。式
(III)で示される化合物は、例えば、Tetrahedron Let
t., 1994年,35(5)巻,745頁に記載された
方法に準じて合成できる.また本発明の化合物(I)ま
たはその塩は、例えば、目的物(I)(R1=NH2)の
アミノ基に置換基を導入する反応で合成できる。その置
換基としては、例えば、カルボン酸またはその塩あるい
はその反応性誘導体などが挙げられる。ここにおける反
応条件及びカルボン酸誘導体の合成法としては、例え
ば、前記の化合物(II)と化合物(III)との反応と同
様なものが挙げられる。式Ra−Rb−Rc−において
a、Rb、Rcの各ユニット間の結合がアミド結合ある
いはエステル結合のいずれの場合においても、他の官能
基が適当な保護基により保護されていてもよいRdのカ
ルボン酸を活性化し、これともう一方の適当な保護基に
より保護されていてもよいアミンあるいはアルコール化
合物とを縮合する事ができる。縮合反応の後は、必要な
らば精製操作を経て部分的に保護基を除去し、次の同様
の縮合反応に付すこともできるし、得られた縮合生成物
が保護された最終目的物の場合は全保護基を除去し、必
要な場合は精製して純粋な目的物を得ることができる。
上記の一連の合成反応で用いられる種々のアミノ基、カ
ルボキシル基、ヒドロキシル基、カルボニル基等の保護
基としては下記のようなものを用いることができる。
【0024】アミノ基の保護基としては、例えば、ホル
ミル、アセチル、クロロアセチル、ジクロロアセチル、
トリクロロアセチル、トリフルオロアセチル、アセトア
セチル、o−ニトロフェニルアセチル等のアミドを形成
するタイプの保護基;例えば、tert−ブトキシカルボニ
ル、ベンジルオキシカルボニル、p−メトキシベンジル
オキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニ
ル、2−クロロベンジルオキシカルボニル、2,4−ジ
クロロベンジルオキシカルボニル、ベンズヒドリルオキ
シカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニ
ル、2−トリメチルシリルエトキシカルボニル、1−メ
チル−1−(4−ビフェニリル)エトキシカルボニル、
9−フルオレニルメトキシカルボニル、9−アントリル
メトキシカルボニル、イソニコチニルオキシカルボニ
ル、1−アダマンチルオキシカルボニル等のカルバメー
トを形成するタイプの保護基;ならびにトリチル、フタ
ロイル等が挙げられる。
【0025】水酸基の保護基としては、例えば、メトキ
シメチル、ベンジルオキシメチル、tert−ブトキシメチ
ル、2−メトキシエトキシメチル、2−(トリメチルシ
リル)エトキシメチル、メチルチオメチル、2−テトラ
ヒドロピラニル、4−メトキシ−4−テトラヒドロピラ
ニル、2−テトラヒドロピラニル、ベンジル、p−メト
キシベンジル、p−ニトロベンジル、o−ニトロベンジ
ル、2,6−ジクロルベンジル、トリチル等のエーテル
を形成するタイプの保護基;例えば、トリメチルシリ
ル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、イソ
プロピルジメチルシリル、ジエチルイソプロピルシリ
ル、tert−ブチルジメチルシリル、tert−ブチルジフェ
ニルシリル、トリベンジルシリル、トリフェニルシリ
ル、メチルジフェニルシリル等のシリルエーテルを形成
するタイプの保護基;例えば、ホルミル、アセチル、ク
ロロアセチル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチ
ル、ピバロイル、ベンゾイル、ベンジルオキシカルボニ
ル、2−ブロモベンジルオキシカルボニル等のエステル
を形成するタイプの保護基等が挙げられる。カルボキシ
ル基の保護基の好適な例としては、例えば、メチル、エ
チル、メトキシメチル、メトキシエトキシメチル、ベン
ジルオキシメチル、tert−ブチル、ベンジル、p−メト
キシベンジル、p−ニトロベンジル、o−ニトロベンジ
ル、ベンズヒドリル、トリチル、2,2,2−トリクロロ
エチル、2−トリメチルシリルエチル、アリル、シクロ
ヘキシル、シクロペンチル、フェナシル等のエステルを
形成するタイプの保護基;例えば、トリメチルシリル、
トリエチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、イソ
プロピルジメチルシリル、ジメチルフェニルシリル等の
シリルエステルを形成するタイプの保護基等が挙げられ
る。
【0026】カルボニル基の保護基としては、例えば、
ジメチル、ジエチル、ジベンジル、ジアセチル等のアセ
タールやケタール、もしくはジチオアセタールやジチオ
ケタールを形成するタイプの保護基;置換されていても
よい1,3−ジオキサン、1,3−ジオキソラン類を形成
するタイプや1,3−ジチアンや1,3−ジチオランを形
成するタイプ、さらには、N,N−ジメチル、2,4−ジ
ニトロフェニル等の置換ヒドラゾンを形成するタイプの
保護基等が挙げられる。これらのアミノ基の保護基、水
酸基の保護基、カルボニル基の保護基およびカルボキシ
ル基の保護基を除去する方法としては、例えば、酸によ
る方法、塩基による方法、還元による方法、紫外線によ
る方法、ヒドラジンによる方法、フェニルヒドラジンに
よる方法、N−メチルジチオカルバミン酸ナトリウムに
る方法、テトラブチルアンモニウムフルオリドによる方
法、酢酸パラジウムによる方法、塩化水銀による方法、
ルイス酸による方法等が挙げられ、これら一般的な方法
あるいはその他の公知の手段を適宜選択して用いること
ができる。ここで、酸による方法は、アミド、エステ
ル、シリルエステル、シリルエーテル等を加水分解する
一般的な方法の一つであり、対応する保護基の脱離に適
