JPH11240860A - 淡色α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩およびその製造法 - Google Patents

淡色α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩およびその製造法

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JPH11240860A
JPH11240860A JP3520098A JP3520098A JPH11240860A JP H11240860 A JPH11240860 A JP H11240860A JP 3520098 A JP3520098 A JP 3520098A JP 3520098 A JP3520098 A JP 3520098A JP H11240860 A JPH11240860 A JP H11240860A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 できるだけ簡便な操作で、副生物の生成を抑
え、白色に近い淡色のα−スルホ脂肪酸アルキルエステ
ル塩とその製造法を提供する。 【解決手段】 原料の脂肪酸アルキルエステルと、スル
ホン化ガスとを接触させるスルホン化ガス導入工程と、
該スルホン化ガス導入工程後に、SO3二分子付加体か
らSO3を脱離させる熟成工程と、該熟成工程後に低級
アルコールによってエステル化するエステル化工程と、
該エステル化工程後にアルカリで中和する中和工程と、
該中和工程後に80℃以上の温度条件下で加熱処理を経
てα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、α−スルホ脂肪酸
アルキルエステル塩とその製造法に関し、特に白色に近
い淡色のα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩とその製
造法に関する。
【0002】
【従来の技術】α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩
は、その用途のひとつとして界面活性剤があり、特にそ
の洗浄力が高く、生分解性が良好で、環境に対する影響
が少ないことから洗浄剤材料としての性能が高く評価さ
れている。このα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩
は、脂肪酸アルキルエステルをSO 3によりスルホン化
してα−スルホ脂肪酸アルキルエステルを得た後に、ア
ルカリによって中和することによって得られる 。
【0003】脂肪酸アルキルエステルのスルホン化メカ
ニズムについては、Smith and Stirton:JAOCS vo
l.44,P.405(1967)およびSchmid, Bauma
nn, Stein, Dolhaine: Proceeding of the World Sur
factants Congress Munchen, vol.2, P.105,
Gelnhausen, Kurle(1984)およびH.Yoshimura:油
化学(JJOCS),41巻,10頁 (1992)に示される
ように、以下の反応スキ−ムによって進行する。
【0004】
【化1】
【0005】脂肪酸アルキルエステルからα−スルホ脂
肪酸アルキルエステルを得るには、最初にSO3が脂肪
酸アルキルエステルのα位に反応してα−スルホ脂肪酸
アルキルエステルを生成すれば効率がよいと考えられ
る。しかし実際はアルコキシ基に挿入されるような反応
がおこり、SO3一分子付加体(以下、一分子付加体と
略記する。)が生成する。そしてつぎの段階でさらにS
3と反応してα位にスルホン基が導入され、SO3二分
子付加体(以下、二分子付加体と略記する。)が生成す
る。最後にアルコキシ基に挿入したSO3が脱離してα
−スルホ脂肪酸アルキルエステルが生成する。
【0006】この反応は、前記二分子付加体の生成段階
までは速やかに進行するが、二分子付加体からα−スル
ホ脂肪酸アルキルエステルを生成する反応速度は非常に
