JPH11235193A - マルトトリオース液の製造方法 - Google Patents

マルトトリオース液の製造方法

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JPH11235193A
JPH11235193A JP4065298A JP4065298A JPH11235193A JP H11235193 A JPH11235193 A JP H11235193A JP 4065298 A JP4065298 A JP 4065298A JP 4065298 A JP4065298 A JP 4065298A JP H11235193 A JPH11235193 A JP H11235193A
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千晶 浜島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マルトトリオヒドロラーゼを少量の使用で、
高純度(45%以上の)のマルトトリオース液を製造す
ることができるマルトトリオースの製造方法を提供する
こと。 【解決手段】 高純度のマルトトリオースを製造する方
法。澱粉の液化液に、分解酵素としてマルトトリオヒド
ロラーゼを作用させてマルトトリオース含有量が25%/
ds以上の糖化液を調製する糖化液調製工程と、該糖化液
を、イオン交換クロマトグラフィーで、高純度マルトト
リオース液画分と非老化性デキストリン液画分とにクロ
マト分画してマルトトリオース液を得るクロマト分画工
程とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高純度のマルトト
リオース液が容易に製造でき、同時に生成する副生物を
非老化性デキストリンとして有効利用できるマルトトリ
オースの製造方法に関する。
【0002】マルトトリオースは、非晶質で保湿性に富
み和洋菓子の日持ちの延長等の機能がある。マルトトリ
オースは、高純度マルトトリオース液またはその粉末品
の形態で使用される。
【0003】デキストリンは、食品加工において賦形
剤、増粘剤、コーティング剤、グレーズ剤として、高濃
度溶液またはその粉末の形態で使用される。そして、高
濃度溶液は、室温保存ないし冷蔵保存した場合、特に冷
蔵保存した場合に、白濁しない非老化性を有することが
要求される。
【0004】なお、本明細書で「%」は、特に断らない
限り「重量%」を意味し、また「%/ds」は、固形分(dr
y substance)換算値における%を意味する。
【0005】ここで、「DE」は、「Dextrose Equival
ent 」の略号では、還元糖をぶどう糖(デキストロース
=D−グルコース)として測定し、その還元糖の固形分
に対する比を意味する。
【0006】
【背景技術】マルトトリオース素材とする高純度のマル
トトリオース液は、通常、分解酵素としてマルトトリオ
ース生成アミラーゼの一種であるマルトトリオヒドロラ
ーゼ(例えば、Microbacterium起源)を澱粉の液化液に
作用させて製造していた。
【0007】ここで、高純度とは、マルトトリオース素
材として、実用使用可能な純度、具体的には、マルトト
リオース含有量が45%/ds以上ものを言う。表1は、食
品業界で使用されている一般的な高純度マルトトリオー
ス素材の糖組成を示すものである。なお、表1の各数値
は、[吉積他3名編「新食品開発用素材便覧」(平3−
12−20)光琳、p.178]及び[「ジャパンフー
ドサイエンス」1990−8、日本食品出版、p.5
8]から引用したものである。
【0008】
【表1】
【0009】そして、マルトトリオース含有量45%/ds
以上の、特に50%/ds以上の高純度のマルトトリオース
液を製造するには高価なマルトトリオヒドロラーゼを5
U/g以上と多量に使用する必要があった(表2参照)。
【0010】表2は、本発明者らが、コーンスターチ液
化液(濃度28%、DE5.0、pH7.0)ににマル
トトリオヒドロラーゼを添加して、液温55℃で表示の
各時間反応させたときに得られた、糖化液の糖組成を示
すものである。
【0011】
【表2】
【0012】このため、マルトトリオース素材は、製造
原価の高騰を招き、食品業界、特に菓子業界での使用対
象物が、高級品に限定された。
【0013】本発明は、上記にかんがみて、マルトトリ
オヒドロラーゼを少量の使用で、相対的に高純度(45
%以上の)のマルトトリオース液を容易に製造すること
ができるマルトトリオースの製造方法を提供することを
目的とする。
【0014】本発明の他の目的は、マルトトリオース液
の製造に際して、副生物も製品として有効利用できるマ
ルトトリオース液の製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意・開
発に努力をして検討した結果、高価なマルトトリオヒド
ロラーゼを少量の添加で調製したマルトトリオースをふ
くむ精製糖化液を原料にしてイオン交換クロマトグラフ
ィーで分画することにより、高純度マルトトリオース液
が容易に製造でき、副生物として非老化性デキストリン
液も得られることを見出し下記構成の本発明に想到し
た。
【0016】澱粉の液化液に、分解酵素としてマルトト