用される。例えば、tert−ブトキシカルボニル、p−メ
トキシベンジルオキシカルボニル、ベンズヒドリルオキ
シカルボニル、9−アントリルメトキシカルボニル、1
−メチル−1−(4−ビフェニル)エトキシカルボニ
ル、ダマンチルオキシカルボニル、トリチル等で保護さ
れたアミノ基;例えば、メトキシメチル、tert−ブトキ
シメチル、2−テトラヒドロピラニル、4−メトキシ−
4−テトラヒドロピラニル、2−テトラヒドロフラニ
ル、トリチル等で保護されたヒドロキシル基等の脱保護
にも繁用される。使用される酸の好適な例としては、例
えば、ギ酸、トリフルオロ酢酸、ベンゼンスルホン酸、
p−トルエンスルホン酸等の有機酸;例えば塩酸、臭化
水素酸、硫酸等の無機酸等が挙げられる。
【0027】塩基による方法は、酸による方法と同様に
アミド、エステル等を加水分解する一般的な方法の一つ
であり、対応する保護基の脱離に適用される。例えば、
9−フルオレニルメトキシカルボニルで保護されたアミ
ノ基の脱保護には有機塩基類が有効に用いられる。使用
される塩基の好適な例としては、例えば、水酸化リチウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アル
カリ金属、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の
水酸化アルカリ土類金属、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム等の炭酸アルカリ金属、炭酸マグネシウム、炭酸カル
シウム等の炭酸アルカリ土類金属、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素カリウム等の炭酸水素アルカリ金属、酢酸
ナトリウム、酢酸カリウム等の酢酸アルカリ金属、リン
酸カルシウム、リン酸マグネシウム等のリン酸アルカリ
土類金属、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリ
ウム等のリン酸水素アルカリ金属ならびにアンモニア水
等の無機塩基;例えば、トリメチルアミン、トリエチル
アミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ピコ
リン、N−メチルピロリジン、ピペリジン、N−メチル
ピペリジン、N−メチルモルホリン、1,5−ジアザビ
シクロ〔4.3.0〕ノン−5−エン、1,4−ジアザビ
シクロ〔2.2.2〕オクタン、1,8−ジアザビシクロ
〔5.4.0〕−7−ウンデセン等の有機塩基等が挙げら
れる。
【0028】還元による方法は、例えば、トリクロロア
セチル、トリフルオロアセチル、o−ニトロフェニルア
セチル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、ベ
ンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカ
ルボニル、2,4−ジクロロベンジルオキシカルボニ
ル、イソニコチニルオキシカルボニル、トリチル等で保
護されたアミノ基;例えば、ベンジル、p−ニトロベン
ジル等で保護されたヒドロキシル基;例えばベンジルオ
キシメチル、ベンジル、p−ニトロベンジル、フェナシ
ル、2,2,2−トリクロルエチル、ベンズヒドリル等で
保護されたカルボキシル基等の脱保護に適用される。使
用される還元法の好適な例としては、例えば、水素化ホ
ウ素ナトリウムによる還元、亜鉛/酢酸による還元、接
触還元等が挙げられる。紫外線による方法は、例えば、
o−ニトロベンジルで保護されたヒドロキシル基ならび
にカルボキシル基の脱保護に用いられる。ヒドラジンに
よる方法は、例えば、フタロイルで保護されたアミノ基
(例えば、フタルイミド基等)の脱保護に用いられる。
フェニルヒドラジンによる方法は、例えば、アセトアセ
チルで保護されたアミノ基の脱保護に用いられる。
【0029】N−メチルジチオカルバミン酸ナトリウム
による方法は、例えば、クロロアセチルで保護されたア
ミノ基ならびにヒドロキシル基の脱保護に用いられる。
テトラブチルアンモニウムフルオリドによる方法は、例
えば、2−トリメチルシリルエチルカルバメート、シリ
ルエーテル類ならびにシリルエステル類から保護基を除
去し、それぞれアミノ基、ヒドロキシル基ならびにカル
ボキシル基を得る方法として用いられる。酢酸パラジウ
ムによる方法は、例えば、アリルエステルから保護基を
除去してカルボキシル基を得る方法として用いられる。
塩化水銀による方法は、例えば、メチルチオメチルで保
護されたヒドロキシル基の脱保護に用いられる。ルイス
酸による方法は、例えば、2−メトキシエトキシメチル
で保護されたヒドロキシル基の脱保護に用いられる。使
用されるルイス酸の好適な例としては、例えば、臭化亜
鉛、四塩化チタン等が挙げられる。また、上記した一連
の反応で得られる、中間体、生成物、最終生成物は、必
要に応じて、公知のあるいはそれに準ずる分離精製手
段、例えば、濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結
晶、転溶、クロマトグラフィー等により単離精製するこ
とができる。
【0030】また、本発明化合物(例えば後述の式(I
V)で表される化合物;以下「HC−74」と称するこ
ともある)は微生物を用いることにより製造できる。本
製造法において用いられる微生物としては、例えば、日
本国愛知県渥美半島の土壌から分離されたアシネトバク
ター・エスピーHC−74株(Acinetobacter sp. HC
−74;以下「HC−74株」と称することもある)が
挙げられる。HC−74株の分類学的性状について、常
法に従って調べたところ、本菌は好気的に増殖するグラ
ム陰性、非運動性の球状菌で、細胞の大きさは幅が1.