遅い。このため、実際はSO3ガスなどのスルホン化ガ
スを過剰に使用しなくてはならず、さらに二分子付加体
生成段階まで進行させた後に、熟成工程を設けてSO 3
の脱離を促進させる必要がある。
【0007】また、通常α−スルホ脂肪酸アルキルエス
テルは著しく着色しており、このためアルカリ中和後に
得られるα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩も着色し
ている。このような着色は洗浄剤材料として用いる場合
には不都合である。このため中和工程の前あるいは後
に、過酸化水素などによる過酷な条件の漂白工程が行わ
れている。つまり従来のα−スルホ脂肪酸アルキルエス
テル塩は、スルホン化ガス導入工程と熟成工程を経てス
ルホン化され、その後、中和工程、漂白工程を経て製造
されている。
【0008】ところでα−スルホ脂肪酸アルキルエステ
ル塩には、α−スルホ脂肪酸、α−スルホ脂肪酸ジアル
カリ塩などの副生物が含まれている。これは製造過程で
一部エステル結合の切断が生じるためである。これらの
副生物は洗浄剤活性成分としては洗浄力が小さく、水溶
性も劣るので、洗浄剤材料としてはこれらの副生物の生
成はできるだけ抑制することが好ましい。したがって特
に条件が過酷で、エステル結合の一部が加水分解しやす
く、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の生成に直接
的に関係しない漂白工程は、できるだけ簡略化または省
略できると好ましい。さらに過酸化水素を用いた漂白作
業は取扱いが困難で、操作が煩雑になったり、作業環境
が悪化したりすることがある。
【0009】またα−スルホ脂肪酸アルキルエステルの
着色原因のひとつは、過剰なスルホン化ガスの存在によ
るものである。また特に熟成工程中に着色が進行するこ
とが確認されている。しかし熟成工程は、副生物を抑え
るためにも十分に行うことが必要不可欠である。すなわ
ち熟成工程が不十分で二分子付加体が残存していると、
この後に行われる例えば水酸化ナトリウムなどのアルカ
リ中和により、下記(III)に示すような反応がおこ
り、洗浄力、水溶力の劣るα−スルホ脂肪酸ジソ−ダ
(α−スルホ脂肪酸ジアルカリ塩)を生成する。そして
界面活性剤としての物性、例えば好ましい洗浄力や浸透
力などを得ることが困難となる。
【0010】
【化2】
【0011】したがって最も望まれるのは、熟成工程を
十分に行って反応率を高めることができ、かつ漂白工程
を簡略化あるいは省略できる方法であって、白色に近い
淡色で、できるだけ副生物を含有しないα−スルホ脂肪
酸アルキルエステルからα−スルホ脂肪酸アルキルエス
テル塩を得る方法である。
【0012】漂白工程を簡略化あるいは省略してα−ス
ルホ脂肪酸アルキルエステル塩の色調を改善する方法と
して、特表平6−510300号公報には暗色不純物を
含むα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩をメタノール
溶剤に溶解し、前記暗色不純物を活性炭などに吸着させ
る方法;特表平8−501309号公報には暗色不純物
を含むα−スルホ脂肪酸アルキルエステルをアルコキシ
ドによってメタノールを溶媒とする実質的に無水溶媒中
で連続的に中和する方法;特開昭63−105097号
公報には暗色不純物を含むα−スルホ脂肪酸アルキルエ
ステル塩を食塩で2回以上塩析する方法などが提案され
ている。しかしこれらの従来の提案方法は、反応率や色
調改善効果が不十分であったり、また操作が煩雑であっ
たり、他の添加物や溶媒を使用するためコストが高くな
るなど、必ずしも満足できるものではなかった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】よって本発明は、白色
に近い淡色のα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩とそ
の製造法を提供することを課題とする。さらには副生物
の生成を抑え、洗浄剤材料に適した白色に近い淡色のα
−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩とその製造法を得る
ことを目的とする。またできるだけ簡便な操作で白色に
近い淡色のα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を得る
ことができる方法を提供することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記課題を鑑み、本発明
においては、下記の一般式(I) R1CH2COOR2 …(I) (式中、R1は炭素数6〜24のアルキル基を表し、R2
炭素数1〜6のアルキル基を表す)で示される脂肪酸アル
キルエステルと、スルホン化ガスとを接触させるスルホ
ン化ガス導入工程と、該スルホン化ガス導入工程後に、
SO3二分子付加体からSO3を脱離させる熟成工程と、
該熟成工程後にアルカリで中和する中和工程と、該中和
工程後に、80℃以上の温度条件下で加熱処理を行う加
熱処理工程を経て淡色α−スルホ脂肪酸アルキルエステ
ル塩を製造することを特徴とする。また、好ましくは前
記熟成工程と中和工程の間に、低級アルコールによって
エステル化するエステル化工程を行って淡色α−スルホ
脂肪酸アルキルエステル塩を得ることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明についてさらに詳し
く説明する。本発明の製造法は、好ましくは例えば以下
の(A)〜(E)の工程を順次行ってα−スルホ脂肪酸
アルキルエステル塩を得るものである。 (A)前記一般式(I)で示される脂肪酸アルキルエス
テルと、スルホン化ガスとを接触させるスルホン化ガス
導入工程。 (B)SO3二分子付加体からSO3を脱離させる熟成工
程。 (C)副生物をさらに抑制するために低級アルコールに
てエステル化するエステル化工程。 (D)アルカリで中和してα−スルホ脂肪酸アルキルエ
ステルからα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を得る
中和工程。 (E)色調を改善する加熱処理工程。 前記(C)エステル化工程は必須ではないが、この工程
を経ることによって副生物であり、着色の原因でもある
α−スルホ脂肪酸ジアルカリ塩の含量を低下させて製品
純度を向上させることができるので、(B)熟成工程と
(D)中和工程の間に、(C)エステル化工程を行うと
好ましい。
【0016】本発明に用いる脂肪酸アルキルエステル
は、前記式(I)で示されるもので、脂肪酸残基の炭素
数が6〜24で、アルコ−ル残基の炭素数が1〜6で、
両者の合計の炭素数が9〜26である。また牛脂、魚油
などから誘導される動物系油脂;ヤシ油、パ−ム油、大
豆油などから誘導される植物系油脂;α−オレフィンの
オキソ法から誘導される合成脂肪酸アルキルエステルな
どのいずれでもよく、特に限定はされない。具体的に
は、ラウリン酸メチル、エチルまたはプロピル;パルミ
チン酸メチルまたはエチル;ステアリン酸メチルまたは
エチル;硬化牛脂脂肪酸メチルまたはエチル;硬化魚油
脂肪酸メチルまたはエチル;ヤシ油脂肪酸メチルまたは
エチル;パ−ム油脂肪酸メチルまたはエチル;パ−ム核
油脂肪酸メチルまたはエチルなどを例示することがで
き、これらは単独でも2種以上混合して用いてもよい。
またヨウ素価は低い方が着色しにくいので、好ましくは
0.5以下、より好ましくは0.2以下である。
【0017】以下各工程について詳細に説明する。 (A)スルホン化ガス導入工程 反応方式としては槽型反応、フィルム反応、管型気液混
相流反応などの方式が用いられる。スルホン化方法とし
ては薄膜式スルホン化法、回分式スルホン化法などのい
ずれのスルホン化方式でもよい。α−スルホ脂肪酸アル
キルエステルの色調を重視すると回分式スルホン化法が
望ましいが、生産レベルでコストなどを重視すると薄膜
式スルホン化法が望ましい。
【0018】スルホン化ガスはSO3ガス、発煙硫酸な
どが例示できるが、好ましくはSO3ガスが用いられ
る。通常空気または窒素などの不活性ガスで濃度3〜3
0容量%に希釈したSO3ガスが使用される。SO3は原
料の脂肪酸アルキルエステルの1.0〜2.0倍モル、
好ましくは1.0〜1.5倍モル、さらに好ましくは