リオヒドロラーゼを作用させてマルトトリオース含有量
が25%/ds以上(通常、25〜48%/ds)の糖化液を調
製し、該糖化液を、イオン交換クロマトグラフィーで、
高純度マルトトリオース液画分と非老化性デキストリン
液画分とにクロマト分画してマルトトリオース液を得る
ことを特徴とする。
【0017】ここで、分解酵素として、マルトトリオヒ
ドロラーゼと共にα−アミラーゼを併用することによ
り、マルトトリオヒドロラーゼの使用量を相対的に小さ
くできるため望ましい。
【0018】また、分解酵素として、マルトトリオヒド
ロラーゼと共にプルラナーゼを併用することにより、ク
ロマト分画した場合に、相対的に高純度のマルトトリオ
ース液を得易いため望ましい。
【0019】また、クロマト分画に使用するイオン交換
樹脂としてアルカリ金属型またはアルカリ土類金属型の
強酸性陽イオン交換樹脂を使用することが望ましい。
【0020】更に、上記高純度マルトトリオース液は、
クロマト分画により同時に得られた副生物である非老化
性デキストリン液を添加した混合物を、または、非老化
性デキストリン液をそのまま、それぞれ噴霧乾燥して粉
末製品にすることが製品価値が増大して望ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0022】(1) まず、澱粉の液化液に、分解酵素とし
てマルトトリオヒドロラーゼを作用させてマルトトリオ
ース含有量が25%/ds以上(通常、25〜48%/ds、望
ましくは27〜43%/ds)の糖化液を調製する。
【0023】ここで、原料澱粉の種類は、特に限定され
ずコーンスターチ、小麦澱粉、米澱粉、等の地上澱粉、
馬鈴薯澱粉・タピオカ澱粉等の地下澱粉等いずれも使用
可能である。
【0024】液化液は、澱粉の分散性及び酵素活性の見
地から、通常、澱粉濃度25〜35%、 pH 5〜8に調
製して使用する。また、液化液のDEは、マルトトリオ
ース及び非老化性デキストリンの収率の見地から、3〜
20(望ましくは5〜15)の範囲に調製することが望
ましい。さらに、反応は酵素活性が高い45〜58℃
(望ましくは50〜55℃)に維持して行う。
【0025】液化液の調製は、例えば、下記の如く行
う。
【0026】所定濃度の澱粉乳に、消石灰を加えてpH
調整を行った後、所定量のα−アミラーゼ等の分解酵素
を添加する。この澱粉乳をジェットクッカーで約105
℃に加熱し、その温度で5〜10分保持する(澱粉・分
解酵素の種類により異なる。)。その後、大気圧に解放
して、約95℃で、目的とするDEになるまで所定時間
(60〜120分)保持して液化を行う。
【0027】分解酵素として使用するマルトトリオヒド
ロラーゼは、起源を問わずいずれのマルトトリオヒドロ
ラーゼでも使用可能である。具体的には、天野製薬株式
会社から上市されている「AMT」酵素(600 U/ml
、Microbacterium起源)等を好適に使用できる。
【0028】マルトトリオヒドロラーゼの活性表示は、
0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)に溶解した2%可
溶性澱粉0.5mlに適量の酵素を加え、全量1.0mlで
40℃で反応させ生成するマルトトリオース及びその他
の還元糖をソモギ・ネルソン法で定量したときの1分間
に1μモルのグルコースに相当する還元糖を生成する酵
素量を1単位(1U)とするものである。
【0029】このとき、マルトトリオースの生成の助長
を目的として、分解酵素としてマルトトリオヒドロラー
ゼとともにα−アミラーゼ又はプルラナーゼを併用して
製造することもできる。結果的に、マルトトリオヒドロ
ラーゼの使用量が相対的に少なくても、それぞれの作用
により高純度マルトトリオース液が得易くて望ましい。
特に、α−アミラーゼは安価で入手しやすく望ましい。
【0030】α−アミラーゼは、起源を問わずいずれの
α−アミラーゼでも使用可能である。具体的には、大和
化成株式会社から上市されている「クライスターゼT1
0S」(17,000JLU ) 等を好適に使用することができ
る。
【0031】なお、α−アミラーゼの活性表示は、アミ
ラーゼが馬鈴薯澱粉1gに相当する濃度91g/L の糊に
65℃で15分間作用するとき、この糊の動粘度を 250
×10 -6m2/s ( 250cSt)( 65 ℃測定)まで減少させる酵
素量を1液化力単位(1JLU)とするものである。
【0032】プルラナーゼは、起源を問わずいずれのプ
ルラナーゼでも使用可能である。具体的には、天野製薬
株式会社から上市されている「アマノ」(900 U/ml)等
を好適に使用できる。
【0033】なお、プルナラーゼの活性表示は、基質と
して0.5%プルラン溶液を使用し、40℃で30分間
反応させた時、1分間に1μモルのグルコースに相当す
る還元力の増加をもたらす酵素量を1単位(1U)とする
ものである。
【0034】澱粉液化液へのマルトトリオヒドロラーゼ
の添加量は、反応温度、糖化時間によって異なる。
【0035】例えば、反応温度55℃、糖化時間48時
間のとき、1.0〜2.0 U/g、また糖化時間72時間
のとき0.5〜1.5 U/gが望ましい。併用酵素である
α−アミラーゼ「クライスターゼT10S」は、0.3
〜2.0 JLU また、プルラナーゼ「アマノ」は、0.