2μm、長さが1.2−2.9μmであった。キノン系は
ユビキノンー9(UK−9)、DNAのG+C含量は3
7.8mol%、主要な菌体脂肪酸は、C160
16:1、C181であった。また、カタラーゼは陽性であ
りが、オキシダーゼは陰性であった。これらのデータをBe
rgey's Manual of Systematic Bacteriology vol. 1記
載の分類基準に照らした結果、HC−74株は アシネ
トバクター属に属する細菌であると同定された。アシネ
トバクター・エスピーHC−74株は財団法人発酵研究
所に平成9年10月1日から寄託番号IFO16117と
して寄託されており、又本微生物は、日本国通商産業省
工業技術院生命工学工業技術研究所(NIBH,日本国
茨城県つくば市谷田部町東1丁目1番3号)に平成9年
10月8日から寄託番号FERMBP−6137として
ブタペスト条約に基づいて寄託されている。アシネトバ
クター属細菌は、微生物の一般的性質として自然的また
は変異剤によって変異を起こし得る。たとえばX線、ガ
ンマー線、紫外線等の放射線の照射、種々の薬剤による
処理または薬剤を含有する培地上での培養、その他の手
段で変異させて得られる多くの変異株、あるいは自然的
に得られる突然変異株であっても、化合物HC−74を
生産する性質を有するものはすべて本発明の方法に利用
し得る。
【0031】本発明方法の培養に用いられる培地は用い
られる菌株が利用し得る栄養源を含むものなら、液状で
も固状でもよいが、大量に処理するときには液体培地を
用いるのがより適当である。培地には同化し得る栄養
源、消化し得る窒素源、無機物質、微量栄養素を適宜配
合される。炭素源としては、たとえばブドウ糖、乳糖、
ショ糖、麦芽糖、デキストリン、でん粉、グリセリン、
マンニトール、ソルビトール、油脂類(例、大豆油、オ
リーブ油、ヌカ油、ゴマ油、ラード油、チキン油な
ど)、窒素源としては、たとえば肉エキス、酵母エキ
ス、乾燥酵母、大豆粉、コーン・スチープ・リカー、ペ
プトン、綿実粉、廃糖蜜、尿素、アンモニウム塩類
(例、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アン
モニウム、酢酸アンモニウムなど)その他が用いられ
る。さらにナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネ
シウムなどを含む塩類、鉄、マンガン、亜鉛、コバル
ト、ニッケルなどの金属塩、りん酸、ホウ酸などの塩類
や酢酸、プロピオン酸などの有機酸の塩類が適宜用いら
れる。その他、アミノ酸(例、グルタミン酸、アスパラ
ギン酸、アラニン、リジン、バリン、メチオニン、プロ
リン等)、ビタミン類(例、B1、B2、ニコチン酸、B
12、C等)、核酸類(例、プリン、ピリミジンおよびそ
の誘導体)等を含有させてもよい。もちろん培地のpH
を調節する目的で無機または有機の酸、アルカリ類、緩
衝剤等を加え、あるいは消泡の目的で油脂類、表面活性
剤等の適量を添加される。
【0032】培養の手段は静置培養、振盪培養あるいは
通気撹拌培養等の適宜の手段を選択し得る。大量の処理
には、いわゆる深部通気撹拌培養によるのが望ましいこ
とはいうまでもない。培養の条件は培地の状態、組成、
菌株の種類、培養の手段によって一定しないのは当然で
あるが、それらは通常15℃〜37℃の温度で、初発p
H約5〜9付近に選択するのがよい。とりわけ、培養中
期の温度は20℃〜30℃、また初発pHは約6〜8の
条件が望ましい。培養時期も前記の諸条件により一定し
ないが、該目的化合物濃度が最大となるまで培養するの
がよい。これに要する時間は液体培地を用いる振盪培養
または通気撹拌培養の場合は通常約1〜10日間程度で
ある。上記のように培養することによって、後述する化
合物HC−74が生成蓄積され、化学的性質に従って培
養物から抽出、精製することが可能である。培養物から
目的とするHC−74を採取するには、微生物の生産す
る代謝物をその微生物培養物から採取するのに通常使用
される分離手段が適宜利用される。例えば、HC−74
は水溶性塩基性物質の性質を示し、主として培養上清中
に含まれるので、まず培養液からろ過あるいは遠心分離
によって菌体を除去する。
【0033】得られた培養上清液をさらに精製し、純粋
なHC−74 を得るには周知の種々のクロマトグラフ
ィー法が有利に用いられる。クロマトグラフィーの担体
としては活性炭〔例、クロマト用活性炭または粒状白鷺
炭(武田薬品工業社製)等〕、吸着性樹脂〔例、ダイヤ
イオンHP−20、HP−20SまたはHP−20S
S、セパビーズSP−207またはSP−850(三菱
化学社製)、アンバーライトXAD−IまたはXAD−
II(ローム・アンド・ハース社製、米国)等〕、微結晶
セルロース〔例、アビセル(旭化成社製)、フナセル
(フナコシ株式会社製)等〕、シリカゲル〔例、キ−ゼ
ルゲル60(メルク社製、ドイツ)等〕など化合物の吸
着性の差を利用するもの、または陽イオン交換樹脂
〔例、アンバ−ライトIR−120、IRC−50また
はCG−50(ローム・アンド・ハース社製、米国)、
ダウエックス50W(ダウ・ケミカル社製,米国)、ダ
イヤイオンPK216(三菱化学社製)、CNP−80
(バイエル社製、ドイツ)等〕、陰イオン交換樹脂
〔例、アンバーライトIRA−402、IRA−67ま
たはIRA−68(ローム・アンド・ハース社製,米
国)、ダウエックス1(ダウ・ケミカル社製、米国)、
ダイヤイオンSA21A、PA−406、 PA−41
2またはWA−30(三菱化学社製)等〕、イオン交換
セルロース〔 CM−セルロース(ファルマシア社製、
スウェーデン)等〕、イオン交換セファデックス〔例、
QAE−セファデックスまたはCM−セファデックス
(ファルマシア社製、スウェーデン)等〕など化合物の
官能基の差を利用するもの、あるいは分子ふるい性担体
〔例、セファデックスG−10またはLH−20(ファ
ルマシア社製、スウェーデン)等〕など化合物の分子量
の差を利用するもの等が有利に用いられる。
【0034】クロマトグラフィーに用いる溶媒として
は、担体の種類、性質によって組み合わせが異なるが、
例えば、水、アルカリ(例、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニア等)含有水
溶液、酸(例、塩酸、硫酸、酢酸、ギ酸、リン酸等)含
有水溶液、塩類含有水溶液(例、食塩水、酢酸緩衝液、
リン酸緩衝液等)および水と混和し得る有機溶媒(例、
メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ア
セトン、アセトニトリル等)などの単独あるいは適宜の
割合の混合溶媒が用いられる。また、本発明においては
目的化合物を精製する場合に分取用高速液体クロマトグ
ラフィー(HPLC)法も有利に用いられる。この方法
を適用する場合、担体としてはオクタデシルシラン(O
DS)系、ポリマー系およびシリカゲル系のものが有利