1.05〜1.3倍モル使用される。1.0倍モル未満
ではスルホン化反応が十分に進行せず、2.0倍モルを
こえると、スルホン化反応がより過激になるため局部熱
に起因する着色が発生しやすく、不都合である。
【0019】反応温度は脂肪酸アルキルエステルが流動
性を有する温度であればよい。一般に脂肪酸アルキルエ
ステルの凝固点以上、好ましくは凝固点から凝固点より
70℃高い温度までである。反応時間はスルホン化方法
により異なり、薄膜式スルホン化法では5〜60秒、回
分式スルホン化法では10〜120分程度である。
【0020】(B)熟成工程 熟成工程の温度は70〜100℃が適当である。70℃
より低いと反応は速やかに進行せず、100℃以下とす
ることによって着色を抑制することができる。反応時間
は1〜120分とされる。
【0021】(C)エステル化工程 エステル化工程は、前記(B)熟成工程後に少量の低級
アルコールを添加し、エステル化反応を進行させるもの
である。ここで用いられる低級アルコールは、通常反応
に用いる脂肪酸アルキルエステルのアルコ−ル残基の炭
素数と等しい炭素数のものが好ましいが、特に限定され
ることはない。すなわちこの低級アルコールの炭素数は
1〜6が好ましい。低級アルコールは、反応液中の二分
子付加体に対して0.5〜5.0倍モル、好ましくは
0.8〜2.0倍モル用いられる。また反応温度は50
〜100℃、好ましくは50〜90℃、反応時間は5〜
120分とされる。
【0022】このエステル化によって、熟成工程後に残
留している二分子付加体は、そのアルコキシ基に挿入さ
れていたSO3が脱離してα−スルホ脂肪酸アルキルエ
ステルとなる。この結果製品の純度が向上し、性能向上
を図ることができる。また二分子付加体が中和されて生
成するα−スルホ脂肪酸ジアルカリ塩は着色原因でもあ
るので、より製品の色調を改善することができる。
【0023】(D)中和工程 中和工程は、α−スルホ脂肪酸アルキルエステルとアル
カリとの中和液が、酸性あるいは弱いアルカリ性の範囲
(pH4〜9)で行われると好ましい。強アルカリ性の
場合、エステル結合が切断されやすくなる可能性があ
る。使用されるアルカリとしては、例えばアルカリ金
属、アルカリ土類金属、アンモニア、エタノールアミン
などが用いられる。これらのアルカリは通常水溶液とし
て用いられ、アルカリ水溶液の濃度は2〜40重量%程
度とされる。また中和液中のα−スルホ脂肪酸アルキル
エステル塩の濃度は10〜80重量%とされる。中和温
度は30〜70℃、中和時間は10〜60分間とされ
る。
【0024】(E)加熱処理工程 前記(D)中和工程後に、得られた中和液を加熱処理す
る。加熱温度は80℃以上、好ましくは80〜170
℃、さらに好ましくは80〜130℃とされる。80℃
未満の場合色調改善効果が得られない。また170℃を
こえると効果が得られなかったり、副生物が生成しやす
くなることがある。加熱温度が100℃以下の場合は、
通常還流させながら常圧で行う。100℃をこえる場合
には、オートクレーブなどを用いると好ましい。加熱時
間は0.5時間〜7日間、好ましくは1時間〜5日間と
される。この加熱処理を行うことにより、α−スルホ脂
肪酸アルキルエステル塩の色調が改善され、過酷な条件
の漂白を省略あるいは簡略化して製品を得ることができ
る。
【0025】また前記(A)スルホン化ガス導入工程、
あるいは(B)熟成工程において、少なくとも(B)熟
成工程を着色抑制剤存在下で行うと好ましい。着色抑制
剤としては、本出願人が提案している種々のものを用い
ることができる。有効な着色抑制剤について、詳細は特
願平08−24433号、特願平08−336077
号、特願平08−340149号、特願平08−340
148号、特願平08−340147号、特願平08−
342244号、特開平09−216861号公報、特
開平09−216862号公報、特開平09−2168
63号公報などに開示されている。
【0026】これらの中では特開平09−216863
号公報に示されている一価の金属イオンを有し、かつ平
均粒径250μm以下の無機硫酸塩を用いると好まし
い。無機硫酸塩は着色抑制効果が高く、安価なものが多