5〜1.0 U/gの添加が望ましい。
【0036】糖化液のマルトトリオース含有量25%/ds
未満では、クロマト分画しても、高純度マルトトリオー
ス液を得難い。他方、マルトトリオース含有量の上限
は、従来にない高純度(70%以上)のマルトトリオー
ス液を製造しようとする場合は特に限定されない。しか
し、マルトトリオヒドロラーゼの添加量を経済的な範囲
に収めようとする場合は、48%/ds以下とする。即ち、
マルトトリオース含有量48%/dsが越えるものは、マル
トトリオヒドロラーゼの使用量を多くする必要があり、
本発明の効果(マルトトリオヒドロラーゼを少量使用)
を十分に得難い。
【0037】(2) 次に、上記糖化液を、イオン交換クロ
マトグラフィーで、高純度マルトトリオース液画分と非
老化性デキストリン液画分とにクロマト分画してマルト
トリオース液を得る。
【0038】上記糖化液は、クロマト分画に際して、分
画効率の見地から、通常、活性炭濾過、イオン交換精製
装置(二床一混床方式)等により精製及び濃縮して使用
する。この濃縮固形分(マルトオリゴ糖)濃度は、40
〜70%とする。
【0039】分画に使用する強酸性陽イオン交換樹脂
は、二・三糖類と他のマルトオリゴ糖(デキストリン成
分)との分画する作用を奏する。アルカリ金属型強酸性
陽イオン交換樹脂及びアルカリ土類金属型強酸性陽イオ
ン交換樹脂のいずれも使用できるが、好ましくはアルカ
リ金属型強酸性陽イオン交換樹脂、特に好ましくはナト
リウム型強酸性陽イオン交換樹脂である。
【0040】具体例としては、三菱化成株式会から上市
されている「ダイヤイオンFRK」シリーズ、「ダイヤ
イオンユニビーズ」シリーズのナトリウム型強酸性陽イ
オン交換樹脂等を好適に使用できる。
【0041】カラムへの通液温度は、40〜90℃、好
ましくは55〜75℃で行なう。また通液速度は、SV
0.01〜0.10の範囲が好ましい。ここで「SV」
は、の「Space Velocity」略で、空間速度を意味し、1
時間に樹脂容積の何倍の容量を流すかを示す。
【0042】本発明の分離(クロマト分画)操作を、強
酸性陽イオン交換樹脂を充填した分離四塔からなるクロ
マトグラフィー装置を例にとり、より詳しく説明する
(図1参照)。
【0043】分離操作は、下記四つ各段階を順次反復す
ることからなる。当該分離操作により、精製分離原料液
(糖化液)は、非老化性デキストリン液画分と高純度マ
ルトトリオース液画分とに分画する。
【0044】第一段階:充填装置内に澱粉液化液をマ
ルトトリオヒドロラーゼで糖化した精製分離原料液を第
一塔11から第二塔13、第三塔15を経て第四塔17
にむけて循環する。
【0045】第二段階:精製分離原料液を第三塔15
に供給して当該区画を流下させ、かつこの間に、当該区
画から流出する非老化性デキストリン溶液を系外に抜き
出す。
【0046】第三段階:溶離水を第一塔11に供給し
て当該区画を流下させ、かつこの間に当該区画から流出
するマルトトリオース成分に富む溶液を系外に抜き出
す。
【0047】第四段階:第一塔11に溶離水を供給し
て当該区画を流下させ、第一塔11の流出液は、第二塔
13へ流入させ、第二塔13の流出液は第三塔15へ流
入させ、第三塔15から流出する非老化性デキストリン
溶液を系外に抜き出す。
【0048】そして、分画後の非老化性デキストリンの
DEは、食品加工への利用及び流通の点で支障をきたさ
ないためには適度な粘性を持った製品に加工する必要が
ある。そのためには、分画する非老化性デキストリン液
のDEは、経験上、5〜10の範囲になるようにするこ
とが重要である。
【0049】分画した非老化性デキストリン液と高純度
マルトトリオース液は、長期貯蔵及び利用する食品の形
態によって粉末化することが望ましい場合がある。
【0050】非老化性デキストリン液は、スプレー乾燥
によって粉末化ができ、高湿度な環境でも流動性が良好
な粉末製品が容易に製造できる。
【0051】また、高純度マルトトリオース液は、マル
トトリオースが吸湿性の高い糖質であるにもかかわらず
非老化性デキストリン液と混合してスプレー乾燥するこ
とにより、混合割合により所定のマルトトリオース含有