に用いられる。例えば、ODS系の場合、YMCゲル
(ワイエムシイ社製)あるいはTSKゲル(東ソー社
製)などが、ポリマー系の場合、ポリマーにオクタデシ
ル基を導入したODP(旭化成社製)あるいはポリマー
にポリアミンを導入したNH2P(旭化成社製)などが
用いられる。移動相としては水、酸含有水溶液、塩類含
有水溶液、メタノール、アセトニトリルなどの単独ある
いは適宜の割合の混合溶液が有利に用いられる。さら
に、本発明においては目的化合物を精製する場合に結晶
化も有利に用いられる。結晶化に用いる溶媒としては、
例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロピルア
ルコール、アセトン、アセトニトリルなどの単独あるい
は適宜の割合の混合溶媒が用いられる。後述する実施例
2で得られたHC−74・1/2硫酸塩の物理化学的性質
を以下に示す。
【0035】1)外観:無色結晶 2)比旋光度:−62゜(c=0.52、水、24℃) 3)分子量:SI−マススペクトル;m/z 295(M
+ H)+ 4)元素分析値:(%)(水分1/4モルとして計算) 実測値;C, 41.34; H, 7.67; N, 7.96; S, 4.64 計算値;C, 41.43; H, 7.97; N, 8.05; S, 4.61 5)分子式:C122626・1/2H2SO4 6)UVスペクトル: 水中;末端吸収 7)IRスペクトル:KBr錠剤中、主な吸収を示す
(波数、cm-1、図1)。 3390, 2960, 1650, 1540, 1130, 1110, 1060, 620 8)13C−NMRスペクトル:重水中、以下のシグナル
が認められる。(75 MHz、δppm 図2) 175.5, 75.5, 72.1, 71.6, 64.2, 60.3, 57.2, 54.4, 4
4.2, 26.6, 26.0,23.5 9)呈色反応: 陽性;ニンヒドリン、グレイグ・リーバック反応 陰性;エールリッヒ、坂口反応 10)高速液体クロマトグラフィー(HPLC): カラム;YMC-Pack ODS-A, A-312, 150×6.0 mm(ワイエ
ムシイ社製) 移 動 相;4%(v/v)アセトニトリル/0.05Mリン酸緩衝
液(pH 3) 流 速;1.0ml/分 検 出 法; UV吸収、214nm 保持時間;10.2分 12)薄層クロマトグラフィー(TLC): 担 体;シリカゲル60F254、0.25 mm (メルク社
製、ドイツ) 展開溶媒;n-ブタノール/酢酸/水(2:1:1) Rf値 ;0.16 HC−74の構造式は下記式(IV)の通りである。
【化9】 一般式(I)で表される化合物またはその塩は以下化合
物(I)と称することもある。
【0036】本発明の化合物(I)の塩としては、薬理
学的に許容しうる塩基付加塩または酸付加塩が用いられ
る。塩基付加塩としては、例えば、アルカリ金属(例、
ナトリウム、カリウム等)との塩あるいはアルカリ土類
金属(例、カルシウム、マグネシウム等)との塩などが
挙げられる。酸付加塩としては、例えば、無機酸(例、
塩酸、臭化水素、ヨウ化水素、硫酸、リン酸等)との塩
あるいは有機酸(例、酢酸、プロピオン酸、乳酸、コハ
ク酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、グルコン酸、ア
スコルビン酸、安息香酸、メタンスルホン酸、p−トル
エンスルホン酸、ケイ皮酸、フマル酸、リンゴ酸、シュ
ウ酸等)との塩などが挙げられる。また、一般式(I)
で表される化合物またはその水和物および非水和物も本
発明の範囲に包含されるものである。
【0037】本発明の化合物(I)は、自体公知の手
段、例えば、溶媒抽出、液性変換、転溶、晶出、再結
晶、クロマトグラフィーなどによって単離、精製するこ
とができる。また、本発明の化合物(I)の原料化合物
またはその塩は、前記と同様の公知の手段などによって
単離、精製することができるが、単離することなくその
まま反応混合物として次の工程の原料として供されても
よい。本発明の化合物(I)が、光学異性体、立体異性
体、位置異性体または回転異性体を含有する場合には、
これらも本発明の化合物に包含されるとともに、自体公
知の合成手法、分離手法によりそれぞれ単品として得る
ことができる。例えば、本発明の化合物に光学異性体が
存在する場合には、該化合物から分割された光学異性体
も本発明に包含される。光学異性体は自体公知の方法に
より製造することができる。具体的には、光学活性な合
成中間体を用いるかもしくは最終物のラセミ体の混合物
を常法に従って光学分割することにより光学異性体を得
る。光学分割法としては、自体公知の方法、例えば、下
記の分別再結晶法、キラルカラム法、ジアステレオマー
法などが用いられる。
【0038】(1)分別再結晶法 ラセミ体と光学活性な化合物とで塩を形成させ、これを
分別再結晶法によって分離し、所望により、中和工程を
経てフリーの光学異性体を得る方法。 (2)キラルカラム法 ラセミ体またはその塩を光学異性体分離用カラム(キラ
ルカラム)にかけて分離する方法。例えば、液体クロマ
トグラフィーの場合、ENANTIO-OVM(トーソー社製)な
どのキラルカラムに光学異性体の混合物を添加し、水、
種々の緩衝液(例、リン酸緩衝液など)、有機溶媒
(例、エタノール、メタノール、アセトニトリルなど)
を単独あるいは混合した溶液として展開させることによ
り、光学異性体を分離する。また、例えば、ガスクロマ
トグラフィーの場合、CP-Chirasil-DeXCB(ジーエルサ
イエンス社製)などのキラルカラムを使用して分離す
る。 (3)ジアステレオマー法 ラセミ体の混合物を光学活性な試薬と化学反応によって
ジアステレオマーの混合物とし、これを通常の分離手段
(例えば、分別再結晶、クロマトグラフィー法など)な
どを経て単一物質とした後、加水分解反応などの化学的
な処理により光学活性な試薬部位を切り離すことにより
光学異性体を得る方法。例えば、本発明の化合物が分子
内に水酸基または1ないし2級アミノ基を有する場合、
該化合物と光学活性な有機酸(例えば、MTPA[α−
メトキシ−α−(トリフルオロメチル)フェニル酢
酸]、(−)−メントキシ酢酸など)などとを縮合反応
に付すことにより、それぞれエステル体またはアミド体
のジアステレオマーが得られる。一方、本発明の化合物
がカルボン酸を有する場合、該化合物と光学活性アミン
またはアルコール試薬とを縮合反応に付すことにより、
それぞれアミド体またはエステル体のジアステレオマー
が得られる。分離されたジアステレオマーは、酸加水分
解あるいは塩基性加水分解反応に付すことにより、もと
の化合物の光学異性体に変換される。
【0039】本発明の化合物(I)は、毒性が低く、優
れた医薬用生理活性作用を有し、例えば、抗菌作用、特
にヘリコバクター・ピロリに代表されるヘリコバクター
属菌に対する強い抗菌活性を有するために、ヘリコバク
ター・ピロリの感染に起因する疾患「十二指腸潰瘍、胃
潰瘍、胃炎(慢性胃炎を含む)、胃癌など」の予防又は