く、さらに洗浄剤に配合される成分なのでα−スルホ脂
肪酸アルキルエステル塩(製品)から除去する必要がな
い。無機硫酸塩は、一価の金属イオンを有する粉末状の
無水塩であれば特に限定されず、例えば硫酸ナトリウ
ム、硫酸カリウム、硫酸リチウムなどが例示される。
【0027】無機硫酸塩は、その平均粒径は250μm
以下、好ましくは50μm以下のものが用いられる。無
機硫酸塩は、反応中、反応液にはその表面がわずかに溶
解する程度でほとんど溶解しない。このため粒子状で反
応液中に分散している。したがってこのように粒径の小
さい無機硫酸塩を用いることにより、無機硫酸塩全体と
しては接触面積が大きく、分散性が向上し、より効果を
高めることができる。添加量は原料の脂肪酸アルキルエ
ステルに対して0.1〜20重量%、好ましくは2〜1
0重量%である。0.1重量%未満の場合は添加効果が
得られない。
【0028】無機硫酸塩(着色抑制剤)は少なくとも
(B)熟成工程において存在してればよい。したがって
脂肪酸アルキルエステルに無機硫酸塩を添加し、混合し
ておいて(A)スルホン化ガス導入工程に供するのが、
手順が簡略化されるため通例であるが、(A)スルホン
化ガス導入工程と(B)熟成工程との間に添加してもよ
い。
【0029】この製造法においては、(E)加熱処理工
程を経ることによってα−スルホ脂肪酸アルキルエステ
ル塩の色調が改善されることが特徴的である。すなわち
中和液を加熱するのみなので、従来行われていた過酸化
水素を用いた漂白工程と比較すると、取扱いが容易で煩
雑な操作や作業環境の悪化を伴わず、製品に過酸化水素
などが残留せず、副生物も生成しにくいため、安全で経
済的である。
【0030】本発明の実施の態様をまとめると以下のよ
うになる。 (1) 原料の脂肪酸アルキルエステルのヨウ素価は、好
ましくは0.5以下 、より好ましくは0.2以下であ
る。 (2) 本発明は、好ましくは(A)スルホン化ガス導入
工程;(B)熟成工程;(C)エステル化工程;(D)
中和工程;(E)加熱処理工程を順次行ってα−スルホ
脂肪酸アルキルエステル塩を製造するものである。
(C)エステル化工程は必須ではないが、着色の原因の
副生物含量を少なくすることができ、製品純度を向上さ
せるとともに色調を改善することができるので(C)エ
ステル化工程を行うことが好ましい。
【0031】(3) (A)スルホン化ガス導入工程 スルホン化ガスは、空気または窒素などの不活性ガスで
濃度3〜30容量%に希釈したSO3ガスが通常用いら
れる。SO3は原料の脂肪酸アルキルエステルの1.0
〜2.0倍モル、好ましくは1.0〜1.5倍モル、さ
らに好ましくは1.05〜1.3倍モル使用される。反
応温度は脂肪酸アルキルエステルの凝固点以上、好まし
くは凝固点から凝固点より70℃高い温度までである。
反応時間は、薄膜式スルホン化法では5〜60秒、回分
式スルホン化法では10〜120分程度である。
【0032】(4) (B)熟成工程 熟成工程の温度は70〜100℃が適当である。反応時
間は反応時間は1〜120分とされる。 (5) (C)エステル化工程 低級アルコールの炭素数は1〜6が好ましい。低級アル
コールは、反応液中の二分子付加体に対して0.5〜
5.0倍モル、好ましくは0.8〜2.0倍モル用いら
れる。また反応温度は50〜100℃、好ましくは50
〜90℃、反応時間は5〜120分とされる。
【0033】(6) (D)中和工程 中和工程は、中和液が酸性あるいは弱いアルカリ性の範
囲(pH4〜9)で行われることが好ましい。中和に用
いられるアルカリ水溶液の濃度は2〜40重量%程度と
される。中和液中のα−スルホ脂肪酸アルキルエステル
塩の濃度は10〜80重量%とされる。中和温度は30
〜70℃、中和時間は10〜60分間とされる。
【0034】(7) (E)加熱処理工程 前記中和工程後に得られた中和液の加熱処理温度は、8
0℃以上、好ましくは80〜170℃、さらに好ましく
は80〜130℃とされる。加熱温度が100℃未満の
場合は、通常還流させながら常圧で行う。100℃をこ
える場合には、オートクレーブなどを用いると好まし
い。加熱時間は0.5時間〜7日間、好ましくは1時間
〜5日間とされる。