量の粉末製品が容易に安価に製造できる。
【0052】非老化性デキストリン液の高純度マルト
トリオース液に対する混合割合は、通常、/(重
量比)=95/5〜75/25とする。非老化性デキス
トリン量が過少では、防湿性を製品に得難く、他方過多
では、相対的にマルトトリオースの含有量が低くなり
(45%未満)、高純度マルトトリオース素材として使
用しがたい。
【0053】なお、上記スプレー乾燥は、例えば、後述
の実施例3に記載されているように行う。
【0054】
【実施例】以下、本発明の効果を確認するために行なっ
た実施例について説明する。当然、本発明は、これらの
実施例に限定されるものではない。
【0055】<実施例1>コーンスターチ液化液(濃度
25%、DE7.8、pH7.0)にマルトトリオヒド
ロラーゼ(前記「AMT」)1.0 U/gを添加し55℃
で48時間反応を行なわせてマルトトリオース含有量3
1.6%/dsの反応液を調製した。
【0056】該反応液を、活性炭濾過、イオン交換精製
装置(二床混床方式)により精製及び濃縮を行なってク
ロマト分離用原料液(固形分濃度60%)とした。
【0057】当該原料液を、図1に示す分離四塔型クロ
マトグラフィー分画装置(ナトリウム型強酸性陽イオン
交換樹脂「ダイヤイオンUBK 530」を充填)を用
いて通液温度65℃、通液速度SV0.04でクロマト
分画した。
【0058】非老化性デキストリン液画分は、20.2
%濃度の分画液が40.3%の収率で回収できた。ま
た、高純度マルトトリオース液画分は、16.1%濃度
の分画液が59.7%の収率で回収できた。
【0059】それぞれの分画液は、活性炭濾過、イオン
交換樹脂による精製を行なった。非老化性デキストリン
精製液は、水分40%に濃縮し、高純度マルトトリオー
ス精製液は水分25%に濃縮した。
【0060】非老化性デキストリン濃縮液は、DEが
5.6であり、5℃の冷蔵庫に2週間貯蔵しても白濁
(老化)しなかった。また、凍結−解凍を繰り返しても
白濁(老化)しなかった。
【0061】表3に本実施例のクロマト分画用原料液及
び分画液の糖組成を示す。
【0062】
【表3】
【0063】<実施例2>馬鈴薯澱粉液化液(濃度28
%、DE5.5、pH7.0)にマルトトリオヒドロラ
ーゼ(前記「AMT」)1.4 U/g及びα−アミラーゼ
(前記「クライスターゼT10S」)0.4 JLUを添加
し55℃で72時間反応させマルトトリオース含有量4
1.9%/dsの反応液(糖化液)を調製した。
【0064】この反応液は、活性炭濾過、イオン交換精
製装置(二床混床方式)により精製及び濃縮を行なって
クロマト分画用原料液(固形分濃度60%)とした。
【0065】当該原料液を、実施例1と同様にしてクロ
マト分画した。
【0066】非老化性デキストリン液画分は、15.7
%濃度の溶液が33.9%の収率で回収できた。また、
高純度マルトトリオース液画分は、19.4%の溶液が
66.1%の収率で回収できた。
【0067】それぞれの分画液は、活性炭濾過、イオン
交換樹脂による精製を行なった。非老化性デキストリン
精製液は、水分40%に濃縮し、高純度マルトトリオー
ス精製液は、水分25%に濃縮した。
【0068】非老化性デキストリン濃縮液は、DEが
8.5であり、5℃で2週間貯蔵しても白濁(老化)し
なかった。また、凍結−解凍を繰り返しても白濁(老
化)しなかった。
【0069】表4に本実施例のクロマト分画原料液及び
分画液の糖組成を示す。表4から下記のことが分かる。
【0070】α−アミラーゼを併用する本実施例は、マ
ルトトリオヒドロラーゼの使用量が1.4U/g であるに
もかかわらず、糖化液のマルトトリオース含有量は、約
42%/dsと、従来の使用量が2U/g の場合の約44%/ds
(表2参照)とほとんど変わらない数値を示す。即ち、
α−アミラーゼを併用した場合、相対的にマルトトリオ
ヒドロラーゼの使用量が低減できることが分かる。
【0071】
【表4】
【0072】<実施例3>馬鈴薯澱粉液化液(濃度28
%、DE7.0、pH7.0)にマルトトリオヒドロラ
ーゼ(前記「AMT」)を0.50U/g 及びプルラナー
ゼ0.5U/g を添加し55℃で72時間反応させマルト