治療に有効である。従って、本発明の化合物(I)を含
有する本発明製剤は、例えば、安全な抗菌剤及び抗潰瘍
剤などとして、ヒト等の哺乳動物(例えば、人、犬、
猫、サル、ラット、マウス、馬、牛等)に経口的又は非
経口的に投与することができ、通常経口的な投与が好ま
しい。経口投与する場合の剤形の例としては、例えば、
錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠を含む)、丸
剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤(ソフトカプセル剤を含
む)、シロップ剤、乳剤、懸濁剤等が用いられる。ま
た、非経口投与する場合の剤形としては、例えば、注射
剤、注入剤、点滴剤、坐剤等が用いられる。
【0040】本発明製剤中の化合物(I)の含有量は、
通常約2〜85重量%、好ましくは約5〜70重量%で
ある。化合物(I)を上記の剤形に製造する方法として
は、当該分野で一般的に用いられている公知の製造方法
を適用することができる。また、上記の剤形に製造する
場合には、必要に応じて、その剤形に製する際に製剤分
野において通常用いられる賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑
沢剤、甘味剤、界面活性剤、懸濁化剤、乳化剤等を適
宜、適量含有させて製造することができる。例えば、化
合物(I)を錠剤に製する場合には、賦形剤、結合剤、
崩壊剤、滑沢剤等を含有させて製造することができ、丸
剤及び顆粒剤に製する場合には、賦形剤、結合剤、崩壊
剤等を含有させて製造することができる。また、散剤及
びカプセル剤に製する場合には、賦形剤等を、シロップ
剤に製する場合には、甘味剤等を、乳剤及び懸濁剤に製
する場合には、懸濁化剤、界面活性剤、乳化剤等を含有
させて製造することができる。賦形剤としては、例え
ば、乳糖、白糖、ブドウ糖、でんぷん、蔗糖、微結晶セ
ルロース、カンゾウ末、マンニトール、炭酸水素ナトリ
ウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム等が用いられ
る。結合剤としては、例えば、約5〜10重量%デンプ
ンのり液、約10〜20重量%アラビアゴム液又はゼラ
チン液、約1〜5重量%トラガント液、カルボキシメチ
ルセルロース液、アルギン酸ナトリウム液、グリセリン
等が用いられる。崩壊剤としては、例えば、でんぷん、
炭酸カルシウム等が用いられる。滑沢剤としては、ステ
アリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ステアリン酸カ
ルシウム、精製タルク等が用いられる。甘味剤として
は、例えば、ブドウ糖、果糖、転化糖、ソルビトール、
キシリトール、グリセリン、単シロップ等が用いられ
る。界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリ
ウム、ポリソルベート80、ソルビタンモノ脂肪酸エス
テル、ステアリン酸ポリオキシル40等が用いられる。
懸濁化剤としては、例えば、アラビアゴム、アルギン酸
ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、
メチルセルロース、ベントナイト等が用いられる。乳化
剤としては、例えば、アラビアゴム、トラガント、ゼラ
チン、ポリソルベート80等が用いられる。更に、本化
合物(I)を上記の剤形に製造する場合には、所望によ
り、製剤分野において通常用いられる着色剤、保存剤、
芳香剤、矯味剤、安定剤、粘稠剤等を適宜、適量添加す
ることができる。化合物(I)又はその医薬的に許容さ
れる塩を含有する本発明製剤は、安定かつ低毒性で安全
に使用することができる。その1日の投与量は患者の状
態や体重、化合物の種類、投与経路等によって異なる
が、ヘリコバクター・ピロリ感染に起因する胃潰瘍の患
者に対して経口投与する場合には、成人(体重約60k
g)1日当たりの投与量は有効成分(化合物(I)また
はその塩)として約1〜500mgであり、約10〜2
00mgが好ましい。
【0041】また、本発明製剤において化合物(I)
は、他の抗菌剤及び抗潰瘍剤と併用して投与することも
できる。上記、化合物(I)と併用することができる他
の抗菌剤としては、例えば、ニトロイミダゾール抗生物
質(例えば、チニダゾール及びメトロニダゾール)、テ
トラサイクリン類(例えば、テトラサイクリン、ドキシ
サイクリン及びミノサイクリン)、ペニシリン類(例え
ば、アモキシシリン、アンピシリン及びメズロシリ
ン)、セファロスポリン類(例えば、セファクロル、セ
ファドロキシル、セファドリン、セフロキシム、セフロ
キシムアクセチル、セファレキシン、セフポドキシムプ
ロキセチル、セフタジジム及びセフトリアクソン)、カ
ルバペネム類(例えば、イミペネム及びメロペネム)、
アミノグリコシド類(例えば、パロモマイシン)、マク
ロリド抗生物質(例えば、エリスロマイシン、クラリス
ロマイシン及びアジスロマイシン)、リンコサミド抗生
物質(例えば、クリンダマイシン)、リファマイシン類
(例えば、リファンピシン)並びにニトロフラントイン
などが用いられる。また、化合物(I)と併用すること
ができる抗潰瘍剤としては、例えば、プロトンポンプ阻
害剤(例えば、ランソプラゾール,オメプラゾール)ま
たはH2 アンタゴニスト(例えば、ラニチジン、シメチ
ジン及びファモチジン)などが用いられる。上記他の抗
菌剤および抗潰瘍剤は二種以上組合せて用いることがで
きる。この場合上記他の抗菌剤の投与量は経口投与の場
合成人1日当り約1〜500mg、好ましくは約5〜2
00mgであり、上記抗潰瘍剤の投与量は経口投与の場
合成人1日当り約0.5〜1000mg、好ましくは約
1〜500mgである。
【0042】
【発明の実施の形態】以下に実施例、実験例、製剤例を
あげて本発明を更に詳しく説明するが、これによって本
発明が限定されるものではない。なお、パーセント
(%)は、特に断りの無い限り、重量/容量パーセント
を示す。また、溶媒の混合比率は、特に断りの無い限
り、容量比を示す。NMRスペクトルは、ブルカーAC
−300スペクトルメーターまたはバリアンgemini20
0型スペクトルメーターを用いて測定した。また、室温
とは通常約15〜25℃の範囲を示すが、特に厳密に限
定されるものではない。
【実施例】実施例1 グルコース0.1%,トリプトン0.5%,酵母エキス
0.25%,寒天1.5%からなる斜面培地上に予め十分
に生育したアシネトバクター・エスピーHC−74株の
一白金耳を、グルコース2.0%,可溶性澱粉3.0%,
コーン・スチープ・リカー0.3%,生大豆粉1.0%,
ポペプトン0.5%,酵母エキス0.1%,塩化ナトリウ
ム0.3%および沈降性炭酸カルシウム0.5%からなる
pH7.0の種培養培地500mlを分注滅菌した2L
容坂口フラスコに接種して、往復振盪機上で28℃で1
日間培養した。この培養液500mlをグルコース2.