【0035】(8) (A)スルホン化ガス導入工程、あ
るいは(B)熟成工程において、少なくとも(B)熟成
工程を着色抑制剤存在下で行うと好ましい。着色抑制剤
としては、特開平09−216863号に示されている
一価の金属イオンを有し、かつ平均粒径250μm以下
の無機硫酸塩を用いると好ましい。無機硫酸塩は、一価
の金属イオンを有する粉末状の無水塩で、例えば硫酸ナ
トリウムや、硫酸カリウムなどである。その平均粒径は
250μm以下、好ましくは50μm以下のものが用い
られる。添加量は原料の脂肪酸アルキルエステルに対し
て0.1〜20重量%、好ましくは2〜10重量%であ
る。
【0036】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明の技術的範囲がこれにより限定されるも
のではない。 (実施例1)ミリスチン酸メチルとパルミチン酸メチル
を、重量比2:8で混合した脂肪酸メチルエステル(ヨ
ウ素価0.40)を、ジャケット冷却、攪拌器付き30
0mlガラス製反応器を用いて、温度を80℃に保ちな
がら、N2ガスで7容量%に希釈した無水硫酸ガス1.2
倍モル(対混合脂肪酸メチルエステル)を60分間、等
速で導入した((A)スルホン化ガス導入工程)。導入
後、85℃に保ちながら30分間攪拌して熟成し、α−
スルホ脂肪酸メチルエステルを製造した((B)熟成工
程)。
【0037】このときに仕込の混合脂肪酸メチルエステ
ルに対して二分子付加体が20モル%生成していた。さ
らにこの二分子付加体に対して等モルのメタノールを添
加し、80℃で20分間撹拌してエステル化を行った
((C)エステル化工程)。ついで2重量%水酸化ナト
リウム水溶液を用いて中和液がpH7〜8となるように
中和し、α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩を得た。こ
の中和液のα−スルホ脂肪酸メチルエステル塩濃度は1
3.6重量%であった。また反応率は98.2%であっ
た。
【0038】得られたα−スルホ脂肪酸メチルエステル
塩を抜き出し、α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩とし
て5重量%エタノ−ル溶液とし、40mm光路長、N
o.42ブル−フィルタ−を用いたクレット光電光度計
で測定したところ、色調は4400であった。この数値
が小さい程着色していないことを示している。ついで前
記中和液を、攪拌器付き300mlガラス製反応器で還
流管をつけて95℃、9時間加熱した(加熱処理工
程)。この加熱処理工程後の色調を、上述と同様の条件
で測定したところ、色調は2100に改善されていた。
【0039】(実施例2)ミリスチン酸メチルとパルミ
チン酸メチルを重量比3:7で混合した脂肪酸メチルエ
ステル(ヨウ素価0.03)に、着色抑制剤として硫酸
ナトリウム(平均粒径40〜60μm)を5重量%(対
混合脂肪酸メチルエステル)添加して、実施例1と同様
の方法でスルホン化ガスを導入した((A)スルホン化
ガス導入工程)。導入後、80℃に保ちながら60分間
攪拌して熟成し、α−スルホ脂肪酸メチルエステルを製
造した((B)熟成工程)。
【0040】このときに仕込の脂肪酸メチルエステルに
対して二分子付加体が20モル%生成していた。さらに
この二分子付加体に対して2倍モルのメタノールを添加
し、80℃で30分間撹拌してエステル化を行った
((C)エステル化工程)。ついで3.5重量%水酸化
ナトリウム水溶液を用いて中和液がpH7〜8となるよ
うに中和し、α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩を得
た。この中和液のα−スルホ脂肪酸メチルエステル塩濃
度は20.5重量%であった。また反応率は98.0%
であった。
【0041】得られたα−スルホ脂肪酸メチルエステル
塩を抜き出し、α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩とし
て5重量%エタノ−ル溶液とし、40mm光路長、N
o.42ブル−フィルタ−を用いたクレット光電光度計
で測定したところ、色調は415であった。ついで前記