トリオース含有量28.9%/dsの反応液を調製した。
【0073】この反応液を、活性炭濾過、イオン交換精
製装置(二床混床方式)により精製及び濃縮を行なって
クロマト分離用原料液(固形分濃度60%)とした。
【0074】当該原料液を実施例1と同様にしてクロマ
ト分画をした。
【0075】非老化性デキストリン液画分は、23.5
%濃度の溶液が47.5%の収率で回収できた。また、
高純度マルトトリオース液画分は、19.1%の溶液が
47.5%の収率で回収できた。
【0076】それぞれの分画液は、活性炭濾過、イオン
交換樹脂による精製を行なった。非老化性デキストリン
精製液は、水分40%に濃縮し、高純度マルトトリオー
ス精製液は、水分25%に濃縮した。
【0077】非老化性デキストリン濃縮液は、DEが
4.9であり、5℃で2週間貯蔵しても白濁(老化)し
なかった。また、凍結−解凍を繰り返しても白濁(老
化)しなかった。
【0078】表5に本実施例のクロマト分画用原料液及
び分画液の糖組成を示す。表5から下記のことが分か
る。
【0079】プルラナーゼを併用する本実施例は、糖化
液のマルトトリオース含有量は、表2に示す場合とほと
んど変わらない、選択的に、マルトトリオースが、その
他の糖(グルコース、マルトースを除く。)とともに生
成する。実施例1より糖化液のマルトトリオースの含有
量が低くても、クロマト分画して得られた高純度マルト
トリオースの純度が実施例1より高く、また、非老化性
デキストリン中の低重合度オリゴマーの含有量も少な
い。
【0080】
【表5】
【0081】<実施例4>実施例1、2及び3で分画し
た各非老化性デキストリン濃縮液の45%濃度の溶液を
下記の条件でスプレー乾燥して粉末製品とした。
【0082】 スプレードライヤー出口温度 80℃ 給液量 4.5L/hr ディスク径 100mm ディスク回転数 16,000RPM 得られた各非老化性デキストリン粉末は、いずれも水分
が3.8%であり、高湿度下でも流動性が極めて良好で
あった。
【0083】<実施例5>実施例2で調製した非老化性
デキストリン濃縮液と高純度マルトトリオース濃縮液を
固形分比で非老化性デキストリン:高純度マルトトリオ
ース濃縮液=15:85に混合溶解した糖液濃度45%/
ds溶液を実施例4のスプレー条件でスプレー乾燥して粉
末製品とした。
【0084】得られた糖粉末は、水分が2.8%であ
り、吸湿性の強いマルトトリオース50%以上含有して
いるにもかかわらず粉体流動性が極めて良好であった。
【0085】
【発明の作用・効果】本発明に係るマルトトリオースの
製造方法は、上記の如く、澱粉の液化液に、分解酵素と
してマルトトリオヒドロラーゼを作用させてマルトトリ
オース含有量が25〜48%/dsの糖化液を調製し、該糖
化液を、イオン交換クロマトグラフィーで、高純度マル
トトリオース液画分と非老化性デキストリン液画分とに
クロマト分画してマルトトリオース液を得る方法なの
で、下記のような効果を奏する。
【0086】マルトトリオヒドロラーゼの相対的に少量
な使用で、高純度(45%/ds以上の)のマルトトリオー
ス液を製造することができる。特に、他の汎用のαアミ
ラーゼ等の分解酵素と併用することにより、マルトトリ
オヒドロラーゼの相対的に使用量を更に低減することが
できる。
【0087】なお、実施例1〜3の結果から、マルトリ
トリオース純度が50%/dsのものを得るために従来、5
U/g 以上のマルトトリオヒドロラーゼを使用したのに対
し、実施例1〜3では、マルトトリオヒドロラーゼの使
用量は、0.75〜1.4U/g と、約1/7〜1/4で
すむことが分かる。
【0088】50%/ds以上含有マルトトリオース製品1
kgを製造する場合の、従来例及び実施例1〜3におけ
る、酵素代を比較したものを、表6に示す。表6から酵
素代が約1/3〜1/6になることが分かる。
【0089】マルトトリオース液の製造に際して、即
ち、クロマト分画で高純度マルトース液画分に対する他
の画分(副生物)として、非老化性デキストリン液が得
られ、副生物も製品として有効利用できる なお、本発明の発明性に直接関係ないが、他方、非老化
性のデキストリンを製造する方法については、例えば、