0%,可溶性澱粉3.0%,コーン・スチープ・リカー
0.3%,生大豆粉1.0%,ポペプトン0.5%,酵母
エキス0.1%,塩化ナトリウム0.3%,沈降性炭酸カ
ルシウム0.5%,アクトコール0.05%及びシリコー
ン0.05%からなるpH7.0の主培養培地120L を
含む200L容発酵槽に移植し、温度22℃、内圧1.
0kg/cm2, 通気120L/min, 撹拌120rpm の条
件下で66時間培養を行なった。この条件で培養を2バ
ッチ行った。
【0043】実施例2 実施例1で得られた培養液(120リットル)2バッチ
分を、ろ過補助剤(ラジオライト 600、昭和化学工
業社製)を用いてろ過した。ろ液(210リットル)を
pH7に補正後、 SP−207(15リットル)のカ
ラムクロマトグラフィーに付し、水(45リットル)で
洗浄後、30%(v/v)イソプロピルアルコール水(45
リットル)で溶出した。溶出液を、IRA−67(OH
型、5リットル)、IR−120(NH4型、7リット
ル)のカラムを順次通過させ、30%(v/v)イソプロピ
ルアルコール水(10リットル)で洗浄した。IR−1
20(NH4型、7リットル)のカラムのみ、水洗(2
0リットル)後、2Nアンモニア水(30リットル)で
溶出した。溶出液を5.7リットルまで濃縮後、pH6
に補正し、CM−セファデックス C−25(Na型、
500ml)のカラムクロマトグラフィーに付した。水
(1.5リットル)、0.05M食塩水(500ml)
で順次洗浄後、0.05M食塩水(2.5リットル)で
溶出した。溶出液をpH5に補正後、粒状白鷺炭(15
0ml)のカラムクロマトグラフィーに付し、水洗(4
50ml)後、50%(v/v)イソプロピルアルコール水
(450ml)で溶出した。溶出液を濃縮後、凍結乾燥
して粗粉末−I(940mg)を得た。通過液と水洗液
を合わせてpH5に補正後、再度粒状白鷺炭(100m
l)のカラムクロマトグラフィーで脱塩を行い、粗粉末
−I(1.55g)を得た。得られた粗粉末−Iを分取
HPLC〔カラム;YMC-Pack SH-363-15, ODS(ワイエ
ムシイ社製)、移動相;5%(v/v)アセトニトリル/
0.05Mリン酸緩衝液(pH6.3)、流速;12m
l/分〕に付し、HC−74を含む画分を集め濃縮し
た。濃縮液をIRA−402(SO4型、70ml)の
カラムを通過させ、水(100ml)で洗浄した。通過
液と水洗液を合わせpH5に補正後、粒状白鷺炭(30
ml)のカラムクロマトグラフィーに付し、水(90m
l)で洗浄後、50%(v/v)イソプロピルアルコール水
(90ml)で溶出した。溶出液を濃縮後、凍結乾燥し
てHC−74・1/2硫酸塩の白色粉末(410mg)を
得た。粗粉末−IIも同様に処理してHC−74・1/2硫
酸塩の白色粉末(1.14g)を得た。得られた粉末の
うち500mgをメタノールで結晶化して、HC−74
・1/2硫酸塩(330mg)を結晶として得た。
【0044】実施例3 N−(6−メチル−1,3,4−トリヒドロキシヘプタ
ン−2−イル)−2,4−ジヒドロキシ−3−(L−ロ
イシルアミノ)−ブタンカルボキサミド N−ベンジルオキシカルボニル−L−ロイシン・ジシク
ロヘキシルアミン塩(160mg)を酢酸エチル(15
ml)に懸濁し、1N硫酸(10ml)を加え、10分
間よく撹拌した。酢酸エチル層を分取し、硫酸マグネシ
ウムで乾燥後減圧濃縮した。残渣をアセトニトリル(1
0ml)に溶解し、室温でN−ヒドロキシコハク酸イミ
ド(43mg)を加えた。室温でN,N’−ジシクロヘ
キシルカルボジイミド(75mg)を加え、16時間撹
拌した。析出した固体を瀘去し、瀘液にHC−74・1/
2硫酸塩(125mg)とトリエチルアミン(0.1m
l)およびジメチルホルムアミド(30ml)を加え
た。室温で2日間撹拌後、減圧濃縮した。残渣をメタノ
ール(20ml)に溶解し、10%パラジウム炭素(7
0mg)を加え、水素雰囲気下3日間撹拌した。触媒を
瀘去し、瀘液を減圧濃縮した。残渣をダイアイオンHP
−20SSカラムクロマトグラフィーに付し、水−アセ
トニトリルで溶出した。目的物を含む分画を集めて減圧
濃縮、凍結乾燥して標記化合物66mgを得た。 IR(KBr,cm-1):3281,3067,2959,1672,1535,1123,
1057。 NMR(D2O)δ:0.87(3H,d,J=6.6Hz), 0.92(3H,d,J
=6.6Hz), 0.96(3H,d,J=6.2Hz), 0.98(3H,d,J=6.2Hz),
1.32-1.51(2H,m), 1.60-1.85(4H,m), 3.45-3.80(6H,m),
4.04(1H,t,J=7.0Hz), 4.20-4.42(3H,m), 7.84(1H,bd,J
=9.6Hz)。
【0045】実施例4 N−(6−メチル−1,3,4−トリヒドロキシヘプタ
ン−2−イル)−2,4−ジヒドロキシ−3−(L−グ
ルタミルアミノ)−ブタンカルボキサミド N−ベンジルオキシカルボニル−L−グルタミン酸γ−
t−ブチルエステル(337mg)をアセトニトリル
(30ml)に溶解し、室温でN−ヒドロキシコハク酸
イミド(121mg)を加えた。室温でN,N’−ジシ
クロヘキシルカルボジイミド(75mg)を加え、3時
間撹拌した。析出した固体を瀘去し、瀘液にHC−74
・1/2硫酸塩(348mg)とトリエチルアミン(0.