中和液を、攪拌器付き300mlガラス製反応器で還流
管をつけて95℃、9時間加熱した(加熱処理工程)。
この加熱処理工程後の色調を、上述と同様の条件で測定
したところ、色調は250に改善されていた。
【0042】(実施例3〜9)原料(脂肪酸アルキルエ
ステル)、着色抑制剤、エステル化工程の有無、中和液
濃度、加熱処理工程の温度、時間などの条件をかえて実
験を行った。なお加熱処理温度が100℃をこえる場合
にはオートクレーブを使用した。結果を表1に示す。表
1中、原料の脂肪酸アルキルエステルについては、脂肪
酸残基の炭素数のみが示されているが、これらは全てメ
チルエステルである。また、この原料において異なる脂
肪酸残基の炭素数を有するものを混合した場合には、そ
の混合重量比が示されている。例えばC14/C16=2/
8というのは、ミリスチン酸メチルとパルミチン酸メチ
ルを2:8の重量比で混合して原料としたことを示して
いる。また着色抑制剤の添加量(重量%)は、原料の脂
肪酸アルキルエステルに対する割合で示されている。
【0043】
【表1】
【0044】表1から、加熱処理工程を経ることによっ
て色調が改善されることが明らかである。また原料のヨ
ウ素価が低いこと、着色抑制剤を添加すること、エステ
ル化工程を行うことがさらなる色調の改善に効果的であ
ることがわかる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は中和工程
後に加熱処理を行うことによって、α−スルホ脂肪酸ア
ルキルエステル塩の色調改善効果が得られるものであ
る。すなわち中和液を加熱するのみなので、従来行われ
ていた過酸化水素を用いた漂白工程と比較すると、取扱
いが容易で煩雑な操作や作業環境の悪化を伴わず、過酸
化水素が残留せず、副生物も生成しにくいため、安全で
経済的である。このため製品純度と品質の向上を図るこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮脇 洋三 東京都墨田区本所一丁目3番7号 ライオ ン株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(I) R1CH2COOR2 …(I) (式中、R1は炭素数6〜24のアルキル基を表し、R2
    炭素数1〜6のアルキル基を表す)で示される脂肪酸アル
    キルエステルと、スルホン化ガスとを接触させるスルホ
    ン化ガス導入工程と、 該スルホン化ガス導入工程後に、SO3二分子付加体か
    らSO3を脱離させる熟成工程と、 該熟成工程後にアルカリで中和する中和工程と、 該中和工程後に80℃以上の温度条件下で加熱処理を行
    う加熱処理工程を含むことを特徴とする淡色α−スルホ
    脂肪酸アルキルエステル塩の製造法。
  2. 【請求項2】 前記熟成工程と中和工程の間に、低級ア
    ルコールによってエステル化するエステル化工程を行う
    ことを特徴とする請求項1記載の淡色α−スルホ脂肪酸
    アルキルエステル塩の製造法。
  3. 【請求項3】 下記の一般式(I) R1CH2COOR2 …(I) (式中、R1は炭素数6〜24のアルキル基を表し、R2
    炭素数1〜6のアルキル基を表す)で示される脂肪酸アル
    キルエステルと、スルホン化ガスとを接触させるスルホ
    ン化ガス導入工程と、 該スルホン化ガス導入工程後に、SO3二分子付加体か
    らSO3を脱離させる熟成工程と、 該熟成工程後にアルカリで中和する中和工程と、 該中和工程後に、80℃以上の温度条件下で加熱処理を
    行う加熱処理工程を少なくとも経て製造されたことを特
    徴とする淡色α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩。
  4. 【請求項4】 前記熟成工程後と中和工程の間に、低級
    アルコールによってエステル化するエステル化工程を行
    って製造されたことを特徴とする請求項3記載の淡色α
    −スルホ脂肪酸アルキルエステル塩。
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