特公昭52−46290号公報、特開昭61−2054
94号公報等の公知技術が存在する。
【0090】
【表6】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクロマト分画にしようするクロマト分
離装置の概略図
【符号の説明】 11 クロマト分離装置の第一塔 13 クロマト分離装置の第二塔 15 クロマト分離装置の第三塔 17 クロマト分離装置の第四塔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浜島 千晶 愛知県知多市北浜町24番の13 日本資糧工 業株式会社内 (72)発明者 飛田 朱美 愛知県知多市北浜町24番の13 日本資糧工 業株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 澱粉の液化液に、分解酵素としてマルト
    トリオヒドロラーゼを作用させてマルトトリオース含有
    量が25%/ds以上の糖化液を調製し、 該糖化液を、イオン交換クロマトグラフィーで、高純度
    マルトトリオース液画分と非老化性デキストリン液画分
    とにクロマト分画してマルトトリオース液を得ることを
    特徴とするマルトトリオース液の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記糖化液を、マルトトリオース含有量
    が25〜48%/dsに調製したものとする請求項1記載の
    マルトトリオース液の製造方法。
  3. 【請求項3】 クロマト分画に使用するイオン交換樹脂
    としてアルカリ金属型またはアルカリ土類金属型の強酸
    性陽イオン交換樹脂を使用することを特徴とする請求項
    1又は2記載のマルトトリオース液の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記分解酵素として、前記マルトトリオ
    ヒドロラーゼと共にα−アミラーゼを併用することを特
    徴とする請求項1または2記載のマルトトリオース液の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 クロマト分画に使用するイオン交換樹脂
    としてアルカリ金属型またはアルカリ土類金属型の強酸
    性陽イオン交換樹脂を使用することを特徴とする請求項
    4記載のマルトトリオース液の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記分解酵素として、前記マルトトリオ
    ヒドロラーゼと共にプルラナーゼを併用することを特徴
    とする請求項1または2記載のマルトトリオース液の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 クロマト分画に使用するイオン交換樹脂
    としてアルカリ金属型またはアルカリ土類金属型の強酸
    性陽イオン交換樹脂を使用することを特徴とする請求項
    6記載のマルトトリオース液の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかにおいて、クロ
    マト分画して得た非老化性デキストリン液を噴霧乾燥し
    て粉末製品にすることを特徴とする非老化性デキストリ
    ン粉末の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7のいずれかにおいて、クロ
    マト分画して得たマルトトリオース液に対して非老化性
    デキストリン液を添加した混合液を噴霧乾燥して粉末化
    することを特徴とする高純度マルトトリオース粉末の製
    造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020015871A (ja) * 2018-07-27 2020-01-30 昭和産業株式会社 澱粉分解物、並びに該澱粉分解物を用いた飲食品用組成物、及び飲食品

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