3ml)およびジメチルホルムアミド(90ml)を加
えた。室温で7日間撹拌後、減圧濃縮した。残渣にトリ
フルオロ酢酸(20ml)を加え、室温で4時間撹拌し
た。減圧濃縮後、残渣をメタノール(40ml)に溶解
し、10%パラジウム炭素(200mg)を加え、水素
雰囲気下2日間撹拌した。触媒を瀘去し、瀘液を減圧濃
縮した。残渣をダイアイオンHP−20SSカラムクロ
マトグラフィーに付し、水−アセトニトリルで溶出し
た。目的物を含む分画を集めて減圧濃縮した。残渣をセ
ファデックスLH−20に付し、水で溶出した。目的物
を含む分画を集めて減圧濃縮し、残渣を再度ダイアイオ
ンHP−20SSカラムクロマトグラフィーに付し、水
で溶出した。目的物を含む分画を集めて減圧濃縮、凍結
乾燥して標記化合物133mgを得た。 元素分析値:C173339・2.0H2O 計算値:C,44.44; H,8.12; N,9.14 実測値:C,44.25; H,7.89; N,9.06 IR(KBr,cm-1):3280,2957,1672,1535,1402,1271,
1053。 NMR(D2O)δ:0.86(3H,d,J=6.5Hz), 0.92(3H,d,J
=6.6Hz), 1.30-1.49(2H,m), 1.76(1H,m), 2.06-2.17(2
H,m), 2.36(1H,t,J=7.2Hz), 3.45-3.79(6H,m), 4.04(1
H,t,J=6.3Hz), 4.26(1H,m), 4.33-4.93(2H,m)。
【0046】実施例5 N−(6−メチル−1,3,4−トリヒドロキシヘプタ
ン−2−イル)−2,4−ジヒドロキシ−3−(L−フ
ェニルアラニルアミノ)−ブタンカルボキサミド N−ベンジルオキシカルボニル−L−フェニルアラニン
(150mg)をアセトニトリル(15ml)に溶解
し、室温でN−ヒドロキシコハク酸イミド(61mg)
を加えた。室温でN,N’−ジシクロヘキシルカルボジ
イミド(105mg)を加え、4時間撹拌した。析出し
た固体を瀘去し、瀘液にHC−74・1/2硫酸塩(17
4mg)とトリエチルアミン(0.15ml)およびジ
メチルホルムアミド(45ml)を加えた。室温で6日
間撹拌後、減圧濃縮した。残渣をメタノール(20m
l)に溶解し、10%パラジウム炭素(100mg)を
加え、水素雰囲気下3時間撹拌した。触媒を瀘去し、瀘
液を減圧濃縮した。残渣をダイアイオンHP−20SS
カラムクロマトグラフィーに付し、水−アセトニトリル
で溶出した。目的物を含む分画を集めて減圧濃縮、凍結
乾燥して標記化合物56mgを得た。 IR(KBr,cm-1):3274,2957,1676,1534,1119。 NMR(D2O)δ:0.87(3H,d,J=6.5Hz), 0.93(3H,d,J
=6.6Hz), 1.27-1.48(2H,m), 1.75(1H,m), 3.12-3.32(2
H,m), 3.44-3.74(7H,m), 4.01(1H,d,J=3.5Hz), 4.18-4.
35(3H,m), 7.30-7.50(5H,m), 7.75(1H,bd,J=9.6Hz)。
【0047】実験例1 in vitro 抗菌試験: ヘリコバクター・ピロリ(Helic
obacter pylori)に対する in vitro 抗菌活性試験 HC−74・1/2硫酸塩の抗菌活性は、被験菌として、
ヘリコバクター・ピロリ(NCTC 11637)菌を
使用し、以下の方法[寒天希釈(Agar Dilution)法]
によって測定した。HC−74・1/2硫酸塩をジメチル
スルホキシドに溶解し、滅菌蒸留水で2倍ずつ段階的に
希釈することによって被験サンプルを調製した。培地と
して7%馬血液加 Brucella agar を使用し、調製した
被験サンプル2ミリリットルを、各々7%馬血液加 Bru
cella agar 18ミリリットルと混和することによっ
て、測定用平板を作製した。ヘリコバクター・ピロリ菌
は、2.5%牛胎児血清添加 Brucella broth 培地を使
用して、CampyPakTM(BBLR Beckton Dickinson Micr
obiology Systems)を挿入したガスパックジャー中で、
37℃、20時間振盪培養して、種菌液とした。2.5
%牛胎児血清添加 Brucella broth 培地を用いて約10
6 CFU/mlに調整した菌液5マイクロリットルを、
各々の測定用平板に接種し、CampyPakTMと水を含ませた
脱脂綿を挿入したガスパックジャー中で、37℃、4日
間培養した。培養後、菌株の発育を肉眼で観察し、菌株
の発育が観察されない最低濃度を該被験化合物のMIC
値(最小発育阻止濃度)とした。HC−74・1/2硫酸
塩のMIC値は、0.4(μg/ml)であった。
【0048】実験例2 in vivo 抗菌活性試験: マウス(Crj:ICR、雄、5週
齢)を20時間絶食させた後、ヘリコバクター・ピロリT
N2F4をマウス当たり107.54 CFU胃内に接種し
た。感染13日後から0.5%メチルセルロース水溶液
に懸濁した被験化合物の50mg/kgを1日朝夕2
回、2日間経口投与した。最終投与翌日に感染マウスの
胃を摘出して破砕し、その10倍希釈系列を活性炭添加
変法 Skirrow培地に接種して微好気条件下37℃で4日
間培養を行い、菌の発育の有無をもとに菌数減少効果を
求めた。結果を〔表1〕に示す。なお、細菌数は平均±
標準誤差で表し、対照群に対して t 検定を行った。
〔表1〕において **はP<0.01を示す。
【表1】 〔表1〕に示す通り、HC−74・1/2硫酸塩は50m
g/kg投与で有意の菌数減少が認められた。従って、
ヘリコバクター・ピロリ感染に起因する胃炎、胃潰瘍、
十二指腸潰瘍、胃癌の予防および治療に本発明製剤が有
効であることが分かる。
【0049】製剤例 本発明の化合物またはその塩を有効成分として含有して
なる、ヘリコバクター・ピロリ感染症治療剤として使用
する場合、次のような処方によって製造することができ
る。 1.カプセル剤 (1) HC−74・1/2硫酸塩 100mg (2) ラクトース 90mg (3) 微結晶セルロース 70mg (4) ステアリン酸マグネシウム 10mg 1カプセル 270mg (1)、(2)と(3)の全量及び(4)の1/2を混和した後、顆
粒化する。これに残りの(4)を加えて全体をゼラチンカ
プセルに封入する。 2.錠剤 (1) HC−74・1/2硫酸塩 100mg (2) ラクトース 35mg (3) コーンスターチ 150mg (4) 微結晶セルロース 30mg (5) ステアリン酸マグネシウム 5mg 1錠 320mg (1)、(2)と(3)の全量及び(4)の2/3及び(5)の1/2
を混和した後、顆粒化する。これに残りの(4)及び(5)を
この顆粒に加えて錠剤に加圧成型する。
【0050】
【発明の効果】本発明の化合物(I)は、ヘリコバクタ
ー・ピロリに代表されるヘリコバクター属菌に対して極
めて特異的な強い抗菌活性を有する。従って、化合物
(I)を使用すれば、ヘリコバクター属菌(特にヘリコ
バクター・ピロリ)に対する従来の抗菌剤の有効量より
非常に少ない投与量で望ましい抗ヘリコバクター・ピロ
リ剤としての効果を得ることができる。化合物(I)
は、ヘリコバクター属菌に起因する十二指腸潰瘍、胃潰
瘍、慢性胃炎、胃癌等の各種の疾患の予防又は治療に有
効であり、ヘリコバクター・ピロリは潰瘍を再発させる
大きな原因でもあるため、化合物(I)は、潰瘍の再発
防止にも有効である。また、化合物(I)は、スタフィ
ロコッカス属またはバチルス属等のグラム陽性菌、及び
エシェリヒア属、シウドモナス属、プロテウス属、クレ
ビシエラ属、セラチア属、サルモネラ属、シテロバクタ
ー属及びアルカリゲネス属などのようなグラム陰性菌に
対する抗菌作用を示さない。従って、化合物(I)は、
ヘリコバクター属細菌の疾患の予防又は治療に選択的に
有効であり、その他の細菌及び真菌類への影響が極めて
少なく、副作用のない安全な薬剤として使用しうる。化
合物(I)は、安定かつ低毒性である。即ち、本発明
は、副作用のない優れた抗ヘリコバクター・ピロリ剤を
提供するものである。
【0051】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2で得られたHC−74・1/2硫酸塩の
IRスペクトルを示す。
【図2】実施例2で得られたHC−74・1/2硫酸塩の
13C−NMRスペクトルを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 45/06 A61K 45/06 C07C 237/22 C07C 237/22 C12P 1/04 C12P 1/04 (72)発明者 神山 圭司 大阪府茨木市松ケ本町5番41号

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 【化1】 〔式中、R1は置換されていてもよいアミノ基を、R2
    3、R4、R5及びR6はそれぞれ保護されていてもよい
    水酸基を、R7は炭化水素基を示す〕で表される化合物
    またはその塩。
  2. 【請求項2】R1がアシルアミノ基である請求項1記載
    の化合物。
  3. 【請求項3】アシルアミノ基が1ないし複数個結合した
    アミノ酸残基で置換されたアミノ基である請求項2記載
    の化合物。
  4. 【請求項4】アミノ酸残基がα−アミノ酸残基である請
    求項3記載の化合物。
  5. 【請求項5】R1がL−ロイシン残基、L−グルタミン
    酸残基またはL−フェニルアラニン残基で置換されたア
    ミノ基である請求項1記載の化合物。
  6. 【請求項6】R7がアルキル基である請求項1記載の化
    合物。
  7. 【請求項7】R7がC1-6アルキル基である請求項1記載
    の化合物。
  8. 【請求項8】R7がイソブチル基である請求項1記載の
    化合物。
  9. 【請求項9】R2、R3、R4、R5及びR6が水酸基であ
    る請求項1記載の化合物。
  10. 【請求項10】R1がアミノ基であり、R2、R3、R4
    5及びR6が水酸基であり、R7がイソブチル基である
    請求項1記載の化合物。
  11. 【請求項11】請求項1記載の化合物を含有してなる医
    薬。
  12. 【請求項12】請求項1記載の化合物を含有することを
    特徴とする抗ヘリコバクター・ピロリ剤。
  13. 【請求項13】ヘリコバクター・ピロリ感染疾患予防治
    療剤である請求項12記載の抗ヘリコバクター・ピロリ
    剤。
  14. 【請求項14】ヘリコバクター・ピロリ感染疾患が胃も
    しくは十二指腸潰瘍、胃炎または胃癌である請求項13
    記載の抗ヘリコバクター・ピロリ剤。
  15. 【請求項15】請求項1記載の化合物とそれ以外の抗菌
    剤または(及び)潰瘍治療剤とを組み合わせてなる抗ヘ
    リコバクター・ピロリ剤。
  16. 【請求項16】式 【化2】 〔式中、R1は置換されていてもよいアミノ基を、R2
    びR3はそれぞれ保護されていてもよい水酸基を示す〕
    で表されるカルボン酸またはその塩あるいはその反応牲
    誘導体と式 【化3】 〔式中、R4、R5及びR6は保護されていてもよい水酸
    基を、R7は炭化水素基を示す〕で表される化合物また
    はその塩とを反応させることを特徴とする請求項1記載
    の化合物の製造法。
  17. 【請求項17】アシネトバクター属に属し請求項10記
    載の化合物を生産する能力を有する微生物を培地に培養
    し、培養液中に該化合物を生成蓄積せしめ、これを採取
    することを特徴とする請求項10記載の化合物の製造
    法。
  18. 【請求項18】微生物がアシネトバクター・エスピーH
    C−74株である請求項17記載の製造法。
  19. 【請求項19】請求項10記載の化合物の生産能を有す
    るアシネトバクター・エスピーHC−74。
JP31152298A 1997-11-04 1998-11-02 ポリアルコール類、その製造法及び用途 Withdrawn JPH11222473A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006288247A (ja) * 2005-04-08 2006-10-26 Asahi Kasei Chemicals Corp 微生物の培養方法

Cited By (1)

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